JP6451812B1 - エンジンの排気ガス還流制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気性能を高めることのできるエンジンの排気ガス還流制御装置を提供する。【解決手段】排気通路40内の排気ガスを吸気通路30に還流する第1排気ガス還流装置51と、第1排気ガス還流装置51によって還流される排気ガスよりも温度の低い排気ガスを吸気通路30に還流する第2排気ガス還流装置55とを設け、特定の運転条件では、第1排気ガス還流装置51の第1還流弁53と第2排気ガス還流装置55の第2還流弁57との両方を開弁させるとともに、加速時において、第1排気ガス還流装置51によって還流される排気ガスよりも先に第2排気ガス還流装置55によって還流される排気ガスが減少を開始するように、第1還流弁53と第2還流弁57とを制御する。【選択図】図7
Description
本発明は、エンジンに設けられる排気ガス還流制御装置に関する。
従来より、車両等に設けられるエンジンにおいて、排気ガスの一部を吸気に還流する装置を用いることが行われている。
例えば、特許文献1には、排気通路と吸気通路とをそれぞれ連通する第1通路と第2通路と、第1通路を開閉する第1開閉弁と、第2通路を開閉する第2開閉弁と、第1通路に設けられてこれを通過する排気ガスを冷却するためのクーラーとを備える排気ガス還流装置およびこの装置を備えたエンジンが開示されている。
特許文献1のエンジンでは、軽負荷領域において両開閉弁が全開とされ、中負荷領域において第2開閉弁が全開に維持されつつ第1開閉弁が閉じ側にされ、高負荷領域では第1開閉弁が全閉にされるとともに第2開閉弁も閉じ側にされるようになっている。つまり、エンジン負荷が高くなるに伴って、排気ガスの吸気通路への還流量が低減されるようになっているとともに、第1通路を通過する排気ガスであってクーラーによって冷却された排気ガスの吸気通路への還流量が、エンジン負荷が高くなるに伴って、第2通路を通過する排気ガスの還流量よりも、より多く低減されるように構成されている。
特許文献1のエンジンによれば、エンジン負荷が高くなるほど吸気通路に還流される排気ガスの量が低減するので、エンジン負荷に見合った量の空気を気筒内に導入することができる。
しかしながら、特許文献1のエンジンでは、エンジン負荷が高くなるほど、第1通路を通過する排気ガスであってクーラーによって冷却された排気ガスの方が、第2通路を通過した冷却されていない排気ガスよりも多く低減するように構成されているため、エンジンの加速に伴ってエンジン負荷が増大したときにスモークが発生しやすく、排気性能が悪化するおそれがある。具体的には、クーラーによって冷却された排気ガスの吸気通路への還流量が加速に伴って大きく低下すると、気筒内に導入される空気が不足している状態で気筒内の温度が高くなってしまい、スモークが発生しやすくなる。
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、排気性能を高めることのできるエンジンの排気ガス還流制御装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、エンジンの吸気通路と排気通路とを接続する第1還流通路とこれを開閉する第1還流弁とを含み、前記排気通路内の排気ガスを前記吸気通路に還流する第1排気ガス還流装置と、前記吸気通路と前記排気通路とを接続する第2還流通路とこれを開閉する第2還流弁とを含み、前記第1排気ガス還流装置によって還流される排気ガスよりも温度の低い排気ガスを前記吸気通路に還流する第2排気ガス還流装置と、エンジンが予め設定された特定の運転条件で運転されているときに、前記第1還流弁と前記第2還流弁との両方が開弁するように前記第1還流弁と前記第2還流弁とを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記特定の運転条件での運転中に加速が要求されると、前記吸気通路に還流される排気ガスの量が減少するように、かつ、前記第2排気ガス還流装置によって還流される排気ガスよりも先に前記第1排気ガス還流装置によって還流される排気ガスが減少を開始するように、前記第1還流弁と前記第2還流弁とを制御することを特徴とするエンジンの排気ガス還流制御装置を提供する(請求項1)。
この構成によれば、加速要求があった時すなわち加速時において、第1排気ガス還流装置によって還流される高温の排気ガスの還流量が、第2排気ガス還流装置によって還流される低温の排気ガスの還流量よりも先に低減されることで、吸気通路に還流される排気ガスの温度および吸気通路内の空気の温度を低い温度に維持することができる。従って、加速時に、空気が不足している状態で気筒内の温度が高くなるのを防止でき、スモークの発生を抑制して排気性能を高めることができる。
また、本発明は、エンジンの吸気通路と排気通路とを接続する第1還流通路とこれを開閉する第1還流弁とを含み、前記排気通路内の排気ガスを前記吸気通路に還流する第1排気ガス還流装置と、前記吸気通路と前記排気通路とを接続する第2還流通路とこれを開閉する第2還流弁とを含み、前記第1排気ガス還流装置によって還流される排気ガスよりも温度の低い排気ガスを前記吸気通路に還流する第2排気ガス還流装置と、エンジンが予め設定された特定の運転条件で運転されているときに、前記第1還流弁と前記第2還流弁との両方が開弁するように前記第1還流弁と前記第2還流弁とを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記特定の運転条件での運転中に加速が要求されると、前記吸気通路に還流される排気ガスの量が減少するように、かつ、前記第1排気ガス還流装置によって還流される排気ガスの量の方が前記第2排気ガス還流装置によって還流される排気ガスの量よりも多く減少するように、前記第1還流弁と前記第2還流弁とを制御する、ことを特徴とするエンジンの排気ガス還流制御装置を提供する(請求項2)。
この構成では、加速要求があった時すなわち加速時において、第1排気ガス還流装置によって還流される高温の排気ガスの還流量が、第2排気ガス還流装置によって還流される低温の排気ガスの還流量よりも多く低減される。そのため、この構成においても、加速時において、吸気通路に還流される排気ガスの温度および吸気通路内の空気の温度を低い温度に維持することができ、スモークの発生を抑制して排気性能を高めることができる。
前記構成において、前記第2排気ガス還流装置は、前記第2還流通路に設けられて当該第2還流通路を通過する排気ガスを冷却する冷却装置を備えるのが好ましい(請求項3)。
この構成によれば、第2排気ガス還流装置によって吸気通路に還流される排気ガスの温度をより確実に低くすることができる。従って、スモークの発生を抑制できるとともに、この第2排気ガス還流装置によって還流される排気ガスと、第1排気ガス還流装置によって吸気通路に還流される高温の排気ガスとの組み合わせによって、吸気通路に還流される排気ガスの温度を広い範囲で変更することができる。
前記構成において、前記特定の運転条件は、エンジンを冷却するためのエンジン冷却水の温度がエンジンの冷間始動時の温度よりも高い第1温度以上且つエンジンの暖機完了時の温度よりも低い第2温度度未満という条件を含むのが好ましい(請求項4)。
