JPH0874540A - 4サイクルエンジンのバルブ休止装置 - Google Patents

4サイクルエンジンのバルブ休止装置

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JPH0874540A
JPH0874540A JP20708894A JP20708894A JPH0874540A JP H0874540 A JPH0874540 A JP H0874540A JP 20708894 A JP20708894 A JP 20708894A JP 20708894 A JP20708894 A JP 20708894A JP H0874540 A JPH0874540 A JP H0874540A
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JP
Japan
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valve
intake
center
valves
intake valve
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Application number
JP20708894A
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English (en)
Inventor
Tetsushi Saito
哲史 斎藤
Naoki Tsuchida
直樹 土田
Hiroyuki Tsujiku
広幸 都竹
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0874540A publication Critical patent/JPH0874540A/ja
Priority to US08/885,453 priority patent/US5758612A/en
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/24Cylinder heads
    • F02F1/42Shape or arrangement of intake or exhaust channels in cylinder heads
    • F02F1/4214Shape or arrangement of intake or exhaust channels in cylinder heads specially adapted for four or more valves per cylinder

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 筒内流動を強化でき、かつ全開時の最大吸気
量を増大できる4サイクルエンジンのバルブ休止装置を
提供する。 【構成】 吸気弁11a〜11c,排気弁13a,13
bを備え、該各弁の一部を運転状態に応じて閉位置に保
持するようにした4サイクルエンジンのバルブ休止装置
において、上記各弁を径の異なるものとし、該径の異な
る弁の何れか1本又は複数本を休止可能とするバルブ休
止機構と、運転状態と弁径とに基づいて弁の休止制御を
行うバルブ休止制御手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、4サイクルエンジンの
バルブ休止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】4サイクルエンジンおいて、燃費の向
上,排気ガスの浄化等の観点から、例えば空燃比(A/
F)20以上の希薄空燃比燃焼を行うことが提案されて
いる。この希薄空燃比燃焼の安定化を図ることのできる
吸気装置として、従来例えば、主としてエンジンの低速
回転域,又は低負荷運転域等、吸入空気量の比較的少な
い運転域において、吸気を気筒内に気筒軸方向に導入し
て縦渦(タンブル)を発生させ、又は吸気を気筒内周面
に沿って導入して横渦(スワール)を発生させる等、筒
内流動を強化できようにしたものが提案されている。
【0003】上記スワールを発生させることを目的とし
た吸気装置(第1従来例)として、センタ吸気ポートと
左,右のサイド吸気ポートとを備えている場合に、低速
回転域等吸気量の少ない運転域では、上記何れか一方の
サイド吸気ポートを閉じることにより、吸気を残りのサ
イド吸気ポート及びセンタ吸気ポートを介して気筒内に
導入するようにしたものがある(例えば特開平3−16
0113号公報参照)。
【0004】また上記タンブルを発生させることを目的
とした吸気装置(第2従来例)として、吸気ポートの底
壁側部分を絞り込むことにより、吸気を吸気ポートの天
壁側に偏流させ、もって吸気を気筒内に気筒軸方向に方
向付けしつつ導入してタンブルを発生するようにしたも
のがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記何れの従来
装置においても、上記スワール,タンブル等の筒内流動
をより強化できるように吸気ポート形状,吸気制御弁構
造等を設定すると、高速回転,高負荷運転域における全
開時の最大吸気量が減少してしまい、逆に最大吸気量を
充分に確保できるように吸気ポート形状等を設定すると
スワール,タンブル等の筒内流動が不十分となるといっ
た問題がある。
【0006】本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされ
たもので、筒内流動を強化でき、かつ全開時の最大吸気
量を増大できる4サイクルエンジンのバルブ休止装置を
提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、吸気
弁又は排気弁の少なくとも一方を複数備え、該複数の弁
の一部を運転状態に応じて閉位置に保持するようにした
4サイクルエンジンのバルブ休止装置において、上記複
数有する側の弁を径の異なるものとし、該径の異なる弁
の何れか1本又は複数本を休止可能とするバルブ休止機
構と、運転状態と弁径とに基づいて弁の休止制御を行う
バルブ休止制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0008】請求項2の発明は、請求項1において、カ
ム軸方向中央に弁径Dicの1本のセンタ吸気弁が、該
センタ吸気弁の両側に弁径Dis1,Dis2の第1,
第2サイド吸気弁がそれぞれ配置され、かつ上記各吸気
弁の径がDis1=Dis2>Dicの関係に設定され
ており、上記バルブ休止機構が、上記第1,第2サイド
吸気弁の何れか一方,又は両方を休止可能に構成されて
おり、上記バルブ休止制御手段が、小吸気量時には上記
第1,第2サイド吸気弁の両方を休止させ、中吸気量時
には上記第1,第2サイド吸気弁の一方を休止させ、大
吸気量時には全休止動作を解除するように構成されてい
ることを特徴としている。
【0009】請求項3の発明は、請求項1において、カ
ム軸方向中央に弁径Dicの1本のセンタ吸気弁が、該
センタ吸気弁の両側に弁径Dis1,Dis2の第1,
第2サイド吸気弁がそれぞれ配置され、かつ上記各吸気
弁の径がDic>Dis1=Dis2の関係に設定され
ており、上記バルブ休止機構が、上記センタ吸気弁と第
2サイド吸気弁の何れか一方,又は両方を休止可能に構
成されており、上記バルブ休止制御手段が、小吸気量時
には上記センタ吸気弁と第2サイド吸気弁の両方を休止
させ、中吸気量時には上記センタ吸気弁を休止させ、大
吸気量時には全休止動作を解除するように構成されてい
ることを特徴としている。
【0010】請求項4の発明は、請求項1において、カ
ム軸方向中央に弁径Dicの1本のセンタ吸気弁が、該
センタ吸気弁の一側,他側に弁径Dis1,Dis2の
第1,第2サイド吸気弁がそれぞれ配置され、かつ上記
各吸気弁の径がDic=Dis2>Dis1の関係に設
定されており、上記バルブ休止機構が、上記センタ吸気
弁と第2サイド吸気弁の何れか一方,又は両方を休止可
能に構成されており、上記バルブ休止制御手段が、小吸
気量時には上記センタ吸気弁,第2サイド吸気弁の両方
を休止させ、中吸気量時には上記第2サイド吸気弁を休
止させ、大吸気量時は全休止動作を解除するように構成
されていることを特徴としている。
【0011】請求項5の発明は、請求項1において、カ
ム軸方向中央に弁径Dicの1本のセンタ吸気弁が、該
センタ吸気弁の両側に弁径Dis1,Dis2の第1,
第2サイド吸気弁がそれぞれ配置され、かつ上記各吸気
弁の径がDis1=Dis2>Dicの関係に設定され
ており、上記バルブ休止機構が、上記センタ吸気弁と第
1,第2サイド吸気弁との何れか一方を単独で休止可能
に構成されており、上記バルブ休止制御手段が、小吸気
量時には上記第1,第2サイド吸気弁を休止させ、中吸
気量時には上記センタ吸気弁を休止させ、大吸気量時に
は全休止動作を解除するように構成されていることを特
徴としている。
【0012】請求項6の発明は、請求項1において、カ
ム軸方向中央に弁径Dicの1本のセンタ吸気弁が、該
センタ吸気弁の両側に弁径Dis1,Dis2の第1,
第2サイド吸気弁がそれぞれ配置され、かつ上記各吸気
弁の径がDis1=Dis2>Dicの関係に設定され
ており、上記バルブ休止機構が、センタ吸気弁を休止可
能に構成されており、上記バルブ休止制御手段が、小,
中吸気量時にはセンタ吸気弁を休止させ、大吸気量時に
は休止動作を解除するように構成されていることを特徴
としている。
【0013】請求項7の発明は、吸気弁又は排気弁の少
なくとも一方を複数備え、該複数の弁の一部を運転状態
に応じて閉位置に保持するようにした4サイクルエンジ
ンのバルブ休止装置において、上記複数有する側の各弁
を、気筒軸中心からカム軸直角方向距離の異なる位置に
配置し、該配置位置の異なる弁の何れか1本又は複数本
を休止可能とするバルブ休止機構と、運転状態と上記弁
配置位置とに基づいて弁の休止制御を行うバルブ休止制
御手段とを備えたことを特徴としている。
【0014】請求項8の発明は、請求項7において、カ
ム軸方向中央でかつ気筒軸からのカム軸直角方向距離L
2の位置に1本のセンタ吸気弁が、該センタ吸気弁の両
側でかつ気筒軸からのカム軸直角方向距離L1の位置に
第1,第2サイド吸気弁がそれぞれ配置され、かつ上記
各吸気弁のカム軸直角方向距離がL2>L1の関係に設
定されており、上記バルブ休止機構が、上記第1,第2
サイド吸気弁の何れか一方,又は両方を休止可能に構成
されており、上記バルブ休止制御手段が、小吸気量時に
は上記第1,第2サイド吸気弁の両方を休止させ、中吸
