JP6740744B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

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この発明は、エンジンの制御装置に関し、特に、排気ガス中に含まれるすすの排出量の低減と最適な燃費とを両立するエンジンの制御装置に関する。
ディーゼルエンジンでは、気筒内に直接燃料を噴射する筒内燃料噴射装置(直噴弁)を備えている。直噴弁から、高圧で燃料をシリンダ内に噴射することにより、燃料は、微細な液滴となって高温空気とともに混合気を形成する。混合気中の燃料が着火に必要な温度と濃度に達した際に火炎の核が発生し、その後、燃焼範囲が拡大していく。
一般に混合気は、燃焼室内において不均質な状態で分布しており、例えば、燃料過濃な領域では、燃焼の際に酸素不足となってすす(煤)が発生しやすい状況となる場合がある。逆に、燃料希薄な領域では、部分的に酸化した燃料が未燃のまま取り残されやすい状況となる場合がある。このため、排気通路には、ディーゼル微粒子捕集フィルタや触媒等といった種々の排気浄化装置を配置して、それらの有害物質が大気中へ排出されることを防止している。
また、コモンレール式噴射系を備えたディーゼルエンジンでは、目標となる空燃比に見合った1サイクル当たりの必要燃料量を、1サイクル中で複数回に分割して噴射する分割噴射が行なわれている。例えば、特許文献1に示すように、吸気行程での燃料噴射により均質混合燃焼を行う場合において、燃料の拡散速度が比較的低い低回転時に、吸気行程での分割噴射を行うことにより、すすの発生を抑制するようにしたものがある。
また、特許文献2では、予測された吸気量の変化に基づいて、主たる燃料噴射における燃料噴射量、及び、主たる燃料噴射の後に行われる副燃料噴射における燃料噴射量が設定され、トルク減少限界やすす増大限界に近い設定で、副燃料噴射の噴射時期が最適位置からずれることによる、トルクの減少やすすの増大を防止している。
さらに、特許文献3では、副燃料噴射が行われるときに、この副燃料噴射によるトルクの増大を減殺するように、主燃料噴射による燃料噴射量を減少補正する技術が開示されている。
特開平7−119507号公報 特開2002−303181号公報(請求項5等参照) 特開2004−3415号公報(請求項6等参照)
これらの分割噴射では、主燃料噴射、副燃料噴射のそれぞれの噴射時期や噴射量は、予め試験によって適合された値をマップで設定し、そのマップを制御に活用している。
しかし、吸気の過給圧や吸気の温度、排気の温度等、エンジンの運転条件は刻々と変化する。このため、上記特許文献1〜3の技術では、これら刻々と変化する運転条件下で、燃費やすすの排出量が常に最適な設定に維持されているとは限らないと考えられる。
そこで、この発明の課題は、刻々と変化する運転条件下において、燃費やすすの排出量を最適な状態に維持することである。
上記の課題を解決するために、この発明は、燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射装置と、前記燃料噴射装置による1燃焼サイクル中における燃料噴射を主たる燃料噴射である主燃料噴射と前記主燃料噴射の終了後に行う副燃料噴射とに分割して行うように制御する燃料噴射制御手段と、前記副燃料噴射の噴射時期に対する前記燃焼室から排出される排気中に含まれるすすの量を推定するすす排出量推定手段と、前記副燃料噴射の噴射時期に対する燃料の消費量を推定する燃料消費推定手段と、推定された前記すすの量及び推定された前記燃料の消費量に基づいて、実行する前記副燃料噴射の噴射時期である副噴射実行噴射時期及び実行する前記主燃料噴射の噴射量である主噴射実行噴射量を決定する燃料噴射情報決定手段と、を備えるエンジンの制御装置を採用した。
前記すす排出量推定手段及び前記燃料消費推定手段は、仮定した少なくとも一つの前記副燃料噴射の噴射量及び仮定した複数の前記副燃料噴射の噴射時期に対して、入力された要求トルク、前記主燃料噴射の噴射時期、前記燃料噴射装置の噴射圧、吸気及び排気の温度、吸気及び排気の圧力及び吸気酸素濃度に関する情報に基づいて、それぞれ前記すすの量及び前記燃料の消費量を推定する構成を採用することができる。