この構成によれば、エンジン冷却水の温度がある程度高いが暖機完了時の温度よりも低い場合であって未燃燃料が生じるおそれに加えてスモークおよびNOxが生じるおそれもある場合に、気筒に導入されるガスの温度をこれら全ての排出を抑制することができる適切な温度にすることができる。
以上説明したように、本発明のエンジンの排気ガス還流制御装置によれば、排気性能を高めることができる。
(1)全体構成
図1は、本発明の一実施形態にかかるエンジンの排気ガス還流制御装置を備えたエンジンシステムの全体構成を示す図である。本図に示されるエンジンは、走行用の動力源として車両に搭載される4サイクルのディーゼルエンジンである。なお、エンジンの具体的種類はこれに限らない。例えば、エンジンは、ガソリンエンジンであってもよい。
図1は、本発明の一実施形態にかかるエンジンの排気ガス還流制御装置を備えたエンジンシステムの全体構成を示す図である。本図に示されるエンジンは、走行用の動力源として車両に搭載される4サイクルのディーゼルエンジンである。なお、エンジンの具体的種類はこれに限らない。例えば、エンジンは、ガソリンエンジンであってもよい。
エンジンシステムは、エンジン本体1と、エンジン本体1に燃焼用の空気を導入するための吸気通路30と、エンジン本体1で生成された排気ガスを車両外部に排出するための排気通路40と、排気通路40を通過する排気ガスの一部を吸気通路30に還流するためのEGR装置50と、排気通路40を通過する排気ガスにより駆動される第1ターボ過給機60および第2ターボ過給機70とを備えている。
エンジン本体1は、気筒2が内部に形成されたシリンダブロック3と、シリンダブロック3の上面に設けられたシリンダヘッド5と、気筒2に往復摺動可能に挿入されたピストン4とを有している。ピストン4の上方には燃焼室9が形成されている。
シリンダヘッド5には、インジェクタ20が、各気筒2につきそれぞれ1組ずつ設けられている。インジェクタ20は、そのピストン4側の先端部が燃焼室9の中心部を臨むような姿勢で取り付けられている。インジェクタ20は燃焼室9内に燃料を噴射する。噴射された燃料と空気との混合気は燃焼室9で燃焼し、ピストン4はその燃焼による膨張力で押し下げられて上下に往復運動する。
シリンダヘッド5には、エンジン本体1を冷却するためのエンジン冷却水の温度すなわちエンジン水温を検出するエンジン水温センサSN1が設けられている。具体的には、シリンダヘッド5およびシリンダブロック3にはエンジン冷却水が流通するウォータジャケットが設けられており、エンジン水温センサSN1はこのウォータジャケットを流通するエンジン冷却水の温度を検出する。
ピストン4はコネクティングロッドを介してクランク軸7と連結されており、ピストン4の往復運動に応じて、クランク軸7は中心軸回りに回転する。
シリンダブロック3には、クランク軸7の回転数をエンジンの回転数として検出する回転数センサSN2が設けられている。
シリンダヘッド5には、吸気通路30から供給される空気を各気筒2の燃焼室9に導入するための吸気ポート16と、吸気ポート16を開閉する吸気弁18と、各気筒2の燃焼室9で生成された排気を排気通路40に導出するための排気ポート17と、排気ポート17を開閉する排気弁19とが設けられている。
吸気通路30には、上流側から順に、エアクリーナ31、第1ターボ過給機60のコンプレッサ61、第2ターボ過給機70のコンプレッサ71、インタークーラ35、スロットルバルブ36、サージタンク37が設けられている。サージタンク37よりも下流側には、各気筒2とそれぞれ個別に連通する独立通路が設けられており、各気筒2には、エアクリーナ31でろ過されて各コンプレッサ61、71によって圧縮された後インタークーラ35によって冷却された空気が、サージタンク37およびこれら独立通路を介して分配される。吸気通路30のうちエアクリーナ31と第1コンプレッサ61との間には、この部分を通過する空気であって気筒2に流入する空気量を検出するためのエアフローセンサSN3が設けられている。また、サージタンク37には、サージタンク37内の圧力、つまり、吸気通路30内の圧力であって気筒2に導入される吸気の圧力である吸気圧を検出する吸気圧センサSN4が設けられている。
なお、吸気通路30には、第2ターボ過給機70のコンプレッサ71をバイパスするコンプレッサバイパス通路33と、この通路33を開閉するバルブ33aが設けられており、この通路33がバルブ33aにより開弁された場合には、空気は、第2ターボ過給機70のコンプレッサ71により圧縮されることなくインタークーラ35に流入する。
スロットルバルブ36は、吸気通路30を開閉してその流路面積を変更するものである。
排気通路40には、上流側から順に、第2ターボ過給機70のタービン72と、第1ターボ過給機60のタービン62と、排気ガス中の有害成分を浄化するためのNSC(NOx Storage Catalyst)装置等の浄化装置81とが設けられている。
各ターボ過給機60、70は、タービン62、72が、排気通路40を流れる排気ガスのエネルギーを受けて回転し、これに連動して各タービン62、72に連結されているコンプレッサ61、71が回転することにより、吸気通路30を流通する空気を圧縮(過給)する。
なお、排気通路40には、第2ターボ過給機70のタービン72をバイパスする第1タービンバイパス通路41と、この通路41を開閉するバルブ41aと、第1ターボ過給機60のタービン62をバイパスする第2タービンバイパス通路42と、この通路42を開閉するバルブ42aとが設けられており、各バイパス通路41、42が各バルブ41a、42aにより開閉されることで、排気ガスが各タービン62、72を通過するか、各タービン62、72をバイパスするかが変更される。
排気通路40には、第1ターボ過給機60のタービン62よりも下流側の部分に設けられて、排気通路40を流通する排気の酸素濃度すなわち排気O2濃度を検出するための排気O2センサSN5が設けられている。
EGR装置50は、排気ガスの一部を吸気側に還流するためのものである。本実施形態では、EGR装置50として、第1EGR装置(第1排気ガス還流装置)51と第2EGR装置(第2排気ガス還流装置)55とが設けられている。以下、適宜、EGR装置50によって吸気通路30に還流される排気ガスをEGRガスという。
第2EGR装置55は、排気通路40における第2ターボ過給機70のタービン72よりも上流側の部分と、吸気通路30のうちスロットルバルブ36よりも下流側の部分とを接続する第2EGR通路(第2還流通路)56を備えており、第2EGR通路56を介して排気通路40を流通する排気ガスの一部を吸気通路30に還流させる。第2EGR通路56には、これを開閉する第2EGRバルブ(第2還流弁)57が設けられており、第2EGRバルブ57の開閉によって第2EGR通路56を介した排気ガスの還流量が変更される。
第2EGR通路56には、EGRクーラー(冷却装置)58が設けられており、第2EGR通路56を通過する排気ガスはEGRクーラー58によって冷却された後、吸気通路30に還流する。以下では、適宜、EGRクーラー58によって冷却された後に吸気通路30に還流される排気ガス、つまり、第2EGR装置55によって吸気通路30に還流される排気ガスをコールドEGRガスという。
