JP5783876B2 - カム位相可変型内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、バルブタイミングを変更する油圧式のカム位相可変装置を備えたカム位相可変型内燃機関に係り、カム位相可変装置の応答性を高めるための油路構造に関する。
自動車等に搭載される内燃機関では、その運転状態に応じて吸気バルブや排気バルブの開閉タイミングを変化させるべく、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を可変制御するカム位相可変装置(可変バルブタイミング装置:VTC)を装備したものがある。カム位相可変装置としては、クランクシャフトにより回転駆動されるハウジングと、カムシャフトの一端に固定されるとともにハウジングに相対回転可能に収容されてハウジングとの間に進角用油室および遅角用油室を画成するロータを有し、油路に設けられた油圧制御弁により進角用油室および遅角用油室対する作動油の供給を切り換えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このようなカム位相可変型内燃機関では、油圧制御弁とカム位相可変装置との間に進角用油路および遅角用油路の2系統の油路が形成され、これらの油路が、それぞれクランクシャフトを支持するジャーナル軸受壁からカムシャフトを経由して進角用油室および遅角用油室へ至るように設けられることがある。
一方、ジャーナル軸受壁は、シリンダヘッドに形成され、半割りの軸受面を有するカムホルダと、同じく半割りの軸受面を有するカムキャップとにより構成され、カムキャップはカムシャフトを挟むようにカムシャフトの近傍に配置されたボルトによってカムホルダに締結される。したがって、上記のような油路配置の場合、ジャーナル軸受壁を大型化することなくボルトを避けて2系統の油路を形成するのが困難である。
このような背景の下、コンパクトなオイル通路を実現するとともにカムキャップ締結用のボルトのサイズアップを回避するための油路構造として、ジャーナル軸受壁に形成される油路部分をボルトよりもカムシャフトから離れた位置に配置し、カムキャップのカムホルダ接合面に、ボルトを避けてジャーナル軸受壁の軸受面に接続する2本の第1オイル溝を形成するようにした発明が提案されている(特許文献2参照)。
特開2010−190159号公報 特許第3355356号公報
しかしながら、特許文献2の発明では、カムキャップ締結用のボルトのサイズアップを回避することはできるが、ボルトの脇に2本の第1オイル溝が形成されるため、カムキャップが締結ボス部の周囲においても幅広になり、カムキャップを十分に小型化することができない。ここで、カムキャップの締結ボス部周辺については油路形成部分だけを幅広にすることも考えられるが、このようにした場合には、高圧になる油路がカムホルダ接合面に形成されているため、オイル漏れが生じ易くなる。
また、特許文献1の発明では、シリンダヘッドに設けられるオイルコントロールバルブと2本の第1オイル溝とをそれぞれ連通する2本のオイル通路が、オイルコントロールバルブからカム軸方向について(引用文献2の図2において)異なる方向にそれぞれ延設されているため、エンジン(シリンダヘッド)がカム軸方向に大型化し、この部分の肉厚を薄くすることも困難である。
本発明は、このような従来技術に含まれる課題を解消するべく案出されたものであり、カム位相可変装置への油路部周辺をコンパクト化して内燃機関の重量増大を抑制することを第1の目的とし、併せて、カムキャップとカムホルダとの接合面からのオイル漏れを防止することを第2の目的とする。