気量時には上記第1,第2サイド吸気弁の一方を休止さ
せ、大吸気量時は全休止動作を解除するように構成され
ていることを特徴としている。
【0015】請求項9の発明は、請求項7において、カ
ム軸方向中央でかつ気筒軸からのカム軸直角方向距離L
2の位置に1本のセンタ吸気弁が、該センタ吸気弁の両
側でかつ気筒軸からのカム軸直角方向距離L1の位置に
第1,第2サイド吸気弁がそれぞれ配置され、かつ上記
各吸気弁のカム軸直角方向距離がL2>L1の関係に設
定されており、上記バルブ休止機構が、上記センタ吸気
弁と第2サイド吸気弁の何れか一方,又は両方を休止可
能に構成されており、上記バルブ休止制御手段が、小吸
気量時には上記センタ吸気弁と第2サイド吸気弁の両方
を休止させ、中吸気量時には上記センタ吸気弁を休止さ
せ、大吸気量時には全休止動作を解除するように構成さ
れていることを特徴としている。
【0016】請求項10の発明は、請求項7において、
カム軸方向中央でかつ気筒軸からのカム軸直角方向距離
L3の位置に1本のセンタ吸気弁が、該センタ吸気弁の
一側,他側でかつ気筒軸からのカム軸直角方向距離L
1,L2の位置に第1,第2サイド吸気弁がそれぞれ配
置され、かつ上記各吸気弁のカム軸直角方向距離がL3
>L2>L1の関係に設定されており、上記バルブ休止
機構が、上記センタ吸気弁と第2サイド吸気弁の何れか
一方,又は両方を休止可能に構成されており、上記バル
ブ休止制御手段が、小吸気量時には上記センタ吸気弁,
第2サイド吸気弁の両方を休止させ、中吸気量時には上
記第2サイド吸気弁を休止させ、大吸気量時には全休止
動作を解除するように構成されていることを特徴として
いる。
【0017】
【作用】請求項1の発明によれば、弁径を異径とし、該
異径の弁の一部を休止可能とするバルブ休止機構を設
け、エンジン運転状態と弁径とに応じてバルブ休止制御
を行うバルブ休止制御手段を設けたので、請求項2〜6
で具体的に構成するように、低速回転,低負荷運転域の
ような吸入空気量の少ない小吸気量時には、大径の弁を
休止させることにより吸気を小径の弁に集中させて気筒
内に導入することが可能となり、筒内流動を確保でき
る。
【0018】また高速回転,高負荷運転域のような吸入
空気量の多い大吸気量時には、バルブ休止動作を解除す
ることにより全ての吸気弁を通って吸気を気筒内に導入
できる。この場合、吸気通路内には弁以外の流路抵抗と
なるものが存在しないので、それだけ最大吸気量を増大
できる。ちなみに吸気通路内に筒内流動を発生させるた
めの吸気制御弁を配置した従来例の場合には、この吸気
制御弁が流路抵抗となる問題がある。
【0019】請求項2の発明によれば、センタ吸気弁と
これより大径の第1,第2サイド吸気弁を備えるととも
に、小吸気量時には、大径の第1,第2サイド吸気弁の
作動を休止するようにしたので、吸気はサイド吸気弁よ
りも小径で、しかも1本だけ存在するセンタ吸気弁のみ
から気筒内に流入することとなり、流入面積が小さい分
だけ流入速度が上昇するとともに、気筒軸方向に方向付
けされて流入し、気筒軸方向に沿った流れ(タンブル)
が確実に発生する。
【0020】また中吸気量時には、第1,第2サイド吸
気弁の何れか一方を休止するので、吸気はセンタ吸気弁
と何れかのサイド吸気弁とから流入するので、センタ吸
気弁からの気筒軸方向の流れ(タンブル)とサイド吸気
弁からの気筒内周に沿った流れ(スワール)とが合成さ
れたいわゆる斜めスワールが発生する。さらにまた大吸
気量時にはセンタ,及び第1,第2サイド吸気弁の全て
が作動するので流入面積が大きくなり、かつ吸気通路内
に流入抵抗となるものが存在しないので、最大吸気量が
増大する。
【0021】請求項3の発明によれば、 センタ吸気弁
とこれより小径の第1,第2サイド吸気弁を備えるとと
もに、小吸気量時には、上記センタ吸気弁,及び第2サ
イド吸気弁の両方を休止するようにしたので、吸気は小
径の第1サイド吸気弁のみから気筒内に流入することと
なり、流入面積が小さい分だけ流入速度が上昇するとと
もに、気筒内周面に沿って流入し、スワールが確実に発
生する。
【0022】また中吸気量時には、センタ吸気弁のみを
休止するようにしたので、吸気は小径の第1,第2サイ
ド吸気弁から流入し、互いに気筒内周面に沿った流れを
打ち消し合って気筒軸方向の流れ(タンブル)を発生す
る。さらにまた大吸気量時には上記請求項2の発明と同
様の作用により最大吸気量が増大する。
【0023】請求項4の発明によれば、センタ吸気弁,
これと同径,小径の第2,第1サイド吸気弁を配置し、
小吸気量時には、上記センタ吸気弁及びこれと同径の第
2サイド吸気弁の両方を休止するようにしたので、吸気
は小径の第1サイド吸気弁のみから気筒内に流入するこ
ととなり、流入面積が小さい分だけ流速が上昇して筒内
流動(スワール)が確実に発生する。
【0024】また中空気量時には、上記第2サイド吸気
弁のみが休止し、吸気は小径の第1サイド吸気弁とセン
タ吸気弁の両方から流入し、第1サイド吸気弁からのス
ワールとセンタ吸気弁からのタンブルにより斜めスワー
ルとなる。さらにまた大吸気量時には上記請求項2の発
明と同様の作用により最大吸気量が増大する。
【0025】請求項5の発明によれば、小径のセンタ吸
気弁とこれより大径の第1,第2サイド吸気弁とを配置
し、小吸気量時には、両サイド吸気弁を休止するように
したので、吸気は小径のセンタ吸気弁から高い流速で流
入し、タンブルが発生する。
【0026】また中吸気量時には、センタ吸気弁のみを
休止するようしたので、吸気は第1,第2サイド吸気弁
から流入し、この場合もタンブルが発生する。さらにま
た大吸気量時には、請求項2の発明と同様の作用により
最大吸気量が増大する。
【0027】請求項6の発明によれば、小径のセンタ吸
気弁とこれより大径の第1,第2サイド吸気弁とを配置
し、小,中吸気量時には、センタ吸気弁を休止するよう
にしたので、吸気は第1,第2サイド吸気弁から流入
し、タンブルが発生する。また大吸気量時には、請求項
2の発明と同様の作用により最大吸気量が増大する。
【0028】請求項7の発明によれば、気筒軸からのカ
ム軸直角方向距離の異なる位置に弁を配置し、該位置の
異なる弁の一部を休止可能とするバルブ休止機構を設
け、エンジン運転状態と弁の位置とに応じて休止制御を
行うバルブ休止制御手段を設けたので、請求項8〜10
で具体的に構成するように、低速回転,低負荷運転域の
ような吸入空気量の少ない小吸気量時には、何れかの弁
を休止させることにより吸気を偏った位置から気筒内に
導入することが可能となり、筒内流動を確保できる。
【0029】また高速回転,高負荷運転域のような吸入
空気量の多い大吸気量時には、上記請求項1〜6の発明
と同様にバルブ休止動作を解除することにより全ての吸
気弁を通って吸気を気筒内に導入でき、最大吸気量を増
大できる。
【0030】請求項8の発明によれば、センタ吸気弁と
これよりカム軸直角方向距離の小さい、つまり気筒軸側
寄りに位置する第1,第2サイド吸気弁を備えるととも
に、小吸気量時には、気筒軸側寄りに位置する第1,第
2サイド吸気弁の作動を休止するようにしたので、吸気
はサイド吸気弁よりも外側でかつカム軸方向中央に位置
するセンタ吸気弁のみから気筒内に流入することとな
り、流速が速くなるとともに、気筒軸方向に方向付けさ
れ、筒内流動(タンブル)が確実に発生する。
【0031】また中吸気量時には、第1サイド吸気弁の
みを休止するようにしたので、吸気は上記センタ吸気弁
及び第2サイド吸気弁から流入し、センタ吸気弁からの
流れ(タンブル)と第2サイド吸気弁からの流れ(スワ
ール)とが合成した斜めスワールが発生する。さらにま
た大吸気量時にはセンタ,及び第1,第2サイド吸気弁
の全てが作動するので流入面積が大きくなり、かつ吸気
通路内に流入抵抗となるものが存在しないので、最大吸
気量が増大する。
【0032】請求項9の発明によれば、センタ吸気弁と
これより気筒軸側寄りに位置する第1,第2サイド吸気
弁を備えるとともに、小吸気量時には、上記センタ吸気
弁,及び第2サイド吸気弁の両方を休止するようにした
ので、吸気は第1サイド吸気弁のみから気筒内に流入す
ることとなり、流速が速くなるとともに気筒内周面に沿
って流れ、筒内流動(スワール)が確実に発生する。
【0033】また中吸気量時にはセンタ吸気弁のみを休
止するようにしたので、吸気は第1,第2サイド吸気弁
から流入し、気筒内周面に沿った流れを互いに打ち消す
結果、気筒軸方向の流れ(タンブル)が発生する。さら
にまた大吸気量時には、請求項8の発明と同様の作用に
より最大吸気量が増大する。
【0034】請求項10の発明によれば、センタ吸気弁
とこれより気筒軸側寄りに位置する第2サイド吸気弁,
及びさらに気筒軸側寄りに位置する第1サイド吸気弁を
備えるとともに、小吸気量時には、上記センタ吸気弁,
及び第2サイド吸気弁の両方を休止するようにしたの
で、吸気は最も層気筒軸側寄りに位置する第1サイド吸
気弁のみから気筒内に流入することとなり、気筒内周面
により一層沿って流れ易く、筒内流動(スワール)が確
実に発生する。
【0035】また中吸気量時には、第2サイド吸気弁の
みが休止し、吸気は第1サイド吸気弁とセンタ吸気弁と
から流入し、斜めスワールが発生し、さらにまた大吸気
量時には、上記請求項8の発明と同様の作用により最大
吸気量が増大する。
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。図1〜図13は請求項1,3,7,9の発明
の一実施例(第1実施例)によるエンジンのバルブ休止
装置を説明するための図であり、図1は本実施例エンジ
ンの正面図、図2はその右サイド吸気弁,右排気弁部分
を示す断面正面図、図3はそのセンタ吸気弁部分を示す
断面正面図、図4は左サイド吸気弁,左排気弁部分を示
す断面正面図、図5はそのシリンダヘッドのカムキャリ
アを取り外した状態を示す平面図、図6(a),(b)
はそれぞれ吸気カムキャリア,排気カムキャリアを示す
平面図、図7は油圧系を示す断面側面図、図8は吸気,
排気ポート部分を示す模式断面平面図、図9は動作を説
明するための模式図、図10,図11,図12はバルブ
休止機構部分示す図、図13は油圧系統図である。
【0036】図において、1は本実施例装置を備えた水
冷式4サイクル4気筒5バルブエンジンであり、該エン
ジン1のシリンダブロック2の下側合面にはオイルパン
3が装着され、上側合面にはシリンダヘッド4がヘッド
ボルト4eで締結され、該シリンダヘッド4の上側合面
にはヘッドカバー5が装着されており、またシリンダヘ
ッド4,ヘッドカバー5の前端面(図1手前面)にはヘ
ッドサイドカバー6aが、シリンダブロック2の前端面