第1EGR装置51は、排気通路40における第2ターボ過給機70のタービン72よりも上流側の部分と、吸気通路30のうちスロットルバルブ36よりも下流側の部分とを接続する第1EGR通路(第1還流通路)52を備えており、第1EGR通路52を介して排気通路40を流通する排気ガスの一部を吸気通路30に還流させる。第1EGR通路52には、これを開閉する第1EGRバルブ(第1還流弁)53が設けられており、第1EGRバルブ53の開閉によって第1EGR通路52を介した排気ガスの還流量が変更される。第1EGR通路52には、これを通過する排気ガスを冷却する装置は設けられておらず、第1EGR通路52を介して吸気通路30に還流される排気ガスの温度はコールドEGRガスの温度よりも高くなる。以下では、適宜、第1EGR通路52を介して吸気通路30に還流される排気ガス、つまり、第1EGR装置51によって吸気通路30に還流される排気ガスであって比較的高温の排気ガスをホットEGRガスという。
本実施形態では、第1EGR通路52の上流端付近の通路と第2EGR通路55の上流端付近の通路とが共通の通路とされているとともに、第1EGR通路52の下流端付近の通路と第2EGR通路55の下流端付近の通路とが共通の通路とされている。つまり、排気通路40における第2タービン72よりも上流側の部分からは一本の通路が延びており、この通路が第1EGRバルブ53側と第2EGRバルブ57側とに分岐している。そして、これら分岐通路が再び合流して、吸気通路30のうちスロットルバルブ36よりも下流側の部分に接続されている。
次に、図2を用いて、エンジンシステムの制御系について説明する。当実施形態のエンジンシステムは、車両に備わるPCM(パワートレイン制御モジュール、制御装置)200によって制御される。PCM200は、周知のとおり、CPU、ROM、RAM、I/F等から構成されるマイクロプロセッサである。
PCM200には、各種センサからの情報が入力される。例えば、PCM200は、エンジン水温センサSN1、回転数センサSN2、エアフローセンサSN3、吸気圧センサSN4、排気O2センサSN5等と電気的に接続されており、これらのセンサからの入力信号を受け付ける。また、車両には、運転者により操作されるアクセルペダル(不図示)の開度すなわちアクセル開度を検出するアクセル開度センサSN6や、車速を検出する車速センサSN7等が設けられており、これらセンサSN6、SN7からもPCM200に信号が入力される。
PCM200は、SN1〜SN7等の各種センサからの入力信号に基づいて種々の演算等を実行しつつ、インジェクタ20、スロットルバルブ36、第1EGRバルブ53、第2EGRバルブ57等のエンジンシステムの各部を制御する。
(2)EGR制御
第1EGRバルブ53、第2EGRバルブ57の制御内容について次に説明する。
第1EGRバルブ53、第2EGRバルブ57の制御内容について次に説明する。
(2−1)制御領域
図3〜図5は、EGRバルブ53、57の制御領域を示した図であり、横軸をエンジンの回転数、縦軸をエンジン負荷としたマップである。本実施形態では、エンジンの暖機具合に応じてEGRバルブ53、57の基本的な開閉領域が異なるように構成されており、エンジン冷却水の温度に応じて図3〜図5のマップが切り替えられる。
図3〜図5は、EGRバルブ53、57の制御領域を示した図であり、横軸をエンジンの回転数、縦軸をエンジン負荷としたマップである。本実施形態では、エンジンの暖機具合に応じてEGRバルブ53、57の基本的な開閉領域が異なるように構成されており、エンジン冷却水の温度に応じて図3〜図5のマップが切り替えられる。
(i)冷間時の制御
エンジン冷却水の温度が第1温度未満のときには、図3に示したマップが用いられる。すなわち、PCM200は、エンジン水温センサSN1で検出されたエンジン冷却水の温度が第1温度未満のときは、図3に示したマップを用いてEGRバルブ53、57を制御する。第1温度は、エンジンの冷間始動時におけるエンジン冷却水の温度つまり外気の温度と同程度の温度(例えば、20℃等)よりも高い温度であって、55℃程度に設定されている。以下では、エンジン冷却水の温度が第1温度未満であるときを、単に冷間時という。
エンジン冷却水の温度が第1温度未満のときには、図3に示したマップが用いられる。すなわち、PCM200は、エンジン水温センサSN1で検出されたエンジン冷却水の温度が第1温度未満のときは、図3に示したマップを用いてEGRバルブ53、57を制御する。第1温度は、エンジンの冷間始動時におけるエンジン冷却水の温度つまり外気の温度と同程度の温度(例えば、20℃等)よりも高い温度であって、55℃程度に設定されている。以下では、エンジン冷却水の温度が第1温度未満であるときを、単に冷間時という。
図3に示すマップでは、EGRバルブ53、57の制御領域が、エンジン回転数およびエンジン負荷がともに低い冷間時第1領域A1と、それ以外の冷間時第2領域A2とに区画されている。
冷間時は、冷間時第1領域A1において、第2EGRバルブ57は閉弁される一方第1EGRバルブ53が開弁されて、ホットEGRガスのみが吸気通路30および気筒2内に導入される。また、冷間時は、冷間時第2領域A2において、EGRバルブ53、57がともに全閉とされてEGRガスの還流が停止される。
冷間時にこのような制御を実施するのは次の理由による。
冷間時は、気筒2内での燃焼温度が低く抑えられる結果、燃料の一部が気筒2内で適切に燃焼せずに未燃燃料としてエンジン本体1から排出されやすい。また、排気ガスの温度が低くなって浄化装置81に含まれる触媒の活性化が遅れやすい。特に、エンジン回転数およびエンジン負荷がともに低い領域A1では、燃焼温度が低くなってこれらの問題が生じやすい。
そこで、本実施形態では、冷間時で且つエンジン回転数およびエンジン負荷が比較的低い冷間時第1領域A1では、第1EGRバルブ53を開弁させてホットEGRガスつまり高温のEGRガスを吸気通路30に還流させ、これにより、気筒2内に導入されるガスの温度を高めて燃焼温度を高める。そして、これにより、未燃燃料の排出を低減するとともに触媒の早期活性化を図る。
一方、エンジン回転数が高いときは、気筒2内に導入されるガスの量ひいては空気の量が少なくなりやすい。また、エンジン負荷が高いときは、気筒2内に導入する空気の量を多くする必要がある。そこで、冷間時であってもエンジン回転数およびエンジン負荷エンジン負荷が比較的高い冷間時第2領域A2では、EGRバルブ53、57を全閉として、気筒2内に導入される空気の量を確保する。
(ii)暖機完了時の制御
エンジン冷却水の温度が第2温度以上であってエンジンの暖機がほぼ完了しているときは、EGRバルブの制御マップとして、図4に示したマップが用いられる。すなわち、PCM200は、エンジン水温センサSN1で検出されたエンジン冷却水の温度が第2温度以上のときは、図4に示したマップを用いてEGRバルブ53、57を制御する。第2温度は、前記のようにエンジンの暖機がほぼ完了するときのエンジン冷却水の温度であって、エンジンの暖機完了時のエンジン冷却水の温度(例えば80℃)よりもわずかに低い温度に設定されている。例えば、第2温度は、75℃程度に設定されている。以下では、エンジン冷却水の温度が第2温度以上であるときを、単に暖機完了時という。
