JP5359030B2 - 重合性液晶組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、重合性コレステリック液晶組成物、その組成物を重合させて得られる光学異方性を有するフィルム、およびこのフィルムの用途に関する。
近年、光学異方性を有するフィルムには、重合性の液晶化合物が利用されている。これらは液晶状態で光学異方性を有し、重合することによって液晶性化合物の配向が固定化される。光学活性化合物を重合性の液晶化合物あるいは組成物に添加することによって螺旋構造が誘起されるが、螺旋のピッチによって種々の光学素子としての応用がある。
可視光の選択反射を利用した応用例としては、装飾部材などの意匠用途および液晶表示素子に用いられるカラーフィルターへの応用を挙げることができる。さらに、反射光および透過光が独特の金属光沢を有すること、視野角により色調が変化すること、そしてこのような光学特性を通常の複写機では複製できないことなどの特徴を利用することにより、偽造防止用途への応用も可能である。また、このような円偏光分離機能を応用して、偏光板に1/4波長板と円偏光分離機能を発現する光学異方性膜を積層する構成の輝度向上フィルムが提案されている。このような用途に対しては、全可視光領域(波長350〜750nmの領域)で円偏光分離機能が発現されることが望まれるため、ピッチの異なる層を複数積層するか、または膜厚方向にピッチが連続的に変化するようにすればよい(非特許文献1)。
液晶ディスプレイの光学補償膜としての応用としては、例えば、STN(Super Twisted Nematic)型液晶ディスプレイにおける光学補償がある(特許文献1)。また、可視光を透過して、波長域が350nm以下の紫外線を反射するような、コレステリック配向層を固定化したフィルムは、ネガティブC−プレートと呼ばれる。ネガティブC−プレートは、VA(Vertically Aligned)、TN(Twisted Nematic)、OCB(Optically Compensated Birefringence)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)などの表示素子における視野角特性改善に適した光学補償板として用いられる。ネガティブC−プレートは、正の複屈折を示すポジティブA−プレートなどの光学補償層と組み合わせてVAモードの視野角補償に用いることができる(特許文献2および3)。
上記いずれの用途に対しても、光重合性の液晶に対する硬化前の特性として、室温でコエステリック相を有し、良好な配向性を示し、UV照射による速硬性を有し、硬化後の特性として、適切なΔnを有し、透明性を有し、耐熱性および耐湿性に優れた光重合性コレステリック液晶組成物の開発が望まれている。
また、化合物を最適化する際、前記の光学特性に加えて、重合性、重合体の物理的・化学的な特性に対する要求も満足する必要がある。この特性は、化合物の重合速度、重合度、重合体の透明性、機械的強度、塗布性、溶解度、結晶化度、収縮性、透水度、吸水性、ガス透過性、融点、ガラス転移点、透明点、耐熱性、耐薬品性などである。
本発明者はオキシラニルやオキセタニルなどの環状エーテル基を重合性基とするコレステリック重合性液晶組成物を提案した(特許文献4)。これらの組成物は空気開放下で紫外線硬化でき、ケン化トリアセチルセルロースフィルムと優れた密着性を示すなど優れた特性を示す。しかし、これらの組成物の主成分であるアキラルな重合性液晶化合物(例えば、特開2005−60373号公報およびLiquid Crystal, Vol.31, No.12, 1627-1637 (2004))は製造工程が長く、コストが高い。
Y. Hisatake et al, Asia Display/IDW' 01 LCT8-2 特開2002−6138号公報 特開平10−153802号公報 特開平10−152782号公報 特開2005−263778号公報
本発明の第1の目的は、UV硬化特性と配向性に優れたコレステリック重合性液晶組成物の提供である。この重合性液晶組成物は溶剤を加えた溶液として保存されることが多い。従って、第2の目的は保存安定性に優れた重合性液晶溶液の提供である。第3の目的は、この組成物をプラスチックフィルムまたはガラス上に塗布して、配向させ、重合させた重合体フィルムをネガティブC−プレートとして提供することである。また、このネガティブC−プレートに、液晶ディスプレイの光学補償フィルムに使用できるための十分な透明性を与えることである。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく、アクリル基を有する重合性液晶化合物を主成分とする組成物に環状エーテルを重合性基とする化合物(光学活性)を混合した組成物を調製した。そしてこの組成物に適当な光重合開始剤を選択して添加することによって、紫外線硬化が進行し、硬化して得られたフィルム(ネガティブC−プレート)が十分な透明性と塗工作業に十分で良好な液晶相保持時間を有することを見い出し、本発明を完成した。本発明の重合性液晶組成物は次の[1]項で示される。
[1] 式(1−1)および式(1−2)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの液晶化合物である(A)成分、式(2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの液晶化合物である(B)成分、式(3)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの液晶化合物である(C)成分、および式(4)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの光学活性化合物である(D)成分からなる組成物であって、この組成物の全重量に基づいて(A)成分の割合が0〜44重量%であり、(B)成分の割合が0〜40重量%であり、(C)成分の割合が11〜80重量%であり、そして(D)成分の割合が5〜15重量%である重合性液晶組成物:

Figure 0005359030
式(1−1)において、RおよびRは独立して水素、メチル、エチル、フッ素または塩素であり;Wは独立して水素またはフッ素であり;そしてm1は独立して1〜10の整数であり;
式(1−2)において、Rは水素、メチル、フッ素、塩素、アセチル、アセトキシまたはメトキシであり;Yは独立して−O−または式(5)で表される基であり;そしてm2は独立して1〜10の整数であり;

Figure 0005359030
式(2)において、Rはシアノ、フッ素、塩素、−OCF、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のアルコキシであり;Yは単結合、−O−または式(5)で表される基であり;Yは単結合、−COO−、−OCO−または−C≡C−であり;Wは水素またはフッ素であり;そしてm2は1〜10の整数であり;
式(3)において、Yは独立して単結合または−O−であり;そしてnは独立して0〜10の整数であり;
式(4)において、Rは独立してメチルまたはエチルであり;Aは独立して1,4−フェニレンまたは4,4’−ビフェニレンであり、そしてAも独立して1,4−フェニレンまたは4,4’−ビフェニレンであり;Yは独立して−COO−または−OCO−であり;Qは独立して単結合または炭素数1〜10のオキシアルキレンであり;そして、pは独立して0または1である。
本発明の重合性液晶組成物の特徴は、次の通りである。
(1)溶液を基板に塗工し、加温により溶媒乾燥後室温に放置しても、再結晶化しにくく安定に液晶状態を保つことができるため、塗工から硬化作業までの作業性の向上が可能となる。
(2)基板フィルム(例えばケン化TAC)との密着性が良く、剥がれが生じにくい。
(3)UV照射量が少なくても、タック性のない耐熱性を有するフィルムが得られる。
(4)本発明の組成物を重合して得られるフィルムは、透明性が高くネガティブC−プレートなどの光学補償フィルムに用いることができる。
この明細書における用語の使い方は次のとおりである。液晶性化合物は、ネマチック相、スメクチック相などの液晶相を有する化合物および液晶相を有しないが液晶組成物の成分として有用な化合物の総称である。液晶表示素子は液晶表示パネルおよび液晶表示モジュールの総称である。式(1−1)で表わされる化合物を化合物(1−1)と略すことがある。この略記法は式(2)などで表される化合物にも適用することがある。実施例においては、電子天秤の表示データを質量単位であるg(グラム)を用いて示した。重量%や重量比はこのような数値に基づくデータである。
本発明は上記の[1]項と下記の[2]〜[9]項とで構成される。
[2] (A)成分の割合が5〜44重量%であり、(B)成分の割合が0〜30重量%であり、(C)成分の割合が30〜80重量%であり、そして(D)成分の割合が5〜15重量%であって;
式(1−1)において、RおよびRが独立して水素またはメチルであり;Wが水素またはフッ素であり;そしてm1が2〜8の整数であり;
式(1−2)において、Rが水素またはメチルであり;Yが−O−または式(5)で表される基であり;そしてm2が2〜8の整数であり;
式(2)において、Rがシアノ、−OCF、炭素数2〜8のアルキル、または炭素数2〜8のアルコキシであり;Yが−O−または式(5)で表される基であり;Yが単結合または−COO−であり;Wが水素であり;そしてm2が2〜8の整数であり;
式(3)において、Yが独立して単結合または−O−であり;そしてnが独立して0〜4の整数であり;
式(4)において、Rがエチルであり;Aが1,4−フェニレンまたは4,4’−ビフェニレンであって、Aも1,4−フェニレンまたは4,4’−ビフェニレンであり;Yが−OCO−であり;Qが単結合または炭素数2〜8のオキシアルキレンであり;そしてpが0または1である、
[1]項に記載の重合性液晶組成物。
[3] (A)成分の割合が10〜40重量%であり、(B)成分の割合が2〜25重量%であり、(C)成分の割合が30〜70重量%であり、そして(D)成分の割合が7〜13重量%であって;
式(1−1)において、RおよびRが独立して水素またはメチルであり;Wが水素またはフッ素であり;そしてm1が2〜8の整数であり;
式(1−2)において、Rが水素またはメチルであり;Yが−O−または式(5)で表される基であり;そしてm2が2〜8の整数であり;
式(2)において、Rがシアノ、−OCF、炭素数2〜8のアルキル、または炭素数2〜8のアルコキシであり;Yが−O−または式(5)で表される基であり;Yが単結合または−COO−であり;Wが水素であり;そしてm2が2〜8の整数であり;
