JP2004124744A - ターボ過給機付エンジン - Google Patents

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Yoshinori Hayashi
林 好徳
Koji Sumita
住田 孝司
Kazutoyo Watanabe
渡邉 一豊
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Abstract

【課題】出力ないしトルクを高めつつ高速・高負荷時等におけるノッキングの発生を防止することができ、さらにはエミッション性能を高めることができるターボ過給機付エンジンを提供する。
【解決手段】ターボ過給機付エンジンEには、タービン10bの下流の排気通路14とスロットルバルブ12の下流の吸気通路7とを接続するバイパス通路18が設けられている。バイパス通路18には、バイパス通路内を流れる排気ガス(EGRガス)を冷却するガスクーラ19と、バイパス通路内を流れるエア又は排気ガスの流量を制御する調整弁20とが介設されている。高速・高負荷時には、排気通路内空燃比が理論空燃比となるように燃料噴射弁4から燃料が噴射されてエミッション性能が高められる一方、燃焼室内空燃比がパワー空燃比よりリッチとなるように調整弁20が制御されてノッキングが防止される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ターボ過給機付エンジンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用のエンジンにおいては、排気ガスがかなり高い圧力(排気圧力)をもつことから、この排気ガスの圧力を有効に利用して吸気圧力ないしは充填効率を高めるターボ過給機を設けてエンジン出力の向上を図るようにしたターボ過給機付エンジンが従来用いられている。そして、かかるターボ過給機付エンジンにおいて、エンジン出力を高める必要があるとき、例えば高負荷時には、通常、ターボ過給機で過給を行うとともに、空燃比を理論空燃比(A/F=14.7)付近に設定するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3153283号明細書(段落[0037]、図10)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ターボ過給機付エンジンにおいて、高速・高負荷時に過給を行いつつ空燃比を理論空燃比付近に設定すると、燃焼ガス温度が上昇してノッキングが発生しやすくなるといった問題が生じる。そこで、従来のターボ過給機付エンジンでは、高速・高負荷時には空燃比を理論空燃比よりもリッチにして燃焼ガス温度を低下させるなどして、ノッキングの発生を防止するようにしているが、このようにすると燃費性能が低下するといった問題がある。
【0005】
ところで、自動車用のエンジンの燃焼室から排出される排気ガスには、NOx(窒素酸化物)、HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)等の大気汚染物質が含まれているので、エンジンの排気通路には、通常、これらの大気汚染物質を浄化する排気ガス浄化触媒を用いた触媒コンバータ(排気ガス浄化装置)が介設される。そして、排気ガス浄化触媒としては、NOx、HC及びCOを一括して浄化することができることから三元触媒が広く用いられている。この三元触媒は、空燃比が理論空燃比付近であるときに最もよく浄化能力を発揮し、空燃比がこれよりリッチ側又はリーン側にゆくほど浄化能力が低下するといった特性をもつ。
【0006】
したがって、ターボ過給機付エンジンにおいて排気ガス浄化触媒として三元触媒を用いた場合、前記のように高速・高負荷時に空燃比を理論空燃比よりもリッチにして燃焼ガス温度を低下させると、三元触媒の浄化能力が低下してエミッション性能が低下するといった問題が生じる。
