JP2017115587A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】休止気筒の筒内環境を圧縮自着火燃焼可能な筒内環境に整える。【解決手段】内燃機関100の制御装置200が、気筒10内で予混合気を圧縮自着火燃焼させる自着火運転領域内において、機関運転状態に応じて少なくとも一部の気筒10を休止気筒とする休止運転を実施し、休止気筒で予混合気の圧縮自着火燃焼を再開させる際の復帰サイクルにおいて、休止気筒の吸気弁50が全行程で閉弁したままとなるように吸気動弁装置5を制御すると共に、排気弁60が少なくとも吸気行程で開弁し、直後の圧縮行程で閉弁するように排気動弁装置6を制御し、復帰サイクルの次サイクルにおいて、休止気筒の吸気弁50が吸気行程で開弁するように吸気動弁装置5を制御すると共に、排気弁60が排気行程で開弁するように排気動弁装置6を制御して、休止気筒で予混合気の圧縮自着火燃焼を再開させるように構成される。【選択図】図1

Description

本発明は内燃機関の制御装置に関する。
特許文献1に記載の従来の内燃機関の制御装置は、燃料カット運転中にスロットル弁を全閉にし、かつ、燃料カット運転中の各サイクルで排気弁が排気行程と吸気行程で開弁するように排気動弁装置を制御している。そして、燃料カット運転からの復帰条件が成立した後の復帰サイクルで、スロットル弁を開くと共に燃料噴射を開始して、気筒内の予混合気を自着火燃焼させている。
この従来の内燃機関の制御装置によれば、燃料カット運転中において、燃料供給が停止された休止気筒の排気弁を吸気行程で開弁することで、休止気筒に排気を吸い戻して燃料供給を停止する前に気筒内に存在していた高温の燃焼ガスを気筒内に留め、燃料カット運転中に筒内温度が低下するのを抑制できるとされている。そのため、燃料カット運転からの復帰条件が成立した後の復帰サイクルで、予混合気を安定的に自着火燃焼させることができるとされている。
特開2015−064940号公報
しかしながら、前述した従来の内燃機関の制御装置では、燃料カット運転や減筒運転などの少なくとも一部の気筒を休止気筒として当該休止気筒への燃料供給を停止する休止運転中において、休止気筒の筒内温度低下を抑制するには休止気筒に排気を吸い戻す必要があり、その際にポンプ損失が生じるため燃費が悪化する。したがって前述した従来の内燃機関の制御装置では、燃料供給が停止された休止気筒で予混合気の圧縮自着火燃焼を再開させるにあたって、休止運転中に休止気筒の排気弁を開弁して燃費の悪化を許容しなければ、休止気筒の筒内温度の低下を抑制できず、休止気筒の筒内環境を圧縮自着火燃焼可能な筒内環境に整えることができないという問題点がある。
本発明はこのような問題点に着目してなされたものであり、休止運転中における休止気筒の排気弁の開閉動作によらず、休止気筒の筒内環境を圧縮自着火燃焼可能な筒内環境に整えることができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様によれば、複数の気筒を備える機関本体と、気筒に設けられた吸気弁及び排気弁と、気筒の吸気弁を任意の時期に開閉可能に構成された吸気動弁装置と、気筒の排気弁を任意の時期に開閉可能に構成された排気動弁装置と、気筒内に燃料を噴射するための燃料噴射弁と、を備える内燃機関を制御する内燃機関の制御装置が、気筒内で予混合気を圧縮自着火燃焼させる自着火運転領域内において、機関運転状態に応じて少なくとも一部の気筒を休止気筒として当該休止気筒への燃料供給を停止する休止運転を実施し、休止気筒で予混合気の圧縮自着火燃焼を再開させる際の復帰サイクルにおいて、当該休止気筒の吸気弁が全行程で閉弁したままとなるように吸気動弁装置を制御すると共に、当該休止気筒の排気弁が少なくとも吸気行程で開弁し、直後の圧縮行程で閉弁するように排気動弁装置を制御し、復帰サイクルの次サイクルにおいて、休止気筒の吸気弁が少なくとも吸気行程で開弁するように吸気動弁装置を制御すると共に、当該休止気筒の排気弁が少なくとも排気行程で開弁するように排気動弁装置を制御して、当該休止気筒で予混合気の圧縮自着火燃焼を再開させるように構成されている。
本発明のこの態様によれば、休止気筒で予混合気の圧縮自着火燃焼を再開させる際の復帰サイクルの吸気行程中に、吸気と比較して高温の排気のみを休止気筒に吸い戻し、直後の圧縮行程でこの吸い戻した排気を圧縮して筒内温度を上昇させることができる。そのため、休止運転中における休止気筒の排気弁の開閉動作によらず、休止運転中に低下した休止気筒の筒内温度を復帰サイクルで上昇させて、休止気筒の筒内環境を次サイクルから圧縮自着火燃焼可能な環境に整えることができる。
図1は、本発明の第1実施形態による内燃機関及び内燃機関を制御する電子制御ユニットの概略構成図である。 図2は、各運転モードを実施する機関運転領域を示した図である。 図3は、SI運転モード中における各気筒の吸気弁開閉時期、排気弁開閉時期、燃料噴射時期及び点火時期の一例を示したタイムチャートである。 図4Aは、着火アシストを実施しない場合のCI全筒運転モード中における各気筒の吸気弁開閉時期、排気弁開閉時期及び燃料噴射時期の一例を示したタイムチャートである。 図4Bは、着火アシストを実施する場合のCI全筒運転モード中における各気筒の吸気弁開閉時期、排気弁開閉時期、燃料噴射時期及び着火アシスト時期の一例を示したタイムチャートである。 図5Aは、着火アシストを実施しない場合のCI減筒運転モード中における稼働気筒と休止気筒の吸気弁開閉時期、排気弁開閉時期及び燃料噴射時期の一例を示したタイムチャートである。 図5Bは、着火アシストを実施する場合のCI減筒運転モード中における稼働気筒と休止気筒の吸気弁開閉時期、排気弁開閉時期、燃料噴射時期及び着火アシスト時期の一例を示したタイムチャートである。 図6は、本発明の第1実施形態による全筒復帰制御の動作について説明するタイムチャートである。 図7は、各休止気筒に対して実施される本発明の第1実施形態による全筒復帰制御について説明するフローチャートである。 図8は、本発明の第2実施形態による全筒復帰制御の動作について説明するタイムチャートである。 図9は、各休止気筒に対して実施される本発明の第2実施形態による全筒復帰制御について説明するフローチャートである。 図10は、本発明の第2実施形態による復帰用燃料噴射処理について説明するフローチャートである。 図11は、本発明の第3実施形態による復帰用燃料噴射処理について説明するフローチャートである。 図12Aは、CI減筒運転モードの実施期間に基づいて、復帰用燃料の目標噴射量を算出するテーブルの一例である。 図12Bは、CI減筒運転モードの実施期間に基づいて、復帰用燃料の目標噴射量を算出するテーブルの一例である。 図13は、復帰用燃料の噴射量が上限値に制限された場合の本発明の第4実施形態による全筒復帰制御の動作について説明するタイムチャートである。 図14は、各休止気筒に対して実施される本発明の第4実施形態による全筒復帰制御について説明するフローチャートである。 図15は、本発明の第4実施形態による復帰用燃料噴射処理について説明するフローチャートである。 図16Aは、CI減筒運転モードの実施期間に基づいて、復帰用燃料の基本噴射量を算出するテーブルの一例である。 図16Bは、CI減筒運転モードの実施期間に基づいて、復帰用燃料の目標噴射量を算出するテーブルの一例である。 図17は、本発明の第5実施形態によるCI減筒運転モード中に各休止気筒に対して実施される排気動弁制御について説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による内燃機関100及び内燃機関100を制御する電子制御ユニット200の概略構成図である。
内燃機関100は、複数の気筒10を備える機関本体1と、燃料供給装置2と、吸気装置3と、排気装置4と、吸気動弁装置5と、排気動弁装置6と、を備える。
本実施形態による内燃機関100は、気筒10内で予混合気を火炎伝播燃焼させて機関本体1を運転させる火花点火運転と、圧縮自着火燃焼させて機関本体1を運転させる圧縮自着火運転と、を選択的に実施できるように構成される。また、圧縮自着火運転中に、少なくとも一部の気筒10を休止気筒として、当該休止気筒への燃料供給を停止する休止運転を実施することができるように構成される。なお本実施形態では、休止運転として、一部の気筒10を休止気筒とし、残りの気筒10を稼働気筒として当該稼働気筒で予混合気を圧縮自着火燃焼させる減筒運転を想定しているが、減筒運転以外にも、例えば全ての気筒10を休止気筒とする燃料カット運転を休止運転に含むようにしても良い。以下、内燃機関100の各構成部品の詳細について説明する。
機関本体1は、各気筒10に形成される燃焼室内で燃料を燃焼させて、例えば車両などを駆動するための動力を発生させる。機関本体1には、気筒毎に1つの点火プラグ11が、各気筒10の燃焼室に臨むように設けられる。また機関本体1には、気筒毎に一対の吸気弁50と一対の排気弁60とが設けられる。
なお図1に示すように、本実施形態による機関本体1は4つの気筒10を備えており、各気筒10を左から順に第1気筒、第2気筒、第3気筒、第4気筒と称すると、本実施形態では、全筒運転時には第1気筒、第3気筒、第4気筒、第2気筒の順で、各気筒10内で予混合気を火炎伝播燃焼又は圧縮自着火燃焼させて機関本体1を運転させている。一方で減筒運転時には、第2気筒及び第3気筒を休止気筒とし、第1気筒及び第4気筒を稼働気筒とし、第1気筒、第4気筒の順で、各稼働気筒内で予混合気を圧縮自着火燃焼させて機関本体1を運転させている。なお、第2気筒及び第3気筒を稼働気筒とし、第1気筒及び第4気筒を休止気筒としても良い。
燃料供給装置2は、電子制御式の燃料噴射弁20と、デリバリパイプ21と、サプライポンプ22と、燃料タンク23と、を備える。
燃料噴射弁20は、各気筒10の燃焼室に臨むように各気筒10に1つ設けられる。燃料噴射弁20の開弁時間(噴射量)及び開弁時期(噴射時期)は電子制御ユニット200からの制御信号によって変更され、燃料噴射弁20が開弁されると燃料噴射弁20から気筒10内に直接燃料が噴射される。
