JP5394775B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、吸気通路に吸気流制御弁を備える内燃機関の制御装置に関するものである。
従来、内燃機関には、吸気通路を流れる吸気に偏流を生じさせるための吸気流制御弁を設け、これにより燃焼室内において吸気によるスワール流やタンブル流の形成を行うようにしたものがある。例えば、特許文献1の内燃機関では、吸気流制御弁としてスワールコントロール弁が設けられており、このスワールコントロール弁の開度を機関運転状態に応じて変更することにより、燃焼室内でのスワール流の発生を制御するようにしている。
こうしたスワールコントロール弁の開度制御としては、例えば、内燃機関の低回転低負荷運転時では、燃焼室内でスワール流を発生させるべくスワールコントロール弁が閉弁される。これは、内燃機関の低負荷運転時には、燃焼室内に吸気のスワール流を生じさせて燃焼の安定化を図ることが、機関運転を良好なものとするうえで好ましいためである。
一方、内燃機関の高回転高負荷運転時では、吸気通路の空気流通面積を拡大すべくスワールコントロール弁が開弁される。これは、内燃機関の高負荷運転時には、機関運転を良好なものとするうえで同機関の吸気抵抗を極力小さくして吸気充填効率を高めることが好ましく、スワールコントロール弁を閉弁させた状態では同弁が内燃機関の吸気抵抗増大につながるためである。
特開2008‐169790号公報
ところで、変速機が搭載される車両においては、同変速機の変速動作に際して、その変速機の状態が一時的にニュートラル状態(機関出力軸から変速機の出力軸への駆動力伝達が断たれる状態)にされ、このときには機関回転速度の上昇を抑えるために、一時的に機関出力は低くされる。この場合、機関負荷が低下するため、上記スワールコントロール弁の開度も機関負荷の低下に応じて変更される。
ここで、変速機の変速動作時における機関負荷の低下は一時的なものであり、変速動作が完了すれば変速後の変速比に応じた機関負荷にまで復帰する。それにもかかわらず、変速動作毎にスワールコントロール弁の開度が変更されてしまうと、同スワールコントロール弁の不要な作動が生じてしまい、例えばスワールコントロール弁の耐久性が低下してしまうといった不都合の発生等が懸念される。
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものでありその目的は、変速動作に伴う吸気流制御弁の不要な作動を抑制することを可能とする内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、吸気通路内での吸気の偏流度合を調整する吸気流制御弁を備えるとともに、クランクシャフトに接続された変速機の変速動作時において変速機の状態がニュートラル状態にされるときには機関負荷が一時的に低下される内燃機関に適用されて、吸気流制御弁の開度を機関負荷に基づいて変更する制御装置において、変速機の変速動作時であると判定されるときには、吸気流制御弁の開度を判定がなされる直前の開度に保持する開度保持手段を備え、変速機の動作状態がニュートラル状態であり、かつ車速が所定速度以上であるという条件が満たされるときに変速機が変速動作時であると判定されることをその要旨とする。
上記構成によれば、変速機の変速動作に際して機関負荷が一時的に低下されても、上記吸気流制御弁の開度は変速動作直前の開度に保持される。従って、変速動作毎に吸気流制御弁の開度が変更されてしまうといったことを抑えることができ、これにより変速動作に伴う吸気流制御弁の不要な作動を抑制することができる。
また、請求項に記載の発明は、吸気通路内での吸気の偏流度合を調整する吸気流制御弁を備えるとともに、クランクシャフトに接続された変速機の変速動作時において変速機の状態がニュートラル状態にされるときには機関負荷が一時的に低下される内燃機関に適用されて、吸気流制御弁の開度を機関負荷に基づいて変更する制御装置において、変速機の変速動作時であると判定されるときには、吸気流制御弁の開度を判定がなされる直前の開度に保持する開度保持手段を備え、変速機は手動変速機であり、アクセルペダルの踏み込み量が所定量以下であり、かつ車速が所定速度以上であり、かつ減速時フューエルカットの非実行時であるという条件が満たされるときに変速機が変速動作時であると判定されることをその要旨とする。
また、請求項に記載の発明は、吸気通路内での吸気の偏流度合を調整する吸気流制御弁を備えるとともに、クランクシャフトに接続された変速機の変速動作時において変速機の状態がニュートラル状態にされるときには機関負荷が一時的に低下される内燃機関に適用されて、吸気流制御弁の開度を機関負荷に基づいて変更する制御装置において、変速機の変速動作時であると判定されるときには、吸気流制御弁の開度を判定がなされる直前の開度に保持する開度保持手段を備え、変速機は手動変速機であり、アクセルペダルの踏み込み量が所定量以下であり、かつ車速が所定速度以上であり、かつ減速時フューエルカットの非実行時であるという条件が満たされるとき、または変速機の動作状態がニュートラル状態であり、かつ車速が所定速度以上であるという条件が満たされるときに変速機が変速動作時であると判定されることをその要旨とする。
変速機の変速動作時には、同変速機の状態が一旦ニュートラル状態にされる。そして、このニュートラル状態のときには機関回転速度の上昇を抑えるべく、機関負荷が低下される。従って、変速機の動作状態がニュートラル状態であるという条件が満たされるときに変速機が変速動作時であると判定することが可能である。ここで、上記変速機が、車両の運転者によるシフト操作に応じて変速段が変更される手動変速機の場合、車両停止中に変速機の動作状態がニュートラル状態にされることがある。また、上記変速機が、車両の走行状態に応じて変速段が自動的に変更される自動変速機の場合、燃料消費を抑えるべく車両停止中にニュートラル状態にされるものがある。そのため、そうした「変速機の動作状態がニュートラル状態である」という条件だけでは、変速機が変速動作時であると判定することはできない。一方、変速動作は車両走行中に行われるため、車速が所定速度以上であるといった条件を追加することにより、車両停止中のニュートラル状態を変速動作時であると誤判定することを回避することができる。そこで、請求項や請求項に記載の構成では、変速機の動作状態がニュートラル状態であり、かつ車速が所定速度以上である、すなわち車両走行中であるという条件が満たされるときに変速機が変速動作時であると判定するようにしている。従って、上記開度保持手段による吸気流制御弁の開度保持を、機関負荷の一時的な低下にあわせて実施することができる。
