JP2010121490A - ディーゼルエンジンの燃焼制御装置 - Google Patents

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Fumitaka Komatsu
文隆 小松
Yoshiki Tanabe
圭樹 田邊
Keiichi Akao
圭一 赤尾
Shinji Nakayama
真治 中山
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Abstract

【課題】エンジンの燃焼モードの切り替え等にも適切に対応した燃焼制御を行うことで、スモークの排出を抑制し、排ガス性能を向上させることのできるディーゼルエンジンの燃焼制御装置を提供すること。
【解決手段】通常燃焼モードから予混合燃焼モードへと移行する期間T4においては、フィードバック制御にフィードフォワード制御を加えて燃料噴射時期を制御することで、実MFB角度を目標MFB角度に進角側から近づける。
【選択図】図4

Description

本発明は、ディーゼルエンジンの燃焼制御装置に係り、詳しくは燃焼割合に基づき燃焼を制御する技術に関する。
近年、エンジンの燃焼室に筒内圧センサを設けて筒内圧を検出し、その筒内圧から算出される燃焼状態に基づいて、エンジンの運転状態を制御する方法が知られている。
例えば、筒内圧センサにより検出される筒内圧に基づき、クランク角度に応じた筒内の熱発生率を求め、当該熱発生率の積算から燃焼割合(MFB:Mass Fraction of Burnt Fuel)を算出して、所定の燃焼割合となる所定のクランク角度に点火時期を設定するエンジン(内燃機関)の制御装置がある(特許文献1参照)。
そして、当該特許文献1では、エンジンの過渡運転時において、負荷及びエンジン回転数、筒内圧、筒内温度から最適な点火時期を予測している。
特開2006−144642号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術は、点火プラグによる点火により自由に燃焼開始時期を制御可能なガソリンエンジンに関するものであり、点火プラグ等を有さないディーゼルエンジンでは、このような燃焼制御は困難である。
また、上記特許文献1では、過渡運転時においてはフィードバック制御から、エンジンの運転状態に基づく点火時期予測に切り替えているが、このようにフィードバック制御を停止させると、定常運転と過渡運転との切替時に燃焼に変動が生じるおそれがある。ディーゼルエンジンにおいてこのような燃焼の変動が生じればスモークやNOxが発生し排ガス性能が悪化するという問題が生じる。
一方、フィードバック制御のみとすると、運転状態が切り替わった直後、即ち運転状態の切り替わり後の最初の燃焼制御は切り替わり前の状態に基づく制御となる。つまり、運転状態の切り替わりに対して遅れた制御となり、これによってもスモーク等が発生するおそれがある。
ここで、当該フィードバック制御に、エンジンの運転状態等から噴射時期を算出するフィードフォワード制御を行うことも考えられる。
しかし、この場合、例えば比較的進角側で燃料噴射を行い且つ多量のEGRガスを吸気に導入する予混合燃焼モード、及び通常のディーゼル燃焼モード(通常燃焼モード)の2つの運転モードを有するようなディーゼルエンジンであると、当該予混合燃焼モードから通常燃焼モードに移行する際には却ってスモークが発生するという問題がある。
これは、予混合燃焼モードから通常燃焼モードへと移行するとEGRガスの量が減少し吸気のO濃度が高くなるが、実際の吸気条件の変化よりもフィードフォワード制御による燃料噴射時期制御が先行してしまい、燃料噴射時期が遅角側となり過ぎてスモークが発生してしまうというものである。そして、一度スモークが発生すると改善するのに時間がかかり、排ガス性能が悪化するという問題がある。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、エンジンの燃焼モードの切り替え等にも適切に対応した燃焼制御を行うことで、スモークの排出を抑制し、排ガス性能を向上させることのできるディーゼルエンジンの燃焼制御装置を提供することにある。
