JP3556333B2 - 4サイクルエンジン - Google Patents

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    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、4サイクルエンジンのバルブ休止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
4サイクルエンジンおいて、燃費の向上,排気ガスの浄化等の観点から、例えば空燃比(A/F)20以上の希薄空燃比燃焼を行うことが提案されている。この希薄空燃比燃焼の安定化を図ることのできる吸気装置として、従来例えば、主としてエンジンの低速回転域,又は低負荷運転域等、吸入空気量の比較的少ない運転域において、吸気を気筒内に気筒軸方向に導入して縦渦(タンブル)を発生させ、又は吸気を気筒内周面に沿って導入して横渦(スワール)を発生させる等、筒内流動を強化できようにしたものが提案されている。
【0003】
上記スワールを発生させることを目的とした吸気装置(第1従来例)として、センタ吸気ポートと左,右のサイド吸気ポートとを備えている場合に、低速回転域等吸気量の少ない運転域では、上記何れか一方のサイド吸気ポートを閉じることにより、吸気を残りのサイド吸気ポート及びセンタ吸気ポートを介して気筒内に導入するようにしたものがある(例えば特開平3−160113号公報参照)。
【0004】
また上記タンブルを発生させることを目的とした吸気装置(第2従来例)として、吸気ポートの底壁側部分を絞り込むことにより、吸気を吸気ポートの天壁側に偏流させ、もって吸気を気筒内に気筒軸方向に方向付けしつつ導入してタンブルを発生するようにしたものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記何れの従来装置においても、上記スワール,タンブル等の筒内流動をより強化できるように吸気ポート形状,吸気制御弁構造等を設定すると、高速回転,高負荷運転域における全開時の最大吸気量が減少してしまい、逆に最大吸気量を充分に確保できるように吸気ポート形状等を設定するとスワール,タンブル等の筒内流動が不十分となるといった問題がある。
【0006】
そこで本願発明者等は、複数の吸気弁を有する場合に、その一部を運転状態に応じて休止させることにより、小,中吸気量時に筒内流動を発生させることができ、かつ最大吸気量が減少することのないエンジンの吸気制御装置を開発している。一方、その後の研究開発により、バルブ休止を行う場合には、何れの吸気弁用開口に向けて燃料を噴射供給するのが有効であるか等、燃料の噴射供給状態との関係が重要であることが判明した。
【0007】
本発明は、上記状況に鑑みてなされたもので、筒内流動を強化しながら全開時の最大吸気量を増大でき、さらに燃料を適正に噴射供給できる4サイクルエンジンを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、複数の吸気弁と、何れか1つ又は複数の吸気弁用開口に向けて燃料を噴射供給する燃料噴射弁と、上記何れか1本又は複数本の吸気弁を休止可能とするバルブ休止機構と、運転状態と燃料噴射状態とに基づいて吸気弁の休止制御を行うバルブ休止制御手段とを備えた4サイクルエンジンにおいて、カム軸方向中央に1本のセンタ吸気弁が、該センタ吸気弁のカム軸方向両側に第1,第2サイド吸気弁がそれぞれ配置されており、上記燃料噴射弁が、上記センタ吸気弁用開口に上記第1,第2サイド吸気弁用開口のそれぞれより多量の燃料を噴射供給するように設けられており、上記バルブ休止機構が、上記第1,第2サイド吸気弁の何れか一方,又は両方を休止可能に構成されており、上記バルブ休止制御手段が、小吸気量時には上記第1,第2サイド吸気弁の両方を休止させ、中吸気量時には上記第1,第2サイド吸気弁の何れか一方を休止させ、大吸気量時には全休止動作を解除するように構成されていることを特徴としている。
【0009】
請求項2の発明は、複数の吸気弁と、何れか1つ又は複数の吸気弁用開口に向けて燃料を噴射供給する燃料噴射弁と、上記何れか1本又は複数本の吸気弁を休止可能とするバルブ休止機構と、運転状態と燃料噴射状態とに基づいて吸気弁の休止制御を行うバルブ休止制御手段とを備えた4サイクルエンジンにおいて、カム軸方向中央に1本のセンタ吸気弁が、該センタ吸気弁のカム軸方向両側に第1,第2サイド吸気弁がそれぞれ配置されており、上記燃料噴射弁が、上記第1サイド吸気弁用開口及びセンタ吸気弁用開口に燃料を噴射供給するように構成されており、上記バルブ休止機構が、上記センタ吸気弁と第2サイド吸気弁の何れか一方,又は両方を休止可能に構成されており、上記バルブ休止制御手段が、小吸気量時には上記センタ吸気弁と第2サイド吸気弁の両方を休止させ、中吸気量時には上記センタ吸気弁を休止させ、大吸気量時には全休止動作を解除するように構成されていることことを特徴としている。
【0010】
請求項3の発明は、複数の吸気弁と、何れか1つ又は複数の吸気弁用開口に向けて燃料を噴射供給する燃料噴射弁と、上記何れか1本又は複数本の吸気弁を休止可能とするバルブ休止機構と、運転状態と燃料噴射状態とに基づいて吸気弁の休止制御を行うバルブ休止制御手段とを備えた4サイクルエンジンにおいて、カム軸方向中央に1本のセンタ吸気弁が、該センタ吸気弁のカム軸方向両側に第1,第2サイド吸気弁がそれぞれ配置されており、上記燃料噴射弁が、上記第1サイド吸気弁用開口及びセンタ吸気弁用開口のそれぞれに上記第2サイド吸気弁用開口より多量の燃料を噴射供給するように設けられており、上記バルブ休止機構が、上記センタ吸気弁と第2サイド吸気弁の何れか一方,又は両方を休止可能に構成されており、上記バルブ休止制御手段が、小吸気量時には上記センタ吸気弁,第2サイド吸気弁の両方を休止させ、中吸気量時には上記第2サイド吸気弁を休止させ、大吸気量時には全休止動作を解除するように構成されているを特徴としている。
【0011】
請求項4の発明は、複数の吸気弁と、何れか1つ又は複数の吸気弁用開口に向けて燃料を噴射供給する燃料噴射弁と、上記何れか1本又は複数本の吸気弁を休止可能とするバルブ休止機構と、運転状態と燃料噴射状態とに基づいて吸気弁の休止制御を行うバルブ休止制御手段とを備えた4サイクルエンジンにおいて、カム軸方向中央に1本のセンタ吸気弁が、該センタ吸気弁のカム軸方向両側に第1,第2サイド吸気弁がそれぞれ配置されており、上記燃料噴射弁が、上記センタ吸気弁用開口及び上記第1,第2サイド吸気弁用開口 に燃料を噴射供給するように設けられており、上記バルブ休止機構が、上記センタ吸気弁と第1,第2サイド吸気弁との何れか一方を単独で休止可能に構成されており、上記バルブ休止制御手段が、小吸気量時には上記第1,第2サイド吸気弁を休止させ、中吸気量時には上記センタ吸気弁を休止させ、大吸気量時には全休止動作を解除するように構成されていることを特徴としている
【0012】
請求項5の発明は、複数の吸気弁と、何れか1つ又は複数の吸気弁用開口に向けて燃料を噴射供給する燃料噴射弁と、上記何れか1本又は複数本の吸気弁を休止可能とするバルブ休止機構と、運転状態と燃料噴射状態とに基づいて吸気弁の休止制御を行うバルブ休止制御手段とを備えた4サイクルエンジンにおいて、カム軸方向中央に1本のセンタ吸気弁が、該センタ吸気弁のカム軸方向両側に第1,第2サイド吸気弁がそれぞれ配置されており、上記燃料噴射弁が、上記第1,第2サイド吸気弁用開口のそれぞれに上記センタ吸気弁用開口より多量の燃料を噴射供給するように設けられており、上記バルブ休止機構が、センタ吸気弁を休止可能に構成されており、上記バルブ休止制御手段が、小,中吸気量時にはセンタ吸気弁を休止させ、大吸気量時には休止動作を解除するように構成されていることを特徴としている。
【0013】
請求項6の発明は、カム軸方向中央に配設された1本のセンタ吸気弁と、該センタ吸気弁のカム軸方向両側に配設された第1,第2サイド吸気弁と、上記カム軸方向両側に配設された第1,第2排気弁と、上記各排気弁の作動時期を変化させる可変バルブタイミング機構と、上記第1,第2サイド吸気弁を休止可能とするバルブ休止機構と、小吸気量時には上記第1,第2サイド吸気弁の両方を休止させるバルブ休止制御手段と、小吸気量時には上記第1,第2排気弁の閉時期を遅角させるバルブタイミング制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0014】
【作用】
本発明によれば、1つ又は複数の吸気弁用開口に向けて燃料を噴射供給する燃料噴射弁と、吸気弁の一部を休止可能とするバルブ休止機構を設け、エンジン運転状態と燃料噴射状態とに応じてバルブ休止制御を行うバルブ休止制御手段を設け、請求項1〜5で具体的に構成するように、低速回転運転域のような吸入空気量の少ない小吸気量時には、吸気弁の一部を休止させることにより吸気を一部の吸気弁用開口に集中させて気筒内に導入することが可能となり、筒内流動を確保できる。そしてこの場合、燃料噴射状態との関連性を考慮しつつ休止するべき吸気弁を設定しているので、適正な燃料供給が可能となる。
【0015】
また高速回転,高負荷運転域のような吸入空気量の多い大吸気量時には、バルブ休止動作を解除することにより全ての吸気弁を通って吸気を気筒内に導入できる。この場合、吸気通路内には弁以外の流路抵抗となるものが存在しないので、それだけ最大吸気量を増大できる。ちなみに吸気通路内に筒内流動を発生させるための吸気制御弁を配置した従来例の場合には、この吸気制御弁が流路抵抗となる問題がある。
【0016】
請求項1の発明によれば、小吸気量時には、第1,第2サイド吸気弁の作動を休止して吸気をセンタ吸気弁のみから気筒内に流入させるようにしたので、流入面積が小さい分だけ流入速度が上昇するとともに、吸気が気筒軸方向に方向付けされて流入し、気筒軸方向に沿った流れ(タンブル)が確実に発生し、希薄空燃比の場合にも燃焼が安定化する。
