JP4710729B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
自動車、特にディーゼル車に対する排ガス規制が年を追うごとに強化されている。この規制をクリアするため、NOx触媒、DPF(Diesel Particulate Filter)、DPNR(Diesel Particulate-NOx-Reduction system)などの排ガス後処理装置が利用されている。更に、そのような排ガス後処理装置の入口における排気ガス、つまりディーゼルエンジンから排出されたままの状態の排気ガス中のNOx、スモーク、HC等の有害成分をより一層低減することも要求されている。
ディーゼルエンジンから排出される有害成分を低減するためには、燃焼の状態を高精度に制御することが重要である。燃焼の状態を左右する重要な因子は、スワール比、筒内空気量、空燃比等である。これらの因子に目標値からのずれが少しでも生ずると、有害成分が急増したり、燃焼騒音が大きくなったりする。このため、これらの因子をより高い精度で制御することが要求されている。
特開2000−192820号公報には、運転状態に応じて最適スワール比を求め、筒内がそのスワール比となるように、複数の吸気弁の開閉時期を制御する制御装置が開示されている。
特開2000−192820号公報 特開平10−141069号公報 特開2001−20763号公報 特開2005−69074号公報 特開平8−260925号公報 特開平9−88615号公報
ところで、多気筒エンジンにおいては、各気筒のスワール比、筒内空気量、空燃比等に多少のバラツキが存在することが普通である。このバラツキの存在のため、スワール比、筒内空気量、空燃比等は、気筒毎に見ると、多少なりとも目標値からずれた値になっていることになる。よって、スワール比、筒内空気量、空燃比等の気筒間でのバラツキを少なくすることができれば、排気ガス中の有害成分や燃焼騒音を低減できることになる。
しかしながら、上記従来の技術では、実際のスワール比を気筒毎に検出あるいは推定することはできない。このため、全気筒一律にオープンループ制御をしているのみである。よって、気筒間でのスワール比等のバラツキを修正可能とするものではない。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、スワール比の低下している気筒を精度良く判定することができ、排気ガス中の有害成分や燃焼騒音の低減に寄与することのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
複数気筒を有する内燃機関の吸気ポート内の流れを各気筒毎に抑制可能な吸気ポート流抑制手段と、
吸気ポート内の流れが何れの気筒でも抑制されていない状態での前記内燃機関の吸入空気量である基準吸入空気量を、所定の運転条件の下で検出する基準吸入空気量検出手段と、
前記複数気筒のうちの一つの気筒の吸気ポート内の流れが抑制されている状態での前記内燃機関の吸入空気量である一気筒除外吸入空気量を、前記所定の運転条件の下で、各気筒について検出する一気筒除外吸入空気量検出手段と、
前記基準吸入空気量と、前記一気筒除外吸入空気量との差である気筒別吸入空気量低減量を各気筒について算出する算出手段と、
前記気筒別吸入空気量低減量が大きい気筒ほど、スワール比が低下している気筒であると判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
スワール比を気筒毎に独立して向上させるスワール比向上手段と、
スワール比が低下していると判定された気筒のスワール比が向上するように、前記スワール比向上手段を制御するスワール制御手段と、
を更に備えることを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、
前記スワール制御手段は、スワール比が低下していると判定された気筒のスワール比が、前記気筒別吸入空気量低減量が小さい気筒のスワール比と揃うように、前記スワール比向上手段を制御することを特徴とする。
また、第4の発明は、内燃機関の制御装置であって、
複数気筒を有し、1気筒当たり複数の吸気ポートを備えた内燃機関の吸気ポート内の流れを各吸気ポート毎に抑制可能な吸気ポート流抑制手段と、
吸気ポート内の流れが何れの吸気ポートでも抑制されていない状態での前記内燃機関の吸入空気量である基準吸入空気量を、所定の運転条件の下で検出する基準吸入空気量検出手段と、
全吸気ポートのうちの一つの吸気ポート内の流れが抑制されている状態での前記内燃機関の吸入空気量である一ポート除外吸入空気量を、前記所定の運転条件の下で、各吸気ポートについて検出する一ポート除外吸入空気量検出手段と、
前記基準吸入空気量と、前記一ポート除外吸入空気量との差であるポート別吸入空気量低減量を各吸気ポートについて算出する算出手段と、
各吸気ポートの前記ポート別吸入空気量低減量に基づいて、スワール比が低下している気筒を判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第5の発明は、第4の発明において、
吸気ポート内の流量を吸気ポート毎に独立して可変とする吸気ポート流可変手段と、
スワール比が低下していると判定された気筒のスワール比が向上するように、前記吸気ポート流可変手段を制御するスワール制御手段と、
を更に備えることを特徴とする。
また、第6の発明は、第5の発明において、
前記スワール制御手段は、各吸気ポートの前記ポート別吸入空気量低減量に基づいて、各気筒の同じ吸気ポートからの空気流入量が気筒間で揃うように、前記吸気ポート流可変手段を制御することを特徴とする。
また、第7の発明は、第1乃至第6の発明の何れかにおいて、
前記内燃機関は、1気筒当たり複数の吸気ポートを備え、その複数の吸気ポートのうちの少なくとも一つがヘリカルポートであることを特徴とする。
また、第8の発明は、第1乃至第7の発明の何れかにおいて、
前記所定の運転条件は、前記内燃機関が減速状態にあることを含むことを特徴とする。
また、第9の発明は、第1乃至第8の発明の何れかにおいて、
前記内燃機関の吸気通路に設けられた吸気絞り弁と、