式(3)において、Yが独立して単結合または−O−であり;そしてnが独立して0〜4の整数であり;
式(4)において、Rがエチルであり;Aが1,4−フェニレンまたは4,4’−ビフェニレンであって、Aも1,4−フェニレンまたは4,4’−ビフェニレンであり;Yが−OCO−であり;Qが単結合または炭素数2〜8のオキシアルキレンであり;そしてpが0または1である、
[1]項に記載の重合性液晶組成物。
[4] (A)成分が式(1−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの液晶化合物であってその割合が5〜44重量%であり、(B)成分の割合が0〜30重量%であり、(C)成分の割合が30〜80重量%であり、そして(D)成分の割合が5〜15重量%であって;
式(1−1)において、RおよびRが独立して水素またはメチルであり;Wが水素またはフッ素であり;そしてm1が2〜8の整数であり;
式(2)において、Rがシアノ、−OCF、炭素数2〜8のアルキル、または炭素数2〜8のアルコキシであり;Yが−O−または式(5)で表される基であり;Yが単結合または−COO−であり;Wが水素であり;そしてm2が2〜8の整数であり;
式(3)において、Yが独立して単結合または−O−であり;そしてnが独立して0〜4の整数であり;
式(4)において、Rがエチルであり;Aが1,4−フェニレンまたは4,4’−ビフェニレンであって、Aも1,4−フェニレンまたは4,4’−ビフェニレンであり;Yが−OCO−であり;Qが単結合または炭素数2〜8のオキシアルキレンであり;そしてpが0または1である、
[1]項に記載の重合性液晶組成物。
[5] (A)成分が式(1−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの液晶化合物であってその割合が5〜44重量%であり、(B)成分の割合が0〜30重量%であり、(C)成分の割合が30〜80重量%であり、そして(D)成分の割合が5〜15重量%であって;
式(1−2)において、Rが水素またはメチルであり;Yが−O−または式(5)で表される基であり;そしてm2が2〜8の整数であり;
式(2)において、Rがシアノ、−OCF、炭素数2〜8のアルキル、または炭素数2〜8のアルコキシであり;Yが−O−または式(5)で表される基であり;Yが単結合または−COO−であり;Wが水素であり;そしてm2が2〜8の整数であり;
式(3)において、Yが独立して単結合または−O−であり;そしてnが独立して0〜4の整数であり;
式(4)において、Rがエチルであり;Aが1,4−フェニレンまたは4,4’−ビフェニレンであって、Aも1,4−フェニレンまたは4,4’−ビフェニレンであり;Yが−OCO−であり;Qが単結合または炭素数2〜8のオキシアルキレンであり;そしてpが0または1である、
[1]項に記載の重合性液晶組成物。
[6] [1]〜[5]のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物を重合させることによって得られる重合体。
[7] [1]〜[5]のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物を透明プラスチック基板上またはガラス基板上に塗布して配向させ、これを重合させることによって得られる光学異方性を有する重合体のフィルム。
[8] [7]項に記載の光学異方性を有する重合体のフィルムの、ネガティブC−プレートとしての使用。
[9] [8]項に記載のネガティブC−プレートとポジティブA−プレートと偏光板を積層させた視野角補償フィルム。
本発明の請求項1に記載の組成物は、上記のように(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分からなる組成物である。しかしながら、(A)成分および(B)成分がそれぞれ0重量%であってもよいので、この組成物に関する請求項1の定義は(A)〜(D)の4成分すべてを含まねばならないことを意味しない。また、この定義は(A)〜(D)以外の他の成分が請求項1に記載の組成物に含まれないことを意味するが、これは本発明において(A)〜(D)以外の成分が用いられないことを意味するものではない。本発明において用いる各成分の割合を説明し易くするために、便宜上(A)〜(D)以外の他の成分を含まない組成物として定義する。
本発明の組成物の(A)成分は、2つのアクリロイルオキシ基を有する液晶化合物であって、式(1−1)および式(1−2)のそれぞれで表される化合物の群から少なくとも1つ選択される。