【0017】
そしてこの場合、燃料は主としてセンタ吸気弁用開口に向けて噴射供給されるので、全体としては希薄空燃比である場合でも、センタ吸気弁用開口に対向するように位置する点火プラグの周囲には比較的高濃度の混合気が供給され、この点からも燃焼が安定化する。
【0018】
また中吸気量時には、第1,第2サイド吸気弁の何れか一方を休止するので、吸気はセンタ吸気弁と何れかのサイド吸気弁とから流入することとなり、センタ吸気弁からの気筒軸方向の流れ(タンブル)とサイド吸気弁からの気筒内周に沿った流れ(スワール)とが合成されたいわゆる斜めスワールが発生する。
【0019】
さらにまた大吸気量時にはセンタ,及び第1,第2サイド吸気弁の全てが作動するので流入面積が大きくなり、かつ吸気通路内に流入抵抗となるものが存在しないので、最大吸気量が増大する。そしてこの場合、センタ吸気弁用開口からの吸気流には燃料が多く混合しているのに対し、第1,第2サイド吸気弁用開口からの吸気流中の燃料は少ないので、層状燃焼となり、この点からも希薄空燃比燃焼が安定化する。
【0020】
請求項2の発明によれば、小吸気量時には、上記センタ吸気弁,及び第2サイド吸気弁の両方を休止するようにしたので、吸気は第1サイド吸気弁のみから気筒内に流入することとなり、流入面積が小さい分だけ流入速度が上昇するとともに、気筒内周面に沿って流入し、スワールが確実に発生する。
【0021】
また中吸気量時には、センタ吸気弁のみを休止するようにしたので、吸気は第1,第2サイド吸気弁から流入し、互いに気筒内周面に沿った流れを打ち消し合って気筒軸方向の流れ(タンブル)を発生する。そして燃料噴射弁からの燃料は第2サイド吸気弁側にほとんど供給されず、第1サイド吸気弁側のみに供給されるので、気筒内において燃料が混合された混合気流と燃料が混合されていない空気単体流とが層を成して流れることとなり、いわゆる層状燃焼が行われる。
【0022】
さらにまた大吸気量時には上記請求項2の発明と同様の作用により最大吸気量が増大する。そしてこの場合、燃料は第1サイド吸気弁及びセンタ吸気弁側のみに供給され、第2吸気弁側には供給されないので、上記中吸気量時と同様に層状燃焼が行われる。
【0023】
請求項3の発明によれば、小吸気量時には、上記センタ吸気弁及び第2サイド吸気弁の両方を休止して吸気を第1サイド吸気弁のみから気筒内に流入させるようにしたので、流入面積が小さい分だけ流速が上昇して筒内流動(スワール)が確実に発生する。
【0024】
また中空気量時には、上記第2サイド吸気弁のみを休止して吸気を第1サイド吸気弁とセンタ吸気弁の両方から流入させるようにしたので、第1サイド吸気弁からのスワールとセンタ吸気弁からのタンブルにより斜めスワールとなる。
【0025】
そして燃料は、主として上記第1サイド吸気弁用開口及びセンタ吸気弁用開口に向けて供給されるので、小吸気量時及び中吸気量時においては、気筒内にて発生する筒内流動とあいまって燃焼が安定化する。
【0026】
さらにまた大吸気量時には上記請求項1の発明と同様の作用により最大吸気量が増大する。この場合、上述のように燃料は主として第1サイド吸気弁用開口及びセンタ吸気弁用開口に向けて供給されるので、第2サイド吸気弁用開口からの吸気流には燃料はあまり含まれおらず、その結果層状燃焼となり、この点からも希薄空燃比燃焼が安定化する。
【0027】
請求項4の発明によれば、小吸気量時には、両サイド吸気弁を休止して吸気をセンタ吸気弁のみから流入させるようにしたので、流速が高くなり、タンブルが発生する。
【0028】
また中吸気量時には、センタ吸気弁のみを休止して吸気を第1,第2サイド吸気弁から流入させるようにしたので、この場合もタンブルが発生する。さらにまた大吸気量時には、請求項1の発明と同様の作用により最大吸気量が増大する。
【0029】
そして本発明では、燃料は第1,第2サイド吸気弁用開口及びセンタ吸気弁用開口に向けて供給されるので、上記小,中,大吸気量時の何れの場合にも適正な混合気が得られ、安定した燃焼が可能となる。
【0030】
請求項5の発明によれば、小,中吸気量時には、センタ吸気弁を休止するようにしたので、吸気は第1,第2サイド吸気弁から流入し、タンブルが発生する。そして燃料は、第1,第2サイド吸気弁用開口に向けて供給されるので、上記小,中吸気量時の何れにおいても適正な混合気が得られる。
【0031】
また大吸気量時には、請求項1の発明と同様の作用により最大吸気量が増大する。また、燃料は上述のように第1,第2サイド吸気弁用開口に向けて供給されるので、センタ吸気弁用開口からの吸気流には燃料を余り含まない空気単体流であり、層状燃焼が行われ、希薄空燃比燃焼が安定化する。
【0032】
請求項6の発明によれば、小吸気量時には、バルブタイミング制御手段により第1,第2排気弁の閉時期を遅角するとともに、バルブ休止制御手段により第1,第2サイド吸気弁の両方を休止するようにしたので、気筒内中央部にはほぼ新気のみの層が形成されるとともに、両サイドには排気ガスの逆流によりほぼ排気ガスのみの層が形成されることとなり、この成層によりEGRガス量を増加しても燃焼を安定化でき、EGRガス量を増加することによりスロットル弁を大きく開くことができることから、ポンピングロスを減少でき、また多量のEGRガスにより燃焼温度が低下し、NOxを低減できる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1〜図13は請求項2の発明の一実施形態(第1実施形態)によるエンジンのバルブ休止装置を説明するための図であり、図1は本実施形態エンジンの正面図、図2はその右サイド吸気弁,右排気弁部分を示す断面正面図、図3はそのセンタ吸気弁部分を示す断面正面図、図4は左サイド吸気弁,左排気弁部分を示す断面正面図、図5はそのシリンダヘッドのカムキャリアを取り外した状態を示す平面図、図6(a),(b)はそれぞれ吸気カムキャリア,排気カムキャリアを示す平面図、図7は油圧系を示す断面側面図、図8は吸気,排気ポート部分を示す模式断面平面図、図9は動作を説明するための模式図、図10,図11,図12はバルブ休止機構部分を示す図、図13は油圧系統図である。
【0034】
図において、1は本実施形態装置を備えた水冷式4サイクル4気筒5バルブエンジンであり、該エンジン1のシリンダブロック2の下側合面にはオイルパン3が装着され、上側合面にはシリンダヘッド4がヘッドボルト4eで締結され、該シリンダヘッド4の上側合面にはヘッドカバー5が装着されており、またシリンダヘッド4,ヘッドカバー5の前端面(図1手前面)にはヘッドサイドカバー6aが、シリンダブロック2の前端面にはブロックサイドカバー6bがそれぞれ着脱可能に装着されている。なお、上記ヘッドボルト4eは、図5に示すように、各気筒間部分及びカム軸方向両端部(前,後端部)に合計10本配置されており、シリンダヘッド4の底壁4dに突出形成されたボス部4g部分を締結している。
【0035】
上記シリンダブロック2に並列に形成された4つのシリンダボア(気筒)2a内にはピストン7が摺動自在に挿入されており、該ピストン7はコンロッド8でクランク軸12に連結されている。なお、このクランク軸12はシリンダブロック2に形成されたクランク軸受部12aとこれに着脱可能に装着されたクランク軸受キャップ12bとで軸支されている。
【0036】
上記シリンダヘッド4のシリンダブロック側の合面4aには、燃焼室4bが凹設されている。この燃焼室4bの気筒軸Aを中心とする一側(図8の左側)には、カム軸方向(図8上下方向)中央に位置する1つのセンタ吸気弁用開口9aと、これの両側に位置する左,右(第1,第2)サイド吸気弁用開口9b,9cが形成されており、他側には2つの左,右(第1,第2)排気弁用開口10a,10bが形成されている。また上記燃焼室4bの気筒軸Aから若干排気側に寄った部分には点火プラグ25が螺挿されており、後述するように上記センタ吸気弁用開口9aからの吸気は、気筒A軸方向に見て(図8参照)上記点火プラグ25の電極に向かって流れることとなる。
【0037】
ここで上記センタ,左,右サイド吸気弁用開口9a,9b,9c及び左,右排気弁用開口10a,10bはシリンダボア2aの内周縁に沿うように配置されている。そのためカム軸方向に見ると、図2〜図4で明らかなように、両サイド吸気弁用開口9b,9cは、気筒軸A側寄りに位置しており、センタ吸気弁用開口9aは気筒軸Aと反対側(反気筒軸側)寄りに位置している。つまり、図8に示すように、気筒軸Aを通るカム軸と平行な直線Bからサイド吸気弁用開口9b,9cまでの距離L1とセンタ吸気弁用開口9aまでの距離L2とは、L2>L1となっている。
【0038】
また上記各開口9a〜9c,10a,10bの後述する各弁の弁頭11d,13cが接触する部分(スロート部)の直径Dic, Dis1,Dis2,De1, De2は、Dic>De1=De2>Dis1 =Dis2 の関係に、つまりDic :De1, De2 :Dis1,Dis2 =大:中:小の関係に設定されている。また上記センタ,左,右サイド吸気弁用開口9a,9b,9cはその開口面積の比率でみると、9a:9b:9c=46:27:27に設定されている。
【0039】
上記センタ,左,右サイド吸気弁用開口9a,9b,9cは、センタ,左,右サイド吸気弁11a,11b,11cの弁頭11dによって開閉され、また上記排気弁用開口10a,10bは排気弁13a,13bの弁頭13cによって開閉される。そして上記各吸気弁11a〜11cの弁軸11eと上記各排気弁13a,13bの弁軸13dとは、所定のバルブ挟み角でもって上方に斜め外方に拡がるように配置されている。この場合、センタ吸気弁11aの軸線B1と気筒軸Aとのなす傾斜角θ1と、左,右サイド吸気弁11b,11cの弁軸B2と気筒軸Aとのなす傾斜角はθ2とは、θ2>θ1となっている。即ち、センタ吸気弁11aは左,右サイド吸気弁11b,11cに較べてより起立配置されている。
【0040】