他方、上記変速機が手動変速機の場合、変速段の変更に際して変速機がニュートラル状態にされるときには、まず運転者によりアクセルペダルの踏み込みが戻されてその踏み込み量は所定量以下になる。ここで、アクセルペダルの踏み込み量が所定量以下になる状況としては、車両停止中であって機関がアイドル運転状態になっている状況などもある。一方、上述したように変速動作は車両走行中に行われるため、車速が所定速度以上であるといった条件を追加することにより、そうしたアイドル運転状態を変速動作時であると誤判定することを回避することができる。ただし、減速時フューエルカットの実行時にも、アクセルペダルの踏み込み量が所定量以下になり、かつ車速が所定速度以上であるといった条件が満たされるため、そうした条件が減速時フューエルカットの実行により満たされたものではないことを判定する必要もある。
そこで、請求項や請求項に記載の構成では、手動変速機が変速動作時であると判定するための条件として、アクセルペダルの踏み込み量が所定量以下であり、かつ車速が所定速度以上であり、かつ減速時フューエルカットの非実行時であるという条件が満たされるときに、手動変速機が変速動作時であると判定するようにしており、これによっても上記開度保持手段による吸気流制御弁の開度保持を、機関負荷の一時的な低下にあわせて実施することができる。
なお、手動変速機の変速動作時には、運転者によりアクセルペダルの踏み込み量が所定量以下に戻された後に変速機の状態はニュートラル状態にされる。そのため、ニュートラル状態を検出してから上記開度保持手段による吸気流制御弁の開度保持を行っていては、その開度保持の開始タイミングが機関負荷の低下に対して遅れてしまうおそれがある。この点、請求項や請求項に記載の構成によれば、変速機の状態がニュートラル状態にされる前に必ず行われるアクセルペダルの踏み込み量の減少が検出された時点で吸気流制御弁の開度保持が開始されるため、そうした開始タイミングの遅れを適切に抑えることもできる。
請求項に記載の発明は、請求項またはに記載の内燃機関の制御装置において、開度保持手段は、吸気流制御弁の開度保持を開始してから所定時間経過したときに、強制的に吸気流制御弁の開度保持を解除することをその要旨とする。
手動変速機の場合、運転者の熟練度によっては変速操作に時間がかかることがあり、アクセルペダルの踏み込み量が所定量以下であるといった状態や、変速機の動作状態がニュートラル状態であるといった状態が比較的長く維持されるおそれがあり、この場合には、吸気流制御弁の開度保持も比較的長く維持されてしまう。ここで、上記開度保持手段による吸気流制御弁の開度保持は、本来、変速機の変速動作時において機関負荷が一時的に低下されることに対処するための処理であり、そうした開度保持が比較的長い間維持される状態は、好ましい状態でない。この点、上記構成によれば、吸気流制御弁の開度保持についてその実行時間に制限が設けられるため、運転者の熟練度によらず、吸気流制御弁の開度保持を適切に行うことができるようになる。
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置において、開度保持手段は、変速機の状態がニュートラル状態から非ニュートラル状態に変化したときに吸気流制御弁の開度保持を解除することをその要旨とする。
上記構成によれば、変速動作時において一時的にニュートラル状態にされた変速機の状態が、非ニュートラル状態に変化したとき、すなわち変速後の変速段に向けて変速機の状態が変化し始めるときであって、機関負荷の一時的な低下が解除されるときに、吸気流制御弁の開度保持が解除される。従って、同構成によれば、吸気流制御弁の開度保持が解除されるタイミングを適切に設定することができる。
ちなみに、上記請求項、及びの各構成において、上記変速機が、車両の運転者によるシフト操作によって変速段が変更される手動変速機の場合には、クラッチペダルが踏み込まれたことを検出したり、シフトレバーの位置がニュートラル位置にあることを検出したりすることにより、変速機の動作状態がニュートラル状態であるか否かを判断することができる。また、上記変速機が、機関の運転状態に応じて自動的に変速段が変更される自動変速機の場合には、自動変速機の変速制御を行う制御装置からニュートラル要求が出ていることを検出することにより変速機の動作状態がニュートラル状態であるか否かを判断することができる。また、自動変速機の状態をニュートラル状態にするために駆動されるバルブの動作状態を検出することによっても、変速機の動作状態がニュートラル状態であるか否かを判断することができる。
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置において、内燃機関はディーゼル機関であることをその要旨とする。
ディーゼル機関においては、吸気流制御弁の開度が開弁側に調整されており燃焼室内に流入する吸気量が多くなっていた状態から、変速動作に伴う機関負荷の一時的な低下により、吸気流制御弁の開度が閉弁側に調整されて燃焼室内に流入する吸気量が減少する状態にされた場合、とくに、以下のような不都合が生じる可能性がある。
すなわち、燃焼室内にて燃焼される燃料の炭素成分は、その燃焼の際の吸気量が充分であれば二酸化炭素として排出されるのであるが、吸気量が不充分である場合には燃焼室内にて燃料が不完全燃焼となるため、煤として排出されやすくなる傾向がある。したがって、燃焼室内に流入する吸気量が減少する上述したような状態の後、再び機関負荷が増大されるときには、燃焼室内の吸気量が不足して燃料が不完全燃焼してしまうことにより、煤が発生しやすくなる。
この点、請求項6に記載の構成によれば、変速機の変速動作時であると判定されるときには、その判定がなされる直前の開度に吸気流制御弁の開度が保持される。そのため、吸気流制御弁の開度が開弁側に調整されており、燃焼室内に流入する吸気量が多くなっていた状態から、変速動作に伴う機関負荷の一時的な低下により、吸気流制御弁の開度が閉弁側に調整されて燃焼室内に流入する吸気量が減少する状態になるといったことが抑制される。これにより、上述したような吸気量の不足による煤の発生を抑えることも可能になる。