【0007】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであって、出力ないしトルクを高めつつとくに高速・高負荷時等におけるノッキングの発生を防止することができ、さらにはエミッション性能を高めることができるターボ過給機付エンジンを提供することを解決すべき課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた本発明の第1の態様にかかるターボ過給機付エンジンは、(i)タービン下流の排気通路とブロア下流の吸気通路とを接続するバイパス通路と、バイパス通路を流れるガスの流量を制御する調整弁とが配設されたターボ過給機付エンジンにおいて、(ii)バイパス通路と排気通路との接続位置より下流の排気通路に三元触媒が介設されていて、(iii)高速・高負荷域では(高速・高負荷時)、上記接続位置下流かつ三元触媒上流における排気通路内空燃比が、理論空燃比(ないし、ほぼ理論空燃比)となるように制御される一方、(iv)燃焼室内空燃比が、吸気通路からバイパス通路を介して排気通路に供給される過給エアの流量を調整弁で制御することにより、理論空燃比(A/F=14.7、空気過剰率λ=1)よりもリッチ側において燃焼ガス温度が低くなりかつタービン下流の排気通路内における未燃焼成分の酸化(酸化反応)が抑制される空燃比となるように制御されることを特徴とするものである。
【0009】
このターボ過給機付エンジンおいては、高速・高負荷域では、燃焼室内空燃比が、燃焼ガス温度が低くなるリッチな空燃比とされるので、その出力ないしトルクを高めつつノッキングの発生を有効に防止することができ、その信頼性を高めることができる。また、三元触媒上流における排気通路内空燃比が理論空燃比とされ、かつ該排気通路内では未燃焼成分の酸化が抑制されるので、排気ガスの状態は、普通のターボ過給機付エンジンにおいて空燃比が理論空燃比に設定された場合と同様になる。このため、三元触媒の浄化能力を十分ないし最大限に発揮させることができ、エミッション性能を高めることができる。
【0010】
上記ターボ過給機付エンジンにおいては、上記高速・高負荷域における燃焼室内空燃比を、出力ないしトルクが最大となる空燃比(パワー空燃比:A/F=12〜13)よりもリッチ側(A/Fが11以下、例えばA/F=10.5〜11)に設定するのが好ましい。このようにすれば、燃焼ガス温度を十分に低下させることができ、ノッキングの発生をより有効に抑制することができる。
【0011】
上記ターボ過給機付エンジンにおいて、上記高速・高負荷域より低速側又は低負荷側では、元来ノッキングが発生しにくいので、出力ないしトルクを十分に高めるために、燃焼室内空燃比を理論空燃比に設定するのが好ましい。
【0012】
上記ターボ過給機付エンジンにおいて、バイパス通路と吸気通路との接続位置より上流の吸気通路にエアフローセンサが設けられている場合、上記高速・高負荷域では、エアフローセンサにより検出された吸気量に対する空燃比が理論空燃比となるように燃料を供給するのが好ましい。これにより、排気通路内空燃比を容易に理論空燃比に一致させることができる。なお、エアーフローセンサ及び燃料供給システムは、通常、エンジンに備わっているものであるので、既存の燃料制御をそのまま用いることができ、制御システムが簡素化される。
【0013】
上記ターボ過給機付エンジンにおいて、タービンをバイパスしてタービン上流の排気通路とタービン下流の排気通路とを接続するウェストゲート通路と、該ウェストゲート通路を開閉するウェストゲートバルブとが設けられている場合、低負荷域(ないしは、中低速・低負荷域)では、ウェストゲートバルブを開くとともに、排気通路内の排気ガスの一部を(EGRガスとして)バイパス通路を介して吸気通路に還流させるのが好ましい。この場合、EGRガスによって低負荷時の強い吸気負圧ないし通気抵抗が低減され(吸気圧が高くなる)、ポンピング損失が低減され、燃費性能が高められる。
【0014】
なお、上記ターボ過給機付エンジンにおいては、ターボ過給機が、ウェストゲートバルブが開かれるエンジン回転数(インタセプト点)が定格エンジン回転数(例えば、6000r.p.m.)の1/3以内(例えば、2000r.p.m.)である小型ターボ過給機である場合、上記作用・効果がとくに顕著となる。
