JP4923992B2 - 重合性液晶組成物および光学異方性薄膜 - Google Patents
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[1] 第1成分として下記式(1−1)および式(1−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物と、第2成分として下記式(2−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物と、第3成分として下記式(3−1)、式(3−2)および式(3−3)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物とを含有することを特徴とする重合性液晶組成物。
−であり;W1は独立に水素またはフッ素であり、W2は水素またはメチルであり;R1お
よびR2は独立に水素またはメチルであり;P1、P2、P3およびP4は独立に下記式(A
1)〜(A8)のいずれかで表される重合性基であり;k1、k2、q1およびq2は独立に0〜1の整数であり;m1、m2、j1およびj2は独立に1〜10の整数であり;
式(2−1)において、R3およびR4は独立に水素または炭素数1〜10のアルキルであり;P5は下記式(A1)〜(A8)のいずれかで表される重合性基であり;q3は0〜1の整数であり;j3は1〜10の整数であり;
式(3−1)、式(3−2)および式(3−3)において、X1、X2およびX3は、そ
れぞれ独立に単結合、−(CH2)2−または−HC=CH−であり;W3、W4およびW5
は、それぞれ独立に水素またはフッ素であり;P6、P7、P8、P9、P10およびP11は独立に下記(A1)〜(A8)のいずれかで表される重合性基であり;k3、k4、k5、q4、q5およびq6は独立に0〜1の整数であり;m3、m4、m5、j4、j5およびj6は独立に1〜10の整数である。
式(1−1)および式(1−2)において、Y1が独立に−O−または−O−CO−O
−であり;W1が独立に水素であり;W2が水素またはメチルであり;R1およびR2が独立に水素またはメチルであり;P1、P2、P3およびP4が式(A1)で表される重合性基であり;k1、k2、q1およびq2が1であり;m1、m2、j1およびj2が独立に2〜8の整数であり;
式(2−1)において、R3およびR4が独立に水素または炭素数1〜8のアルキルであり;P5が式(A1)で表される重合性基であり;q3が1であり;j3が2〜8の整数で
あり;
式(3−1)、式(3−2)および式(3−3)において、X1、X2およびX3が、そ
れぞれ独立に単結合、−(CH2)2−または−HC=CH−であり;W3、W4およびW5
が、それぞれ独立に水素またはフッ素であり;P6、P7、P8、P9、P10およびP11が式(A1)で表される重合性基であり;k3、k4、k5、q4、q5およびq6が1であり;m3、m4、m5、j4、j5およびj6が独立に2〜8の整数であること
を特徴とする項[1]に記載の重合性液晶組成物。
第1成分の含有割合が25〜35重量%の範囲であり、第2成分の含有割合が35〜45重量%の範囲であり、第3成分の含有割合が25〜35重量%の範囲であり(ただし、重合性液晶組成物において、第1成分、第2成分および第3成分の合計量を100重量%とした場合。);
式(1−1)において、W1が水素であり;R1およびR2が独立に水素またはメチルで
あり;P1およびP2が式(A1)で表される重合性基であり;k1およびq1が1であり;m1およびj1が独立に2〜6の整数であり;
式(2−1)において、R3およびR4が独立に水素または炭素数2〜6のアルキルであり;P5が式(A1)で表される重合性基であり;q3が1であり;j3が2〜6の整数で
あり;
式(3−1)、式(3−2)および式(3−3)において、X1が独立に単結合、−(
CH2)2−または−HC=CH−であり;X2およびX3が、それぞれ独立に単結合または−(CH2)2−であり;W3、W4およびW5が、それぞれ独立に水素であり;P6、P7、
P8、P9、P10およびP11が式(A1)で表される重合性基であり;k3、k4、k5、q4、q5およびq6が1であり;m3、m4、m5、j4、j5およびj6が独立に4〜6の整数であること
を特徴とする項[1]に記載の重合性液晶組成物。
第1成分の含有割合が20〜40重量%の範囲であり、第2成分の含有割合が30〜50重量%の範囲であり、第3成分の含有割合が20〜40重量%の範囲であり(ただし、重合性液晶組成物において、第1成分、第2成分および第3成分の合計量を100重量%とした場合。);