このような課題を解決するために、本発明の一側面によれば、カムホルダ(16)および該カムホルダにボルト(19)によって締結されるカムキャップ(18)からなるジャーナル軸受壁(15)により回転自在に支持されたカムシャフト(10)と、前記カムシャフトの端部に設けられ、進角用油圧室(33)および遅角用油圧室(34)に作動油が供給されることによってカム位相を変化させるカム位相可変装置(30)と、油圧供給源(21)と前記カム位相可変装置とを連通する油路(40)に設けられ、前記進角用油圧室および前記遅角用油圧室に対する前記作動油の供給を制御する油圧制御弁(35)とを有し、前記油路が、前記油圧供給源と前記油圧制御弁とを連通する上流側油路(41)と、前記油圧制御弁と前記進角用油圧室とを連通する進角用油路(43)と、前記油圧制御弁と前記遅角用油圧室とを連通する遅角用油路(44)とを有するカム位相可変型内燃機関(1)であって、前記進角用油路が、前記カムシャフトを介して前記作動油を前記進角用油圧室へ供給すべく、前記ジャーナル軸受壁の軸受面に環状に形成された進角用環状溝部(49)を有し、前記遅角用油路が、前記カムシャフトを介して前記作動油を前記遅角用油圧室へ供給すべく、前記進角用環状溝部とカム軸方向にオフセットした位置にて前記ジャーナル軸受壁の軸受面に環状に形成された遅角用環状溝部(46)を有し、前記油圧制御弁は、前記進角用環状溝部および前記遅角用環状溝部が形成されたジャーナル軸受壁にその軸線を沿わせて配置され、前記進角用油路および前記遅角用油路の一方が、前記カムキャップと前記カムホルダとの接合面(20)に形成されて一端(47a)が前記進角用環状溝部または前記遅角用環状溝部に接続された第1油路部(47)と、前記カムホルダに形成されて前記油圧制御弁と前記第1油路部の他端(47b)とを接続する第2油路部(48)とを有し、前記進角用油路および前記遅角用油路の他方が、前記カムホルダに形成されて前記油圧制御弁と前記進角用環状溝部または前記遅角用環状溝部とに接続された第3油路部(50)を有し、前記第2油路部と前記第3油路部とがカム軸方向に直交する同一平面上に配置される構成とする。
この構成によれば、第2油路部と第3油路部とがカム軸方向に直交する同一平面上に配置されるため、第2油路部と第3油路部とを画成する部分の肉厚を薄くすることが可能であり、内燃機関がカム軸方向に大型化することを防止できる。また、カムキャップとカムホルダとの接合面には第1油路部しか形成されないため、接合面の幅を狭くしてカムキャップを小型化できる。さらに、油圧制御弁がジャーナル軸受壁に沿って配置されたことにより、油圧制御弁の取付部位の肉厚が大きくなることも回避できる。
また、本発明の一側面によれば、前記カムキャップ(18)は、前記カムシャフト(10)を挟む位置にて前記ボルト(19)をそれぞれ挿通させる一対のボルト挿通孔(52)を有し、前記カムホルダとの接合面に前記第1油路部が形成される一方側のボルト挿通孔(52o)が、カム軸方向について、前記進角用環状溝部と前記遅角用環状溝部との中心(15X)に対して前記第1油路部が接続する側の前記進角用環状溝部または前記遅角用環状溝部(46)と相反する側にオフセットした位置に配置され、前記第1油路部の前記他端(47b)が、カム軸方向と直交する方向について、前記一方側のボルト挿通孔(52o)に対して前記カムシャフトと相反する側に位置する構成とすることができる。
カム位相可変装置は、油圧制御弁からの油圧のみにより作動するため、油路の途中でオイル漏れにより油圧が不足すると応答性が悪くなってしまうが、この構成によれば、第1油路部が形成される一方側においてもボルト挿通孔をカムシャフトの近傍に配置できるため、カムキャップの取付剛性を高め、第1油路部が形成された接合面からのオイル漏れを防止できる。また、一方側のボルト挿通孔のカム軸方向へのオフセットにより空いた領域に第1油路部を配置できるため、第1油路部を形成するために接合面がカム軸方向に大きくなることを抑制できる。
また、本発明の一側面によれば、前記カムホルダ(16)は、前記一対のボルト挿通孔に対応する位置にて前記ボルトをそれぞれ螺着させる一対のボルト孔(25)を有するとともに、前記一方側のボルト孔(25o)を画成する壁部に対して前記第1油路部と相反する側に突出するホルダ側突出部(26)を有し、前記カムキャップ(18)が、前記一方側のボルト挿通孔(52o)を画成する締結ボス部(53o)に対して前記第1油路部と相反する側に突出するとともに、前記ホルダ側突出部に接合するキャップ側突出部(57)を有する構成とすることができる。
