JP5734782B2 - 内燃機関の状態推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御等に必要とされる機関状態としての吸気系や排気系の圧力を推定する内燃機関の状態推定装置に関する。
内燃機関の制御には、吸気系の圧力(吸気圧)や排気系の圧力(排気圧)が必要とされることが多い。そして、通常、これらの圧力は、排気系や吸気系にそれぞれ設けられた各圧力センサにより測定されることになる。こうした圧力センサには、その不具合などが内燃機関を制御する上での信頼性を低下させることのないように、高い耐久性が求められている反面、このように耐久性に優れたセンサを搭載することに起因するエンジンシステムとしてのコストの上昇も避けられない。そこで近年は、吸気圧や排気圧の取得に必要な圧力センサを減らす技術が提案されており、その一例が特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載の圧力推定装置では、ベルヌーイの式に、複数の機関状態に基づき推定した排気温度と、同様に複数の機関状態に基づき演算した排気流量とを適用して排気圧を算出する。この際、排気温度は、燃料噴射量、吸入空気温度及び燃料噴射時期に基づいて求められるとともに、排気流量は、吸入空気流量及び機関回転速度に基づき、シリンダ排出時の排気流量として求められる。すなわちこの圧力推定装置では、燃料噴射量、吸入空気温度、燃料噴射時期、吸入空気流量、及び機関回転速度などの複数の機関運転パラメータに基づいて排気圧を推定するようにしている。
特開平10−26049号公報
特許文献1に記載の圧力推定装置のように、複数の運転パラメータを用いて排気圧を推定するようにすれば、確かに排気圧を測定する圧力センサを減らすことができるようにはなる。しかしながら、多数の運転パラメータに基づいて排気圧を推定する場合、その算出方法が複雑で演算に時間を要するなど演算負荷が増大するため、その演算負荷が制御装置の処理能力に与える影響が無視できず、その採用は必ずしも容易ではない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関の制御等に必要な機関状態である吸気系や排気系の圧力をより簡単に得ることのできる内燃機関の状態推定装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果を記載する。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、気筒内の圧力を測定する筒内圧力センサを備え、当該気筒の吸気ポートを開閉する吸気弁、及び当該気筒の排気ポートを開閉する排気弁の開弁期間中における前記筒内圧力センサの検出値に基づいて、内燃機関の吸気圧及び排気圧の少なくとも一方を機関状態として推定するものであって、前記筒内圧力センサの検出値に基づく圧力波形の繰り返し特性を利用して、前記吸気圧及び排気圧の少なくとも一方の任意の期間の圧力を機関状態として推定することを要旨とする。
このような構成によれば、吸気弁や排気弁の開弁期間中の気筒内の圧力に基づいて、吸気圧や排気圧が推定されるようになるため、吸気圧や排気圧を測定するため圧力センサを、吸気通路や排気通路に設けることが不要になる。このようにすることにより、この内燃機関の状態推定装置は、吸気圧や排気圧を簡単に推定することができるようになる。
また、吸気圧に基づいて吸入空気量を得ることのできるマップを利用することで推定された吸気圧から吸入空気量を得ることができるようにもなる
また、このような構成によれば、1サイクル中の吸気圧及び排気圧が筒内圧力センサの検出値により推定できるようになる。例えば、吸気弁や排気弁の開弁期間中であれば、筒内圧力センサの検出値を吸気圧や排気圧の推定値に利用することが可能であり、吸気弁や排気弁が閉鎖されている閉鎖期間中であれば、予め測定された筒内圧力センサの検出値を、その他の気筒の吸気弁や排気弁の開弁期間中に対応させることで、当該その他の気筒の吸気圧及び排気圧の少なくとも一方を推定することができるようになる。これにより、吸気圧や排気圧の測定に必要な圧力センサの数を少なくすることができるようになるとともに、吸気圧や排気圧の推定に必要な筒内圧力センサの数も少なくすることができるようになる。
請求項に記載の発明は、請求項記載の内燃機関の状態推定装置において、前記筒内圧力センサは、気筒を形成するシリンダ側面にあって、ピストンの上死点よりも燃焼室よりの位置に配置されていることを要旨とする。
このような構成によれば、常時、筒内圧力センサが筒内に区画された燃焼室内の圧力を測定することができるようになるため、連続した圧力データが取得されるなど内燃機関の制御に都合がよい。
請求項に記載の発明は、請求項記載の内燃機関の状態推定装置において、前記筒内圧力センサは、気筒を形成するシリンダ側面にあって、ピストンが上死点に到達したときにピストンによって覆われる位置に配置されていることを要旨とする。
このような構成によれば、内燃機関の圧縮膨張行程において、燃焼により燃焼室が高温・高圧になる、つまり燃焼室の容量が最小になるとき、筒内圧力センサはピストンによって覆われることにより燃焼室から一時的に隔離される。これにより筒内圧力センサは燃焼室内の高温や高圧、特に高温や高圧のピークを避けることができるようになる。すなわち、筒内圧力センサが高温や高圧に曝される機会を減少させることができる。これにより圧力センサの耐圧を下げることができるようにもなる。通常、筒内圧力センサの測定範囲と耐圧とは比例関係にあるため、耐圧の高いセンサは測定範囲が広い一方で測定精度は低くなってしまうが、耐圧を低くすることで測定範囲を狭くして吸気圧や排気圧などの推定に必要な測定範囲における測定精度を高くすることができるようにもなる。