上記した目的を達成するために、請求項1のディーゼルエンジンの燃焼制御装置では、ディーゼルエンジンの筒内圧力を検出する筒内圧検出手段と、前記筒内圧検出手段により検出される筒内圧に基づき燃焼割合を算出する燃焼割合算出手段と、前記燃焼割合算出手段により算出される所定の燃焼割合が所定のクランク角度となるよう燃料噴射時期を調整する燃焼制御手段とを備え、前記燃焼制御手段は、前記所定のクランク角度が、実際の燃焼における前記所定の燃焼割合に対するクランク角度よりも進角側であるとき、前記所定の燃焼割合に対するクランク角度を前記所定のクランク角度よりも進角側となる燃料噴射時期とした後、前記所定の燃焼割合が所定のクランク角度となるよう燃料噴射時期を調整することをとしている。
請求項2のディーゼルエンジンの燃焼制御装置では、請求項1において、前記燃焼割合算出手段により算出される燃焼割合を記憶する燃焼履歴記憶手段と、前記燃焼履歴記憶手段に基づき、所定の燃焼割合が所定のクランク角度となる燃料噴射時期を算出するフィードバック制御手段と、前記エンジンの運転状態に基づき、前記所定の燃焼割合が所定のクランク角度となる燃料噴射時期を算出するフィードフォワード制御手段とを備え、前記エンジンは、運転状態として、燃料噴射中に燃焼させる通常燃焼モード及び該通常燃焼モードよりも進角側で燃料噴射を行い予め燃料と空気を混合した後に燃焼させる予混合燃焼モードを有しており、前記燃焼制御手段は、前記通常燃焼モードから前記予混合燃焼モードへ移行するとき、前記フィードバック制御手段による燃料噴射時期制御に前記フィードフォワード制御手段による燃料噴射時期制御を加えることで、前記所定の燃焼割合に対するクランク角度が前記所定のクランク角度よりも進角側となる燃料噴射時期とすることを特徴としている。
請求項3のディーゼルエンジンの燃焼制御装置では、請求項2において、前記フィードバック制御手段は、比例項、積分項、微分項を有するPID制御であり、前記燃焼制御手段は、前記通常燃焼モードから前記予混合燃焼モードへ移行するとき、前記PID制御の前記積分項に前記フィードフォワード制御により算出される燃料噴射時期を加えることで、前記所定の燃焼割合に対するクランク角度が前記所定のクランク角度よりも進角側となる燃料噴射時期とすることを特徴としている。
請求項4のディーゼルエンジンの燃焼制御装置では、請求項2または3において、前記燃焼制御手段は、前記予混合燃焼モードから前記通常燃焼モードへ移行するとき、前記フィードバック制御手段により燃料噴射時期を制御することを特徴としている。
上記手段を用いる本発明の請求項1のディーゼルエンジンの燃焼制御装置によれば、筒内圧に基づき燃焼割合を算出し、所定の燃焼割合が所定のクランク角度(以下、目標MFB角度という)となるよう燃料噴射時期を調整する燃焼制御手段において、目標MFB角度が実際の燃焼における所定の燃焼割合に対するクランク角度(以下、実MFB角度という)よりも進角側であるとき、一旦実MFB角度が目標MFB角度よりも進角側となる燃料噴射時期とした後、目標MFB角度を満たす燃料噴射時期に調整する。
このように、燃料噴射時期を進角側から調整することで、燃料噴射時期が遅角しすぎることによるスモークの発生を防止することができる。
これにより、エンジンの燃焼モードの切り替え時等にも適切に対応した燃焼制御を行うことができ、スモークの排出を抑制により排ガス性能を向上させることができる。
請求項2に係るディーゼルエンジンの燃焼制御装置によれば、通常燃焼モードから、比較的進角側で燃料噴射を行う予混合燃焼モードに移行するとき、即ち目標MFB角度が実MFB角度となるとき、フィードバック制御にフィードフォワード制御を加えることで実MFB角度が目標MFB角度よりも進角側となる燃料噴射時期とする。
このように、通常モードから予混合燃焼モードに移行するときに、フィードバック制御にフィードフォワード制御を加えて進角側から燃料噴射時期を制御することで、燃焼モード切替時にスモークの発生を防止しつつ、円滑な燃焼制御を行うことができる。
請求項3に係るディーゼルエンジンの燃焼制御装置によれば、通常燃焼モードから予混合燃焼モードへ移行するとき、PID制御の積分項にフィードフォワード制御により算出される燃料噴射時期を加えることで、実MFB角度が目標MFB角度よりも進角側となる燃料噴射時期とする。