式(1−2)において、Y1が独立に−O−または−O−CO−O−であり;W2が水素またはメチルであり;P3およびP4が式(A1)で表される重合性基であり;k2および
q2が1であり;m2およびj2が独立に2〜8の整数であり;
式(2−1)において、R3およびR4が独立に水素または炭素数1〜8のアルキルであり;P5が式(A1)で表される重合性基であり;q3が1であり;j3が2〜8の整数で
あり;
式(3−1)、式(3−2)および式(3−3)において、X1が独立に単結合、−(
CH2)2−または−HC=CH−であり;X2およびX3が、それぞれ独立に単結合または−(CH2)2−であり;W3、W4およびW5が水素であり;P6、P7、P8、P9、P10お
よびP11が式(A1)で表される重合性基であり;k3、k4、k5、q4、q5およびq6が1であり;m3、m4、m5、j4、j5およびj6が独立に2〜8の整数であること
を特徴とする項[1]に記載の重合性液晶組成物。
第1成分の含有割合が25〜35重量%の範囲であり、第2成分の含有割合が35〜45重量%の範囲であり、第3成分の含有割合が25〜35重量%の範囲であり(ただし、重合性液晶組成物において、第1成分、第2成分および第3成分の合計量を100重量%とした場合。);
式(1−2)において、Y1が独立に−O−または−O−CO−O−であり;W2がメチルであり;P1、P2、P3およびP4が式(A1)で表される重合性基であり;k2および
q2が1であり;m2およびj2が独立に2〜6の整数であり;
式(2−1)において、R3およびR4が独立に水素または炭素数2〜6のアルキルであり;P5が式(A1)で表される重合性の基であり;q3が1であり;j3が2〜6の整数
であり;
式(3−1)、式(3−2)および式(3−3)において、X1が独立に単結合、−(
CH2)2−または−HC=CH−であり;X2およびX3が、それぞれ独立に単結合または−(CH2)2−であり;W3、W4およびW5が水素であり;P6、P7、P8、P9、P10お
よびP11が式(A1)で表される重合性基であり;k3、k4、k5、q4、q5およびq6が1であり;m3、m4、m5、j4、j5およびj6が独立に4〜6の整数であること
を特徴とする項[1]に記載の重合性液晶組成物。
[7] さらに、溶媒を含有することを特徴とする項[1]〜[6]のいずれかに記載の重合性液晶組成物。
[9] 項[1]〜[7]のいずれかに記載の重合性液晶組成物を重合して得られ、かつ配向が固定化されていることを特徴とする重合体。
[11] 基板上に、項[1]〜[7]のいずれかに記載の重合性液晶組成物を塗布し、ハイブリッド配向させて重合性液晶層を形成し、該液晶層を構成する重合性液晶組成物を重合して配向を固定化することを特徴とする光学異方性フィルムの製造方法。
[13] 基板が、ラビング処理されたポリイミド配向膜を表面に有するガラス基板、鹸化処理したトリアセチルセルロースフィルムまたは親水化処理したノルボルネン系樹脂フィルムであることを特徴とする項[11]に記載の光学異方性フィルムの製造方法。
[15] 項[10]に記載の光学異方性フィルムを有することを特徴とする光学補償素子。
[17] 項[15]に記載の光学補償素子を、液晶セルの内面または外面に有することを特徴とする液晶表示装置。
[用語の説明]
この明細書における用語の使い方は次のとおりである。液晶化合物は、液晶相を有する化合物、および液晶相を有しないが液晶組成物の成分として有用な化合物の総称である。液晶相はネマチック相、スメクチック相、コレステリック相などであり、多くの場合ネマチック相を意味する。重合性は、光、熱、触媒などの手段により単量体が重合し、重合体を与える能力を意味する。「化合物(1−1)」は式(1−1)で表される化合物を意味し、他の式で表される化合物や基などについても同様に表記する。また、「化合物(1)」は、化合物(1−1)および化合物(1−2)の群から選択される少なくとも1つの化合物を意味し、化合物(2)および化合物(3)についても同様である。組成物の成分である化合物(1)、化合物(2)および化合物(3)の割合(%)は、これら3種類の重合性化合物の全重量に基づいて算出した重量%(wt%)である。また、組成物における、その他の成分の添加量(%)は、化合物(1)、(2)および(3)の全重量に基づいた重量%である。
度であるねじれ)などに分類される。ホモジニアス(homogenerous;平行)は、配向ベクトルが基板に平行で、かつ一方向に並んでいる状態をいう。ホモジニアス配向におけるチルト角の例は0度から5度である。ホメオトロピック(homeotropic;垂直)は、配向ベ