にはブロックサイドカバー6bがそれぞれ着脱可能に装
着されている。なお、上記ヘッドボルト4eは、図5に
示すように、各気筒間部分及びカム軸方向両端部(前,
後端部)に合計10本配置されており、シリンダヘッド
4の底壁4dに突出形成されたボス部4g部分を締結し
ている。
【0037】上記シリンダブロック2に並列に形成され
た4つのシリンダボア(気筒)2a内にはピストン7が
摺動自在に挿入されており、該ピストン7はコンロッド
8でクランク軸12に連結されている。なお、このクラ
ンク軸12はシリンダブロック2に形成されたクランク
軸受部12aとこれに着脱可能に装着されたクランク軸
受キャップ12bとで軸支されている。
【0038】上記シリンダヘッド4のシリンダブロック
側の合面4aには、燃焼室4bが凹設されている。この
燃焼室4bの気筒軸Aを中心とする一側(図8の左側)
には、カム軸方向(図8上下方向)中央に位置する1つ
のセンタ吸気弁用開口9aと、これの両側に位置する
左,右(第1,第2)サイド吸気弁用開口9b,9cが
形成されており、他側には2つの左,右(第1,第2)
排気弁用開口10a,10bが形成されている。また上
記燃焼室4bの気筒軸Aから若干排気側に寄った部分に
は点火プラグ25が螺挿されており、後述するように上
記センタ吸気弁用開口9aからの吸気は、気筒A軸方向
に見て(図8参照)上記点火プラグ25の電極に向かっ
て流れることとなる。
【0039】ここで上記センタ,左,右サイド吸気弁用
開口9a,9b,9c及び左,右排気弁用開口10a,
10bはシリンダボア2aの内周縁に沿うように配置さ
れている。そのためカム軸方向に見ると、図2〜図4で
明らかなように、両サイド吸気弁用開口9b,9cは、
気筒軸A側寄りに位置しており、センタ吸気弁用開口9
aは気筒軸Aと反対側(反気筒軸側)寄りに位置してい
る。つまり、図8に示すように、気筒軸Aを通るカム軸
と平行な直線Bからサイド吸気弁用開口9b,9cまで
の距離L1とセンタ吸気弁用開口9aまでの距離L2と
は、L2>L1となっている。
【0040】また上記各開口9a〜9c,10a,10
bの後述する各弁の弁頭11d,13cが接触する部分
(スロート部)の直径Dic, Dis1,Dis2,De1, De2
は、Dic>De1=De2>Dis1 =Dis2 の関係に、つま
りDic :De1, De2 :Dis1,Dis2 =大:中:小の関係
に設定されている。また上記センタ,左,右サイド吸気
弁用開口9a,9b,9cはその開口面積の比率でみる
と、9a:9b:9c=46:27:27に設定されて
いる。
【0041】上記センタ,左,右サイド吸気弁用開口9
a,9b,9cは、センタ,左,右サイド吸気弁11
a,11b,11cの弁頭11dによって開閉され、ま
た上記排気弁用開口10a,10bは排気弁13a,1
3bの弁頭13cによって開閉される。そして上記各吸
気弁11a〜11cの弁軸11eと上記各排気弁13
a,13bの弁軸13dとは、所定のバルブ挟み角でも
って上方に斜め外方に拡がるように配置されている。こ
の場合、センタ吸気弁11aの軸線B1と気筒軸Aとの
なす傾斜角θ1と、左,右サイド吸気弁11b,11c
の弁軸B2と気筒軸Aとのなす傾斜角はθ2とは、θ2
>θ1となっている。即ち、センタ吸気弁11aは左,
右サイド吸気弁11b,11cに較べてより起立配置さ
れている。
【0042】また上記各吸気弁11a〜11c及び排気
弁13a,13bは、弁軸11e,13dの上端又は途
中部分に装着されたリテーナ14a,14aとシリンダ
ヘッド4のカム室Cの底面を構成する底壁4dに形成さ
れたばね座4cとの間に介設された弁ばね14,15に
よって上記各弁用開口を閉じる方向に付勢されている。
なお、排気弁用弁ばね15には二重コイルばねが採用さ
れている。
【0043】上記吸気弁11a〜11cは吸気カム軸1
6で、上記排気弁13a,13bは排気カム軸17でそ
れぞれ開閉駆動される。上記吸気カム軸16及び排気カ
ム軸17は、図2〜図4の紙面垂直方向に互いに平行に
延びており、該吸気,排気カム軸16,17は、上記カ
ム室C内に着脱可能に装着された吸気,排気カムキャリ
ア20,30と、該各キャリア20,30に着脱可能に
装着された吸気,排気カムキャップ28,29とで回転
自在に軸支されている。
【0044】上記吸気カム軸16,排気カム軸17の前
端部(図7右端部)に相対回転可能に装着された吸気,
排気タイミングギャ36a,36bはシリンダヘッドの
前端面に配設された第1中間ギヤ39aに上部タイミン
グチェン38aにより連結され、該第1中間ギヤ39a
と同軸でかつ共に回転する第2中間ギヤ39bは上記ク
ランク軸12のクランクギャ37aに下部タイミングチ
ェン38bにより連結されており、これらは上記ヘッド
サイドカバー6a,ブロックサイドカバー6bにより覆
われている。なお、上記タイミングギヤ36a,36b
とクランクギヤ37aは同一径であり、第1中間ギヤ3
9aはタイミングギヤ36aと同一又はこれより小径
に、第2中間ギヤ39bはクランクギヤ37aより大径
に設定されている。このように中間ギヤ39a,39b
を設けたことにより上記吸気,排気タイミングギヤ36
a,36bを大径にすることなくクランク軸12の回転
を1/2に減速してカム軸に伝達可能となっている。
【0045】そして上記吸気,排気カム軸16,17の
上記前端部には、上記吸気,排気弁の開閉タイミングを
変化させる吸気,排気可変バルブタイミング機構41,
42が装着されている。この可変バルブタイミング機構
41,42は、上記カム軸16,17の前端部に固定さ
れたシリンダ軸43aの外側にシリンダケース43bを
装着するとともに、両者の間にピストン43cを進退自
在に配設した構造のものである。上記シリンダ軸43a
には支持軸(外端部)43dが挿入され、該支持軸43
dは上記ヘッドサイドカバー6aの外端支持部6cによ
り支持されており、該支持軸43dに形成されたオイル
導入通路43eを介して上記ピストン43cへの作動油
が供給される。
【0046】上記可変バルブタイミング機構41,42
では、油圧により上記ピストン43cを進退させると、
タイミングギャ36a,36bとカム軸16,17との
相対的角度位置(位相)が変化し、これにより吸気弁1
1a〜11c,排気弁13a,13bの開閉タイミング
が変化する。
【0047】上記吸気カムキャリア20は、主として図
6(a)に示すように、カム軸方向に延びる棒状のもの
であり、カム軸方向両端部に形成された第1軸受部20
dと、各気筒における左サイド吸気弁とセンタ吸気弁と
の間に形成された第2軸受部20eと、各気筒の境界部
に形成された第3軸受部20fとを有し、該各軸受部2
0d〜20f間部分はガイドボス部20g,20gによ
って一体的に連結されている。このガイドボス部20g
にはセンタ,左,右リフタガイド穴20a,20b,2
0cが上記吸気弁11a〜11cの各弁軸11eと同軸
をなすように形成されている。また上記各軸受部20d
〜20f上に上記カムキャップ28がキャップボルト2
8a,28bで固定されている。
【0048】この場合、上記各気筒間に位置する第2軸
受部20eの外側(反気筒軸A側)に配設されたキャッ
プボルト28bは上記シリンダヘッド4に形成されたボ
ス部4fに達する長さに設定されている(図2参照)。
これにより吸気カムキャリア20はカムキャップ28を
ボルト28bで固定するとこれと同時にシリンダヘッド
4上に固定される。また上記吸気カムキャリア20は適
所に形成されたフランジ部20h部分についても固定ボ
ルト28cによりシリンダヘッド4のボス部4fに固定
されている。
【0049】上記排気カムキャリア30は、主として図
6(b)に示すように、カム軸方向に延びる棒状のもの
であり、各気筒の右排気弁に隣接するようにカム軸受部
30cを形成し、該カム軸受部30cにガイドボス部3
0dを一体形成するとともに、該各カム軸受部30c及
びガイドボス部30d間部分を通路ボス部30eで一体
的に連結した構造のものである。上記ガイドボス部30
dには左,右リフタガイド穴30a,30bが形成され
ている。また上記軸受部30c上に上記カムキャップ2
9がキャップボルト29a,29bで固定されている。
【0050】この場合、上記各軸受部30cの内側(気
筒軸A側)に配置されたキャップボルト29aは上記シ
リンダヘッド4に形成されたボス部4fに達する長さに
設定されている。これにより排気カムキャリア30はカ
ムキャップ29をボルト29aで固定するとこれと同時
にシリンダヘッド4上に固定される。また上記通路ボス
部30dの左,右排気弁間位置に対向する部位及び軸方
向端部に形成されたフランジ部30fも固定ボルト29
cによりシリンダヘッドに形成されたボス部4fに固定
されている。
【0051】なお、上記図6(a),(b)の下段部分
は、吸気,排気カムキャリア20,30のカムキャップ
を取り外した状態を、中段部分は吸気,排気カムキャリ
ア20,30の断面状態を、上段部分は吸気,排気カム
キャリア20,30を取り外したシリンダヘッド4の底
壁4d部分の平面状態をそれぞれ示す。
【0052】そして上記吸気カム軸16のカムノーズ1
6aと上記センタ吸気弁11a,右サイド吸気弁11c
との間にはセンタ,右サイド吸気バルブ休止機構18
a,18bが介設されており、排気カム軸17のカムノ
ーズ17aと左排気弁13aとの間には排気バルブ休止
機構19が介設されている。これらの吸気,排気バルブ
休止機構18a,18b,19は図示しないバルブ休止
制御手段(ECU)によりその動作が制御される。な
お、左サイド吸気弁11b,右排気弁13bにはバルブ
休止機構は設けられておらず、そのため吸気カム軸1
6,排気カム軸17により運転域の如何に関わらず常時
開閉駆動される。
【0053】上記センタ,右サイド吸気バルブ休止機構
18a,18bは、上記吸気カムキャリア20のセン
タ,右サイドリフタガイド穴20a,20c内に、油圧
により進退するプランジャ24を備えたセンタ,右サイ
ドリフタ21a,21cを摺動自在に挿入配置した構造
のものである。なお、左サイドリフタガイド穴20b内
には、円筒体の上端開口を吸気カムノーズ16aが摺接
するパッド21kで閉塞してなる通常のリフタ21bが
摺動自在に配設されており、上記パッド21kの内面に
上記左サイド吸気弁11bの弁軸11eの上端面が常時
当接している。
【0054】上記センタ,右サイドリフタ21a,21
cは、図10〜12に示すように、軸方向中央付近に仕
切壁21dを有する円筒体の上端開口に上記カム軸16
のカムノーズ16aが摺接するパッド21eを固着して
なるものである。上記仕切壁21dの上面にはボス部が
