JP2005083302A - 内燃機関制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】気筒毎の吸入空気量を一定に保ち且つ筒内流動のばらつきを抑制して、安定した燃焼を実現した内燃機関制御装置を得る。
【解決手段】気筒毎に設けられた電磁駆動式の吸気弁3、4と、気筒毎の筒内流動を検出する筒内流動検出手段と、検出した気筒毎の筒内流動に基づいて気筒毎の補正筒内流動を算出する補正筒内流動算出手段と、算出された気筒別補正筒内流動に基づいて吸気弁の開弁動作を気筒毎に変更する開弁動作変更手段とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】気筒毎に設けられた電磁駆動式の吸気弁3、4と、気筒毎の筒内流動を検出する筒内流動検出手段と、検出した気筒毎の筒内流動に基づいて気筒毎の補正筒内流動を算出する補正筒内流動算出手段と、算出された気筒別補正筒内流動に基づいて吸気弁の開弁動作を気筒毎に変更する開弁動作変更手段とを備えている。
【選択図】図1
Description
この発明は、気筒毎に電磁駆動式の吸気弁を備えた多気筒内燃機関の制御装置に関し、特に、各吸気弁の動作を制御することにより、各気筒間の筒内流動のばらつきを低減させた内燃機関制御装置に関するものである。
従来より、電磁駆動式の吸気弁を備えた内燃機関制御装置としては、開弁タイミングや弁リフト量を変化させることにより、燃焼室内の流動(スワール流またはタンブル流)を制御して、超希薄燃焼を実現したシステムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
なお、以下の説明において、開弁タイミングとは、閉じていた弁が開くタイミングを意味し、閉弁タイミングとは、開いていた弁が閉じるタイミングを意味する。
なお、以下の説明において、開弁タイミングとは、閉じていた弁が開くタイミングを意味し、閉弁タイミングとは、開いていた弁が閉じるタイミングを意味する。
このようなシステムにおいては、運転者の指示した出力を得るために、基本となる目標空燃比を内燃機関の運転状態(回転数およびスロットル開度など)から算出し、目標空燃比に基づいて、要求空気量算出手段により燃焼室に吸入すべき空気量を算出するとともに、累積スワール数算出手段により筒内流動を算出し、これらの算出結果(要求量)から吸排気弁の開弁タイミングおよび開弁時間を算出し、吸排気弁を駆動している。
従来の内燃機関制御装置では、運転状態に応じて算出した要求空気量を得るために、吸排気弁の開弁タイミングや開弁時間を制御しているので、排気ガス再循環(以下、「EGR」という)などによる吸気弁の汚損や、吸気管の形状的な要因による気筒毎の筒内流動のばらつきを抑制することができず、高精度の燃料噴射制御を実現することができないことから、燃焼が不安定になるという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、電磁式吸気弁を備えた内燃機関において、吸入空気量の変化をなくすとともに、気筒毎の吸入空気量を一定に保持して気筒毎の筒内流動のばらつきを抑制することにより、安定した燃焼を実現した内燃機関制御装置を得ることを目的とする。
この発明による内燃機関制御装置は、気筒毎に電磁駆動式の吸気弁を備えた内燃機関の制御装置であって、気筒毎の筒内流動を検出する筒内流動検出手段と、筒内流動に基づいて気筒毎の補正筒内流動を算出する補正筒内流動算出手段と、内燃機関の吸入空気量を一定に保持するとともに、補正筒内流動に基づいて吸気弁の開弁動作を気筒毎に変更する開弁動作変更手段とを備えたものである。
この発明によれば、気筒毎に算出された筒内流動から、ばらつき補正用の補正筒内流動を気筒別に算出し、補正筒内流動に応じて電磁駆動式の吸気弁の開弁動作を変更することにより、気筒毎の筒内流動のばらつきを抑制するとともに吸入空気量の変化をなくし、安定した燃焼を実現することができる。
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係る内燃機関制御装置の全体構成を示すブロック図である。
ここでは、便宜的に、単一の気筒のみを示しているが、実際には同構成の複数の気筒を有する多気筒内燃機関を対象としている。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係る内燃機関制御装置の全体構成を示すブロック図である。
ここでは、便宜的に、単一の気筒のみを示しているが、実際には同構成の複数の気筒を有する多気筒内燃機関を対象としている。
図1において、多気筒を有する内燃機関は、燃焼室1内を上下方向に揺動するピストン2と、電磁駆動式の第1および第2の吸気弁3、4と、電磁駆動式の排気弁5と、各吸気弁3、4を介して燃焼室1に連通された吸気管6と、排気弁5を介して燃焼室1に連通された排気管7とにより構成されている。以下、電磁駆動式の各吸排気弁3〜5を、単に、第1および第2の吸気弁3、4、排気弁5と記す。
第1の吸気弁3は、対応気筒の排気行程の終了間際から圧縮行程の開始直後まで開弁し、第2の吸気弁4は、吸気行程および圧縮行程の一部で開弁する。
第1および第2の吸気弁3、4は、開弁動作が変更されることにより、筒内流動の強さを制御し、気筒毎の筒内流動のばらつきを抑制するようになっている。
第1および第2の吸気弁3、4は、開弁動作が変更されることにより、筒内流動の強さを制御し、気筒毎の筒内流動のばらつきを抑制するようになっている。
第1および第2の吸気弁3、4は、ピストン2の上下動に合わせて開閉駆動し、燃焼室1と吸気管6とを選択的に連通させて、燃焼室1内に吸入される空気量を制御する。
同様に、排気弁5は、ピストン2の上下動に合わせて開閉駆動し、燃焼室1と排気管7とを連通させて、燃料室1内の燃焼ガスを排出させる。