クトルが基板に垂直である状態をいう。ホメオトロピック配向におけるチルト角の例は、85度から90度である。ハイブリッド(hybrid)は、配向ベクトルが基板から離れるにしたがって、平行から垂直に立ちあがっている状態をいう。チルト配向におけるチルト角(傾き角)の例は5度から85度である。ツイストは、配向ベクトルが基板に平行ではあるが、らせん軸を中心に階段状にねじれている状態をいう。ツイスト配向におけるチルト角の例は0度から5度である。
<主成分>
本発明の重合性液晶組成物は、第1成分、第2成分および第3成分を含有し、第1成分は上記式(1−1)および式(1−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物(1)であり、第2成分は上記式(2−1)で表される群から選択される少なくとも1つの化合物(2)であり、第3成分は上記式(3−1)、式(3−2)および式(3−3)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物(3)である。
−O−である。W1は独立に水素またはフッ素であり、好ましくは水素である。W2は水素またはメチルであり、好ましくはメチルである。R1およびR2は独立に水素またはメチルである。P1、P2、P3およびP4は、独立に上記式(A1)〜(A8)で表される重合性基のいずれかであり、好ましくは重合性基(A1)である。k1、k2、q1およびq2は独立に0〜1の整数であり、好ましくは1である。m1、m2、j1およびj2は独立に1〜10の整数であり、好ましくは2〜8の整数であり、さらに好ましくは2〜6の整数である。
、好ましくは重合性基(A1)である。q3は0〜1の整数であり、好ましくは1である
。j3は1〜10の整数であり、好ましくは2〜8の整数であり、さらに好ましくは2〜
6の整数である。
れぞれ独立に単結合、−(CH2)2−または−HC=CH−であり、X2およびX3は独立に単結合または−(CH2)2−であることが好ましい。W3、W4およびW5は、それぞれ
独立に水素またはフッ素であり、好ましくは水素である。P6、P7、P8、P9、P10およびP11は、重合性基(A1)〜(A8)のいずれかであり、好ましくは重合性基(A1)である。k3、k4、k5、q4、q5およびq6は、それぞれ独立に0〜1の整数であり、好ましくは1である。m3、m4、m5、j4、j5およびj6は、それぞれ独立に1〜10の整数であり、好ましくは2〜8の整数であり、さらに好ましくは4〜6の整数である。
本発明の重合性液晶組成物を基板上で重合させて得られる光学異方性フィルムは、均一で良好なハイブリッド配向性を示し、フィルム表面にベタつきがない。また、重合前には室温で十分安定したネマチック相を有している。したがって、重合体の製造工程において、組成物を基板に塗布し、予備焼成した後に、紫外線照射によって重合体を得るまでの間、すぐに結晶が析出することはないことから、本発明の重合性液晶組成物は、室温で十分安定したネマチック相を有し、非常に取扱いが容易であるといえる。
本発明の重合性液晶組成物は、必要に応じて、上記化合物(1)〜(3)以外の重合性化合物(以下「その他の重合性化合物」ともいう。)や添加物などをさらに含有してもよい。その他の重合性化合物は、組成物や重合体の特性をさらに調節するのに適している。添加剤としては、たとえば、シランカップリング剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、微粒子、溶媒などが挙げられる。これらの添加物は、重合体の物性を調整するために用いたり、単量体を重合させるために用いることができる。組成物を希釈するためには有機溶媒が好ましい。これらの添加物の量は、その目的を達する程度の少ない量が好ましい。その他の重合性化合物および添加物の例を以下に示す。
第一の例は、ラジカル重合に適した化合物である。このような化合物としては、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、塩化ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニル、ピバリン酸
ビニル、2,2−ジメチルブタン酸ビニル、2,2−ジメチルペンタン酸ビニル、2−メチル−2−ブタン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、2−エチル−2−メチルブタン酸ビニル、N−ビニルアセトアミド、p−t−ブチル安息香酸ビニル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸ビニル、安息香酸ビニル、スチレン、o−、m−またはp−クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペンなどが挙げられる。これらの化合物は、組成物の粘度を調整するのに適している。これらの化合物は、−OCOCH=CH2を有する化合物を主成分とする組成物に添