ここで、前記すす排出量推定手段及び前記燃料消費推定手段は、仮定した少なくとも一つの前記副燃料噴射の噴射量及び仮定した複数の前記副燃料噴射の噴射時期に対して、前記要求トルクと前記噴射圧に基づいて、それぞれ前記主燃料噴射において前記要求トルクの実現に必要な主噴射必要噴射量を推定し、推定した前記主噴射必要噴射量を用いて前記すすの量及び前記燃料の消費量を推定する構成を採用することができる。
これらの各態様において、前記燃料噴射情報決定手段は、推定された前記すすの量が所定値以下となる前記副燃料噴射の噴射時期の中から、推定された前記燃料の消費量が最小となる噴射時期を前記副噴射実行噴射時期として決定する構成を採用することができる。
また、これらの各態様において、前記燃焼室から排出される排気中に含まれるすすを捕捉する排気浄化装置と、前記排気浄化装置におけるすすの捕捉可能容量を推定する排気浄化機能推定手段と、を備え、前記燃料噴射情報決定手段は、推定された前記すすの量と前記排気浄化装置におけるすすの捕捉可能容量を考慮して、前記副噴射実行噴射時期を決定する構成を採用することができる。
このとき、前記燃料噴射情報決定手段は、前記排気浄化装置を通過して大気に排出されるすすの量が基準値以下となる前記副燃料噴射の噴射時期の中から、推定された前記燃料の消費量が最小となる噴射時期を前記副噴射実行噴射時期として決定する構成を採用することができる。
この発明は、副燃料噴射の噴射時期に応じて燃焼室から排出される排気中に含まれるすすの量を推定するすす排出量推定手段と、副燃料噴射の噴射時期に応じて燃料の消費量を推定する燃料消費推定手段と、推定されたすすの量及び推定された燃料の消費量に基づいて、実行する副燃料噴射の噴射時期である副噴射実行噴射時期及び実行する主燃料噴射の噴射量である主噴射実行噴射量を決定する燃料噴射情報決定手段とを備えたので、刻々と変化する運転条件下においても、燃費やすすの排出量を最適な状態に維持することができる。
この発明の一実施形態のエンジンの構成を示す模式図である。 この発明の制御を示すフローチャートである。 この発明の制御を示すフローチャートである。 (a)〜(d)は、この発明の制御を示すグラフ図である。
この発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、この発明のエンジンE及びエンジンEの制御装置の構成を示す全体図である。エンジンEは、圧縮自己着火式エンジンであるディーゼルエンジンである。
エンジンEの構成は、ピストン11を収容したシリンダの燃焼室12内に吸気を送り込む吸気通路1、燃焼室12から引き出された排気通路2、燃焼室12内に臨む燃料噴射装置(インジェクタ)13等を備えている。吸気通路1の燃焼室12への開口である吸気ポート、及び、排気通路2の燃焼室12への開口である排気ポートは、それぞれバルブによって開閉される。
吸気通路1には、吸気ポートから上流側に向かって、吸気通路1の流路面積を調節するスロットルバルブ5、吸気通路1を流れる吸気を冷却する吸気冷却装置(インタークーラ)6、ターボチャージャのコンプレッサ17、吸気通路1の流路面積を調節するスロットルバルブ15、エアクリーナを収容したケース18等が設けられる。エアクリーナケース18内には、大気温度検出装置19として管内の吸気温度を検出できる温度センサが設けられている。吸気通路1のインマニ付近には、吸気の温度や圧力を検知する吸気センサ3、吸入空気量を検知するエアフローセンサ14等を備えている。
排気通路2には、排気ポートから下流側に向かって、ターボチャージャのタービン7、排気中のすすを除去するディーゼル微粒子捕集フィルタや窒素酸化物(NOx)その他有害物を除去する触媒等を備えた排気浄化装置8、消音器(マフラ)9が設けられる。また、排気通路2におけるタービン7の上流側には、排気の温度や圧力を検知する排気センサ4、排気の成分を検知するO2センサ16等を備えている。
排気通路2のタービン7と排気ポートとの間と、吸気通路1の吸気ポートとスロットルバルブ5の間とは、高圧排気ガス再循環装置を構成する高圧排気還流通路23によって連通している。高圧排気還流通路23を介して、燃焼室12から排出される排気ガスの一部が、排気還流ガスとして吸気通路1に還流する。高圧排気還流通路23に設けられた高圧排気還流弁24の開閉とスロットルバルブ5の開閉に伴う吸気通路1内の圧力状態に応じて、排気還流ガスが吸気通路1内の吸気に合流する。