前記内燃機関の排気通路と吸気通路とを接続するEGR通路と、
前記EGR通路に設けられたEGR弁と、
を更に備え、
前記所定の運転条件は、前記吸気絞り弁が全開であり、前記EGR弁を全閉であることを含むことを特徴とする。
第1の発明によれば、複数気筒のうちの一つの気筒の吸気ポート内の流れが抑制されている状態での吸入空気量、すなわち一気筒除外吸入空気量を各気筒について検出することができる。そして、その一気筒除外吸入空気量を基準吸入空気量から差し引くことにより、気筒別吸入空気量低減量を各気筒について算出することができる。そして、第1の発明によれば、この気筒別吸入空気量低減量が大きい気筒ほど、スワール比が低下している気筒であると判定することができる。このため、スワール比の気筒間バラツキを精度良く検出することができる。
第2の発明によれば、スワール比が低下していると判定された気筒のスワール比が向上するように、スワール比を気筒毎に独立して向上させることができる。このため、各気筒のスワール比を均一化し、目標とするスワール比に近づけることができる。その結果、各気筒の燃焼状態を理想的な状態に近づけることができる。よって、NOx、スモークなどの排出量や、燃焼騒音を有効に低減することができる。
第3の発明によれば、スワール比が低下していると判定された気筒のスワール比が、気筒別吸入空気量低減量が小さい気筒のスワール比と揃うように制御することができる。このため、各気筒のスワール比を高いレベルに揃えることができ、NOx、スモークなどの排出量や、燃焼騒音を更に少なくすることができる。
第4の発明によれば、1気筒当たり複数の吸気ポートを備えた内燃機関において、全吸気ポートのうちの一つの吸気ポート内の流れが抑制されている状態での吸入空気量、すなわち一ポート除外吸入空気量を各吸気ポートについて検出することができる。そして、その一ポート除外吸入空気量を基準吸入空気量から差し引くことにより、ポート別吸入空気量低減量を各吸気ポートについて算出することができる。各吸気ポートのポート別吸入空気量低減量が分かれば、各気筒のスワール比を精度良く知ることができる。このため、第4の発明によれば、スワール比が低下している気筒を正確に判定することができる。このため、スワール比の気筒間バラツキを精度良く検出することができる。
第5の発明によれば、スワール比が低下していると判定された気筒のスワール比が向上するように、吸気ポート内の流量を吸気ポート毎に独立に制御することができる。このため、各気筒のスワール比を均一化し、目標とするスワール比に近づけることができる。その結果、各気筒の燃焼状態を理想的な状態に近づけることができる。よって、NOx、スモークなどの排出量や、燃焼騒音を有効に低減することができる。
第6の発明によれば、各吸気ポートのポート別吸入空気量低減量に基づいて、各気筒の同じ吸気ポートからの空気流入量が気筒間で揃うように、吸気ポート毎の流量を独立に制御することができる。このため、各気筒のスワール比をより高い精度で均一化することができる。
第7の発明によれば、1気筒の複数の吸気ポートのうちの少なくとも一つがヘリカルポートであるので、スワールを効率良く形成することができる。このため、上記効果をより顕著に発揮させることができる。
第8の発明によれば、内燃機関が減速状態にあるときに、気筒別吸入空気量低減量またはポート別吸入空気量低減量を求めることができる。このため、吸気ポート内の流れを抑制することによる弊害、例えば出力の変動などが生ずることを確実に防止することができる。
第9の発明によれば、気筒別吸入空気量低減量またはポート別吸入空気量低減量を求める際に、吸気絞り弁を全開とし、EGR弁を全閉とすることができる。このため、吸入空気量検出手段の検出精度を高めることができ、また、EGRが吸入空気量に及ぼす影響を回避することができる。よって、気筒別吸入空気量低減量あるいはポート別吸入空気量低減量をより高い精度で求めることができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。図1に示すシステムは、4サイクルのディーゼルエンジン10を備えている。ディーゼルエンジン10は、車両に搭載され、その動力源とされているものとする。本実施形態のディーゼルエンジン10は、#1〜#4の4つの気筒を有する直列4気筒型であるものとするが、本発明におけるディーゼルエンジンの気筒数および気筒配置はこれに限定されるものではない。
以下、本実施形態では、本発明をディーゼルエンジン(圧縮着火内燃機関)の制御に適用した場合について説明するが、本発明は、ディーゼルエンジンの制御に限定されるものではなく、ガソリンエンジン等の火花点火内燃機関を始め、各種の内燃機関の制御に適用することが可能である。
ディーゼルエンジン10の各気筒には、燃料を筒内に直接噴射するインジェクタ12が設置されている。各気筒のインジェクタ12は、共通のコモンレール14に接続されている。図示しない燃料タンク内の燃料は、サプライポンプ16によって所定の燃圧まで加圧されて、コモンレール14内に蓄えられ、コモンレール14から各インジェクタ12に供給される。
ディーゼルエンジン10の排気通路18は、排気マニホールド20により枝分かれして、各気筒の排気ポート22(図2参照)に接続されている。本実施形態のディーゼルエンジン10は、ターボ過給機24を備えている。排気通路18は、ターボ過給機24の排気タービンに接続されている。
排気通路18の、ターボ過給機24より下流側には、排気ガスを浄化する排気浄化装置26が設けられている。排気浄化装置26としては、例えば、酸化触媒、吸蔵還元型または選択還元型のNOx触媒、DPF(Diesel Particulate Filter)、DPNR(Diesel Particulate-NOx-Reduction system)のうちの一つ、またはこれらの組み合わせなどを用いることができる。
ディーゼルエンジン10の吸気通路28の入口付近には、エアクリーナ30が設けられている。エアクリーナ30を通って吸入された空気は、ターボ過給機24の吸気圧縮機で圧縮された後、インタークーラ32で冷却される。インタークーラ32を通過した吸入空気は、吸気マニホールド34により、各気筒の吸気ポート35(図2参照)に分配される。
