JP2013148067A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、内燃機関の制御装置に関し不必要な対処の実行を回避しつつ、加速過渡時にスモークの排出を適切に抑制することを目的とする。
【解決手段】ターボ過給機18と、HPL通路40と、HPL−EGR弁42と、LPL通路44と、LPL−EGR弁48とを備える。低負荷領域からの加速過渡時に、HPL通路40を介するHPL−EGRガス量が減り、かつLPL通路44を介するLPL−EGRガス量が増えるようにEGRガス量を制御する設定を有する。上記加速過渡時に、燃焼時に筒内で生成されるすすの生成量が、同一燃焼サイクルにおけるすすの酸化量よりも多い状況である場合に、吸気温度に応じた補正率で目標EGR率を低く補正する。
【選択図】図3

Description

この発明は、内燃機関の制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、ターボ過給機付きディーゼルエンジンの制御装置が開示されている。この従来のディーゼルエンジンは、タービンよりも上流側の排気通路とコンプレッサよりも下流側の吸気通路とを接続する高圧排気ガス還流通路(HPL通路)と、タービンよりも下流側の排気通路とコンプレッサよりも上流側の吸気通路とを接続する低圧排気ガス還流通路(LPL通路)とを備えている。そして、上記制御装置では、低負荷領域からの加速過渡時に、HPL通路を介するEGRガス量に対するLPL通路を介するEGRガス量の比率を増やすようにしている。
上記のように加速過渡時にLPL通路を介するEGRガス量の比率が増やされる状況下においては、移行後の運転状態に対応する目標吸気温度と比較して、実際の吸気温度が過渡的に高くなる。上記特許文献1に記載の制御装置では、このような場合に、スモークやNOxの排出量が増加するのを防止するために、移行後の運転状態に対応する基本燃料噴射時期に対して、燃料噴射時期を遅角させるようにしている。
特開2009−2184号公報 特開2007−46477号公報
加速過渡時にLPL通路を介するEGRガス量の比率が増やされる状況下において、上述したように吸気温度が過渡的に高くなることはスモーク排出量の増加要因となる。一方、LPL通路を介して吸気通路に導入されたEGRガスが筒内に吸入されるまでに通過する吸気通路の経路は、LPL通路よりも下流側において吸気通路に接続されるHPLからのEGRガスの経路と比べて長い。このため、上記のような状況下においては、経路の長いLPL通路からのEGRガスの導入遅れにより、筒内の空燃比が過渡的に大きくなる(リーンとなる)。このことは、吸気温度の過渡的な上昇とは逆に、スモーク排出量の減少要因となる。従って、上記状況下において一律に燃料噴射時期の遅角化を行うこととすると、場合によっては不必要な燃料噴射時期の遅角化の実行によって、燃焼不良等の不具合を招くことになり得る。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、不必要な対処の実行を回避しつつ、加速過渡時にスモークの排出を適切に抑制することのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、内燃機関の制御装置であって、
排気通路に配置されるタービンと、吸気通路に配置されるコンプレッサとを備えるターボ過給機と、
前記タービンよりも上流側の前記排気通路と前記コンプレッサよりも下流側の前記吸気通路とを接続する高圧排気ガス還流通路を介して、排気ガスの一部を内燃機関に再循環させる高圧排気再循環実行手段と、
前記タービンよりも下流側の前記排気通路と前記コンプレッサよりも上流側の前記吸気通路とを接続する低圧排気ガス還流通路を介して、排気ガスの一部を前記内燃機関に再循環させる低圧排気再循環実行手段と、
低負荷領域からの加速過渡時に、前記高圧排気ガス還流通路を介するEGRガス量が減り、かつ前記低圧排気ガス還流通路を介するEGRガス量が増えるようにEGRガス量を制御するEGR制御手段と、
前記加速過渡時に、燃焼時に筒内で生成されるすすの生成量が、同一燃焼サイクルにおけるすすの酸化量よりも多い状況である場合に、吸気温度に応じた補正率で目標EGR率を低く補正するEGR補正手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記EGR補正手段は、所定のクライテリアに対する超過分に相当するスモーク排出量が減少するように前記目標EGR率を低く補正する手段であることを特徴とする。