また上記各吸気弁11a〜11c及び排気弁13a,13bは、弁軸11e,13dの上端又は途中部分に装着されたリテーナ14a,14aとシリンダヘッド4のカム室Cの底面を構成する底壁4dに形成されたばね座4cとの間に介設された弁ばね14,15によって上記各弁用開口を閉じる方向に付勢されている。なお、排気弁用弁ばね15には二重コイルばねが採用されている。
【0041】
上記吸気弁11a〜11cは吸気カム軸16で、上記排気弁13a,13bは排気カム軸17でそれぞれ開閉駆動される。上記吸気カム軸16及び排気カム軸17は、図2〜図4の紙面垂直方向に互いに平行に延びており、該吸気,排気カム軸16,17は、上記カム室C内に着脱可能に装着された吸気,排気カムキャリア20,30と、該各キャリア20,30に着脱可能に装着された吸気,排気カムキャップ28,29とで回転自在に軸支されている。
【0042】
上記吸気カム軸16,排気カム軸17の前端部(図7右端部)に相対回転可能に装着された吸気,排気タイミングギャ36a,36bはシリンダヘッドの前端面に配設された第1中間ギヤ39aに上部タイミングチェン38aにより連結され、該第1中間ギヤ39aと同軸でかつ共に回転する第2中間ギヤ39bは上記クランク軸12のクランクギャ37aに下部タイミングチェン38bにより連結されており、これらは上記ヘッドサイドカバー6a,ブロックサイドカバー6bにより覆われている。なお、上記タイミングギヤ36a,36bとクランクギヤ37aは同一径であり、第1中間ギヤ39aはタイミングギヤ36aと同一又はこれより小径に、第2中間ギヤ39bはクランクギヤ37aより大径に設定されている。このように中間ギヤ39a,39bを設けたことにより上記吸気,排気タイミングギヤ36a,36bを大径にすることなくクランク軸12の回転を1/2に減速してカム軸に伝達可能となっている。
【0043】
そして上記吸気,排気カム軸16,17の上記前端部には、上記吸気,排気弁の開閉タイミングを変化させる吸気,排気可変バルブタイミング機構41,42が装着されている。この可変バルブタイミング機構41,42は、上記カム軸16,17の前端部に固定されたシリンダ軸43aの外側にシリンダケース43bを装着するとともに、両者の間にピストン43cを進退自在に配設した構造のものである。上記シリンダ軸43aには支持軸(外端部)43dが挿入され、該支持軸43dは上記ヘッドサイドカバー6aの外端支持部6cにより支持されており、該支持軸43dに形成されたオイル導入通路43eを介して上記ピストン43cへの作動油が供給される。
【0044】
上記可変バルブタイミング機構41,42では、油圧により上記ピストン43cを進退させると、タイミングギヤ36a,36bとカム軸16,17との相対的角度位置(位相)が変化し、これにより吸気弁11a〜11c,排気弁13a,13bの開閉タイミングが変化する。
【0045】
上記吸気カムキャリア20は、主として図6(a)に示すように、カム軸方向に延びる棒状のものであり、カム軸方向両端部に形成された第1軸受部20dと、各気筒における左サイド吸気弁とセンタ吸気弁との間に形成された第2軸受部20eと、各気筒の境界部に形成された第3軸受部20fとを有し、該各軸受部20d〜20f間部分はガイドボス部20g,20gによって一体的に連結されている。このガイドボス部20gにはセンタ,左,右リフタガイド穴20a,20b,20cが上記吸気弁11a〜11cの各弁軸11eと同軸をなすように形成されている。また上記各軸受部20d〜20f上に上記カムキャップ28がキャップボルト28a,28bで固定されている。
【0046】
この場合、上記各気筒間に位置する第2軸受部20eの外側(反気筒軸A側)に配設されたキャップボルト28bは上記シリンダヘッド4に形成されたボス部4fに達する長さに設定されている(図2参照)。これにより吸気カムキャリア20はカムキャップ28をボルト28bで固定するとこれと同時にシリンダヘッド4上に固定される。また上記吸気カムキャリア20は適所に形成されたフランジ部20h部分についても固定ボルト28cによりシリンダヘッド4のボス部4fに固定されている。
【0047】
上記排気カムキャリア30は、主として図6(b)に示すように、カム軸方向に延びる棒状のものであり、各気筒の右排気弁に隣接するようにカム軸受部30cを形成し、該カム軸受部30cにガイドボス部30dを一体形成するとともに、該各カム軸受部30c及びガイドボス部30d間部分を通路ボス部30eで一体的に連結した構造のものである。上記ガイドボス部30dには左,右リフタガイド穴30a,30bが形成されている。また上記軸受部30c上に上記カムキャップ29がキャップボルト29a,29bで固定されている。
【0048】
この場合、上記各軸受部30cの内側(気筒軸A側)に配置されたキャップボルト29aは上記シリンダヘッド4に形成されたボス部4fに達する長さに設定されている。これにより排気カムキャリア30はカムキャップ29をボルト29aで固定するとこれと同時にシリンダヘッド4上に固定される。また上記通路ボス部30dの左,右排気弁間位置に対向する部位及び軸方向端部に形成されたフランジ部30fも固定ボルト29cによりシリンダヘッドに形成されたボス部4fに固定されている。
【0049】
なお、上記図6(a),(b)の下段部分は、吸気,排気カムキャリア20,30のカムキャップを取り外した状態を、中段部分は吸気,排気カムキャリア20,30の断面状態を、上段部分は吸気,排気カムキャリア20,30を取り外したシリンダヘッド4の底壁4d部分の平面状態をそれぞれ示す。
【0050】
そして上記吸気カム軸16のカムノーズ16aと上記センタ吸気弁11a,右サイド吸気弁11cとの間にはセンタ,右サイド吸気バルブ休止機構18a,18bが介設されており、排気カム軸17のカムノーズ17aと左排気弁13aとの間には排気バルブ休止機構19が介設されている。これらの吸気,排気バルブ休止機構18a,18b,19は図示しないバルブ休止制御手段(ECU)によりその動作が制御される。なお、左サイド吸気弁11b,右排気弁13bにはバルブ休止機構は設けられておらず、そのため吸気カム軸16,排気カム軸17により運転域の如何に関わらず常時開閉駆動される。
【0051】
上記センタ,右サイド吸気バルブ休止機構18a,18bは、上記吸気カムキャリア20のセンタ,右サイドリフタガイド穴20a,20c内に、油圧により進退するプランジャ24を備えたセンタ,右サイドリフタ21a,21cを摺動自在に挿入配置した構造のものである。なお、左サイドリフタガイド穴20b内には、円筒体の上端開口を吸気カムノーズ16aが摺接するパッド21kで閉塞してなる通常のリフタ21bが摺動自在に配設されており、上記パッド21kの内面に上記左サイド吸気弁11bの弁軸11eの上端面が常時当接している。
【0052】
上記センタ,右サイドリフタ21a,21cは、図10〜12に示すように、軸方向中央付近に仕切壁21dを有する円筒体の上端開口に上記カム軸16のカムノーズ16aが摺接するパッド21eを固着してなるものである。上記仕切壁21dの上面にはボス部が膨出形成されており、このボス部にはシリンダ孔21gが該リフタの軸と直交するように貫通形成されている。このシリンダ孔21gの両端は、リフタ21a,21cの外周面に形成された環状溝21iに開口しており、かつ一端の開口は蓋部材27で油密に閉塞されている。上記仕切壁21d部分には、上記シリンダ孔21gと直交しかつ上記各吸気弁と同軸をなすようにスライド孔21fが貫通形成されており、該スライド孔21fは上記パッド21eの内面に対向している。
【0053】
上記スライド孔21f内には、伝達部材22のロッド部22aが摺動自在に挿入されており、該伝達部材22の下端に形成されたフランジ部22bの下面中央部は上記吸気弁の弁軸11eの上端面に当接している。また上記フランジ部22bと上記仕切壁21dとの間には付勢ばね23が介設されており、これによりリフタ21a,21cは吸気カム軸16のカムノーズ16aに摺接する位置に付勢されている。
【0054】
上記シリンダ孔21gにはプランジャ24が摺動自在に挿入されている。このプランジャ24は、シリンダ孔21gの内面に環状に突設されたストッパ21hによりその前進端位置が、係止リング21jによりその後退端位置が規制されており、かつリターンばね26によって後退端位置に付勢されている。
【0055】
また上記プランジャ24には上記スライド孔21fと同一径の逃げ孔24aが形成されており、この逃げ孔24aはプランジャ24が後退端に位置したとき上記スライド孔21fと同軸をなすようになっている。さらにまた上記プランジャ24の底側には伝達面24bが平坦に形成されており、この伝達面24bは、吸気弁が閉の場合(吸気カム軸16のベース円がパッド21eに摺接している場合)においてプランジャ24が前進端に位置したとき上記伝達部材22のロッド部22aの上端に所定のバルブクリアランスを明けて対向するようになっている。
【0056】
また上記排気バルブ休止機構19は、上記吸気バルブ休止機構18a,18bと同一構造であるが、左,右排気リフタ31a,31bと排気カム軸17とは図2,図4に示すようにカム軸17が気筒軸側に偏位するようにオフセットしている。このようにオフセットしていることにより、排気弁13a,13bの開速度が高くなり、高いブローダウン圧力を掃気に利用でき、掃気効率を向上することができる。なお、排気カム軸17,吸気カム軸16共に時計回りに回転する。
【0057】
上記各バルブ休止機構18a,18b,19,可変バルブタイミング機構41,42への油圧供給系は、図7,図13に示すように構成されている。即ちオイルパン3内のオイルはオイルポンプ32により吸い上げられ、オイルフィルタ33で濾過された後、シリンダブロック2,シリンダヘッド4,ヘッドサイドカバー6aに形成されたオイル通路33a〜33c、切替弁34からオイル通路33h,33n,センタオイル通路33d,又は33i,33o,サイドオイル通路33eを通って、上記センタ吸気バルブ休止機構18a,又は右サイド吸気バルブ休止機構18bに、あるいは切替弁35からオイル通路33j,33p,オイル通路33gを通って上記左排気バルブ休止機構19に供給される。