膨出形成されており、このボス部にはシリンダ孔21g
が該リフタの軸と直交するように貫通形成されている。
このシリンダ孔21gの両端は、リフタ21a,21c
の外周面に形成された環状溝21iに開口しており、か
つ一端の開口は蓋部材27で油密に閉塞されている。上
記仕切壁21d部分には、上記シリンダ孔21gと直交
しかつ上記各吸気弁と同軸をなすようにスライド孔21
fが貫通形成されており、該スライド孔21fは上記パ
ッド21eの内面に対向している。
【0055】上記スライド孔21f内には、伝達部材2
2のロッド部22aが摺動自在に挿入されており、該伝
達部材22の下端に形成されたフランジ部22bの下面
中央部は上記吸気弁の弁軸11eの上端面に当接してい
る。また上記フランジ部22bと上記仕切壁21dとの
間には付勢ばね23が介設されており、これによりリフ
タ21a,21cは吸気カム軸16のカムノーズ16a
に摺接する位置に付勢されている。
【0056】上記シリンダ孔21gにはプランジャ24
が摺動自在に挿入されている。このプランジャ24は、
シリンダ孔21gの内面に環状に突設されたストッパ2
1hによりその前進端位置が、係止リング21jにより
その後退端位置が規制されており、かつリターンばね2
6によって後退端位置に付勢されている。
【0057】また上記プランジャ24には上記スライド
孔21fと同一径の逃げ孔24aが形成されており、こ
の逃げ孔24aはプランジャ24が後退端に位置したと
き上記スライド孔21fと同軸をなすようになってい
る。さらにまた上記プランジャ24の底側には伝達面2
4bが平坦に形成されており、この伝達面24bは、吸
気弁が閉の場合(吸気カム軸16のベース円がパッド2
1eに摺接している場合)においてプランジャ24が前
進端に位置したとき上記伝達部材22のロッド部22a
の上端に所定のバルブクリアランスを明けて対向するよ
うになっている。
【0058】また上記排気バルブ休止機構19は、上記
吸気バルブ休止機構18a,18bと同一構造である
が、左,右排気リフタ31a,31bと排気カム軸17
とは図2,図4に示すようにカム軸17が気筒軸側に偏
位するようにオフセットしている。このようにオフセッ
トしていることにより、排気弁13a,13bの開速度
が高くなり、高いブローダウン圧力を掃気に利用でき、
掃気効率を向上することができる。なお、排気カム軸1
7,吸気カム軸16共に時計回りに回転する。
【0059】上記各バルブ休止機構18a,18b,1
9,可変バルブタイミング機構41,42への油圧供給
系は、図7,図13に示すように構成されている。即ち
オイルパン3内のオイルはオイルポンプ32により吸い
上げられ、オイルフィルタ33で濾過された後、シリン
ダブロック2,シリンダヘッド4,ヘッドサイドカバー
6aに形成されたオイル通路33a〜33c、切替弁3
4からオイル通路33h,33n,センタオイル通路3
3d,又は33i,33o,サイドオイル通路33eを
通って、上記センタ吸気バルブ休止機構18a,又は右
サイド吸気バルブ休止機構18bに、あるいは切替弁3
5からオイル通路33j,33p,オイル通路33gを
通って上記左排気バルブ休止機構19に供給される。
【0060】上記シリンダブロック2のオイル通路33
aのオイルの一部はクランク軸12のジャーナル部44
に供給され、またシリンダヘッド4のオイル通路33b
のオイルの一部はシリンダヘッド4内に形成されたオイ
ル通路33fを通ってカム軸16,17の軸受部20d
〜20f,30cに供給され、さらにまた上記ヘッドサ
イドカバー6aのオイル通路33cのオイルの一部は切
替弁45,46を介して上記可変バルブタイミング機構
41,42に供給される。
【0061】ここで図1,図7に示すように、オイルポ
ンプ32からバルブ休止機構,可変バルブタイミング機
構へのオイル通路は、シリンダブロック2内の通路33
a,シリンダヘッド4内の通路33bにおいては共通で
あるが、上記ヘッドサイドカバー6a内に形成されたオ
イル通路33cにおいて3つの分岐部a,b,cに分岐
されて上記各切替弁34,35,45,46の弁部34
a,35a,45a,46a内に連通している。該各切
替弁は、各弁部内に挿入された弁体をソレノイド34
b,35b,45b,46bで進退させることにより各
通路への連通を切替るように構成されている。
【0062】上記バルブ休止機構用の切替弁34,35
の弁部34a,35aからのオイル通路33h,33
i,33jは、再びシリンダヘッド内のオイル通路33
n,33o,33pを通ってカムキャリア20,30内
のオイル通路33d,33e,33gに連通している。
また可変バルブタイミング機構用の切替弁45,46の
弁部45a,46aからのオイル通路33k,33mは
上記ヘッドサイドカバー6aの外端支持部6cを介して
可変バルブタイミング機構41,42の支持軸43dの
オイル導入通路43eに連通している。
【0063】上記吸気側のオイル通路33d,33e
は、上記吸気カムキャリア20内に、カム軸と平行に、
かつそれぞれ上記センタリフタガイド穴20a,右サイ
ドリフタガイド穴20cに接して上記オイル溝21iに
開口するように形成されている。この場合、センタ,サ
イド吸気弁11a,11cの気筒軸Aに対する傾斜角θ
1,θ2,及び気筒軸Aからカム軸直角方向位置L2,
L1が異なることから、上記センタリフタガイド穴20
aと右サイドリフタガイド穴20cとは傾斜角度が異な
り、それぞれカム軸直角方向外側(反気筒軸側)と内側
(気筒軸側)とにずれている。その結果、吸気カムキャ
リア20にオイル通路33d,33eをカム軸と平行に
貫通形成するだけで、オイル通路33dをセンタリフタ
ガイド穴20aに連通させ、かつオイル通路33eを右
サイドリフタガイド穴20cに連通するように形成する
ことができる。
【0064】ここで上記オイル通路33eは、左サイド
リフタガイド穴20bにも連通することとなるが、この
左サイドリフタガイド穴20b内には通常のリフタ21
bが摺動自在に挿入されており、上記油圧がリフタ21
bとガイド穴20bとの隙間から逃げることはほとんど
なく、問題は生じない。
【0065】また上記排気側のオイル通路33gは、上
記排気カムキャリア30内に、カム軸と平行に、かつ上
記左リフタガイド穴30aに接してオイル溝21iに開
口するように形成されている。この排気側オイル通路3
3gは右リフタガイド穴30bにも連通するが、上記吸
気側と同様に油圧が逃げることはほとんどない。
【0066】上記排気弁用開口10a,10bは、排気
ポート47の左,右分岐ポート47a,47bによりシ
リンダヘッド4の外部接続開口47cに導出されてい
る。この場合に、左,右分岐ポート47a,47bの画
壁47dは、図8に二点鎖線で示すように上記外部接続
開口47c付近まで延長してもよい。この延長により、
後述するように、左排気弁13aが休止している場合の
排気効率を改善できる。
【0067】また上記センタ吸気弁用開口9a,サイド
吸気弁用開口9b,9bは、吸気ポート48のセンタ分
岐ポート48a,左,右サイド分岐ポート48b,48
cによりシリンダヘッド4の外部接続開口48dに導出
されている。ここで右サイド分岐ポート48c側の右画
壁48fは左サイド分岐ポート48b側の左画壁48e
より上流側に大きく延長されている。これは後述するよ
うに、層状燃焼を実現するためである。
【0068】そして上記外部接続開口48dに接続され
た吸気マニホールド49の天壁部分に燃料噴射弁50が
配設されている。この燃料噴射弁50は、気筒軸方向に
見ると(図8参照)、略上記左画壁48eの延長線上に
位置しており、その噴射ノズル50aは、吸気ポート4
8の天壁に形成された噴射穴48fを通ってセンタ吸気
弁用開口9a,及び左サイド吸気弁用開口9bに燃料を
噴射するように指向している。
【0069】次に本第1実施例の作用効果について説明
する。本実施例装置では、エンジン運転状態、特に吸入
空気量の大小に応じて可変バルブタイミング機構41,
42により吸気弁,排気弁の開閉タイミングが制御さ
れ、またバルブ休止機構18a,18b,19により吸
気弁,排気弁のバルブ休止が制御される。
【0070】まず、可変バルブタイミング機構41,又
は42では、切替弁45,又は46が油圧をピストン4
3cに作用させる位置に切り替えられると、該ピストン
43cが図7で左方に移動し、タイミングギヤ36a,
又は36bと吸気カム軸16,又は排気カム軸17との
位相が変化し、吸気弁11a〜11c又は排気弁13
a,13bの開閉タイミングが変化する。
【0071】また、バルブ休止機構18a,18bで
は、切替弁34が図13に実線で示す休止解除位置にあ
る場合には、油圧がオイル通路33d,33eを介して
センタ吸気バルブ休止機構18a,及び右サイド吸気バ
ルブ休止機構18bに供給される。すると、図10に示
すように、プランジャ24が油圧の作用により前進して
スライド孔21fを塞ぎ、該プランジャ24の伝達面2
4bが伝達部材22の伝達ロッド22aの上端面に対向
する。カム軸16の回転によりセンタ,右サイドリフタ
21a,21cが押し下げられると、その動作がプラン
ジャ24,伝達部材22を介してセンタ,右サイド吸気
弁11a,11cに伝達され、該両吸気弁11a,11
cは通常通りの開閉動作を行う。
【0072】また、バルブ休止機構19では、切替弁3
5が図5に実線で示す休止解除位置にある場合には、油
圧がオイル通路33gを介して右排気バルブ休止機構1
9に供給され、上述の場合と同様にして左排気弁13a
は通常通りの開閉動作を行う。なお、左サイド吸気弁1
1b、及び右排気弁13bは常時開閉動作を行う。
【0073】そして、上記バルブ休止切替用の切替弁3
4が図5に破線で示す休止位置に切り替えられると、オ
イル通路33d,33e内の油圧が低下し、図11に示
すように、プランジャ24がリターンばね26により後
退端位置に戻され、該プランジャ24の逃げ孔24aが
スライド孔21f,つまり伝達ロッド22aと一致す
る。カム軸16の回転によりセンタ,右サイドリフタ2
1a,21cが押し下げられると、図12に示すよう
に、伝達ロッド22aは逃げ孔24a内に相対的に進入
することとなり、リフタの下降動作はセンタ,右サイド
吸気弁11a,11cには伝達されず、従って該両吸気
弁11a,11cはバルブ休止となり、閉位置に保持さ
れる。
【0074】ここで、上記バルブ休止動作において、吸
気弁11a,11cを完全閉とすると、センタ,右サイ
ド分岐ポート48a,48c内に溜まった燃料が炭化し
てポート内面に付着する恐れがあるので、本実施例で
は、上記バルブ休止状態においても、最大リフト位置ま