なお、燃焼室1の吸気ポートにおいて、2つの吸気弁3、4が1つの吸気管6内に設けられたように簡略化して図示しているが、実際には、各吸気弁3、4の入口付近で2つのポートに分かれている。
同様に、排気弁5は、ピストン2の上下動に合わせて開閉駆動し、燃焼室1と排気管7とを連通させて、燃料室1内の燃焼ガスを排出させる。
なお、燃焼室1の吸気ポートにおいて、2つの吸気弁3、4が1つの吸気管6内に設けられたように簡略化して図示しているが、実際には、各吸気弁3、4の入口付近で2つのポートに分かれている。
吸気管6内には、吸入空気量を制御するスロットル弁8と、スロットル弁8の開度を検出するスロットル開度センサ9とが配置されている。
また、内燃機関の運転状態(回転数など)を検出するための各種センサとして、クランク軸14の回転角を検出するクランク角センサ10と、燃焼室1内の圧力を検出する筒内圧センサ11と、図示されない他のセンサ(水温センサなど)とが設けられている。
また、内燃機関の各種アクチュエータとして、各吸気弁3、4および排気弁5に加えて、燃焼室1内の混合気に点火するための点火プラグ12と、吸気管6内に燃料を噴射するインジェクタ13と、点火プラグ12に点火するためのエネルギーを供給する点火コイル15と、図示されない他のアクチュエータ(EGRバルブなど)とが設けられている。
また、内燃機関の運転状態(回転数など)を検出するための各種センサとして、クランク軸14の回転角を検出するクランク角センサ10と、燃焼室1内の圧力を検出する筒内圧センサ11と、図示されない他のセンサ(水温センサなど)とが設けられている。
また、内燃機関の各種アクチュエータとして、各吸気弁3、4および排気弁5に加えて、燃焼室1内の混合気に点火するための点火プラグ12と、吸気管6内に燃料を噴射するインジェクタ13と、点火プラグ12に点火するためのエネルギーを供給する点火コイル15と、図示されない他のアクチュエータ(EGRバルブなど)とが設けられている。
さらに、上記の内燃機関を制御するために、マイクロコンピュータを含む電子制御ユニット(ECU)により構成された制御装置16が設けられている。
制御装置16は、内燃機関の運転状態を判定する運転状態判定手段161と、運転状態に基づいて要求筒内流動を算出する要求筒内流動算出手段162と、要求筒内流動に基づいて第1の吸気弁3の開閉タイミングを設定する第1吸気弁開閉時期設定手段163と、気筒別の筒内流動を算出する筒内流動算出手段164と、気筒別の筒内流動および要求筒内流動に基づいて気筒別の補正筒内流動を算出する補正筒内流動算出手段165と、気筒別の補正筒内流動に基づいて第2の吸気弁4の開閉タイミングを設定する第2吸気弁開閉時期設定手段166とを備えている。
制御装置16は、内燃機関の運転状態を判定する運転状態判定手段161と、運転状態に基づいて要求筒内流動を算出する要求筒内流動算出手段162と、要求筒内流動に基づいて第1の吸気弁3の開閉タイミングを設定する第1吸気弁開閉時期設定手段163と、気筒別の筒内流動を算出する筒内流動算出手段164と、気筒別の筒内流動および要求筒内流動に基づいて気筒別の補正筒内流動を算出する補正筒内流動算出手段165と、気筒別の補正筒内流動に基づいて第2の吸気弁4の開閉タイミングを設定する第2吸気弁開閉時期設定手段166とを備えている。
制御装置16は、各種センサからの検出信号に基づいて、各種アクチュエータに対する駆動信号を生成する。
すなわち、制御装置16内の運転状態判定手段161は、スロットル開度センサ9により検出されたスロットル開度やクランク角センサ10により検出された内燃機関回転数などの各種センサ信号に基づいて、内燃機関の運転状態を判定する。
また、制御装置16内の筒内流動算出手段164は、筒内圧センサ11により検出された筒内圧と、点火コイル15に与えられる点火信号とに基づいて、気筒別の筒内流動を算出する。
すなわち、制御装置16内の運転状態判定手段161は、スロットル開度センサ9により検出されたスロットル開度やクランク角センサ10により検出された内燃機関回転数などの各種センサ信号に基づいて、内燃機関の運転状態を判定する。
また、制御装置16内の筒内流動算出手段164は、筒内圧センサ11により検出された筒内圧と、点火コイル15に与えられる点火信号とに基づいて、気筒別の筒内流動を算出する。
さらに、制御装置16内の第1吸気弁開閉時期設定手段163および第2吸気弁開閉時期設定手段166は、各算出手段162、164、165と関連して、第1および第2の吸気弁3、4の開弁動作を変更するための開弁動作変更手段を構成している。
開弁動作変更手段は、算出された気筒別の補正筒内流動が所定値以上の場合に開弁動作を変更し、気筒毎の筒内流動のばらつきを所定範囲内に抑制するようになっている。
開弁動作変更手段は、算出された気筒別の補正筒内流動が所定値以上の場合に開弁動作を変更し、気筒毎の筒内流動のばらつきを所定範囲内に抑制するようになっている。
各吸気弁3、4および排気弁5は、一般的に知られた同一構成の吸排気弁であり、具体的な動作については説明を省略する。
図2は各吸排気弁3〜5の構成を示す断面図である。
図2において、各吸排気弁3〜5は、開弁駆動用の電磁コイル21と、開閉付勢用の圧縮バネ22と、圧縮バネ22により開閉方向に付勢された可動鉄片23と、閉弁駆動用の電磁コイル24と、各電磁コイル21、24により可動鉄片23と一体に開閉駆動される弁体25とにより構成されている。
図2は各吸排気弁3〜5の構成を示す断面図である。
図2において、各吸排気弁3〜5は、開弁駆動用の電磁コイル21と、開閉付勢用の圧縮バネ22と、圧縮バネ22により開閉方向に付勢された可動鉄片23と、閉弁駆動用の電磁コイル24と、各電磁コイル21、24により可動鉄片23と一体に開閉駆動される弁体25とにより構成されている。