Figure 0005359030
式(1−1)において、RおよびRは独立して水素、メチル、エチル、フッ素、または塩素であり、好ましくは独立して水素またはメチルである。Wは独立して水素またはフッ素である。そして、m1は独立して1〜10の整数であり、好ましくは2〜8の整数である。式(1−1)には2つのWが存在するが、これらは同じ基であっても異なる基であって構わない。m1についても同様である。しかしながら、製造工程を考慮すれば、2つのWが同じ基を示すことが好ましく、2つのm1が同じ数を示すことが好ましい。2つのWが異なる基を示し、2つのm1が異なる数を示すような化合物は、製造の過程で、複数の化合物(1−1)の混合物となる可能性があるが、化合物(1−1)を成分として用いる効果に支障はない。特に好ましい化合物(1−1)の例は、式(1−1)において、RおよびRの少なくとも1つがメチルであり、Wが水素またはフッ素であり、そしてm1が2〜8の整数である化合物である。
式(1−2)において、Rは水素、メチル、フッ素、塩素、アセチル、アセトキシまたはメトキシであり、好ましくは水素またはメチルである。Yは独立して−O−または式(5)で表される基である。

Figure 0005359030
そして、m2は独立して1〜10の整数であり、好ましくは2〜8の整数である。式(1−2)には2つのYが存在するが、これらは同じ基であっても異なる基であって構わない。m2についても同様である。しかしながら、製造工程を考慮すれば、2つのYが同じ基を示すことが好ましく、2つのm2が同じ数を示すことが好ましい。2つのYが異なる基を示し、2つのm2が異なる数を示すような化合物は、製造の過程で、複数の化合物(1−2)の混合物となっている可能性があるが、化合物(1−2)を成分として用いる効果に支障はない。特に好ましい化合物(1−2)の例は、式(1−2)において、Rが水素またはメチルであり;Yが−O−または式(5)で表される基であり;そしてm2が2〜8の整数である化合物である。
化合物(1−1)および化合物(1−2)は広い温度範囲でネマチック液晶相を示すので、本発明の組成物の液晶性を保つために使用される。特にNI点(ネマチック相から等方性液体相への相転移温度)が高いことから、組成物の構成成分として、組成物のNI点を高くするために必要な成分である。
これらの化合物は重合性基としてアクリロイルオキシ基を有するので、硬化速度の向上が期待できる。本発明の組成物における(A)成分の割合は、組成物の全重量に基づいて0〜44重量%である。好ましい割合は5〜44重量%であり、より好ましい割合は10〜40重量%である。
化合物(1−1)および化合物(1−2)を総称して化合物(1)とすることがある。
化合物(1−1)の具体例は化合物(1−1−1)〜化合物(1−1−8)であり、化合物(1−2)の具体例は、化合物(1−2−1)〜化合物(1−2−11)である。

Figure 0005359030
化合物(1−1)は特開2003−238491号公報に記載の方法により合成することができる。

Figure 0005359030
化合物(1−2−1)〜化合物(1−2−8)はMakromol. Chem. 190, 2255-2268, (1989)に記載の方法で合成することができる。化合物(1−2−9)〜(1−2−11)はWO97/00600号パンフレットに記載の方法により合成することができる。
本発明の組成物の(B)成分は、アクリロイルオキシ基を有する液晶化合物であって、式(2)で表される化合物から少なくとも1つ選択される。

Figure 0005359030
式(2)において、Rはシアノ、フッ素、塩素、−OCF、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のアルコキシであり、好ましくはシアノ、−OCF、炭素数2〜8のアルキル、または炭素数2〜8のアルコキシである。Yは単結合、−O−または前記の式(5)で表される基であり、好ましくは−O−または式(5)で表される基である。Yは単結合、−COO−、−OCO−または−C≡C−であり、好ましくは単結合または−COO−である。Wは水素またはフッ素であり、好ましくは水素である。そしてm2は1〜10の整数であり、好ましくは2〜8の整数である。特に好ましい化合物(2)の例は、式(2)において、Rがシアノ、−OCF、炭素数2〜8のアルキル、または炭素数2〜8のアルコキシであり;Yが−O−または式(5)で表される基であり;Yが単結合または−COO−であり;Wが水素であり;そしてm2が2〜8の整数である化合物である。
化合物(2)は、中心骨格が2環の化合物であり、大体において融点が低いので、本発明の組成物の融点を下げ、室温での液晶相を安定化させる成分として使用される。化合物(2)の使用には組成物の粘度を下げる効果もある。化合物(2)は重合性基としてアクリロイルオキシ基を有するので、硬化速度の向上が期待できる。即ち、化合物(2)の特徴は2環であることとアクリロイルオキシ基を有することである。末端基Rの影響は、これを上記の定義範囲から選択する限り、これらの2つの特徴の影響より小さい。本発明の組成物における(B)成分の割合は、組成物の全重量に基づいて0〜40重量%であり、好ましくは0〜30重量%であり、より好ましくは2〜25重量%である。
化合物(2)の具体例は化合物(2−1)〜化合物(2−11)である。