加するのに適している。
ール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、トリフェニルフォスファイト、トリアルキルフォスファイトなどが挙げられる。好ましい市販品としては、チバ・スペシャリティーズ製の「イルガノックス245」、「イルガノックス1035」などが挙げられる。
またはオキシラン環を有する化合物がある場合に適している。
本発明の重合性液晶組成物を重合させることによって重合体が得られる。この重合体は、室温で十分安定したネマチック相を有し、さらに、重合前後で均一なハイブリッド配向性を示し、重合後には所望の配向形態を容易に達成し、薄膜の表面にベタつきがない。なお、重合体フィルムを調製するに際し、組成物の室温液晶安定性に優れるという特性が特に重要である。
〜3000mJ/cm2、特に好ましくは100〜2000mJ/cm2である。照度は、好ましくは0.1〜5000mW/cm2、さらに好ましくは1〜2000mW/cm2である。組成物が液晶相を有するように、光を照射するときの温度を設定する。好ましい照射温度は100℃以下である。100℃以下の温度であれば熱による重合が起こりにくいので、良好な配向が得られる。
重合体は、液晶表示素子の位相差板や視野角補償膜などに、光学補償を目的として用いられる。産業上の重要な用途の例は、VAモード、IPSモード、TNモード、MVAモードなどの液晶表示素子における視野角補償である。この重合体は、高熱伝導性エポキシ樹脂、接着剤、機械的異方性を持つ合成高分子、化粧品、装飾品、非線型光学材料、情報記憶材料などにも利用できる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(
丸善)などに記載された、有機化学における合成方法を適切に組み合わせることにより合成できる。
1)目視による観察
クロスニコルに配置した2枚の偏光板の間に重合体フィルムを狭持して、フィルム面に垂直方向(傾斜角は0度)から光を照射した。照射の傾斜角を0度から例えば50度に増大させながら透過光の変化を観察した。照射を傾ける方向は、ラビングの方向(液晶の長
軸方向)に一致させた。垂直方向からの透過光が最大であり、垂直方向を中心にラビング方向の左右で透過光強度が対称であることが確認された場合には、ホモジニアス配向(図2参照)であると判断した。ホモジニアス配向では、液晶の配向ベクトルが支持基板(TACフィルム)と平行であるからである。一方、垂直方向を中心にラビング方向の左右で非対称の変化であることが確認された場合には、この液晶分子の配向ベクトルが支持基板(TACフィルム)に対して傾いていることを示すため、ハイブリッド配向(図1参照)であると判断した。
シンテック(株)製偏光解析装置(商品名;OPTIPRO)を用いて、重合体フィルムに550nmの波長の光を照射し、この光の入射角度をフィルム面に対して垂直方向からラビング方向に傾斜させながらレタデーションを測定した。レタデーションはΔn×dで表される。Δnは光学異方性であり、dは重合体フィルムの厚さである。
<組成物(PLC−1)の調製>
以下に示す化合物(1−1−27)30重量%、化合物(2−1−11)40重量%および化合物(3−1−7)30重量%から成る組成物(MIX1)を調製した。
支持基板として、ケン化処理したTACフィルムを、予めフィルムの表面をレーヨン布によりラビング処理して用いた。組成物(PLC−1)を、バーコーターを用いてTACフィルムに塗布した後、70℃に設定したオーブン中で5分間熱処理することにより、溶媒を除去した。生成した塗膜を室温で静置し、表面から結晶の析出が発生するか否かについて観察し、組成物の安定性を評価した。その結果、3日経過しても結晶の析出も無く、組成物(PLC−1)は十分に安定な組成物であることを確認した。
組成物(PLC−1)の安定性評価と同様に、支持基板としてケン化処理したTACフィルムを、予めフィルムの表面をレーヨン布によりラビング処理して用いた。組成物(PLC−1)を、バーコーターを用いてTACフィルム上に塗布した後、70℃に設定したオーブン中で5分間熱処理することにより、溶媒を除去して液晶層を配向させた。生成した塗膜に、超高圧水銀灯(250W)を用いて紫外線(30mW/cm2;365nm)
を窒素雰囲気下、25℃で30秒間照射した。これにより重合体フィルム(F1)が得られた。目視による観察では、重合体フィルム(F1)の配向はハイブリッド配向であった。また、偏光解析装置による測定結果(図1に示す)によってもハイブリッド配向であることを確認した。