図3はこの発明の実施の形態1による筒内流動制御動作を示す説明図であり、第1および第2の吸気弁3、4の動作による筒内流動制御のメカニズムを示している。
図3においては、第1の吸気弁3から吸入される空気量をm1、筒内中心から吸気弁3の中心までの距離をr1、吸気弁3からの流入空気の角速度をω1、第2の吸気弁4の空気量をm2、筒内中心から吸気弁4の中心までの距離をr2、吸気弁4からの流入空気の角速度をω2として、各吸入空気の運動量m1r1ω1、m1r1ω1と筒内の空気流動との関係が矢印により示されている。
図3においては、第1の吸気弁3から吸入される空気量をm1、筒内中心から吸気弁3の中心までの距離をr1、吸気弁3からの流入空気の角速度をω1、第2の吸気弁4の空気量をm2、筒内中心から吸気弁4の中心までの距離をr2、吸気弁4からの流入空気の角速度をω2として、各吸入空気の運動量m1r1ω1、m1r1ω1と筒内の空気流動との関係が矢印により示されている。
また、図4はこの発明の実施の形態1による各吸排気弁3〜5の動作と筒内流動との関係を説明するためのタイミングチャートであり、4サイクル内燃機関の各行程(膨張、排気、吸気、圧縮)を時間(横軸)に対応付けて示している。
図4において、(a)は各閉弁タイミング44〜46に応じた第1の吸気弁3のリフト量変化、(b)は各閉弁タイミング41〜43に応じた第2の吸気弁4のリフト量変化、(c)は一定駆動される排気弁5のリフト量変化、(d)は各吸気弁3、4の閉弁タイミング41〜43および44〜46にそれぞれ対応した筒内流動の変動波形47〜49を示している。
図4において、(a)は各閉弁タイミング44〜46に応じた第1の吸気弁3のリフト量変化、(b)は各閉弁タイミング41〜43に応じた第2の吸気弁4のリフト量変化、(c)は一定駆動される排気弁5のリフト量変化、(d)は各吸気弁3、4の閉弁タイミング41〜43および44〜46にそれぞれ対応した筒内流動の変動波形47〜49を示している。
図3および図4において、たとえば、第1および第2の吸気弁3、4が、図4(a)、(b)内の各閉弁タイミング44、41(実線参照)のように動作すると、筒内流動は、図3内の実線矢印のように、第1の吸気弁3から先行して吸入される空気の運動量m1r1ω1と、この運動量m1r1ω1を打ち消すように第2の吸気弁4から吸入される空気の運動量m2r2ω2との差(=m1r1ω1−m2r2ω2)により与えられる。
また、図4(b)内の一点鎖線42のように、第2の吸気弁4の閉弁タイミングを早めて開弁期間を短くした場合には、第2の吸気弁4から吸入される空気の運動量m2r2w2は減少し、図4(d)内の一点鎖線48のように筒内流動は増加する。
逆に、図4(b)内の二点鎖線43のように、第2の吸気弁4の閉弁タイミングを遅らせて開弁時間を長くした場合には、第2の吸気弁4から吸入される空気の運動量m2r2w2は増加し、図4(d)内の二点鎖線49のように筒内流動は減少する。
逆に、図4(b)内の二点鎖線43のように、第2の吸気弁4の閉弁タイミングを遅らせて開弁時間を長くした場合には、第2の吸気弁4から吸入される空気の運動量m2r2w2は増加し、図4(d)内の二点鎖線49のように筒内流動は減少する。
次に、図4(a)〜(d)に示した各吸排気弁3〜5の動作および筒内流動について、説明する。
図4(c)において、排気弁5は、一般的な非電磁駆動式の排気弁の動作と同様に、対応気筒の「膨張(爆発)行程の終了間際」から「吸気行程の開始直後」まで開弁(弁リフト量が100%に設定)される。
図4(c)において、排気弁5は、一般的な非電磁駆動式の排気弁の動作と同様に、対応気筒の「膨張(爆発)行程の終了間際」から「吸気行程の開始直後」まで開弁(弁リフト量が100%に設定)される。
図4(b)において、第2の吸気弁4は、対応気筒の「吸気行程中」および「圧縮行程」にある期間だけ開弁される。
図4(b)においては、第2の吸気弁4の開弁期間を可変設定するために、開弁タイミングを固定しつつ、閉弁タイミングを、実線41から、一点鎖線42のように早めた場合と、二点鎖線43のように遅らせた場合とが示されている。
図4(b)においては、第2の吸気弁4の開弁期間を可変設定するために、開弁タイミングを固定しつつ、閉弁タイミングを、実線41から、一点鎖線42のように早めた場合と、二点鎖線43のように遅らせた場合とが示されている。
図4(a)において、第1の吸気弁3は、対応気筒の「排気行程の終了間際」から「圧縮行程の開始直後」まで開弁される。
第1の吸気弁3の開弁期間は、各吸気弁3、4から吸入される各空気量の和を一定にするために可変設定される。
すなわち、第1の吸気弁3の開弁タイミングは固定され、第1の吸気弁3の閉弁タイミングは、一点鎖線45および二点鎖線46のように、第2の吸気弁4の閉弁タイミング(一点鎖線42、二点鎖線43)の変化を相殺する方向に制御する。
第1の吸気弁3の開弁期間は、各吸気弁3、4から吸入される各空気量の和を一定にするために可変設定される。
すなわち、第1の吸気弁3の開弁タイミングは固定され、第1の吸気弁3の閉弁タイミングは、一点鎖線45および二点鎖線46のように、第2の吸気弁4の閉弁タイミング(一点鎖線42、二点鎖線43)の変化を相殺する方向に制御する。
たとえば、図4(b)内の一点鎖線42のように、第2の吸気弁4の閉弁タイミングを早めた場合には、第2の吸気弁4を介した吸入空気量が減少するので、図4(a)内の一点鎖線45のように、第1の吸気弁3の閉弁タイミングを遅らせて、第1の吸気弁3を介した吸入空気量を増加させる。
逆に、図4(b)内の二点鎖線43のように、第2の吸気弁4の閉弁タイミングを遅らせた場合には、第2の吸気弁4を介した吸入空気量が増加するので、図4(a)内の二点鎖線46のように、第1の吸気弁3の閉弁タイミングを早めて、第1の吸気弁3を介した吸入空気量を減少させる。