Figure 0005359030
化合物(2−2)および化合物(2−3)はMacromolecules, 26, 6132-6134, 1993年に合成方法が記載されている。化合物(2−1)は同様の方法で合成できる。化合物(2−4)〜化合物(2−8)はMakromol. Chem. 183, 2311-2321, 1982年に記載の方法で合成できる。化合物(2−9)、化合物(2−10)は特開平5−213829号公報に記載の方法で合成できる。化合物(2−11)はWO97/00600号パンフレットに記載された方法で合成できる。
本発明の組成物の(C)成分は、2つのオキシラニル基を有する液晶化合物であって、式(3)で表される化合物から少なくとも1つ選択される。

Figure 0005359030
式(3)において、Yは独立して単結合または−O−である。そして、nは独立して0〜10の整数であり、好ましくは独立して0〜4の整数である。なお、式(3)においては、−Y−(CH−が−O−となる選択肢および−(CH−Y−が−O−となる選択肢はない。即ち、Y−が−O−であるとき、nは1〜10の整数であり、好ましくは1〜4の整数である。
化合物(3)は、中心骨格が2環の化合物であり、大体において融点が低いため、本発明の組成物の融点を下げ、室温での液晶相を安定化させる成分として使用される。重合性基としてオキシラニル基を有するので、オキセタニル基を有する光学活性化合物との共存で重合反応を促進させる効果を期待できる。本発明の組成物における(C)成分の割合は、組成物の全重量に基づいて11〜80重量%であり、好ましくは30〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%である。
化合物(3)の具体例は、化合物(3−1)〜化合物(3−6)である。

Figure 0005359030
化合物(3−1)〜化合物(3−6)は、Macromolecules, 26, 1244-1247 (1993)、Macromol. Chem. Phys, 202, 180-187 (2001)などに合成方法が開示されている。
本発明の組成物の(D)成分は式(4)で表される光学活性化合物から少なくとも1つ選択される。

Figure 0005359030
式(4)において、Rは独立してメチルまたはエチルであり、好ましくはエチルである。Aは独立して1,4−フェニレンまたは4,4’−ビフェニレンであり、そしてAも独立して1,4−フェニレンまたは4,4’−ビフェニレンである。Yは独立して−COO−または−OCO−であり、好ましくは−OCO−である。Qは独立して単結合または炭素数1〜10のオキシアルキレンであり、好ましくは共に単結合または炭素数2〜8のオキシアルキレンである。そして、pは独立して0または1である。式(4)には同じ記号が2つずつ存在するが、同じ記号であってもそれぞれ異なる基であって構わない。しかしながら、2つの同じ記号(例えば、A)が同じ基(例えば、1、4−フェニレン)を示すことが好ましい。同じ2つの記号のいずれかが異なる基で構成される化合物(4)を得ようとするときには、複数の化合物(4)の混合物が得られる可能性があるが、そのような混合物を用いても化合物(4)を成分として用いる効果に支障はない。化合物(4)の好ましい例は、式(4)において、Rがエチルであり;Aが1,4−フェニレンまたは4,4’−ビフェニレンであって、Aも1,4−フェニレンまたは4,4’−ビフェニレンであり;Yが−OCO−であり;Qが単結合または炭素数2〜8のオキシアルキレンであり;そしてpが0または1である化合物である。
化合物(4)の具体例を次に示す。

Figure 0005359030

Figure 0005359030
化合物(4−1)〜化合物(4−8)は、市販されている3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンまたは3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンをp−トルエンスルホン酸クロリドとピリジンによりトシル化し、これにヒドロキシカルボン酸エステルを反応させてエーテル化を行ない、さらに加水分解することによってカルボン酸誘導体として、最終的にこれと1,1’−ビ−2−ナフトールとのエステル化反応により合成することができる。化合物(4−9)〜化合物(4−12)は特開2005−263778号公報に記載の方法で合成できる。
化合物(4)の顕著な特徴は光学活性基を有することであり、大きな螺旋誘起力(HTP:Helical Twisting Power)を示す。この化合物は液晶性を示さないが、重合性液晶組成物の成分として用いることにより、大きな螺旋誘起力を有する重合性のコレステリック液晶組成物が得られる。化合物(4)はオキセタニル基を持つので、重合に際して重合度を高める効果を有すると期待できる。本発明の組成物における(D)成分の割合は、組成物の全重量に基づいて5〜15重量%であり、好ましくは7〜13重量%である。
本発明の重合性液晶組成物には、光重合触媒を添加する。光重合触媒は光重合開始剤単独でも光増感剤と組み合わせて使用しても良く、組み合わせて使用する方がより好ましい。好ましい光重合開始剤は光カチオン重合触媒であるジアリールヨウドニウム塩(以後、DASと表記する。)である。特に好ましいDASは次に示す化合物(6−1−1)〜化合物(6−1−8)である。最も好ましい光重合開始剤は化合物(6−1−1)である。DASは1種類で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。