<組成物(PLC−2)の調製>
以下に示す化合物(1−2−2)30重量%、化合物(2−1−20)45重量%および化合物(3−2−3)25重量%から成る組成物(MIX2)を調製した。
支持基板として、ケン化処理したTACフィルムを、予めフィルムの表面をレーヨン布によりラビング処理して用いた。組成物(PLC−2)を、バーコーターを用いてTACフィルムに塗布した後、70℃に設定したオーブン中で5分間熱処理することにより、溶媒を除去した。生成した塗膜を室温で静置し、表面から結晶の析出が発生するか否かについて観察し、組成物の安定性を評価した。その結果、3日経過しても結晶の析出も無く、組成物(PLC−2)は十分に安定な組成物であることを確認した。
組成物(PLC−2)の安定性評価と同様に、支持基板としてケン化処理したTACフィルムを、予めフィルムの表面をレーヨン布によりラビング処理して用いた。組成物(PLC−2)を、バーコーターを用いてTACフィルム上に塗布した後、70℃に設定したオーブン中で5分間熱処理することにより、溶媒を除去して液晶層を配向させた。生成し
た塗膜に、超高圧水銀灯(250W)を用いての紫外線(30mW/cm2;365nm
)を窒素雰囲気下、25℃で30秒間照射した。これにより重合体フィルム(F2)が得られた。目視による観察では、重合体フィルム(F2)の配向はハイブリッド配向であった。また、偏光解析装置による測定結果からもハイブリッド配向であることを確認した。
<組成物(PLC−3)の調製>
以下に示す化合物(1−1−27)30重量%、化合物(2−1−11)40重量%および化合物(3−3−3)30重量%から成る組成物(MIX3)を調製した。
支持基板として、ケン化処理したTACフィルムを、予めフィルムの表面をレーヨン布によりラビング処理して用いた。組成物(PLC−3)を、バーコーターを用いてTACフィルムに塗布した後、70℃に設定したオーブン中で5分間熱処理することにより、溶媒を除去した。生成した塗膜を室温で静置し、表面から結晶の析出が発生するか否かについて観察し、組成物の安定性を評価した。その結果、3日経過しても結晶の析出も無く、組成物(PLC−3)は十分に安定な組成物であることを確認した。
組成物(PLC−3)の安定性評価と同様に、支持基板としてケン化処理したTACフィルムを、予めフィルムの表面をレーヨン布によりラビング処理して用いた。組成物(PLC−3)を、バーコーターを用いてTACフィルム上に塗布した後、70℃に設定したオーブン中で5分間熱処理することにより、溶媒を除去して液晶層を配向させた。生成した塗膜に、超高圧水銀灯(250W)を用いての紫外線(30mW/cm2;365nm
)を窒素雰囲気下、25℃で30秒間照射した。これにより重合体フィルム(F3)が得られた。目視による観察では、重合体フィルム(F3)の配向はハイブリッド配向であった。また、偏光解析装置による測定結果からもハイブリッド配向であることを確認した。
<組成物(PLC−4)の調製>
以下に示す化合物(1−1−31)35重量%、化合物(2−1−37)40重量%および化合物(3−1−12)25重量%から成る組成物(MIX4)を調製した。
支持基板として、ケン化処理したTACフィルムを、予めフィルムの表面をレーヨン布によりラビング処理して用いた。組成物(PLC−4)を、バーコーターを用いてTACフィルムに塗布した後、70℃に設定したオーブン中で5分間熱処理することにより、溶媒を除去した。生成した塗膜を室温で静置し、表面から結晶の析出が発生するか否かについて観察し、組成物の安定性を評価した。その結果、3日経過しても結晶の析出も無く、組成物(PLC−4)は十分に安定な組成物であることを確認した。
組成物(PLC−4)の安定性評価と同様に、支持基板としてケン化処理したTACフィルムを、予めフィルムの表面をレーヨン布によりラビング処理して用いた。組成物(PLC−4)を、バーコーターを用いてTACフィルム上に塗布した後、70℃に設定したオーブン中で5分間熱処理することにより、溶媒を除去して液晶層を配向させた。生成した塗膜に、超高圧水銀灯(250W)を用いての紫外線(30mW/cm2;365nm
)を窒素雰囲気下、25℃で30秒間照射した。これにより重合体フィルム(F4)が得られた。目視による観察では、重合体フィルム(F4)の配向はハイブリッド配向であった。また、偏光解析装置による測定結果からもハイブリッド配向であることを確認した。
<組成物(PLC−5)の調製>
以下に示す化合物(CP1)35重量%および化合物(1−1−31)65重量%から成る組成物(MIX5)を調製した。