デリバリパイプ21は、圧送パイプ24を介して燃料タンク23に接続される。圧送パイプ24の途中には、燃料タンク23に貯蔵された燃料を加圧してデリバリパイプ21に供給するためのサプライポンプ22が設けられる。デリバリパイプ21は、サプライポンプ22から圧送されてきた高圧燃料を一時的に貯蔵する。燃料噴射弁20が開弁されると、デリバリパイプ21に貯蔵された高圧燃料が燃料噴射弁20から気筒内に直接噴射される。デリバリパイプ21には、デリバリパイプ21内の燃料圧力、すなわち燃料噴射弁20から気筒内に噴射される燃料の圧力(噴射圧)を検出するための燃圧センサ211が設けられる。
サプライポンプ22は、吐出量を変更することができるように構成されており、サプライポンプ22の吐出量は、電子制御ユニット200からの制御信号によって変更される。サプライポンプ22の吐出量を制御することで、デリバリパイプ21内の燃料圧力、すなわち燃料噴射弁20の噴射圧が制御される。
吸気装置3は、筒内に吸気を導くための装置であって、筒内に吸入される吸気の状態(吸気圧、吸気温、EGR(Exhaust Gas Recirculation)ガス量)を変更することができるように構成されている。吸気装置3は、吸気通路30と、吸気マニホールド31と、EGR通路32と、を備える。
吸気通路30は、一端がエアクリーナ34に接続され、他端が吸気マニホールド31の吸気コレクタ31aに接続される。吸気通路30には、上流から順にエアフローメータ212、排気ターボチャージャ7のコンプレッサ71、インタークーラ35及びスロットル弁36が設けられる。
エアフローメータ212は、エアクリーナ34を介して吸気通路30に吸入された吸気の流量(以下「吸気量」という。)を検出する。
コンプレッサ71は、コンプレッサハウジング71aと、コンプレッサハウジング71a内に配置されたコンプレッサホイール71bと、を備える。コンプレッサホイール71bは、同軸上に取り付けられた排気ターボチャージャ7のタービンホイール72bによって回転駆動され、コンプレッサハウジング71a内に流入してきた吸気を圧縮して吐出する。排気ターボチャージャ7のタービン72には、タービンホイール72bの回転速度を制御するための可変ノズル72cが設けられており、可変ノズル72cによってタービンホイール72bの回転速度が制御されることで、コンプレッサハウジング71a内から吐出される吸気の圧力(過給圧)が制御される。
インタークーラ35は、コンプレッサ71によって圧縮されて高温になった吸気を、例えば走行風や冷却水などによって冷却するための熱交換器である。
スロットル弁36は、吸気通路30の通路断面積を変化させることで、吸気マニホールド31に導入する吸気量を調整する。スロットル弁36は、スロットルアクチュエータ36aによって開閉駆動され、スロットルセンサ213によってその開度(スロットル開度)が検出される。
吸気マニホールド31は、機関本体1に接続されており、吸気通路30から流入してきた吸気を機関本体1に形成された吸気ポートを介して各気筒10に均等に分配する。吸気マニホールド31の吸気コレクタ31aには、筒内に吸入される吸気の圧力(吸気圧)を検出するための吸気圧センサ214と、筒内に吸入される吸気の温度(吸気温)を検出するための吸気温センサ215と、が設けられる。
EGR通路32は、排気マニホールド41と吸気マニホールド31の吸気コレクタ31aを連通し、各気筒10から排出された排気の一部を圧力差によって吸気コレクタ31aに戻すための通路である。以下、EGR通路32に流入した排気のことを「EGRガス」という。EGRガスを吸気コレクタ31a、ひいては各気筒10に還流させることで、燃焼温度を低減させて窒素酸化物(NOx)の排出を抑えることができる。EGR通路32には、上流から順にEGRクーラ37と、EGR弁38と、が設けられる。
EGRクーラ37は、EGRガスを、例えば走行風や冷却水などによって冷却するための熱交換器である。
EGR弁38は、連続的又は段階的に開度を調整することができる電磁弁であり、その開度は電子制御ユニット200によって制御される。EGR弁38の開度を制御することで、吸気コレクタ31aに還流させるEGRガスの流量が調節される。
排気装置4は、筒内から排気を排出するための装置であって、排気マニホールド41と、排気通路42と、を備える。
排気マニホールド41は、機関本体1に接続されており、各気筒10から排出された排気を纏めて排気通路42に導入する。
排気通路42には、上流から順に排気ターボチャージャ7のタービン72と、排気後処理装置43と、が設けられる。
タービン72は、タービンハウジング72aと、タービンハウジング72a内に配置されたタービンホイール72bと、を備える。タービンホイール72bは、タービンハウジング72a内に流入してきた排気のエネルギによって回転駆動され、同軸上に取り付けられたコンプレッサホイール71bを駆動する。
タービンホイール72bの外側には、前述した可変ノズル72cが設けられている。可変ノズル72cは絞り弁として機能し、可変ノズル72cのノズル開度(弁開度)は電子制御ユニット200によって制御される。可変ノズル72cのノズル開度を変化させることでタービンホイール72bを駆動する排気の流速をタービンハウジング72a内で変化させることができる。すなわち、可変ノズル72cのノズル開度を変化させることで、タービンホイール72bの回転速度を変化させて過給圧を変化させることができる。具体的には、可変ノズル72cのノズル開度を小さくする(可変ノズル72cを絞る)と、排気の流速が上がってタービンホイール72bの回転速度が増大し、過給圧が増大する。
排気後処理装置43は、排気を浄化した上で外気に排出するための装置であって、有害物質を浄化する各種の排気浄化触媒や有害物質を捕集するフィルタなどを備える。
吸気動弁装置5は、各気筒10の吸気弁50を開閉駆動するための装置であって、機関本体1に設けられる。本実施形態による吸気動弁装置5は、各気筒10の吸気弁50を吸気行程中に開弁させることができるように構成される。また、休止気筒の吸気弁50については、閉弁させたままの状態にすることができるように構成される。本実施形態ではこのような吸気動弁装置5として、電子制御ユニット200によって制御される電磁アクチュエータを採用し、各気筒10の吸気弁50を電磁アクチュエータによって開閉駆動することで、吸気弁50の開閉時期やリフト量を任意の時期及びリフト量に制御している。
排気動弁装置6は、各気筒10の排気弁60を開閉駆動するための装置であって、機関本体1に設けられる。本実施形態による排気動弁装置6は、各気筒10の排気弁60を排気行程中に開弁させると共に、必要に応じて吸気行程中にも開弁させることができるように構成される。また、休止気筒の排気弁60については、閉弁させたままの状態にすることができるように構成される。本実施形態ではこのような排気動弁装置6として、電子制御ユニット200によって制御される電磁アクチュエータを採用し、各気筒10の排気弁60を電磁アクチュエータによって開閉駆動することで、排気弁60の開閉時期やリフト量を任意の時期及びリフト量に制御している。
なお、吸気動弁装置5及び排気動弁装置6としては、電磁アクチュエータに限らず、例えば油圧等によってカムプロフィールを変更することで吸気弁50及び排気弁60の開閉時期やリフト量を変更する動弁装置を採用することもできる。
電子制御ユニット200は、デジタルコンピュータから構成され、双方性バス201によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)202、RAM(ランダムアクセスメモリ)203、CPU(マイクロプロセッサ)204、入力ポート205及び出力ポート206を備える。
入力ポート205には、前述した燃圧センサ211、エアフローメータ212、スロットルセンサ213、吸気圧センサ214、吸気温センサ215などの出力信号が、対応する各AD変換器207を介して入力される。また、入力ポート205には、アクセルペダル221の踏み込み量(以下「アクセル踏込量」という。)に比例した出力電圧を発生する負荷センサ217の出力電圧が、対応するAD変換器207を介して入力される。さらに入力ポート205には、機関回転速度を算出するための信号として、機関本体1のクランクシャフトが例えば15°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ218の出力信号が入力される。このように入力ポート205には、内燃機関100を制御するために必要な各種センサの出力信号が入力される。
出力ポート206は、対応する駆動回路208を介して、吸気動弁装置5の各電磁アクチュエータ、排気動弁装置6の各電磁アクチュエータ、点火プラグ11、燃料噴射弁20、サプライポンプ22、スロットルアクチュエータ36a、EGR弁38及び可変ノズル72cなどに接続される。
電子制御ユニット200は、入力ポート205に入力された各種センサの出力信号に基づいて、各制御部品を制御するための制御信号を出力ポート206から出力して内燃機関100を制御する。以下、図2から図7を参照して、電子制御ユニット200が実施する内燃機関100の制御について説明する。
<電子制御ユニットによる内燃機関の制御概要>
電子制御ユニット200は、機関運転状態に基づいて、機関本体1の運転モードを火花点火運転モード(以下「SI運転モード」という。)、圧縮自着火全筒運転モード(以下「CI全筒運転モード」という。)又は圧縮自着火減筒運転モード(以下「CI減筒運転モード」という。)のいずれかに切り替える。