エンジン冷却水の温度が第2温度以上であってエンジンの暖機がほぼ完了しているときは、EGRバルブの制御マップとして、図4に示したマップが用いられる。すなわち、PCM200は、エンジン水温センサSN1で検出されたエンジン冷却水の温度が第2温度以上のときは、図4に示したマップを用いてEGRバルブ53、57を制御する。第2温度は、前記のようにエンジンの暖機がほぼ完了するときのエンジン冷却水の温度であって、エンジンの暖機完了時のエンジン冷却水の温度(例えば80℃)よりもわずかに低い温度に設定されている。例えば、第2温度は、75℃程度に設定されている。以下では、エンジン冷却水の温度が第2温度以上であるときを、単に暖機完了時という。
図4に示すマップでは、EGRバルブ53、57の制御領域が、全負荷付近(各エンジン回転数においてエンジン負荷が最大となるポイント)に設定された暖機完了時第2領域B2と、それ以外の暖機完了時第1領域B1とに区画されている。
暖機完了時は、暖機完了時第1領域B1において、第1EGRバルブ53は閉弁され、第2EGRバルブ57のみが開弁されて、コールドEGRガスのみが吸気通路30および気筒2内に導入される。また、暖機完了時は、暖機完了時第2領域B2において、EGRバルブ53、57がともに全閉とされてEGRガスの還流が停止される。
暖機完了時の暖機完了時第2領域B2において、前記のような制御を実施するのは、冷間時の冷間時第2領域A2において前記制御を実施するのと同じ理由による。つまり、暖機完了時においても、エンジン回転数およびエンジン負荷が高い暖機完了時第2領域B2では、気筒2内に導入される空気の量を確保するべくEGRバルブ53、57を全閉とする。
一方、暖機完了時第1領域B1において、前記のような制御を実施するのは、NOxやスモークの発生を抑えるため、および、燃費性能を高めるためである。つまり、暖機完了時は、気筒2内での混合気の燃焼中およびこの燃焼前後において気筒2内の温度が高くなるので、未燃燃料の排出は抑制される。一方、暖機完了時は、気筒2内の温度が高くなるのに伴って、NOxやスモークが生じやすくなる。そこで、NOxやスモークの生成を抑制するべく、暖機完了時は、EGRクーラー58により冷却された低温のEGRガスつまりコールドEGRガスを気筒2内に導入して気筒2内の温度を低く抑える。ただし、暖機完了時であっても、エンジン負荷が非常に低いアイドル運転時等では、気筒2内の温度が低くなって燃焼の安定性が悪化するおそれがある。そのため、このようなエンジン負荷が非常に低い領域では第2EGRバルブ57に加えて第1EGRバルブ53を開弁して吸気通路30に還流されるEGRガスの温度が過剰に低くなるのを抑制するようにしてもよい。
(iii)半暖機時の制御
エンジン冷却水の温度が第1温度以上且つ第2温度未満であってエンジン本体1が暖機途中のときは、EGRバルブの制御マップとして、図5に示したマップが用いられる。すなわち、PCM200は、エンジン水温センサSN1で検出されたエンジン冷却水の温度が第1温度以上且つ第2温度未満のときは、図5に示したマップを用いてEGRバルブ53、57を制御する。以下では、エンジン冷却水の温度が第1温度以上且つ第2温度未満であるときを、半暖機時という。
エンジン冷却水の温度が第1温度以上且つ第2温度未満であってエンジン本体1が暖機途中のときは、EGRバルブの制御マップとして、図5に示したマップが用いられる。すなわち、PCM200は、エンジン水温センサSN1で検出されたエンジン冷却水の温度が第1温度以上且つ第2温度未満のときは、図5に示したマップを用いてEGRバルブ53、57を制御する。以下では、エンジン冷却水の温度が第1温度以上且つ第2温度未満であるときを、半暖機時という。
図5に示すマップでは、EGRバルブ53、57の制御領域が、全負荷付近であって暖機完了時第2領域B2とほぼ同じ領域に設定された半暖機第3領域C3と、エンジン回転数とエンジン負荷とがそれぞれ所定値以下の低速低負荷領域に設定された半暖機第1領域C1と、半暖機第1領域C1および半暖機第3領域C3を除く半暖機第2領域C2とに区画されている。つまり、エンジン回転数が予め設定された基準回転数N1以下で且つエンジン負荷が予め設定された基準負荷T1以下の半暖機第1領域C1と、それよりもエンジン回転数およびエンジン負荷が高い半暖機第2領域C2と、これよりもさらにエンジン回転数およびエンジン負荷が高い半暖機第3領域C3とに区画されている。
半暖機時は、半暖機第1領域C1において、第1EGRバルブ53と第2EGRバルブ57とがともに開弁されて、コールドEGRガスとホットEGRガスとの両方が吸気通路30および気筒2内に導入される。
また、半暖機時は、半暖機第2領域C2において、第1EGRバルブ53は閉弁されて、第2EGRバルブ57のみが開弁され、コールドEGRガスのみが吸気通路30および気筒2内に導入される。
また、半暖機時は、半暖機第3領域C3において、EGRバルブ53、57がともに全閉とされてEGRガスの還流が停止される。
半暖機時に半暖機第3領域C3で前記のような制御を実施するのは、暖機完了時に暖機完了時第2領域B2で前記制御を実施するのと同じ理由による。つまり、半暖機時においても、エンジン回転数およびエンジン負荷が高い領域C3では、気筒2内に導入される空気の量を確保するべくEGRバルブ53、57を全閉とする。
また、半暖機時に半暖機第2領域C2で前記のような制御を実施するのは、暖機完了時に暖機完了時第1領域B1で前記制御を実施するのと同じ理由による。具体的には、半暖機時であっても、エンジン回転数およびエンジン負荷が高い領域では気筒2内の温度が高くなりやすくNOxやスモークが生じやすい。そこで、半暖機時であっても、エンジン回転数およびエンジン負荷が比較的高い半暖機第2領域C2では、EGRクーラー58により冷却された低温のコールドEGRガスのみを吸気通路30および気筒2内に導入して、気筒2内の温度上昇を抑制する。
しかしながら、半暖機時であってエンジン回転数およびエンジン負荷が低い場合は、やはり気筒2内の温度が低くなって未燃燃料が排出されやすくなる。そこで、本実施形態では、前記のように、半暖機時で、かつ、エンジン回転数およびエンジン負荷が低い半暖機第2領域C2でエンジン本体1が運転されているときは、気筒2内の温度を、未燃燃料、NOxおよびスモークの排出がともに低減されるような温度にするべく、EGRクーラー58により冷却された低温のコールドEGRガスに加えてEGRクーラー58を通らない比較的高温のホットEGRガスとをともに吸気通路30に還流させる。
図6は、図5に示したエンジン回転数N_sにおけるエンジン負荷とEGRガスの量との関係であって、定常状態(エンジン回転数およびエンジン負荷が略一定の状態)におけるこの関係を示した図である。図6に示されるように、半暖機第1領域C1では、コールドEGRガスの量はエンジン負荷によらずほぼ一定とされる一方、ホットEGRガスの量はエンジン負荷が高い方が小さい値とされる。そして、これに伴い、半暖機第1領域C1では、コールドEGRガスの量とホットEGRガスの量とを合わせたトータルのEGRガス量は、エンジン負荷が高い方が小さくなるように制御される。また、半暖機第2領域C2では、コールドEGRガスの量は、エンジン負荷が高い方が小さい値とされる。