支持基板としてケン化処理したTACフィルムを、予めフィルムの表面をレーヨン布によりラビング処理して用いた。組成物(PLC−5)を、バーコーターを用いてTACフィルムに塗布した後、70℃に設定したオーブン中で5分間熱処理することにより、溶媒を除去した。生成した塗膜を室温で静置し、表面から結晶の析出が発生するか否かについて観察し、組成物の安定性を評価した。その結果、組成物(PLC−5)はわずか8分で結晶が析出し始め、液晶相が十分に安定な組成物ではないことを確認した。
組成物(PLC−5)の安定性評価と同様に、支持基板としてケン化処理したTACフィルムを、予めフィルムの表面をレーヨン布によりラビング処理して用いた。組成物(PLC−5)を、バーコーターを用いてTACフィルムに塗布した後、70℃に設定したオーブン中で5分間熱処理することにより、溶媒を除去して液晶層を配向させた。生成した塗膜に、超高圧水銀灯(250W)を用いての紫外線(30mW/cm2;365nm)
を窒素雰囲気下、25℃で30秒間照射した。これにより重合体フィルム(F5)が得られた。目視による観察では、重合体フィルム(F5)の配向はハイブリッド配向であった。また、偏光解析装置による測定結果からもハイブリッド配向であることを確認した。
<組成物(PLC−6)の調製>
以下に示す化合物(1−1−27)60重量%および化合物(3−1−7)40重量%から成る組成物(MIX6)を調製した。
支持基板として、ケン化処理したTACフィルムを、予めフィルムの表面をレーヨン布によりラビング処理して用いた。組成物(PLC−6)を、バーコーターを用いてTACフィルムに塗布した後、70℃に設定したオーブン中で5分間熱処理することにより、溶媒を除去した。生成した塗膜を室温で静置し、表面から結晶の析出が発生するか否かについて観察し、組成物の安定性を評価した。その結果、組成物(PLC−6)はわずか7分で結晶が析出し始め、液晶相が十分に安定な組成物ではないことを確認した。
組成物(PLC−6)の安定性評価と同様に、支持基板としてケン化処理したTACフィルムを、予めフィルムの表面をレーヨン布によりラビング処理して用いた。組成物(PLC−6)を、バーコーターを用いてTACフィルム上に塗布した後、70℃に設定したオーブン中で5分間熱処理することにより、溶媒を除去して液晶層を配向させた。生成した塗膜に、超高圧水銀灯(250W)を用いての紫外線(30mW/cm2;365nm
)を窒素雰囲気下、25℃で30秒間照射した。これにより重合体フィルム(F6)が得られた。目視による観察では、重合体フィルム(F6)の配向はホモジニアス配向であった。また、偏光解析装置による測定結果(図2に示す)によってもホモジニアス配向であることを確認した。
<組成物(PLC−7)の調製>
以下に示す化合物(1−1−27)70重量%および化合物(2−1−11)30重量%から成る組成物(MIX7)を調製した。
支持基板として、ケン化処理したTACフィルムを、予めフィルムの表面をレーヨン布によりラビング処理して用いた。組成物(PLC−7)を、バーコーターを用いてTAC
フィルムに塗布した後、70℃に設定したオーブン中で5分間熱処理することにより、溶媒を除去した。生成した塗膜を室温で静置し、表面から結晶の析出が発生するか否かについて観察し、組成物の安定性を評価した。その結果、組成物(PLC−7)はわずか5分で結晶が析出し始め、液晶相が十分に安定な組成物ではないことを確認した。
組成物(PLC−7)の安定性評価と同様に、支持基板としてケン化処理したTACフィルムを、予めフィルムの表面をレーヨン布によりラビング処理して用いた。組成物(PLC−7)を、バーコーターを用いてTACフィルム上に塗布した後、70℃に設定したオーブン中で5分間熱処理することにより、溶媒を除去して液晶層を配向させた。生成した塗膜に、超高圧水銀灯(250W)を用いての紫外線(30mW/cm2;365nm
)を窒素雰囲気下、25℃で30秒間照射した。これにより重合体フィルム(F7)が得られた。目視による観察では、重合体フィルム(F7)の配向はハイブリッド配向であった。また、偏光解析装置による測定結果からもハイブリッド配向であることを確認した。
Claims (18)
- 第1成分として下記式(1−1)および式(1−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物と、第2成分として下記式(2−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物と、第3成分として下記式(3−1)、式(3−2)および式(3−3)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物とを含有することを特徴とする重合性液晶組成物。