本発明の第1の実施形態についてその適用対象となるディーゼル機関の構成を示す模式図。 同実施形態にかかる開度保持制御の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態にかかる開度保持制御の処理手順を示すフローチャート。 エンジン回転速度及びエンジン負荷とスワールコントロール弁の制御態様との関係を示す概念図。 同実施形態の開度保持制御について、これが実行されるときの状態遷移を示すタイミングチャート。 第2の実施形態にかかる開度保持制御の処理手順についてその一部を示すフローチャート。
(第1の実施形態)
以下、この発明にかかる内燃機関の制御装置を、手動変速機を搭載した車両の電子制御装置に具体化した第1の実施形態について、図1〜図5を参照して詳細に説明する。
図1に、本実施形態が適用されるディーゼル機関の構成を示す。同図1に示すように、車両1には複数(本実施形態では4つ)の気筒を有するディーゼル機関10(以下、単にエンジンと称する)が搭載されている。エンジン10の出力軸41は、クラッチ機構42、手動変速機としての変速機43、及び車軸45を介して駆動輪46に連結されている。クラッチ機構42は、エンジン10の出力軸41と変速機43の入力軸44との連結及び非連結を切り替えるものである。クラッチ機構42の作動状態について、詳しくは、クラッチペダル63の未操作時においては、エンジン10の出力軸41と変速機43の入力軸44とを連結する状態(連結状態)となり、クラッチペダル63が踏み込み操作されるとエンジン10の出力軸41と変速機43の入力軸44とを連結しない状態(非連結状態)となる。また、エンジン10の各気筒の燃焼室15には、コモンレール17内に蓄圧された高圧燃料を燃焼室15内に噴射供給するインジェクタ16が配設されている。
こうしたエンジン10の吸気系である吸気通路20には、その上流側より順に、排気の流勢により吸気を圧縮する過給機70のコンプレッサ室71、過給機70による圧縮で昇温した吸気を冷却するインタークーラ23、開度調節を通じて吸気の流量を調整するスロットル弁24が配設されている。
また、スロットル弁24の下流側には、吸気通路20の一部を構成するインテークマニホールド22が接続されている。このインテークマニホールド22は各気筒に接続される分岐管を備えている。そして、それら各分岐管の内部は通路22a,22bに分岐されており、通路22aは第1吸気ポート21aに接続されている。また、通路22bは第2吸気ポート21bに接続されている。なお、第1吸気ポート21aは湾曲したヘリカル状に、第2吸気ポート21bはストレート状にそれぞれ形成されている。
各通路22b内には、スワールコントロール弁69がそれぞれ設けられている。このスワールコントロール弁69が吸気の偏流度合を調整する吸気流制御弁に相当する。各通路22bに設けられたスワールコントロール弁69は共通のシャフト67に固定されており、このシャフト67はコントローラ68によって回転駆動される。なお、スワールコントロール弁69について、その開度変更の制御態様については後述する。
エンジン10の排気系である排気通路30は、各気筒に分岐した状態から排気ポート31a,31b及びエキゾーストマニホールド32によって1つに集合されて、その下流側が過給機70の排気タービン72に接続されている。そして、排気通路30にあって、過給機70の排気タービン72よりも下流側には、排気成分を浄化するための触媒が担持された触媒コンバータ39が設置されている。なお、本実施形態では、この触媒コンバータ39にNOx吸蔵還元型触媒が担持されているが、この他の触媒、例えばHC等を浄化する酸化触媒等を担持させることも可能である。
さらに、エンジン10には、排気通路30内から吸気通路20内に排気の一部(以下、EGRガスと称する)を還流させる排気再循環装置50(以下、EGR装置と称する)が設けられている。EGR装置50は、排気通路30内から吸気通路20内にEGRガスを導入するための排気再循環通路53(以下、EGR通路と称する)を備えている。このEGR通路53には、EGRガスを冷却する冷却器としてのEGRクーラ54が設けられている。また、EGR装置50は、EGRクーラ54を迂回して排気通路30内から吸気通路20内にEGRガスを導入するバイパス通路55を備えており、このバイパス通路55内の途中には開度の調整が可能なバイパス弁58が設けられている。そして、EGR通路53にあって、バイパス通路55との接続箇所よりも下流側には、吸気通路20内に導入させるEGRガスの量を調整するためのEGR弁57が配設されている。
こうしたエンジン10の制御は、電子制御装置80により実施される。電子制御装置80は、機関制御に係る各種演算処理を実施する中央演算処理装置(CPU)、機関制御用のプログラムやデータの記憶された読込専用メモリ(ROM)、CPUの演算結果等を一時的に記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)、そして外部との信号の入出力のための入出力ポート(I/O)を備えて構成されている。
こうした電子制御装置80の入力ポートには、シフトレバー61の操作位置であるシフト位置eshiftを検出するシフトポジションセンサや、車両1の運転者によるアクセルペダル62の踏み込み量を検出するアクセルセンサ65、そして変速機43の出力軸の回転等に基づいて車両1の車速SPを検出する車速センサ64が接続されている。さらに、電子制御装置80の入力ポートには、クラッチペダル63の踏み込みを検出するクラッチスイッチ66、吸入空気量を検出するエアフローメータ、そしてエンジン10の出力軸41の回転角度(クランク角)を検出するクランク角センサ等、機関運転状態を検出するための各種センサが接続されている。
また、電子制御装置80の出力ポートには、スロットル弁24、インジェクタ16、バイパス弁58、EGR弁57、そしてコントローラ68等の駆動回路が接続されている。そして、電子制御装置80は、上述の各種センサから把握される機関運転状態に応じて上記駆動回路に指令信号を出力することによって、吸気絞り制御や燃料噴射制御、EGR弁制御等の機関制御を実行する。
また、本実施形態においては、そうした機関制御のひとつとして、コントローラ68の駆動回路に指令信号を出力することにより、機関負荷に基づいてスワールコントロール弁69の開度を制御するスワールコントロール弁制御が電子制御装置80によって実行される。