第1の発明によれば、上記加速過渡時においてすすの生成量がすすの酸化量よりも多い状況である場合に限って、吸気温度に応じた補正率で目標EGR率を低くする補正が実行される。その結果、筒内に導入されるEGRガスが減量されることで、筒内の酸素濃度が上昇し、すすの酸化力が高められる。このように、上記の状況下に限ってスモーク排出抑制のための対処として上記のEGR補正を行うこととしているので、不必要な対処の実行を回避しつつ、加速過渡時にスモークの排出を適切に抑制することが可能となる。また、吸気温度に応じた補正率で目標EGR率を補正するようにしたことにより、加速過渡時における過渡的な吸気温度の上昇の程度に応じたEGRガス量の適切な補正が行えるようになる。
第2の発明によれば、NOx排出量の増加をできるだけ抑制しつつ、スモーク排出量を所定のクライテリア以下に抑制することができる。
本発明の実施の形態1の内燃機関のシステム構成を説明するための図である。 低負荷領域からの加速過渡時における、内燃機関の各状態量や排気エミッションの挙動を表したタイムチャートである。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 Smoke要求(制約)を満足する目標EGR率補正係数の算出手法を説明するために用いる図である。 本発明の実施の形態1において用いられる目標EGR率(egrtrg)の補正係数と吸気温度TBとの設定を表した図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の内燃機関10のシステム構成を説明するための図である。図1に示すシステムは、内燃機関10を備えている。ここでは、内燃機関10は、4サイクルのディーゼル機関(圧縮着火内燃機関)10であり、車両に搭載され、その動力源とされているものとする。本実施形態の内燃機関10は、直列4気筒型であるが、本発明における内燃機関の気筒数および気筒配置はこれに限定されるものではない。
内燃機関10の各気筒には、燃料を筒内に直接噴射するインジェクタ12が設置されている。各気筒のインジェクタ12は、共通のコモンレール14に接続されている。コモンレール14内には、サプライポンプ(図示省略)によって加圧された高圧の燃料が供給されている。そして、このコモンレール14から各気筒のインジェクタ12へ燃料が供給される。各気筒から排出される排気ガスは、排気マニホールド16aによって集合され、排気通路16に流入する。
内燃機関10は、ターボ過給機18を備えている。ターボ過給機18は、排気ガスの排気エネルギによって作動するタービン18aと、連結軸を介してタービン18aと一体的に連結され、タービン18aに入力される排気ガスの排気エネルギによって回転駆動されるコンプレッサ18bとを有している。ターボ過給機18のタービン18aは、排気通路16の途中に配置されている。タービン18aよりも下流側の排気通路16には、排気ガスを浄化するために、酸化触媒20およびDPF(Diesel Particulate Filter)22が上流側から順に設置されている。
内燃機関10の吸気通路24の入口付近には、エアクリーナ26が設けられている。エアクリーナ26を通って吸入された空気は、ターボ過給機18のコンプレッサ18bで圧縮された後、インタークーラ28で冷却される。インタークーラ28を通過した吸入空気は、吸気マニホールド24aにより分配されて、各気筒に流入する。吸気通路24におけるインタークーラ28と吸気マニホールド24aとの間には、吸気絞り弁30が設置されている。
吸気通路24におけるエアクリーナ26の下流近傍には、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ32が設置されている。また、吸気マニホールド24aには、各気筒に吸入される吸気の温度を検出するための吸気温度センサ34と、吸気マニホールド圧力(過給圧)を検出するための吸気圧力センサ36と、吸気中のO濃度を検出するための吸気O濃度センサ38とがそれぞれ設置されている。
また、図1に示すシステムは、高圧排気ガス還流通路(HPL:High Pressure Loop)40を備えている。HPL通路40は、タービン18aの上流側に位置する排気マニホールド16aとコンプレッサ18bの下流側に位置する吸気マニホールド24aとを連通するように構成されている。このHPL通路40の途中には、HPL通路40を通って吸気マニホールド24aに還流する再循環排気ガス(EGRガス)の量を調整するためのHPL−EGR弁42が配置されている。