具体的には電子制御ユニット200は、図2に示すように、機関回転速度と機関負荷(アクセル踏込量)と基づいて定まる機関運転点(機関運転状態)が、低中回転かつ低負荷領域にあれば運転モードをCI減筒運転モードに切り替え、低中回転かつ中負荷領域にあれば運転モードをCI全筒運転モードに切り替え、これら以外の領域であれば運転モードをSI運転モードに切り替える。そして電子制御ユニット200は、各運転モードに応じた吸気動弁装置5、排気動弁装置6、燃料噴射弁20及び点火プラグ11の制御を実施する。
SI運転モードとは、全ての気筒10の燃焼室内に、理論空燃比又は理論空燃比近傍の均質予混合気を形成して点火プラグ11による点火を行い、その均質予混合気を火炎伝播燃焼させて機関本体1の運転を行うモードのことをいう。
CI全筒運転モードとは、全ての気筒10の燃焼室内に、理論空燃比よりもリーンな空燃比(例えば30〜40程度)の予混合気を形成し、その予混合気を圧縮自着火燃焼させて機関本体1の運転を行うモードのことをいう。本実施形態では、予混合気として燃焼室内の中央部に可燃層を有し、気筒内壁面の周りに空気層を有する成層予混合気を形成しているが、予混合気として均質混合気を形成しても良い。
CI減筒運転モードとは、休止気筒では燃焼を実施せずに、稼働気筒の燃焼室内にのみ理論空燃比よりもリーンな空燃比(例えば30〜40程度)の予混合気を形成し、その予混合気を圧縮自着火燃焼させて機関本体1の運転を行うモードのことをいう。本実施形態では、このCI減筒運転モード中もCI全筒運転モード中と同様に、予混合気として成層予混合気を形成しているが、予混合気として均質混合気を形成しても良い。
なお、予混合気を燃焼室内で圧縮自着火燃焼させるには、予混合気を自着火させることが可能な温度まで筒内温度を上昇させる必要があり、SI運転モード中のように予混合気を燃焼室内で全て火炎伝播燃焼させるときよりも筒内温度を高温にする必要がある。そのため本実施形態では、CI全筒運転モード中は全ての気筒10の排気弁60が、またCI全筒減筒モード中は稼働気筒の排気弁60が、排気行程の他に吸気行程でも開弁するように排気動弁装置6を制御している。このように、排気弁60を吸気行程中に再度開弁する排気弁2度開き動作を実施することで、排気行程中に自気筒から排出された高温の排気を直後の吸気行程中に自気筒に吸い戻すことができる。これにより筒内温度を上昇させて、各気筒10の筒内温度を圧縮自着火燃焼可能な温度に維持している。
また、予混合気を燃焼室内で圧縮自着火燃焼させるにあたって、必要に応じて点火プラグ11による予混合気の着火アシストを行って予混合気の一部を火炎伝播燃焼させ、そのときに生じる熱を用いて筒内温度を強制的に上昇させることで、残りの予混合気を圧縮自着火燃焼させることもできる。このような着火アシストを実施して予混合気を圧縮自着火燃焼させることで、筒内温度が比較的低い状態であっても予混合気を圧縮自着火燃焼させることが可能になると共に、予混合気の着火時期を任意の時期に制御することが容易となる。
<SI運転モード中の基本的な制御>
以下ではまず、図3を参照してSI運転モード中における吸気動弁装置5、排気動弁装置6、燃料噴射弁20及び点火プラグ11の基本的な制御について説明する。図3は、SI運転モード中における各気筒10の吸気弁開閉時期、排気弁開閉時期、燃料噴射時期及び点火時期の一例を示したタイムチャートである。
電子制御ユニット200は、運転モードがSI運転モードに設定されているときは、全ての気筒10の吸気弁50が吸気行程中に開弁するように吸気動弁装置5を制御する。また電子制御ユニット200は、全ての気筒10の排気弁60が排気行程中に開弁するように排気動弁装置6を制御する。
そして電子制御ユニット200は、予めROM202に記憶されたマップ等を参照し、機関運転状態に基づいて、気筒毎に要求トルクに応じた目標噴射量、目標噴射時期及び目標点火時期を設定する。そして電子制御ユニット200は、燃料噴射量が目標噴射量となるように、また燃料噴射時期が目標噴射時期となるように各気筒10の燃料噴射弁20を制御する。また電子制御ユニット200は、点火時期が目標点火時期となるように各気筒10の点火プラグ11を制御する。
この結果、図3に示すように、基本的にSI運転モード中は、全ての気筒10の吸気弁50が吸気行程中に開弁されて、吸気行程中に各気筒内に空気が導入されると共に、吸気行程の前半に各気筒10の燃料噴射弁20から燃料が噴射される。これにより、各気筒10の燃焼室内に理論空燃比又は理論空燃比近傍の均質混合気が形成される。そして、燃焼室内に形成した均質混合気を圧縮上死点付近で点火プラグ11によって点火することで火炎伝播燃焼させる。その後、全ての気筒10の排気弁60が排気行程中に開弁されて、各気筒内の排気(燃焼ガス)が排気ポートへと排出される。
<CI全筒運転モード中における基本的な制御>
次に、図4A及び図4Bを参照してCI全筒運転モード中における吸気動弁装置5、排気動弁装置6及び燃料噴射弁20の基本的な制御について説明する。図4Aは、着火アシストを実施しない場合のCI全筒運転モード中における各気筒10の吸気弁開閉時期、排気弁開閉時期及び燃料噴射時期の一例を示したタイムチャートである。
電子制御ユニット200は、運転モードがCI全筒運転モードに設定されているときは、全ての気筒10の吸気弁50が吸気行程中に開弁するように吸気動弁装置5を制御する。また電子制御ユニット200は、全ての気筒10の排気弁60が排気行程と吸気行程で開弁するように排気動弁装置6を制御する。
そして電子制御ユニット200は、予めROM202に記憶されたマップ等を参照し、機関運転状態に基づいて、気筒毎に要求トルクに応じた目標噴射量及び目標噴射時期を設定する。そして電子制御ユニット200は、燃料噴射量が目標噴射量となるように、また燃料噴射時期が目標噴射時期となるように燃料噴射弁20を制御する。
この結果、図4Aに示すように、基本的にCI全筒運転モード中は、全ての気筒10の吸気弁50及び排気弁60が吸気行程中に開弁される。これにより、吸気行程中に各気筒内に空気が導入されると共に、直前の排気行程中に自気筒から排出された高温の排気が、吸気行程中に自気筒に吸い戻される。このようにCI全筒運転モード中は、吸気行程中に空気と高温の排気とを各気筒内に導入することで、各気筒10の筒内温度が自着火運転可能な温度に維持される。そして、圧縮行程後半に各気筒10の燃料噴射弁20から燃料を噴射して各気筒10の燃焼室内にリーン空燃比の成層予混合気を形成し、圧縮上死点近傍で当該成層予混合気を圧縮自着火燃焼させる。その後、全ての気筒10の排気弁60が排気行程中に開弁されて、各気筒内の排気が排気ポートへと排出される。
なお前述したように、このCI全筒運転モード中において、着火アシストを実施して予混合気を圧縮自着火燃焼させることも可能である。以下、図4Bを参照して、着火アシストを実施する場合のCI全筒運転モード中における吸気動弁装置5、排気動弁装置6、燃料噴射弁20及び点火プラグ11の基本的な制御について説明する。
図4Bは、着火アシストを実施する場合のCI全筒運転モード中における各気筒10の吸気弁開閉時期、排気弁開閉時期、燃料噴射時期及び着火アシスト時期の一例を示したタイムチャートである。
電子制御ユニット200は、CI全筒運転モード中に着火アシストを実施して成層予混合気を圧縮自着火燃焼させる場合も、着火アシストを実施しないときと同様に、全ての気筒10の吸気弁50が吸気行程中に開弁するように吸気動弁装置5を制御し、全ての気筒10の排気弁60が排気行程と吸気行程で開弁するように排気動弁装置6を制御する。
また電子制御ユニット200は、CI全筒運転モード中に着火アシストを実施して成層予混合気を圧縮自着火燃焼させる場合は、予めROM202に記憶されたマップ等を参照し、機関運転状態に基づいて、気筒毎に要求トルクに応じたメイン燃料の目標噴射量及び目標噴射時期を設定する。
そして電子制御ユニット200は、CI全筒運転モード中に着火アシストを実施して成層予混合気を圧縮自着火燃焼させる場合は、気筒毎に着火アシスト用燃料の目標噴射量及び目標噴射時期を設定する。着火アシスト用燃料の目標噴射量及び目標噴射時期はそれぞれ予め設定した一定値としても良いし、機関運転状態に基づいて、マップ等を参照して気筒毎に要求筒内温度に応じた目標噴射量及び目標噴射時期を設定しても良い。なおメイン燃料の目標噴射量は、CI全筒運転モード中に着火アシストを実施する場合の要求トルクに応じた目標噴射量よりも、着火アシスト用燃料の目標噴射量分だけ減量されている。
この結果、図4Bに示すように、着火アシストを実施する場合は、圧縮行程後半で少なくとも2回燃料が噴射され、1回目の燃料噴射(メイン燃料の噴射)で燃焼室内に成層予混合気を形成し、2回目の燃料噴射(着火アシスト用燃料の噴射)で点火プラグ11周りにこの成層予混合気よりもリッチな空燃比のリッチ混合気を形成する。そして、2回目の燃料噴射よりも後の圧縮行程後半にこのリッチ混合気に対して点火プラグ11による点火(着火アシスト)を行って火炎伝播燃焼させ、そのときに生じる熱を用いて筒内温度を強制的に上昇させることで、1回目の燃料噴射で形成した成層予混合気を圧縮自着火燃焼させる。
<CI減筒運転モード中における基本的な制御>
最後に、図5A及び図5Bを参照してCI減筒運転モード中における制御について説明する。図5Aは、着火アシストを実施しない場合のCI減筒運転モード中における稼働気筒(本実施形態では第1気筒と第4気筒)と休止気筒(本実施形態では第2気筒と第3気筒)の吸気弁開閉時期、排気弁開閉時期及び燃料噴射時期の一例を示したタイムチャートである。
電子制御ユニット200は、運転モードがCI減筒運転モードに設定されているときは、稼働気筒の吸気弁50については吸気行程中に開弁するように吸気動弁装置5を制御する。一方で休止気筒の吸気弁50については閉弁したままの状態となるように吸気動弁装置5を制御する。また電子制御ユニット200は、稼働気筒の排気弁60については排気行程と吸気行程で開弁するように排気動弁装置6を制御する。一方で休止気筒の排気弁60については閉弁したままの状態となるように排気動弁装置6を制御する。