Y1は独立に−O−または−O−CO−O−であり;
W1は独立に水素またはフッ素であり、W2は水素またはメチルであり;
R1およびR2は独立に水素またはメチルであり;
P1、P2、P3およびP4は独立に下記式(A1)〜(A8)のいずれかで表される重合性基であり;
k1、k2、q1およびq2は独立に0〜1の整数であり;
m1、m2、j1およびj2は独立に1〜10の整数であり;
式(2−1)において、
R3およびR4は独立に水素または炭素数1〜10のアルキルであり;
P5は下記式(A1)〜(A8)のいずれかで表される重合性基であり;
q3は0〜1の整数であり;j3は1〜10の整数であり;
式(3−1)、式(3−2)および式(3−3)において、
X1、X2およびX3は、それぞれ独立に単結合、−(CH2)2−または−HC=CH−で
あり;
W3、W4およびW5は、それぞれ独立に水素またはフッ素であり;
P6、P7、P8、P9、P10およびP11は独立に下記(A1)〜(A8)のいずれかで表される重合性基であり;
k3、k4、k5、q4、q5およびq6は独立に0〜1の整数であり;
m3、m4、m5、j4、j5およびj6は独立に1〜10の整数である。]
- 第1成分の含有割合が20〜40重量%の範囲であり、第2成分の含有割合が30〜50重量%の範囲であり、第3成分の含有割合が20〜40重量%の範囲であり(ただし、重合性液晶組成物において、第1成分、第2成分および第3成分の合計量を100重量%とした場合。);
式(1−1)および式(1−2)において、Y1が独立に−O−または−O−CO−O
−であり;W1が独立に水素であり;W2が水素またはメチルであり;R1およびR2が独立に水素またはメチルであり;P1、P2、P3およびP4が式(A1)で表される重合性基であり;k1、k2、q1およびq2が1であり;m1、m2、j1およびj2が独立に2〜8の整数であり;
式(2−1)において、R3およびR4が独立に水素または炭素数1〜8のアルキルであり;P5が式(A1)で表される重合性基であり;q3が1であり;j3が2〜8の整数で
あり;
式(3−1)、式(3−2)および式(3−3)において、X1、X2およびX3が、そ
れぞれ独立に単結合、−(CH2)2−または−HC=CH−であり;W3、W4およびW5
が、それぞれ独立に水素またはフッ素であり;P6、P7、P8、P9、P10およびP11が式(A1)で表される重合性基であり;k3、k4、k5、q4、q5およびq6が1であり;m3、m4、m5、j4、j5およびj6が独立に2〜8の整数であること
を特徴とする請求項1に記載の重合性液晶組成物。 - 第1成分が式(1−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物であり;
第1成分の含有割合が25〜35重量%の範囲であり、第2成分の含有割合が35〜45重量%の範囲であり、第3成分の含有割合が25〜35重量%の範囲であり(ただし、重合性液晶組成物において、第1成分、第2成分および第3成分の合計量を100重量%とした場合。);
式(1−1)において、W1が水素であり;R1およびR2が独立に水素またはメチルで
あり;P1およびP2が式(A1)で表される重合性基であり;k1およびq1が1であり;m1およびj1が独立に2〜6の整数であり;
式(2−1)において、R3およびR4が独立に水素または炭素数2〜6のアルキルであり;P5が式(A1)で表される重合性基であり;q3が1であり;j3が2〜6の整数で
あり;
式(3−1)、式(3−2)および式(3−3)において、X1が独立に単結合、−(
CH2)2−または−HC=CH−であり;X2およびX3が、それぞれ独立に単結合または
−(CH2)2−であり;W3、W4およびW5が、それぞれ独立に水素であり;P6、P7、
P8、P9、P10およびP11が式(A1)で表される重合性基であり;k3、k4、k5、q4、q5およびq6が1であり;m3、m4、m5、j4、j5およびj6が独立に4〜6の整数であること
を特徴とする請求項1に記載の重合性液晶組成物。 - 第1成分が式(1−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物であり;
第1成分の含有割合が20〜40重量%の範囲であり、第2成分の含有割合が30〜50重量%の範囲であり、第3成分の含有割合が20〜40重量%の範囲であり(ただし、重合性液晶組成物において、第1成分、第2成分および第3成分の合計量を100重量%とした場合。);