このように、フィードフォワード制御により算出される燃料噴射時期をPID制御の積分項に入れ込むことで、通常燃焼モードから予混合燃焼モードへ移行するとき、進角側への誤差を抑えつつ実MFB角度を目標MFB角度よりも進角側とすることができる上、当該移行状態から脱するときの誤差も防止することができる。
請求項4に係るディーゼルエンジンの燃焼制御装置によれば、予混合燃焼モードから通常燃焼モードへの移行するときには、フィードバック制御のみで燃料噴射時期を制御する。
つまり、予混合燃料モードから通常燃焼モードへ移行するときのように目標MFB角度が実MFB角度よりも遅角側となる場合には、フィードフォワード制御は行わずフィードバック制御のみとすることで、燃料噴射時期が遅角しすぎることを防止することができる。
これにより予混合燃焼モードから通常燃焼モードへの移行時においてもスモークの発生を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1を参照すると本発明に係るディーゼルエンジンの燃焼制御装置の概略構成図が示されており、図2には本発明に係るディーゼルエンジンの燃焼制御装置の制御ブロック図が示されている。以下、同図に基づき説明する。
図1に示すエンジン1は、図示しないコモンレールに蓄圧された高圧燃料を各気筒2内に直接噴射する4気筒コモンレール式ディーゼルエンジンである。なお、図1には4気筒のうちの1つの気筒の断面が示されている。
エンジン1は、複数の気筒2が形成されたシリンダブロック4の上部に、シリンダヘッド6が載置されて構成されている。
各気筒2には上下摺動可能にピストン8が設けられおり、当該ピストン8の頂面と気筒2の内壁、及びシリンダヘッド6下面に囲まれて燃焼室10が形成されている。
シリンダヘッド6には、燃焼室10内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁12、及び当該燃焼室10内の圧力、即ち筒内圧を検出する筒内圧センサ14(筒内圧検出手段)が、それぞれ燃焼室10内に臨むように設けられている。
また、シリンダヘッド6には、燃焼室10と連通しエンジン1の幅方向一側に延びた吸気ポート16及び燃焼室10と連通しエンジン1の幅方向他側に延びた排気ポート18が形成されている。さらに、当該シリンダヘッド6には、吸気ポート16及び排気ポート18に対応して、当該各ポート16、18と燃焼室10との連通及び遮断を行う吸気バルブ20及び排気バルブ22がそれぞれ設けられている。なお、当該吸気ポート16及び排気ポート18は1気筒につきそれぞれ2箇所設けられており、それに対応して吸気バルブ20及び排気バルブ22はそれぞれ2本設けられている。
そして、エンジン1の幅方向一側には、吸気ポート16と連通する吸気管24が接続されている。
当該吸気管24には、吸気上流側に図示しないエアクリーナが設けられており、その吸気下流側にはエンジン1に吸気量を検出するエアフローセンサ26が設けられている。また、当該吸気管24には、エアフローセンサ26より吸気下流側に、吸気を加圧するターボチャージャ28のコンプレッサ28a、加圧された吸気を冷却するインタークーラ30、吸気量を調整するスロットルバルブ32が順に設けられている。
一方、エンジン1の幅方向他側には排気ポート18と連通する排気管34が接続されている。
当該排気管34には、上記ターボチャージャ28のコンプレッサ28aと回転軸が連結され排気流により回転するタービン28bが設けられている。
また、当該排気管34の排気上流側部分と、吸気管24の吸気下流側部分とは、EGR通路36を介して連通されており、排気を吸気系に還流可能に構成されている。当該EGR通路36には、EGRガスを冷却するEGRクーラ38及び吸気系へ還流させるEGRガス量を調整するEGRバルブ40が設けられている。
また、当該エンジン1を搭載した車両には、エンジン1の運転制御等をはじめとして総合的な制御を行うための制御装置としてECU42が設けられている。当該ECU42は、CPU、メモリ、タイマカウンタなどから構成され、様々な制御量の演算を行うとともに、その制御量に基づき各種デバイスの制御を行っている。