このように、CI減筒運転モード中は、休止気筒の吸気弁50及び排気弁60を全行程で閉弁したままの状態としている。これにより、休止気筒でポンプ損失が生じるのを抑制できるので、休止気筒で通常通り吸気弁50及び排気弁60を開弁させる場合と比べて燃費を向上させることができる。
また電子制御ユニット200は、休止気筒については燃料噴射を停止する。一方で稼働気筒については、予めROM202に記憶されたマップ等を参照し、機関運転状態に基づいて、稼働気筒毎に要求トルクに応じた目標噴射量及び目標噴射時期を設定する。そして電子制御ユニット200は、燃料噴射量が目標噴射量となるように、また燃料噴射時期が目標噴射時期となるように各稼働気筒の燃料噴射弁20を制御する。
この結果、図5Aに示すようにCI減筒運転モード中は、稼働気筒についてはCI全筒運転モード時と同様に吸気動弁装置5、排気動弁装置6及び燃料噴射弁20が制御される。一方で休止気筒については、燃料噴射が停止されると共に、吸気弁50及び排気弁60が閉弁したままの状態とされる。
なお前述したように、このCI減筒運転モード中においても、着火アシストを実施して予混合気を圧縮自着火燃焼させることも可能である。図5Bは、着火アシストを実施する場合のCI減筒運転モード中における稼働気筒と休止気筒の吸気弁開閉時期、排気弁開閉時期、燃料噴射時期及び着火アシスト時期の一例を示したタイムチャートである。
図5Bに示すように、CI減筒運転モード中に着火アシストする場合は、稼働気筒についてはCI全筒運転モード時と同様に吸気動弁装置5、排気動弁装置6、燃料噴射弁20及び点火プラグ11が制御される。一方で休止気筒については、燃料噴射が停止されると共に、吸気弁50及び排気弁60が閉弁したままの状態とされる。
<CI減筒運転モードからCI全筒運転モードへの運転モード切替時の問題点>
ここで、運転モードをCI減筒運転モードからCI全筒運転モードに切り替える要求(以下「全筒復帰要求」という。)が出た後、休止気筒の復帰1サイクル目から成層予混合気を圧縮自着火燃焼させようとすると、以下のような問題が生じる。
前述したように予混合気を燃焼室内で圧縮自着火燃焼させるには、筒内温度を高温にする必要がある。そのため本実施形態では、CI減筒運転モード中は稼働気筒の排気弁60を吸気行程中に再度開弁する排気弁2度開き動作を実施することで、排気行程中に自気筒から排出された高温の排気を、直後の吸気行程中に自気筒に吸い戻して、稼働気筒の筒内温度を高温に維持している。
しかしながら、CI減筒運転モード中は休止気筒では燃焼が行われていないため、稼働気筒と比較して休止気筒の筒内温度が徐々に低下していく。また、全筒復帰要求が出た後、休止気筒の復帰1サイクル目の排気行程中に休止気筒から排出される排気は燃焼ガスではないため、直後の吸気行程中に自気筒に吸い戻したとしても筒内温度の上昇幅は小さい。
そのため、休止気筒の復帰1サイクル目から予混合気を圧縮自着火燃焼させようとすると、休止気筒の筒内温度は稼働気筒の筒内温度と比較して低いので、着火時期の遅延や失火を招くおそれがある。
このような問題の解決方法としては、例えば、全筒復帰要求が出た後の休止気筒の復帰1サイクル目では、休止気筒内に理論空燃比の均質予混合気を形成して点火プラグ11による点火を行い、その均質予混合気を火炎伝播燃焼させることが考えられる。しかしながら、このような方法を取ると、予混合気を圧縮自着火燃焼させる場合と比較して、熱効率が低下すると共に火炎温度自体は高くなるため、燃費が悪化すると共にNOxの排出量が増加して排気エミッションが悪化するおそれがある。
そこで本実施形態では、全筒復帰要求が出た後の休止気筒の復帰1サイクル目では、休止気筒の吸気弁50については、CI減筒運転モード中と同様に全行程で閉弁したままの状態となるように吸気動弁装置5を制御する。そして、休止気筒の排気弁60については、排気行程及び吸気行程で開弁するように排気動弁装置6を制御して、全筒復帰要求が出た後の休止気筒の復帰1サイクル目では、休止気筒の排気弁60を少なくとも吸気行程で開弁させ、直後の圧縮行程で閉弁させる。
これにより、全筒復帰要求が出た後の休止気筒の復帰1サイクル目において、排気マニホールド41内に存在する稼働気筒から排出された高温の排気のみを吸気行程中に休止気筒に吸い戻し、直後の圧縮行程でこの吸い戻した排気を圧縮して筒内温度を上昇させることができる。そのため、全筒復帰要求が出た後の休止気筒の復帰1サイクル目において、休止気筒の吸気弁50と排気弁60とをそれぞれ吸気行程に開弁した場合と比較して筒内温度を高くすることができる。これにより、CI減筒運転モード中に低下した休止気筒の筒内温度を、休止気筒の復帰1サイクル目で上昇させて、休止気筒の筒内環境を復帰2サイクル目から自着火運転可能な環境に整えることができる。
以下、この本実施形態によるCI減筒運転モードからCI全筒運転モードに運転モードを切り替えるときの運転モード切替制御(以下「全筒復帰制御」という。)について説明する。
<第1実施形態による全筒復帰制御の動作>
図6は、本実施形態による全筒復帰制御の動作について説明するタイムチャートであり、CI減筒運転モードからCI全筒運転モードに切り替えるときの各気筒10の吸気弁開閉時期、排気弁開閉時期及び燃料噴射時期の一例をそれぞれ示したタイムチャートである。
図6に示すように、全筒復帰要求が出た後の休止気筒の復帰1サイクル目では、休止気筒の吸気弁50については、CI減筒運転モード中と同様に、全行程で閉弁したままの状態となるように吸気動弁装置5を制御する。一方で休止気筒の排気弁60については、排気行程と吸気行程で開弁するように排気動弁装置6を制御する。
これにより、排気マニホールド41内に存在する稼働気筒から排出された高温の排気のみを復帰1サイクル目の吸気行程中に休止気筒に吸い戻し、直後の圧縮行程でこの吸い戻した排気を圧縮して筒内温度を上昇させることができる。そのため、CI減筒運転モード中に低下した休止気筒の筒内温度を、休止気筒の復帰1サイクル目で上昇させて、休止気筒の筒内環境を自着火運転可能な環境に整えることができる。
その結果、復帰2サイクル目から休止気筒の吸気弁50を吸気行程中に開弁するように吸気動弁装置5を制御すると共に、直後の圧縮行程で燃料噴射を実施して休止気筒内に成層予混合気を形成することで、着火時期の遅延や失火の発生を抑制しつつ、圧縮上死点近傍で当該成層予混合気を圧縮自着火燃焼させることができる。すなわち、休止気筒の復帰2サイクル目から、休止気筒に対する制御を前述したCI全筒運転モード中における制御に切り替えることができる。
<第1実施形態による全筒復帰制御のフローチャート>
図7は、各休止気筒に対して実施される本実施形態による全筒復帰制御について説明するフローチャートである。電子制御ユニット200は、本ルーチンを機関運転中に所定の演算周期(例えば10[ms])ごとに繰り返し実行する。
ステップS1において、電子制御ユニット200は、機関運転点(機関回転速度及び機関負荷)を読み込む。
ステップS2において、電子制御ユニット200は、CI減筒運転モードからCI全筒運転モードへの切替処理実施フラグF1が0に設定されているか否かを判定する。切替処理実施フラグF1は、初期値が0に設定されているフラグであって、後述するステップS3で全筒復帰要求があると判定されたときに1に設定される。
ステップS3において、電子制御ユニット200は、全筒復帰要求があるか否かを判定する。具体的には電子制御ユニット200は、ステップS1で読み込んだ今回の機関運転点がCI全筒運転領域にあり、本ルーチンの前回実施時においてステップS1で読み込んだ機関運転点がCI減筒運転領域にあったときに、全筒復帰要求があると判定する。電子制御ユニット200は、全筒復帰要求がなければ今回の処理を終了し、全筒復帰要求があればステップS4の処理に進む。
ステップS4において、電子制御ユニット200は、切替処理実施フラグF1を1に設定する。
ステップS5において、電子制御ユニット200は、休止気筒の吸気弁50については全行程で閉弁したままの状態とし、休止気筒の排気弁60の動作を先行して再開させる。具体的には、休止気筒の排気弁60が排気行程と吸気行程で開弁するように排気動弁装置6を制御する。
ステップS6において、電子制御ユニット200は、全筒復帰要求が出た後の休止気筒の復帰1サイクル目(排気行程が最初の行程)が終了したか否かを判定する。このような判定は、例えばクランク角等に基づいて実施することができる。電子制御ユニット200は、全筒復帰要求が出た後の休止気筒の復帰1サイクル目が終了していればステップS7の処理に進み、終了前であれば今回の処理を終了する。
ステップS7において、電子制御ユニット200は、切替処理実施フラグF1を0に戻す。
ステップS8において、電子制御ユニット200は、休止気筒の吸気弁50が吸気行程で開弁するように排気動弁装置6を制御して休止気筒の吸気弁50の動作を再開すると共に、休止気筒の燃料噴射弁20からの燃料噴射を再開して、休止気筒での圧縮自着火燃焼を再開させる。
なお、これまでに説明してきた本実施形態による全筒復帰制御は、CI全筒運転モード中に燃料カット運転を実施した場合に、燃料カット運転から復帰する復帰要求が出た後の各気筒10の復帰1サイクル目に適用しても良い。またCI減筒運転モード中に燃料カット運転を実施した場合に、燃料カット運転から復帰する復帰要求が出た後の各稼働気筒の復帰1サイクル目に適用しても良い。燃料カット運転はCI減筒運転と比較して実施期間が短い場合が多く、このようにすることで、吸気と比較して高温の排気のみを各気筒や各稼働気筒に吸い戻し、直後の圧縮行程でこの吸い戻した排気を圧縮して筒内温度を上昇させることができる。
以上説明した本実施形態による内燃機関100は、複数の気筒10を備える機関本体1と、気筒10に設けられた吸気弁50及び排気弁60と、気筒10の吸気弁50を任意の時期に開閉可能に構成された吸気動弁装置5と、各気筒の排気弁60を任意の時期に開閉可能に構成された排気動弁装置6と、気筒10内に燃料を噴射するための燃料噴射弁20と、を備える。