更に、図1に示すシステムは、低圧排気ガス還流通路(LPL:Low Pressure Loop)44を備えている。LPL通路44は、タービン18aよりも下流側かつDPF22よりも下流側の排気通路16とコンプレッサ18bよりも上流側の吸気通路24とを連通するように構成されている。このLPL通路44の途中には、EGRガスの流れの上流側から順に、LPL通路44を流れるEGRガスを冷却するためのEGRクーラ46、および、LPL通路44を通って吸気通路24に還流するEGRガス量を調整するためのLPL−EGR弁48が設けられている。また、DPF22の下流には、排気ガスの空燃比を検出するためのA/Fセンサ50が設置されている。
更に、本実施形態のシステムは、ECU(Electronic Control Unit)60を備えている。ECU60の入力部には、上述したエアフローメータ32、吸気温度センサ34、吸気圧力センサ36、吸気O濃度センサ38およびA/Fセンサ50に加え、エンジン回転数を検出するためのクランク角センサ62、および、筒内圧力を検出するための筒内圧センサ64等の内燃機関10の運転状態を検出するための各種センサが接続されている。また、ECU60には、内燃機関10を搭載する車両のアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するためのアクセル開度センサ66が接続されている。更に、ECU60の出力部には、上述したインジェクタ12、吸気絞り弁30、HPL−EGR弁42およびLPL−EGR弁48等の内燃機関10の運転を制御するための各種のアクチュエータが接続されている。ECU60は、それらのセンサ出力に基づいて、所定のプログラムに従って上記各種のアクチュエータを駆動することにより、内燃機関10の運転状態を制御するものである。
図2は、低負荷領域からの加速過渡時における、内燃機関10の各状態量や排気エミッションの挙動を表したタイムチャートである。
前提として、内燃機関10では、低回転低負荷側の所定のHPL運転領域において、HPL通路40を利用したEGRが行われる。一方、高回転高負荷側の所定のLPL運転領域においては、LPL通路44を利用したEGRが行われる。そして、HPL運転領域とLPL運転領域との間に位置する所定の中回転中負荷領域は、上記2つのEGRが併用されるMPL(Mixed Pressure Loop)運転領域である。従って、低負荷領域からの加速過渡時においてEGRモードが変化する態様としては、HPL運転領域からMPL運転領域に移行するケース、HPL運転領域からLPL運転領域に移行するケース、および、MPL運転領域からLPL運転領域に移行するケースが想定される。加速過渡時には、上記の何れのケースであっても、HPL通路40を介するEGRガス量が減らされ、LPL通路44を介するEGRガス量が増やされることになる。
図2に示す加速過渡時の例は、図2(B)に示すように、HPL運転領域からLPL運転領域に移行するケースに該当する。運転者のアクセルペダルの操作に基づく要求トルクを実現するために、図2(A)に示すように燃料噴射量が増やされる。これにより、トルクの増加に伴ってエンジン回転数が徐々に増加していくとともに、タービン18aに供給される排気エネルギの増大によって図2(C)に示すように過給圧が上昇していく。
図2(D)に示すように、HPL通路40を利用したEGRガス(以下、「HPL−EGRガス」と略することがある)の量が減らされ、LPL通路44を利用したEGRガス(以下、「LPL−EGRガス」と略することがある)の量が増やされる加速過渡時においては、移行後の運転状態が定常的に得られる際の吸気温度(移行後の運転状態に対応する目標吸気温度)と比較して、実際の吸気温度が過渡的に高くなる。その理由は、LPL−EGRガスに対して相対的に高温のHPL−EGRガスが、LPL−EGRガスに置き換わるまでに時間を要するためである。
また、LPL通路44を介して吸気通路24に導入されたLPL−EGRガスが筒内に吸入されるまでに通過する吸気通路24の経路は、LPL通路44よりも下流側において吸気通路24に接続されるHPL40からのHPL−EGRガスの経路と比べて長い。このため、加速過渡時にLPL通路44から吸気通路24へのLPL−EGRガスの導入が開始される時点において吸気通路24におけるLPL通路44の接続口からHPL通路40の接続口までの部位に存在する新気が筒内に吸入し終えるまでの期間は、図2(E)に示すように、吸気O濃度が過渡的に高くなる。すなわち、この期間中は、筒内に吸入されるガスの空燃比が過渡的に大きくなる(リーンになる)。そして、このようなLPL−EGRガスの導入遅れに起因する空燃比の増大に伴って、図2(F)に示すように、吸気マニホールド24a内のガス中のCO濃度が過渡的に減少する。また、インタークーラ(I/C)28(HPL通路40の接続口よりは上流であってLPL44の接続口よりは下流の部位)を通過するガス中のCO濃度は、図2(G)に示すように、LPL−EGRガスの導入(還流)遅れが解消した後に上昇し始めることになる。