例えば、ECU42の入力側には、上記筒内圧センサ14、エアフローセンサ26、エンジン1のクランク角を検出するクランク角センサ44等の各種センサ類が接続されており、これらの検出値からエンジン1に作用する負荷やエンジン回転速度、吸気のO濃度等が算出可能である。また、ECU42の出力側には各気筒の燃料噴射弁12、スロットルバルブ32、EGRバルブ40などの各種デバイス類が接続されている。
そして、ECU42は、上記各種センサ類から取得される情報に基づき、エンジン1の運転状態の切替制御や各気筒における燃焼制御を行う。
具体的にはECU42によるエンジン1の運転状態の切替制御では、ECU42はエンジン1に作用する負荷及びエンジン回転速度に応じて、予め設定された運転モードの切り替えを行う。
例えば、運転状態が低負荷低回転速度領域にある場合には、比較的進角側に燃料噴射時期を設定し、予め空気と燃料とを混合した後に自発着火による燃焼を生起させる予混合燃焼モードとする。なお、当該予混合燃焼モードでは、高温となる予混合燃焼に対しEGRガスの還流量を増加させることで燃焼温度の低温化を図り、NOxの発生を抑制させる。
一方、上記予混合燃焼モードが成立する低負荷低回転数領域外の運転状態である場合には、比較的遅角側に燃料噴射時期を設定し、燃料噴射中に燃焼を生起させる一般的なディーゼル燃焼を行う通常燃焼モードとする。
また、ECU42による燃焼制御では、筒内圧センサ14により検出される筒内圧情報から熱発生率を算出して、さらに当該熱発生率を積算した熱発生量を算出する。さらに、当該熱発生量から燃焼割合(以下、MFBともいう)を算出し、所定の燃焼割合が所定のクランク角(以下、MFB角度ともいう)となるように燃料噴射時期を制御するものである。
詳しくは、エンジン1の燃焼サイクルでは、下記式(1)に示すポリトロープ式から、筒内圧Pと、筒内容積Vをポリトロープ指数nで累乗した値との積が一定となる。さらに、エンジン1の燃焼サイクルを断熱変化とみなすと、ポリトロープ指数nは筒内の比熱比κに置き換えられる。
PV=PVκ=一定・・・(1)
そして、燃焼室10内で発生する熱発生量Qの単位クランク角当たりの発生熱量である熱発生率dQ/dθは、下記式(2)に示すように、筒内圧P、筒内容積V、比熱比κ、から算出される。
Figure 2010121490
つまり、当該熱発生率dQ/dθを積算(積分)することで、熱発生量が算出される。
そして、燃焼終了時の熱発生量、即ち熱発生量の最大値を100%として、クランク角に応じた熱発生量の割合が燃焼割合として求められる。
ECU42は、これら熱発生量や燃焼割合等の情報を熱発生履歴(燃焼履歴)として記憶し(燃焼履歴記憶手段)、次回の燃焼において目標とする所定の燃焼割合(例えばMFB50%)が所定のクランク角(例えばATDC10°)となるように、燃料噴射時期を進角または遅角させるフィードバック制御を行う。以下、この目標とする所定の燃焼割合に対応する所定のクランク角度のことを目標MFB角度ともいう。
なお、上記式(1)や式(2)で用いる比熱比κは、燃焼に伴う気体の変化により値が変動するものであるが演算の簡略化等のため、燃焼に伴う値の変動については一定値として取り扱うこととしている。
また、ECU42は、上記通常燃焼モードから予混合燃焼モードへ移行する際には、熱発生履歴に基づく上記フィードバック制御に加えて、エンジン1の運転状態から目標とする所定の燃焼割合が所定のクランク角となる燃料噴射時期を算出するフィードフォワード制御を行う。
以下、当該ECU42において実行される燃焼制御についてより詳しく説明する。
まず、図2に示すように、当該燃焼制御についてECU42内に、PID制御部50(フィードバック制御手段)、着火遅れ算出部52(フィードフォワード制御手段)、燃料噴射時期算出部54(フィードフォワード制御手段)、フィードフォワード制御判定部56(燃焼制御手段)が形成されている。
PID制御部50は、目標MFB角度と、熱発生履歴から求められる前回生起された燃焼において目標とする所定の燃焼割合に対応したクランク角度(以下、実MFB角度という)との差から、比例動作、積分動作、微分動作からなるPID制御により指示噴射時期を出力する機能を備えている。