【0058】
上記シリンダブロック2のオイル通路33aのオイルの一部はクランク軸12のジャーナル部44に供給され、またシリンダヘッド4のオイル通路33bのオイルの一部はシリンダヘッド4内に形成されたオイル通路33fを通ってカム軸16,17の軸受部20d〜20f,30cに供給され、さらにまた上記ヘッドサイドカバー6aのオイル通路33cのオイルの一部は切替弁45,46を介して上記可変バルブタイミング機構41,42に供給される。
【0059】
ここで図1,図7に示すように、オイルポンプ32からバルブ休止機構,可変バルブタイミング機構へのオイル通路は、シリンダブロック2内の通路33a,シリンダヘッド4内の通路33bにおいては共通であるが、上記ヘッドサイドカバー6a内に形成されたオイル通路33cにおいて3つの分岐部a,b,cに分岐されて上記各切替弁34,35,45,46の弁部34a,35a,45a,46a内に連通している。該各切替弁は、各弁部内に挿入された弁体をソレノイド34b,35b,45b,46bで進退させることにより各通路への連通を切替るように構成されている。
【0060】
上記バルブ休止機構用の切替弁34,35の弁部34a,35aからのオイル通路33h,33i,33jは、再びシリンダヘッド内のオイル通路33n,33o,33pを通ってカムキャリア20,30内のオイル通路33d,33e,33gに連通している。また可変バルブタイミング機構用の切替弁45,46の弁部45a,46aからのオイル通路33k,33mは上記ヘッドサイドカバー6aの外端支持部6cを介して可変バルブタイミング機構41,42の支持軸43dのオイル導入通路43eに連通している。
【0061】
上記吸気側のオイル通路33d,33eは、上記吸気カムキャリア20内に、カム軸と平行に、かつそれぞれ上記センタリフタガイド穴20a,右サイドリフタガイド穴20cに接して上記オイル溝21iに開口するように形成されている。この場合、センタ,サイド吸気弁11a,11cの気筒軸Aに対する傾斜角θ1,θ2,及び気筒軸Aからカム軸直角方向位置L2,L1が異なることから、上記センタリフタガイド穴20aと右サイドリフタガイド穴20cとは傾斜角度が異なり、それぞれカム軸直角方向外側(反気筒軸側)と内側(気筒軸側)とにずれている。その結果、吸気カムキャリア20にオイル通路33d,33eをカム軸と平行に貫通形成するだけで、オイル通路33dをセンタリフタガイド穴20aに連通させ、かつオイル通路33eを右サイドリフタガイド穴20cに連通するように形成することができる。
【0062】
ここで上記オイル通路33eは、左サイドリフタガイド穴20bにも連通することとなるが、この左サイドリフタガイド穴20b内には通常のリフタ21bが摺動自在に挿入されており、上記油圧がリフタ21bとガイド穴20bとの隙間から逃げることはほとんどなく、問題は生じない。
【0063】
また上記排気側のオイル通路33gは、上記排気カムキャリア30内に、カム軸と平行に、かつ上記左リフタガイド穴30aに接してオイル溝21iに開口するように形成されている。この排気側オイル通路33gは右リフタガイド穴30bにも連通するが、上記吸気側と同様に油圧が逃げることはほとんどない。
【0064】
上記排気弁用開口10a,10bは、排気ポート47の左,右分岐ポート47a,47bによりシリンダヘッド4の外部接続開口47cに導出されている。この場合に、左,右分岐ポート47a,47bの画壁47dは、図8に二点鎖線で示すように上記外部接続開口47c付近まで延長してもよい。この延長により、後述するように、左排気弁13aが休止している場合の排気効率を改善できる。
【0065】
また上記センタ吸気弁用開口9a,サイド吸気弁用開口9b,9bは、吸気ポート48のセンタ分岐ポート48a,左,右サイド分岐ポート48b,48cによりシリンダヘッド4の外部接続開口48dに導出されている。ここで右サイド分岐ポート48c側の右画壁48fは左サイド分岐ポート48b側の左画壁48eより上流側に大きく延長されている。これは後述するように、層状燃焼を実現するためである。
【0066】
そして上記外部接続開口48dに接続された吸気マニホールド49の天壁部分に燃料噴射弁50が配設されている。この燃料噴射弁50は、気筒軸方向に見ると(図8参照)、略上記左画壁48eの延長線上に位置しており、その噴射ノズル50aは、吸気ポート48の天壁に形成された噴射穴48fを通ってセンタ吸気弁用開口9a,及び左サイド吸気弁用開口9bに燃料を噴射するように指向している。
【0067】
次に本第1実施形態の作用効果について説明する。本実施形態装置では、エンジン運転状態、特に吸入空気量の大小に応じて可変バルブタイミング機構41,42により吸気弁,排気弁の開閉タイミングが制御され、またバルブ休止機構18a,18b,19により吸気弁,排気弁のバルブ休止が制御される。
【0068】
まず、可変バルブタイミング機構41,又は42では、切替弁45,又は46が油圧をピストン43cに作用させる位置に切り替えられると、該ピストン43cが図7で左方に移動し、タイミングギヤ36a,又は36bと吸気カム軸16,又は排気カム軸17との位相が変化し、吸気弁11a〜11c又は排気弁13a,13bの開閉タイミングが変化する。
【0069】
また、バルブ休止機構18a,18bでは、切替弁34が図13に実線で示す休止解除位置にある場合には、油圧がオイル通路33d,33eを介してセンタ吸気バルブ休止機構18a,及び右サイド吸気バルブ休止機構18bに供給される。すると、図10に示すように、プランジャ24が油圧の作用により前進してスライド孔21fを塞ぎ、該プランジャ24の伝達面24bが伝達部材22の伝達ロッド22aの上端面に対向する。カム軸16の回転によりセンタ,右サイドリフタ21a,21cが押し下げられると、その動作がプランジャ24,伝達部材22を介してセンタ,右サイド吸気弁11a,11cに伝達され、該両吸気弁11a,11cは通常通りの開閉動作を行う。
【0070】
また、バルブ休止機構19では、切替弁35が図5に実線で示す休止解除位置にある場合には、油圧がオイル通路33gを介して右排気バルブ休止機構19に供給され、上述の場合と同様にして左排気弁13aは通常通りの開閉動作を行う。なお、左サイド吸気弁11b、及び右排気弁13bは常時開閉動作を行う。
【0071】
そして、上記バルブ休止切替用の切替弁34が図5に破線で示す休止位置に切り替えられると、オイル通路33d,33e内の油圧が低下し、図11に示すように、プランジャ24がリターンばね26により後退端位置に戻され、該プランジャ24の逃げ孔24aがスライド孔21f,つまり伝達ロッド22aと一致する。カム軸16の回転によりセンタ,右サイドリフタ21a,21cが押し下げられると、図12に示すように、伝達ロッド22aは逃げ孔24a内に相対的に進入することとなり、リフタの下降動作はセンタ,右サイド吸気弁11a,11cには伝達されず、従って該両吸気弁11a,11cはバルブ休止となり、閉位置に保持される。
【0072】
ここで、上記バルブ休止動作において、吸気弁11a,11cを完全閉とすると、センタ,右サイド分岐ポート48a,48c内に溜まった燃料が炭化してポート内面に付着する恐れがあるので、本実施形態では、上記バルブ休止状態においても、最大リフト位置まで上記リフタ21a,21cが下降すると、パッド21eの下面が伝達ロッド22aを僅かに押し下げ、これにより上記吸気弁11a,11cが僅かに開くようになっている。
【0073】
また、バルブ休止機構19では、切替弁35が図5に破線で示す休止位置に切り替えられると、オイル通路33g内の油圧が低下し、上述の場合と同様にして左排気弁13aはバルブ休止状態となり、閉位置に保持される。なお、この左排気弁13aにおいても、バルブ休止時に僅かに開くようにしても良い。
【0074】
低速回転時あるいは低負荷運転時のような小吸気量運転域においては、ECUからの切替信号により、切替弁34,35は、図5に破線で示す休止位置に切り替えられる。これにより、オイル通路33d,33e,及び33gの油圧が低下してプランジャ24が後退し、図9(a)に示すように、センタ,右サイド吸気弁11a,11c及び左排気弁13aはバルブ休止状態となり、左サイド吸気弁11b,及び右排気弁13bのみが開閉動作を行う。
【0075】
その結果、吸気は、直径Dis1と小径で、かつ気筒軸Aからのカム軸直角方向距離がL1と小さく気筒軸側寄りで、さらにカム軸方向一側に位置するの1つの左サイド吸気弁用開口9bから集中して気筒内に流入する。これにより実質的な吸気通路面積が狭くなり、小吸気量でありながら筒内への流入速度が速くなり、かつ流入方向が明確となり、筒内流動、特にスワールが発生し、燃焼状態が良好となり、その結果、希薄空燃比燃焼の安定性を向上できる。
【0076】
またこの場合、左サイド吸気弁11bと、点火プラグ25(気筒軸A)を挟んで対向配置された右排気弁13bのみが開閉することから、上記左サイド吸気弁用開口9bから流入した吸気は、燃焼後、上記点火プラグ25を挟んで対向する位置にある右排気弁用開口10bから排出されることとなり、つまり排気の流れが燃焼室中心を通ることから、排気ガスの排出効率が向上する。ちなみに、このように吸気弁,排気弁をそれぞれ1本のみ開閉動作させる場合に、仮に左サイド吸気弁11bと左排気弁13aとを開閉動作させた場合には、燃焼室内に排気ガスの淀みが生じ、排気効率が低下する懸念がある。
【0077】
上記排気ガスのより確実な排出を図るには、図8に二点鎖線で示すように、排気ポート47の画壁47dを外部接続開口47c付近まで延長することが有効である。このようにした場合には、上述の排気ガスの流れがより一層円滑となり、排気効率が向上する。ちなみに、上記画壁47dを延長しない場合には、右排気弁13bのみが作動する場合には、右排気分岐ポート47bの通路面積が実質的に急拡大し、左排気分岐ポート47a側に排気ガスの淀みが生じることとなることから、排気効率が低下する懸念がある。