吸気通路28の、インタークーラ32と吸気マニホールド34との間には、吸気絞り弁36が設置されている。また、吸気通路28の、エアクリーナ30の下流近傍には、吸入空気量を検出するエアフローメータ38が設置されている。
吸気通路28の吸気マニホールド34の近傍には、外部EGR通路40の一端が接続されている。外部EGR通路40の他端は、排気通路18の排気マニホールド20近傍に接続されている。本システムでは、この外部EGR通路40を通して、排気ガス(既燃ガス)の一部を吸気通路28に還流させること、つまり外部EGR(Exhaust Gas Recirculation)を行うことができる。
外部EGR通路40の途中には、外部EGRガスを冷却するためのEGRクーラ42が設けられている。外部EGR通路40におけるEGRクーラ42の下流には、EGR弁44が設けられている。このEGR弁44の開度を変えることにより、外部EGR通路40を通る排気ガス量、すなわち外部EGR量を調整することができる。
そして、本実施形態のシステムは、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ48と、ECU(Electronic Control Unit)50とを更に備えている。ECU50には、上述した各種のセンサおよびアクチュエータが接続されている。ECU50は、各センサの出力に基づき、所定のプログラムに従って各アクチュエータを作動させることにより、ディーゼルエンジン10の運転状態を制御する。
図2は、図1に示すシステムにおけるディーゼルエンジン10の一つの気筒の断面を示す図である。以下、ディーゼルエンジン10について更に説明する。図2に示すように、ディーゼルエンジン10のクランク軸60の近傍には、クランク軸60の回転角度を検出するクランク角センサ62が取り付けられている。このクランク角センサ62は、ECU50に接続されている。クランク角センサ62によれば、機関回転速度(例えば機関回転数Ne)を検出することができる。
本実施形態において、ディーゼルエンジン10には、吸気弁52が1気筒当たり二つ備えられているものとする。そして、ディーゼルエンジン10には、吸気弁52の作用角を連続的に可変とする吸気可変動弁機構54が設けられている。吸気可変動弁機構54は、ECU50に接続されている。吸気可変動弁機構54の具体的構成は、特に限定されず、機械的な機構であっても、電磁駆動弁や油圧駆動弁などであってもよい。
本実施形態の吸気可変動弁機構54は、吸気弁52の作用角と共に、リフト量をも変化させるものであるが、以下の説明では、簡略化のため、リフト量についての記載を省略する。また、吸気可変動弁機構54は、吸気弁52の作用角をそのままで、リフト量のみを可変とするものであってもよい。
また、図2に示す構成では、排気弁56側にも、排気可変動弁機構58が備えられている。但し、本実施形態では、排気可変動弁機構58は、なくてもよい。つまり、通常の動弁機構で排気弁56を駆動するようになっていてもよい。
[実施の形態1の特徴]
本実施形態のディーゼルエンジン10における吸気可変動弁機構54は、吸気弁52の作用角を気筒毎に独立に変化させることができるものとする。また、吸気可変動弁機構54は、同一気筒の二つの吸気弁52についても、それらの作用角を各々独立に変化させることができるものとする。更に、吸気可変動弁機構54は、任意の気筒の吸気弁52に対し、その作動を休止させて閉状態に保持することもできる。この場合、吸気可変動弁機構54は、同一気筒の両方の吸気弁52の作動を休止させることも、何れか一方の吸気弁52の作動を休止させることもできるものとする。
図3は、ディーゼルエンジン10の吸気ポートを説明するための模式的な平面図である。同図に示すように、ディーゼルエンジン10の各気筒には、それぞれ、ヘリカルポート35aとタンジェンシャルポート35bとの二つの吸気ポート35が設けられている。ヘリカルポート35aおよびタンジェンシャルポート35bは、別々の吸気弁52により開閉される。ヘリカルポート35aは、空気を螺旋状に旋回させながら、筒内へ流入させる。つまり、ヘリカルポート35aは、スワール比の大きい吸気ポート35である。一方、タンジェンシャルポート35bは、シリンダボアの接線方向に向けて空気を流入させる。このタンジェンシャルポート35bは、ヘリカルポート35aと比べ、スワール比は小さいが、より多くの空気を筒内に流入させることのできる吸気ポート35である。ここで、スワール比とは、空気の旋回速度と機関回転数との比として定義されるものであり、筒内(燃焼室内)に生ずるスワール(空気の回転運動)の強さを表す指標となるものである。
ディーゼルエンジン10において、スモークやNOxなどの有害成分の排出量を低減したり、燃焼騒音を抑制したりするためには、燃焼の状態を適切に管理することが重要である。そのためには、スワール比、筒内空気量、空燃比等の、燃焼状態を左右する因子が、運転条件に応じた適切な値になるように、精度良く制御することが重要である。以下に説明するように、本実施形態のディーゼルエンジン10では、同一気筒の二つの吸気弁52の作用角を独立に変化させることにより、スワール比を高い自由度で変化させることができる。このことは、最適な燃焼状態を得る上で、極めて有用である。
(片弁閉じ制御)
吸気可変動弁機構54によれば、前述したように、各気筒の二つの吸気弁52のうちの片方のみを閉状態で停止させることができる。このような制御を以下「片弁閉じ制御」と称する。片弁閉じ制御を行うと、一方の吸気ポート35のみから筒内に空気が流入する。このため、その吸気ポート35により形成されたスワールが、他方の吸気ポート35からの空気の流れによって相殺されることがなくなるので、スワールを効率良く形成することができる。この場合、二つの吸気弁52のうちの何れを停止することとしてもよいが、本実施形態では、ヘリカルポート35a側の吸気弁52を停止し、タンジェンシャルポート35b側の吸気弁52のみを作動させることとする。