上述した吸気温度の過渡的な上昇によって、筒内温度が、想定された状態(移行後の運転状態を定常的に得られる状態)よりも高くなる。このため、上記態様の加速過渡時には、図2(H)に示すように、NOx排出量が過渡的に増加する。また、このように吸気温度が過渡的に高くなることは、図2(I)に一例として表されているように、スモーク排出量の過渡的な増加の要因となる。その一方で、上述したLPL−EGRの導入遅れに起因して筒内に吸入されるガスの空燃比が大きくなることは、上記とは逆に、スモーク排出量を減少させる要因となる。
従って、加速過渡時における過渡的なスモーク排出量の増大を抑制するうえでは、吸気温度の過渡的な上昇のみに着目した対策を講じることは適切とはいえない。すなわち、スモーク排出量の変化に対して相反する傾向を有する吸気温度および空燃比の過渡的な変化の双方を考慮した対策が講じられることが望ましいといえる。
そこで、本実施形態では、HPL−EGRガス量が減らされ、LPL−EGRガス量が増やされる加速過渡時において、実吸気温度が目標吸気温度よりも高い場合には、燃焼時に筒内で生成されるすす(soot)の生成量が、同一燃焼サイクルにおけるすすの酸化量よりも多い状況であるか否かを判定するようにした。そして、本判定が成立する場合には、吸気温度に応じた補正率で、筒内からのスモーク排出量が減少するように目標EGR率を補正するようにした。
図3は、本発明の実施の形態1において加速過渡時に実行される特徴的なEGR制御を実現するために、ECU60が実行する制御ルーチンを示すフローチャートである。尚、本ルーチンは、所定の制御周期毎に繰り返し実行されるものとする。
図3に示すルーチンでは、先ず、HPL−EGRガス量が減らされ、LPL−EGRガス量が増やされる加速過渡時であるか否かが判定される(ステップ100)。具体的には、アクセル開度センサ66を利用して加速要求の有無および内燃機関10に要求されるトルク(エンジン負荷)を算出することができる。本ステップ100では、エアフローメータ32およびクランク角センサ62を用いて算出される内燃機関10の運転状態(より具体的には、エンジン負荷およびエンジン回転数)に基づいて、上記加速過渡時であるか否かが判定される。
上記ステップ100において加速過渡時であると判定された場合には、実吸気温度が目標吸気温度よりも高いか否かが判定される(ステップ102)。目標吸気温度は、内燃機関10の運転状態(エンジン負荷とエンジン回転数)に応じた値として予め設定され、マップとしてECU60に記憶されている。本ステップ102では、今回の加速過渡時における移行後の運転状態に対応する目標吸気温度が上記マップから取得されたうえで、吸気温度センサ34に利用して検出される実吸気温度と比較される。
上記ステップ102において実吸気温度が目標吸気温度よりも高い状況にあると判定された場合には、今回の燃焼サイクルにおける筒内のすすの生成量(soot生成量)が、同一燃焼サイクルにおけるすすの酸化量(soot酸化量)よりも多い状況下であるか否かが判定される(ステップ104)。本ステップ104の判定は、例えば、次のような手法を用いて行うことができる。国際出願の国際公開公報(WO2009/139507)には、すすの排出量の推定手法が開示されている。本公報に記載の推定手法は、ここでは詳細な説明は省略するが、過渡時におけるすすの生成に係わる補正項(ここでは、「生成能補正係数」と称する)および、過渡時におけるすすの酸化に係わる補正項(ここでは、「酸化能補正係数」と称する)を備えることによって、過渡時におけるすすの排出量を算出可能とするものである。本ステップ104では、上記公報に記載の手法を流用して、上記生成能補正係数が上記酸化能補正係数よりも大きいか否かを判断することによって、soot生成量がsoot酸化量よりも多い状況の成立の有無が判定される。
上記ステップ104における判定が成立する場合には、スモーク(Smoke)排出量を所定の基準値(クライテリア)以下に抑制するSmoke要求(制約)を満足する目標EGR率の補正係数が算出される(ステップ106)。図4は、Smoke要求(制約)を満足する目標EGR率補正係数の算出手法を説明するために用いる図である。より具体的には、図4(A)は、(HPLおよびLPLの合計の)EGR率が一定となる条件下におけるスモーク排出量と吸気温度TBとの関係を表した図であり、図4(B)は、スモーク排出量とEGR率との関係を表した図である。