上記吸入空気量の制御については、図6および図7のタイミングチャートを参照しながら、追って詳細に説明する。
上記吸入空気量の制御については、図6および図7のタイミングチャートを参照しながら、追って詳細に説明する。
図4(d)は各吸気弁3、4および排気弁5が上記のように動作した場合の筒内流動の変化を示している。
図4(d)において、筒内流動は、各吸気弁3、4が閉弁タイミング41、44(実線参照)で動作した場合には実線47のように変化する。
また、筒内流動を強くすることを目的として、第2の吸気弁4の閉弁タイミングを一点鎖線42のように早めて、第2の吸気弁4を介した吸入空気量を減少させると、第1の吸気弁3からの空気流動に対する抑制効果が小さくなるので、筒内流動は、一点鎖線48のように増加する。
図4(d)において、筒内流動は、各吸気弁3、4が閉弁タイミング41、44(実線参照)で動作した場合には実線47のように変化する。
また、筒内流動を強くすることを目的として、第2の吸気弁4の閉弁タイミングを一点鎖線42のように早めて、第2の吸気弁4を介した吸入空気量を減少させると、第1の吸気弁3からの空気流動に対する抑制効果が小さくなるので、筒内流動は、一点鎖線48のように増加する。
逆に、筒内流動を弱くすることを目的として、第2の吸気弁4の閉弁タイミングを二点鎖線43のように遅らせて、第2の吸気弁4を介した吸入空気量が増加させると、第1の吸気弁3からの空気流動に対する抑制効果が大きくなるので、筒内流動は、二点鎖線49のように減少する。
このように、筒内流動を補正するために第2の吸気弁4の閉弁タイミング41〜43を変化させた場合、第2の吸気弁4を介した吸入空気量が変化するので、この吸入空気量変化を相殺して吸入空気量を一定とするために、以下のように、吸入空気量の補正処理が行われる。
以下、図5〜図8の説明図を参照しながら、ピストン2の行程容積を基準として、吸入空気量を補正するための処理手順について説明する。
図5はこの発明の実施の形態1によるピストン2の速度算出処理を示す説明図であり、クランク軸14のコネクティングロードとピストン2との関係とともに、クランク軸14により駆動される連接棒(ピストン2)の動作に関連したパラメータr、ω、θ、Lの相互関係を示している。
図5はこの発明の実施の形態1によるピストン2の速度算出処理を示す説明図であり、クランク軸14のコネクティングロードとピストン2との関係とともに、クランク軸14により駆動される連接棒(ピストン2)の動作に関連したパラメータr、ω、θ、Lの相互関係を示している。
図5において、rはクランク軸14の半径、ωはクランク軸14の角速度、θはクランク角、Lはクランク軸14により駆動される連接棒の長さである。
まず、各吸気弁3、4のピストン2の速度uを、以下の式(1)から求める。
まず、各吸気弁3、4のピストン2の速度uを、以下の式(1)から求める。
u=rω[sinθ+sin2θ/2λ] ・・・(1)
ただし、式(1)において、λはクランク軸14の半径rと連接棒の長さLとの比(=r/L)である。
次に、式(1)から得られる各吸気弁3、4のピストン2の速度uを、開弁期間(各時刻区間t1〜t2、t3〜t4)について積分することにより、以下の式(2)、(3)のように、吸入空気量M1、M2を算出する。
次に、式(1)から得られる各吸気弁3、4のピストン2の速度uを、開弁期間(各時刻区間t1〜t2、t3〜t4)について積分することにより、以下の式(2)、(3)のように、吸入空気量M1、M2を算出する。
ただし、式(2)、(3)において、各吸気弁3、4の流量係数C1、C2は、第2の吸気弁4の開閉による流量補正用の係数をも含むものとする。
図6および図7は吸入空気量の補正処理を示す説明図であり、図6は第1の吸気弁3の開弁時間に対する吸入空気量、図7は第2の吸気弁4の開弁時間に対する吸入空気量をそれぞれ示している。
図6、図7において、第1の吸気弁3が時刻t1〜時刻t2で示す開弁時間だけ動作し、第2の吸気弁4が時刻t3〜時刻t4で示す開弁時間だけ動作した場合、筒内全体の吸入空気量をM、第1の吸気弁3を介した吸入空気量をM1、第2の吸気弁4を介した吸入空気量をM2とすると、筒内全体の吸入空気量は、以下の式(4)で表される。
図6、図7において、第1の吸気弁3が時刻t1〜時刻t2で示す開弁時間だけ動作し、第2の吸気弁4が時刻t3〜時刻t4で示す開弁時間だけ動作した場合、筒内全体の吸入空気量をM、第1の吸気弁3を介した吸入空気量をM1、第2の吸気弁4を介した吸入空気量をM2とすると、筒内全体の吸入空気量は、以下の式(4)で表される。
M=M1+M2となる。
ここで、筒内流動を減少させるために、図7のように、第2の吸気弁4の閉弁タイミングをt4’まで遅らせて、第2の吸気弁4の開弁時間を時刻t3〜時刻t4’に設定した場合、開弁時間(時刻t4〜時刻t4’)の吸入空気量の変化量Maは、前述の式(3)の関係から求められる。
このとき、筒内全体の吸入空気量Mを同一値に保持するために、第1の吸気弁3の吸入空気量の変化量Mbが、Ma=Mbを満たすように、第1の吸気弁3の吸入空気量を低減する。
このとき、筒内全体の吸入空気量Mを同一値に保持するために、第1の吸気弁3の吸入空気量の変化量Mbが、Ma=Mbを満たすように、第1の吸気弁3の吸入空気量を低減する。
上記条件にしたがい、前述の式(2)、(3)の関係から、補正後の第1の吸気弁3の開弁時間(時刻t1〜時刻t2’)および補正後の第2の吸気弁4の開弁時間(時刻t3〜時刻t4’)を算出する。
このように、第1および第2の吸気弁3、4の閉弁タイミングを変更することにより、筒内全体の吸入空気量Mを一定に保持しつつ、筒内流動を変更することができる。
このように、第1および第2の吸気弁3、4の閉弁タイミングを変更することにより、筒内全体の吸入空気量Mを一定に保持しつつ、筒内流動を変更することができる。