図4は、片弁閉じ制御において作動を続ける方の吸気弁52のリフト特性を示す図である。図4中の破線は、基本のリフト特性を示している。これに対し、図4中の実線は、開きタイミングを遅らせるとともに閉じタイミングを早くした場合、つまり、作用角を小さくした場合のリフト特性を示している。吸気弁52の作用角を小さくするほど、吸気弁52が開いたときに空気が一気に筒内に流入するので、吸気弁52の周囲の流速が高くなる。このため、片弁閉じ制御時には、作動を続ける方の吸気弁52(本実施形態ではタンジェンシャルポート35b側の吸気弁52)の作用角を小さくするほど、スワール比を大きくすることができる。
ディーゼルエンジン10では、低負荷域において最適な燃焼状態を得る上で、高いスワール比が要求されているものとする。そこで、本実施形態では、所定の低負荷域において、上記の片弁閉じ制御が行われるものとする。
一方、中高負荷域においては、多くの筒内空気量が必要とされる。このため、本実施形態では、上記所定の低負荷域を超える中高負荷域においては、両方の吸気弁52を作動させることとしている。この制御を以下「両弁制御」と称する。
(両弁制御)
前述したように、ディーゼルエンジン10では、同一気筒の二つの吸気弁52の作用角をそれぞれ独立に変化させることができる。そして、吸気弁52の作用角が大きいほど、その吸気ポート35を通って筒内に流入する空気量が多くなる。このため、両弁制御時には、ヘリカルポート35a側の吸気弁52の作用角を大きくし、タンジェンシャルポート35b側の吸気弁52の作用角を小さくすると、ヘリカルポート35aを通って筒内に流入する空気の割合が多くなる。よって、スワール比を大きくすることができる。
さて、ディーゼルエンジン10のような多気筒エンジンでは、一般に、各気筒を完全に同じ状態とすることは困難であるため、気筒間にバラツキが存在するのが普通である。このため、各気筒のスワール比についても、正確に等しくはなっておらず、バラツキが存在する。他の気筒に比べてスワール比が低くなっている気筒では、燃焼状態が最適な状態にならないため、スモークやNOxの排出量が増大したり、燃焼騒音が大きくなったりし易い。そこで、本実施形態では、スワール比の低下している気筒を以下のような方法で検出することとした。そして、スワール比が低下していると判定された気筒のスワール比が適正な値となるように、吸気可変動弁機構54の作動を制御することとした。
(スワール比低下気筒の検出方法)
各気筒においては、スワール比が大きくなるほど、吸気系の流量係数(空気の流れ易さ)は小さくなる。逆に、スワール比が小さいほど、流量係数は大きくなる。よって、スワール比の小さい気筒ほど、筒内に流入する空気量が多くなっているはずである。そこで、筒内に流入する空気量を気筒毎に測定することができれば、各気筒のスワール比の大小を判定することができる。ディーゼルエンジン10では、次のようにして、筒内に流入する空気量を気筒毎に測定することができる。
まず、所定の運転条件の下での吸入空気量をエアフローメータ38により計測する。以下、この計測値を基準吸入空気量Gaと称する。次に、#1気筒の吸気弁52の作動を休止させることにより、#1気筒内に空気が吸入されない状態とした上で、同じ運転条件の下での吸入空気量をエアフローメータ38により計測する。以下、この計測値を、#1気筒の一気筒除外吸入空気量Gaと称する。そして、基準吸入空気量Gaから#1気筒の一気筒除外吸入空気量Gaを減じた値ΔGaを算出する。つまり、下記式の演算を行う。
ΔGa=Ga−Ga
上記式で算出される値ΔGaを、以下、#1気筒の気筒別吸入空気量低減量ΔGaと称する。このようにして求められた#1気筒の気筒別吸入空気量低減量ΔGaは、#1気筒に流入する空気量、またはそれと相関する値であると言える。そこで、他の#2〜#4気筒についても、同様にして気筒別吸入空気量低減量ΔGaを求め、各気筒の気筒別吸入空気量低減量ΔGaを比較する。その比較において、気筒別吸入空気量低減量ΔGaが大きい気筒ほど、スワール比が低下しているものと判定することができる。
前述したように、本実施形態では、吸気弁52の作用角を変化させることにより、スワール比を気筒毎に調整することができる。そこで、本実施形態では、上記の方法によってスワール比の低下している気筒が検出された場合には、その気筒のスワール比が向上するように吸気弁52の作用角を調整することとした。これにより、各気筒のスワール比を均一化することができる。その結果、各気筒の燃焼状態を目標とする状態に精度良く一致させることができ、NOxやスモークの排出量を低減したり、燃焼騒音を抑制したりすることができる。
[実施の形態1における具体的処理]
図5は、上記の原理に基づいて、スワール比が低下している気筒を検出するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。なお、本ルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行されるものとする。
図5に示すルーチンによれば、まず、ディーゼルエンジン10が減速状態にあるか否かが判別される(ステップ100)。本実施形態では、スワール比低下気筒の検出を、ディーゼルエンジン10の減速時に行うこととしている。出力が要求されない減速時であれば、一つの気筒への空気の流入を停止させたとしても、出力が変動することで運転者に違和感を感じさせるなどの弊害が生ずることを確実に防止することができる。上記ステップ100では、具体的には、アクセル開度がゼロであり、かつ、機関回転数Neが所定範囲内(N>Ne>N)にある場合に、減速中であると判別される(図6参照)。減速中でないと判別された場合には、今回の処理サイクルがそのまま終了される。
また、本実施形態では、スワール比低下気筒の検出を、吸気絞り弁36が全開、EGR弁44が全閉の状態で行うこととしている。そこで、上記ステップ100で、ディーゼルエンジン10が減速中であると判別された場合には、次に、吸気絞り弁36が全開にされ、EGR弁44が全閉とされる(ステップ102)。吸気絞り弁36を全開にすると、吸入空気量が多くなるので、エアフローメータ38の検出精度を高めることができる。また、EGR弁44を全閉とすることにより、EGR量の変動によって吸入空気量が変動することを防止することができる。これらのことから、本実施形態では、各気筒の気筒別吸入空気量低減量をより高い精度で計測することができる。よって、各気筒のスワール比をより高い精度で判別することができる。