なお、この構成によると、吸気圧や排気圧などを推定する範囲において、筒内圧力センサが圧力を測定できない範囲が生じるものの、そのような測定できない範囲があまり広範囲でなければ、その測定できない範囲の圧力を直前の測定圧力に維持するなどの各種の補完処理により補完するようにしてもよい。これにより、内燃機関の状態推定装置に採用する筒内圧力センサの耐圧を低くすることによるコスト低減や、高圧による故障が抑制されることなどによる信頼性の維持、筒内圧力センサの取り付け位置の設計自由度の向上などが図られるようになる。
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれか一項に記載の内燃機関の状態推定装置において、前記内燃機関はV型多気筒機関であり、前記筒内圧力センサは、バンク別に、代表する一つの気筒に対して設けられていることを要旨とする。
このような構成によれば、バンクを構成する複数の気筒のうちの代表する一つの気筒にのみ筒内圧力センサを設けることから、V型多気筒機関において、吸気圧や排気圧を測定する圧力センサだけでなく、気筒に設ける筒内圧力センサも減らすことができるようになる。
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれか一項に記載の内燃機関の状態推定装置において、前記内燃機関は直列多気筒機関であり、前記筒内圧力センサは、代表する一つの気筒に対して設けられていることを要旨とする。
このような構成によれば、複数の気筒のうちの代表する一つの気筒にのみ筒内圧力センサを設けることから、直列多気筒機関において、吸気圧や排気圧を測定する圧力センサだけでなく、気筒に設ける筒内圧力センサも減らすことができるようになる。
本発明に係る内燃機関の状態推定装置を備える内燃機関を具体化した第1の実施形態について、その概略構成を示す模式図。 同実施形態の内燃機関における吸気圧と筒内圧との関係を示すグラフ。 同実施形態の内燃機関における排気圧と筒内圧との関係を示すグラフ。 同実施形態の内燃機関における1サイクルに対応する吸気圧と筒内圧から推定される吸気圧とについて示すグラフ。 同実施形態の内燃機関における1サイクルに対応する排気圧と筒内圧から推定される排気圧について示すグラフ。 同実施形態の内燃機関で吸気圧と排気圧とを推定し出力する手順について示すフローチャート。 本発明に係る内燃機関の状態推定装置を備える内燃機関を具体化した第2の実施形態について、その概略構成を示す模式図。 同実施形態の内燃機関における吸気圧と筒内圧との関係を示すグラフ。 同実施形態の内燃機関における排気圧と筒内圧との関係を示すグラフ。 本発明に係る内燃機関の状態推定装置を備える内燃機関を具体化したその他の実施形態について、その概略構成を示す模式図。
(第1の実施形態)
以下、本発明に係る内燃機関の状態推定装置を備える内燃機関の第1の実施形態について図1に従って説明する。なお、本実施形態の内燃機関は、6つの気筒を備えたV型6気筒であるため、左右に配置されたバンクはそれぞれ3つの気筒を有しているとともに、それぞれ1つの吸気通路21及び排気通路23が接続されている。すなわち、吸気通路21及び排気通路23は対応するバンクの3つの気筒により共用されている。
図1に示すように、内燃機関11の各気筒12内にはピストン13が往復動可能に設けられている。各気筒12には、このピストン13の頂面と気筒12の内面とによって燃焼室14が区画形成されている。つまり、ピストン13は気筒12内の往復動によりその頂面を下死点BDCの位置と上死点TDCの位置との間で移動させて、同頂面により区画している燃焼室14の容量を増減させる。例えばピストン13の頂面が上死点TDCの位置に配置されたとき、燃焼室14の容量は最小になる。
また、内燃機関11には、各気筒12に対応して各別に、燃料を噴射する燃料噴射弁15が設けられている。そして、各燃焼室14では、吸入空気と噴射燃料とからなる混合気に対して点火プラグ16による点火が行われ、これによって同混合気が燃焼してピストン13が往復移動し、出力軸としてのクランクシャフト31が回転する。このクランクシャフト31の駆動力は、変速機等を介して駆動輪(図示略)へ伝達される。
さらに、各気筒12には、燃焼室14内の圧力、いわゆる筒内圧CPを測定するとともに、同筒内圧CPを検出値として出力することのできる筒内圧力センサ45が設けられている。つまり、筒内圧力センサ45はその検出部が気筒12を形成するシリンダ側面に配置されている。なお、本実施形態では、筒内圧力センサ45は、シリンダ側面にあって、ピストン13の位置にかかわらずピストン13に覆われない位置である上死点TDCよりも燃焼室14よりの位置に設けられている。このことから、筒内圧力センサ45は、ピストン13が上死点TDCの位置にてあっても燃焼室14内の圧力を測定することができるため、ピストン13が往復動する上死点TDCから下死点BDCの全範囲で燃焼室14内の圧力を測定することができる。
上記内燃機関11は、吸気通路21の燃焼室14への連通部分である吸気ポート21aと燃焼室14との間が吸気バルブ22の開閉動作によって連通・遮断される。また、内燃機関11は、燃焼室14と排気通路23の燃焼室14への連通部分である排気ポート23aとの間が排気バルブ24の開閉動作によって連通・遮断される。すなわち、気筒12は燃焼室14に接続される吸気通路21が吸気バルブ22により開閉され、気筒12は燃焼室14に接続される排気通路23が排気バルブ24により開閉される。吸気バルブ22はクランクシャフト31の回転が伝達される吸気カムシャフト26の回転に伴って開閉動作するとともに、排気バルブ24はクランクシャフト31の回転が伝達される排気カムシャフト27の回転に伴って開閉動作する。