このスワールコントロール弁制御が行われることにより、吸気通路20内での吸気の偏流度合が調整される。より詳しくは、機関回転速度が低回転であり、かつ機関負荷が低いときには、スワールコントロール弁69を閉弁状態にすることにより、同スワールコントロール弁69が設けられた通路22bを閉塞状態にし、通路22a及びヘリカル状をなす第1吸気ポート21aを介して燃焼室15内に吸気を流入させる。これにより燃焼室15内に吸気のスワール流を生じさせて、燃焼の安定化を図るようにしている。一方、機関回転速度が高回転であり、かつ機関負荷が高いときには、スワールコントロール弁69を開弁状態にすることにより、同スワールコントロール弁69が設けられた通路22bを開口状態とし、同通路22b及び第2吸気ポート21bと、通路22a及び第1吸気ポート21aとを介して燃焼室15内に吸気を流入させる。こうして第1吸気ポート21a及び第2吸気ポート21bの双方を介して燃焼室15内に吸気を流入させることにより、エンジン10の吸気抵抗を極力小さくして吸気充填効率の向上を図るようにしている。
ところで、手動式の変速機43が搭載される車両1においては、同変速機43の変速動作に際して、その変速機43の状態が一時的にニュートラル状態(エンジン10の出力軸41から変速機43の出力軸への駆動力伝達が断たれる状態)にされ、このときには機関回転速度の上昇を抑えるためにアクセルペダル62が戻される。すなわち一時的に機関出力は低くされる。この場合、機関負荷が低下するため、上記スワールコントロール弁69の開度(状態)も機関負荷の低下に応じて変更される。
ここで、変速機43の変速動作時における機関負荷の低下は一時的なものであり、変速動作が完了すれば変速後の変速比に応じた機関負荷にまで復帰する。それにもかかわらず、変速動作毎にスワールコントロール弁69の開度が変更されてしまうと、同スワールコントロール弁69の不要な作動が生じてしまい、例えばスワールコントロール弁69の耐久性が低下してしまうといった不都合の発生等が懸念される。
そこで、本実施形態の電子制御装置80においては、変速機43の変速動作に伴うスワールコントロール弁69の不要な作動を抑制するべく、変速機43の変速動作時にはスワールコントロール弁69の開度を保持する開度保持制御を行うようにしている。以下、この開度保持制御及びスワールコントロール弁制御について図2〜図5を参照して説明する。
まず、はじめに、変速機43が変速動作時であるか否かを判定するための方法について説明する。
変速機43の変速動作時には、同変速機43の状態が一旦ニュートラル状態にされる。そして、このニュートラル状態のときには機関回転速度の上昇を抑えるべく、エンジン負荷が低下される。従って、変速機43の動作状態がニュートラル状態であるという条件が満たされるときに変速機43が変速動作時であると判定することが可能である。ここで、手動式の変速機43の場合、車両1が停止中であるときに変速機43の動作状態がニュートラル状態にされることがある。そのため、「変速機の動作状態がニュートラル状態である」という条件だけでは、変速機43が変速動作時であると判定することはできない。一方、変速動作は車両1が走行中であるときに行われるため、車速が所定速度以上であるといった条件を追加することにより、車両1が停止中であるときのニュートラル状態を変速動作時であると誤判定することを回避することができる。そこで、変速動作時であると判定する条件として、
条件1:変速機43の動作状態がニュートラル状態であり、かつ車速が所定速度以上であって車両1が走行中である。
といった条件が満たされるときに、変速機43が変速動作時であると判定することができる。
他方、変速段の変更に際して変速機43がニュートラル状態にされるときには、まず運転者によりアクセルペダル62の踏み込みが戻されてその踏み込み量は所定量以下になる。ここで、アクセルペダル62の踏み込み量が所定量以下になる状況としては、車両1が停止中であってエンジン10がアイドル運転状態になっている状況などもある。一方、上述したように変速動作は車両1が走行中であるときに行われるため、車速が所定速度以上であるといった条件を追加することにより、そうしたアイドル運転状態を変速動作時であると誤判定することを回避することができる。ただし、減速時フューエルカットの実行時にも、アクセルペダル62の踏み込み量が所定量以下になり、かつ車速が所定速度以上であるといった条件が満たされるため、そうした条件が減速時フューエルカットの実行により満たされたものではないことを判定する必要もある。そこで、変速動作時であると判定する条件として、
条件2:アクセルペダル62の踏み込み量が所定量以下であり、かつ車速が所定速度以上であり、かつ減速時フューエルカットの非実行時である。
といった条件が満たされるときにも、変速機43が変速動作時であると判定することができる。
図2に、本実施形態に採用される開度保持手段に相当する開度保持制御の処理手順を示す。なお、本制御の処理は、機関運転中に電子制御装置80によって繰り返し実施されるものとなっている。
本制御の処理が開始されると、まずエンジン回転速度及びエンジン負荷(機関負荷)に基づいてマップからスワールコントロール弁開度escvが読み込まれる(ステップS110)。ここで、エンジン回転速度としては、クランク角センサからの検出値が用いられる。また、エンジン負荷は、アクセルペダル62の踏み込み量に基づいて設定される燃料噴射量がそのパラメータとされている。そして、こうしたエンジン回転速度及びエンジン負荷に基づいて、図4に示すマップからスワールコントロール弁開度escvが読み込まれる。具体的には、図4のマップにおいて、例えば、エンジン回転速度及びエンジン負荷の値が閉弁領域に含まれる場合は、スワールコントロール弁開度escvを全閉として読み込む。また、エンジン回転速度及びエンジン負荷の値が開弁領域に含まれる場合は、スワールコントロール弁開度escvを全開として読み込む。
こうしてマップからスワールコントロール弁開度escvを読み込んだ後、同スワールコントロール弁開度escvにスワールコントロール弁69の開度を設定する(ステップS120)。こうしたステップS110及びステップS120の処理が、上記スワールコントロール弁制御に相当する。
次に、車速SPが「0」よりも大きい値であるか否かが判断される(ステップS130)。こうした条件を判断することによって、車両1が停止中ではないかを確認する。車速SPが「0」であると判断されると(ステップS130:NO)、車両1は停止中であるとして本処理は一旦終了される。