【0078】
中速回転時あるいは中負荷運転時のような中吸気量運転域においては、ECUからの切替信号により、切替弁34はオイル通路33dについてバルブ休止位置(図5破線位置)に保持され、オイル通路33eについては休止解除位置(図5実線位置)に切り替えられ、また切替弁35は図5に実線で示す休止解除位置に切り替えられる。これにより、図9(b)に示すように、センタ吸気弁11aのみがバルブ休止状態となり、左,右サイド吸気弁11b,11c,及び左,右排気弁13a,13bは開閉動作を行うこととなる。
【0079】
その結果、吸気は、気筒軸Aからのカム軸直角方向距離がL1と小さく気筒軸側寄りで、かつカム軸方向両側に位置する2つの左,右サイド吸気弁用開口9b,9cから気筒内に流入する。これにより筒内への吸気流は、上述のスワール成分が互いに打ち消し合う結果、より気筒軸に沿うよう方向付けされることとなり、筒内流動、特にタンブルが確実に発生し、燃焼状態が良好となり、その結果、希薄空燃比燃焼の安定性を向上できる。この場合、本実施形態では、センタ吸気弁11aを大径とするとともに左,右サイド吸気弁11b,11cを小径としたので、この点から上記カム軸直角方向距離L1がより一層小さくなり、つまり左,右サイド吸気弁用開口9b,9cがより一層気筒軸A側に近く、かつカム軸方向外側に位置することとなり、その結果上記気筒軸方向への方向付けがより確実となる。
【0080】
高速回転時あるいは高負荷運転時のような大吸気量運転域においては、ECUからの切替信号により、切替弁34はオイル通路33d部分についても休止解除位置に切り替えられ、これにより全てのバルブ休止動作が解除され、全ての吸気弁,及び排気弁が開閉動作を行う。
【0081】
その結果、吸気は、センタ,左,右サイド吸気弁用開口9a〜9cから筒内に流入するが、この場合、吸気ポート47内には、例えば従来の吸気制御弁を設けた場合のような流路抵抗となるものが存在しないことから、最大吸気量を増大できる。
【0082】
また本実施形態では、右画壁48fが燃料噴射弁50側に延びており、かつ該燃料噴射弁50を左画壁48e側に寄せて配置したので、センタ,左サイド吸気弁用開口9a,9bからの吸気は燃料と空気の混合体となっているのに対し、右サイド吸気弁用開口9cからの吸気は燃料がほとんど含まれない空気単体となっている。その結果、燃焼室内に燃料を含む混合気と空気単体とが層状をなして流入し、いわゆる層状燃焼を実現できる。
【0083】
図22は、本実施形態装置のバルブ休止動作によるトルクの向上効果を説明するためのエンジン回転数−トルク特性曲線であり、図中、曲線A,B,Cは上記小,中,大吸気量運転域におけるトルク特性を概念的に示す。
【0084】
本実施形態では、上述のバルブ休止動作を実現するための構造として、シリンダヘッド4に対して着脱可能の吸気カムキャリア20,排気カムキャリア30を設け、該各キャリア20,30にバルブ休止機構を組込む構造を採用したので、バルブ休止機構への油圧供給系の構造を簡単にできる。即ち、各カムキャリア20,30が別体であるので、オイル通路33d,33e,33gの孔明け加工が容易である。ちなみに、シリンダヘッド4に一体化された部位にバルブ休止機構を組み込む構造を採用した場合、オイル通路がシリンダヘッド4のカム軸方向端部の外壁(カム室構成壁)を貫通することとなったり、あるいはカム軸と直角方向に分岐通路を設ける等、油圧供給系の構造が複雑になるとともに、大物で大重量のシリンダヘッドに直接孔明け加工を要する分だけ取り扱い性が悪化する。
【0085】
本実施形態では、センタリフタガイド穴20aと右サイドリフタガイド穴20cとを異なる傾斜角度としてカム軸直角方向にずらして配置したので、オイル通路33dと33eとをカム軸16と平行に、かつ各ガイド穴20a,20cの外周部に接するように明けるだけで、センタ吸気バルブ休止機構18aと右サイド吸気バルブ休止機構18bとに別個独立に油圧を供給できる。ちなみ,両ガイド穴20aと20cとを同じ傾斜角度でもって配置した場合には、各ガイド穴20a,20cから離れた位置にオイル通路を設け、該オイル通路からカム軸直角方向に分岐通路を設ける等、構造が複雑となる。
【0086】
本実施形態では、オイル通路33cをヘッドサイドカバー6a内を通るように構成するとともに、該オイル通路をヘッドサイドカバー6a内においてバルブ休止機構用オイル通路と可変バルブタイミング機構用オイル通路とに分岐したので、バルブ休止機構用切替弁34,35、及び可変バルブタイミング機構用切替弁45,46を全てヘッドサイドカバー6aに配設することができる。またこの場合、カム軸16,17の軸受等に潤滑油を供給するためのオイル通路33fについてはシリンダヘッド4内を通るように形成した。その結果、バルブ休止機構等を備えないエンジンについては、ヘッドサイドカバーを上記オイル通路33c等の形成されていない仕様のものに変更するだけで良く、部品共用化が容易である。
【0087】
本実施形態では、ヘッドサイドカバー6aの可変バルブタイミング機構41,42を収容する部分の下方のデッドスペースを利用して上記各切替弁34,35,45,46を配設することができ、切替弁の配設に起因するエンジンの大型化を回避できる。
【0088】
図14,図15は、請求項1の発明の一実施形態(第2実施形態)によるエンジンのバルブ休止装置を説明するための図であり、図中、図8,図9と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0089】
本第2実施形態では、センタ吸気弁11aの弁径Dicと左,右サイド吸気弁11b,11cの弁径Dis1,Dis2と、左,右排気弁13a,13bの弁径De1,De2とは、Dis1=Dis2>De1=De2>Dicの関係に設定されている。即ち、センタ吸気弁11aが最も小径になっている。
【0090】
またセンタ吸気弁11aの気筒軸Aからのカム軸直角方向距離L2と左,右サイド吸気弁11b,11cの気筒軸Aからのカム軸直角方向距離L2とは、L2>L1の関係に設定されている。
【0091】
また燃料噴射弁50は吸気ポート48の軸線上に配置されており、吸気ポート48の左画壁48e,右画壁48fは同じ長さに設定されている。この場合、左,右画壁48e,48fの上流端は上記燃料噴射弁50から離れた位置に位置しており、これにより燃料噴射弁50からの燃料はセンタ吸気弁用開口9aだけでなく、左,右サイド吸気弁用開口9b,9cに向けて噴射供給される。
【0092】
吸気側のバルブ休止機構は、左,右サイド吸気弁11b,11cの何れか一方、又は両方を同時に休止することができるように構成されている。また排気側のバルブ休止機構は、左排気弁13aを休止することができるように構成されている。なお、センタ吸気弁11b,右排気弁13bには休止機構は設けられておらず、従って該両弁11b,13bは常時開閉する。
【0093】
ここで上記左,右サイド吸気弁11b,11cの何れか一方を休止可能とするには別個独立のオイル通路が必要となる。このオイル通路を独立させるには、上述の吸気カムキャリア20に、左,右サイドリフタガイド穴20b,20cから離れた位置に2本のオイル通路をカム軸16と平行に形成し、該各オイル通路と各リフタガイド穴20b,20cとを連通する分岐オイル通路を形成すれば良い。
【0094】
本第2実施形態装置では、小吸気量時には、図15(a)に示すように、左,右サイド吸気弁11b,11c及び左排気弁13aが休止し、センタ吸気弁11a及び右排気弁13bのみが開閉する。そのため吸気は最も小径のセンタ吸気弁用開口9aのみから気筒内に流入することとなり、流入面積が小さい分だけ流入速度が上昇する。また吸気は、気筒軸Aから最も離れた外側に1つだけ存在する上記センタ吸気弁用開口9aから気筒内に流入し、反対方向の流れにより方向性が乱されることがない。その結果、筒内流動が確実に発生し、希薄空燃比燃焼が安定化する。
【0095】
またこの場合、吸気ポート48の中心に位置する燃料噴射弁からの燃料が混合された吸気が、気筒軸Aに対向するように位置するセンタ吸気弁用開口9aから同じく気筒軸A付近に位置する点火プラグ25に直接向かって流入するので、点火プラグ25の周囲に混合気が集中することとなり、これにより希薄空燃比燃焼が安定化する。そして本実施形態では、センタ吸気弁用開口9aが最も小径に設定されているので、点火プラグ25をセンタ吸気弁用開口9a側に寄せて配置でき、この点からも燃焼性を向上できる。
【0096】
中吸気量時には、図15(b)に示すように、右サイド吸気弁11c,及び左排気弁13aの休止動作が解除され、左サイド吸気弁11bのみが休止する。そのため吸気は、センタ吸気弁用開口9aと右サイド吸気弁用開口9cから流入し、気筒軸方向の流れ(タンブル)と気筒内面に沿った流れ(スワール)とが合成された斜めスワールが発生し、これにより希薄空燃比燃焼が安定化する。
【0097】
また、大吸気量時には、図15(c)に示すように、センタ,及び左,右サイド吸気弁11a〜11cの全てが作動するので流入面積が大きくなり、かつ吸気通路内に流入抵抗となるものが存在しないので、最大吸気量が増大する。
【0098】
さらにまた、本実施形態では、センタ吸気弁11aを最も小径にしたので、該センタ吸気弁11aの弁頭11dとの干渉を回避するためのピストン7の頂面の逃げを小さくできる。ちなみに、センタ吸気弁は燃焼室の最も低い位置にあるので、ピストン頂面と干渉し易いことから、従来のエンジンでは、ピストン頂面のセンタ吸気弁と対向する部位に大きな逃げを形成しており、この逃げによりピストン頂部の強度が低下する問題があったが、本実施形態ではこの問題を解消できる。
【0099】