で上記リフタ21a,21cが下降すると、パッド21
eの下面が伝達ロッド22aを僅かに押し下げ、これに
より上記吸気弁11a,11cが僅かに開くようになっ
ている。
【0075】また、バルブ休止機構19では、切替弁3
5が図5に破線で示す休止位置に切り替えられると、オ
イル通路33g内の油圧が低下し、上述の場合と同様に
して左排気弁13aはバルブ休止状態となり、閉位置に
保持される。なお、この左排気弁13aにおいても、バ
ルブ休止時に僅かに開くようにしても良い。
【0076】低速回転時あるいは低負荷運転時のような
小吸気量運転域においては、ECUからの切替信号によ
り、切替弁34,35は、図5に破線で示す休止位置に
切り替えられる。これにより、オイル通路33d,33
e,及び33gの油圧が低下してプランジャ24が後退
し、図9(a)に示すように、センタ,右サイド吸気弁
11a,11c及び左排気弁13aはバルブ休止状態と
なり、左サイド吸気弁11b,及び右排気弁13bのみ
が開閉動作を行う。
【0077】その結果、吸気は、直径Dis1と小径
で、かつ気筒軸Aからのカム軸直角方向距離がL1と小
さく気筒軸側寄りで、さらにカム軸方向一側に位置する
の1つの左サイド吸気弁用開口9bから集中して気筒内
に流入する。これにより実質的な吸気通路面積が狭くな
り、小吸気量でありながら筒内への流入速度が速くな
り、かつ流入方向が明確となり、筒内流動、特にスワー
ルが発生し、燃焼状態が良好となり、その結果、希薄空
燃比燃焼の安定性を向上できる。
【0078】またこの場合、左サイド吸気弁11bと、
点火プラグ25(気筒軸A)を挟んで対向配置された右
排気弁13bのみが開閉することから、上記左サイド吸
気弁用開口9bから流入した吸気は、燃焼後、上記点火
プラグ25を挟んで対向する位置にある右排気弁用開口
10bから排出されることとなり、つまり排気の流れが
燃焼室中心を通ることから、排気ガスの排出効率が向上
する。ちなみに、このように吸気弁,排気弁をそれぞれ
1本のみ開閉動作させる場合に、仮に左サイド吸気弁1
1bと左排気弁13aとを開閉動作させた場合には、燃
焼室内に排気ガスの淀みが生じ、排気効率が低下する懸
念がある。
【0079】上記排気ガスのより確実な排出を図るに
は、図8に二点鎖線で示すように、排気ポート47の画
壁47dを外部接続開口47c付近まで延長することが
有効である。このようにした場合には、上述の排気ガス
の流れがより一層円滑となり、排気効率が向上する。ち
なみに、上記画壁47dを延長しない場合には、右排気
弁13bのみが作動する場合には、右排気分岐ポート4
7bの通路面積が実質的に急拡大し、左排気分岐ポート
47a側に排気ガスの淀みが生じることとなることか
ら、排気効率が低下する懸念がある。
【0080】中速回転時あるいは中負荷運転時のような
中吸気量運転域においては、ECUからの切替信号によ
り、切替弁34はオイル通路33dについてバルブ休止
位置(図5破線位置)に保持され、オイル通路33eに
ついては休止解除位置(図5実線位置)に切り替えら
れ、また切替弁35は図5に実線で示す休止解除位置に
切り替えられる。これにより、図9(b)に示すよう
に、センタ吸気弁11aのみがバルブ休止状態となり、
左,右サイド吸気弁11b,11c,及び左,右排気弁
13a,13bは開閉動作を行うこととなる。
【0081】その結果、吸気は、気筒軸Aからのカム軸
直角方向距離がL1と小さく気筒軸側寄りで、かつカム
軸方向両側に位置する2つの左,右サイド吸気弁用開口
9b,9cから気筒内に流入する。これにより筒内への
吸気流は、上述のスワール成分が互いに打ち消し合う結
果、より気筒軸に沿うよう方向付けされることとなり、
筒内流動、特にタンブルが確実に発生し、燃焼状態が良
好となり、その結果、希薄空燃比燃焼の安定性を向上で
きる。この場合、本実施例では、センタ吸気弁11aを
大径とするとともに左,右サイド吸気弁11b,11c
を小径としたので、この点から上記カム軸直角方向距離
L1がより一層小さくなり、つまり左,右サイド吸気弁
用開口9b,9cがより一層気筒軸A側に近く、かつカ
ム軸方向外側に位置することとなり、その結果上記気筒
軸方向への方向付けがより確実となる。
【0082】高速回転時あるいは高負荷運転時のような
大吸気量運転域においては、ECUからの切替信号によ
り、切替弁34はオイル通路33d部分についても休止
解除位置に切り替えられ、これにより全てのバルブ休止
動作が解除され、全ての吸気弁,及び排気弁が開閉動作
を行う。
【0083】その結果、吸気は、センタ,左,右サイド
吸気弁用開口9a〜9cから筒内に流入するが、この場
合、吸気ポート47内には、例えば従来の吸気制御弁を
設けた場合のような流路抵抗となるものが存在しないこ
とから、最大吸気量を増大できる。
【0084】また本実施例では、右画壁48fが燃料噴
射弁50側に延びており、かつ該燃料噴射弁50を左画
壁48e側に寄せて配置したので、センタ,左サイド吸
気弁用開口9a,9bからの吸気は燃料と空気の混合体
となっているのに対し、右サイド吸気弁用開口9cから
の吸気は燃料がほとんど含まれない空気単体となってい
る。その結果、燃焼室内に燃料を含む混合気と空気単体
とが層状をなして流入し、いわゆる層状燃焼を実現でき
る。
【0085】図22は、本実施例装置のバルブ休止動作
によるトルクの向上効果を説明するためのエンジン回転
数−トルク特性曲線であり、図中、曲線A,B,Cは上
記小,中,大吸気量運転域におけるトルク特性を概念的
に示す。
【0086】本実施例では、上述のバルブ休止動作を実
現するための構造として、シリンダヘッド4に対して着
脱可能の吸気カムキャリア20,排気カムキャリア30
を設け、該各キャリア20,30にバルブ休止機構を組
込む構造を採用したので、バルブ休止機構への油圧供給
系の構造を簡単にできる。即ち、各カムキャリア20,
30が別体であるので、オイル通路33d,33e,3
3gの孔明け加工が容易である。ちなみに、シリンダヘ
ッド4に一体化された部位にバルブ休止機構を組み込む
構造を採用した場合、オイル通路がシリンダヘッド4の
カム軸方向端部の外壁(カム室構成壁)を貫通すること
となったり、あるいはカム軸と直角方向に分岐通路を設
ける等、油圧供給系の構造が複雑になるとともに、大物
で大重量のシリンダヘッドに直接孔明け加工を要する分
だけ取り扱い性が悪化する。
【0087】本実施例では、センタリフタガイド穴20
aと右サイドリフタガイド穴20cとを異なる傾斜角度
としてカム軸直角方向にずらして配置したので、オイル
通路33dと33eとをカム軸16と平行に、かつ各ガ
イド穴20a,20cの外周部に接するように明けるだ
けで、センタ吸気バルブ休止機構18aと右サイド吸気
バルブ休止機構18bとに別個独立に油圧を供給でき
る。ちなみ,両ガイド穴20aと20cとを同じ傾斜角
度でもって配置した場合には、各ガイド穴20a,20
cから離れた位置にオイル通路を設け、該オイル通路か
らカム軸直角方向に分岐通路を設ける等、構造が複雑と
なる。
【0088】本実施例では、オイル通路33cをヘッド
サイドカバー6a内を通るように構成するとともに、該
オイル通路をヘッドサイドカバー6a内においてバルブ
休止機構用オイル通路と可変バルブタイミング機構用オ
イル通路とに分岐したので、バルブ休止機構用切替弁3
4,35、及び可変バルブタイミング機構用切替弁4
5,46を全てヘッドサイドカバー6aに配設すること
ができる。またこの場合、カム軸16,17の軸受等に
潤滑油を供給するためのオイル通路33fについてはシ
リンダヘッド4内を通るように形成した。その結果、バ
ルブ休止機構等を備えないエンジンについては、ヘッド
サイドカバーを上記オイル通路33c等の形成されてい
ない仕様のものに変更するだけで良く、部品共用化が容
易である。
【0089】本実施例では、ヘッドサイドカバー6aの
可変バルブタイミング機構41,42を収容する部分の
下方のデッドスペースを利用して上記各切替弁34,3
5,45,46を配設することができ、切替弁の配設に
起因するエンジンの大型化を回避できる。
【0090】図14,図15は、請求項1,2,7,8
の発明の一実施例(第2実施例)によるエンジンのバル
ブ休止装置を説明するための図であり、図中、図8,図
9と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0091】本第2実施例では、センタ吸気弁11aの
弁径Dicと左,右サイド吸気弁11b,11cの弁径
Dis1,Dis2と、左,右排気弁13a,13bの
弁径De1,De2とは、Dis1=Dis2>De1
=De2>Dicの関係に設定されている。即ち、セン
タ吸気弁11aが最も小径になっている。
【0092】またセンタ吸気弁11aの気筒軸Aからの
カム軸直角方向距離L2と左,右サイド吸気弁11b,
11cの気筒軸Aからのカム軸直角方向距離L2とは、
L2>L1の関係に設定されている。
【0093】また燃料噴射弁50は吸気ポート48の軸
線上に配置されており、吸気ポート48の左画壁48
e,右画壁48fは同じ長さに設定されている。この場
合、左,右画壁48e,48fのの上流端は上記燃料噴
射弁50から離れた位置に位置しており、これにより燃
料噴射弁50からの燃料はセンタ吸気弁用開口9aだけ
でなく、左,右サイド吸気弁用開口9b,9cに向けて
噴射供給される。
【0094】吸気側のバルブ休止機構は、左,右サイド
吸気弁11b,11cの何れか一方、又は両方を同時に
休止することができるように構成されている。また排気
側のバルブ休止機構は、左排気弁13aを休止すること
ができるように構成されている。なお、センタ吸気弁1
1b,右排気弁13bには休止機構は設けられておら
ず、従って該両弁11b,13bは常時開閉する。
【0095】ここで上記左,右サイド吸気弁11b,1
1cの何れか一方を休止可能とするには別個独立のオイ
ル通路が必要となる。このオイル通路を独立させるに
は、上述の吸気カムキャリア20に、左,右サイドリフ
タガイド穴20b,20cから離れた位置に2本のオイ
ル通路をカム軸16と平行に形成し、該各オイル通路と
各リフタガイド穴20b,20cとを連通する分岐オイ
ル通路を形成すれば良い。
【0096】本第2実施例装置では、小吸気量時には、
図15(a)に示すように、左,右サイド吸気弁11
b,11c及び左排気弁13aが休止し、センタ吸気弁
11a及び右排気弁13bのみが開閉する。そのため吸
気は最も小径のセンタ吸気弁用開口9aのみから気筒内
に流入することとなり、流入面積が小さい分だけ流入速
度が上昇する。また吸気は、気筒軸Aから最も離れた外
側に1つだけ存在する上記センタ吸気弁用開口9aから