式(1−2)において、Y1が独立に−O−または−O−CO−O−であり;W2が水素またはメチルであり;P3およびP4が式(A1)で表される重合性基であり;k2および
q2が1であり;m2およびj2が独立に2〜8の整数であり;
式(2−1)において、R3およびR4が独立に水素または炭素数1〜8のアルキルであり;P5が式(A1)で表される重合性基であり;q3が1であり;j3が2〜8の整数で
あり;
式(3−1)、式(3−2)および式(3−3)において、X1が独立に単結合、−(
CH2)2−または−HC=CH−であり;X2およびX3が、それぞれ独立に単結合または−(CH2)2−であり;W3、W4およびW5が水素であり;P6、P7、P8、P9、P10お
よびP11が式(A1)で表される重合性基であり;k3、k4、k5、q4、q5およびq6が1であり;m3、m4、m5、j4、j5およびj6が独立に2〜8の整数であること
を特徴とする請求項1に記載の重合性液晶組成物。 - 第1成分が式(1−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの化合物であり;
第1成分の含有割合が25〜35重量%の範囲であり、第2成分の含有割合が35〜45重量%の範囲であり、第3成分の含有割合が25〜35重量%の範囲であり(ただし、重合性液晶組成物において、第1成分、第2成分および第3成分の合計量を100重量%とした場合。);
式(1−2)において、Y1が独立に−O−または−O−CO−O−であり;W2がメチルであり;P1、P2、P3およびP4が式(A1)で表される重合性基であり;k2および
q2が1であり;m2およびj2が独立に2〜6の整数であり;
式(2−1)において、R3およびR4が独立に水素または炭素数2〜6のアルキルであり;P5が式(A1)で表される重合性の基であり;q3が1であり;j3が2〜6の整数
であり;
式(3−1)、式(3−2)および式(3−3)において、X1が独立に単結合、−(
CH2)2−または−HC=CH−であり;X2およびX3が、それぞれ独立に単結合または−(CH2)2−であり;W3、W4およびW5が水素であり;P6、P7、P8、P9、P10お
よびP11が式(A1)で表される重合性基であり;k3、k4、k5、q4、q5およびq6が1であり;m3、m4、m5、j4、j5およびj6が独立に4〜6の整数であること
を特徴とする請求項1に記載の重合性液晶組成物。 - さらに、重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の重合性液晶組成物。
- さらに、溶媒を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の重合性液晶組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の重合性液晶組成物からなり、ハイブリッド配向していることを特徴とする重合性液晶層。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の重合性液晶組成物を重合して得られ、かつ配向が固定化されていることを特徴とする重合体。
- 請求項8に記載の重合性液晶層を構成する重合性液晶組成物を重合し、配向を固定化することによって得られることを特徴とする光学異方性フィルム。
- 基板上に、請求項1〜7のいずれかに記載の重合性液晶組成物を塗布し、ハイブリッド配向させて重合性液晶層を形成し、該液晶層を構成する重合性液晶組成物を重合して配向を固定化することを特徴とする光学異方性フィルムの製造方法。
- 基板が、トリアセチルセルロースフィルムまたはノルボルネン系樹脂フィルムであることを特徴とする請求項11に記載の光学異方性フィルムの製造方法。
- 基板が、ラビング処理されたポリイミド配向膜を表面に有するガラス基板、鹸化処理したトリアセチルセルロースフィルムまたは親水化処理したノルボルネン系樹脂フィルムであることを特徴とする請求項11に記載の光学異方性フィルムの製造方法。
- ノルボルネン系樹脂フィルムの親水化処理が、プラズマ処理またはコロナ処理であることを特徴とする請求項13に記載の光学異方性フィルムの製造方法。
- 請求項10に記載の光学異方性フィルムを有することを特徴とする光学補償素子。
- 請求項10に記載の光学異方性フィルムと偏光板とを有することを特徴とする光学素子。
- 請求項15に記載の光学補償素子を、液晶セルの内面または外面に有することを特徴とする液晶表示装置。
- 請求項16に記載の光学素子を、液晶セルの内面または外面に有することを特徴とする液晶表示装置。
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