一方側のボルト挿通孔がカム軸方向にオフセットし、オフセットした側と反対側に第1油路部が配置されたため、第1油路部の油圧によってカムキャップが第1油路部と相反する側に傾き易くなるが、この構成によれば、ホルダ側突出部とキャップ側突出部との接合によってカムキャップの傾きを防止でき、カムキャップとカムホルダとの隙間からのオイル漏れを抑制できる。
また、本発明の一側面によれば、前記カムキャップ(18)が、前記カムシャフト(10)を挟む位置にて前記ボルトにより締結される一対の締結ボス部(53)と、前記カムホルダとの接合面に前記第1油路部が形成される一方側の締結ボス部(53o)から前記接合面(20)に沿って突出し、前記第1油路部を画成する突出板部(54)と、前記突出板部の前記接合面と相反する面に突出形成され、前記一方側の締結ボス部に接続されたリブ(55)とを有する構成とすることができる。
この構成によれば、第1油路部を画成する部分には突出壁部を締結ボス部から突出させたことにより、締結ボス部の周辺を不要に幅広(肉厚)にせずに済み、カムキャップを小型化および軽量化することができる。また、突出壁部に締結ボス部と連結するリブを設けたことにより、第1油路部に高圧の油圧が作用してもカムキャップとカムホルダとの接合面が開いてオイル漏れが生じることを防止できる。
また、本発明の一側面によれば、前記リブが、前記突出板部における前記第1油路部の前記他端(47b)に対応する部位に突出形成された構成とすることができる。
第1油路部の他端は、第2油路部がカムホルダ側から接続するためオイル漏れの可能性が最も高いが、この構成によれば、オイル漏れの可能性が最も高い第1油路部の他端を画成する部位にリブを設けたため、確実にオイル漏れを防止できる。
また、本発明の一側面によれば、前記カム位相可変装置(30)は排気側の前記カムシャフト(10)に設けられ、前記遅角用油路(44)が前記第1油路部(47)を有する構成とすることができる。
この構成によれば、進角用油路は、カムホルダに形成された第3油路部を通って進角用環状溝部に至り、接合面に形成された第1油路部を通過しないため、接合面からオイル漏れが生じることはない。したがって、内燃機関が停止している間あるいは機関始動時にカムシャフトを進角方向に迅速・確実に戻すことができ、次回の機関始動時の着火性および始動性を担保できる。
このように、本発明によれば、カム位相可変装置への油路部周辺をコンパクト化して内燃機関の重量増大を抑制しつつ、カムキャップとカムホルダとの接合面からのオイル漏れを防止することができる。
実施形態に係るエンジンの要部透視斜視図 図1に示すエンジンブロックおよびシリンダブロックの側面図 図1に示すシリンダブロックの平面図 図1に示すスプールバルブの概略構成図 図1に示すシリンダブロックの要部の透視斜視図 図1に示すシリンダブロックの要部平面図 図3に示すカムキャップの底面図 図3に示すシリンダブロックの要部斜視図 図3に示すカムキャップの斜視図 図1に示すVTCアクチュエータの概略構成図
以下、図面を参照して、本発明にカム位相可変装置を自動車用エンジンに適用した一実施形態を詳細に説明する。
図1に示すように、エンジン(カム位相可変型内燃機関)1は、DOHC4バルブ型の4サイクル直列3気筒ガソリンエンジンである。エンジン1のシリンダブロック2は3つの気筒を備え、各気筒にはピストン3が摺動自在に収容されている。ピストン3は、コネクティングロッド4を介して、シリンダブロック2に回転自在に軸支されたクランクシャフト5に連結されている。シリンダブロック2の上部に設けられたシリンダヘッド6には、各気筒について2本ずつの吸気バルブ7および排気バルブ8と、吸排気バルブ7、8を駆動する吸気カムシャフト9および排気カムシャフト10とが設けられている。