こうした内燃機関11の各種制御は、車両に搭載された電子制御ユニット(以下、ECU)41によって行われる。ECU41は、内燃機関11の制御に係る演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果が一時的に記憶されるRAM、外部からの信号を入力するための入力ポート及び外部に信号を出力するための出力ポート等から構成されている。特に、本実施形態では、プログラムやデータには、機関状態としての吸気圧や排気圧を得るための処理や該処理に必要なパラメータ等が含まれている。必要なパラメータ等としては、吸気圧に基づいて吸入空気量を得ることのできるマップが挙げられる。
ECU41の入力ポートには、内燃機関11や車両の状態を検出する各種センサが接続されている。この各種センサとしては、クランクシャフト31の回転角であるクランク角CA及びクランクシャフト31の回転速度である機関回転速度NEを検出するためのクランクポジションセンサ42が挙げられる。また各種センサとしては、吸気カムシャフト26の回転角を検出するための吸気カムポジションセンサ43や、排気カムシャフト27の回転角を検出するための排気カムポジションセンサ44が挙げられる。さらに各種センサとしては、測定した筒内圧CPを検出値として出力する前記筒内圧力センサ45が挙げられる。なお、ECU41は、少なくとも内燃機関の1サイクルの期間における筒内圧CPをクランク角CAに関連付けて保持できるようになっている。また各種センサとしては、運転者により操作されるシフトレバー(図示略)のシフト位置を検出するためのシフトポジションセンサ46、アクセル踏込み量を検出するためのアクセルポジションセンサ47、ブレーキペダルの操作状態を検出するためのブレーキセンサ48、及び車両走行速度を検出するための車速センサ49等が挙げられる。
一方、ECU41の出力ポートには、燃料噴射弁15や点火プラグ16等が電気的に接続されている。そして、ECU41は、上述の各種センサの検出結果に基づいて燃料噴射や点火時期等の各種制御を行う。具体的には、クランクポジションセンサ42、吸気カムポジションセンサ43及び排気カムポジションセンサ44から出力される信号に基づき気筒判別を実行するとともに、クランク角CAに基づいて各気筒12に対する燃料噴射時期及び点火時期を設定する。
次に、図2を参照して、吸気バルブ22の開閉動作、筒内圧CP及び吸気圧との関係について説明する。なお、1つのバンクには同様の構成からなる気筒12が3つ設けられているが、本実施形態では、それら3つの気筒12のうちの1つを、バンクを代表する気筒12としている。そして、説明の便宜上、内燃機関11の状態推定装置についてその代表とする気筒12を中心に説明する。
図2に示すように、吸気バルブ22は、吸入行程が開始されると、バルブリフト量VLiが「0」である閉弁状態から、バルブリフト量VLiが「0」よりも大きい状態、つまり開弁状態に移行する。そして、吸気バルブ22は、バルブリフト量VLiが最大となった後、バルブリフト量VLiが小さくなっていき、「0」となることで閉弁状態となり吸入行程が終了する。例えば、図2において、吸気バルブ22は、クランク角が360°(360°CA)よりも小さいクランク角から吸入行程が開始され、450°CAのときバルブリフト量VLiが最大となり、540°CAを過ぎてから吸入行程が終了する。この吸入行程において、筒内圧力センサ45は、燃焼室14内の筒内圧CPとして大気圧P0の近傍を変動する圧力を検出する。また、同吸入行程において、吸気通路21に試験的に設けられた試験用圧力センサは、吸気通路21の圧力である吸気圧IPとして大気圧P0の近傍を変動する圧力を検出する。
ところで、このように測定された吸気圧IPと筒内圧CPとを、吸入行程に対応する範囲SIで比較してみると、吸気圧IPと筒内圧CPとはその値及び変動が類似していることが分かる。なお、筒内圧CPにはノイズ等による急激な変動が含まれることがあるが、そのような急激な変動をフィルタで規制したり、平準化するような処理を行うことで、吸入行程において、筒内圧CPを吸気圧IPに一層類似させることができる。このようなことから、本実施形態のECU41は、吸入行程においては、吸気通路21の吸気圧IPに代えて筒内圧CPを使用するようにしている。つまり、吸気圧IPの推定値として筒内圧CPを用いるようにする。なお、ECU41は、吸気圧IPの推定値として筒内圧CPに所定の処理を施した値を使用するようにしてもよい。
次に、図3を参照して、排気バルブ24の開閉動作、筒内圧CP及び排気圧との関係について説明する。
図3に示すように、排気バルブ24は、排気行程が開始されると、バルブリフト量VLeが「0」である閉弁状態から、バルブリフト量VLeが「0」よりも大きい状態、つまり開弁状態に移行する。そして、排気バルブ24は、バルブリフト量VLeが最大となった後、バルブリフト量VLeが小さくなっていき、「0」となることで閉弁状態となり排気行程が終了する。例えば、図3において、排気バルブ24は、180°CAよりも小さいクランク角から排気行程が開始され、270°CAのときバルブリフト量VLeが最大となり、360°CAを過ぎてから排気行程が終了する。この排気行程において、筒内圧力センサ45は、燃焼室14内の筒内圧CPとして大気圧P0を中心に大きく変動する圧力を検出する。また、同排気行程において、排気通路23に試験的に設けられた試験用圧力センサは、排気通路23の圧力である排気圧EPとして大気圧P0を中心に大きく変動する圧力を検出する。