(2−2)半暖機時の制御の詳細
次に、半暖機第1領域C1であって、前記のように、第1EGRバルブ53と第2EGRバルブ57とがともに開弁されてコールドEGRガスとホットEGRガスとがともに気筒2内に導入される領域C1における、EGRバルブ53、57の制御の詳細について説明する。図7は、半暖機時にPCM200により実施されるEGRバルブ53、57の制御手順を示したフローチャートである。
次に、半暖機第1領域C1であって、前記のように、第1EGRバルブ53と第2EGRバルブ57とがともに開弁されてコールドEGRガスとホットEGRガスとがともに気筒2内に導入される領域C1における、EGRバルブ53、57の制御の詳細について説明する。図7は、半暖機時にPCM200により実施されるEGRバルブ53、57の制御手順を示したフローチャートである。
まず、ステップS1にて、PCM200は、アクセル開度センサSN6で検出されたアクセル開度や、回転数センサSN2で検出されたエンジン回転数や、エンジン水温センサSN1で検出されたエンジン水温等を読み込む。
次に、ステップS2にて、PCM200は、ステップS1で読み込んだアクセル開度やエンジン回転数等に基づいて、要求されているエンジントルクつまりエンジントルクの目標値である目標トルクを算出する。
次に、ステップS3にて、PCM200は、ステップS2で算出した目標トルクに基づいて、この目標トルクを実現するために気筒2内に導入すべき空気の量である目標空気量を算出するとともに、目標空気量に基づいて気筒2内に噴射すべき燃料の量(以下、噴射量という)である目標噴射量を算出する。
また、ステップS3にて、PCM200は、気筒2内の燃焼前の酸素濃度の基本的な目標値である基本目標吸気O2濃度を算出する。具体的には、PCM200は、エンジン回転数とエンジン負荷とに基づいて基本目標吸気O2濃度の基本的な値を算出した後、この値を、現在のギア段、エンジン冷却水温、外気温、高度等によって補正して、最終的な基本目標吸気O2濃度とする。本実施形態では、エンジン回転数とエンジン負荷とに応じた基本目標吸気O2濃度の基本的な値が予め設定されてPCM200にマップで記憶されており、PCM200は、このマップから現在のエンジン回転数とエンジン負荷とに対応した値を抽出する。このマップの各値は、エンジン本体1が定常運転されているときにNOxおよびスモークを所定量以下に抑えることができる値に設定されている。また、ギア段は、検出された車速とエンジン回転数から求められる。また、外気温、高度は、車両に設けられた各センサにより検出される。
次に、ステップS4にて、PCM200は、第2EGRバルブ57の基本的な開度である第2EGRバルブ基本開度を決定する。本実施形態では、エンジン回転数と噴射量とに応じて第2EGRバルブ基本開度が予め設定されてPCM200にマップで記憶されており、PCM200は、現在のエンジン回転数と噴射量とに対応する値をこのマップから抽出し、抽出した値を第2EGRバルブ基本開度に決定する。
次に、ステップS5にて、PCM200は、加速中か否か(車両およびエンジンに対して加速要求が出されているか否か)を判定する。本実施形態では、PCM200は、エアフローセンサSN3の検出値等に基づいて気筒2内に導入される空気量を随時推定しており、この推定した空気量が、ステップ2で算出した目標空気量に対して予め設定された判定値以上不足しているときに加速中であると判定する。なお、この判定に代えて、アクセル開度の増加量が所定値以上になると加速を開始したと判定し、前記の推定した空気量の目標空気量に対する不足量が所定値以下になると加速が終了したと判定してもよい。
ステップS5の判定がNOであって加速中でない場合は、ステップS6に進む。ステップS6では、PCM200は、目標トータルEGRガス量を算出する。目標トータルEGRガス量は、気筒2内に導入されるEGRガス全体(ホットEGRガスとコールドEGRガスとを合わせたEGRガス全体)の重量の目標値である。
ステップS6では、PCM200は、エンジン回転数とエンジン負荷とに基づいて目標トータルEGRガス量の基本的な値を算出した後、この値を、現在のギア段、エンジン冷却水温、外気温、高度等によって補正して、最終的な目標トータルEGRガス量とする。具体的には、エンジン回転数とエンジン負荷とに応じた目標トータルEGRガス量の基本的な値が予め設定されてPCM200にマップで記憶されており、PCM200は、このマップから現在のエンジン回転数とエンジン負荷とに対応した値を抽出する。
ステップS6で算出される目標トータルEGRガス量は、ステップS3で算出される基本目標吸気O2濃度と対応しており、加速時以外の運転時(主として定常運転時)において、気筒2内に導入されるトータルのEGRガス量がこの目標トータルEGRガス量に制御されることで、ステップS3で算出された基本目標吸気O2濃度が実現されるようになっている。
前記のように、半暖機第1領域C1では、定常状態において、トータルのEGRガス量が、エンジン負荷が高い方が小さくなるように設定されており、ステップS6では、目標トータルEGRガス量はエンジン負荷が高い方が小さい値となるように算出される。
ステップS6の後はステップS7に進む。ステップS7では、PCM200は、第2EGRバルブ57の開度を、ステップS4で決定した第2EGRバルブ基本開度に制御する。
ステップS7の後はステップS8に進む。ステップS8では、PCM200は、ステップS6で算出した目標トータルEGRガス量に応じて、第1EGRバルブ53の開度を変更する。具体的には、PCM200は、気筒2内に導入されるトータルのEGRガス量が、ステップS6で算出した目標トータルEGRガス量になるように、第1EGRバルブ53の開度を決定する。そして、PCM200は、第1EGRバルブ53の開度をこの決定した開度に制御する。本実施形態では、第1EGRバルブ53の基本的な開度についても、エンジン回転数と噴射量とについてそれぞれ予め設定されてPCM200にマップで記憶されており、PCM200は、このマップから基本的な開度を抽出した後、その値を、目標トータルEGRガス量と、気筒2内に導入されるトータルのEGRガス量の推定値との差に基づいて補正する。なお、PCM200は、気筒2内に導入されているトータルのEGRガス量を随時推定している。ステップS8の後は処理を終了する(ステップS1に戻る)。
このようにして、加速時でない場合は、主としてエンジン回転数とエンジン負荷とに基づいて目標トータルEGRガス量が決定されるとともに、エンジン回転数と噴射量とに応じて第2EGRバルブ57の開度が変更される。そして、目標トータルEGRガス量が実現されるように、第1EGRバルブ53の開度が調整される。
一方、ステップS5の判定がYESであって、車両およびエンジンが加速中の場合は、ステップS9に進む。ステップS9では、PCM200は、ステップS3で算出された基本目標吸気O2濃度を補正して加速時用の目標吸気O2濃度(以下、加速用目標吸気O2濃度という)であって最終的な吸気O2濃度の目標値を算出する。