そして、この内燃機関100を制御する電子制御ユニット200(制御装置)が、気筒10内で予混合気を圧縮自着火燃焼させる自着火運転領域内において、機関運転状態に応じて少なくとも一部の気筒10を休止気筒として当該休止気筒への燃料供給を停止する休止運転を実施し、休止気筒で予混合気の圧縮自着火燃焼を再開させる際の復帰サイクル(復帰1サイクル目)において、休止気筒の吸気弁50が全行程で閉弁したままとなるように吸気動弁装置5を制御すると共に、休止気筒の排気弁60が少なくとも吸気行程で開弁し、直後の圧縮行程で閉弁するように排気動弁装置6を制御し、復帰サイクルの次サイクル(復帰2サイクル目)において、休止気筒の吸気弁50が少なくとも吸気行程で開弁するように吸気動弁装置5を制御すると共に、休止気筒の排気弁60が少なくとも排気行程で開弁するように排気動弁装置6を制御して、休止気筒で予混合気の圧縮自着火燃焼を再開させるように構成されている。
これにより、休止気筒で予混合気の圧縮自着火燃焼を再開させる復帰要求が出た後の復帰1サイクル目の吸気行程中に、吸気と比較して高温の排気のみを休止気筒に吸い戻し、直後の圧縮行程でこの吸い戻した排気を圧縮して筒内温度を上昇させることができる。そのため、休止運転中に低下した休止気筒の筒内温度を復帰1サイクル目で上昇させて休止気筒の筒内環境を復帰2サイクル目から圧縮自着火燃焼可能な環境に整えることができる。また休止気筒の筒内環境を復帰1サイクル目で自着火運転可能な環境に整えた後の復帰2サイクル目から休止気筒で予混合気の圧縮自着火燃焼を再開するので、着火時期の遅延や失火の発生を抑制することができる。さらに、休止気筒で予混合気の圧縮自着火燃焼を再開させる際に、休止気筒で火花点火運転を実施しないので、燃費及び排気エミッションの悪化を抑制することができる。
特に休止運転が減筒運転であった場合は、排気マニホールド41内に存在する稼働気筒から排出された高温の排気のみを復帰1サイクル目の吸気行程中に休止気筒に吸い戻し、直後の圧縮行程でこの吸い戻した排気を圧縮することができるので、効果的に筒内温度を上昇させることができる。そのため、CI減筒運転モード中に低下した休止気筒の筒内温度を、休止気筒の復帰1サイクル目で上昇させて、休止気筒の筒内環境を復帰2サイクル目から圧縮自着火燃焼可能な環境に整えることができる。
また本実施形態による電子制御ユニット200は、休止運転中において、休止気筒の吸気弁50及び排気弁60が全行程で閉弁したままとなるように吸気動弁装置5及び排気動弁装置6をそれぞれ制御するように構成されている。
これにより、休止運転中に休止気筒でポンプ損失が生じるのを抑制できる。休止運転中に休止気筒の排気弁で排気弁2度開き動作を実施する場合と比べて燃費を向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態による全筒復帰制御について説明する。本実施形態による全筒復帰制御は、休止気筒の復帰1サイクル目の圧縮行程中に、当該休止気筒の噴射弁から予め設定された所定量の復帰用燃料を噴射する点で、第1実施形態と相違する。以下、この相違点を中心に説明する。
<第2実施形態による全筒復帰制御の動作>
図8は、本実施形態による運転モード切替制御の動作について説明するタイムチャートであり、CI減筒運転モードからCI全筒運転モードに切り替えるときの各気筒10の吸気弁開閉時期、排気弁開閉時期及び燃料噴射時期一例をそれぞれ示した図である。
前述した第1実施形態では、全筒復帰要求が出た後の休止気筒の復帰1サイクル目において、排気マニホールド41内に存在する稼働気筒から排出された高温の排気のみを復帰1サイクル目の吸気行程中に休止気筒に吸い戻し、直後の圧縮行程でこの吸い戻した排気を圧縮することで筒内温度を上昇させていた。
ここでCI減筒運転モード中は、稼働気筒においてリーン空燃比の成層予混合気を圧縮自着火燃焼させている。そのため、排気マニホールド41内に存在する稼働気筒から排出された排気には酸素が含まれている。したがって、図8に示すように、全筒復帰要求が出た後の休止気筒の復帰1サイクル目の圧縮行程後半に燃料を噴射すれば、休止気筒内で噴射燃料を圧縮自着火燃焼させることができ、筒内温度をさらに上昇させることができる。これにより、復帰2サイクル目から休止気筒で予混合気の圧縮自着火燃焼を再開させるにあたって、休止気筒の筒内環境を自着火燃焼可能な環境に容易に整えることができる。
<第2実施形態による全筒復帰制御のフローチャート>
図9は、各休止気筒に対して実施される本実施形態による全筒復帰制御について説明するフローチャートである。電子制御ユニット200は、本ルーチンを機関運転中に所定の演算周期(例えば10[ms])ごとに繰り返し実行する。
ステップS1からステップS8までの処理は、図7を参照して説明した処理と同様の処理が実施されるので、ここで説明を省略する。
ステップS20において、電子制御ユニット200は、休止気筒の復帰1サイクル目の圧縮行程後半で燃料を噴射するための復帰用燃料噴射処理を実施する。復帰用燃料噴射処理の詳細については図10を参照して説明する。
図10は、本実施形態による復帰用燃料噴射処理について説明するフローチャートである。
ステップS201において、電子制御ユニット200は、本フローチャートとは別途に算出しているCI減筒運転モードの実施期間を読み込む。
ステップS202において、電子制御ユニット200は、CI減筒運転モードの実施期間に基づいて、復帰1サイクル目で復帰用燃料を噴射するか否かを判定する。これは、CI減筒運転モードの実施期間が所定期間未満であれば、復帰1サイクル目で復帰用燃料を噴射しなくても、復帰2サイクル目から休止気筒で十分に圧縮自着火燃焼を実施できるためである。ここで本実施形態では、CI減筒運転モードの実施期間が所定期間以上のときに、復帰1サイクル目で復帰用燃料を噴射する必要があると判定している。なお、このような方法以外にも、CI減筒運転モードの実施期間に加えて機関回転速度や機関負荷などの機関運転状態を考慮して復帰1サイクル目で復帰用燃料を噴射するか否かを判定しても良い。例えばCI減筒運転モードの実施期間に加えて機関運転状態を考慮して筒内温度を推定し、この推定した筒内温度が所定値以下のときに、復帰1サイクル目で復帰用燃料を噴射する必要があると判定しても良い。いずれにしてもCI減筒運転モードの実施期間に基づいて、復帰1サイクル目で復帰用燃料を噴射するか否かが判定されることになる。
電子制御ユニット200は、復帰1サイクル目で復帰用燃料を噴射すると判定したときはステップS203の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、復帰1サイクル目で復帰用燃料を噴射しないと判定したときは今回の処理を終了する。
ステップS203において、電子制御ユニット200は、復帰1サイクル目で噴射する復帰用燃料の噴射時期か否かを判定する。本実施形態では、復帰用燃料の噴射時期を、復帰1サイクル目の圧縮行程後半の任意の時期に固定しているが、機関運転状態に応じて可変制御するようにしても良い。電子制御ユニット200は、復帰用燃料の噴射時期であればステップS204の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、復帰用燃料の噴射時期でなければ今回の処理を終了する。
ステップS204において、電子制御ユニット200は、休止気筒の燃料噴射弁20から噴射される復帰用燃料の噴射量が、予め設定された所定噴射量となるように、休止気筒の燃料噴射弁20を制御する。
以上説明した本実施形態による電子御ユニット200は、CI減筒運転モード中に稼働気筒内で理論空燃比よりもリーンなリーン空燃比の予混合気を圧縮自着火燃焼させ、復帰サイクル(復帰1サイクル目)の圧縮行程後半で、休止気筒の燃料噴射弁20から復帰用燃料を噴射するようにさらに構成されている。
これにより、休止気筒の復帰1サイクル目の吸気行程中に当該休止気筒に吸い戻された、排気マニホールド41内に存在する稼働気筒から排出された高温の排気には酸素が含まれているので、休止気筒の復帰1サイクル目の圧縮行程後半に復帰用燃料を供給することで、休止気筒内で圧縮自着火燃焼を生じさせることができる。そのため、休止気筒の復帰1サイクル目で筒内温度をさらに上昇させることができる、休止気筒の筒内環境を復帰2サイクル目から圧縮自着火燃焼可能な環境に整えることが容易となる。
また本実施形態による電子制御ユニット200は、CI減筒運転モード(減筒運転)の実施期間に基づいて、復帰用燃料を噴射するか否かを判定するように構成されている。
これにより、休止気筒の筒内環境が、復帰1サイクル目で復帰用燃料を噴射しなくても復帰2サイクル目から休止気筒で十分に圧縮自着火燃焼を実施できる環境のときに、無駄に燃料を噴射して燃費が悪化するのを抑制できる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態による全筒復帰制御について説明する。本実施形態による全筒復帰制御は、休止気筒の復帰1サイクル目の圧縮行程後半に噴射する復帰用燃料の噴射量を、CI減筒運転モードの実施期間に基づいて制御する点で、第2実施形態と相違する。以下、この相違点を中心に説明する。
前述した第2実施形態による全筒復帰制御では、全筒復帰要求が出た後の休止気筒の復帰1サイクル目の圧縮行程後半に噴射する復帰用燃料の噴射量を一定としていた。しかしながら、CI減筒運転モードの実施期間が長くなるほど、休止気筒の筒内温度は低下する。そのため、復帰用燃料の噴射量を一定とすると、CI減筒運転モードの実施期間が長くなった場合、復帰2サイクル目で圧縮自着火燃焼を再開させたときに着火時期の遅延や失火を招くおそれがある。
そこで本実施形態では、CI減筒運転モードの実施期間が長くなるほど休止気筒の復帰1サイクル目の圧縮行程後半に噴射する復帰用燃料の噴射量を増大させ、復帰用燃料を燃焼させたときに得られる熱量を増大させる。
<第3実施形態による全筒復帰制御のフローチャート>