すなわち、このように測定された排気圧EPと筒内圧CPとを、排気行程に対応する範囲SEで比較してみると、排気圧EPと筒内圧CPとはその値及び変動が類似していることが分かる。なお、筒内圧CPにはノイズ等による急激な変動が含まれることがあるが、そのような急激な変動をフィルタで規制したり、平準化するような処理を行うことで、排気行程において、筒内圧CPを排気圧EPに一層類似させることができる。このようなことから、本実施形態のECU41は、排気行程においては、排気通路23の排気圧EPに代えて筒内圧CPを使用するようにしている。つまり、排気圧EPの推定値として筒内圧CPを用いるようにする。なお、ECU41は、排気圧EPの推定値として筒内圧CPに所定の処理を施した値を使用するようにしてもよい。
次に、図4及び図5を参照して、内燃機関11の1サイクルにおける吸気圧及び排気圧の推定について説明する。
内燃機関11は、バンクの3つの気筒12が1つの吸気通路21及び排気通路23を共用していることから、バンクに設けられている3つの気筒12は、各気筒12の吸入行程の位相がそれぞれ240°CAずつずれているとともに、各気筒12の排気行程の位相もそれぞれ240°CAずつずれている。
すなわち、図4に示すように、バンクでは、3つの気筒12に対応する3つの第1〜第3の吸入行程I1,I2,I3が等しいクランク角の間隔で1サイクル中に配置される。例えば、第1の吸入行程I1は、330°CAから開始され、450°CAにて最大リフト量になり、570°CAにて終了する。また、第2の吸入行程I2は、570°CAから開始され、690°CAにて最大リフト量になり、次のサイクルの90°CAにて終了する。さらに、第3の吸入行程I3は、90°CAから開始され、210°CAにて最大リフト量になり、330°CAにて終了する。
すなわち、吸気通路21では240°CA毎に第1〜第3の吸入行程I1,I2,I3が順次繰り返されることから該吸気通路21の吸気圧IPは、240°CA毎に第1〜第3の吸入行程I1,I2,I3に対応する変化を順次繰り返す。
ところで、試験用圧力センサで吸気通路21の吸気圧IPを1サイクルの期間測定すると、第1〜第3の吸入行程I1,I2,I3に対応する部分の吸気圧はそれぞれ、その値や変動が相互に類似していることが分かる。すなわち、第1の吸入行程I1の吸気圧のデータを、第2及び第3の吸入行程I2,I3の吸気圧のデータとして用いることが可能であることが分かる。そして、このことから、第1の吸入行程I1において、吸気通路21の吸気圧を筒内圧CPに基づいて推定した場合、その推定した吸気通路21の吸気圧を、第2の吸入行程I2や第3の吸入行程I3における吸気通路21の吸気圧の推定値としても用いることができることが分かる。すなわち、筒内圧力センサ45の検出値に基づく筒内圧CPの圧力波形の繰り返しが、吸気圧IPの変化に対応する特性があることから、この特性を利用することで、第2又は第3の吸入行程I2,I3に対応する吸気圧IPであれ、他の気筒の筒内圧力センサ45の検出値から推定できることが分かる。
そこで、本実施形態では、ECU41は、第1の吸入行程I1における吸気通路21の吸気圧IPの推定値を、第1の吸入行程I1に対応する気筒12にて測定された筒内圧CPiに基づき推定するようにしている。さらに、ECU41は、第2及び第3の吸入行程I2,I3に対応する吸気圧IPの推定値についてもそれぞれ、第1の吸入行程I1における吸気通路21の吸気圧IPの推定値を用い、つまり、第1の吸入行程I1に対応する気筒12内の筒内圧CPiに基づき推定するようにしている。このように、ECU41は、第1の吸入行程I1に対応する気筒12内の筒内圧CPiに基づいて、第1〜第3の吸入行程I1〜I3のうちの任意の期間における吸気通路21の吸気圧を推定する。
また、図5に示すように、バンクでは、3つの気筒12に対応する3つの第1〜第3の排気行程E1,E2,E3が等しいクランク角の間隔で1サイクル中に配置される。例えば、第1の排気行程E1は、150°CAから開始され、270°CAにて最大リフト量になり、390°CAにて終了する。また、第2の排気行程E2は、390°CAから開始され、510°CAにて最大リフト量になり、630°CAにて終了する。さらに、第3の排気行程E3は、630°CAから開始され、次の60°CAにて最大リフト量になり、同150°CAにて終了する。
すなわち、排気通路23では240°CA毎に第1〜第3の排気行程E1,E2,E3が順次繰り返し実行されることから該排気通路23の排気圧EPは、240°CA毎に第1〜第3の排気行程E1,E2,E3に対応する変化を順次繰り返す。
ところで、試験用圧力センサで排気通路23の排気圧EPを1サイクルの期間測定すると、第1〜第3の排気行程E1,E2,E3に対応する排気圧はそれぞれ、その値や変動が相互に類似していることが分かる。すなわち、第1の排気行程E1の排気圧のデータを、第2及び第3の排気行程E2,E3の排気圧のデータとして用いることが可能であることが分かる。そして、このことから、第1の排気行程E1において、排気通路23の排気圧を筒内圧CPに基づいて推定した場合、その推定した排気通路23の排気圧を、第2の排気行程E2や第3の排気行程E3における排気通路23の排気圧の推定値としても用いることができることが分かる。すなわち、筒内圧力センサ45の検出値に基づく筒内圧CPの圧力波形の繰り返しが、排気圧EPの変化に対応する特性があることから、この特性を利用することで、第2及び第3の排気行程E2,E3に対応する排気圧EPであれ、他の気筒の筒内圧力センサ45の検出値から推定できることが分かる。