続いて、変数cの値がゼロであるか否かが判別される(ステップ104)。変数cの初期値はゼロとされている。このため、始めはこのステップ104の判断が肯定される。次いで、機関回転数Neが所定の計測時回転数Nに一致しているか否かが判別される(ステップ106)。ここで、計測時回転数Nは、図6に示すように、N>N>Nなる値である。機関回転数Neが未だNにまで下がっていない場合には、上記ステップ106の判断が否定され、今回の処理サイクルがそのまま終了される。
そして、本ルーチンの処理が繰り返し実行されている間に、機関回転数Neが下がっていくと、NeがNに一致する状態が訪れる。すると、上記ステップ106において、Ne=Nの成立が認められる。この場合には、その瞬間のエアフローメータ38による計測値が基準吸入空気量Gaとして記憶される(ステップ108)。ステップ108では、更に、変数cに1を加算する処理(c=c+1)が行われ、cの値が1に更新される。そして、今回の処理サイクルが終了される。
次回にディーゼルエンジン10が減速状態になったときに本ルーチンが実行された場合には、c=1となっているので、上記ステップ100〜102の処理を経た後、上記ステップ104の判断が否定される。この場合には、次に、変数cが1であるか否かが判別される(ステップ110)。この判断が肯定された場合には、まず、#1気筒の吸気弁52の作動が停止(休止)される(ステップ112)。そして、機関回転数Neが計測時回転数Nに一致するのを待って(ステップ114)、エアフローメータ38により吸入空気量が計測され、その計測値Gaが#1気筒の一気筒除外吸入空気量Gaとして記憶される(ステップ116)。また、このステップ116では、基準吸入空気量Gaから、#1気筒の一気筒除外吸入空気量Gaを減ずることにより、#1気筒の気筒別吸入空気量低減量ΔGaが算出される。つまり、下記式の演算が行われる。
ΔGa=Ga−Ga
更に、上記ステップ116では、変数cに1が加算され、cの値が2に更新される。その後、#1気筒の吸気弁52の停止が解除される(ステップ118)。つまり、#1気筒の吸気弁52の動作が再開される。そして、今回の処理サイクルが終了される。以下、同様にして、#2〜#4の各気筒についても、気筒別吸入空気量低減量ΔGaを求める処理が行われる。
すなわち、次回にディーゼルエンジン10が減速状態になったときに本ルーチンが実行された場合には、c=2となっているので、ステップ120の判断が肯定され、次いで、#2気筒の吸気弁52の作動が停止される(ステップ122)。そして、機関回転数Neが計測時回転数Nに一致するのを待って(ステップ124)、エアフローメータ38により吸入空気量が計測され、その計測値Gaが#2気筒の一気筒除外吸入空気量Gaとして記憶される(ステップ126)。また、このステップ126では、#2気筒の気筒別吸入空気量低減量ΔGaが下記式により算出される。
ΔGa=Ga−Ga
更に、上記ステップ126では、変数cに1が加算され、cの値が3に更新される。その後、#2気筒の吸気弁52の停止が解除され(ステップ128)、今回の処理サイクルが終了される。
次回にディーゼルエンジン10が減速状態になったときに本ルーチンが実行された場合には、c=3となっているので、ステップ130の判断が肯定され、次いで、#3気筒の吸気弁52の作動が停止される(ステップ132)。そして、機関回転数Neが計測時回転数Nに一致するのを待って(ステップ134)、エアフローメータ38により吸入空気量が計測され、その計測値Gaが#3気筒の一気筒除外吸入空気量Gaとして記憶される(ステップ136)。また、このステップ136では、#3気筒の気筒別吸入空気量低減量ΔGaが下記式により算出される。
ΔGa=Ga−Ga
更に、上記ステップ136では、変数cに1が加算され、cの値が4に更新される。その後、#3気筒の吸気弁52の停止が解除され(ステップ138)、今回の処理サイクルが終了される。
次回にディーゼルエンジン10が減速状態になったときに本ルーチンが実行された場合には、c=4となっているので、ステップ140の判断が肯定され、次いで、#4気筒の吸気弁52の作動が停止される(ステップ142)。そして、機関回転数Neが計測時回転数Nに一致するのを待って(ステップ144)、エアフローメータ38により吸入空気量が計測され、その計測値Gaが#4気筒の一気筒除外吸入空気量Gaとして記憶される(ステップ146)。また、このステップ146では、#4気筒の気筒別吸入空気量低減量ΔGaが下記式により算出される。
ΔGa=Ga−Ga
その後、#4気筒の吸気弁52の停止が解除され(ステップ148)、今回の処理サイクルが終了される。
以上のようにして、#1〜#4の各気筒について、同じ運転条件の下での気筒別吸入空気量低減量ΔGa〜ΔGaを求めることができる。ディーゼルエンジン10においては、このようにして求められた気筒別吸入空気量低減量ΔGaが大きい気筒ほど、筒内空気量が多い、つまり、スワール比が小さいと判定することができる。
本実施形態では、上述した図5に示すルーチンの処理を、片弁閉じ制御の実行時と、両弁制御の実行時との双方について別々に行い、各々についての気筒別吸入空気量低減量ΔGa〜ΔGaを求めるものとする。
図7は、スワール比が低下していると判定された気筒のスワール比を向上させるために、本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。図7に示すルーチンによれば、まず、低負荷域にあるか中高負荷域にあるかが、アクセル開度に基づいて判別される(ステップ150)。低負荷域にあると判別された場合には、前述したように、各気筒の一方の吸気弁52を休止状態とする片弁閉じ制御が実行される(ステップ152)。この場合には、続いて、駆動されている方の吸気弁52に関して、気筒別吸入空気量低減量ΔGaが大きい気筒の吸気弁52の作用角が小さくなるように、吸気可変動弁機構54が制御される(ステップ154)。
なお、上記ステップ154の処理で参照される気筒別吸入空気量低減量ΔGa〜ΔGaの値は、片弁閉じ制御時用に求められた値であるものとする。