図8は第2の吸気弁4の閉弁タイミングと筒内流動の変化量(補正筒内流動)との関係を示している。
図8において、補正筒内流動が「0」の状態は、図4内の各タイミング44、41で動作した場合の空気流動波形47に対応しており、この状態から閉弁タイミングを早めると筒内流動が増加し、逆に閉弁タイミングを遅らせると筒内流動が減少する。この特性を用いて、気筒毎に第1および第2の吸気弁3、4の閉弁タイミングを制御することにより、気筒毎の筒内流動のばらつきを補正することができる。
図8において、補正筒内流動が「0」の状態は、図4内の各タイミング44、41で動作した場合の空気流動波形47に対応しており、この状態から閉弁タイミングを早めると筒内流動が増加し、逆に閉弁タイミングを遅らせると筒内流動が減少する。この特性を用いて、気筒毎に第1および第2の吸気弁3、4の閉弁タイミングを制御することにより、気筒毎の筒内流動のばらつきを補正することができる。
次に、図9のフローチャートを参照しながら、制御装置16内で実行される上記補正制御処理について、さらに詳細に説明する。
図9において、まず、筒内流動算出手段164は、筒内圧センサ11を用いて気筒別の筒内圧を検出し(ステップS1)、検出された筒内圧に基づいて、気筒別の筒内流動を算出する(ステップS2)。
図9において、まず、筒内流動算出手段164は、筒内圧センサ11を用いて気筒別の筒内圧を検出し(ステップS1)、検出された筒内圧に基づいて、気筒別の筒内流動を算出する(ステップS2)。
続いて、補正筒内流動算出手段165は、気筒別の筒内流動および要求筒内流動に基づいて、気筒別の補正筒内流動を算出する(ステップS3)。
なお、運転状態判定手段161は、スロットル開度センサ9から検出されたスロットル開度と、クランク角センサ10から検出された内燃機関回転数とから運転状態を判定し、要求筒内流動算出手段162は、運転状態に基づく演算ルーチン(図示せず)により要求筒内流動を算出しており、要求筒内流動は補正筒内流動算出手段165に入力されている。
なお、運転状態判定手段161は、スロットル開度センサ9から検出されたスロットル開度と、クランク角センサ10から検出された内燃機関回転数とから運転状態を判定し、要求筒内流動算出手段162は、運転状態に基づく演算ルーチン(図示せず)により要求筒内流動を算出しており、要求筒内流動は補正筒内流動算出手段165に入力されている。
次に、第2吸気弁開閉時期設定手段166は、気筒別の補正筒内流動に基づいて、気筒毎の筒内流動の補正が必要か否かを判定する(ステップS4)。
ステップS4において、筒内流動の補正が必要である(すなわち、YES)と判定されれば、図8に示した関係に基づき、気筒別の補正筒内流動に対応して第2の吸気弁4の閉弁タイミングを補正する(ステップS5)。
続いて、第2の吸気弁4の閉弁タイミングを補正したことによる吸入空気量の変化を補正するために、気筒毎の補正吸入空気量を算出し(ステップS6)、前述(図6、図7参照)の吸入空気量の補正処理にしたがって第1の吸気弁3の閉弁タイミングを補正し(ステップS7)、ステップS8に進む。
ステップS4において、筒内流動の補正が必要である(すなわち、YES)と判定されれば、図8に示した関係に基づき、気筒別の補正筒内流動に対応して第2の吸気弁4の閉弁タイミングを補正する(ステップS5)。
続いて、第2の吸気弁4の閉弁タイミングを補正したことによる吸入空気量の変化を補正するために、気筒毎の補正吸入空気量を算出し(ステップS6)、前述(図6、図7参照)の吸入空気量の補正処理にしたがって第1の吸気弁3の閉弁タイミングを補正し(ステップS7)、ステップS8に進む。
一方、ステップS4において、筒内流動の補正が必要でない(すなわち、NO)と判定されれば、上記ステップS5〜S7を実行せずに、直ちにステップS8に進む。
ステップS8において、第1吸気弁開閉時期設定手段163および第2吸気弁開閉時期設定手段166は、第1および第2の吸気弁3、4の閉弁タイミングに基づいて、第1および第2の吸気弁3、4の駆動信号を生成する。
ステップS8において、第1吸気弁開閉時期設定手段163および第2吸気弁開閉時期設定手段166は、第1および第2の吸気弁3、4の閉弁タイミングに基づいて、第1および第2の吸気弁3、4の駆動信号を生成する。
なお、ステップS8で用いられる閉弁タイミングは、ステップS8がステップS4から直ちに実行された場合には「補正前の閉弁タイミング」であり、ステップS5〜S7を介して実行された場合には「補正後の閉弁タイミング」となる。
最後に、第1および第2の吸気弁3、4を駆動して(ステップS9)、図9の処理ルーチンの1回の実行を終了する。
最後に、第1および第2の吸気弁3、4を駆動して(ステップS9)、図9の処理ルーチンの1回の実行を終了する。
ここで、図10および図11の説明図を参照しながら、図9内の筒内流動算出処理(ステップS2)について、図式的に説明する。
図10は検出された筒内圧Pの挙動を示している。
図10において、横軸はクランク角θ、縦軸は筒内圧Pであり、dP/dθは一定クランク角期間での筒内圧Pの上昇率である。
筒内圧Pの上昇率dP/dθは、図11に示すように、燃焼速度および筒内流動に相関して増減する。なお、筒内流動は、燃焼速度に比例する。
図10は検出された筒内圧Pの挙動を示している。
図10において、横軸はクランク角θ、縦軸は筒内圧Pであり、dP/dθは一定クランク角期間での筒内圧Pの上昇率である。
筒内圧Pの上昇率dP/dθは、図11に示すように、燃焼速度および筒内流動に相関して増減する。なお、筒内流動は、燃焼速度に比例する。