図16,17は、請求項3の発明の一実施形態(第3実施形態)によるエンジンの吸気装置を説明するための図であり、図中、図8,図9と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0100】
本第3実施形態では、センタ吸気弁11aの弁径Dicと左,右サイド吸気弁11b,11cの弁径Dis1,Dis2と、左,右排気弁13a,13bの弁径De1,De2とは、Dic=Dis2>De1=De2>Dis1の関係に設定されている。即ち、左サイド吸気弁用開口9bが最も小径になっている。
【0101】
またセンタ吸気弁11aの気筒軸Aからのカム軸直角方向距離L3と、右サイド吸気弁11cの上記カム軸直角方向距離L2と、左サイド吸気弁11bの上記カム軸直角方向距離L1とは、L3>L2>L1の関係に設定されている。即ち、吸気弁3本とも上記距離は異なる。
【0102】
また燃料噴射弁50は吸気ポート48の左画壁48eの延長線上に配置されており、吸気ポート48の左画壁48e,右画壁48fは同じ長さに設定されている。この場合、左,右画壁48e,48fの上流端は上記燃料噴射弁50から離れた位置に位置しており、これにより燃料噴射弁50からの燃料は、主としてセンタ吸気弁用開口9a及び左サイド吸気弁用開口9bに向けて噴射供給される。
【0103】
吸気側のバルブ休止機構は、センタ吸気弁11a,右サイド吸気弁11cの何れか一方、又は両方を同時に休止することができるように構成されている。また排気側のバルブ休止機構は、左排気弁13aを休止することができるように構成されている。なお、センタ吸気弁11b,右排気弁13bには休止機構は設けられておらず、従って該両弁11b,13bは常時開閉する。
【0104】
本第3実施形態装置では、小吸気量時には、図17(a)に示すように、センタ吸気弁11a,右サイド吸気弁11c及び左排気弁13aが休止し、左サイド吸気弁11b及び右排気弁13bのみが開閉する。そのため吸気は最も小径の左サイド吸気弁用開口9bのみから気筒内に流入することとなり、流入面積が小さい分だけ流入速度が上昇する。また吸気は、気筒軸Aに最も近く、またカム軸方向外側に寄った位置に存在する上記左サイド吸気弁用開口9b気筒内に流入し、反対方向の流れにより方向性が乱されることがない。その結果、筒内流動、特にスワールが確実に発生し、希薄空燃比燃焼が安定化する。
【0105】
中吸気量時には、図17(b)に示すように、センタ吸気弁11a,及び左排気弁13aの休止動作が解除され、右サイド吸気弁11bのみが休止する。そのため吸気は、センタ吸気弁用開口9aと左サイド吸気弁用開口9bから流入し、気筒軸方向の流れ(タンブル)と気筒内面に沿った流れ(スワール)とが合成された斜めスワールが発生し、これにより希薄空燃比燃焼が安定化する。
【0106】
また、大吸気量時には、図17(c)に示すように、センタ,及び左,右サイド吸気弁11a〜11cの全てが作動するので流入面積が大きくなり、かつ吸気通路内に流入抵抗となるものが存在しないので、最大吸気量が増大する。
【0107】
図18は請求項5の発明の一実施形態(第4実施形態)を説明するための図であり、図中、図9と同一符号は同一又は相当部分を示す。
本第4実施形態では、各吸気弁,排気弁の弁径の関係,燃料噴射弁50の配置位置,左,右画壁48e,48fの形状は図14に示すものと同様に設定されている。一方、吸気側のバルブ休止機構はセンタ吸気弁11aのみを休止可能になっており、また排気側のバルブ休止機構は右排気弁13bのみを休止可能になっている。
【0108】
本第4実施形態では、小吸気量時には、図18(a)に示すように、センタ吸気弁11a,右排気弁13bが休止し、吸気は左,右サイド吸気弁用開口9b,9cから流入し、排気ガスは左排気弁13aから流出する。このように吸気は、気筒軸寄りの左,右に位置する左,右サイド吸気弁用開口9b,9cから気筒内に流入するので、タンブルが発生し易くなる。
【0109】
また中吸気量時には、図18(b)に示すように、センタ吸気弁11aは休止を継続し、右排気弁13bの休止が解除される。そのため比較的多量の吸気が、上記小吸気量時と同様に左,右のサイド吸気弁用開口9b,9cから流入するのでタンブルがより確実となる。またこの場合、排気弁は2本とも作動するので排気ガスの排出は確実となる。
【0110】
さらにまた高吸気量時には、全ての吸気弁が作動するので、充分な最大吸気量を確保できる。
【0111】
ここで上記第1〜第4実施形態では、油圧を供給しない状態でバルブ休止となり、油圧を供給するとバルブ休止が解除されるように構成したが、これとは逆に油圧を供給するとバルブ休止となり、油圧を供給しないとバルブ休止が解除されるように構成しても良い。このように構成すると、全ての弁にバルブ休止機構を設けることが可能となり、設計上の自由度が拡大する。
【0112】
即ち、油圧無しでバルブ休止が解除されるように構成すれば、エンジン始動時において油圧が発生するまでは、バルブ休止機構の有無に関わらず全ての弁が作動することとなり、全ての弁にバルブ休止機構を設けても始動が可能となる。ちなみに、上記実施形態の場合のように、油圧有りでバルブ休止が解除されるように構成すれば、全ての弁にバルブ休止機構を設けると、エンジン始動が不可能となり、結局少なくとも1つの吸気弁,排気弁にはバルブ休止機構を設けない構成とせざるを得なくなり、上記実施形態では、少なくとも何れか1本の吸気弁及び排気弁にはバルブ休止機構を設けていない。
【0113】
図19は請求項4の発明の一実施形態(第5実施形態)を説明するための図であり、図中、図9と同一符号は同一又は相当部分を示す。本実施形態は、油圧無しでバルブ休止が解除されるように構成するとともに、全ての吸気弁11a〜11cに休止可能機構を設けた例である。
【0114】
本第5実施形態では、各吸気弁,排気弁の弁径の関係,燃料噴射弁50の配置位置,左,右画壁48e,48fの形状は図14に示すものと同様に設定されている。一方、吸気側のバルブ休止機構はセンタ吸気弁11aと、左,右サイド吸気弁11b,11cとの何れか一方を切り替えて休止できるようになっている。また排気側のバルブ休止機構は右排気弁13bのみを休止可能になっている。
【0115】
本第5実施形態では、始動時には油圧が発生していないことからいずれのバルブ休止機構も解除されており、従って全ての弁が開閉動作を行い、支障なく始動できる。そして小吸気量時には、図19(a)に示すように、左,右サイド吸気弁11b,11c及び右排気弁13bが休止し、センタ吸気弁11aは休止解除されている。そのため吸気はセンタ吸気弁用開口9aから流入し、排気ガスは左排気弁13aから流出する。このように吸気は、最も小径で、かつ気筒軸Aから離れた位置に1つだけ存在するセンタ吸気弁用開口9aから流入するので、流入速度が高く、方向性が明確となり、筒内流動が確実に発生し、希薄空燃比燃焼が安定化する。
【0116】
またこの場合、混合気が点火プラグ25に集中し、これにより希薄空燃比燃焼が安定化する。またセンタ吸気弁用開口9aが最も小径に設定されているので、点火プラグ25をセンタ吸気弁用開口9a側に寄せて配置でき、この点からも燃焼性を向上できる。
【0117】
また中吸気量時には、図19(b)に示すように、センタ吸気弁11aは休止し、左,右サイド吸気弁11b,11c及び右排気弁13bの休止は解除される。なお、この切り替えに当たっては、まずセンタ吸気弁11aを作動させた状態で左,右サイド吸気弁11b,11cの休止を解除し、しかる後センタ吸気弁11aを休止することが望ましい。これにより切替時のショックが緩和される。
【0118】
上記左,右サイド吸気弁11b,11cの休止解除により、比較的多量の吸気が、上記小吸気量時と同様に左,右のサイド吸気弁用開口9b,9cから流入するのでタンブルがより確実となる。またこの場合、排気弁は2本とも作動するので排気ガスの排出は確実となる。
【0119】
さらにまた高吸気量時には、全ての吸気弁が作動するので、充分な最大吸気量を確保できる。
【0120】
図20は、上記第1実施形態におけるバルブ休止制御の変形例を示す。本変形例では、小吸気量時(同図(a)参照)には上記第1実施形態と同じ休止制御を行うが、中吸気量時,大吸気量時の制御が異なる。即ち、中吸気量時には同図(b)に示すように左排気弁13aを休止し、また大吸気量運転域を吸気量の比較的少ない運転域と多い運転域とに区分し、吸気量の比較的少ない運転域では、同図(c′)に示すように、センタ吸気弁11aは休止を解除し、左排気弁13aについては上記中吸気量時と同じく休止を継続する。そして吸気量の多い運転域で全ての弁を作動させる。
【0121】
このように構成することにより、上記大吸気量運転域の前半において排気弁が1つだけ作動することとなることから、排気管の大吸気量運転域での等価管長が長くなり図22に二点鎖線のトルクカーブC′に示すように、高速回転域(大吸気量運転域)でのトルクをさらに向上できる。
【0122】
図21は、上記第2実施形態におけるバルブ休止制御の変形例を示す。本変形例では、小吸気量時(同図(a)参照),大吸気量時(同図(c)参照)には上記第2実施形態と同じ休止制御を行うが、中吸気量時の制御が異なる。即ち、中吸気量運転域を吸気量の比較的少ない運転域と多い運転域とに区分し、少ない運転域では、同図(b′)に示すように、センタ吸気弁11a,右サイド吸気弁11c,及び右排気弁13bのみを作動させ、左排気弁13aは休止を継続する。そして吸気量の比較的多い運転域になると上記第2実施形態と同様に左排気弁13aも作動させる。
【0123】
このように構成することにより、上記中吸気量運転域の前半において排気弁が1つだけ作動することとなることから、排気管の中吸気量運転域での等価管長が長くなり図22に二点鎖線のトルクカーブB′に示すように、中速回転域(中吸気量運転域)でのトルクをさらに向上できる。
【0124】
なお、上記各実施形態では、吸気弁3本,排気弁2本の5バルブエンジンの場合を説明したが、本発明は、2本又は4本以上の吸気弁を気筒軸側寄り及び反気筒軸側寄りに分けて配置した場合にも適用可能である。