着火遅れ算出部52は、エンジン回転速度及び吸気のO濃度に応じた着火遅れ期間を算出する着火遅れ算出マップを有している。なお、エンジン回転速度は上記クランク角センサ44から、O濃度は上記エアフローセンサ26及びEGRバルブ40の開度に応じたEGR還流量等の情報からそれぞれ演算によって求められる。そして、当該着火遅れ算出マップはO濃度が高くなるほど、またはエンジン回転速度が大きいほど、着火遅れ期間が短く出力されるものである。
燃料噴射時期算出部54は、燃料の噴射期間から着火遅れ期間を差し引いた燃料混合期間と、目標MFB角度からフィードフォワード制御における燃料噴射時期を算出する燃料噴射時期算出マップを有している。当該燃料噴射時期算出マップは、燃料噴射開始時期から着火時期までの燃料の混合期間に応じて、目標MFBとなる燃料噴射時期を算出するものであり、混合期間が短いほど、目標MFB角度が遅角側であるほど、遅角側の燃料噴射時期が出力されるものである。
フィードフォワード制御判定部56は、燃料噴射時期算出部54で算出された燃料噴射時期と、伝達関数を介して算出される前回の指示噴射時期との差から燃料噴射時期のフィードフォワード成分(FF成分という)を求める機能を有している。
また、フィードフォワード制御判定部56は、FF成分の出力値を切り替える切替部56aを有している。
当該切替部56aは、ECU42における運転状態の切替制御からエンジンの運転状態を読み込み、定常運転または予混合燃焼モードから通常燃焼モードへの移行時であるときはスイッチ1に、通常燃焼モードから予混合燃焼モードへの移行時である場合にはスイッチ2に切り替わる機能を有している。
そして、当該切替部56aは、スイッチ1のときには燃料噴射時期算出部54で算出された燃料噴射時期と前回の指示噴射時期との差をFF成分として上記PID制御部50の積分項に加算するよう出力し、スイッチ2のときにはFF成分を0として出力する。
つまり、PID制御部50は、通常燃焼モードから予混合燃焼モードへの移行時には、フィードフォワード制御により算出されたFF成分を積分項に加えて指示噴射時期を算出することとなる。
以下、本発明に係るディーゼルエンジンの燃焼制御装置による燃焼制御の流れについて説明する。
図3には本発明に係るディーゼルエンジンの燃焼制御装置による燃焼制御ルーチンがフローチャートにより示されており、上記図2を参照しつつ当該フローチャートに沿って説明する。
図3のステップS1に示すように、ECU42は、熱発生履歴から前回の燃焼における実MFB角度を読み込む。
ステップS2では、目標MFB角度を算出する。
ステップS3では、ECU42の着火遅れ算出部52において、着火遅れ算出マップよりエンジン回転速度及びO濃度から着火遅れ期間を算出する。
続くステップS4では、ECU42の燃料噴射時期算出部54において、燃料噴射時期算出マップより、着火遅れ期間と燃料噴射期間との差から算出される燃料の混合期間、及び目標MFB角度から、フィードフォワード制御における燃料噴射時期を算出する。
そして、ステップS5では、ECU42のフィードフォワード制御判定部56において、通常燃料モードから予混合燃焼モードへの移行時であるか否かを判別する。当該判別結果が真(Yes)である場合には、ステップS6に進む。
ステップS6では、フィードフォワード制御判定部56において切替部56aのスイッチ1となり、上記ステップS4で算出したフィードフォワード制御における燃料噴射時期から前回の指示噴射時期を差し引いた値をFF成分として上記PID制御部50の積分項に出力し、ステップS8に進む。
一方、上記ステップS5の判別結果が偽(No)である場合、即ちエンジンの運転状態が定常運転、または予混合燃料モードから通常燃焼モードへの移行時である場合は、ステップS7に進む。
ステップS7では、切替部56aがスイッチ2となり、値0のFF成分を上記PID制御部50の積分項に出力し、ステップS8に進む。
ステップS8では、上記ステップS1、S2で読み出した実MFB角度及び目標MFB角度の差からPID制御により指示噴射時期を算出し、当該ルーチンを抜ける。このとき上記ステップS6の判別結果が真(Yes)であった場合には、当該PID制御は積分項に上記ステップS6で算出したFF成分が付加された上で指示噴射時期が演算される。