クランクシャフト5の一端には、クランクシャフト5と一体に回転するクランクスプロケット11が設けられ、吸気カムシャフト9のクランクスプロケット11に対応する一端には吸気カムスプロケット12が設けられている。また、排気カムシャフト10のクランクスプロケット11に対応する一端には排気カムスプロケット13を備えたVTCアクチュエータ(カム位相可変装置)30が設けられている。クランクスプロケット11、吸気カムスプロケット12および排気カムスプロケット13には、相互に回転を伝達するカムチェーン14が掛け渡されており、両カムシャフト9、10はクランクシャフト5によって1/2の回転速度をもって回転駆動される。
図2および図3に示すように、吸気カムシャフト9および排気カムシャフト10は、シリンダヘッド6に一体形成された半割りの軸受面を有するカムホルダ16と、カムホルダ16に締結された同様に半割りの軸受面を有する吸気側および排気側の各カムキャップ17、18とから構成されるジャーナル軸受壁15により回転自在に支持される。なお、ジャーナル軸受壁15は、気筒列方向について各気筒の中央を通る位置の3箇所と、吸気カムスプロケット12および排気カムスプロケット13の近傍の1箇所との合計4箇所に設けられている。各カムキャップ17、18は、吸気カムシャフト9または排気カムシャフト10を挟む位置に配置された2本のボルト19によりカムホルダ16に締結される。以下、シリンダヘッド6の両カムスプロケット12、13側の端面をなすジャーナル軸受壁15を「第1ジャーナル軸受壁15」と称し、第1ジャーナル軸受壁15を構成するカムホルダ16(シリンダヘッド6の端面をなす壁部)および排気側のカムキャップ18を、それぞれ「第1カムホルダ16」および「第1排気カムキャップ18」と称して説明する。
図1に戻り、エンジン1の下部にはオイルポンプ21が設けられ、オイルポンプ21の駆動軸とクランクシャフト5に設けられた図示しないスプロケットとにはオイルポンプチェーン22が掛け渡されている。また、シリンダブロック2およびシリンダヘッド6にはオイルポンプ21から圧送されるエンジンオイルをVTCアクチュエータ30に供給するための油路40が形成されている。オイルポンプ21は、クランクシャフト5の回転によって駆動され、オイルパン23に貯留されたエンジンオイルを、油路40を介してVTCアクチュエータ30に圧送する他、エンジン1の各部に圧送する。
VTCアクチュエータ30は、図10に示すように、排気カムスプロケット13と一体に形成されたハウジング31と、ハウジング31に収容され、排気カムシャフト10と一体に形成されたロータ32とを主要構成要素として備えている。ロータ32とハウジング31との間には、進角用油圧室33および遅角用油圧室34が画成されており、進角用油圧室33および遅角用油圧室34の一方にオイルポンプ21からのエンジンオイルが供給されることにより、ロータ32とハウジング31とが相対回転し、排気カムシャフト10のカム位相を変化させる。
進角用油圧室33および遅角用油圧室34に対するエンジンオイルの供給は、オイルポンプ21とVTCアクチュエータ30とを連通する油路40に設けられたスプールバルブ35によって制御される。スプールバルブ35は、VTCアクチュエータ30の近傍の第1ジャーナル軸受壁15に形成されたバルブ取付孔24(図1参照)に取り付けられる。バルブ取付孔24は、円筒状を呈するとともにその軸線を第1ジャーナル軸受壁15に沿わせて形成されている。つまり、スプールバルブ35も、その軸線を第1ジャーナル軸受壁15に沿わせて設けられる。スプールバルブ35が取り付けられるバルブ取付孔24には、オイルポンプ21に接続する1本の上流側油路41と、進角用油圧室33に接続する進角用油路43および遅角用油圧室34に接続する遅角用油路44からなる下流側油路42と、VTCアクチュエータ30から排出されたエンジンオイルをオイルパン23へ戻すためのドレン油路45が接続している。