Figure 0005359030
化合物(6−1−1)はチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)のイルガキュア250として入手することができる。化合物(6−1−2)はRhodia SiliconesのRHODOSIL Photoinitiator 2094として入手できる。化合物(6−1−3)はみどり化学工業(株)のMPI−103として入手できる。化合物(6−1−4)はみどり化学工業(株)のBBI−102として入手できる。化合物(6−1−5)はみどり化学工業(株)のBBI−103として入手できる。化合物(6−1−6)においてRがC1225の化合物はGEシリコンのUV−9380Cとして入手できる。化合物(6−1−8)は和光純薬工業(株)より入手できる。
本発明の重合性液晶組成物の硬化をより進めるためには、前記のDASに光ラジカル重合開始剤を混合して用いてもよい。光ラジカル重合開始剤の例はベンジルケタール誘導体、α−ヒドロキシアセトフェノンおよびα−アミノアセトフェノン誘導体であり、好ましい例は次に示す化合物(7−3−1)〜化合物(7−3−6)である。特に好ましいラジカル重合開始剤は化合物(7−3−2)、化合物(7−3−3)および化合物(7−3−6)である。ラジカル重合開始剤は1種類で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。

Figure 0005359030
化合物(7−3−1)〜化合物(7−3−6)はチバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社より入手できる。商品名は化合物(7−3−1)は Irgacure651、化合物(7−3−2)は Darocure 1173、化合物(7−3−3)は Irgacure184、化合物(7−3−4)は Irgacure 907、化合物(7−3−5)は Irgacure 369、化合物(7−3−6)はIrgacure127である。
光重合開始剤と光増感剤を併用すると、紫外線に対する感度が向上するので、光重合開始剤の添加量を抑えることができる。光増感剤の例はチオキサントン誘導体、アントラキノン誘導体およびナフトキノン誘導体であり、好ましい例は次に示す化合物(8−2−1)〜化合物(8−2−6)である。特に好ましい光増感剤は化合物(8−2−4)、化合物(8−2−5)および化合物(8−2−6)である。光増感剤は1種類で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。