また、排気通路2の排気浄化装置8と消音器9との間と、吸気通路1のコンプレッサ17とスロットルバルブ15の間とは、低圧排気ガス再循環装置を構成する低圧排気還流通路20によって連通している。低圧排気還流通路20には、還流ガスを冷却する還流ガスクーラ10が設けられている。低圧排気還流通路20を介して、燃焼室12から排出される排気ガスの一部が、排気還流ガスとして吸気通路1のインタークーラ6の上流側に還流する。低圧排気還流通路20に設けられた低圧排気還流弁21の開閉とスロットルバルブ15の開閉に伴う吸気通路1内の圧力状態に応じて、排気還流ガスが吸気通路1内の吸気に合流する。
このエンジンEへの燃料や空気の供給、バルブの開閉、その他の制御は、エンジンEを搭載する車両が備える電子制御ユニット(Electronic Control Unit)30が行っている。また、電子制御ユニット30は、吸気センサ3や、エアフローセンサ、排気センサ4からの情報、さらには、排気還流ガスの導入状況の情報等に基づいて、吸気通路1内の吸気酸素濃度を算出することができる。
電子制御ユニット30は、燃焼室12内に燃料を噴射する燃料噴射装置13を制御する燃料噴射制御手段31を備える。
燃料噴射制御手段31は、燃料噴射装置13による1燃焼サイクル中における燃料噴射を、複数回に分割して行う分割噴射の制御を行うことができる。ここでは、燃料噴射制御手段31は、1燃焼サイクル中における燃料噴射を、圧縮行程及び膨張行程内における主たる燃料噴射である主燃料噴射と、主燃料噴射の終了後に行う微小噴射である副燃料噴射とに分割して行うように制御する。このため、主燃料噴射による燃料が燃焼室12やその近傍で燃焼した後、あるいは、その燃焼と並行して、副燃料噴射による燃料が、燃焼室12やその近傍で燃焼するようになる。
ここで、主燃料噴射とは、トルクの発生に大きく寄与する燃料噴射である。具体的には、1燃焼サイクル中において最も噴射量が多い燃料噴射であるメイン噴射が含まれるが、そのメイン噴射の前に行われるパイロット噴射、プレ噴射等といった予備的な噴射は含まれない。また、副燃料噴射には、すすの発生に影響を及ぼす燃料噴射であるアフタ噴射が含まれる。
また、電子制御ユニット30は、副燃料噴射の噴射時期に応じて燃焼室12から排出される排気中に含まれるすすの量を推定するすす排出量推定手段32と、副燃料噴射の噴射時期に応じて燃料の消費量を推定する燃料消費推定手段33とを備える。
すす排出量推定手段32は、仮定した少なくとも一つの副燃料噴射の噴射量及び仮定した複数の前記副燃料噴射の噴射時期に対して、要求トルクと噴射圧に基づいてそれぞれ主燃料噴射において必要な主噴射必要噴射量を推定する。そして、仮定した少なくとも一つの副燃料噴射の噴射量及び仮定した複数の副燃料噴射の噴射時期に対して、推定した主噴射必要噴射量、主燃料噴射の噴射時期、燃料噴射装置の噴射圧、吸気及び排気の温度、吸気及び排気の圧力及び吸気酸素濃度の情報に基づいて、それぞれすすの量を推定する。ここで、副燃料噴射の噴射量は、一つの固定値を用いてもよいし、複数の数値を仮定し、そのそれぞれの副燃料噴射の噴射量に基づいて、副燃料噴射の噴射時期に応じたすすの量を推定してもよい。副燃料噴射の噴射量を複数仮定した場合、すすの量が最も少ない結果となる副燃料噴射の噴射量を採用することが望ましい。
燃料消費推定手段33は、すす排出量推定手段32と同様に、仮定した少なくとも一つの副燃料噴射の噴射量及び仮定した複数の前記副燃料噴射の噴射時期に対して、要求トルクと噴射圧に基づいてそれぞれ主燃料噴射において必要な主噴射必要噴射量を推定し、推定した主噴射必要噴射量、主燃料噴射の噴射時期、燃料噴射装置の噴射圧、吸気及び排気の温度、吸気及び排気の圧力及び吸気酸素濃度の情報に基づいて燃料の消費量を推定する。ここで、同じく、副燃料噴射の噴射量は、一つの固定値を用いてもよいし、複数の数値を仮定し、そのそれぞれの副燃料噴射の噴射量に基づいて、副燃料噴射の噴射時期に応じた燃料の消費量を推定してもよい。副燃料噴射の噴射量を複数仮定した場合、燃料の消費量が最も少ない結果となる副燃料噴射の噴射量を採用することが望ましい。