図11は、本実施形態による復帰用燃料噴射処理について説明するフローチャートである。なお本実施形態による全筒復帰制御のメインルーチンは図9と同様なので、ここでは処理内容が異なる復帰用燃料噴射処理の内容について説明する。
ステップS211において、電子制御ユニット200は、本フローチャートとは別途に算出しているCI減筒運転モードの実施期間を読み込む。
ステップS212において、電子制御ユニット200は、休止気筒の復帰1サイクル目の圧縮行程後半に噴射する復帰用燃料の目標噴射量を設定する。具体的には電子制御ユニット200は、例えば図12Aや図12Bのテーブルを参照し、CI減筒運転モードの実施期間に基づいて、復帰用燃料の目標噴射量を算出する。図12Aや図12Bの各テーブルは、CI減筒運転モードの実施期間が短い場合と比べて長いときほど、復帰用燃料の目標噴射量が多くなるように設定されている。これにより、CI減筒運転モードの実施期間が短い場合と比べて長いときほど、休止気筒の復帰1サイクル目の圧縮行程後半に噴射される復帰用燃料の噴射量が多くなる。本実施形態では、この復帰用燃料の目標噴射量が、休止気筒の筒内温度を、当該休止気筒において復帰2サイクル目から成層予混合気を圧縮自着火燃焼させることが可能な温度(要求筒内温度)まで上昇させるために、復帰1サイクル目に噴射する必要のある燃料噴射量に相当する。
ステップS213において、電子制御ユニット200は、復帰1サイクル目で噴射する復帰用燃料の噴射時期か否かを判定する。本実施形態では、復帰用燃料の噴射時期を、復帰1サイクル目の圧縮行程後半の任意の時期に固定しているが、機関運転状態に応じて可変制御するようにしても良い。電子制御ユニット200は、復帰用燃料の噴射時期であればステップS214の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、復帰用燃料の噴射時期でなければ今回の処理を終了する。
ステップS214において、電子制御ユニット200は、休止気筒の燃料噴射弁20から噴射される復帰用燃料の噴射量が、ステップS212で設定した復帰用燃料の目標噴射量となるように、休止気筒の燃料噴射弁20を制御する。
以上説明した本実施形態による電子制御ユニット200は、CI減筒運転モード(減筒運転)の実施期間が短い場合と比べて長いときほど、復帰用燃料の噴射量を多くするようにさらに構成されている。これにより、CI減筒運転モードの実施期間の長さにかかわらず、休止気筒の筒内環境を復帰2サイクル目から圧縮自着火燃焼可能な環境に整えることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態による全筒復帰制御について説明する。本実施形態による全筒復帰制御は、休止気筒の復帰1サイクル目の圧縮行程後半に噴射する復帰用燃料の噴射量に上限値を設ける点で、第3実施形態と相違する。以下、この相違点を中心に説明する。
前述した第3実施形態のように、CI減筒運転モードの実施期間が長くなるにしたがって復帰用燃料の目標噴射量を比例的に増大させてしまうと、CI減筒運転モードの実施期間が長くなったときに、休止気筒の復帰1サイクル目で過濃混合気を燃焼させることになる。そのため、CI減筒運転モードの実施期間が長くなると、休止気筒から排出される排気中の有害成分(NOxやスモークなど)が増加して排気エミッションが悪化するおそれがある。
そこで本実施形態では、復帰用燃料の噴射量に上限値を設けることとした。これにより、休止気筒から排出される排気中の有害成分の増加を抑制して排気エミッションが悪化を抑制することができる。
しかしながら、復帰用燃料の噴射量に上限値を設けると、復帰1サイクル目における復帰用燃料の燃焼によって得られる熱量が制限されることになる。そのため、休止気筒の筒内温度を、復帰2サイクル目から予混合気を圧縮自着火燃焼させることが可能な温度まで上昇させることができないおそれがある。
そこで本実施形態では、復帰用燃料の噴射量が上限値となった場合は、復帰2サイクル目において、点火プラグ11による着火アシストを実施して予混合気を圧縮自着火燃焼させることとした。
<第4実施形態による全筒復帰制御の動作>
図13は、復帰用燃料の噴射量が上限値となった場合の本実施形態による全筒復帰制御の動作について説明するタイムチャートである。図13には、各気筒10の吸気弁開閉時期、排気弁開閉時期、燃料噴射時期及び着火アシスト時期の一例を示した。
図13に示すように、休止気筒の復帰1サイクル目で復帰用燃料の噴射量が上限値になったときは、復帰2サイクル目の圧縮行程後半で少なくとも2回燃料を噴射する。これにより、1回目の燃料噴射で燃焼室内に成層予混合気を形成し、2回目の燃料噴射で復帰1サイクル目に噴射できなかった不足分の燃料を噴射して点火プラグ11周りにこの成層混合気よりもリッチな空燃比のリッチ混合気を形成する。そして、燃料噴射後の圧縮行程後半でこのリッチ混合気に対して点火プラグ11による点火を行ってリッチ混合気を火炎伝播燃焼させ、そのときに生じる熱を用いて筒内温度を上昇させることで成層予混合気の着火アシストを実施して、1回目の燃料噴射で形成した成層予混合気を圧縮自着火燃焼させる。
このように、復帰用燃料の噴射量が上限値になったときは、復帰1サイクル目に噴射できなかった不足分の燃料を着火アシスト用の燃料として噴射して火炎伝播燃焼さることで、復帰1サイクル目で筒内温度を上昇させるために不足した熱量を、復帰2サイクル目で補うことができる。したがって、復帰用燃料の噴射量が上限値に制限されて、休止気筒の復帰1サイクル目で筒内温度を十分に上昇させることができなかった場合でも、着火アシストを実施することで、着火時期の遅延や失火の発生を抑制しつつ、復帰2サイクル目から休止気筒で圧縮自着火燃焼を再開させることができる。
<第4実施形態による全筒復帰制御のフローチャート>
図14は、各休止気筒に対して実施される本実施形態による全筒復帰制御について説明するフローチャートである。電子制御ユニット200は、本ルーチンを機関運転中に所定の演算周期(例えば10[ms])ごとに繰り返し実行する。
ステップS1からステップS6までの処理は、図7を参照して説明した処理と同様の処理が実施されるので、ここで説明を省略する。
ステップS20において、電子制御ユニット200は、休止気筒の復帰1サイクル目の圧縮行程後半で復帰用燃料を噴射するための本実施形態による復帰用燃料噴射処理を実施する。図15は、この本実施形態による復帰用燃料噴射処理について説明するフローチャートである。
ステップS221において、電子制御ユニット200は、本フローチャートとは別途に算出しているCI減筒運転モードの実施期間を読み込む。
ステップS222において、電子制御ユニット200は、休止気筒の復帰1サイクル目の圧縮行程後半に噴射する復帰用燃料の目標噴射量を設定する。具体的には電子制御ユニット200は、まず図16Aのテーブルを参照し、CI減筒運転モードの実施期間に基づいて、復帰用燃料の基本噴射量を算出する。本実施形態では、この基本噴射量が、休止気筒の筒内温度を、当該休止気筒において復帰2サイクル目から成層予混合気を圧縮自着火燃焼させることが可能な温度まで上昇させるために、復帰1サイクル目に噴射する必要のある燃料噴射量に相当する。そして電子制御ユニット200は、基本噴射量が、図16Aのテーブルに示す上限値未満のときは、基本噴射量を復帰用燃料の目標噴射量として設定する。一方で電子制御ユニット200は、基本噴射量が上限値以上のときは、上限値を復帰用燃料の目標噴射量として設定する。なお、これ以外にも、例えば図16Bに示すような予め上限値を設けたテーブルを参照し、CI減筒運転モードの実施期間に基づいて、復帰用燃料の目標噴射量を直接算出しても良い。
ステップS223において、電子制御ユニット200は、復帰用燃料の目標噴射量が上限値に制限されているか否かを判定する。換言すれば、復帰用燃料の目標噴射量が上限値か否かを判定する。電子制御ユニット200は、復帰用燃料の目標噴射量が上限値に制限されていればステップS224の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、復帰用燃料の目標噴射量が上限値に設定されていなければステップS226の処理に進む。
ステップS224において、電子制御ユニット200は、復帰2サイクル目に点火プラグ11周りにリッチ混合気を形成するために噴射する燃料噴射量の目標値、すなわち着火アシスト用燃料の目標噴射量を設定する。具体的には電子制御ユニット200は、基本噴射量から上限値を引いたものを着火アシスト用燃料の目標噴射量として設定する。
ステップS225において、電子制御ユニット200は、着火アシスト要求フラグF2を1に設定する。着火アシスト要求フラグF2は、初期値が0に設定されているフラグである。
ステップS226において、電子制御ユニット200は、復帰用燃料の噴射時期か否かを判定する。本実施形態でも、復帰用燃料の噴射時期は圧縮行程後半の任意の時期に固定しているが、機関運転状態に応じて可変制御するようにしても良い。電子制御ユニット200は、復帰用燃料の噴射時期であればステップS227の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、復帰用燃料の噴射時期の噴射時期でなければ今回の処理を終了する。
ステップS227において、電子制御ユニット200は、休止気筒の燃料噴射弁20から噴射される燃料噴射量が、ステップS222で設定した復帰用燃料の目標噴射量となるように、休止気筒の燃料噴射弁20を制御する。
図14に戻り、ステップS41において、電子制御ユニット200は、復帰1サイクル目が終了したか否かを判定するための判定フラグF3を1に設定する。判定フラグF3は、初期値が0に設定されているフラグである。
ステップS42において、電子制御ユニット200は、休止気筒の吸気弁50の動作を再開して休止気筒の吸気弁50が吸気行程で開弁するように排気動弁装置6を制御する。