気筒内に流入し、反対方向の流れにより方向性が乱され
ることがない。その結果、筒内流動が確実に発生し、希
薄空燃比燃焼が安定化する。
【0097】またこの場合、吸気ポート48の中心に位
置るす燃料噴射弁からの燃料が混合された吸気が、気筒
軸Aに対向するように位置するセンタ吸気弁用開口9a
から同じく気筒軸A付近に位置する点火プラグ25に直
接向かって流入するので、点火プラグ25の周囲に混合
気が集中することとなり、これにより希薄空燃比燃焼が
安定化する。そして本実施例では、センタ吸気弁用開口
9aが最も小径に設定されているので、点火プラグ25
をセンタ吸気弁用開口9a側に寄せて配置でき、この点
からも燃焼性を向上できる。
【0098】中吸気量時には、図15(b)に示すよう
に、右サイド吸気弁11c,及び左排気弁13aの休止
動作が解除され、左サイド吸気弁11bのみが休止す
る。そのため吸気は、センタ吸気弁用開口9aと右サイ
ド吸気弁用開口9cから流入し、気筒軸方向の流れ(タ
ンブル)と気筒内面に沿った流れ(スワール)とが合成
された斜めスワールが発生し、これにより希薄空燃比燃
焼が安定化する。
【0099】また、大吸気量時には、図15(c)に示
すように、センタ,及び左,右サイド吸気弁11a〜1
1cの全てが作動するので流入面積が大きくなり、かつ
吸気通路内に流入抵抗となるものが存在しないので、最
大吸気量が増大する。
【0100】さらにまた、本実施例では、センタ吸気弁
11aを最も小径にしたので、該センタ吸気弁11aの
弁頭11dとの干渉を回避するためのピストン7の頂面
の逃げを小さくできる。ちなみに、センタ吸気弁は燃焼
室の最も低い位置にあるので、ピストン頂面と干渉し易
いことから、従来のエンジンでは、ピストン頂面のセン
タ吸気弁と対向する部位に大きな逃げを形成しており、
この逃げによりピストン頂部の強度が低下する問題があ
ったが、本実施例ではこの問題を解消できる。
【0101】図16,17は、請求項1,4,7,10
の発明の一実施例(第3実施例)によるエンジンの吸気
装置を説明するための図であり、図中、図8,図9と同
一符号は同一又は相当部分を示す。
【0102】本第3実施例では、センタ吸気弁11aの
弁径Dicと左,右サイド吸気弁11b,11cの弁径
Dis1,Dis2と、左,右排気弁13a,13bの
弁径De1,De2とは、Dic=Dis2>De1=
De2>Dis1の関係に設定されている。即ち、左サ
イド吸気弁用開口9bが最も小径になっている。
【0103】またセンタ吸気弁11aの気筒軸Aからの
カム軸直角方向距離L3と、右サイド吸気弁11cの上
記カム軸直角方向距離L2と、左サイド吸気弁11bの
上記カム軸直角方向距離L1とは、L3>L2>L1の
関係に設定されている。即ち、吸気弁3本とも上記距離
は異なる。
【0104】また燃料噴射弁50は吸気ポート48の左
画壁48eの延長線上に配置されており、吸気ポート4
8の左画壁48e,右画壁48fは同じ長さに設定され
ている。この場合、左,右画壁48e,48fのの上流
端は上記燃料噴射弁50から離れた位置に位置してお
り、これにより燃料噴射弁50からの燃料は、主として
センタ吸気弁用開口9a及び左サイド吸気弁用開口9b
に向けて噴射供給される。
【0105】吸気側のバルブ休止機構は、センタ吸気弁
11a,右サイド吸気弁11cの何れか一方、又は両方
を同時に休止することができるように構成されている。
また排気側のバルブ休止機構は、左排気弁13aを休止
することができるように構成されている。なお、センタ
吸気弁11b,右排気弁13bには休止機構は設けられ
ておらず、従って該両弁11b,13bは常時開閉す
る。
【0106】本第3実施例装置では、小吸気量時には、
図17(a)に示すように、センタ吸気弁11a,右サ
イド吸気弁11c及び左排気弁13aが休止し、左サイ
ド吸気弁11b及び右排気弁13bのみが開閉する。そ
のため吸気は最も小径の左サイド吸気弁用開口9bのみ
から気筒内に流入することとなり、流入面積が小さい分
だけ流入速度が上昇する。また吸気は、気筒軸Aに最も
近く、またカム軸方向外側に寄った位置に存在する上記
左サイド吸気弁用開口9b気筒内に流入し、反対方向の
流れにより方向性が乱されることがない。その結果、筒
内流動、特にスワールが確実に発生し、希薄空燃比燃焼
が安定化する。
【0107】中吸気量時には、図17(b)に示すよう
に、センタ吸気弁11a,及び左排気弁13aの休止動
作が解除され、右サイド吸気弁11bのみが休止する。
そのため吸気は、センタ吸気弁用開口9aと左サイド吸
気弁用開口9bから流入し、気筒軸方向の流れ(タンブ
ル)と気筒内面に沿った流れ(スワール)とが合成され
た斜めスワールが発生し、これにより希薄空燃比燃焼が
安定化する。
【0108】また、大吸気量時には、図17(c)に示
すように、センタ,及び左,右サイド吸気弁11a〜1
1cの全てが作動するので流入面積が大きくなり、かつ
吸気通路内に流入抵抗となるものが存在しないので、最
大吸気量が増大する。
【0109】図18は請求項1,6の発明の一実施例
(第4実施例)を説明するための図であり、図中、図9
と同一符号は同一又は相当部分を示す。本第4実施例で
は、各吸気弁,排気弁の弁径の関係,燃料噴射弁50の
配置位置,左,右画壁48e,48fの形状は図14に
示すものと同様に設定されている。一方、吸気側のバル
ブ休止機構はセンタ吸気弁11aのみを休止可能になっ
ており、また排気側のバルブ休止機構は右排気弁13b
のみを休止可能になっている。
【0110】本第4実施例では、小吸気量時には、図1
8(a)に示すように、センタ吸気弁11a,右排気弁
13bが休止し、吸気は左,右サイド吸気弁用開口9
b,9cから流入し、排気ガスは左排気弁13aから流
出する。このように吸気は、気筒軸寄りの左,右に位置
する左,右サイド吸気弁用開口9b,9cから気筒内に
流入するので、タンブルが発生し易くなる。
【0111】また中吸気量時には、図18(b)に示す
ように、センタ吸気弁11aは休止を継続し、右排気弁
13bの休止が解除される。そのため比較的多量の吸気
が、上記小吸気量時と同様に左,右のサイド吸気弁用開
口9b,9cから流入するのでタンブルがより確実とな
る。またこの場合、排気弁は2本とも作動するので排気
ガスの排出は確実となる。
【0112】さらにまた高吸気量時には、全ての吸気弁
が作動するので、充分な最大吸気量を確保できる。
【0113】ここで上記第1〜第4実施例では、油圧を
供給しない状態でバルブ休止となり、油圧を供給すると
バルブ休止が解除されるように構成したが、これとは逆
に油圧を供給するとバルブ休止となり、油圧を供給しな
いとバルブ休止が解除されるように構成しても良い。こ
のように構成すると、全ての弁にバルブ休止機構を設け
ることが可能となり、設計上の自由度が拡大する。
【0114】即ち、油圧無しでバルブ休止が解除される
ように構成すれば、エンジン始動時において油圧が発生
するまでは、バルブ休止機構の有無に関わらず全ての弁
が作動することとなり、全ての弁にバルブ休止機構を設
けても始動が可能となる。ちなみに、上記実施例の場合
のように、油圧有りでバルブ休止が解除されるように構
成すれば、全ての弁にバルブ休止機構を設けると、エン
ジン始動が不可能となり、結局少なくとも1つの吸気
弁,排気弁にはバルブ休止機構を設けない構成とせざる
を得なくなり、上記実施例では、少なくとも何れか1本
の吸気弁及び排気弁にはバルブ休止機構を設けていな
い。
【0115】図19は請求項1,5の発明の一実施例
(第5実施例)を説明するための図であり、図中、図9
と同一符号は同一又は相当部分を示す。本実施例は、油
圧無しでバルブ休止が解除されるように構成するととも
に、全ての吸気弁11a〜11cに休止可能機構を設け
た例である。
【0116】本第5実施例では、各吸気弁,排気弁の弁
径の関係,燃料噴射弁50の配置位置,左,右画壁48
e,48fの形状は図14に示すものと同様に設定され
ている。一方、吸気側のバルブ休止機構はセンタ吸気弁
11aと、左,右サイド吸気弁11b,11cとの何れ
か一方を切り替えて休止できるようになっている。また
排気側のバルブ休止機構は右排気弁13bのみを休止可
能になっている。
【0117】本第5実施例では、始動時には油圧が発生
していないことからいずれのバルブ休止機構も解除され
ており、従って全ての弁が開閉動作を行い、支障なく始
動できる。そして小吸気量時には、図19(a)に示す
ように、左,右サイド吸気弁11b,11c及び右排気
弁13bが休止し、センタ吸気弁11aは休止解除され
ている。そのため吸気はセンタ吸気弁用開口9aから流
入し、排気ガスは左排気弁13aから流出する。このよ
うに吸気は、最も小径で、かつ気筒軸Aから離れた位置
に1つだけ存在するセンタ吸気弁用開口9aから流入す
るので、流入速度が高く、方向性が明確となり、筒内流
動が確実に発生し、希薄空燃比燃焼が安定化する。
【0118】またこの場合、混合気が点火プラグ25に
集中し、これにより希薄空燃比燃焼が安定化する。また
センタ吸気弁用開口9aが最も小径に設定されているの
で、点火プラグ25をセンタ吸気弁用開口9a側に寄せ
て配置でき、この点からも燃焼性を向上できる。
【0119】また中吸気量時には、図19(b)に示す
ように、センタ吸気弁11aは休止し、左,右サイド吸
気弁11b,11c及び右排気弁13bの休止は解除さ
れる。なお、この切り替えに当たっては、まずセンタ吸
気弁11aを作動させた状態で左,右サイド吸気弁11
b,11cの休止を解除し、しかる後センタ吸気弁11
aを休止することが望ましい。これにより切替時のショ
ックが緩和される。
【0120】上記左,右サイド吸気弁11b,11cの
休止解除により、比較的多量の吸気が、上記小吸気量時
と同様に左,右のサイド吸気弁用開口9b,9cから流
入するのでタンブルがより確実となる。またこの場合、
排気弁は2本とも作動するので排気ガスの排出は確実と
なる。
【0121】さらにまた高吸気量時には、全ての吸気弁
が作動するので、充分な最大吸気量を確保できる。
【0122】図20は、上記第1実施例におけるバルブ
休止制御の変形例をを示す。本変形例では、小吸気量時
(同図(a)参照)には上記第1実施例と同じ休止制御
を行うが、中吸気量時,大吸気量時の制御が異なる。即
ち、中吸気量時には同図(b)に示すように左排気弁1
3aを休止し、また大吸気量運転域を吸気量の比較的少
ない運転域と多い運転域とに区分し、吸気量の比較的少
ない運転域では、同図(c′)に示すように、センタ吸
気弁11aは休止を解除し、左排気弁13aについては
上記中吸気量時と同じく休止を継続する。そして吸気量