ここで、図4には当該燃焼制御を行った場合の各種運転状態の変化を示したタイムチャートが示されており、当該タイムチャートに基づき上記燃焼制御を行ったときの作用効果について説明する。
図4に示すように、期間T1、T5の予混合燃焼モードの定常運転時及び期間T3の通常燃焼モードの定常運転時にはフィードバック制御により、実MFB角度と目標MFB角度とはほぼ等しく運転される。
負荷が増加し、予混合燃焼モードから通常燃焼モードへと移行する期間T2においても、フィードバック制御のみで燃料噴射時期が制御される。
詳しくは、予混合燃焼モードから通常燃焼モードへと移行するときには、EGRバルブ40が閉弁し、EGRガスの還流量が減少する。これにより、O濃度が増加し、熱発生率が高くなり実MFB角度は目標MFB角度より進角側に移動する。これに対して燃料噴射時期は、進化側に移動した実MFB角度を目標MFB角度側である遅角側に移動させるためフィードバック制御により燃料噴射時期が徐々に遅角側へと移動される。
なお、当該T2期間において破線で示すように、ここでフィードバック制御にフィードフォワード制御を加えた場合には、EGRバルブ40が閉弁されることで演算によって求められるO濃度が上昇し、フィードフォワード制御における燃料噴射時期は実際の吸気条件よりも先行して瞬時に遅角側の値となる。これにより、実MFB角度も遅角し、スモーク発生ラインより遅角側となるためスモークが発生する。
このように、予混合燃料モードから通常燃焼モードへ移行するとき、即ち目標MFB角度が実MFB角度よりも遅角側となる場合には、フィードフォワード制御は行わずフィードバック制御のみとすることで、燃料噴射時期が遅角しすぎることを防止することができる。
一方、負荷が減少し、通常燃焼モードから予混合燃焼モードへと移行する期間T4においては、フィードバック制御にフィードフォワード制御を加えて燃料噴射時期が制御される。
詳しくは、通常燃焼モードから予混合燃焼モードへと移行する際には、EGRバルブ40が開弁し、EGRガスの還流量が増加することでO濃度が減少し、実MFB角度が目標MFB角度よりも遅角側となる。これに対し、フィードフォワード制御において、EGRバルブ40が開弁されることで演算によって求められるO濃度が上昇し、フィードフォワード制御における燃料噴射時期が実際の吸気条件よりも先行して瞬時に進角側の値となる。そして、当該フィードフォワード制御における燃料噴射時期がPID制御の積分項に付加されることで、指示噴射時期も進角側に設定される。
これにより、実MFB角度は目標MFB角度よりも進角側となった後、目標MFB角度に近づくこととなる。
ここで、フィードフォワード制御により算出される燃料噴射時期をPID制御の積分項に入れ込んでいることで、通常燃焼モードから予混合燃焼モードへ移行するとき、誤差を抑えつつ実MFB角度を目標MFB角度よりも進角側とすることができる上、当該移行状態から脱してフィードバック制御のみの燃料噴射制御となるときの誤差も防止することができる。
なお、ここでフィードバック制御のみとした場合には、燃料噴射時期は徐々に進角側へと移動することとなるが、その間に実MFB角度はスモーク発生ラインよりも遅角側となり、スモークが発生する。
このように、通常モードから予混合燃焼モードに移行するときに、フィードバック制御にフィードフォワード制御を加えて進角側から燃料噴射時期を制御することで、燃焼モード切替時にスモークの発生を防止しつつ、円滑な燃焼制御を行うことができる。
以上のことから、本発明に係るディーゼルエンジンの燃焼制御装置では、通常燃焼モードから予混合燃焼モードへ移行するときのように、今回の目標MFB角度が前回のMFB角度よりも進角側であるとき、一旦実MFB角度が目標MFB角度よりも進角側となる燃料噴射時期とした後、目標MFB角度を満たす燃料噴射時期に調整することで、燃料噴射時期が遅角しすぎることによるスモークの発生を防止することができる。
これにより、エンジンの燃焼モードの切り替え時等にも適切に対応した燃焼制御を行うことができ、スモークの排出を抑制により排ガス性能を向上させることができる。