そこで、本実施形態では、ECU41は、第1の排気行程E1における排気通路23の排気圧EPの推定値を、第1の排気行程E1に対応する気筒12にて測定された筒内圧CPeに基づき推定するようにしている。さらに、ECU41は、第2及び第3の排気行程E2,E3に対応する排気圧EPの推定値についてもそれぞれ、第1の排気行程E1における排気通路23の排気圧EPの推定値を用い、つまり、第1の排気行程E1に対応する気筒12内の筒内圧CPeに基づき推定するようにしている。このように、ECU41は、第1の排気行程E1に対応する気筒12内の筒内圧CPeに基づいて、第1〜第3の排気行程E1〜E3のうちの任意の期間における排気通路23の排気圧を推定する。
(作用)
図6を参照して、ECU41が吸気圧や排気圧を推定して出力する手順について説明する。なお、吸気圧や排気圧を推定して出力する処理は、ECU41の内部要求や外部要求などによる吸気圧や排気圧の要求に応じて当該ECU41にて逐次実行される。なおここでは、上述の通り、1つのバンクにある3つの気筒12のうちから選択された代表する1つの気筒12に設けられた筒内圧力センサ45のみを内燃機関11の吸気圧や排気圧の推定に用いる場合について説明する。
ECU41は、吸気圧や排気圧の推定及び出力を要求されると、クランク角CA、吸気バルブ22の開閉状態、代表する気筒12に対応する排気バルブ24の開閉状態及び同代表する気筒12の筒内圧CPをそれぞれ取得する(ステップS11)。ECU41は、取得された排気バルブ24の開閉状態に基づいて、排気バルブ24が開弁しているか否かを判断する(ステップS12)。排気バルブ24が開弁していると判断された場合、ECU41は、測定された筒内圧CPを排気圧として採用する、つまり筒内圧CPを排気圧として推定する(ステップS13)。一方、排気バルブ24が閉弁していると判断された場合、ECU41は、メモリなどに保持されている、代表する気筒12が排気行程のときに測定された筒内圧CPに基づいて排気圧を推定する(ステップS14)。詳述すると、代表する気筒12の排気バルブ24が閉弁しているということは、逆にその他の気筒12が排気行程であることを意味する。このことから、ECU41は、その排気行程中の気筒12と、代表する気筒12の排気行程との位相差(例えば240°CAや480°CA)に基づいて、保持されている代表する気筒12の筒内圧CPの位相をずらす。そしてその位相のずらされた代表する気筒12の筒内圧CPに基づいて、排気行程中の気筒12の影響に基づく排気圧を推定するようにしている。
それから、ECU41は、ステップS13又はステップS14にて推定された排気圧を排気通路23の排気圧として出力する(ステップS15)。
続いて、ECU41は、取得された吸気バルブ22の開閉状態に基づいて、吸気バルブ22が開弁しているか否かを判断する(ステップS16)。吸気バルブ22が開弁していると判断された場合、ECU41は、測定された筒内圧CPを吸気圧として採用する、つまり筒内圧CPを吸気圧として推定する(ステップS17)。一方、吸気バルブ22が閉弁していると判断された場合、ECU41は、メモリなどに保持されている、代表する気筒12が吸入行程のときに測定された筒内圧CPに基づいて吸気圧を推定する(ステップS18)。詳述すると、代表する気筒12の吸気バルブ22が閉弁しているということは、逆にその他の気筒12が吸入行程であることを意味する。このことから、ECU41は、その吸入行程中の気筒12と、代表する気筒12の吸入行程との位相差(例えば240°CAや480°CA)に基づいて、保持されている代表する気筒12の筒内圧CPの位相をずらす。そしてその位相のずらされた代表する気筒12の筒内圧CPに基づいて、吸入行程中の気筒12の影響に基づく吸気圧を推定するようにしている。
それから、ECU41は、ステップS17又はステップS18にて推定された吸気圧を吸気通路21の吸気圧として出力する(ステップS19)。
これにより、ECU41による、吸気圧及び排気圧の推定及び出力処理が終了する。
以上説明したように、本実施形態の内燃機関の状態推定装置によれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)吸気バルブ22や排気バルブ24の開弁期間中の気筒12内の圧力に基づいて、吸気圧や排気圧が推定されるようになるため、吸気圧や排気圧を測定するため圧力センサを、吸気通路21や排気通路23に設けることが不要になる。このようにすることにより、この内燃機関の状態推定装置は、吸気圧や排気圧を簡単に推定することができるようになる。
また、吸気圧に基づいて吸入空気量を得ることのできるマップを利用することで推定された吸気圧から吸入空気量を得ることができるようにもなる。
(2)筒内圧力センサ45の検出値に基づく圧力波形の繰り返しが、吸気圧及び排気圧の変化に対応する特性を利用して、1サイクル中の吸気圧及び排気圧を筒内圧力センサ45の検出値により推定するようにした。例えば、吸気バルブ22や排気バルブ24の開弁期間中であれば、筒内圧力センサ45の検出値を吸気圧や排気圧の推定値に利用することが可能である。また、吸気バルブ22や排気バルブ24が閉鎖されている閉鎖期間中であれば、予め測定された筒内圧力センサ45の検出値を、その他の気筒12の吸気バルブ22や排気バルブ24の開弁期間中に対応させることで、当該その他の気筒12の吸気圧及び排気圧の少なくとも一方を推定することができるようになる。これにより、吸気圧や排気圧の測定に必要な圧力センサの数を少なくすることができるようになるとともに、吸気圧や排気圧の推定に必要な筒内圧力センサ45の数も少なくすることができるようになる。
(3)気筒12を形成するシリンダ側面にあって、ピストン13の上死点TDCよりも燃焼室14よりの位置に筒内圧力センサ45を配置したことから、常時、筒内圧力センサ45が筒内に区画された燃焼室14内の圧力を測定することができるため、連続した圧力データが取得されるなど内燃機関11の制御に都合がよい。