ステップS43において、電子制御ユニット200は、着火アシスト要求フラグF2が1に設定されているか否かを判定する。電子制御ユニット200は、着火アシスト要求フラグF2が1に設定されていれば、復帰2サイクル目に着火アシストを実施する必要があると判定してステップS44の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、着火アシスト要求フラグF2が1に設定されていれば、復帰2サイクル目に着火アシストを実施する必要がないと判定してステップS48の処理に進む。
ステップ44において、電子制御ユニット200は、復帰2サイクル目で着火アシストを実施して休止気筒での成層予混合気の圧縮自着火燃焼を再開させる。
ステップS45において、電子制御ユニット200は、切替処理実施フラグF1、着火アシスト要求フラグF2及び判定フラグF3を、それぞれ0に戻す。
ステップS46において、電子制御ユニット200は、復帰3サイクル目からは着火アシストを実施せずに休止気筒で成層予混合気を圧縮自着火燃焼させる。
ステップS47において、電子制御ユニット200は、切替処理実施フラグF1及び判定フラグF3を、それぞれ0に戻す。
ステップS48において、電子制御ユニット200は、着火アシストを実施せずに、復帰2サイクル目から休止気筒で成層予混合気の圧縮自着火燃焼を再開させる。
ステップS49において、電子制御ユニット200は、判定フラグF3が1に設定されているか否かを判定する。電子制御ユニット200は、判定フラグF3が0に設定されていればステップS20の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、判定フラグF3が1に設定されていればステップS43の処理に進む。
以上説明した本実施形態による電子制御ユニット200は、復帰用燃料の噴射量に上限値を設定し、復帰用燃料の噴射量が上限値のときは、復帰2サイクル目において、予混合気の一部を気筒10毎に設けられた点火プラグ11によって火炎伝播燃焼させ、そのときに生じる熱を用いて残りの予混合気を圧縮自着火燃焼させる着火アシスト圧縮自着火燃焼を、休止気筒で実施するようにさらに構成されている。
これにより、復帰用燃料の噴射量が上限値になったときは、復帰1サイクル目に噴射できなかった不足分の燃料の少なくとも一部が復帰2サイクル目で着火アシスト用の燃料として噴射されて部分的に火炎伝播燃焼が行われる。これにより、復帰1サイクル目で不足した熱量を、復帰2サイクル目の着火アシストによって生じる熱量によって補うことができる。したがって、復帰用燃料の噴射量が上限値に制限されて、休止気筒の復帰1サイクル目で筒内温度を十分に上昇させることができなかった場合でも、着火アシストを実施することで、着火時期の遅延や失火の発生を抑制しつつ、復帰2サイクル目から休止気筒で圧縮自着火燃焼を再開させることができる。
また本実施形態による電子制御ユニット200は、着火アシスト圧縮自着火燃焼を実施するときは、機関本体1の要求トルクに応じたメイン燃料を圧縮行程後半で噴射して気筒10内に成層予混合気(第1予混合気)を形成し、メイン燃料を噴射した後の同一サイクルの圧縮行程後半で、着火アシスト用燃料を噴射して気筒10内の点火プラグ11周りにリッチ予混合気(第2予混合気)を形成し、着火アシスト用燃料を噴射した後の同一サイクルの圧縮行程後半で、点火プラグ11によってリッチ予混合気に点火して当該リッチ予混合気を火炎伝播燃焼させ、そのときに生じる熱を用いて成層予混合気を圧縮自着火燃焼させるように構成されている。
さらに電子制御ユニット200は、復帰2サイクル目において休止気筒で着火アシスト圧縮自着火燃焼を実施するときは、復帰用燃料の噴射量が上限値に制限されることで復帰1サイクル目に噴射できなかった不足分の燃料を、着火アシスト用燃料の噴射量として設定するように構成されている。ここで図16Aのテーブルに示すように、復帰1サイクル目に噴射できなかった不足分の燃料(基本噴射量−上限値)は、CI減筒運転モードの実施期間が短い場合と比べて長いときほど多くなる。したがって換言すれば、電子制御ユニット200は、復帰2サイクル目において休止気筒で着火アシスト圧縮自着火燃焼を実施するときは、CI減筒運転モード(減筒運転)の実施期間が短い場合と比べて長いときほど、着火アシスト用燃料の噴射量を多くするように構成されているということもできる。
電子制御ユニット200をこのように構成することで、復帰1サイクル目に不足した熱量を、復帰2サイクル目の着火アシストで確実に補うことができる。よって、復帰2サイクル目から休止気筒で圧縮自着火燃焼を再開させたときに、着火時期の遅延や失火の発生するのを抑制できる。また、着火アシスト用燃料の噴射量を必要最小限に抑えることができるので、燃費の悪化を抑制することができる。
<第4実施形態の変形例>
なお本実施形態では、CI全筒運転モード中において、基本的に着火アシストを実施せずに予混合気を圧縮自着火燃焼させる場合の制御について説明している。この場合は、CI全筒運転モード中に各気筒で予混合気を圧縮自着火燃焼させるために必要な筒内温度を、着火アシストを実施しなくても、排気弁2度開き動作などを実施することにより確保できることを前提としている。したがってこの場合は、図13に示すように、復帰1サイクル目に復帰用燃料の噴射量が上限値になったときは、復帰2サイクル目に着火アシストを実施して休止気筒で圧縮自着火燃焼を再開させるが、復帰3サイクル目以降は着火アシストを実施する必要がなく、復帰3サイクル目以降は着火アシストを実施せずに休止気筒で予混合気を圧縮自着火燃焼させることになる。
これに対し、CI全筒運転モード中において、基本的に着火アシストを実施して予混合気を圧縮自着火燃焼させる場合は、CI全筒運転モード中に各気筒で予混合気を圧縮自着火燃焼させるために必要な筒内温度を、着火アシストによって確保することを前提としている。したがってこの場合は、各気筒で予混合気を圧縮自着火燃焼させるためには着火アシストによって熱量を発生させて筒内温度を上昇させる必要があり、復帰3サイクル目以降も着火アシストを実施して休止気筒で予混合気を圧縮自着火燃焼させることになる。
ここで、着火アシスト用燃料の目標噴射量は、着火アシストによって発生させる必要のある熱量によって決まるものであり、CI減筒運転モード中の基本的な制御の欄で前述したように、予め設定した一定値にしたり、機関運転状態に基づいて設定したりすることが可能である。しかしながら、CI減筒運転モード中に着火アシストをする場合に、このようにして設定される通常の着火アシスト用燃料の目標噴射量は、直前のサイクルで圧縮自着火燃焼が実施されていたことを前提して設定されるものである。
そのため、復帰1サイクル目に復帰用燃料の噴射量が上限値に制限されて、復帰2サイクル目に着火アシストを実施して休止気筒で圧縮自着火燃焼を再開する場合に、復帰2サイクル目の着火アシスト用燃料の目標噴射量を、このような通常の着火アシスト用燃料の目標噴射量に設定してしまうと、復帰2サイクル目で着火アシストしたときの熱量が不足するおそれがある。
すなわち、復帰1サイクル目に復帰用燃料の目標噴射量が上限値に制限されたときは、復帰2サイクル目に休止気筒で圧縮自着火燃焼を実施するために必要な熱量が、復帰1サイクル目に噴射できなかった燃料の熱量分だけ通常よりも大きくなる。そのため、復帰2サイクル目の着火アシスト用燃料の目標噴射量を、通常の着火アシスト用燃料の目標噴射量に設定してしまうと、復帰2サイクル目で着火アシストしたときの熱量が不足するのである。
そこで、CI全筒運転モード中において基本的に着火アシストを実施して予混合気を圧縮自着火燃焼させる場合は、復帰2サイクル目の着火アシスト用燃料の目標噴射量を、通常の着火アシスト用燃料の目標噴射量よりも増量する。具体的には、復帰2サイクル目の着火アシスト用燃料の目標噴射量を、復帰用燃料の目標噴射量が上限値に制限されることで復帰1サイクル目に噴射できなかった不足分の燃料だけ通常の着火アシスト用燃料の目標噴射量よりも増量する。
これにより、CI全筒運転モード中において基本的に着火アシストを実施して予混合気を圧縮自着火燃焼させる場合も、着火時期の遅延や失火の発生を抑制しつつ、復帰2サイクル目から休止気筒で着火アシストを実施した圧縮自着火燃焼を再開させることができる。
以上説明した本実施形態の変形例による電子制御ユニット200は、自着火運転領域内では気筒10で着火アシスト自着火燃焼を実施し、復帰2サイクル目に休止気筒で着火アシスト圧縮自着火燃焼を行うときの着火アシスト用燃料の噴射量を、復帰用燃料の噴射量が上限値に制限されることで復帰1サイクル目に噴射できなかった不足分の燃料だけ増量するように構成されている。
これにより、CI全筒運転モード中において基本的に着火アシストを実施して予混合気を圧縮自着火燃焼させている場合でも、着火時期の遅延や失火の発生を抑制しつつ、復帰2サイクル目から休止気筒で着火アシストを実施した圧縮自着火燃焼を再開させることができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。本発明の第5実施形態は、CI減筒運転モード中に、所定サイクル毎に休止気筒の排気弁60が少なくとも吸気行程で開弁し、直後の圧縮行程で閉弁するよう排気動弁装置6を制御する点で、上記の各実施形態と相違する。以下、この相違点を中心に説明する。
上記の各実施形態では、運転モードがCI減筒運転モードに設定されているときは、休止気筒の吸気弁50及び排気弁60については、それぞれ閉弁したままの状態となるように吸気動弁装置5及び排気動弁装置6を制御していた。
しかしながら、CI減筒運転モードの実施期間が長期に亘ると、休止気筒の筒内温度が過度に低下するおそれがある。そうすると、復帰1サイクル目の圧縮行程後半で復帰用燃料を噴射しても、休止気筒の筒内環境を復帰2サイクル目から自着火運転可能な環境に整えることができないおそれがある。また、必要な復帰用燃料量も増加するので、燃費や排気エミッションが悪化するおそれがある。