【0015】
本発明の第2の態様にかかるターボ過給機付エンジンは、(i)タービン下流の排気通路とブロア下流の吸気通路とを接続するバイパス通路と、バイパス通路を流れるガスの流量を制御する調整弁とが配設されたターボ過給機付エンジンにおいて、(ii)バイパス通路と吸気通路との接続位置より上流の吸気通路にエアフローセンサが設けられていて、(iii)過給圧(バイパス通路と吸気通路との接続位置付近における吸気通路内の圧力)が排気圧(バイパス通路と排気通路との接続位置付近における排気通路内の圧力)より高い条件下では、エアフローセンサ出力と予め設定された目標排気通路内空燃比とに基づいて燃料供給量が設定されるとともに、調整弁を制御することにより燃焼室内空燃比が制御されることを特徴とするものである。
【0016】
このターボ過給機付エンジンによれば、排気通路内空燃比を一定に保持しつつ(例えば、理論空燃比)、燃焼室内空燃比を排気通路内空燃比よりリッチにすることができる。したがって、例えば高速・高負荷域で燃焼室内空燃比をリッチにして燃焼ガス温度を低下させ、出力ないしトルクを高めつつノッキングの発生を抑制するなどといった制御を行うことができる。
【0017】
上記ターボ過給機付エンジンにおいては、目標排気通路内空燃比を理論空燃比に設定するのが好ましい。このようにすれば、排気ガス浄化触媒として三元触媒を用いた場合に、該三元触媒の浄化性能を十分に発揮させることができ、エミッション性能を高めることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
図1に示すように、本発明にかかるターボ過給機付エンジンE(以下、「エンジンE」という。)は、第1〜第4気筒#1〜#4を備えた直列4気筒エンジンである。各気筒#1〜#4においては、それぞれ、吸気弁(図示せず)が開かれたときに、第1、第2吸気ポート1a、1bを経由して、第1、第2分岐吸気通路2a、2bから燃焼室3内に燃料燃焼用のエアが吸入される。そして、燃焼室3内のエア中に、所定のタイミングで燃料噴射弁4から燃料(ガソリン)が直接噴射され、混合気が形成される。
【0019】
この混合気は、ピストン(図示せず)によって圧縮され、所定のタイミングで点火プラグ(図示せず)により点火されて燃焼する。燃焼ガスすなわち排気ガスは、排気弁(図示せず)が開かれたときに、第1、第2排気ポート5a、5bを経由して、第1、第2分岐排気通路6a、6bに排出される。
【0020】
各気筒#1〜#4にエアを供給するために吸気通路7(共通吸気通路)が設けられ、この吸気通路7には、エアの流れ方向にみて、上流側から順に、エア中のダスト等を除去するエアクリーナ8と、エアの流量を検出するエアフローセンサ9と、ターボ過給機10のブロア10aと、ブロア10aにより加圧されて高温となったエアを冷却するインタクーラ11と、エアを絞るスロットルバルブ12とが設けられている。吸気通路7の下流端はエアの流れを安定させるサージタンク13に接続され、このサージタンク13には、各気筒#1〜#4の第1、第2分岐吸気通路2a、2bの上流端が接続されている。
【0021】
各気筒#1〜#4の第1、第2分岐排気通路6a、6bの下流端は1つの排気通路14(共通排気通路)に接続されている。この排気通路14には、排気ガスの流れ方向にみて上流側から順に、ターボ過給機10のタービン10bと、三元触媒を用いた触媒コンバータ15とが設けられている。また、タービン10bをバイパスしてタービン上流の排気通路14とタービン下流の排気通路14とを接続するウェストゲート通路16と、このウェストゲート通路16を開閉するウェストゲートバルブ17とが設けられている。
【0022】
このエンジンEにおいては、基本的には、排気ガス流量が多いとき、例えば高速・高負荷時には、排気圧、すなわち位置Pにおける排気通路内圧力の過上昇を防止するために、ウェストゲートバルブ17が開かれ、排気ガスの一部がタービン10bをバイパスして、ウェストゲート通路16を経由して排出される。なお、ターボ過給機10は、、中低速でのトルク向上効果が高い、インタセプト点(ウェストゲートバルブ17が開かれるエンジン回転数)が定格エンジン回転数(例えば、6000r.p.m.)の1/3以内である小型ターボ過給機である。