(第2の実施形態)
以下、本発明に係る内燃機関の状態推定装置の備えられた内燃機関の第2の実施形態について図7に従って説明する。
なお、本実施形態は、筒内圧力センサ45Aが、第1の実施形態の筒内圧力センサ45に比べてクランクシャフト31側に寄って配置されていることが第1の実施形態との相違点であり、その他の構成については同様であることから、以下では相違点について説明し、説明の便宜上、その他の構成については同じ番号を付しその構成を割愛する。
図7に示すように、各気筒12には、燃焼室14内の圧力、いわゆる筒内圧を測定することのできる筒内圧力センサ45Aが設けられている。つまり、筒内圧力センサ45Aはその検出部が気筒12を形成するシリンダ側面に配置されている。この筒内圧力センサ45Aは、第1の実施形態の筒内圧力センサ45よりも耐圧は低いものの、吸入行程や排気行程における筒内圧を高精度で検出することのできる圧力センサである。なお、本実施形態では、筒内圧力センサ45Aは、シリンダ側面にあって、ピストン13が上死点TDCの位置に配置されると、その検出部がピストン13の側面によって覆われる。つまり、筒内圧力センサ45Aの検出部は、ピストン13の上死点TDC側に配置された少なくとも1つのピストンリングR1よりもクランクシャフト31側となる位置に配置されているため、ピストン13が上死点TDCにあるとピストンリングR1により燃焼室14から隔離される。すなわち、筒内圧力センサ45Aの検出部は、ピストン13が上死点TDCの位置にて区画している燃焼室14内の圧力を測定することができない位置に設けられている。このため、筒内圧力センサ45Aは、ピストン13が往復動する上死点TDCから下死点BDCの範囲のうち、ピストン13が上死点TDCにある位置を含む前後の範囲を除き、燃焼室14内の圧力を測定することができる。一方、本実施形態では、ピストン13が上死点TDCにある位置を含む前後の範囲は、測定不可能領域Yとして、燃焼室14内の圧力を測定することができない。
図8や図9に示すように、測定不可能領域Yは、ピストン13が上死点TDCとなる360°CAを含む330°CAから390°CAの範囲に形成される。また、圧縮行程及び膨張行程においては、測定不可能領域Yが、ピストン13が上死点TDCとなる720°CA(0°CA)を含む690°CAから30°CAの範囲に形成される。
次に、図8を参照して、吸気バルブ22の開閉動作、筒内圧に基づく吸気圧の推定について説明する。
なお、吸気バルブ22は360°CAよりも小さいクランク角から吸入行程が開始され、450°CAのときバルブリフト量VLiが最大となり、540°CAを過ぎてから吸入行程が終了する。このとき、筒内圧CP1iが測定されるが、測定不可能領域Yの影響により、吸入行程が開始された330°CAから390°CAまでの間は筒内圧CP1iを測定することはできないものの、その他の範囲SI1においては、吸気圧IPに類似する値と変化を有する筒内圧CP1iが測定される。つまり、吸気圧IPを筒内圧CP1iに基づいて推定することができる。なお、本実施形態では、330°CAから390°CAの間の筒内圧CP1iを、測定不可能領域Yに入る直前に測定された筒内圧CP1eにより補完するようにしている。なお、測定不可能領域Yにおける筒内圧の補完には、直前データを用いる方法や、予め定められたデータを用いる方法やなど、各種の補完方法を用いることができる。
次に、図9を参照して、排気バルブ24の開閉動作、筒内圧に基づく排気圧の推定について説明する。
なお、排気バルブ24は180°CAよりも小さいクランク角から排気行程が開始され、270°CAのときバルブリフト量VLeが最大となり、360°CAを過ぎてから排気行程が終了する。このとき、筒内圧CP1eが測定されるが、測定不可能領域Yの影響により、排気行程が終了する前の330°CAから390°CAまでの間は筒内圧CP1eを測定することはできないものの、210°CAから330°CAの範囲SE1においては、排気圧EPに類似する値と変化を有する筒内圧CP1eが測定される。つまり、排気圧EPを筒内圧CP1eに基づいて推定することができる。なお、本実施形態では、330°CAから390°CAの間の筒内圧CP1eを、測定不可能領域Yに入る直前に測定された筒内圧CP1eにより補完するようにしている。なお、測定不可能領域Yにおける筒内圧の補完には、直前データを用いる方法や、予め定められたデータを用いる方法やなど、各種の補完方法を用いることができる。
(作用)
内燃機関11の圧縮膨張行程において、燃焼室14の容量が最小になって燃焼室14内の圧力が高圧になるととともに、燃焼により温度が高温になるとき、ピストン13は、筒内圧力センサ45Aを覆うことにより、筒内圧力センサ45Aを燃焼室14内の高圧から一時的に隔離させる。これにより筒内圧力センサ45Aは燃焼室内の高温や高圧、特に高温や高圧のピークを避けることができるようになる。すなわち、筒内圧力センサ45Aは高温や高圧に曝される機会が減少するようになる。これにより、精度の高い筒内圧力センサ45Aを気筒に12に設けて筒内圧を測定することができるようになるため、測定された筒内圧から推定される吸気圧や排気圧をより高い精度で推定することができるようになる。