上記ステップ154の処理によれば、気筒別吸入空気量低減量ΔGaが大きい気筒、すなわちスワール比の小さい気筒の吸気弁52の作用角が、小さくなる方向に補正される。これにより、吸気弁52周りの流速が増大し、スワール比を大きくすることができる。その結果、ディーゼルエンジン10の状態を、各気筒のスワール比が等しくなる方向に移行させることができる。また、上記の処理によれば、気筒別吸入空気量低減量ΔGaが大きい気筒の筒内空気量を小さくすることができる。このため、ディーゼルエンジン10の状態を、各気筒の筒内空気量が等しくなる方向に移行させることができる。各気筒の燃料噴射量が同じであるとすると、各気筒の筒内空気量を等しくすることにより、各気筒の空燃比も等しくなる。このようなことから、上記ステップ154の処理によれば、各気筒のスワール比、筒内空気量および空燃比が等しくなる方向に補正することができる。このため、各気筒の燃焼状態を均一化し、理想的な燃焼状態に近づけることができる。このため、NOx、スモークなどの排出量や、燃焼騒音を有効に低減することができる。
また、本実施形態では、上記ステップ154において、気筒別吸入空気量低減量ΔGaが最も小さい気筒のスワール比、つまりスワール比が大きい気筒のスワール比に、他の気筒のスワール比が揃うように、各気筒の吸気弁52の作用角が制御されるものとする。すなわち、気筒別吸入空気量低減量ΔGaが最も小さい気筒と比べて、気筒別吸入空気量低減量ΔGaが大きい気筒ほど、吸気弁52の作用角の減少幅が大きくされるものとする。これにより、各気筒のスワール比を高いレベルに揃えることができる。よって、NOx、スモークなどの排出量や燃焼騒音を更に少なくすることができる。
一方、上記ステップ150において、中高負荷域にあると判別された場合には、前述したように、各気筒の両方の吸気弁52を作動させる両弁制御が実行される(ステップ156)。この場合には、続いて、気筒別吸入空気量低減量ΔGaが大きい気筒について、ヘリカルポート35a側の吸気弁52の作用角が小さく、タンジェンシャルポート35b側の吸気弁52の作用角が大きくなるように、吸気可変動弁機構54が制御される(ステップ158)。
なお、上記ステップ158の処理で参照される気筒別吸入空気量低減量ΔGa〜ΔGaの値は、両弁制御時用に求められた値であるものとする。
上記ステップ158の処理によれば、気筒別吸入空気量低減量ΔGaが大きい気筒、すなわちスワール比の小さい気筒において、ヘリカルポート35aからの流入量を増加させ、タンジェンシャルポート35bからの流入量を減少させるように補正することができる。これにより、ヘリカルポート35aからの流入割合が大きくなるので、スワール比を大きくすることができる。その結果、ディーゼルエンジン10の状態を、各気筒のスワール比が等しくなる方向に移行させることができる。また、上記の処理によれば、気筒別吸入空気量低減量ΔGaが大きい気筒において、空気の入り易いタンジェンシャルポート35bからの流入割合が小さくなるので、筒内空気量を小さくすることができる。このため、ディーゼルエンジン10の状態を、各気筒の筒内空気量が等しくなる方向に移行させることができる。これにより、各気筒の空燃比も等しくなる方向に移行する。このようなことから、上記ステップ158の処理によれば、各気筒のスワール比、筒内空気量および空燃比が等しくなる方向に補正することができる。このため、各気筒の燃焼状態を均一化し、理想的な燃焼状態に近づけることができる。このため、NOx、スモークなどの排出量や燃焼騒音を有効に低減することができる。
また、本実施形態では、上記ステップ158において、気筒別吸入空気量低減量ΔGaが最も小さい気筒のスワール比と、つまりスワール比が大きい気筒のスワール比に、他の気筒のスワール比が揃うように、各気筒の吸気弁52の作用角が制御されるものとする。すなわち、気筒別吸入空気量低減量ΔGaが最も小さい気筒と比べて、気筒別吸入空気量低減量ΔGaが大きい気筒ほど、ヘリカルポート35a側の吸気弁52の作用角の増大幅、および、タンジェンシャルポート35b側の吸気弁52の作用角の減少幅が大きくされるものとする。これにより、各気筒のスワール比を高いレベルに揃えることができる。よって、NOx、スモークなどの排出量や燃焼騒音を更に少なくすることができる。
なお、上述した実施の形態1においては、気筒別吸入空気量低減量ΔGaを求める際、その気筒の吸気弁52を完全に閉じることで、その気筒の吸気ポート35の流れを遮断することとしているが、本発明では、吸気ポート35の流れを完全には遮断せず、他の気筒よりも流量が少なくなるように抑制するだけにしてもよい。
また、上述した実施の形態1のディーゼルエンジン10の各気筒には、ヘリカルポート35aとタンジェンシャルポート35bとが設けられているものとして説明したが、各気筒の吸気ポート35の構成はこの構成に限定されるものではない。例えば、一つの気筒の二つの吸気ポートが両方ともヘリカルポートであってもよい。更に、一つの気筒の吸気ポートの数は、二つに限定されるものではなく、一つ、あるいは三つ以上であってもよい。
また、上述した実施の形態1においては、吸気可変動弁機構54が前記第1の発明における「吸気ポート流抑制手段」に相当している。また、ECU50が、上記ステップ100〜108の処理を実行することにより前記第1の発明における「基準吸入空気量検出手段」が、上記ステップ100,102,110〜118,120〜128,130〜138,140〜148の処理を実行することにより前記第1の発明における「一気筒除外吸入空気量検出手段」が、上記ステップ118,128,138および148の処理を実行することにより前記第1の発明における「算出手段」が、上記ステップ154および158の処理を実行することにより前記第1の発明における「判定手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、吸気可変動弁機構54が前記第2の発明における「スワール比向上手段」に相当している。また、ECU50が、図7のルーチンの処理を実行することにより前記第2および第3の発明における「スワール制御手段」が実現されている。
実施の形態2.