図4に示すように、スプールバルブ35は、バルブ取付孔24に圧入されるバルブスリーブ36と、バルブスリーブ36に摺動自在に内嵌したスプール37と、スプール37をバルブスリーブ36に対して軸線方向に駆動するリニアソレノイド38とを有している。スプールバルブ35は、排気カムシャフト10を遅角側に位相変化させる場合には、(A)に示すようにリニアソレノイド38によりスプール37を手前側(リニアソレノイド38側)に駆動することで、上流側油路41を遅角用油路44に連通させるとともに、進角用油路43をドレン油路45に連通させる。また、排気カムシャフト10を進角側に位相変化させる場合には、スプールバルブ35は、(B)に示すようにリニアソレノイド38によりスプール37を奥側に駆動することで、上流側油路41を進角用油路43に連通させるとともに、遅角用油路44をドレン油路45に連通させる。さらに、排気カムシャフト10の位相を中間位置に保持する場合には、スプールバルブ35は、(C)に示すようにリニアソレノイド38によりスプール37を中間位置に保持することで、上流側油路41、進角用油路43および遅角用油路44のすべてを遮断する。
図5および図6に示すように、遅角用油路44は、排気カムシャフト10を介してエンジンオイルを遅角用油圧室34へ供給すべく、第1ジャーナル軸受壁15の軸受面に環状に形成された遅角用環状溝部46と、第1排気カムキャップ18と第1カムホルダ16との接合面20に形成されて一端47aが遅角用環状溝部46に接続された第1油路部47と、第1カムホルダ16に形成されてバルブ取付孔24と前記第1油路部47の他端47bとを接続する直線状の第2油路部48とを有する。第2油路部48は、カム軸方向に直交する平面上に配置されている。より詳細には、第2油路部48は、気筒軸方向と平行に延在しており、第1カムホルダ16と第1排気カムキャップ18との接合面20に対して直交配置されている。
なお、第1油路部47は、排気カムシャフト10を挟む一対の接合面20のうち、吸気カムシャフトと相反する側、すなわちバルブ取付孔24が形成されたシリンダヘッド6の排気面側に形成されている。以下、接合面20に第1油路部47が形成された側を外側と称し、その反対側を内側と称して説明し、符号の後にそれぞれ「o」または「i」を付すこととする。
一方、進角用油路43は、排気カムシャフト10を介してエンジンオイルを進角用油圧室33へ供給すべく、遅角用環状溝部46とカム軸方向(VTCアクチュエータ30と相反する側)にオフセットした位置にて第1ジャーナル軸受壁15の軸受面に環状に形成された進角用環状溝部49と、第1カムホルダ16に形成されてバルブ取付孔24と進角用環状溝部49とに接続された直線状の第3油路部50とを有する。第3油路部50は、第2油路部48とカム軸方向に直交する同一平面上にて気筒軸方向に対して傾斜して配置されている。
遅角用環状溝部46と進角用環状溝部49とは、第1ジャーナル軸受壁15の軸受面においてカム軸方向の中心線15Xについて互いに対称(面対象)となるように形成されている。第2油路部48、第3油路部50および上流側油路41は、ここではシリンダヘッド6およびシリンダブロック2の壁部をドリル加工して形成される。なお、中子を用いて第2油路部48、第3油路部50および上流側油路41を形成することも可能である。
また、第1カムホルダ16には、第1排気カムキャップ18を締結する一対のボルト19をそれぞれ螺着させる一対のボルト孔25が形成されている。
図7〜図9に示すように、第1排気カムキャップ18は、ジャーナル軸受面を画成する円弧板状のキャップ部51と、排気カムシャフト10を挟む位置にてボルト19をそれぞれ挿通させる一対のボルト挿通孔52と、ボルト挿通孔52を画成する一対の締結ボス部53とを有している。内側のボルト挿通孔52iは、カム軸方向について、キャップ部51の中心、より詳細には、進角用環状溝部49と遅角用環状溝部46との間に配置されている。一方、外側のボルト挿通孔52oは、カム軸方向についてキャップ部51が画成する軸受面の中心線15Xから進角用環状溝部49側にオフセットした位置、より詳細には進角用環状溝部49に対して遅角用環状溝部46と相反する側に配置されている。なお、ここでの位置の特定は、油路配置のコンパクト化という技術的意義に基づいてボルト挿通孔52の中心を基準とするものである。