図4(A)に示すように、スモーク排出量は、目標吸気温度の基準値TB_baseに対して吸気温度TBが高くなるにつれて(全体としてのEGR率は一定である場合においてLPL−EGRガス量に対するHPL−EGRガス量の比率が高くなるにつれて)高くなる。図4(A)中の吸気温度T’は、スモーク排出量が所定のクライテリアを超えて排出超過(NG)となった際の値である。このような状況下においてLPL−EGRガスに対して高温のHPL−EGRガスの減量によって筒内のEGR率を減少させることとすると、吸気温度TBの低減に伴う筒内温度の低減と、筒内の酸素濃度の上昇によるすすの酸化力の向上とによって、図4(A)に示すように、スモーク排出量を減少させることができる。
そこで、スモーク要求(制約)のクライテリアを超える超過分のスモーク排出量を減少させるためのEGR率の減少率αを、図4(B)に示すように、egr’’/egr’と定義する。egr’は、上記クライテリアを超過する量のスモークが排出される時(NG)のEGR率であり、egr’’は、同一条件下において上記クライテリアを満足する時(OK)のEGR率である。
図5は、本発明の実施の形態1において用いられる目標EGR率(egrtrg)の補正係数と吸気温度TBとの設定を表した図である。
ここでいう目標EGR率補正係数は、ベースとなる目標EGR率(運転状態に応じた値)に対して掛け合わされる値である。図4(B)に示すEGR率の減少率αを、目標EGR率補正係数と吸気温度との関係に対して適合させると、図5のように表すことができる。このように、目標EGR率補正係数が1である時(補正なしの時)の値と比べて吸気温度TBが高くなるにつれ、スモーク排出超過を解消するためにはEGR率をより大きく減少させることが必要となる(減少率αとしては、より低くすることが必要となる)。
図5に示す設定によれば、スモーク排出超過を解消するために必要な目標EGR率の補正係数を、吸気温度TBを用いて簡便に設定することができる。ECU60は、図5に示すような傾向で吸気温度TBとの関係で目標EGR率補正係数を定めたマップを記憶している。本ステップ106では、そのようなマップを参照して、現在の実吸気温度TBに対応する目標EGR率補正係数が算出される。
次に、HPL−EGR弁42およびLPL−EGR弁48の開度がそれぞれ算出される(ステップ108)。ECU60は、内燃機関10の運転状態(エンジン回転数と燃料噴射量(エンジン負荷))と目標EGR率との関係で、定常的な運転状態において当該目標EGR率が得られるようにするLPL−EGR弁48の開度を定めたマップ(図示省略)を記憶している。
本ステップ108では、このようなマップを参照して、先ず、上記ステップ106において算出された目標EGR率補正係数による補正が施された後の目標EGR率と現在の運転状態とに対応するLPL−EGR弁48の開度が算出される。すなわち、この場合の加速過渡時におけるLPL−EGR弁48の開度制御は、上記マップで決定された開度に基づくオープンループ制御とされる。
そのうえで、上記補正後の目標EGR率を満たすために、LPL−EGRガスの導入遅れのせいで不足するEGRガス量を補うべくHPL−EGR弁42が制御される。より具体的には、上記補正後の目標EGR率を満たすために必要な目標吸入空気量が算出されたうえで、エアフローメータ32を用いて検出される実吸入空気量が上記目標吸入空気量となるように、HPL−EGR弁42の開度のフィードバック制御が実行される。
以上説明した図3に示すルーチンによれば、HPL−EGRガス量が減らされ、LPL−EGRガス量が増やされる加速過渡時において、実吸気温度が目標吸気温度よりも高く、かつ、すすの生成量がすすの酸化量よりも多い状況である場合には、所定のクライテリアに対する排出超過分のスモーク排出量が減少するように、吸気温度に応じた補正率で目標EGR率を低くする補正が実行される。このような状況下において筒内に導入されるEGRガスが減量されることで、筒内の酸素濃度が上昇し、すすの酸化力が高められる。また、この場合に減少させるEGRガス量は、スモークの排出超過分に応じた量のみである。このため、NOx排出量の増加をできるだけ抑制しつつ、スモーク排出量を所定のクライテリア以下に抑制することができる。また、吸気温度に応じて目標EGR率補正係数を算出するようにしたことにより、加速過渡時における過渡的な吸気温度の上昇の程度に応じたEGRガス量の適切な補正が行えるようになる。