すなわち、すす排出量推定手段32及び燃料消費推定手段33は、副燃料噴射の噴射時期を変化させた場合のエンジンのトルク変化を推定し、同一の要求トルクを発生するのに必要な主燃料噴射の噴射量を考慮して、そのそれぞれの条件下でのすすの発生量及び燃料の消費量を推定する。ここで、燃料の消費量は、例えば、単位出力(例えば1kw)当たりの燃料の消費量として表すことができる。なお、エンジンと駆動系とのギア比を考慮した上で、一定の距離(例えば1km)を走行するのに必要な燃料の消費量、すなわち、燃料の消費率(燃費)として表すこともできる。
さらに、電子制御ユニット30は、推定されたすすの量及び推定された燃料の消費量に基づいて、実際に実行する副燃料噴射の噴射時期である副噴射実行噴射時期、及び、実際に実行する主燃料噴射の噴射量である主噴射実行噴射量を決定する燃料噴射情報決定手段34を備える。燃料噴射情報決定手段34は、実際に実行する副燃料噴射の噴射量である副噴射実行噴射量も決定する。
さらに、電子制御ユニット30は、排気浄化装置8におけるすすの捕捉可能容量を推定する排気浄化機能推定手段35を備える。排気浄化機能推定手段35は、直前一定期間におけるすすの排出量の積算量、直前一定期間における排気浄化装置8内のすすの浄化の積算量等に基づいて、その時点でのすすの捕捉可能容量を推定することができる。すすの排出量の積算量、すすの浄化の積算量は、それぞれ、排気の温度や、直前一定期間における排気の温度の変化(瞬間値の変遷)の情報、運転の継続時間、直前一定期間におけるすすの排出量の変化(瞬間値の変遷)の情報等により推定することができる。
燃料噴射情報決定手段34は、必要である場合には、推定されたすすの量と排気浄化装置8におけるすすの捕捉可能容量を考慮して、排気浄化装置8を通過して大気に排出されるすすの量が基準値以下となる副燃料噴射の噴射時期の中から、推定された燃料の消費量が最小となる噴射時期を副噴射実行噴射時期として決定することができる。
また、排気浄化装置8におけるすすの捕捉可能容量を考慮しない態様の場合は、燃料噴射情報決定手段34は、燃焼室12からの排気中における推定されたすすの量が所定値以下となる副燃料噴射の噴射時期の中から、推定された燃料の消費量が最小となる噴射時期を副噴射実行噴射時期として決定することができる。
ここで、副燃料噴射の噴射時期は、主燃料噴射を含む各噴射量を一定とした条件下で遅角させると等容度が低くなる傾向がある。このため、エンジンEの負荷を維持するためには、主燃料噴射の噴射量を増量する必要があり、燃費が悪化する。反対に、副燃料噴射の噴射時期を進角させると等容度が高くなる傾向がある。このため、エンジンEの負荷を維持するためには、主燃料噴射の噴射量を減量する必要がある。
一方、副燃料噴射の噴射時期は、すすの排出量にも影響する。例えば、副燃料噴射の噴射時期を、進角側である主燃料噴射に近い側で行うと、すすの排出量が多くなる傾向がある。
そこで、燃料噴射情報決定手段34は、エンジンEの運転状態をその都度参照し、演算によって、副燃料噴射の噴射時期や必要に応じてその噴射量を初期値から徐々に変化させ、その変化に伴うすすの排出量、燃料の消費量の変化傾向をマップとして作成し、得られた変化傾向から最適な副燃料噴射の噴射時期、噴射量を、実際に実行する副噴射実行噴射時期、副噴射実行噴射量として決定している。また、最適な主燃料噴射の噴射量を、実際に実行する主噴射実行噴射量として決定している。なお、実際に実行する主燃料噴射の噴射時期は、すす排出量推定手段32によって推定されたすすの量や、燃料消費推定手段33によって推定された燃料の消費量にかかわらず、通常の運転制御によって決定される。
すなわち、この発明は、副燃料噴射の噴射時期や噴射量を変化させた場合に、すす排出量推定手段32によって推定されるすすの排出量の変化の傾向と、副燃料噴射の噴射時期や噴射量を変化させた場合に、燃料消費推定手段33によって推定される燃料の消費量の変化の傾向をもとに、それらのグラフやマップ等を作成し、すすの排出量と燃料の消費量とが最適となるように、副燃料噴射の噴射時期や副燃料噴射の噴射量、主燃料噴射の噴射量を算出することを特徴とする。
この発明の制御の流れを、図2及び図3のフローチャートに基づいて説明する。