以上のように、気筒毎に算出された筒内流動のばらつきを補正するために、気筒別の補正筒内流動を算出し、気筒別の補正筒内流動に応じて第1および第2の吸気弁3、4の閉弁タイミングを設定することにより、電磁式吸気弁を備えた内燃機関制御装置において、各種アクチュエータ(EGRバルブなど)に起因した気筒毎の筒内流動のばらつきを抑制するとともに、吸入空気量の変化を抑制して、安定した燃焼を実現することができる。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、各吸気弁3、4の開弁動作を気筒毎に変更するための各吸気弁開閉時期設定手段163、166(開弁動作変更手段)により、各吸気弁3、4の閉弁タイミングを変更することによって第1および第2の吸気弁の開弁期間を変更して気筒毎の筒内流動を補正したが、第2の吸気弁4に関して、開弁期間を一定に保持したままで吸気行程中の開弁時期のみを変更して、同様に気筒毎の筒内流動を補正してもよい。
以下、各吸気弁3、4の開弁時期を変更するようにしたこの発明の実施の形態2について説明する。
上記実施の形態1では、各吸気弁3、4の開弁動作を気筒毎に変更するための各吸気弁開閉時期設定手段163、166(開弁動作変更手段)により、各吸気弁3、4の閉弁タイミングを変更することによって第1および第2の吸気弁の開弁期間を変更して気筒毎の筒内流動を補正したが、第2の吸気弁4に関して、開弁期間を一定に保持したままで吸気行程中の開弁時期のみを変更して、同様に気筒毎の筒内流動を補正してもよい。
以下、各吸気弁3、4の開弁時期を変更するようにしたこの発明の実施の形態2について説明する。
なお、この発明の実施の形態2に係る内燃機関制御装置のシステム構成については、前述(図1参照)と同様なので、ここでは詳述を省略する。
図12はこの発明の実施の形態2の動作を示すタイミングチャートであり、前述の図4に対応している。
この場合、第2の吸気弁4は、吸気行程中の一部で開弁するようになっている。
図12はこの発明の実施の形態2の動作を示すタイミングチャートであり、前述の図4に対応している。
この場合、第2の吸気弁4は、吸気行程中の一部で開弁するようになっている。
図12(a)、(b)においては、各吸気弁3、4の開弁時期124〜126、121〜123がそれぞれ示されており、図12(d)においては、筒内流動の波形127〜129が示されている。
図12(a)、(b)、(d)において、実線、一点鎖線、二点鎖線は、前述(図4)と同様に、各パラメータの変化状態に対応している。
図12(a)、(b)、(d)において、実線、一点鎖線、二点鎖線は、前述(図4)と同様に、各パラメータの変化状態に対応している。
図12(c)は排気弁5の一般的な動作を示しており、排気弁5は、前述と同様に、対応気筒の爆発行程の終了間際から吸気行程の開始直後まで開弁する。
図12(b)は第2の吸気弁4の動作を示しており、対応気筒の吸気行程中の或る時期における一定期間だけ開弁する(たとえば、実線の開弁時期121参照)。
また、図12(b)においては、開弁期間を一定に保持したまま、一点鎖線122のように開弁時期を遅らせた場合と、二点鎖線123のように開弁時期を早めた場合とが示されている。
図12(b)は第2の吸気弁4の動作を示しており、対応気筒の吸気行程中の或る時期における一定期間だけ開弁する(たとえば、実線の開弁時期121参照)。
また、図12(b)においては、開弁期間を一定に保持したまま、一点鎖線122のように開弁時期を遅らせた場合と、二点鎖線123のように開弁時期を早めた場合とが示されている。
ここで、第2の吸気弁4の開弁時期122、123について考慮すると、内燃機関のピストン2の変化量が吸入空気量に比例するものと見なせば、一点鎖線122のように、第2の吸気弁4の開弁時期を遅らせた場合には、吸気行程の終了付近(ピストン2の下降速度が遅い時期)で開弁することになるので、第2の吸気弁4を介した吸入空気量が減少する。
逆に、二点鎖線123のように、第2の吸気弁4の開弁時期を早めた場合には、吸気行程の中央付近(ピストン2の下降速度が速い時期)で開弁することになるので、第2の吸気弁4を介した吸入空気量は増加する。
逆に、二点鎖線123のように、第2の吸気弁4の開弁時期を早めた場合には、吸気行程の中央付近(ピストン2の下降速度が速い時期)で開弁することになるので、第2の吸気弁4を介した吸入空気量は増加する。
図12(a)は第1の吸気弁3の動作を示しており、対応気筒の排気行程の終了間際から圧縮行程の開始直後まで開弁する(たとえば、実線の開閉時期124参照)。
図12(a)において、第1および第2の吸気弁3、4を介した吸入空気量の和を一定に保持するために、第2の吸気弁4の開弁時期を遅らせた場合(一点鎖線122参照)には、上述のように第2の吸気弁4を介した吸入空気量が減少するので、第1の吸気弁3の閉弁タイミングを一点鎖線125まで遅らせて、第1の吸気弁3を介した吸入空気量を増加させる。
図12(a)において、第1および第2の吸気弁3、4を介した吸入空気量の和を一定に保持するために、第2の吸気弁4の開弁時期を遅らせた場合(一点鎖線122参照)には、上述のように第2の吸気弁4を介した吸入空気量が減少するので、第1の吸気弁3の閉弁タイミングを一点鎖線125まで遅らせて、第1の吸気弁3を介した吸入空気量を増加させる。
逆に、第2の吸気弁4の開弁時期を開弁時期を早めた場合(二点鎖線123参照)には、第2の吸気弁4を介した吸入空気量が増加するので、第1の吸気弁3の閉弁タイミングを二点鎖線126まで早めて、第1の吸気弁3を介した吸入空気量を減少させる。
上記補正処理の詳細については、図13および図14を参照しながら後述する。
上記補正処理の詳細については、図13および図14を参照しながら後述する。
図12(d)は筒内流動の変化を示しており、各波形127〜129は、各吸気弁3、4および排気弁5が上記のように動作した場合に対応している。
たとえば、第1および第2の吸気弁3、4が実線121、124のように動作した場合、筒内流動は実線127のようになる。