次に、図8を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。
[実施の形態2の特徴]
本実施形態は、両弁制御時におけるスワール比低下気筒の検出方法およびその補正方法が実施の形態1と異なる。本実施形態では、両弁制御時に、一つの気筒の二つの吸気弁52の作動を別々に停止させることにより、ヘリカルポート35aからの空気流入量と、タンジェンシャルポート35bからの空気流入量とを個別に計測することとした。以下、具体的に説明する。
まず、実施の形態1と同様にして、基準吸入空気量Gaを計測する。この基準吸入空気量Gaは、全気筒の全部の吸気ポート35から空気が吸入されている場合の吸入空気量である。次に、#1気筒のヘリカルポート35a側の吸気弁52のみを停止させた状態として、吸入空気量を計測する。この計測値を、ヘリカルポート除外吸入空気量GaH1とする。次に、#1気筒のヘリカルポート35a側の吸気弁52の停止状態を解除するとともに、#1気筒のタンジェンシャルポート35b側の吸気弁52の停止状態として、吸入空気量を計測する。この計測値を、タンジェンシャルポート除外吸入空気量GaT1とする。
続いて、基準吸入空気量Gaから、上記ヘリカルポート除外吸入空気量GaH1を減算する。すなわち、下記の演算を行う。
ΔGaH1=Ga−GaH1
上記式で算出される値を、以下、#1気筒のヘリカルポート35aのポート別吸入空気量低減量ΔGaH1と称する。このΔGaH1は、両弁制御時における、#1気筒のヘリカルポート35aからの空気流入量、またはこれと相関する値であると言うことができる。
また、基準吸入空気量Gaから、上記タンジェンシャルポート除外吸入空気量GaT1を減算する。すなわち、下記の演算を行う。
ΔGaT1=Ga−GaT1
上記式で算出される値を、#1気筒のタンジェンシャルポート35bのポート別吸入空気量低減量ΔGaT1と称する。このΔGaT1は、両弁制御時における、#1気筒のタンジェンシャルポート35bからの空気流入量、またはこれと相関する値であると言うことができる。
以下、同様の処理を#2〜#4の各気筒についてそれぞれ行う。これにより、#2〜#4気筒の、ヘリカルポート35aのポート別吸入空気量低減量ΔGaH2〜ΔGaH4、および、タンジェンシャルポート35bのポート別吸入空気量低減量ΔGaT2〜ΔGaT4を求めることができる。
このように、本実施形態によれば、各気筒について、ヘリカルポート35aのポート別吸入空気量低減量ΔGaと、タンジェンシャルポート35bのポート別吸入空気量低減量ΔGaとを求めることができる。そして、これらの値によれば、スワール比が低下している気筒を判別することができる。すなわち、ヘリカルポート35aのポート別吸入空気量低減量ΔGaが少なく、タンジェンシャルポート35bのポート別吸入空気量低減量ΔGaが多い気筒ほど、スワール比が低下しているものと判別することができる。
そこで、本実施形態では、両弁制御時、図7のルーチンのステップ158に代えて、図8に示すステップ160および162の処理を実行することとした。すなわち、ヘリカルポート35aのポート別吸入空気量低減量ΔGaが他の気筒と比べて少ない気筒では、ヘリカルポート35a側の吸気弁52の作用角が大きくなるように補正する(ステップ160)。そして、タンジェンシャルポート35bのポート別吸入空気量低減量ΔGaが他の気筒と比べて多い気筒では、タンジェンシャルポート35b側の吸気弁52の作用角が小さくなるように補正する(ステップ162)。
上記ステップ160の処理によれば、ヘリカルポート35aからの空気流入量が他気筒よりも少ない気筒に対して、ヘリカルポート35aからの空気流入量を増大させることができる。また、上記ステップ162の処理によれば、タンジェンシャルポート35bからの空気流入量が他気筒よりも多い気筒に対して、タンジェンシャルポート35bからの空気流入量を減少させることができる。このようなことから、本実施形態によれば、ヘリカルポート35aからの空気流入量と、タンジェンシャルポート35bからの空気流入量とが、各気筒間で等しくなるように、ディーゼルエンジン10の状態を移行させることができる。よって、各気筒のスワール比をより高い精度で一致させることができる。また、ヘリカルポート35aおよびタンジェンシャルポート35bの各々からの空気流入量が各気筒で等しくなると、筒内空気量および空燃比も各気筒で等しくなる。このようなことから、本実施形態によれば、各気筒の燃焼状態を均一化し、理想的な燃焼状態に近づけることができる。このため、NOx、スモークなどの排出量や燃焼騒音を有効に低減することができる。
なお、上述した実施の形態2においては、吸気可変動弁機構54が前記第4の発明における「吸気ポート流抑制手段」および前記第5の発明における「吸気ポート流可変手段」に相当している。また、ECU50が、実施の形態1と同様にして基準吸入空気量Gaを求める処理を実行することにより前記第4の発明における「基準吸入空気量検出手段」が、各気筒のヘリカルポート除外吸入空気量Gaおよびタンジェンシャルポート除外吸入空気量Gaを求める処理を実行することにより前記第4の発明における「一ポート除外吸入空気量検出手段」が、各気筒のポート別吸入空気量低減量ΔGaおよびΔGaを求める処理を実行することにより前記第4の発明における「算出手段」が、上記ステップ160および162の処理を実行することにより前記第4の発明における「判定手段」が、上記ステップ160および162の処理を実行することにより前記第5および第6の発明における「スワール制御手段」が、それぞれ実現されている。
また、以上説明した各実施の形態においては、吸気可変動弁機構54によってスワール比を変化させる場合の構成を例に説明したが、本発明は、スワール制御弁によってスワール比を変化させる構成のものにも適用することができる。図9は、スワール制御弁を説明するための図である。図9に示すように、スワール制御弁70,72は、吸気ポート35の途中に設けられ、その吸気ポート35を開閉可能になっている。図示の構成では、ヘリカルポート35aにスワール制御弁70が、タンジェンシャルポート35bにスワール制御弁72が、それぞれ設けられているが、何れか一方にのみスワール制御弁を設けるようにしてもよい。