【0125】
また、上記各実施形態において、吸気弁,排気弁のバルブリフトカーブを弁径に応じて以下のように設定するとともに、上述のバルブ休止制御を行うようにすることも可能である。
【0126】
例えば、小径弁の最大リフトを大径弁の最大リフトより小さく設定する。これにより上述の小径弁を採用するとともにバルブ休止制御をしたことによる効果に加えて以下の効果が得られる。即ち、小径弁の最大リフト量を小さくした分だけ該小径弁用のリフタ径を小さくできるのでスペース的に大径弁用リフタ径を大きくでき、大径弁の最大リフトを大きくできる。これにより、大径弁をバルブ休止したときの流量と小径弁をバルブ休止したときの流量との比(ダイナミックレンジ)を大きくできる。その結果、小吸気量時の筒内流動をより強化でき、かつ大吸気量時の最大吸気量をより増大できる。また小径弁でありながらリフト量が過大となる無駄を回避できる。即ち、小径弁の場合に必要以上に大リフトとしても流量の増加には効果がない。
【0127】
また上述の可変バルブタイミング機構を利用して、あるいはカムノーズ形状を適宜設定することにより、エンジンの低速回転域において開閉動作するバルブの開閉タイミングを、排気弁と吸気弁とのオーバーラップが小さくなるようにする。これは排気弁については閉タイミングを進角させ、吸気弁については開タイミングを遅角させることにより実現できる。このように低速回転域でのオーバーラップを小さくすることにより、低速回転域での燃焼を良好にでき、アイドル回転を安定化できるとともに低速トルクを増大できる。
【0128】
さらにまた、上記各実施形態では、弁径を変えることにより各種の作用効果を得るようにしたが、弁径は変えないで、リフト量及び図23におけるシート角度αを変えることによって同等の効果を得ることができる。例えば図23に示すように、上記各実施形態において弁径は全て同じとし、小径であった部位に配置されている弁(吸気弁)については小リフトとしかつ上記シート角度αを小さくし、大径であった部位に配置されている弁(吸気弁)については大リフトとしかつ上記シート角度αを大きくする。これと上記実施形態のバルブ休止制御とを組合わせることにより、以下の理由により上記実施形態と同等の効果が得られる。
【0129】
ここで本発明者等は、リフト量をHとすると実効開口面積、ひいては流量は、Hcos αに比例することを実験等により確認している。即ち、図24に示すように、αが小さい場合(曲線A参照)には、流量はバルブの開き初期(低リフト時図23(b)参照)にて流量が急に増加するものの、大リフトになっても曲がり抵抗が大きいことから流量はそれ以上増加しない(図23(c)参照)。一方、αが大きい場合(曲線B参照)にはバルブの開き初期には開口面積の増加が遅いことから流量増加は比較的遅いものの(図23(e)参照)、大リフトになると曲がり抵抗が小さい分だけ流量は大きく増加する(図23(f)参照)。
【0130】
このように、α小かつ小リフトとすることは小径弁と等価となり、α大かつ大リフトとすることは大径弁と等価となり、上述のように置き替えることが可能である。しかもこの場合、弁径を全て同じ径としているので、シート角度αの変更のみで対応でき、製造が容易である。また、上記シート角度α小の弁については小リフト部分を使用することとなり、シート角度α大の弁については大リフト部分を使用することとなるから、何れの場合にも吸入係数の高いところで吸入しており、効率が良い。
【0131】
図25,26は、請求項6の発明の実施形態(第6実施形態)を説明するための図であり、図25は上記吸気弁11a〜11cのバルブ休止状態,及び排気弁13a,13bのバルブタイミングの変化を、図26はシリンダボア内の成層の状態をそれぞれ示す図である。
【0132】
本エンジンは、カム軸方向中央に配設された1本のセンタ吸気弁11aと、その両側に配設された第1,第2サイド吸気弁11b,11cと、カム軸方向両側に配設された第1,第2排気弁13a,13bとを備えている。また上記両排気弁13a,13bの作動時期を変化させる可変バルブタイミング機構及びバルブタイミング制御手段と、上記第1,第2サイドバルブ11b,11cを休止可能とするバルブ休止機構,及びバルブ休止制御手段とを備えている。
【0133】
そして上記バルブタイミング制御手段は、上記可変バルブタイミング機構をして、小吸気量時に上記量排気弁13a,13bの開閉タイミングを遅角させるよう構成されており、また上記バルブ休止制御手段は、上記バルブ休止機構をして小吸気量に左,右サイド吸気弁11b,11cの両方を休止するよう構成されている。
【0134】
図25において、実線で示す特性線EX1,2は上記排気弁13a,13bの大,中吸気量時の、また破線で示す特性線EX1´,2´は小吸気量時の上記排気弁13a,13bの、開閉タイミングを各々示す。また特性線IN1,2,3は上記吸気弁11b,11a,11cの大,中吸気量時の、また特性線1´,3´は小吸気量時の上記吸気弁11b,11cのバルブ作動状態を各々示している。
【0135】
ここで、一般に低負荷時(小吸気量時)にはスロットル弁を閉じることからポンピングロスが発生して燃費が悪くなる。このポンピングロスを小さくするため、従来はEGRガスをできるだけ多量導入し、スロットル弁を開くようにしているが、EGRガスが増加すると燃焼が不安定となるため、この方法には限界がある。
【0136】
本実施形態では、小吸気量時には、図25に破線で示すように、上記排気弁13a,13bの開閉タイミングを可変バルブタイミング機構により所定時間t1だけ遅角させるとともに、上記第1,第2サイド吸気弁11b,11cをバルブ休止機構により停止させるようにしている。
【0137】
上記排気弁13a,13bの閉タイミングの遅角により、排気ガスが気筒内に逆流し、またセンタ吸気弁11aのみから新気が導入されることから、上記シリンダボア2a内には図26に示すように、その中央部に上記吸気弁11aから排気弁13a,13b方向に流入する主として新気の層S1が、またこの新気の層S1の両側に主として排気の層S2が各々形成される。このように成層状態となることからEGRガス量を増加しても燃料を安定化できる。また、EGRを増大した分だけスロットル弁が開かれることから、ポンピングロスを減少でき、またEGRガスの増加により燃焼温度が低下しNOxを低減できる。
【0138】
【発明の効果】
本発明によれば、1つ又は複数の吸気弁用開口に向けて燃料を噴射供給する燃料噴射弁と、吸気弁の一部を休止可能とするバルブ休止機構を設け、エンジン運転状態と燃料噴射状態とに応じてバルブ休止制御を行うバルブ休止制御手段を設けたので、小吸気量時には吸気弁の一部を休止させるせることにより吸気を一部の吸気弁用開口に集中させて気筒内に導入し、筒内流動を確保できる効果があり、この場合に、燃料噴射状態との関連性を考慮しつつ休止するべき吸気弁を設定したので、適正な燃料供給が可能となり、燃焼安定化が図れる効果がある。
【0139】
また大吸気量時には、バルブ休止動作を解除することにより全ての吸気弁を通って吸気を気筒内に導入でき、最大吸気量を増大できる効果がある。
【0140】
請求項1の発明によれば、小吸気量時には、第1,第2吸気弁を休止して吸気をセンタ吸気弁用開口のみから流入させるとともに、燃料を主としてセンタ吸気弁用開口に向けて噴射供給するようにしたので、タンブルを確実に発生できるとともに、点火プラグの周囲に比較的高濃度の混合気を供給でき、希薄空燃比燃焼を安定化できる効果があり、また中吸気量時には、第1サイド吸気弁を休止して吸気をセンタ吸気弁用開口及び第2サイド吸気弁用開口から流入させるようにしたので、センタ吸気弁からのタンブルとサイド吸気弁からのスワールとが合成された斜めスワールが発生できる効果があり、さらにまた大吸気量時には最大吸気量を増大できる効果がある。
【0141】
また、燃料を主としてセンタ吸気弁用開口に向けて供給するようにしたので、センタ吸気弁用開口からの吸気流には燃料が多く混合しているのに対し、第1,第2サイド吸気弁用開口からの吸気流中の燃料は少ないので、層状燃焼となり、この点からも希薄空燃比燃焼を安定化できる効果がある。
【0142】
請求項2の発明によれば、小吸気量時には、上記センタ吸気弁,及び第2サイド吸気弁の両方を休止して、吸気を第1サイド吸気弁用開口のみから流入させるようにしたので、スワールを確実に発生でき、中吸気量時には、センタ吸気弁のみを休止して吸気を第1,第2サイド吸気弁から流入させるようにしたので、タンブルを発生でき、また大吸気量時には最大吸気量を増大できる効果がある。
【0143】
さらにまた、燃料を第1サイド吸気弁及びセンタ吸気弁側のみに供給し、第2吸気弁側には供給しないようにしたので、中,大吸気量時には、燃料が混合された混合気流と燃料が混合されていない空気単体流とが層を成して流れ、層状燃焼を実現できる効果がある。
【0144】
請求項3の発明によれば、小吸気量時には、上記センタ吸気弁及び第2サイド吸気弁の両方を休止して吸気を第1サイド吸気弁のみから気筒内に流入させるようにしたので、スワールを確実に発生できる効果があり、また中空気量時には、上記第2サイド吸気弁のみを休止して吸気を第1サイド吸気弁とセンタ吸気弁の両方から流入させるようにしたので、斜めスワールを発生できる効果があり、さらにまた大吸気量時には最大吸気量を増大できる効果がある。
【0145】
そして燃料を、主として上記第1サイド吸気弁用開口及びセンタ吸気弁用開口に向けて供給するようにしたので、小吸気量時及び中吸気量時においては、気筒内にて発生する筒内流動とあいまって燃焼を安定化でき、大吸気量時には、第2サイド吸気弁用開口からの吸気流に燃料はあまり含まれていないことから層状燃焼を実現でき、この点からも希薄空燃比燃焼を安定化できる効果がある。
【0146】