第1油路部47は、外側のボルト挿通孔52oから所定距離以上離れた位置を通過するようにカム軸方向と直交する面に対して斜め(一端47aから他端47bに向けてVTCアクチュエータ30側に傾斜する方向)に設けられており、その他端47bは、外側のボルト挿通孔52oよりも外側、すなわち、カム軸方向と直交する方向について、外側のボルト挿通孔52oに対して排気カムシャフト10と相反する側に位置している。
また、第1排気カムキャップ18には、第1油路部47を画成するべく外側の締結ボス部53oから外側の締結ボス部53oよりも小さな高さ寸法をもって接合面20に沿って突出する突出板部54が形成されている。そして、突出板部54の接合面20と相反する面にはリブ55が突出形成されている。リブ55は、突出板部54における第1油路部47の他端47bに対応する部位に配置されるとともに外側の締結ボス部53oに接続されており、締結ボス部53側ほど高い略直角三角形状を呈している。
さらに第1排気カムキャップ18には、外側の締結ボス部53oに対して第1油路部47と相反する側に突出するキャップ側突出部57が形成されている。一方、第1カムホルダ16にも、外側のボルト孔25oを画成する壁部に対して第1油路部47と相反する側に突出するホルダ側突出部26が形成されている。キャップ側突出部57は、第1排気カムキャップ18が第1カムホルダ16に締結された状態において接合面20にてホルダ側突出部26と面接合する。
このように、第2油路部48と第3油路部50とがカム軸方向に直交する同一平面上に配置されるため、第1ジャーナル軸受壁15における第2油路部48と第3油路部50とを画成する部分の肉厚を薄くすることが可能であり、エンジン1がカム軸方向に大型化することが防止される。また、第1排気カムキャップ18と第1カムホルダ16との接合面20には、油路40として第1油路部47しか形成する必要がないため、接合面20の幅を狭くすることとができ、第1排気カムキャップ18がコンパクトになっている。さらに、スプールバルブ35が第1ジャーナル軸受壁15に沿って配置されたことにより、スプールバルブ35取付用のバルブ取付孔24を画成する部位の肉厚を大きくする必要がなく、これによってもエンジン1の大型化が防止される。
上記したように、VTCアクチュエータ30はスプールバルブ35からの油圧のみにより作動するため、油路40の途中でオイル漏れにより油圧が不足すると応答性が悪くなってしまう。また、本実形態では特に、エンジン1が3気筒DOHCエンジンであるため、エンジン1の振動が大きく、両カムシャフト9、10が撓みやすい。そのため、大きな重量のVTCアクチュエータ30が排気カムシャフト10の端部に設けられると、VTCアクチュエータ30寄りの第1ジャーナル軸受壁15での振動が大きく、排気カムシャフト10を保持する第1排気カムキャップ18の剛性を特に高める必要があった。そこで、本実施形態では、第1油路部47が形成される外側のボルト挿通孔52oを、第1油路部47が接続する遅角用環状溝部46と相反する側にオフセットした位置に配置したことで、排気カムシャフト10の近傍に配置することを可能にしている。これにより、第1排気カムキャップ18の取付剛性が高まり、第1油路部47が形成された接合面20からのオイル漏れが効果的に防止される。また、外側のボルト挿通孔52oのカム軸方向へのオフセットによって空いた領域を利用して第1油路部47を斜めに配置できるため、第1油路部47を形成するために接合面20がカム軸方向に大きくなることが抑制される。
一方、外側のボルト挿通孔52oがカム軸方向にオフセットして配置されたことにより、第1油路部47の油圧によって第1排気カムキャップ18が第1油路部47と相反する側に傾き易くなり、接合面20でのオイル漏れが生じやすくなるが、第1カムホルダ16がホルダ側突出部26を有し、第1排気カムキャップ18がホルダ側突出部26に接合するキャップ側突出部57を有することにより、油圧による第1排気カムキャップ18の傾きが防止され、第1排気カムキャップ18と第1カムホルダ16との隙間からのオイル漏れが抑制される。