このようなスワール制御弁70,72の開度を気筒毎に変更可能な構成としておけば、スワール比を気筒毎に調整することができる。すなわち、スワール制御弁70,72を、前記第2の発明における「スワール比向上手段」および前記第5の発明における「吸気ポート流可変手段」として機能させることができる。また、スワール制御弁70,72を、前記第1および第4の発明における「吸気ポート流抑制手段」として機能させることもできる。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。 図1に示すシステムにおけるディーゼルエンジンの一つの気筒の断面を示す図である。 図1に示すシステムにおけるディーゼルエンジンの吸気ポートを説明するための模式的な平面図である。 片弁閉じ制御において作動を続ける方の吸気弁のリフト特性を示す図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 ディーゼルエンジンの減速時におけるアクセル開度および機関回転数の変化を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。 スワール制御弁を説明するための図である。
符号の説明
10 ディーゼルエンジン
12 インジェクタ
14 コモンレール
18 排気通路
20 排気マニホールド
22 排気ポート
24 ターボ過給機
26 排気浄化装置
28 吸気通路
34 吸気マニホールド
35 吸気ポート
35a ヘリカルポート
35b タンジェンシャルポート
36 吸気絞り弁
38 エアフローメータ
40 外部EGR通路
44 EGR弁
46 吸気圧センサ
47 排気温センサ
48 アクセル開度センサ
50 ECU
52 吸気弁
54 吸気可変動弁機構
56 排気弁
58 排気可変動弁機構
62 クランク角センサ
64 ピストン
70,72 スワール制御弁

Claims (9)

  1. 複数気筒を有する内燃機関の吸気ポート内の流れを各気筒毎に抑制可能な吸気ポート流抑制手段と、
    吸気ポート内の流れが何れの気筒でも抑制されていない状態での前記内燃機関の吸入空気量である基準吸入空気量を、所定の運転条件の下で検出する基準吸入空気量検出手段と、
    前記複数気筒のうちの一つの気筒の吸気ポート内の流れが抑制されている状態での前記内燃機関の吸入空気量である一気筒除外吸入空気量を、前記所定の運転条件の下で、各気筒について検出する一気筒除外吸入空気量検出手段と、
    前記基準吸入空気量と、前記一気筒除外吸入空気量との差である気筒別吸入空気量低減量を各気筒について算出する算出手段と、
    前記気筒別吸入空気量低減量が大きい気筒ほど、スワール比が低下している気筒であると判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. スワール比を気筒毎に独立して向上させるスワール比向上手段と、
    スワール比が低下していると判定された気筒のスワール比が向上するように、前記スワール比向上手段を制御するスワール制御手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記スワール制御手段は、スワール比が低下していると判定された気筒のスワール比が、前記気筒別吸入空気量低減量が小さい気筒のスワール比と揃うように、前記スワール比向上手段を制御することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 複数気筒を有し、1気筒当たり複数の吸気ポートを備えた内燃機関の吸気ポート内の流れを各吸気ポート毎に抑制可能な吸気ポート流抑制手段と、
    吸気ポート内の流れが何れの吸気ポートでも抑制されていない状態での前記内燃機関の吸入空気量である基準吸入空気量を、所定の運転条件の下で検出する基準吸入空気量検出手段と、
    全吸気ポートのうちの一つの吸気ポート内の流れが抑制されている状態での前記内燃機関の吸入空気量である一ポート除外吸入空気量を、前記所定の運転条件の下で、各吸気ポートについて検出する一ポート除外吸入空気量検出手段と、
    前記基準吸入空気量と、前記一ポート除外吸入空気量との差であるポート別吸入空気量低減量を各吸気ポートについて算出する算出手段と、
    各吸気ポートの前記ポート別吸入空気量低減量に基づいて、スワール比が低下している気筒を判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 吸気ポート内の流量を吸気ポート毎に独立して可変とする吸気ポート流可変手段と、
    スワール比が低下していると判定された気筒のスワール比が向上するように、前記吸気ポート流可変手段を制御するスワール制御手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項4記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記スワール制御手段は、各吸気ポートの前記ポート別吸入空気量低減量に基づいて、各気筒の同じ吸気ポートからの空気流入量が気筒間で揃うように、前記吸気ポート流可変手段を制御することを特徴とする請求項5記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記内燃機関は、1気筒当たり複数の吸気ポートを備え、その複数の吸気ポートのうちの少なくとも一つがヘリカルポートであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記所定の運転条件は、前記内燃機関が減速状態にあることを含むことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記内燃機関の吸気通路に設けられた吸気絞り弁と、
    前記内燃機関の排気通路と吸気通路とを接続するEGR通路と、
    前記EGR通路に設けられたEGR弁と、
    を更に備え、
    前記所定の運転条件は、前記吸気絞り弁が全開であり、前記EGR弁を全閉であることを含むことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
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