の多い運転域で全ての弁を作動させる。
【0123】このように構成することにより、上記大吸
気量運転域の前半において排気弁が1つだけ作動するこ
ととなることから、排気管の大吸気量運転域での等価管
長が長くなり図22に二点鎖線のトルクカーブC′に示
すように、高速回転域(大吸気量運転域)でのトルクを
さらに向上できる。
【0124】図21は、上記第2実施例におけるバルブ
休止制御の変形例を示す。本変形例では、小吸気量時
(同図(a)参照),大吸気量時(同図(c)参照)に
は上記第2実施例と同じ休止制御を行うが、中吸気量時
の制御が異なる。即ち、中吸気量運転域を吸気量の比較
的少ない運転域と多い運転域とに区分し、少ない運転域
では、同図(b′)に示すように、センタ吸気弁11
a,右サイド吸気弁11c,及び右排気弁13bのみを
作動させ、左排気弁13aは休止を継続する。そして吸
気量の比較的多い運転域になると上記第2実施例と同様
に左排気弁13aも作動させる。
【0125】このように構成することにより、上記中吸
気量運転域の前半において排気弁が1つだけ作動するこ
ととなることから、排気管の中吸気量運転域での等価管
長が長くなり図22に二点鎖線のトルクカーブB′に示
すように、中速回転域(中吸気量運転域)でのトルクを
さらに向上できる。
【0126】なお、上記各実施例では、吸気弁3本,排
気弁2本の5バルブエンジンの場合を説明したが、本発
明は、2本又は4本以上の吸気弁を気筒軸側寄り及び反
気筒軸側寄りに分けて配置した場合にも適用可能であ
る。
【0127】また、上記各実施例において、吸気弁,排
気弁のバルブリフトカーブを弁径に応じて以下のように
設定するとともに、上述のバルブ休止制御を行うように
することも可能である。
【0128】例えば、小径弁の最大リフトを大径弁の最
大リフトより小さく設定する。これにより上述の小径弁
を採用するとともにバルブ休止制御をしたことによる効
果に加えて以下の効果が得られる。即ち、小径弁の最大
リフト量を小さくした分だけ該小径弁用のリフタ径を小
さくできるのでスペース的に大径弁用リフタ径を大きく
でき、大径弁の最大リフトを大きくできる。これによ
り、大径弁をバルブ休止したときの流量と小径弁をバル
ブ休止したときの流量との比(ダイナミックレンジ)を
大きくできる。その結果、小吸気量時の筒内流動をより
強化でき、かつ大吸気量時の最大吸気量をより増大でき
る。また小径弁でありながらリフト量が過大となる無駄
を回避できる。即ち、小径弁の場合に必要以上に大リフ
トとしても流量の増加には効果がない。
【0129】また上述の可変バルブタイミング機構を利
用して、あるいはカムノーズ形状を適宜設定することに
より、エンジンの低速回転域において開閉動作するバル
ブの開閉タイミングを、排気弁と吸気弁とのオーバーラ
ップが小さくなるようにする。これは排気弁については
閉タイミングを進角させ、吸気弁については開タイミン
グを遅角させることにより実現できる。このように低速
回転域でのオーバーラップを小さくすることにより、低
速回転域での燃焼を良好にでき、アイドル回転を安定化
できるとともに低速トルクを増大できる。
【0130】さらにまた、上記各実施例では、弁径を変
えることにより各種の作用効果を得るようにしたが、弁
径は変えないで、リフト量及び図23におけるシート角
度αを変えることによって同等の効果を得ることができ
る。例えば図23に示すように、上記各実施例において
弁径は全て同じとし、小径であった部位に配置されてい
る弁(吸気弁)については小リフトとしかつ上記シート
角度αを小さくし、大径であった部位に配置されている
弁(吸気弁)については大リフトとしかつ上記シート角
度αを大きくする。これと上記実施例のバルブ休止制御
とを組合わせることにより、以下の理由により上記実施
例と同等の効果が得られる。
【0131】ここで本発明者等は、リフト量をHとする
と実効開口面積、ひいては流量は、Hcos αに比例する
ことを実験等により確認している。即ち、図24に示す
ように、αが小さい場合(曲線A参照)には、流量はバ
ルブの開き初期(低リフト時図23(b)参照)にて流
量が急に増加するものの、大リフトになっても曲がり抵
抗が大きいことから流量はそれ以上増加しない(図23
(c)参照)。一方、αが大きい場合(曲線B参照)に
はバルブの開き初期には開口面積の増加が遅いことから
流量増加は比較的遅いものの(図23(e)参照)、大
リフトになると曲がり抵抗が小さい分だけ流量は大きく
増加する(図23(f)参照)。
【0132】このように、α小かつ小リフトとすること
は小径弁と等価となり、α大かつ大リフトとすることは
大径弁と等価となり、上述のように置き替えることが可
能である。しかもこの場合、弁径を全て同じ径としてい
るので、シート角度αの変更のみで対応でき、製造が容
易である。また、上記シート角度α小の弁については小
リフト部分を使用することとなり、シート角度α大の弁
については大リフト部分を使用することとなるから、何
れの場合にも吸入係数の高いところで吸入しており、効
率が良い。
【0133】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、弁径を異径と
し、該異径の弁の一部を休止可能とするバルブ休止機構
を設け、エンジン運転状態と弁径とに応じてバルブ休止
制御を行うバルブ休止制御手段を設けたので、小吸気量
時には、大径の弁を休止させることにより吸気を小径の
弁に集中させて気筒内に流入させることが可能となり、
筒内流動を確実に発生させて希薄空燃比燃焼を安定化で
きる効果があり、また大吸気量時にはバルブ休止動作を
解除することにより全ての吸気弁を通って吸気を気筒内
に導入でき、最大吸気量を増大できる効果がある。
【0134】請求項2の発明によれば、小吸気量時に
は、大径の第1,第2サイド吸気弁を休止し、吸気を小
径のセンタ吸気弁のみから気筒内に流入させるようにし
たので、流速が増大するとともに吸気流が気筒軸方向に
方向付けされ、気筒軸方向に沿った流れ(タンブル)が
確実に発生できる効果があり、また中吸気量時には、第
1,第2サイド吸気弁の何れか一方を休止して吸気をセ
ンタ吸気弁と何れかのサイド吸気弁とから流入させるよ
うにしたので、タンブルスワールとが合成された斜めス
ワールを発生発生できる効果がある。
【0135】請求項3の発明によれば、 小吸気量時に
は、上記センタ吸気弁,及び第2サイド吸気弁の両方を
休止して吸気を小径の第1サイド吸気弁のみから気筒内
に流入させるようにしたので、スワールが確実に発生で
きる効果があり、また中吸気量時には、センタ吸気弁の
みを休止して吸気を小径の第1,第2サイド吸気弁から
流入させくようにしたので、タンブルを発生できる効果
がある。
【0136】請求項4の発明によれば、小吸気量時に
は、上記センタ吸気弁及びこれと同径の第2サイド吸気
弁の両方を休止して吸気を小径の第1サイド吸気弁のみ
から気筒内に流入させるようにしたので、スワールを確
実に発生できる効果があり、また中空気量時には、上記
第2サイド吸気弁のみを休止して吸気を小径の第1サイ
ド吸気弁とセンタ吸気弁の両方から流入させるようにし
たので、斜めスワール発生できる効果がある。
【0137】請求項5の発明によれば、小吸気量時に
は、両サイド吸気弁を休止して吸気を小径のセンタ吸気
弁のみから流入させるようにしたので、タンブルを確実
に発生できる効果があり、また中吸気量時には、センタ
吸気弁のみを休止して吸気は第1,第2サイド吸気弁か
ら流入させるようにしたのでこの場合もタンブルを発生
できる効果がある。
【0138】請求項6の発明によれば、小,中吸気量時
には、センタ吸気弁のみを休止して吸気を第1,第2サ
イド吸気弁から流入させるようにしたので、タンブルを
確実に発生できる効果がある。
【0139】請求項7の発明によれば、気筒軸からのカ
ム軸直角方向距離の異なる位置に弁を配置し、該位置の
異なる弁の一部を休止可能とするバルブ休止機構を設
け、エンジン運転状態と弁の位置とに応じて休止制御を
行うバルブ休止制御手段を設けたので、小吸気量時に
は、何れかの弁を休止させることにより吸気を偏った位
置から気筒内に導入することが可能となり、筒内流動を
確保できる効果があり、また大吸気量時には、バルブ休
止動作を解除することにより全ての吸気弁を通って吸気
を気筒内に導入でき、最大吸気量を増大できる効果があ
る。
【0140】請求項8の発明によれば、小吸気量時に
は、気筒軸側寄りに位置する第1,第2サイド吸気弁の
作動を休止して吸気をサイド吸気弁よりも外側でかつカ
ム軸方向中央に位置するセンタ吸気弁のみから気筒内に
流入させるようにしたので、タンブルを確実に発生でき
る効果があり、また中吸気量時には、第1サイド吸気弁
のみを休止して吸気を上記センタ吸気弁及び第2サイド
吸気弁から流入させるようにしたので、タンブルとスワ
ールとが合成した斜めスワールが発生できる効果があ
る。
【0141】請求項9の発明によれば、小吸気量時に
は、上記センタ吸気弁,及び第2サイド吸気弁の両方を
休止して吸気を第1サイド吸気弁のみから気筒内に流入
させるようにしたので、スワールを確実に発生できる効
果があり、また中吸気量時にはセンタ吸気弁のみを休止
して吸気を第1,第2サイド吸気弁から流入させるよう
にしたので、タンブルを発生できる効果がある。
【0142】請求項10の発明によれば、小吸気量時に
は、上記センタ吸気弁,及び第2サイド吸気弁の両方を
休止して吸気を最も層気筒軸側寄りに位置する第1サイ
ド吸気弁のみから気筒内に流入させるようにしたので、
スワールを確実に発生できる効果があり、また中吸気量
時には、第2サイド吸気弁のみを休止して吸気を第1サ
イド吸気弁とセンタ吸気弁とから流入させるようにした
ので、斜めスワールを発生できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1,3,7,9の発明の一実施例(第1
実施例)によるバルブ休止装置を備えたエンジンの正面
図である。
【図2】上記第1実施例エンジンの右サイド吸気弁,右
排気弁部分を示す断面正面図である。
【図3】上記第1実施例エンジンのセンタ吸気弁部分を
示す断面正面図である。
【図4】上記第1実施例エンジンの左サイド吸気弁,左
排気弁部分を示す断面正面図である。
【図5】上記第1実施例エンジンのシリンダヘッドの吸
気,排気カムキャリアを取り外した状態を示す平面図で
ある。
【図6】上記第1実施例エンジンの吸気,排気カムキャ
リアの一部断面平面図である。
【図7】上記第1実施例エンジンのオイル系を示す断面
背面図である。
【図8】上記第1実施例エンジンの吸気弁用開口,排気
弁用開口部分を示す模式断面平面図である。