請求項4の発明によれば、小吸気量時には、両サイド吸気弁を休止して吸気をセンタ吸気弁のみから流入させるようにしたので、流速が高くなり、タンブルを発生できる効果があり、また中吸気量時には、センタ吸気弁のみを休止して吸気を第1,第2サイド吸気弁から流入させるようにしたので、この場合もタンブルが発生でき、さらにまた大吸気量時には最大吸気量を増大でき効果がある。
【0147】
そして燃料を第1,第2サイド吸気弁用開口及びセンタ吸気弁用開口に向けて供給するようにしたので、上記小,中,大吸気量時の何れの場合にも適正な混合気が得られ、安定した燃焼が可能となる効果がある。
【0148】
請求項5の発明によれば、小,中吸気量時には、センタ吸気弁を休止して吸気を第1,第2サイド吸気弁から流入させるようにしたので、タンブルを発生でき、また大吸気量時には最大吸気量を増大できる効果がある。
【0149】
また燃料を、第1,第2サイド吸気弁用開口に向けて供給するようにしたので、上記小,中吸気量時の何れにおいても適正な混合気が得られ、大吸気量時には、センタ吸気弁用開口からの吸気流に燃料を余り含まれていないことから層状燃焼が行われ、希薄空燃比燃焼を安定化できる効果がある。
【0150】
請求項6の発明によれば、小吸気量時には、両サイド吸気弁を休止するとともに、排気弁の閉時期を遅角させたので、排気と新気の成層状態となることからEGRガスを増加しても燃料を安定化でき、またEGRガス増量によりポンピングロスを低減できるとともに、NOx量を低減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項2の発明の一実施形態(第1実施形態)による4サイクルエンジンの正面図である。
【図2】上記第1実施形態エンジンの右サイド吸気弁,右排気弁部分を示す断面正面図である。
【図3】上記第1実施形態エンジンのセンタ吸気弁部分を示す断面正面図である。
【図4】上記第1実施形態エンジンの左サイド吸気弁,左排気弁部分を示す断面正面図である。
【図5】上記第1実施形態エンジンのシリンダヘッドの吸気,排気カムキャリアを取り外した状態を示す平面図である。
【図6】上記第1実施形態エンジンの吸気,排気カムキャリアの一部断面平面図である。
【図7】上記第1実施形態エンジンのオイル系を示す断面背面図である。
【図8】上記第1実施形態エンジンの吸気弁用開口,排気弁用開口部分を示す模式断面平面図である。
【図9】上記第1実施形態エンジンの動作を説明するための模式図である。
【図10】上記第1実施形態エンジンのバルブ休止機構部分を示す断面図である。
【図11】上記第1実施形態エンジンのバルブ休止機構部分を示す断面図である。
【図12】上記第1実施形態エンジンのバルブ休止機構部分を示す断面図である。
【図13】上記第1実施形態エンジンのオイル系統図である。
【図14】請求項1の発明の一実施形態(第2実施形態)による4サイクルエンジンの吸気弁用開口,排気弁用開口部分を示す模式断面平面図である。
【図15】上記第2実施形態エンジンの動作を説明するための模式図である。
【図16】請求項3の発明の一実施形態(第3実施形態)による4サイクルエンジンの吸気弁用開口,排気弁用開口部分を示す模式断面平面図である。
【図17】上記第3実施形態エンジンの動作を説明するための模式図である。
【図18】請求項5の発明の一実施形態(第4実施形態)による4サイクルエンジンの動作を説明するための模式図である。
【図19】請求項4の発明の一実施形態(第5実施形態)による4サイクルエンジンの動作を説明するための模式図である。
【図20】上記第1実施形態エンジンのバルブ休止制御動作の変形例を説明するための模式図である。
【図21】上記第2実施形態エンジンのバルブ休止制御動作の変形例を説明するための模式図である。
【図22】上記第1実施形態エンジンの効果を説明するためのエンジン回転数−トルク特性図である。
【図23】上記各実施形態の発展例を示す模式図である。
【図24】上記発展例の効果を示すエンジン回転数−流量特性図である。
【図25】請求項6の発明の一実施形態(第6実施形態)による4サイクルエンジンのバルブタイミング及びバルブ休止状態を説明するための模式図である。
【図26】上記第6実施形態エンジンの筒内の成層状態を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 エンジン
9a センタ吸気弁用開口
9b,9c 第1,第2サイド吸気弁用開口
11a センタ吸気弁
11b,11c 第1,第2サイド吸気弁
50 燃料噴射弁

Claims (6)

  1. 複数の吸気弁と、何れか1つ又は複数の吸気弁用開口に向けて燃料を噴射供給する燃料噴射弁と、上記何れか1本又は複数本の吸気弁を休止可能とするバルブ休止機構と、運転状態と燃料噴射状態とに基づいて吸気弁の休止制御を行うバルブ休止制御手段とを備えた4サイクルエンジンにおいて、
    カム軸方向中央に1本のセンタ吸気弁が、該センタ吸気弁のカム軸方向両側に第1,第2サイド吸気弁がそれぞれ配置されており、上記燃料噴射弁が、上記センタ吸気弁用開口に上記第1,第2サイド吸気弁用開口のそれぞれより多量の燃料を噴射供給するように設けられており、上記バルブ休止機構が、上記第1,第2サイド吸気弁の何れか一方,又は両方を休止可能に構成されており、上記バルブ休止制御手段が、小吸気量時には上記第1,第2サイド吸気弁の両方を休止させ、中吸気量時には上記第1,第2サイド吸気弁の何れか一方を休止させ、大吸気量時には全休止動作を解除するように構成されていることを特徴とする4サイクルエンジン。
  2. 複数の吸気弁と、何れか1つ又は複数の吸気弁用開口に向けて燃料を噴射供給する燃料噴射弁と、上記何れか1本又は複数本の吸気弁を休止可能とするバルブ休止機構と、運転状態と燃料噴射状態とに基づいて吸気弁の休止制御を行うバルブ休止制御手段とを備えた4サイクルエンジンにおいて、
    カム軸方向中央に1本のセンタ吸気弁が、該センタ吸気弁のカム軸方向両側に第1,第2サイド吸気弁がそれぞれ配置されており、上記燃料噴射弁が、上記第1サイド吸気弁用開口及びセンタ吸気弁用開口に燃料を噴射供給するように構成されており、上記バルブ休止機構が、上記センタ吸気弁と第2サイド吸気弁の何れか一方,又は両方を休止可能に構成されており、上記バルブ休止制御手段が、小吸気量時には上記センタ吸気弁と第2サイド吸気弁の両方を休止させ、中吸気量時には上記センタ吸気弁を休止させ、大吸気量時には全休止動作を解除するように構成されていることを特徴とする4サイクルエンジン。
  3. 複数の吸気弁と、何れか1つ又は複数の吸気弁用開口に向けて燃料を噴射供給する燃料噴射弁と、上記何れか1本又は複数本の吸気弁を休止可能とするバルブ休止機構と、運転状態と燃料噴射状態とに基づいて吸気弁の休止制御を行うバルブ休止制御手段とを備えた4サイクルエンジンにおいて、
    カム軸方向中央に1本のセンタ吸気弁が、該センタ吸気弁のカム軸方向両側に第1,第2サイド吸気弁がそれぞれ配置されており、上記燃料噴射弁が、上記第1サイド吸気弁用開口及びセンタ吸気弁用開口のそれぞれに上記第2サイド吸気弁用開口より多量の燃料を噴射供給するように設けられており、上記バルブ休止機構が、上記センタ吸気弁と第2サイド吸気弁の何れか一方,又は両方を休止可能に構成されており、上記バルブ休止制御手段が、小吸気量時には上記センタ吸気弁,第2サイド吸気弁の両方を休止させ、中吸気量時には上記第2サイド吸気弁を休止させ、大吸気量時には全休止動作を解除するように構成されていることを特徴とする4サイクルエンジン。
  4. 複数の吸気弁と、何れか1つ又は複数の吸気弁用開口に向けて燃料を噴射供給する燃料噴射弁と、上記何れか1本又は複数本の吸気弁を休止可能とするバルブ休止機構と、運転状態と燃料噴射状態とに基づいて吸気弁の休止制御を行うバルブ休止制御手段とを備えた4サイクルエンジンにおいて、
    カム軸方向中央に1本のセンタ吸気弁が、該センタ吸気弁のカム軸方向両側に第1,第2サイド吸気弁がそれぞれ配置されており、上記燃料噴射弁が、上記センタ吸気弁用開口及び上記第1,第2サイド吸気弁用開口に燃料を噴射供給するように設けられており、上記バルブ休止機構が、上記センタ吸気弁と第1,第2サイド吸気弁との何れか一方を単独で休止可能に構成されており、上記バルブ休止制御手段が、小吸気量時には上記第1,第2サイド吸気弁を休止させ、中吸気量時には上記センタ吸気弁を休止させ、大吸気量時には全休止動作を解除するように構成されていることを特徴とする4サイクルエンジン。
  5. 複数の吸気弁と、何れか1つ又は複数の吸気弁用開口に向けて燃料を 噴射供給する燃料噴射弁と、上記何れか1本又は複数本の吸気弁を休止可能とするバルブ休止機構と、運転状態と燃料噴射状態とに基づいて吸気弁の休止制御を行うバルブ休止制御手段とを備えた4サイクルエンジンにおいて、
    カム軸方向中央に1本のセンタ吸気弁が、該センタ吸気弁のカム軸方向両側に第1,第2サイド吸気弁がそれぞれ配置されており、上記燃料噴射弁が、上記第1,第2サイド吸気弁用開口のそれぞれに上記センタ吸気弁用開口より多量の燃料を噴射供給するように設けられており、上記バルブ休止機構が、センタ吸気弁を休止可能に構成されており、上記バルブ休止制御手段が、小,中吸気量時にはセンタ吸気弁を休止させ、大吸気量時には休止動作を解除するように構成されていることを特徴とする4サイクルエンジン。
  6. カム軸方向中央に配設された1本のセンタ吸気弁と、該センタ吸気弁のカム軸方向両側に配設された第1,第2サイド吸気弁と、上記カム軸方向両側に配設された第1,第2排気弁と、上記各排気弁の作動時期を変化させる可変バルブタイミング機構と、上記第1,第2サイド吸気弁を休止可能とするバルブ休止機構と、小吸気量時には上記第1,第2サイド吸気弁の両方を休止させるバルブ休止制御手段と、小吸気量時には上記第1,第2排気弁の閉時期を遅角させるバルブタイミング制御手段とを備えたことを特徴とする4サイクルエンジン。
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