図2のステップS1において、制御を開始する。ステップS2において、予め決められた副燃料噴射の噴射量(副噴射量)、及び、仮定した一つの副燃料噴射の噴射時期(副噴射時期)を設定する。初期値は、副噴射時期の最大値(副噴射時期をこれ以上遅角できない状態)であり、副噴射時期は、以下のステップS6までの行程を1回行う毎に、予め決められた微小な値である副噴射時期の減算量dずつ減じていき、その時期が副噴射時期の最小値(副燃料噴射の噴射時期をこれ以上進角できない状態)になるまで、以下の演算が繰り返し行われ、その結果が記憶される。
図3のブロックB1は、入力される情報を示している。ここでは、エンジンの回転数やアクセル開度等によって決定される要求トルク、通常の運転制御によって決定された主燃料噴射の噴射時期や燃料噴射装置13の噴射圧等の噴射情報、吸気の温度、排気の温度、吸気の圧力、排気の圧力、吸気酸素濃度等が必要な情報として入力される。
ステップS3において、仮定した副噴射時期に対して、要求トルクと噴射圧に基づいて、主燃料噴射において必要な主噴射必要噴射量(主噴射量)が推定される(図3のブロックB2参照)。この推定は、要求トルク及び噴射圧と、それに対応する主噴射必要噴射量とを関連付けたマップ等により行うことができる。ここで、必要であれば、要求トルクと噴射圧の情報以外に他の情報を加えて、それらの情報を基に、主噴射量を推定してもよい。
つぎに、ステップS4では、仮定した副噴射量及び副噴射時期に対して、入力された要求トルクと燃料噴射装置の噴射圧から推定された主燃料噴射の噴射量、主燃料噴射の噴射時期、燃料噴射装置の噴射圧、吸気及び排気の温度、吸気及び排気の圧力及び吸気酸素濃度の情報に基づいて、燃料の消費率(燃費)が推定される。
ステップS5において、仮定した副噴射量及び副噴射時期に対して、入力された要求トルクと燃料噴射装置の噴射圧から推定された主燃料噴射の噴射量、主燃料噴射の噴射時期、燃料噴射装置の噴射圧、吸気及び排気の温度、吸気及び排気の圧力及び吸気酸素濃度の情報に基づいて、燃焼室12から排出されるすすの量が推定される。
つづく、ステップS6で、副噴射時期が最小値に至ったと判断されるまで、仮定される副噴射時期が徐々に進角され、その都度エンジンのトルクを推定し、要求トルクを発生するのに必要な主噴射量と、それに対応する燃料の消費率が推定される。
ステップS6で、副噴射時期が最小値に至ると、ステップS7に移行する。ステップS7では、仮定された複数の副噴射時期毎に、推定されたすすの量を示すマップ、推定された燃料の消費率を示すマップ、主噴射量を示すマップが作成される(図3のブロックB3,B4参照)。
ステップS8、S9では、これらのマップを基に、実際に実行する副噴射時期である副噴射実行噴射時期、及び、実際に実行する主噴射量である主噴射実行噴射量が決定される(図3のブロックB5,B6,B7,B8参照)。
例えば、図4(a)(b)に示すように、推定されたすすの量が所定値a以下となる副噴射時期の中から、推定された燃料の消費率が最小となる噴射時期bを、副噴射実行噴射時期として決定することができる。図4(a)(b)では、副噴射時期が進角側へ向かうほど燃料の消費率が小さくなっているが、副噴射時期がbよりも進角側になると、縦軸に示すすす(煙)の量が所定値を越えてしまう。このため、実際に実行される副噴射時期である副噴射実行噴射時期がbに決定される。
また、例えば、図4(c)(d)に示すように、推定されたすすの量が所定値a以下となる副噴射時期の中から、推定された燃料の消費率が最小となる噴射時期b’を、副噴射実行噴射時期として決定することができる。図4(c)(d)では、副噴射時期がある地点を境にして、進角側へ向かうほど燃料の消費率が大きく、且つ、遅角側へ向かうほど燃料の消費率が大きくなっている。また、その燃料の消費率が最小となる地点b’は、すすの量が所定値a以下である。このため、その燃料の消費率が最小となる地点b’が副噴射実行噴射時期に決定される。
副噴射実行噴射時期、主噴射実行噴射量が決定されれば、ステップS10へ移行するとともに、ステップS1へ戻り、エンジンが停止するまで、同様の制御が繰り返される。