Figure 0005359030
化合物(8−2−1)においてRが直鎖のブチルである化合物は、川崎化成工業(株)のANTHRACURE UVS-1331として入手できる。化合物(8−2−2)は川崎化成工業(株)のANTHRACURE ET-2111として入手できる。化合物(8−2−3)はLambsonのSpeedcure CTXとして入手できる。化合物(8−2−4)はシェル化学(株)のQuantacure ITXとして入手できる。化合物(8−2−5)は日本化薬(株)のKAYACURE DETX-Sとして入手できる。そして、化合物(8−2−6)はLambsonのSpeedcure CPTXとして入手できる。
光重合触媒における好ましい混合比率は、DAS100重量部および光ラジカル重合開始剤100重量部に対して、光増感剤30〜50重量部である。このような光重合触媒の重合性液晶組成物に対する好ましい添加割合は、重量比で0.01〜0.1であり、より好ましくは0.02〜0.08である。
本発明の重合性液晶組成物の特長は、例えば次のとおりである。
(1)溶液を基板に塗工し、加温により溶媒乾燥後室温に放置しても、再結晶化しにくく安定に液晶状態を保つことができるため、塗工から硬化作業までの作業性の向上が可能となる。
(2)基板フィルム(例えばケン化されたTAC)との密着性が良く、剥がれが生じにくい。
(3)UV照射量が少なくても、タック性のない十分な耐熱性を有するフィルムが得られる。
(4)本発明の組成物を重合して得られるフィルムは、透明性が高くネガティブC−プレートなどの光学補償フィルムに用いることができる。
本発明の重合性液晶組成物は、重合体の物性を調整するために、必要に応じてさらに添加物を加えることができる。添加物の例は、非液晶性の多官能重合性化合物、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、溶剤などである。組成物の成分を構成する原子がその同位体を天然存在比より多く含んでいても、同様の特性を有するので好ましい。
非液晶性の多官能重合性化合物は、重合体の皮膜形成性、機械的強度などを調整する目的で用いられる。このような重合性化合物の例は、多官能のアクリレート化合物である。例えば1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレートトリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールEO付加トリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレート、トリスアクリロキシエチルフォスフェート、ビスフェノールA EO付加ジアクリレート、ビスフェノールAグリシジルジアクリレート(大阪有機化学株式会社製、商品名:ビスコート700)、およびポリエチレングリコールジアクリレートなどである。これらの化合物は、重合体の被膜形成能をさらに高めるのに適している。これらの他、多官能のビニルエーテル化合物やオキセタン化合物なども、非液晶性の重合性化合物として用いることができる。
界面活性剤の例は、4級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、ポリアミン誘導体、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコールおよびそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ペルフルオロアルキルスルホン酸塩、ペルフルオロアルキルカルボン酸塩、ペルフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、ペルフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などである。界面活性剤は組成物を支持基板などに塗布するのを容易にするなどの効果を有する。界面活性剤の好ましい添加割合は、界面活性剤の種類、組成物の組成比などにより異なるが、組成物の全重量に基づいて30ppm〜5重量%の範囲である。さらに好ましい割合は50ppm〜1重量%の範囲である。
酸化防止剤の例は、ヒドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、トリフェニルフォスファイト、トリアルキルフォスファイトなどである。好ましい市販品は、チバ・スペシャリティーズ製のイルガノックス245、イルガノックス1035などである。
紫外線吸収剤の例は、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製のTINUVIN PS、TINUVIN 292、TINUVIN 109、TINUVIN 328、TINUVIN 384−2、TINUVIN 123、TINUVIN 400、TINUVIN 400Lなどである。
溶剤の例は、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、乳酸エチル、乳酸メチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、エタノール、メタノール、イソプロパノール、酢酸3−メトキシブチルなどである。溶剤は単一化合物であってもよいし、または混合物であってもよい。溶剤を用いるときには、本発明の重合性液晶組成物の割合が5〜95重量%の溶液とすることが好ましい。この割合のより好ましい範囲は10〜50重量%である。ただし、この割合は組成物の粘度に応じて設定されるので、ここに示した範囲によって本発明が制限されることはない。
次に、本発明の組成物の重合条件について説明する。この組成物を重合させることによって重合体が得られる。反応の種類としては、光重合反応が好ましい。光重合反応に用いられる好ましい光の種類は、紫外線、可視光線、赤外線などである。電子線、X線などの電磁波を用いてもよい。光の波長は使用する光重合開始剤の吸収波長に合わせ波長を選択する。通常は、紫外線または可視光線が好ましい。好ましい波長の範囲は150〜500nmである。さらに好ましい範囲は250〜450nmであり、最も好ましい範囲は300〜400nmである。光源は、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、ショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)などである。好ましい光源は超高圧水銀ランプである。光源からの光はそのまま組成物に照射してもよい。フィルターによって選択した特定の波長(または特定の波長領域)を組成物に照射してもよい。好ましい照射エネルギー密度は、2〜5000mJ/cmである。さらに好ましい範囲は10〜3000mJ/cmである。特に好ましい範囲は100〜2000mJ/cmである。好ましい照度は0.1〜5000mW/cmである。さらに好ましい照度は1〜2000mW/cmである。組成物が液晶相を有するように、光を照射するときの温度を設定する。好ましい照射温度は100℃以下である。100℃以上の温度では熱による重合が起こり得るので、良好な配向が得られないときがある。