また、第1排気カムキャップ18の外側の締結ボス部53oには、第1油路部47を画成するために突出板部54が突出形成されており、突出板部54の高さを外側の締結ボス部53oの高さよりも小さな最低限の高さにすることで、不必要な重量増大を回避している一方、突出板部54には第1油路部47の油圧が加わるため、第1排気カムキャップ18と第1カムホルダ16との接合面20が開いてオイル漏れを生じやすい。そこで、本実施形態では、突出板部54にリブ55を設けて外側の締結ボス部53oに接続したことで、このような弊害を防止しつつ、第1排気カムキャップ18の小型化・軽量化を図っている。さらに、第2油路部48からの油圧が直接作用する第1油路部47の他端47bに対応する位置にリブ55を設けたことにより、確実なオイル漏れの防止が図られる。
そして、VTCアクチュエータ30が排気カムシャフト10に設けられ、第1油路部47を遅角用油路44側に設けたことにより、進角用油路43は、接合面20に形成された第1油路部47を通過せずに第1カムホルダ16に形成された第3油路部50を通って進角用環状溝部49に至るため、進角用油路43には接合面20からのオイル漏れが生じることがなく、エンジン1が停止している間あるいはエンジン始動時に排気カムシャフト10を迅速且つ確実に進角方向に戻すことができるため、次回のエンジン始動時の着火性および始動性が担保される。
近年、燃費向上およびCO2削減の要求により、エンジン1の一層の小型化・軽量化が求められており、エンジン1全体のコンパクト化や重量軽減に影響しない程度の構成により、剛性向上およびVTCアクチュエータ30の応答性維持、ひいては走行性の向上を図ることが望ましいが、本実施形態によれば、第1ジャーナル軸受壁15の改良によりこれを達成することができる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態では、本発明を4バルブ型の直列3気筒ガソリンエンジンに適用したが、その他の内燃機関に適用することも可能である。また、上記実施形態では、カムホルダ16がシリンダヘッド6と一体に形成されているが、カムホルダ16をシリンダヘッド6と別体で構成する形態とすることもできる。この他、各装置や部材の具体的構成や配置、数量など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。一方、上記実施形態に示した本発明に係るエンジン1の各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、少なくとも本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
1 エンジン(カム位相可変型内燃機関)
10 排気カムシャフト
15 ジャーナル軸受壁
15X 中心線
16 カムホルダ
17、18 カムキャップ
19 ボルト
20 接合面
21 オイルポンプ(油圧供給源)
25 ボルト孔
26 ホルダ側突出部
30 VTCアクチュエータ(カム位相可変装置)
33 進角用油圧室
34 遅角用油圧室
35 スプールバルブ(油圧制御弁)
40 油路
41 上流側油路
43 進角用油路
44 遅角用油路
46 遅角用環状溝部
47 第1油路部
47a 第1油路部の一端
47b 第1油路部の他端
48 第2油路部
49 進角用環状溝部
50 第3油路部
52 ボルト挿通孔
53 締結ボス部
54 突出板部
55 リブ
57 キャップ側突出部

Claims (3)

  1. カムホルダおよび該カムホルダにボルトによって締結されるカムキャップからなるジャーナル軸受壁により回転自在に支持されたカムシャフトと、
    前記カムシャフトの端部に設けられ、進角用油圧室および遅角用油圧室に作動油が供給されることによってカム位相を変化させるカム位相可変装置と、