図4のグラフでは、推定されたすすの量が所定値a以下となる副燃料噴射の噴射時期の中から、推定された燃料の消費量が最小となる噴射時期bやb’を、副噴射実行噴射時期として決定した。ここで、他の実施形態として、推定されたすすの量と排気浄化装置8におけるすすの捕捉可能容量を考慮して、排気浄化装置8を通過して大気に排出されるすすの量が、予め決められた基準値以下となる副燃料噴射の噴射時期の中から、推定された燃料の消費量が最小となる噴射時期を副噴射実行噴射時期として決定する手法を採用することもできる。
1 吸気通路
2 排気通路
3 吸気センサ
4 排気センサ
5,15 スロットルバルブ
6 吸気冷却装置(インタークーラ)
7 タービン
8 排気浄化装置
9 消音器
11 ピストン
12 燃焼室
13 燃料噴射装置
17 コンプレッサ
30 電子制御ユニット
31 燃料噴射制御手段
32 すす排出量推定手段
33 燃料消費推定手段
34 燃料噴射情報決定手段
35 排気浄化機能推定手段

Claims (6)

  1. 燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射装置と、
    前記燃料噴射装置による1燃焼サイクル中における燃料噴射を主たる燃料噴射である主燃料噴射と前記主燃料噴射の終了後に行う副燃料噴射とに分割して行うように制御する燃料噴射制御手段と、
    前記副燃料噴射の噴射時期に対する前記燃焼室から排出される排気中に含まれるすすの量を推定するすす排出量推定手段と、
    前記副燃料噴射の噴射時期に対する燃料の消費量を推定する燃料消費推定手段と、
    推定された前記すすの量及び推定された前記燃料の消費量に基づいて、実行する前記副燃料噴射の噴射時期である副噴射実行噴射時期及び実行する前記主燃料噴射の噴射量である主噴射実行噴射量を決定する燃料噴射情報決定手段と、を備え、
    前記燃料噴射情報決定手段は、エンジンの現在の運転状態において、前記副燃料噴射の噴射時期を初期値から徐々に進角させた際の前記すすの量及び前記燃料の消費量を演算し、前記演算結果に基づき、実際に実行する前記副燃料噴射の噴射時期及び前記主燃料噴射の噴射量を決定するエンジンの制御装置。
  2. 前記すす排出量推定手段及び前記燃料消費推定手段は、仮定した少なくとも一つの前記副燃料噴射の噴射量及び仮定した複数の前記副燃料噴射の噴射時期に対して、入力された要求トルク、前記主燃料噴射の噴射時期、前記燃料噴射装置の噴射圧、吸気及び排気の温度、吸気及び排気の圧力及び吸気酸素濃度に関する情報に基づいて、それぞれ前記すすの量及び前記燃料の消費量を推定する
    請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  3. 前記すす排出量推定手段及び前記燃料消費推定手段は、仮定した少なくとも一つの前記副燃料噴射の噴射量及び仮定した複数の前記副燃料噴射の噴射時期に対して、前記要求トルクと前記噴射圧に基づいて、それぞれ前記主燃料噴射において前記要求トルクの実現に必要な主噴射必要噴射量を推定し、推定した前記主噴射必要噴射量を用いて前記すすの量及び前記燃料の消費量を推定する
    請求項2に記載のエンジンの制御装置。
  4. 前記燃料噴射情報決定手段は、推定された前記すすの量が所定値以下となる前記副燃料噴射の噴射時期の中から、推定された前記燃料の消費量が最小となる噴射時期を前記副噴射実行噴射時期として決定する
    請求項1〜3の何れか1項に記載のエンジンの制御装置。
  5. 前記燃焼室から排出される排気中に含まれるすすを捕捉する排気浄化装置と、
    前記排気浄化装置におけるすすの捕捉可能容量を推定する排気浄化機能推定手段と、
    を備え、
    前記燃料噴射情報決定手段は、推定された前記すすの量と前記排気浄化装置におけるすすの捕捉可能容量を考慮して、前記副噴射実行噴射時期を決定する
    請求項1〜4の何れか1項に記載のエンジンの制御装置。
  6. 前記燃料噴射情報決定手段は、前記排気浄化装置を通過して大気に排出されるすすの量が基準値以下となる前記副燃料噴射の噴射時期の中から、推定された前記燃料の消費量が最小となる噴射時期を前記副噴射実行噴射時期として決定する
    請求項5に記載のエンジンの制御装置。
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