【0023】
また、エンジンEには、タービン10bの下流の排気通路14とスロットルバルブ12の下流の吸気通路7とを接続するバイパス通路18が設けられている。
なお、バイパス通路18は触媒コンバータ15より上流で排気通路14に接続されている。そして、バイパス通路18には、該バイパス通路18内を流れる排気ガス(EGRガス)を冷却するガスクーラ19と、該バイパス通路18内を流れるエア又は排気ガスの流量を制御する調整弁20とが介設されている。
【0024】
このエンジンEにおいては、スロットルバルブ12の下流の位置Pにおける吸気通路内圧力Pbがタービン10bの下流の位置Pにおける排気通路内圧力Expより高いときには、該圧力差と調整弁20の開度とに応じて、吸気通路7内のエア(新気)の一部がバイパス通路18を経由して排気通路14内に流入する。
【0025】
また、排気通路内圧力Expが吸気通路内圧力Pbより高いときには、該圧力差と調整弁20の開度とに応じて、排気通路14内の排気ガスの一部がEGRガスとしてバイパス通路18を経由して吸気通路7内に流入する。この場合、ガスクーラ19及び調整弁20を備えたバイパス通路18(以下、「バイパス通路系」という。)は、普通のエンジンにおけるEGR装置と同様に機能する。
【0026】
このバイパス通路系は、吸気通路内圧力Pbが排気通路内圧力Expより高いときには、エンジンE全体としての空燃比、すなわち触媒コンバータ15の直上流(バイパス通路18と排気通路14との接続位置より下流)における排気通路内空燃比(以下、単に「排気通路内空燃比」という。)を一定に維持しつつ、調整弁20を制御して(その開度を変化させる)バイパス通路18を流れるガスの流量を制御することにより、燃焼室内空燃比を制御する(変化させる)ことができる。つまり、エンジンEでは、燃焼室内空燃比と、排気通路内空燃比すなわちエンジンE全体としての空燃比は個別的に制御される。なお、従来のこの種のエンジンでは、一般に、燃焼室内空燃比と排気通路内空燃比とは一致する。
【0027】
以下、このエンジンEにおける空燃比、過給及びバイパス通路径の制御手法を具体的に説明する。
(高速・高負荷時)
高速・高負荷時、すなわち図2に示す、エンジン回転数とエンジン負荷(エンジン出力)とをパラメータとする運転領域において、高速・高負荷域である領域IIでは、排気通路内空燃比すなわちエンジンE全体としての空燃比は、理論空燃比(A/F=14.7)に設定される。具体的には、エアフローセンサ9により検出されたエア流量(吸気量)に対する空燃比が理論空燃比となるように、各気筒#1〜#4の燃料噴射弁4から燃料が噴射される。
【0028】
他方、燃焼室内空燃比は、パワー空燃比(A/F=12〜13)よりリッチな空燃比(A/F=10.5〜11)に設定される。高速・高負荷時においては、吸気通路内圧力Pbは排気通路内圧力Expより高いので、調整弁20が開かれると、吸気通路7内の過給エアの一部が、バイパス通路18を介して排気通路14に供給される。そこで、燃焼室内空燃比が上記のリッチな空燃比(A/F=10.5〜11)となるように、調整弁19により過給エアの流量が制御される。
このリッチな空燃比では、燃焼ガス温度が低くなり、かつ触媒コンバータ15の直上流(バイパス通路18と排気通路14との接続位置より下流)における排気通路14内の未燃焼成分の酸化が抑制される。
なお、上記高速・高負荷域より低速側又は低負荷側である領域Iでは、元来ノッキングが発生しにくいので、出力ないしトルクを十分に高めるために、燃焼室内空燃比が理論空燃比に設定される。
【0029】
かくして、高速・高負荷域(領域II)では、燃焼室内空燃比が、燃焼ガス温度が十分に低くなるようなリッチな空燃比とされるので、出力ないしトルクを高めつつノッキングの発生を有効に防止することができ、その信頼性を高めることができる。また、触媒コンバータ15の直上流における排気通路内空燃比が理論空燃比とされ、かつタービン下流の排気通路14内では未燃焼成分の酸化が抑制されるので、排気ガスの状態は、普通のターボ過給機付エンジンにおいて空燃比が理論空燃比に設定された場合と同様になる。このため、触媒コンバータ15内の三元触媒の浄化能力(とくにNOxに対する浄化能力)を十分ないし最大限に発揮させることができ、エミッション性能を高めることができる。