つまり、車両およびエンジンの加速時には、加速に伴って噴射量が増大されるのに対して気筒2内への空気の導入が遅れる。そのため、加速時に、吸気O2濃度を定常運転時と同様の値に制御すると、燃料が噴射された後の気筒2内の酸素濃度が定常運転時の適正な値よりも低下してスモークの排出量が増大してしまう。特に、本実施形態では、ターボ過給機60、70によって過給がなされており、加速時は、ターボ過給機60、70の過給遅れに伴って気筒2内に導入される空気の増加が噴射量の増加に対して遅れやすい。そこで、本実施形態では、加速時におけるスモークの増大を抑制するべく、スモークの排出量と相関の高い排気ガスの酸素濃度である排気O2濃度が予め設定された基準排気O2濃度以下にならないように、ステップS3で算出した基本目標吸気O2濃度を高い側に補正して、加速用の目標吸気O2濃度を算出する。
具体的には、PCM200は、現在の気筒2内の全ガス量を推定するとともに、現在の吸気O2濃度が仮に基本目標吸気O2濃度であるとしたときに得られる仮の排気O2濃度を計算する。そして、算出した仮の排気O2濃度が基準排気O2濃度以下のときは、この仮の排気O2濃度と基準排気O2濃度との差に対応する吸気O2濃度を全ガス量と噴射量等とに基づいて算出し、この算出値を基本目標吸気O2濃度に加算して加速用目標吸気O2濃度とする。
ステップS9の後は、ステップS10に進む。ステップS10では、PCM200は、加速時用のトータルEGRガス量の目標値である加速用目標トータルEGRガス量を算出する。このとき、PCM200は、ステップS9で算出した加速用目標吸気O2濃度が実現されるように、加速用目標トータルEGRガス量つまり最終的なトータルEGRガス量の目標値を算出する。
具体的には、PCM200は、気筒2内に導入される空気の量を推定する。そして、この推定した空気量と加速用目標吸気O2濃度とに基づいて、気筒2内に導入される酸素濃度が目標吸気O2濃度となるようなEGRガスの量を算出し、これを加速用目標トータルEGRガス量とする。
ここで、前記のように、半暖機第1領域C1では、ステップS6で算出される目標トータルEGRガス量であって基本目標吸気O2濃度に対応する目標トータルEGRガス量は、エンジン負荷が高い方が大きい値となるように設定されており、加速に伴い目標トータルEGRガス量は低下する。これに加えて、前記のように加速用目標吸気O2濃度は基本目標吸気O2濃度よりも高い値に設定される。そのため、この加速用目標吸気O2濃度を実現するためのトータルEGRガス量の目標値はさらに低下し、加速用目標トータルEGRガス量はステップS6で算出される目標トータルEGRガス量よりも低い値に算出される。
ステップS10の後はステップS11に進む。ステップS11では、PCM200は、第1EGRバルブ53が全閉であるか否かを判定する。
ステップS11の判定がNOであって第1EGRバルブ53が全閉でない場合は、ステップS12に進む。ステップS12では、PCM200は、第2EGRバルブ57の開度を、ステップS4で決定した第2EGRバルブ基本開度に制御する。
また、ステップS11の判定がNOであって第2EGRバルブ57が全閉でない場合は、ステップS12の後に進むステップS13において、PCM200は、第1EGRバルブ53の開度をステップS10で算出した加速用目標トータルEGRガス量に応じて変更する。つまり、PCM200は、加速用目標トータルEGRガス量が実現されるように、第1EGRバルブ53の開度を調整する。
ここで、前記のように、加速用目標トータルEGRガス量は加速に伴って低下する。そのため、第1EGRバルブ53の開度は加速に伴って閉じ側に変更される。ステップS13の後は処理を終了する(ステップS1に戻る)。
一方、ステップS11の判定がYESであって第1EGRバルブ53が全閉の場合は、ステップS14に進む。ステップS14では、PCM200は、第2EGRバルブ57の開度を、加速用目標トータルEGRガス量に応じて調整する。このとき、加速に伴いトータルEGRガス量の目標値が低下していることから、第2EGRバルブ57の開度は、ステップS4で算出された第2EGRバルブ基本開度以下の範囲で調整されることになる。ステップS14の後は、処理を終了する(ステップS1に戻る)。
このように、本実施形態では、加速に伴ってトータルEGRガス量の目標値が低減され、これに対応して、まず第1EGRバルブ53が閉じ側に制御されて気筒2に導入されるホットEGRガスの量が低減される。そして、第1EGRバルブ53が全閉になるとトータルEGRガス量が目標値(加速用目標トータルEGRガス量)になるように、第2EGRバルブ57の開度が閉じ側に変更される。
(3)第1実施形態の作用等
図8は、半暖機時に半暖機第1領域C1で加速が行われた時に前記制御を実施したときの各パラメータの時間変化を示した図である。図8の各グラフは、上から順に、アクセル開度、噴射量、過給圧、目標吸気酸素濃度(吸気酸素濃度(吸気O2濃度)の目標値)、気筒2に導入されるトータルEGRガス量、気筒2に導入されるEGRガス量(トータルEGRガス量をホットEGRガス量とコールドEGRガス量とに分けて示したもの)、排気酸素濃度(排気O2濃度)、EGRバルブ53、57の開度のグラフである。また、目標吸気酸素濃度のグラフにおいて、破線は、基本目標吸気O2濃度であり、実線が、加速途中に加速用の補正を行ったときの目標吸気O2濃度であって最終的な吸気O2濃度の目標値である。また、トータルEGRガス量のグラフにおいて、実線は実際のトータルEGRガス量であり、破線はこれの目標値である。また、排気酸素濃度のグラフにおいて、実線は実際の排気O2濃度であり、破線は基準排気O2濃度を表している。
図8は、半暖機時に半暖機第1領域C1で加速が行われた時に前記制御を実施したときの各パラメータの時間変化を示した図である。図8の各グラフは、上から順に、アクセル開度、噴射量、過給圧、目標吸気酸素濃度(吸気酸素濃度(吸気O2濃度)の目標値)、気筒2に導入されるトータルEGRガス量、気筒2に導入されるEGRガス量(トータルEGRガス量をホットEGRガス量とコールドEGRガス量とに分けて示したもの)、排気酸素濃度(排気O2濃度)、EGRバルブ53、57の開度のグラフである。また、目標吸気酸素濃度のグラフにおいて、破線は、基本目標吸気O2濃度であり、実線が、加速途中に加速用の補正を行ったときの目標吸気O2濃度であって最終的な吸気O2濃度の目標値である。また、トータルEGRガス量のグラフにおいて、実線は実際のトータルEGRガス量であり、破線はこれの目標値である。また、排気酸素濃度のグラフにおいて、実線は実際の排気O2濃度であり、破線は基準排気O2濃度を表している。
時刻t1にてアクセル開度が増大されて加速が開始されると、これに伴って噴射量が増大する。一方、時刻t1で加速が開始されても、過給圧はすぐには上昇せず、時刻t1後、目標値に向けて緩やかに上昇していく。これに伴い、図示は省略したが、時刻t1後において、気筒2に導入される空気の量はその目標値に対して不足することになる。
図8に示した例では、時刻t1後、エンジン回転数等の変化に伴って目標吸気O2濃度(目標吸気酸素濃度)は低下するが、前記のように空気量が不足していること等に伴ってトータルEGRガス量の目標値は低下する。