一方、車速SPが「0」よりも大きい値であると判断されると(ステップS130:YES)、車両1は走行中であるとして、次のステップS140の処理が行われる。
このステップS140では、シフト位置eshiftが「1」であるか否かが判断される。ここで、シフト位置eshiftについては、シフトレバー61の操作位置がニュートラル位置である場合には「1」として、それ以外の場合には「0」として、上記シフトポジションセンサから検出される。
そして、シフト位置eshiftが「1」である場合には(ステップS140:YES)、上記条件1が成立するため、スワールコントロール弁69の開度保持を実行する(ステップS170)。具体的には、上記スワールコントロール弁制御に相当するステップS110及びステップS120の処理にて設定されたスワールコントロール弁開度escvのままスワールコントロール弁69の開度を保持する。これにより、スワールコントロール弁69の開度は、変速機43の変速動作時であると判定される直前の開度に保持される。そして、本処理は一旦終了される。
一方、シフト位置eshiftが「0」である場合には(ステップS140:NO)、アクセル踏込量ACCPが「0」であるか否かが判断される(ステップS150)。こうした条件を判断することによって、車両1の運転者が変速段の変更をすべくアクセルペダル62の踏み込みを戻す状況であるかが判断される。なお、ここでアクセル踏込量ACCPとしては、アクセルセンサ65からの検出値が用いられる。そして、アクセル踏込量ACCPが「0」でないと判断される場合には(ステップS150:NO)、本処理は一旦終了される。
アクセル踏込量ACCPが「0」であると判断される場合には(ステップS150:YES)、車両1の運転者が変速段の変更を行う状況であるとして、次に、減速時フューエルカットの非実行時か否かが判断され(ステップS160)、減速時フューエルカットの実行時である場合には(ステップS160:NO)、本処理は一旦終了される。
一方、減速時フューエルカットの非実行時であると判断される場合には(ステップS160:YES)、ステップS130、ステップS150、そしてステップS160にて肯定判定されることになり、上記条件2が成立するため、上述したスワールコントロール弁69の開度保持を実行する(ステップS170)。
このように上記条件1及び上記条件2のうちのどちらか一方が満たされるときには、ステップS170にてスワールコントロール弁69の開度保持が実行されることとなる。
そして、さらに本開度保持制御においては、スワールコントロール弁69の開度保持を所定時間後に解除するか否かの判断を行うようにしている。こうした開度保持の解除について、図3を参照して次に詳しく説明する。
図2の上記ステップS170にてスワールコントロール弁69の開度保持が実行された後、図3に示すように、スワールコントロール弁69の開度保持を開始してから所定時間Tαが経過したか否かが判断される(ステップS180)。
ここで、手動変速機の場合、運転者の熟練度によっては変速操作に時間がかかることがあり、アクセルペダル62の踏み込み量が所定量以下であるといった状態や、変速機43の動作状態がニュートラル状態であるといった状態が比較的長く維持されるおそれがあり、この場合には、スワールコントロール弁69の開度保持も比較的長く維持されてしまう。ここで、開度保持制御によるスワールコントロール弁69の開度保持は、本来、変速機43の変速動作時において機関負荷が一時的に低下されることに対処するための処理であり、そうした開度保持が比較的長い間維持される状態は、好ましい状態でない。すなわち、機関負荷が比較的長い間継続して低下しているのであれば、その低下している機関負荷に応じてスワールコントロール弁69の開度を設定することが望ましい。
そこで、こうした開度保持の長時間の維持を抑制すべく、本実施形態においては、上述したようにスワールコントロール弁69の開度保持を開始してから所定時間Tα経過したか否かを判断するステップS180の処理を行うようにしている。なお、所定時間Tαとしては、例えば、開度保持制御によってスワールコントロール弁69が開度保持されたまま上記所定時間Tαが経過した場合に、開度保持を解除してスワールコントロール弁69の開度を機関負荷に基づいて変更することが有効であると判断される値であり、実験によって予め設定された値である。
そして、開度保持を開始してから所定時間Tαが経過したと判断されると(ステップS180:YES)、スワールコントロール弁69の開度を機関負荷に基づいて変更することが有効であるとして、強制的にスワールコントロール弁69の開度保持が解除される(ステップS200)。
一方、開度保持を開始してから所定時間Tαが経過していないと判断されると(ステップS180:NO)、つづいて、シフト位置eshiftが「0」であるか否かが判断される(ステップS190)。
そして、シフト位置eshiftが「0」であると判断されると(ステップS190:YES)、変速機43の状態がニュートラル状態から非ニュートラル状態に変化したとして、スワールコントロール弁69の開度保持が解除される(ステップS200)。
一方、シフト位置eshiftが「1」であると判断される場合には(ステップS190:NO)、開度保持の開始から変速機43の状態がニュートラル状態のまま変化していないとして、スワールコントロール弁69の開度保持が継続される。こうしてステップS180又はステップS190にて肯定判定されるまでスワールコントロール弁69の開度保持は継続される。
このように、スワールコントロール弁69の開度保持は、ステップS180又はステップS190にて肯定判定される場合に解除される。そして開度保持の実行が解除されると、スワールコントロール弁69の開度は、先の図4に示すマップ態様に基づいて再び調整される。
つづいて、本実施形態の開度保持制御が実行されるときの状態遷移について、図5を参照して説明する。なお、この図5では、機関運転状態が先の図4の開弁領域にあるときに、すなわちスワールコントロール弁69の開度が全開に制御されているときに上記開度保持制御が実行される場合について説明する。