そこで本実施形態では、CI減筒運転モード中に、所定サイクル毎に休止気筒の排気弁60が排気行程及び吸気行程で開弁するように排気動弁装置6を制御する。これにより、CI減筒運転モード中に、所定サイクル毎に休止気筒の排気弁60が少なくとも吸気行程で開弁し、直後の圧縮行程で閉弁するようにする。この結果、CI減筒運転モード中に、所定サイクル毎に排気マニホールド41内に存在する稼働気筒から排出された高温の排気のみを吸気行程中に休止気筒に吸い戻し、直後の圧縮行程でこの吸い戻した排気を圧縮して筒内温度を定期的に上昇させることができる。
以下、図17のフローチャートを参照して、このCI減筒運転モード中に各休止気筒に対して実施される排気動弁制御について説明する。電子制御ユニット200は、本ルーチンを機関運転中に所定の演算周期(例えば10[ms])ごとに繰り返し実行する。
ステップS51において、電子制御ユニット200は、排気弁駆動フラグF4が0に設定されているか否かを判定する。排気弁駆動フラグF4は、CI減筒運転モード中に休止気筒の排気弁60が排気行程及び吸気行程で開弁するように排気動弁装置6を制御しているときに1に設定されるフラグであり、初期値は0に設定される。電子制御ユニット200は、排気弁駆動フラグF4が0に設定されていればステップS52の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、排気弁駆動フラグF4が1に設定されていればステップS55の処理に進む。
ステップS52において、電子制御ユニット200は、休止気筒のサイクル数が所定の駆動開始サイクル数以上となったか否かを判定する。駆動開始サイクル数は、CI減筒運転モード中における休止気筒の筒内温度の低下傾向などを考慮して、少なくとも1回以上の任意のサイクル数に設定すれば良い。電子制御ユニット200は、休止気筒のサイクル数が駆動開始サイクル数以上であればステップS53の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、休止気筒のサイクル数が駆動開始サイクル数未満であれば今回の処理を終了する。
ステップS53において、電子制御ユニット200は、休止気筒の排気弁60が排気行程及び吸気行程で開弁するように排気動弁装置6を制御して、排気弁60の動作を一時的に再開させる。
ステップS54において、電子制御ユニット200は、排気弁駆動フラグF4を1に設定する。
ステップS55において、電子制御ユニット200は、休止気筒の排気弁60が排気行程及び吸気行程で開弁するように排気動弁装置6の制御してからのサイクル数が所定の駆動停止サイクル数以上になったか否かを判定する。駆動停止サイクル数は、休止気筒の筒内温度をどの程度上昇させたいかなどを考慮して、少なくとも1回以上の任意のサイクル数に設定すれば良い。電子制御ユニット200は、休止気筒のサイクル数が駆動停止サイクル数以上であればステップS56の処理に進む。一方で電子制御ユニット200は、休止気筒のサイクル数が駆動停止サイクル数未満であれば今回の処理を終了する。
ステップS56において、電子制御ユニット200は、休止気筒の排気弁60が全行程で閉弁するように排気動弁装置6を制御して、排気弁60の動作を停止させる。
ステップS57において、電子制御ユニット200は、排気弁駆動フラグF4を0に戻す。
なお、これまでに説明してきた本実施形態によるCI減筒運転モード中の休止気筒に対する制御は、CI全筒運転モード及びCI減筒運転モード中に燃料カット運転しているときに、その燃料カット運転中の各気筒に対して実施しても良い。
以上説明した本実施形態による電子制御ユニット200は、休止運転中に、所定サイクル毎に休止気筒の排気弁60が少なくとも吸気行程で開弁し、直後の圧縮行程で閉弁するように前記排気動弁装置6を制御するように構成されている。これにより、休止運転中に、休止気筒の筒内温度が過度に低下するのを抑制できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、上記の各実施形態では4つの気筒を備える機関本体1を例に説明したが、気筒数は特に限られるものではなく、少なくとも2つ以上あればよい。また吸気弁50及び排気弁60の数も特に限られるものではなく、少なくとも1つ以上あればよい。
1 機関本体
5 吸気動弁装置
6 排気動弁装置
10 気筒
11 点火プラグ
20 燃料噴射弁
50 吸気弁
60 排気弁
100 内燃機関
200 電子制御ユニット(制御装置)

Claims (11)

  1. 複数の気筒を備える機関本体と、
    前記気筒に設けられた吸気弁及び排気弁と、
    前記気筒の吸気弁を任意の時期に開閉可能に構成された吸気動弁装置と、
    前記気筒の排気弁を任意の時期に開閉可能に構成された排気動弁装置と、
    前記気筒内に燃料を噴射するための燃料噴射弁と、
    を備える内燃機関を制御する内燃機関の制御装置であって、
    前記気筒内で予混合気を圧縮自着火燃焼させる自着火運転領域内において、機関運転状態に応じて少なくとも一部の前記気筒を休止気筒として当該休止気筒への燃料供給を停止する休止運転を実施し、
    前記休止気筒で予混合気の圧縮自着火燃焼を再開させる際の復帰サイクルにおいて、当該休止気筒の吸気弁が全行程で閉弁したままとなるように前記吸気動弁装置を制御すると共に、当該休止気筒の排気弁が少なくとも吸気行程で開弁し、直後の圧縮行程で閉弁するように前記排気動弁装置を制御し、
    前記復帰サイクルの次サイクルにおいて、前記休止気筒の吸気弁が少なくとも吸気行程で開弁するように前記吸気動弁装置を制御すると共に、当該休止気筒の排気弁が少なくとも排気行程で開弁するように前記排気動弁装置を制御して、当該休止気筒で予混合気の圧縮自着火燃焼を再開させるように構成された、
    内燃機関の制御装置。
  2. 前記休止運転は、一部の前記気筒を休止気筒とし、残りの前記気筒を稼働気筒として当該稼働気筒内で理論空燃比よりもリーンなリーン空燃比の混合気を圧縮自着火燃焼させる減筒運転であり、
    前記復帰サイクルの前記圧縮行程後半で、前記休止気筒の前記燃料噴射弁から復帰用燃料を噴射するようにさらに構成された、
    請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記減筒運転の実施期間に基づいて、前記復帰用燃料を噴射するか否かを判定するようにさらに構成された、
    請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記減筒運転の実施期間が短い場合と比べて長いときほど、前記復帰用燃料の噴射量を多くするようにさらに構成された、
    請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記復帰用燃料の噴射量に上限値を設定し、前記復帰用燃料の噴射量が前記上限値のときは、前記復帰サイクルの次サイクルにおいて、予混合気の一部を前記気筒に設けられた点火プラグによって火炎伝播燃焼させ、そのときに生じる熱を用いて残りの予混合気を自着火燃焼させる着火アシスト自着火燃焼を、前記休止気筒で実施するようにさらに構成された、
    請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記着火アシスト自着火燃焼を実施するときは、
    前記機関本体の要求トルクに応じたメイン燃料を圧縮行程後半で噴射して前記休止気筒内に第1予混合気を形成し、
    メイン燃料を噴射した後の同一サイクルの圧縮行程後半で、着火アシスト用燃料を噴射して前記休止気筒内の前記点火プラグ周りに第2予混合気を形成し、
    着火アシスト用燃料を噴射した後の同一サイクルの圧縮行程後半で、前記点火プラグによって前記第2予混合気に点火して当該第2予混合気を火炎伝播燃焼させ、そのときに生じる熱を用いて前記第1予混合気を圧縮自着火燃焼させるようにさらに構成された
    請求項5に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記復帰サイクルの次サイクルにおいて、前記休止気筒で前記着火アシスト自着火燃焼を実施するときは、前記減筒運転の実施期間が短い場合と比べて長いときほど、前記着火アシスト用燃料の噴射量を多くするようにさらに構成された、
    請求項6に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記復帰サイクルの次サイクルにおいて、前記休止気筒で前記着火アシスト自着火燃焼を実施するときは、前記復帰用燃料の噴射量が前記上限値に制限されることで前記復帰サイクルに噴射できなかった不足分の燃料を、前記着火アシスト用燃料の噴射量として設定するようにさらに構成された、
    請求項6又は請求項7に記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記自着火運転領域内では、前記気筒で前記着火アシスト自着火燃焼を実施し、
    前記復帰サイクルの次サイクルに前記休止気筒で前記着火アシスト自着火燃焼を行うときの前記着火アシスト用燃料の噴射量を、前記復帰用燃料の噴射量が前記上限値に制限されることで前記復帰サイクルに噴射できなかった不足分の燃料だけ増量するようにさらに構成された、
    請求項6又は請求項7に記載の内燃機関の制御装置。
  10. 前記休止運転中は、前記休止気筒の吸気弁及び排気弁が全行程で閉弁したままとなるように前記吸気動弁装置及び前記排気動弁装置をそれぞれ制御するように構成された、
    請求項1から請求項9までのいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
  11. 前記休止運転中に、所定サイクル毎に前記休止気筒の排気弁が少なくとも吸気行程で開弁し、直後の圧縮行程で閉弁するように前記排気動弁装置を制御するように構成された、
    請求項10に記載の内燃機関の制御装置。
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