そして、このようにトータルEGRガス量の目標値が低下することで、時刻t1直後から第1EGRバルブ53の開度は閉じ側に変更され、ホットEGRガスの量は低下する。一方、時刻t1直後は、第2EGRバルブ57の開度は時刻t1時(加速開始時)および加速開始直前の開度と同じ開度に維持され、コールドEGRガスの量は時刻t1前後において略一定に維持される。
その後、時刻t2付近において、排気O2濃度が基準排気O2濃度付近まで低下することに伴い、目標吸気O2濃度は増大される。具体的には、図8の目標吸気酸素濃度のグラフにおいて実線で示した最終的な吸気O2濃度の目標値は、破線で示した基本目標吸気O2濃度よりも高い側に変更される。そして、時刻t2付近において、過給圧ひいては空気量の上昇が始まるが、トータルEGRガス量の目標値は低い値とされ、第2EGRバルブ57の開度は、時刻t1後から徐々に閉弁されていく。
時刻t3において、第2EGRバルブ57の開度は全閉となり、ホットEGRガスの量は0となる。そして、第2EGRバルブ57が全閉となった直後から、第2EGRバルブ57の開度が閉じ側に変更されるようになる。これに伴い、コールドEGRガスの量が減少していく。このとき、第2EGRバルブ57の開度は、トータルEGRガス量が目標値になるように変更される。
その後、時刻t4になると、過給圧が十分に上昇する(目標値付近の圧力に上昇する)。つまり、気筒2内に導入される空気量が目標値付近に到達し、加速が終了する。また、トータルEGRガス量が目標値に収束する。これに伴い、時刻t4において、第2EGRバルブ57の開度は、定常時の開度(第2EGRバルブ基本開度)とされ、第2EGRバルブ57の開度が全閉よりも開き側に戻される。
以上のように、本実施形態では、エンジンがある程度暖機はされているが完全に暖機が完了してはいない半暖機時にエンジン回転数およびエンジン負荷が低い半暖機第1領域C1にあるという特定の運転条件でエンジンが運転されているときには、ホットEGRとコールドEGRとがともに気筒2内に導入される。そのため、吸気通路30に導入されるEGRガスの温度ひいては気筒2に導入されるガスの温度を、これら2つの温度の異なるEGRガスの組み合わせによって適切な温度にすることができ、未燃燃料の排出、および、スモークやNOxの排出を抑制することができる。
しかも、前記の特定の運転条件でエンジンが運転されている状態、つまり、第1EGRバルブ53と第2EGRバルブ57とがともに開弁されている状態で、加速がなされたときには、第1EGRバルブ53をまず先に閉じ、第1EGRバルブ53が全閉になった後に第2EGRバルブ57を閉じるようにしている。そのため、加速時に、吸気通路30に導入される高温のEGRガスの量を少なく抑えて、気筒2に導入されるガスの温度をより低く抑えることができる。従って、加速に伴って空気量が不足している状態で気筒2内の温度が高くなるのを抑制することができ、スモークの増大を防止できる。
なお、前記第1実施形態では、第1EGRバルブ53が全閉になった後に第2EGRバルブ57の開度の閉じ側への変更すを開始させた場合について説明したが、第1EGRバルブ53が全閉になる前に第2EGRバルブ57の開度を閉じ側に変更する制御を開始してもよい。ただし、第1EGRバルブ53が全閉になった後に第2EGRバルブ57を閉じ側に変更するように構成すれば、より確実に、気筒2に導入されるガスの温度を低く抑えることができる。
(4)第2実施形態
前記第1実施形態では、半暖機時の半暖機第1領域C1での加速時において、まず第1EGRバルブ53を閉じ、その後第2EGRバルブ57を閉じることで、気筒2内の温度上昇を抑制した場合について説明したが、これに代えて、半暖機時の半暖機第1領域C1での加速時において、各EGRバルブ53、57を次のように制御してもよい。
前記第1実施形態では、半暖機時の半暖機第1領域C1での加速時において、まず第1EGRバルブ53を閉じ、その後第2EGRバルブ57を閉じることで、気筒2内の温度上昇を抑制した場合について説明したが、これに代えて、半暖機時の半暖機第1領域C1での加速時において、各EGRバルブ53、57を次のように制御してもよい。
図9は、本発明の第2実施形態に係る半暖機時の制御の手順を示したフローチャートである。第2実施形態と第1実施形態とは、この制御の手順の一部が異なるだけであり、ここでは、この制御手順についてのみ説明する。また、図9において、図7のステップと同じステップについては同じ符号を付している。
第2実施形態でも、ステップS1〜ステップS10が実施され、加速中であるときに進むステップS10において加速用目標トータルEGRガス量が算出される。
ただし、第2実施形態では、ステップS10の後、ステップS21に進み、PCM200は、トータルEGRガスの低減量を算出する。トータルEGRガスの低減量は、加速用目標トータルEGRガス量を実現するために低減せねばならないトータルEGRガスの量である。例えば、ステップS21では、現在のトータルEGRガス量から加速用目標トータルEGRガス量を差し引いた値と所定の係数(1以下の値)とを積算することでトータルEGRガスの低減量が算出される。
そして、第2実施形態では、ステップS21の後にステップS22に進み、第2EGRバルブ57の開度が「トータルEGRガスの低減量」×「第1割合」で算出される値に応じて変更される。具体的には、コールドEGRガスの量の低減量が、「トータルEGRガスの低減量」×「第1割合」で算出される値になるように第2EGRバルブ57の開度が閉じ側に制御される。つまり、「トータルEGRガスの低減量」×「第1割合」によってコールドEGRガス量の低減量の目標値を算出し、これが実現されるように第2EGRバルブ57の開度を変更する。
また、ステップS22の後に進むステップS23において、第1EGRバルブ53の開度が「トータルEGRガスの低減量」×「第2割合」で算出される値に応じて変更される。具体的には、ホットEGRガスの量の低減量が、「トータルEGRガスの低減量」×「第2割合」で算出される値となるように第1EGRバルブ53の開度が閉じ側に制御される。つまり、「トータルEGRガスの低減量」×「第2割合」によってホットEGRガス量の低減量の目標値を算出し、これが実現されるように第1EGRバルブ53の開度を変更する。
第1割合と第2割合とは予め設定された係数である。そして、第2割合の方が第1割合よりも大きい値に設定されている。従って、ホットEGRガス量の低減量の目標値である「トータルEGRガスの低減量」×「第2割合」の値は、コールドEGRガス量の低減量の目標値である「トータルEGRガスの低減量」×「第1割合」の値よりも大きい値に算出され、ホットEGRガス量がより多く低減するように、各EGRバルブ53、57が制御される。ステップS23の後は処理を終了する(ステップS1に戻る)。
このように、第2実施形態では、半暖機時の半暖機第1領域C1での加速時において、加速に伴って第1EGRバルブ53と第2EGRバルブ57との両方がほぼ同時に閉じ側に変更される。ただし、このときに、気筒2に導入されるホットEGRガスの減少量が、コールドEGRガスの減少量よりも多くなるように、各EGRバルブ53、57の開度が変更される。
(5)第2実施形態の作用等