以上で本発明に係るディーゼルエンジンの燃焼制御装置の実施形態についての説明を終えるが、実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、上記実施形態では、エンジン1は4気筒コモンレール式ディーゼルエンジンだが、当該構成のエンジンに限るものではなく、他の構成のディーゼルエンジンであっても構わない。
また、上記実施形態では、FF成分をPID制御の積分項に付加しているが、フィードバック制御にフィードフォワード制御を加える手法はこれに限るものではない。例えば、単純にフィードバック制御により算出した燃料噴射時期とフィードフォワード制御により算出した燃料噴射時期とを加えて指示噴射時期を算出しても構わない。
本発明に係るディーゼルエンジンの燃焼制御装置の概略構成図である。 本発明に係るディーゼルエンジンの燃焼制御装置の制御ブロック図である。 本発明に係るディーゼルエンジンの燃焼制御装置による燃焼制御ルーチンを示すフローチャートである。 本発明に係るディーゼルエンジンの燃焼制御装置による燃焼制御を行った場合の各種運転状態の変化を示したタイムチャートである。
符号の説明
1 エンジン
2 気筒
12 燃料噴射弁
14 筒内圧センサ(筒内圧検出手段)
36 EGR通路
42 ECU
44 クランク角センサ
50 PID制御部(フィードバック制御手段)
52 着火遅れ算出部(フィードフォワード制御手段)
54 燃料噴射時期算出部(フィードフォワード制御手段)
56 フィードフォワード制御判定部(燃焼制御手段)
56a 切替部

Claims (4)

  1. ディーゼルエンジンの筒内圧力を検出する筒内圧検出手段と、
    前記筒内圧検出手段により検出される筒内圧に基づき燃焼割合を算出する燃焼割合算出手段と、
    前記燃焼割合算出手段により算出される所定の燃焼割合が所定のクランク角度となるよう燃料噴射時期を調整する燃焼制御手段とを備え、
    前記燃焼制御手段は、前記所定のクランク角度が、実際の燃焼における前記所定の燃焼割合に対するクランク角度よりも進角側であるとき、前記所定の燃焼割合に対するクランク角度を前記所定のクランク角度よりも進角側となる燃料噴射時期とした後、前記所定の燃焼割合が所定のクランク角度となるよう燃料噴射時期を調整することを特徴とするディーゼルエンジンの燃焼制御装置。
  2. 前記燃焼割合算出手段により算出される燃焼割合を記憶する燃焼履歴記憶手段と、
    前記燃焼履歴記憶手段に基づき、所定の燃焼割合が所定のクランク角度となる燃料噴射時期を算出するフィードバック制御手段と、
    前記エンジンの運転状態に基づき、前記所定の燃焼割合が所定のクランク角度となる燃料噴射時期を算出するフィードフォワード制御手段とを備え、
    前記エンジンは、運転状態として、燃料噴射中に燃焼させる通常燃焼モード及び該通常燃焼モードよりも進角側で燃料噴射を行い予め燃料と空気を混合した後に燃焼させる予混合燃焼モードを有しており、
    前記燃焼制御手段は、前記通常燃焼モードから前記予混合燃焼モードへ移行するとき、前記フィードバック制御手段による燃料噴射時期制御に前記フィードフォワード制御手段による燃料噴射時期制御を加えることで、前記所定の燃焼割合に対するクランク角度が前記所定のクランク角度よりも進角側となる燃料噴射時期とすることを特徴とする請求項1記載のディーゼルエンジンの燃焼制御装置。
  3. 前記フィードバック制御手段は、比例項、積分項、微分項を有するPID制御であり、
    前記燃焼制御手段は、前記通常燃焼モードから前記予混合燃焼モードへ移行するとき、前記PID制御の前記積分項に前記フィードフォワード制御により算出される燃料噴射時期を加えることで、前記所定の燃焼割合に対するクランク角度が前記所定のクランク角度よりも進角側となる燃料噴射時期とすることを特徴とする請求項2記載のディーゼルエンジンの燃焼制御装置。
  4. 前記燃焼制御手段は、前記予混合燃焼モードから前記通常燃焼モードへ移行するとき、前記フィードバック制御手段により燃料噴射時期を制御することを特徴とする請求項2または3記載のディーゼルエンジンの燃焼制御装置。
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