図5に示すように、変速機43の変速動作時には、まず車両1の運転者によりアクセルペダル62の踏み込みが戻され、アクセル踏込量ACCPが「0」となる(タイミングt1)。このとき、同図5に一点鎖線にて示すように、開度保持制御が行われない場合には、機関負荷の低下によりスワールコントロール弁69の開度も全閉にされていく。一方、本実施形態では、タイミングt1において、車速SPが「0」より大きく、かつ減速時フューエルカットが非実行時であるとの判断もなされることにより、スワールコントロール弁69の開度保持が実行されて同スワールコントロール弁69の開度は全開に維持される。そして、車両1の運転者によりシフトレバー61が操作されて、シフト位置eshiftが任意の変速段である「0」からニュートラル状態である「1」とされる(タイミングt2)。こうして、同図5に示すように、アクセル踏込量ACCPが「0」である、かつ車速SPが「0」より大きい、かつ減速時フューエルカットの非実行時であるといった条件が満たされると、シフト位置eshiftがニュートラル状態となる前にスワールコントロール弁69の開度保持が開始される。
そして、こうしたスワールコントロール弁69の開度保持の実行中において、車両1の運転者によるシフトレバー61の操作が完了し、シフト位置eshiftが「1」から「0」とされると(タイミングt3)、スワールコントロール弁69の開度保持が解除される。
なお、図5には示していないが、車速SPが「0」より大きく、かつアクセル踏込量ACCPが「0」であり、かつ減速時フューエルカット非実行時であるといった上記条件に代わり、車速SPが「0」より大きく、かつシフト位置eshiftが「0」から「1」とされるといった条件が満たされる場合にも、スワールコントロール弁69の開度保持が実行される。この場合においては、図5におけるタイミングt2に相当するシフト位置eshiftが「0」から「1」とされるタイミングにてスワールコントロール弁69の開度保持の実行が開始される。
また、シフト位置eshiftが「1」から「0」とされるといった上記条件に代わり、開度保持を開始してから所定時間Tαが経過したといった条件が満たされてスワールコントロール弁69の開度保持の実行が解除される場合もある。この場合においては、図5におけるタイミングt1に相当するスワールコントロール弁69の開度保持の実行が開始されるタイミングから、タイミングt3に相当するシフト位置eshiftの「1」から「0」への変更が完了するタイミングまでに、上記所定時間Tαが経過すると、同所定時間Tαが経過したタイミングにてスワールコントロール弁69の開度保持の解除がなされる。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)変速機43の変速動作に際して機関負荷が一時的に低下されても、スワールコントロール弁69の開度は変速動作直前の開度に保持される。従って、変速動作毎にスワールコントロール弁69の開度が変更されてしまうといったことを抑えることができ、これにより変速動作に伴うスワールコントロール弁69の不要な作動を抑制することができる。
(2)変速機43の動作状態がニュートラル状態であり、かつ車速SPが「0」よりも大きい値である、すなわち車両1が走行中であるという条件が満たされるときに変速機43が変速動作時であると判定するようにしている。従って、開度保持制御によるスワールコントロール弁69の開度保持を、機関負荷の一時的な低下にあわせて実施することができる。
(3)手動変速機である変速機43が変速動作時であると判定するための条件として、アクセル踏込量ACCPが「0」であり、かつ車速SPが「0」よりも大きい値であり、かつ減速時フューエルカットの非実行時であるという条件が満たされるときに、変速機43が変速動作時であると判定するようにしており、これによっても開度保持制御によるスワールコントロール弁69の開度保持を、機関負荷の一時的な低下にあわせて実施することができる。
(4)手動変速機の変速動作時には、運転者によりアクセルペダルの踏み込み量が所定量以下に戻された後に変速機の状態はニュートラル状態にされる。そのため、ニュートラル状態を検出してから開度保持制御によるスワールコントロール弁の開度保持を行っていては、その開度保持の開始タイミングが機関負荷の低下に対して遅れてしまうおそれがある。
この点、本実施形態によれば、変速機43の状態がニュートラル状態にされる前に必ず行われるアクセルペダル62の踏み込み量の減少が検出された時点でスワールコントロール弁69の開度保持が開始されるため、そうした開始タイミングの遅れを適切に抑えることもできる。
(5)スワールコントロール弁69の開度保持についてその実行時間に制限が設けられるため、シフト操作に要する時間のばらつき等、運転者の熟練度によらず、スワールコントロール弁69の開度保持を適切に行うことができるようになる。
(6)変速動作時において一時的にニュートラル状態にされた変速機43の状態が非ニュートラル状態に変化したとき、すなわち変速後の変速段に向けて変速機43の状態が変化し始めるときであって、機関負荷の一時的な低下が解除されるときに、スワールコントロール弁69の開度保持が解除される。従って、本実施形態においては、スワールコントロール弁69の開度保持が解除されるタイミングを適切に設定することができる。
(7)ディーゼル機関においては、スワールコントロール弁の開度が開弁側に調整されており燃焼室内に流入する吸気量が多くなっていた状態から、変速動作に伴う機関負荷の一時的な低下により、スワールコントロール弁の開度が閉弁側に調整されて燃焼室内に流入する吸気量が減少する状態にされた場合、とくに、以下のような不都合が生じる可能性がある。
すなわち、燃焼室内にて燃焼される燃料の炭素成分は、その燃焼の際の吸気量が充分であれば二酸化炭素として排出されるのであるが、吸気量が不充分である場合には燃焼室内にて燃料が不完全燃焼となるため、煤として排出されやすくなる傾向がある。したがって、燃焼室内に流入する吸気量が減少する上述したような状態の後、再び機関負荷が増大されるときには、燃焼室内の吸気量が不足して燃料が不完全燃焼してしまうことにより、煤が発生しやすくなる。
この点、本実施形態では、変速機43の変速動作時であると判定されるときには、その判定がなされる直前の開度にスワールコントロール弁69の開度が保持される。そのため、スワールコントロール弁69の開度が開弁側に調整されており、燃焼室15内に流入する吸気量が多くなっていた状態から、変速動作に伴う機関負荷の一時的な低下により、スワールコントロール弁69の開度が閉弁側に調整されて燃焼室15内に流入する吸気量が減少する状態になるといったことが抑制される。これにより、上述したような吸気量の不足による煤の発生を抑えることも可能になる。