以上説明したように、本実施形態の内燃機関の状態推定装置によれば、先の第1の実施形態で記載した効果(1)及び(2)に加え、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(4)内燃機関11の圧縮膨張行程において、燃焼により燃焼室14が高温・高圧になる、つまり燃焼室14の容量が最小になるとき、筒内圧力センサ45Aがピストン13によって覆われることにより燃焼室14から一時的に隔離される。これにより筒内圧力センサ45Aは燃焼室14内の高温や高圧、特に高温や高圧のピークを避けることができるようになる。すなわち、筒内圧力センサ45Aが高温・高圧に曝される機会を減少させることができる。これにより筒内圧力センサ45Aの耐圧を下げることができるようにもなる。通常、筒内圧力センサ45Aの測定範囲と耐圧とは比例関係にあるため、耐圧の高いセンサは測定範囲が広い一方で測定精度は低くなってしまうが、耐圧を低くすることで測定範囲を狭くして吸気圧や排気圧などの推定に必要な測定範囲における測定精度を高くすることができるようにもなる。なお、この場合、吸気圧や排気圧などを推定する範囲において、筒内圧力センサ45Aが圧力を測定できない範囲が生じるものの、そのような測定できない範囲があまり広範囲でなければ、その測定できない範囲の圧力を直前の測定圧力に維持するなどの各種の補完処理により補完するようにしてもよい。これにより、内燃機関11の状態推定装置に採用する筒内圧力センサ45Aの耐圧を低くすることによるコスト低減や、高圧による故障が抑制されることなどによる信頼性の維持、筒内圧力センサ45Aの取り付け位置の設計自由度の向上などが図られるようになる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、例えば以下のような態様にて実施することもできる。
・上記各実施形態の内燃機関としては、ガソリン機関やディーゼル機関などが好適である。これにより、内燃機関の状態推定装置の適用範囲の拡大が図られる。
・上記各実施形態の内燃機関には、排気再循環装置(EGR装置)が設けられていてもよい。例えば、図10に示すように、EGR装置が設けられた内燃機関11は、吸気通路21には、図示しないスロットルモータによって開度が調整されるスロットルバルブ20Aにより燃焼室14に供給される吸気の量を調整する。また、吸気通路21には、吸気ポート21aに燃料を噴射する燃料噴射弁15が設けられている。さらに吸気通路21においてスロットルバルブ20Aの下流側には、排気通路23を流れる排気の一部を吸気通路21に導入するための排気還流通路33の一方の端部が接続されている。また、排気還流通路33には、この排気還流通路33を流れる排気の流量を調整する排気還流弁35と吸気通路21に還流される排気を冷却するEGRクーラ36とが設けられている。一方、排気通路23には、排気浄化装置28が設けられている。排気浄化装置28には排気に含まれる炭化水素HC、一酸化炭素CO、窒素酸化物NOxを清浄化する三元触媒が担持されている。また、排気通路23において、排気浄化装置28の上流側の部位には排気還流通路33の他方の端部が接続されている。そして、排気還流通路33に設けられる排気還流弁35が開弁している状態になると、排気通路23における排気浄化装置28の上流側の排気が該排気還流通路33を通じて吸気通路21に還流される。
一般に、EGR装置が設けられた内燃機関11は、吸気に還流させる排気である外部EGR量を排気圧、吸気圧、排気温度、及び排気還流弁35開度から算出するが、同算出に推定された吸気圧や排気圧を用いることができる。また、EGR装置が設けられた内燃機関11は、吸気圧や排気圧に脈動が生じやすくなるなど、吸気圧や排気圧の変動が大きくなる傾向にあるが、筒内圧力センサ45の検出値に基づいて吸気圧や排気圧を推定することにより、圧力センサの数を減らしても排気還流弁35開度の調整を含む機関制御を好適に行うことができるようにもなる。
・上記第1の実施形態では、筒内圧力センサ45が気筒12を形成するシリンダの側面に設けられている場合について例示した。しかしこれに限らず、筒内圧力センサは、筒内圧測定が可能であれば、シリンダの上面側、例えばシリンダヘッド等、シリンダの側面以外の位置に設けられていてもよい。これにより、筒内圧力センサの配置位置の自由度が高められ、この内燃機関の状態推定装置の適用可能性の向上が図られるようになる。
・上記第1の実施形態では、複数の吸入行程I1,I2,I3や複数の排気行程E1,E2,E3を1サイクル(720°CA)中にそれぞれ240°CAの等間隔で配置している場合について例示した。しかしこれに限らず、複数の吸入行程または複数の排気行程を1サイクル中に等間隔で配置していなくてもよい。これにより、内燃機関の状態推定装置の適用可能性の拡大が図られるようになる。
・上記第1の実施形態では、第2又は第3の吸入行程I2,I3における吸気圧を第1の吸入行程I1に対応する気筒12の燃焼室14内の筒内圧に基づいて推定する場合について例示した。しかしこれに限らず、第1〜第3の吸入行程に対応する吸気通路の吸気圧は相互に類似していることから、第2の吸入行程I2に対応する気筒の燃焼室内で測定された圧力に基づいて第1又は第3の吸入行程における吸気圧を推定してもよい。又は、第3の吸入行程I3に対応する気筒の燃焼室内で測定された圧力に基づいて第1又は第2の吸入行程における吸気圧を推定してもよい。
・上記第1の実施形態では、第2又は第3の排気行程E2,E3における排気圧を第1の排気行程E1に対応する気筒12の燃焼室14内の筒内圧に基づいて推定する場合について例示した。しかしこれに限らず、第1〜第3の排気行程に対応する排気通路の排気圧は相互に類似していることから、第2の排気行程E2に対応する気筒の燃焼室内で測定された圧力に基づいて第1又は第3の排気行程における排気圧を推定してもよい。又は、第3の排気行程E3に対応する気筒の燃焼室内で測定された圧力に基づいて第1又は第2の排気行程における排気圧を推定してもよい。