【0030】
図3は、エンジン回転数が5000r.p.m.であるとき(高速時)の、平均有効圧力Peと、過給圧と、空燃比との関係を示している。図3に示すように、この場合は、空燃比がリッチになればなるほど、平均有効圧力Peは上昇してゆく。したがって、このエンジンEでは、高速・高負荷時には、燃焼室内空燃比を前記のリッチな空燃比としているので、その出力ないしトルクを高めることができる。これは、空燃比をリッチにすることによりノッキングの発生を抑制することができるからであると推察される。
【0031】
なお、図4は、エンジン回転数が3000r.p.m.であるとき(中速時)の、平均有効圧力Peと、過給圧と、空燃比との関係を示している。図4に示すように、この場合は、空燃比が理論空燃比よりもリッチになっても、平均有効圧力Peは上昇せず、飽和している。したがって、この場合は、燃焼室内空燃比を理論空燃比ないしパワー空燃比よりリッチにしても、その出力ないしトルクを高めることはできない。
【0032】
(中低速・低負荷時)
中低速・低負荷時(ないし軽負荷時)、すなわち図2に示す運転領域において、領域I中の破線で囲まれた運転領域では、ウェストゲートバルブ17が開かれる。このとき、排気通路内圧力Expは吸気通路内圧力Pbより高いので、調整弁20が開かれると、排気通路14からバイパス通路18を介して吸気通路7に排気ガスの一部がEGRガスとして供給される。なお、ウェストゲートバルブ17を開くのは、排気ガスに対する流動抵抗を低減して排気通路内圧力Expと吸気通路内圧力Pbとの差を十分に大きし、EGRガスを十分に供給できるようにするためである。
【0033】
他方、この状態では、元来ノッキングが発生しにくいので、燃焼室内空燃比が理論空燃比に設定される。
かくして、中低速・低負荷時には、出力ないしトルクを確保しつつ、EGRガスによって強い吸気負圧(通気抵抗)が低減され(吸気圧が高くなる)、ポンピング損失が低減され、燃費性能が高められる。
【0034】
(その他の運転状態)
前記の高速・高負荷時及び中低速・低負荷時以外の運転状態(以下、「中負荷時等」という。)、すなわち図2に示す運転領域において、領域I中の破線で囲まれていない領域では、ウェストゲートバルブ17が開かれるとともに、調整弁20が閉じられ、バイパス通路18は閉止状態となる。なお、出力調整はスロットルバルブ12により行われる。
【0035】
中負荷時等においては、タービン上流の排気通路14内の排気圧力が上昇するとともに、エンジン内(燃焼室3内)の残留既燃ガス量(内部EGR)が増加するので、ウェストゲートバルブ17を閉じると、燃費性能が悪化する。そこで、ウェストゲートバルブ17を開くようにしている。また、中負荷時等においては、スロットルバルブ12の開度が大きくなるので、排気通路内圧力Expと吸気通路内圧力Pbとの差が小さくなり、十分な量のEGR量をガスを確保することができない。そこで、調整弁20を閉じるようにしている。かくして、中負荷時等においては、適量の内部EGRが確保されるとともに、排気圧力が低減され、燃費性能が高められる。
【0036】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、出力ないしトルクを高めつつ、高速・高負荷時等におけるノッキングの発生を防止することができ、さらにはエミッション性能を高めることができるターボ過給機付エンジンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に形態にかかるターボ過給機付エンジンのシステム構成図である。
【図2】エンジン回転数とエンジン負荷とをパラメータとする運転領域を示す図であり、燃焼室内空燃比の設定手法を示している。
【図3】エンジン回転数が5000r.p.m.であるときの、平均有効圧力Peと、過給圧と、空燃比との関係を示すグラフである。