(第2の実施形態)
以下、この発明にかかる内燃機関の制御装置を具体化した第2の実施形態について、図6を参照して説明する。なお、本実施形態と上記第1の実施形態とは、先の図1にて示したディーゼル機関10(以下エンジンと称する)の構成や、先の図2にて示したスワールコントロール弁の開度保持制御についてその一部が異なっている。以下では、そうした相違点を中心に、本実施形態について説明する。
本実施形態において、エンジン10に搭載される変速機43は自動変速機であり、車両1の走行状態に応じて変速段の変更が自動的に行われる。周知のように、こうした自動変速機でも、変速動作時には、同変速機の状態が一旦ニュートラル状態にされ、そのニュートラル状態時には、機関出力が低下されることにより機関負荷は一時的に低下される。
図6に、本実施形態における開度保持手段に相当する開度保持制御の処理手順を示す。なお、本制御の処理も、機関運転中に電子制御装置80によって繰り返し実施される。
まず、開度保持制御は、先の図2に示した処理手順と同様に、エンジン回転速度及びエンジン負荷に基づいてマップからスワールコントロール弁開度escvが読み込まれ(ステップS110)、スワールコントロール弁69の開度が読み込まれたスワールコントロール弁開度escvに設定される(ステップS120)。なお、本実施形態におけるスワールコントロール弁69の開度の設定態様については、上記第1の実施形態と同様である。
こうしてステップS120の処理にて、スワールコントロール弁開度escvが設定されると、本処理においては、ニュートラル信号が「1」であるか否かが判断される(ステップS230)。このニュートラル信号は、自動変速機の変速制御を行う制御装置からニュートラル要求が出ているときには「1」にされ、そうでないときには「0」にされる信号であり、ニュートラル信号が「1」であるか否かが判断されることにより、変速機43の動作状態がニュートラル状態であるか否かが判断される。ニュートラル信号が「0」であると判断されると(ステップS230:NO)、変速機43がニュートラル状態ではないとされ、本処理は一旦終了される。
一方、ニュートラル信号が「1」であると判断される場合には(ステップS230:YES)、変速機43がニュートラル状態であるとされ、次の処理が行われる。
ここで、本実施形態の変速機43では、燃料消費を抑えるべく車両1が停止中であるときにも変速機43の状態はニュートラル状態にされる。そのため、そうした「変速機の動作状態がニュートラル状態である」という条件だけでは、変速機43が変速動作時であると判定することはできない。一方、変速動作は車両1が走行中であるときに行われるため、車速が所定速度以上であるといった条件を追加することにより、車両1が停止中であるときのニュートラル状態を変速動作時であると誤判定することを回避することができる。
そこで、次のステップS240では、車速SPが「0」よりも大きい値か否かが判断される。こうした条件を判断することによって、車両1が停止中ではないかを確認する。車速SPが「0」であると判断されると(ステップS240:NO)、車両1は停止中であるとして本処理は一旦終了される。一方、車速SPが「0」よりも大きい値であると判断されると(ステップS240:YES)、車両1は走行中であるとしてスワールコントロール弁69の開度保持が実行される(ステップS250)。
こうしたステップS230及びステップS240の判定処理が、変速機43の変速動作時であると判定するための条件であり、この条件が満たされるとステップS250にて、上述したスワールコントロール弁69の開度保持が実行される。
次に、上記ステップS250にてスワールコントロール弁69の開度保持が実行された後、ニュートラル信号が「0」であるか否かが判断される(ステップS260)。そして、ニュートラル信号が「1」であると判断されると(ステップS260:NO)、変速機43の動作状態はニュートラル状態のまま変化していないとして、スワールコントロール弁69の開度保持の実行が継続される。これによりステップS260にて肯定判定されるまで、スワールコントロール弁69の開度保持が継続される。
一方、ニュートラル信号が「0」であると判断されると(ステップS260:YES)、変速機43の状態がニュートラル状態から非ニュートラル状態に変化したとして、スワールコントロール弁69の開度保持が解除される(ステップS270)。こうして開度保持の実行が解除されると、スワールコントロール弁69の開度は、先の図4に示すマップ態様に基づいて再び調整される。
以上説明した本実施形態によれば、変速機43が自動変速機の場合でも、上記第1の実施形態における(1)、(2)、そして(6)、(7)の効果に準ずる効果が得られるようになる。
尚、上記各実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記第1の実施形態においては、変速機43の動作状態がニュートラル状態であると判断する条件として、シフトレバー61の位置がニュートラル位置にあることが検出されるといった条件を採用していた。この他、クラッチペダルが踏み込まれたことが検出されることを条件として変速機がニュートラル状態であると判断してもよい。
・上記第1及び第2の実施形態においては、機関負荷に応じてスワールコントロール弁69の開度を全開と全閉とで調整するようにしていた。スワールコントロール弁の開度の調整態様はこれに限らず、全開から全閉にかけて機関負荷に応じて開度が適宜変更されるようにしてもよい。
・上記第2の実施形態においては、ニュートラル信号が「1」であることをもって変速機43の動作状態がニュートラル状態であると判断するとともに、ニュートラル信号が「0」であることをもって変速機43の動作状態が非ニュートラル状態であると判断するようにしていた。この他、油圧バルブ等、自動変速機の状態をニュートラル状態にするために駆動されるバルブの動作状態を検出することによっても、自動変速機の動作状態がニュートラル状態であるか否かを判断することができる。
・上記第1の実施形態においては、変速機43の変速動作時であると判定するための条件として、条件1や条件2が設定されていたが、いずれか一方の条件のみを設定するようにしてもよい。