・上記第1の実施形態では、3つの気筒に接続された吸気通路21の吸気圧や排気通路23に接続された排気圧を、1つ気筒の筒内圧CPの繰り返しであることに基づいて推定したが、このような推定は行わなくてもよい。例えば、各気筒に筒内圧力センサを設けるようにすれば、各気筒の吸入行程及び排気行程において各気筒の筒内圧力センサに基づいて吸気圧や排気圧を推定することができるようになる。
・上記第各実施形態では、各気筒12に筒内圧力センサ45,45Aが設けられている場合について例示した。しかし、これに限らず、多気筒の場合、吸気通路を共有する気筒の一部である、例えば1つの気筒からなる代表する気筒に筒内圧力センサを設けるようにしてもよい。この場合、代表する気筒の吸入行程において同気筒の筒内圧力センサから推定される吸気圧を、他の気筒の吸入行程における吸気圧として推定すればよい。同様に、多気筒の場合、排気通路を共有する気筒の一部である、例えば1つの気筒からなる代表する気筒に筒内圧力センサを設けるようにするようにしてもよい。この場合、代表する気筒の排気行程において同気筒の筒内圧力センサから推定される排気圧を、他の気筒の排気行程における排気圧として推定すればよい。これにより、吸気圧や排気圧を測定する圧力センサだけでなく、内燃機関に設ける筒内圧力センサの数をより一層減少させることができるようになる。
・上記各実施形態では、推定した吸気圧や排気圧を機関制御に用いる場合について例示した。しかしこれに限らず、吸気圧及び排気圧は上述の他の機関制御やその他の制御などに用いてもよい。例えば、内燃機関に過給機であるターボチャージャーが設けられている場合、筒内圧に基づいて推定された吸気圧や排気圧に基づいてターボチャージャー流量を算出するようにしてもよい。また、筒内圧に基づいて推定された排気圧に基づいて排気通路に設けられている排気成分を浄化する触媒の詰まりを判定するようにしてもよい。さらに、筒内圧に基づいて推定された排気圧に基づいて排気通路に設けられた、排気中の微粒子物質(PM)を集塵するディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)の詰まりを判定するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、内燃機関11は燃焼室14に吸入空気と噴射燃料とからなる混合気が吸入される、いわゆるポート噴射である場合について例示したが、これに限らず、内燃機関は燃焼室内に直接燃料が噴射される、いわゆる直噴であっても、ポート噴射と直噴との組み合わせであってもよい。これにより、この内燃機関の状態推定装置の適用範囲の拡大が図られるようになる。
・上記各実施形態では、内燃機関は、V型6気筒機関である場合について例示したがこれに限らず、内燃機関は、気筒の数が単気筒であっても、2,3,4,5気筒や6気筒より多い多気筒であってもよい。また、気筒配列が直列型、並列型及び水平対向型などV型以外の配列であってもよい。これにより、内燃機関の気筒数や気筒配列にかかわらず、吸気圧や排気圧を測定する圧力センサを減少させることができることなどから、この内燃機関の状態推定装置の適用範囲の拡大が図られるようになる。
例えば、直列多気筒機関であれば、複数の気筒のうちの一つを代表する気筒として、同代表する気筒の筒内圧力センサを吸気圧や排気圧の推定に用いたり、代表する気筒にのみ筒内圧力センサを設けるようにしてもよい。これにより、内燃機関の気筒数や気筒配列にかかわらず、この内燃機関の状態推定装置は、気筒に設ける気筒内圧力センサを減少させることもできるようになる。
11…内燃機関、12…気筒、13…ピストン、14…燃焼室、15…燃料噴射弁、16…点火プラグ、20A…スロットルバルブ、21…吸気通路、21a…吸気ポート、22…吸気バルブ、23…排気通路、23a…排気ポート、24…排気バルブ、26…吸気カムシャフト、27…排気カムシャフト、28…排気浄化装置、31…クランクシャフト、33…排気還流通路、35…排気還流弁、36…EGRクーラ、41…ECU(電子制御ユニット)、42…クランクポジションセンサ、43…吸気カムポジションセンサ、44…排気カムポジションセンサ、45,45A…筒内圧力センサ、46…シフトポジションセンサ、47…アクセルポジションセンサ、48…ブレーキセンサ、49…車速センサ、P0…大気圧、BDC…下死点、TDC…上死点。

Claims (5)

  1. 気筒内の圧力を測定する筒内圧力センサを備え、
    当該気筒の吸気ポートを開閉する吸気弁、及び当該気筒の排気ポートを開閉する排気弁の開弁期間中における前記筒内圧力センサの検出値に基づいて、内燃機関の吸気圧及び排気圧の少なくとも一方を機関状態として推定するものであって、
    前記筒内圧力センサの検出値に基づく圧力波形の繰り返し特性を利用して、前記吸気圧及び排気圧の少なくとも一方の任意の期間の圧力を機関状態として推定する
    ことを特徴とする内燃機関の状態推定装置。
  2. 前記筒内圧力センサは、気筒を形成するシリンダ側面にあって、ピストンの上死点よりも燃焼室よりの位置に配置されている
    請求項記載の内燃機関の状態推定装置。
  3. 前記筒内圧力センサは、気筒を形成するシリンダ側面にあって、ピストンが上死点に到達したときにピストンによって覆われる位置に配置されている
    請求項記載の内燃機関の状態推定装置。
  4. 前記内燃機関はV型多気筒機関であり、前記筒内圧力センサは、バンク別に、代表する一つの気筒に対して設けられている
    請求項1〜のいずれか一項に記載の内燃機関の状態推定装置。
  5. 前記内燃機関は直列多気筒機関であり、前記筒内圧力センサは、代表する一つの気筒に対して設けられている
    請求項1〜のいずれか一項に記載の内燃機関の状態推定装置。
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