    油圧供給源と前記カム位相可変装置とを連通する油路に設けられ、前記進角用油圧室および前記遅角用油圧室に対する前記作動油の供給を制御する油圧制御弁とを有し、
    前記油路が、前記油圧供給源と前記油圧制御弁とを連通する上流側油路と、前記油圧制御弁と前記進角用油圧室とを連通する進角用油路と、前記油圧制御弁と前記遅角用油圧室とを連通する遅角用油路とを有するカム位相可変型内燃機関であって、
    前記進角用油路が、前記カムシャフトを介して前記作動油を前記進角用油圧室へ供給すべく、前記ジャーナル軸受壁の軸受面に環状に形成された進角用環状溝部を有し、
    前記遅角用油路が、前記カムシャフトを介して前記作動油を前記遅角用油圧室へ供給すべく、前記進角用環状溝部とカム軸方向にオフセットした位置にて前記ジャーナル軸受壁の軸受面に環状に形成された遅角用環状溝部を有し、
    前記油圧制御弁が、前記進角用環状溝部および前記遅角用環状溝部が形成されたジャーナル軸受壁に配置され、
    前記進角用油路および前記遅角用油路の一方が、前記カムキャップと前記カムホルダとの接合面に形成されて一端が前記進角用環状溝部または前記遅角用環状溝部に接続された第1油路部と、前記カムホルダに形成されて一端が前記油圧制御弁に接続され、他端が前記第1油路部に開口する第2油路部とを有し、
    前記進角用油路および前記遅角用油路の他方が、前記カムホルダに形成されて一端が前記油圧制御弁に接続され、他端が前記進角用環状溝部または前記遅角用環状溝部に開口する第3油路部を有し、
    前記第2油路部の開口と前記第3油路部の開口とがカム軸方向に直交する同一平面上に配置され
    前記カムキャップは、前記カムシャフトを挟む位置にて前記ボルトをそれぞれ挿通させる一対のボルト挿通孔を有し、
    前記カムホルダは、前記一対のボルト挿通孔に対応する位置にて前記ボルトをそれぞれ螺着させる一対のボルト孔を有し、
    前記カムホルダとの接合面に前記第1油路部が形成される一方側のボルト挿通孔およびボルト孔が、カム軸方向について、前記進角用環状溝部と前記遅角用環状溝部との中心に対して前記第1油路部が接続する側の前記進角用環状溝部または前記遅角用環状溝部と相反する側にオフセットした位置に配置され、
    前記第2油路部の前記開口が、カム軸方向と直交する方向について、前記一方側のボルト挿通孔およびボルト孔に対して前記カムシャフトと相反する側に位置し、
    前記第3油路部の開口が、前記進角用環状溝部または前記遅角用環状溝部における前記一方側のボルト挿通孔およびボルト孔の側に偏倚して設けられ、
    前記カムキャップが、前記カムシャフトを挟む位置にて前記ボルトにより締結される一対の締結ボス部と、前記カムホルダとの接合面に前記第1油路部が形成される一方側の締結ボス部から前記接合面に沿って突出し、前記第1油路部を画成する突出板部と、前記突出板部の前記接合面と相反する面に、前記第2油路の開口に対応し且つ前記第1油路部に交差する方向に延在するように突出形成され、前記一方側の締結ボス部に接続されたリブとを有することを特徴とするカム位相可変型内燃機関。
  2. 前記カムホルダは、前記一方側のボルト孔を画成する壁部に対して前記第1油路部と相反する側に突出するホルダ側突出部を更に有し、
    前記カムキャップが、前記一方側のボルト挿通孔を画成する締結ボス部に対して前記第1油路部と相反する側に突出するとともに、前記ホルダ側突出部に接合するキャップ側突出部を有することを特徴とする、請求項に記載のカム位相可変型内燃機関。
  3. 前記カム位相可変装置は排気側の前記カムシャフトに設けられ、
    前記遅角用油路が前記第1油路部を有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のカム位相可変型内燃機関。
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