【図4】エンジン回転数が3000r.p.m.であるときの、平均有効圧力Peと、過給圧と、空燃比との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
E…ターボ過給機付エンジン、1a…第1吸気ポート、1b…第2吸気ポート、2a…第1分岐吸気通路、2b…第2分岐吸気通路、3…燃焼室、4…燃料噴射弁、5a…第1排気ポート、5b…第2排気ポート、6a…第1分岐排気通路、6b…第2分岐排気通路、7…吸気通路、8…エアクリーナ、9…エアフローセンサ、10…ターボ過給機、10a…ブロア、10b…タービン、11…インタクーラ、12…スロットルバルブ、13…サージタンク、14…排気通路、15…触媒コンバータ(三元触媒)、16…ウェストゲート通路、17…ウェストゲートバルブ、18…バイパス通路、19…ガスクーラ、20…調整弁。

Claims (8)

  1. タービン下流の排気通路とブロア下流の吸気通路とを接続するバイパス通路と、バイパス通路を流れるガスの流量を制御する調整弁とが配設されたターボ過給機付エンジンにおいて、
    バイパス通路と排気通路との接続位置より下流の排気通路に三元触媒が介設されていて、
    高速・高負荷域では、上記接続位置下流かつ三元触媒上流における排気通路内空燃比が、理論空燃比となるように制御される一方、
    燃焼室内空燃比が、吸気通路からバイパス通路を介して排気通路に供給される過給エアの流量を調整弁で制御することにより、理論空燃比よりもリッチ側において燃焼ガス温度が低くなりかつタービン下流の排気通路内における未燃焼成分の酸化が抑制される空燃比となるように制御されることを特徴とするターボ過給機付エンジン。
  2. 上記高速・高負荷域における燃焼室内空燃比が、出力が最大となる空燃比よりもリッチ側に設定されることを特徴とする請求項1に記載のターボ過給機付エンジン。
  3. 上記高速・高負荷域より低速側又は低負荷側では、燃焼室内空燃比が理論空燃比に設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載のターボ過給機付エンジン。
  4. バイパス通路と吸気通路との接続位置より上流の吸気通路にエアフローセンサが設けられていて、
    上記高速・高負荷域では、エアフローセンサにより検出された吸気量に対する空燃比が理論空燃比となるように燃料が供給されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のターボ過給機付エンジン。
  5. タービンをバイパスしてタービン上流の排気通路とタービン下流の排気通路とを接続するウェストゲート通路と、該ウェストゲート通路を開閉するウェストゲートバルブとが設けられていて、
    低負荷域では、ウェストゲートバルブが開かれるとともに、排気通路内の排気ガスの一部がバイパス通路を介して吸気通路に還流させられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のターボ過給機付エンジン。
  6. ターボ過給機が、ウェストゲートバルブが開かれるエンジン回転数が定格エンジン回転数の1/3以内である小型ターボ過給機であることを特徴とする請求項5に記載のターボ過給機付エンジン。
  7. タービン下流の排気通路とブロア下流の吸気通路とを接続するバイパス通路と、バイパス通路を流れるガスの流量を制御する調整弁とが配設されたターボ過給機付エンジンにおいて、
    バイパス通路と吸気通路との接続位置より上流の吸気通路にエアフローセンサが設けられていて、
    過給圧が排気圧より高い条件下では、エアフローセンサ出力と予め設定された目標排気通路内空燃比とに基づいて燃料供給量が設定されるとともに、調整弁を制御することにより燃焼室内空燃比が制御されることを特徴とするターボ過給機付エンジン。
  8. 上記目標排気通路内空燃比が理論空燃比であることを特徴とする請求項7に記載のターボ過給機付エンジン。
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