【図9】上記第1実施例エンジンの動作を説明するため
の模式図である。
【図10】上記第1実施例エンジンのバルブ休止機構部
分を示す断面図である。
【図11】上記第1実施例エンジンのバルブ休止機構部
分を示す断面図である。
【図12】上記第1実施例エンジンのバルブ休止機構部
分を示す断面図である。
【図13】上記第1実施例エンジンのオイル系統図であ
る。
【図14】請求項1,2,7,8の発明の一実施例(第
2実施例)によるエンジンのバルブ休止装置を説明する
ための吸気弁用開口,排気弁用開口部分を示す模式断面
平面図である。
【図15】上記第2実施例装置の動作を説明するための
模式図である。
【図16】請求項1,4,7,10の発明の一実施例
(第3実施例)によるエンジンのバルブ休止装置を説明
するための吸気弁用開口,排気弁用開口部分を示す模式
断面平面図である。
【図17】上記第3実施例装置の動作を説明するための
模式図である。
【図18】請求項1,6の発明の一実施例(第4実施
例)によるエンジンのバルブ休止装置の動作を説明する
ための模式図である。
【図19】請求項1,5の発明の一実施例(第4実施
例)によるエンジンのバルブ休止装置の動作を説明する
ための模式図である。
【図20】上記第1実施例装置のバルブ休止制御の変形
例を説明するための模式図である。
【図21】上記第2実施例装置のバルブ休止制御の変形
例を説明するための模式図である。
【図22】上記第1実施例装置の効果を説明するための
エンジン回転数−トルク特性図である。
【図23】上記各実施例の発展例を示す模式図である。
【図24】上記発展例の効果を示すエンジン回転数−流
量特性図である。
【符号の説明】
1 エンジン 11a センタ吸気弁 11b,11c 第1,第2サイド吸気弁 16 吸気カム軸 18a,18b センタ,サイド吸気バルブ休止機構 Dic センタ吸気弁の径 Dis1,Dis2 サイド吸気弁の径 L1〜L3 カム軸直角方向距離

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気弁又は排気弁の少なくとも一方を複
    数備え、該複数の弁の一部を運転状態に応じて閉位置に
    保持するようにした4サイクルエンジンのバルブ休止装
    置において、上記複数有する側の弁を径の異なるものと
    し、該径の異なる弁の何れか1本又は複数本を休止可能
    とするバルブ休止機構と、運転状態と弁径とに基づいて
    弁の休止制御を行うバルブ休止制御手段とを備えたこと
    を特徴とする4サイクルエンジンのバルブ休止装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、カム軸方向中央に弁径
    Dicの1本のセンタ吸気弁が、該センタ吸気弁のカム
    軸方向両側に弁径Dis1,Dis2の第1,第2サイ
    ド吸気弁がそれぞれ配置され、かつ各吸気弁の径がDi
    s1=Dis2>Dicの関係に設定されており、 上記バルブ休止機構が、上記第1,第2サイド吸気弁の
    一方,又は両方を休止可能に構成されており、 上記バルブ休止制御手段が、小吸気量時には上記第1,
    第2サイド吸気弁の両方を休止させ、中吸気量時には上
    記第1,第2サイド吸気弁の一方を休止させ、大吸気量
    時には全休止動作を解除するように構成されていること
    を特徴とする4サイクルエンジンのバルブ休止装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、カム軸方向中央に弁径
    Dicの1本のセンタ吸気弁が、該センタ吸気弁のカム
    軸方向両側に弁径Dis1,Dis2の第1,第2サイ
    ド吸気弁がそれぞれ配置され、かつ上記各吸気弁の径が
    Dic>Dis1=Dis2の関係に設定されており、 上記バルブ休止機構が、上記センタ吸気弁と第2サイド
    吸気弁の何れか一方,又は両方を休止可能に構成されて
    おり、 上記バルブ休止制御手段が、小吸気量時には上記センタ
    吸気弁と第2サイド吸気弁の両方を休止させ、中吸気量
    時には上記センタ吸気弁を休止させ、大吸気量時には全
    休止動作を解除するように構成されていることを特徴と
    する4サイクルエンジンのバルブ休止装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、カム軸方向中央に弁径
    Dicの1本のセンタ吸気弁が、該センタ吸気弁のカム
    軸方向一側,他側に弁径Dis1,Dis2の第1,第
    2サイド吸気弁がそれぞれ配置され、かつ上記各吸気弁
    の径がDic=Dis2>Dis1の関係に設定されて
    おり、 上記バルブ休止機構が、上記センタ吸気弁と第2サイド
    吸気弁の何れか一方,又は両方を休止可能に構成されて
    おり、 上記バルブ休止制御手段が、小吸気量時には上記センタ
    吸気弁,第2サイド吸気弁の両方を休止させ、中吸気量
    時には上記第2サイド吸気弁を休止させ、大吸気量時に
    は全休止動作を解除するように構成されていることを特
    徴とする4サイクルエンジンのバルブ休止装置。
  5. 【請求項5】請求項1において、カム軸方向中央に弁径
    Dicの1本のセンタ吸気弁が、該センタ吸気弁のカム
    軸方向両側に弁径Dis1,Dis2の第1,第2サイ
    ド吸気弁がそれぞれ配置され、かつ上記各吸気弁の径が
    Dis1=Dis2>Dicの関係に設定されており、 上記バルブ休止機構が、上記センタ吸気弁と第1,第2
    サイド吸気弁との何れか一方を単独で休止可能に構成さ
    れており、 上記バルブ休止制御手段が、小吸気量時には上記第1,
    第2サイド吸気弁を休止させ、中吸気量時には上記セン
    タ吸気弁を休止させ、大吸気量時には全休止動作を解除
    するように構成されていることを特徴とする4サイクル
    エンジンのバルブ休止装置。
  6. 【請求項6】 請求項1において、カム軸方向中央に弁
    径Dicの1本のセンタ吸気弁が、該センタ吸気弁のカ
    ム軸方向両側に弁径Dis1,Dis2の第1,第2サ
    イド吸気弁がそれぞれ配置され、かつ上記各吸気弁の径
    がDis1=Dis2>Dicの関係に設定されてお
    り、 上記バルブ休止機構が、センタ吸気弁を休止可能に構成
    されており、 上記バルブ休止制御手段が、小,中吸気量時にはセンタ
    吸気弁を休止させ、大吸気量時には休止動作を解除する
    ように構成されていることを特徴とする4サイクルエン
    ジンのバルブ休止装置。
  7. 【請求項7】 吸気弁又は排気弁の少なくとも一方を複
    数備え、該複数の弁の一部を運転状態に応じて閉位置に
    保持するようにした4サイクルエンジンのバルブ休止装
    置において、上記複数有する側の各弁少なくとも一部
    を、気筒軸中心からカム軸直角方向距離の異なる位置に
    配置し、該配置位置の異なる弁の何れか1本又は複数本
    を休止可能とするバルブ休止機構と、運転状態と上記弁
    配置位置とに基づいて弁の休止制御を行うバルブ休止制
    御手段とを備えたことを特徴とする4サイクルエンジン
    のバルブ休止装置。
  8. 【請求項8】請求項7において、カム軸方向中央でかつ
    気筒軸からのカム軸直角方向距離L2の位置に1本のセ
    ンタ吸気弁が、該センタ吸気弁のカム軸方向両側でかつ
    気筒軸からのカム軸直角方向距離L1の位置に第1,第
    2サイド吸気弁がそれぞれ配置され、かつ上記各吸気弁
    のカム軸直角方向距離がL2>L1の関係に設定されて
    おり、 上記バルブ休止機構が、上記第1,第2サイド吸気弁の
    何れか一方,又は両方を休止可能に構成されており、 上記バルブ休止制御手段が、小吸気量時には上記第1,
    第2サイド吸気弁の両方を休止させ、中吸気量時には上
    記第1,第2サイド吸気弁の一方を休止させ、大吸気量
    時には全休止動作を解除するように構成されていること
    を特徴とする4サイクルエンジンのバルブ休止装置。
  9. 【請求項9】請求項7において、カム軸方向中央でかつ
    気筒軸からのカム軸直角方向距離L2の位置に1本のセ
    ンタ吸気弁が、該センタ吸気弁のカム軸方向両側でかつ
    気筒軸からのカム軸直角方向距離L1の位置に第1,第
    2サイド吸気弁がそれぞれ配置され、かつ上記各吸気弁
    のカム軸直角方向距離がL2>L1の関係に設定されて
    おり、 上記バルブ休止機構が、上記センタ吸気弁と第2サイド
    吸気弁の何れか一方,又は両方を休止可能に構成されて
    おり、 上記バルブ休止制御手段が、小吸気量時には上記センタ
    吸気弁と第2サイド吸気弁の両方を休止させ、中吸気量
    時には上記センタ吸気弁を休止させ、大吸気量時には全
    休止動作を解除するように構成されていることを特徴と
    する4サイクルエンジンのバルブ休止装置。
  10. 【請求項10】請求項7において、カム軸方向中央でか
    つ気筒軸からのカム軸直角方向距離L3の位置に1本の
    センタ吸気弁が、該センタ吸気弁のカム軸方向一側,他
    側でかつ気筒軸からのカム軸直角方向距離L1,L2の
    位置に第1,第2サイド吸気弁がそれぞれ配置され、か
    つ上記各吸気弁のカム軸直角方向距離がL3>L2>L
    1の関係に設定されており、 上記バルブ休止機構が、上記センタ吸気弁と第2サイド
    吸気弁の何れか一方,又は両方を吸気可能に構成されて
    おり、 上記バルブ休止制御手段が、小吸気量時には上記センタ
    吸気弁,第2サイド吸気弁の両方を休止させ、中吸気量
    時には上記第2サイド吸気弁を休止させ、大吸気量時に
    は全休止動作を解除するように構成されていることを特
    徴とする4サイクルエンジンのバルブ休止装置。
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KR100337326B1 (ko) * 1999-12-30 2002-05-22 이계안 차량 전자 메케니컬 밸브 시스템의 실린더 휴지 제어 방법
JP2007224733A (ja) * 2006-02-21 2007-09-06 Honda Motor Co Ltd 可変動弁機構のオイル通路

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