筒内流動を強くするために、第2の吸気弁4の開弁時期を遅らせた(一点鎖線122)場合には、第2の吸気弁4を介した吸入空気量が減少するので、一点鎖線128で示すように筒内流動は増加する。
逆に、筒内流動を弱くするために、第2の吸気弁4の開弁時期を早めた(二点鎖線123)の場合には、第2の吸気弁4を介した吸入空気量が増加するので、二点鎖線129で示すように筒内流動は減少する。
たとえば、第1および第2の吸気弁3、4が実線121、124のように動作した場合、筒内流動は実線127のようになる。
筒内流動を強くするために、第2の吸気弁4の開弁時期を遅らせた(一点鎖線122)場合には、第2の吸気弁4を介した吸入空気量が減少するので、一点鎖線128で示すように筒内流動は増加する。
逆に、筒内流動を弱くするために、第2の吸気弁4の開弁時期を早めた(二点鎖線123)の場合には、第2の吸気弁4を介した吸入空気量が増加するので、二点鎖線129で示すように筒内流動は減少する。
図13および図14は吸入空気量の補正処理示す説明図であり、前述の図6および図7に対応している。
この場合、各吸気弁3、4の吸入空気量M1、M2は、前述の式(1)から算出された各気筒のピストン速度uを、前述の式(2)、(3)のように開弁期間について積分することにより算出される。
この場合、各吸気弁3、4の吸入空気量M1、M2は、前述の式(1)から算出された各気筒のピストン速度uを、前述の式(2)、(3)のように開弁期間について積分することにより算出される。
図13、図14において、第1の吸気弁3が時刻t1〜時刻t2の開弁時間だけ動作し、第2の吸気弁4が時刻t3〜時刻t4の開弁時間だけ動作した場合、筒内全体の吸入空気量Mは、第1の吸気弁3を介した吸入空気量M1と第2の吸気弁4を介した吸入空気量M2との和となる。
図14において、筒内流動を減少させるために、第2の吸気弁4の開弁時期を早めた(時刻t3’〜時刻t4’にシフトさせた)場合、この開弁時間(時刻t3’〜時刻t4’)の吸入空気量の変化量Maを前述の式(3)の関係から求める。
図14において、筒内流動を減少させるために、第2の吸気弁4の開弁時期を早めた(時刻t3’〜時刻t4’にシフトさせた)場合、この開弁時間(時刻t3’〜時刻t4’)の吸入空気量の変化量Maを前述の式(3)の関係から求める。
このとき、筒内全体の吸入空気量Mを同一値に保持するために、第1の吸気弁3の吸入空気量の変化量Mbが、Ma=Mbを満たすように、第1の吸気弁3の吸入空気量を低減させる。
以下、第2の吸気弁4の吸入空気量変化量Maと第1の吸気弁3の補正吸入空気量Mbとに基づき、前述の式(2)、(3)の関係より、第1の吸気弁3の開弁時間(時刻t1〜時刻t2’)および第2の吸気弁4の開弁時間(時刻t3’〜時刻t4’)算出する。
以下、第2の吸気弁4の吸入空気量変化量Maと第1の吸気弁3の補正吸入空気量Mbとに基づき、前述の式(2)、(3)の関係より、第1の吸気弁3の開弁時間(時刻t1〜時刻t2’)および第2の吸気弁4の開弁時間(時刻t3’〜時刻t4’)算出する。
このように、第1の吸気弁3の閉弁タイミングと、第2の吸気弁4の開弁時期とを変更することにより、吸入空気量を一定に保持しつつ、筒内流動を変更することができる。
図15は第2の吸気弁4の開弁時期と筒内流動の変化量(補正筒内流動に相当)との関係を示す説明図であり、前述の図8に対応している。
図15において、補正筒内流動の変化量が「0」の状態は、図12内の各吸気弁3、4が開閉時期124、121で動作した場合の筒内流動波形127に対応しており、この状態から開弁時期を遅らせると筒内流動の変化量が増加し、逆に開弁時期を早めると筒内流動の変化量が減少する。
この特性を用いて、気筒毎に第1および第2の吸気弁3、4の開弁時期を制御することにより、気筒毎の筒内流動のばらつきを補正することができる。
図15は第2の吸気弁4の開弁時期と筒内流動の変化量(補正筒内流動に相当)との関係を示す説明図であり、前述の図8に対応している。
図15において、補正筒内流動の変化量が「0」の状態は、図12内の各吸気弁3、4が開閉時期124、121で動作した場合の筒内流動波形127に対応しており、この状態から開弁時期を遅らせると筒内流動の変化量が増加し、逆に開弁時期を早めると筒内流動の変化量が減少する。
この特性を用いて、気筒毎に第1および第2の吸気弁3、4の開弁時期を制御することにより、気筒毎の筒内流動のばらつきを補正することができる。
この発明の実施の形態2による上記補正制御は、基本的には前述の実施の形態1の補正制御と同様である。
すなわち、前述(図9参照)のフローチャート内のステップS5においては、気筒別の補正筒内流動に対応して第2の吸気弁4の閉弁タイミングを補正しているのに対し、この場合は、前述のステップS5に代えて、図15に示す気筒別の補正筒内流動の変化量に対応して、第2の吸気弁4の開弁時期を補正している点のみが異なる。
すなわち、前述(図9参照)のフローチャート内のステップS5においては、気筒別の補正筒内流動に対応して第2の吸気弁4の閉弁タイミングを補正しているのに対し、この場合は、前述のステップS5に代えて、図15に示す気筒別の補正筒内流動の変化量に対応して、第2の吸気弁4の開弁時期を補正している点のみが異なる。
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、気筒毎に算出された筒内流動のばらつきを補正するために、気筒別の補正筒内流動を算出し、補正筒内流動に応じて第1の吸気弁3の閉弁タイミングと、第2の吸気弁の開弁時期とを可変設定することにより、電磁式吸気弁を備えた内燃機関制御装置において、気筒毎の筒内流動のばらつきを抑制し且つ吸入空気量の変化をなくし、安定した燃焼を実現することができる。
なお、筒内流動は、前述と同様に、筒内圧Pに基づいて算出される。
なお、筒内流動は、前述と同様に、筒内圧Pに基づいて算出される。
実施の形態3.