第2実施形態でも、半暖機時の半暖機第1領域C1での加速時において、ホットEGRガスの減少量がコールドEGRガスの減少量よりも多くされることで、吸気通路30に導入されるEGRガスの温度ひいては気筒2内の温度を低く抑えることができる。従って、加速に伴って空気量が不足している状態で気筒2内の温度が高くなるのを抑制することができ、スモークの増大をして排気性能を高めることができる。
第2実施形態でも、半暖機時の半暖機第1領域C1での加速時において、ホットEGRガスの減少量がコールドEGRガスの減少量よりも多くされることで、吸気通路30に導入されるEGRガスの温度ひいては気筒2内の温度を低く抑えることができる。従って、加速に伴って空気量が不足している状態で気筒2内の温度が高くなるのを抑制することができ、スモークの増大をして排気性能を高めることができる。
(6)その他の変形例
前記実施形態では、半暖機時の半暖機第1領域C1でエンジンが運転されているという条件下で加速が行われたときに、図7および図9で示した制御を実施した場合について説明したが、この制御を実施する条件は、第1EGRバルブ53と第2EGRバルブ57との両方が開弁される運転条件下で加速が行われた時という条件を含めばよく、前記の条件に限らない。つまり、第1EGRバルブ53と第2EGRバルブ57との両方を開弁する運転条件は、半暖機時の半暖機第1領域C1でエンジンが運転されているという条件に限らない。
前記実施形態では、半暖機時の半暖機第1領域C1でエンジンが運転されているという条件下で加速が行われたときに、図7および図9で示した制御を実施した場合について説明したが、この制御を実施する条件は、第1EGRバルブ53と第2EGRバルブ57との両方が開弁される運転条件下で加速が行われた時という条件を含めばよく、前記の条件に限らない。つまり、第1EGRバルブ53と第2EGRバルブ57との両方を開弁する運転条件は、半暖機時の半暖機第1領域C1でエンジンが運転されているという条件に限らない。
ただし、前記のように、半暖機時であってエンジン回転数およびエンジン負荷が低い半暖機第1領域C1では、排気性能を高めるべく第1EGRバルブ53と第2EGRバルブ57との両方を開弁させるのが好ましい。
また、第1EGR装置51と第2EGR装置55とは、それぞれが排気通路40を流通する排気ガスを吸気通路30に還流可能で、かつ、第2EGR装置55によって還流される排気ガスの温度が第1EGR装置51によって還流される排気ガスの温度よりも低くなるように構成されていればよく、その具体的な構成は前記に限らない。例えば、第1EGR装置51の第1EGR通路52を前記実施形態のように排気通路40のうちタ第2ターボ過給機70のタービン72よりも上流側の部分に接続する一方、EGRクーラー58を省略して、第2EGR装置55の第2EGR通路56を、排気通路40のうち第2ターボ過給機70のタービン72あるいは第1ターボ過給機60のタービン62よりも下流側の部分に接続させてもよい。この構成では、第1EGR通路52には、タービン62に流入する前の排気ガスが流入し、第2EGR通路56には、タービン62(72)でエネルギーが消費されて低温となった排気ガスが流入することになる。そのため、EGRクーラー58を省略しても、第2EGR通路56を介して吸気通路30に還流する排気ガスの温度を、第1EGR通路51を介して還流する排気ガスの温度よりも低く抑えることができる。
1 エンジン本体
2 気筒
30 吸気通路
40 排気通路
51 第1EGR装置(第1排気ガス還流装置)
52 第1EGR通路(第1還流通路)
53 第1EGRバルブ(第1還流弁)
55 第2EGR装置(第2排気ガス還流装置)
56 第2EGR通路(第2還流通路)
57 第2EGRバルブ(第2還流弁)
58 EGRクーラー(冷却装置)
200 PCM(制御装置)
2 気筒
30 吸気通路
40 排気通路
51 第1EGR装置(第1排気ガス還流装置)
52 第1EGR通路(第1還流通路)
53 第1EGRバルブ(第1還流弁)
55 第2EGR装置(第2排気ガス還流装置)
56 第2EGR通路(第2還流通路)
57 第2EGRバルブ(第2還流弁)
58 EGRクーラー(冷却装置)
200 PCM(制御装置)
Claims (4)
- エンジンの吸気通路と排気通路とを接続する第1還流通路とこれを開閉する第1還流弁とを含み、前記排気通路内の排気ガスを前記吸気通路に還流する第1排気ガス還流装置と、
前記吸気通路と前記排気通路とを接続する第2還流通路とこれを開閉する第2還流弁とを含み、前記第1排気ガス還流装置によって還流される排気ガスよりも温度の低い排気ガスを前記吸気通路に還流する第2排気ガス還流装置と、
エンジンが予め設定された特定の運転条件で運転されているときに、前記第1還流弁と前記第2還流弁との両方が開弁するように前記第1還流弁と前記第2還流弁とを制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記特定の運転条件での運転中に加速が要求されると、前記吸気通路に還流される排気ガスの量が減少するように、かつ、前記第2排気ガス還流装置によって還流される排気ガスよりも先に前記第1排気ガス還流装置によって還流される排気ガスが減少を開始するように、前記第1還流弁と前記第2還流弁とを制御する、ことを特徴とするエンジンの排気ガス還流制御装置。 - エンジンの吸気通路と排気通路とを接続する第1還流通路とこれを開閉する第1還流弁とを含み、前記排気通路内の排気ガスを前記吸気通路に還流する第1排気ガス還流装置と、
前記吸気通路と前記排気通路とを接続する第2還流通路とこれを開閉する第2還流弁とを含み、前記第1排気ガス還流装置によって還流される排気ガスよりも温度の低い排気ガスを前記吸気通路に還流する第2排気ガス還流装置と、
エンジンが予め設定された特定の運転条件で運転されているときに、前記第1還流弁と前記第2還流弁との両方が開弁するように前記第1還流弁と前記第2還流弁とを制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記特定の運転条件での運転中に加速が要求されると、前記吸気通路に還流される排気ガスの量が減少するように、かつ、前記第1排気ガス還流装置によって還流される排気ガスの量の方が前記第2排気ガス還流装置によって還流される排気ガスの量よりも多く減少するように、前記第1還流弁と前記第2還流弁とを制御する、ことを特徴とするエンジンの排気ガス還流制御装置。 - 請求項1または2に記載のエンジンの排気ガス還流制御装置において、
前記第2排気ガス還流装置は、前記第2還流通路に設けられて当該第2還流通路を通過する排気ガスを冷却する冷却装置を備える、ことを特徴とするエンジンの排気ガス還流制御装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のエンジンの排気ガス還流制御装置において、
前記特定の運転条件は、エンジンを冷却するためのエンジン冷却水の温度がエンジンの冷間始動時の温度よりも高い第1温度以上且つエンジンの暖機完了時の温度よりも低い第2温度度未満という条件を含む、ことを特徴とするエンジンの排気ガス還流制御装置。
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