ところで、上述した実施の形態1においては、上記公報に記載の手法を流用して、上記生成能補正係数が上記酸化能補正係数よりも大きいか否かを判断することによって、すすの生成量がすすの酸化量よりも多い状況の成立の有無が判定されるようになっている。しかしながら、本発明において燃焼時に筒内で生成されるすすの生成量が同一燃焼サイクルにおけるすすの酸化量よりも多いか否かを判定する手法は、上述したものに限定されるものではない。すなわち、例えば、公知の手法によって筒内に充填される空気量を推定したうえで、推定された筒内充填空気量と燃料噴射量とによって算出される推定空燃比が所定値よりも小さい(リッチである)場合に、すすの生成量がすすの酸化量よりも多い状況が成立したことを予測するものであってもよい。更には、例えば、A/Fセンサ50を利用して検出される排気ガスの空燃比が所定値よりも小さい(リッチである)場合に、すすの生成量がすすの酸化量よりも多い状況が成立したことを予測するものであってもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、ECU60がHPL−EGR弁42を制御してHPL−EGRガス量を調整することにより前記第1の発明における「高圧排気再循環実行手段」が、ECU60がLPL−EGR弁48を制御してLPL−EGRガス量を調整することにより前記第1の発明における「低圧排気再循環実行手段」が、上述したHPL運転領域、MPL運転領域およびLPL運転領域の設定を有する内燃機関10においてECU60が加速過渡時にEGRモードを移行後の運転領域に応じたEGRモードに切り替える設定を有することにより前記第1の発明における「EGR制御手段」が、上記ステップ100〜104の判定が成立する場合に上記ステップ106の処理を実行することにより前記第1の発明における「EGR補正手段」が、それぞれ実現されている。
10 内燃機関
12 インジェクタ
14 コモンレール
16 排気通路
16a 排気マニホールド
18 ターボ過給機
18a タービン
18b コンプレッサ
20 酸化触媒
22 ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)
24 吸気通路
24a 吸気マニホールド
26 エアクリーナ
28 インタークーラ
30 吸気絞り弁
32 エアフローメータ
34 吸気温度センサ
36 吸気圧力センサ
38 吸気O濃度センサ
40 高圧排気ガス還流通路(HPL)通路
42 HPL−EGR弁
44 低圧排気ガス還流通路(LPL)通路
46 EGRクーラ
48 LPL−EGRR弁
50 A/Fセンサ
60 ECU(Electronic Control Unit)
62 クランク角センサ
64 筒内圧センサ
66 アクセル開度センサ

Claims (2)

  1. 排気通路に配置されるタービンと、吸気通路に配置されるコンプレッサとを備えるターボ過給機と、
    前記タービンよりも上流側の前記排気通路と前記コンプレッサよりも下流側の前記吸気通路とを接続する高圧排気ガス還流通路を介して、排気ガスの一部を内燃機関に再循環させる高圧排気再循環実行手段と、
    前記タービンよりも下流側の前記排気通路と前記コンプレッサよりも上流側の前記吸気通路とを接続する低圧排気ガス還流通路を介して、排気ガスの一部を前記内燃機関に再循環させる低圧排気再循環実行手段と、
    低負荷領域からの加速過渡時に、前記高圧排気ガス還流通路を介するEGRガス量が減り、かつ前記低圧排気ガス還流通路を介するEGRガス量が増えるようにEGRガス量を制御するEGR制御手段と、
    前記加速過渡時に、燃焼時に筒内で生成されるすすの生成量が、同一燃焼サイクルにおけるすすの酸化量よりも多い状況である場合に、吸気温度に応じた補正率で目標EGR率を低く補正するEGR補正手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記EGR補正手段は、所定のクライテリアに対する超過分に相当するスモーク排出量が減少するように前記目標EGR率を低く補正する手段であることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
JP2012011148A 2012-01-23 2012-01-23 内燃機関の制御装置 Pending JP2013148067A (ja)

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