なお、上記実施の形態1、2では、筒内圧Pに基づいて筒内流動を算出したが、イオン電流に基づいて筒内流動を算出してもよい。
以下、イオン電流に基づいて筒内流動を算出したこの発明の実施の形態3について説明する。
なお、上記実施の形態1、2では、筒内圧Pに基づいて筒内流動を算出したが、イオン電流に基づいて筒内流動を算出してもよい。
以下、イオン電流に基づいて筒内流動を算出したこの発明の実施の形態3について説明する。
この発明の実施の形態3に係る内燃機関制御装置のシステム構成は、前述(図1参照)と同様であり、筒内流動算出手段164に関連した一部の機能が追加された点のみが前述と異なる。
この場合、筒内圧センサ11に代えて、点火信号に応答してイオン電流を検出するイオン電流検出手段が設けられており、筒内流動算出手段164は、イオン電流に基づいて筒内流動を算出するようになっている。
この場合、筒内圧センサ11に代えて、点火信号に応答してイオン電流を検出するイオン電流検出手段が設けられており、筒内流動算出手段164は、イオン電流に基づいて筒内流動を算出するようになっている。
図16および図17はこの発明の実施の形態3による動作を示す説明図であり、前述の図10および図11に対応している。
図16において、横軸はクランク角θ、縦軸はイオン電流i(検出値)であり、di/dθは一定クランク角θ期間でのイオン電流iの上昇率である。
図17に示すように、イオン電流iの上昇率di/dθは、燃焼速度および筒内流動に相関する。
図16において、横軸はクランク角θ、縦軸はイオン電流i(検出値)であり、di/dθは一定クランク角θ期間でのイオン電流iの上昇率である。
図17に示すように、イオン電流iの上昇率di/dθは、燃焼速度および筒内流動に相関する。
この発明の実施の形態3の動作特性などは、イオン電流iに基づいて筒内流動を算出する点を除けば、前述の実施の形態1と同様である。
以上のように、気筒毎に算出された筒内流動のばらつきを補正するために、気筒別の補正筒内流動を算出し、この補正筒内流動に応じて各吸気弁3、4の開弁動作を変更することにより、気筒毎の筒内流動のばらつきを抑制し且つ吸入空気量の変化をなくし、安定した燃焼を実現することができる。
さらに、吸入空気量Mを一定にするように、各吸気弁3、4の開弁動作に補正を加えることにより、高精度の燃料噴射制御が可能となり、より安定した燃焼を実現することができる。
以上のように、気筒毎に算出された筒内流動のばらつきを補正するために、気筒別の補正筒内流動を算出し、この補正筒内流動に応じて各吸気弁3、4の開弁動作を変更することにより、気筒毎の筒内流動のばらつきを抑制し且つ吸入空気量の変化をなくし、安定した燃焼を実現することができる。
さらに、吸入空気量Mを一定にするように、各吸気弁3、4の開弁動作に補正を加えることにより、高精度の燃料噴射制御が可能となり、より安定した燃焼を実現することができる。
1 燃焼室、2 ピストン、3 第1の吸気弁、4 第2の吸気弁、6 吸気管、9 スロットル開度センサ、10 クランク角センサ、11 筒内圧センサ、12 点火プラグ、13 インジェクタ、14 クランク軸、15 点火コイル。
Claims (8)
- 気筒毎に電磁駆動式の吸気弁を備えた内燃機関の制御装置であって、
前記気筒毎の筒内流動を検出する筒内流動検出手段と、
前記筒内流動に基づいて前記気筒毎の補正筒内流動を算出する補正筒内流動算出手段と、
前記内燃機関の吸入空気量を一定に保持するとともに、前記補正筒内流動に基づいて前記吸気弁の開弁動作を前記気筒毎に変更する開弁動作変更手段とを備えたことを特徴とする内燃機関制御装置。 - 前記開弁動作変更手段は、前記吸気弁の閉弁タイミングを変更することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関制御装置。
- 前記吸気弁は、対応気筒の排気行程の終了間際から圧縮行程の開始直後までの期間にわたって開弁する第1の吸気弁と、前記対応気筒の吸気行程および圧縮行程の一部で開弁する第2の吸気弁とを含み、
前記開弁動作変更手段は、前記第2の吸気弁の閉弁タイミングを変更するとともに、前記第2の吸気弁の閉弁タイミングの変更にともなう前記吸入空気量の増減を相殺するように、前記第1の吸気弁の閉弁タイミングを変更することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関制御装置。 - 前記開弁動作変更手段は、前記吸気弁の開弁時期を変更することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関制御装置。
- 前記吸気弁は、対応気筒の排気行程の終了間際から圧縮行程の開始直後までの期間にわたって開弁する第1の吸気弁と、前記対応気筒の吸気行程中の一部で開弁する第2の吸気弁とを含み、
前記開弁動作変更手段は、前記第2の吸気弁の開弁時期を変更するとともに、前記第2の吸気弁の開弁時期の変更にともなう前記吸入空気量の増減を相殺するように、前記第1の吸気弁の閉弁タイミングを変更することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関制御装置。 - 前記筒内流動検出手段は、
前記気筒毎の筒内圧を検出する筒内圧検出手段と、
前記筒内圧に基づいて前記筒内流動を算出する筒内流動算出手段と
を含むことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の内燃機関制御装置。 - 前記筒内流動検出手段は、
前記気筒毎のイオン電流を検出するイオン電流検出手段と、
前記イオン電流に基づいて前記筒内流動を算出する筒内流動算出手段と
を含むことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の内燃機関制御装置。 - 前記開弁動作変更手段は、算出された気筒別の補正筒内流動が所定値以上を示す場合に前記吸気弁の開弁動作を変更し、前記気筒毎の筒内流動のばらつきを所定範囲内に抑制することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の内燃機関制御装置。
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JP2007332875A (ja) * | 2006-06-15 | 2007-12-27 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
-
2003
- 2003-09-10 JP JP2003318202A patent/JP2005083302A/ja active Pending
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