・上記第1の実施形態において、ステップS180の処理を省略してもよい。
・上記第1の実施形態においては、車両1の運転者によりアクセルペダル62の踏み込みが戻されたと判断する条件として、アクセル踏込量ACCPが「0」であるといった条件を採用していた。この他、「0」以外の所定の踏み込み量を設定するとともに、アクセル踏込量ACCPが設定された所定量以下であることをアクセルペダルの踏み込みが戻されたと判断する条件としてもよい。ただし、同条件として採用するアクセル踏込量の所定量は、アクセルペダルが戻されたと想定できる値であり、実験等によって予め設定された値とする。
・上記第1及び第2の実施形態においては、車両1が走行中であると判断する条件として、車速SPが「0」よりも大きい値であるといった条件を採用していた。この他、「0」以外の所定の速度を設定するとともに、車速SPが設定された所定速度以上であることを車両が走行中であると判断する条件としてもよい。ただし、同条件として採用する車速の所定速度は、車両が走行中であると想定できる値であり、実験等によって予め設定された値とする。
・上記第1及び第2の実施形態では、吸気の偏流度合を調整する吸気流制御弁が、燃焼室15内でのスワール流の発生を促すスワールコントロール弁69であった。この他、燃焼室内でのタンブル流の発生を促すタンブルコントロール弁であっても本発明は同様に適用することができる。
・上記第1及び第2の実施形態では、ディーゼルエンジンを備える車両にこの発明を適用した例を示したが、この発明はディーゼルエンジンに限らず、吸気流制御弁を備える内燃機関であればガソリンエンジン等であっても適用することができる。こうした形態においても、上記第1及び第2の実施形態における(1)〜(6)の効果に準ずる効果を少なくとも得ることができる。
1…車両、10…ディーゼル機関(エンジン)、15…燃焼室、16…インジェクタ、17…コモンレール、20…吸気通路、21a…第1吸気ポート、21b…第2吸気ポート、22…インテークマニホールド、22a,22b…通路、23…インタークーラ、24…スロットル弁、30…排気通路、31a,31b…排気ポート、32…エキゾーストマニホールド、39…触媒コンバータ、41…出力軸、42…クラッチ機構、43…変速機、44…入力軸、45…車軸、46…駆動輪、50…排気再循環装置(EGR装置)、53…排気再循環通路(EGR通路)、54…EGRクーラ、55…バイパス通路、57…EGR弁、58…バイパス弁、61…シフトレバー、62…アクセルペダル、63…クラッチペダル、64…車速センサ、65…アクセルセンサ、66…クラッチスイッチ、67…シャフト、68…コントローラ、69…スワールコントロール弁、70…過給機、71…コンプレッサ室、72…排気タービン、80…電子制御装置。

Claims (6)

  1. 吸気通路内での吸気の偏流度合を調整する吸気流制御弁を備えるとともに、クランクシャフトに接続された変速機の変速動作時において当該変速機の状態がニュートラル状態にされるときには機関負荷が一時的に低下される内燃機関に適用されて、前記吸気流制御弁の開度を機関負荷に基づいて変更する制御装置において、
    前記変速機の変速動作時であると判定されるときには、前記吸気流制御弁の開度を前記判定がなされる直前の開度に保持する開度保持手段を備え
    前記変速機の動作状態がニュートラル状態であり、かつ車速が所定速度以上であるという条件が満たされるときに前記変速機が変速動作時であると判定される
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 吸気通路内での吸気の偏流度合を調整する吸気流制御弁を備えるとともに、クランクシャフトに接続された変速機の変速動作時において当該変速機の状態がニュートラル状態にされるときには機関負荷が一時的に低下される内燃機関に適用されて、前記吸気流制御弁の開度を機関負荷に基づいて変更する制御装置において、
    前記変速機の変速動作時であると判定されるときには、前記吸気流制御弁の開度を前記判定がなされる直前の開度に保持する開度保持手段を備え
    前記変速機は、手動変速機であり、
    アクセルペダルの踏み込み量が所定量以下であり、かつ車速が所定速度以上であり、かつ減速時フューエルカットの非実行時であるという条件が満たされるときに前記変速機が変速動作時であると判定される
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 吸気通路内での吸気の偏流度合を調整する吸気流制御弁を備えるとともに、クランクシャフトに接続された変速機の変速動作時において当該変速機の状態がニュートラル状態にされるときには機関負荷が一時的に低下される内燃機関に適用されて、前記吸気流制御弁の開度を機関負荷に基づいて変更する制御装置において、
    前記変速機の変速動作時であると判定されるときには、前記吸気流制御弁の開度を前記判定がなされる直前の開度に保持する開度保持手段を備え
    前記変速機は、手動変速機であり、
    アクセルペダルの踏み込み量が所定量以下であり、かつ車速が所定速度以上であり、かつ減速時フューエルカットの非実行時であるという条件が満たされるとき、または前記変速機の動作状態がニュートラル状態であり、かつ車速が所定速度以上であるという条件が満たされるときに前記変速機が変速動作時であると判定される
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 請求項またはに記載の内燃機関の制御装置において、
    前記開度保持手段は、前記吸気流制御弁の開度保持を開始してから所定時間経過したときに、強制的に前記吸気流制御弁の開度保持を解除する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記開度保持手段は、前記変速機の状態がニュートラル状態から非ニュートラル状態に変化したときに前記吸気流制御弁の開度保持を解除する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記内燃機関は、ディーゼル機関である
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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