重合体の形状は、フィルム、板などである。重合体は成形されてもよい。フィルムの重合体を得るには、支持基板が一般的に用いられる。支持基板の上に組成物を塗布し、液晶相を有している塗膜(paint film)を重合させるとフィルムが得られる。好ましい重合体の厚さは、重合体の光学異方性の値および用途に依存する。従って、その範囲を厳密に決定することはできないが、好ましい厚さは0.05〜50μmの範囲である。さらに好ましい厚さは0.1〜20μmの範囲である。特に好ましい厚さは0.5〜10μmの範囲である。これらの重合体の好ましいヘイズ値(haze value;曇り度)は、1.5%以下であり、好ましい透過率は80%以上である。より好ましいヘイズ値は1.0%以下であり、より好ましい透過率は95%以上である。透過率については、可視光領域でこれらの条件を満たすことが好ましい。このような重合体は液晶表示素子に用いる光学異方性の薄膜として適している。
支持基板の例は、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリエステル、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートのフィルムなどである。商品名の例は、JSR(株)の「アートン(ARTON)」、日本ゼオン(株)の「ゼオネックス(ZEONEX)」および「ゼオノア(ZEONOR)」、三井化学(株)の「アペル(APEL)」、チコナ社製の「TOPAS」などである。支持基板は一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムなどである。好ましい支持基板はTACフィルムである。TACフィルムは、前処理することなくそのまま用いてもよいし、または必要に応じてケン化処理してもよい。「ゼオネックス」、「アペル」または「TOPAS」は、コロナ放電処理、UV−オゾン処理などの表面処理を行ってもよい。その他の例は、アルミニウム、鉄、銅などの金属製の支持基板、アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、フリントガラスなどのガラス製の支持基板などである。
支持基板上の塗膜は、組成物をそのまま塗布することによって調製される。塗膜は、組成物を適切な溶剤に溶かして塗布したあと、溶剤を除去することによっても調製される。塗布の方法は、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、フローコート法、プリント法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、メニスカスコート法などである。
重合性液晶組成物において、液晶分子の配向を決定する因子は、1)組成物に含有される化合物の種類、2)支持基板の種類、3)配向処理の方法などである。すなわち、配向は、化合物(1)と化合物(2)の混合比率と支持基板の材質にも依存する。そしてさらに、配向は、レーヨン布などで一方向にこする(ラビング)、酸化ケイ素を斜方蒸着させる、スリット状にエッチング加工する、などの方法にも依存する。ラビング処理においては、支持基板を直接的にラビングしてもよい。支持基板をポリイミド、ポリビニルアルコールなどの薄膜でコーティングし、この薄膜をラビングしてもよい。ラビング処理をしなくても、良好な配向を与える特殊な薄膜も知られている。あるいは液晶ポリマーを支持基板にコーティングしてもよい。
次に、本発明の重合体であるフィルムについて説明する。この重合体は本発明の組成物を重合することにより得られる。この重合体フィルムは、ヘイズ値が低い、光弾性(photoelasticity)が小さい、支持基板から剥離しにくい、タックフリーである、耐熱性が大きい、耐候性が大きい、などの特性において、複数の特性を充足する。この重合体は、耐衝撃性、加工性、電気特性、耐溶剤性などの特性にも優れた点がある。重合体のフィルムを調製するために重要な特性は、支持基板から剥離しにくい、充分な硬度を有する、耐熱性が大きい、などの特性である。
重合体の厚さ(d)は次のように調整される。組成物を溶剤で希釈したあと、支持基板上に塗布する方法では、組成物の濃度、塗布する方法、塗布する条件などを適切に選択することによって、目的とする厚さの塗膜を得ることができる。液晶セルを利用する方法も好ましい。液晶セルはポリイミドなどの配向膜を有しているので都合がよい。この液晶セルに組成物を注入する場合には、液晶セルの間隔によって塗膜の厚さを調整することができる。
重合体の用途は次のとおりである。この重合体は、光学異方性を有するフィルムとして使用できる。この重合体の用途の例は、選択反射膜、視野角補償膜などの光学フィルムである。このような重合体は、カラーフィルター、反射型偏光板、位相差板、輝度向上フィルムやネガティブC−プレートなどである。この重合体は、化粧品、装飾品、非線型光学材料、情報記憶材料などにも利用できる。
物性の測定法を記載したあと、実施例により本発明を詳細に説明する。実施例は本発明の一例である。すなわち、本発明は下記の実施例によって限定されない。
<セロファンテープ剥離試験>
測定は、JIS規格「JIS−K−5400、8.5、付着性(8.5.2、碁盤目テープ法)」の試験法に従った。つまり、100のます目のうち、剥離しなかった、ます目の数によって、結果を評価した。
<鉛筆硬度>
測定は、JIS規格「JIS−K−5400、8.4、鉛筆引掻試験」の方法に従った。結果を鉛筆の芯の硬さで表した。
<耐熱性試験>
この試験は、80℃で12時間の条件で行ない、結果はリタデーション(retardation)の変動によって評価した。ガラス基板にポリアミック酸(チッソ(株)のPIA5310)を塗布したあと、210℃で30分加熱して支持基板を調製した。生成したポリイミドの表面はレーヨン布でラビングした。試料のコレステリック重合性液晶組成物をトルエンで希釈して30重量%の溶液を調製した。溶液をスピンコーターで支持基板に塗布し、80℃で3分間加熱したあと、生成した塗膜に超高圧水銀灯(250W)を使って紫外線(30mW/cm:365nm)を室温で30秒間照射した。得られた重合体フィルムのリタデーションを25℃で測定した。重合体を80℃で12時間加熱したあと、再度リタデーションを25℃で測定した。2つの値を比較して耐熱性を評価した。リタデーションは偏光解析装置により測定した。
<光学異方性(Δn)>
上記の耐熱性試験の方法にしたがって重合体フィルムのリタデーション(25℃)の値を測定した。重合体フィルムの厚さ(d)は表面粗さ計で測定した。リタデーションはΔn×dであるから、この関係から光学異方性の値を算出した。
<液晶分子の配向>
重合体フィルム(液晶配向フィルム)は、ケン化処理されたTACフィルム上に調製した。重合体の配向は、透過光強度の角度依存性に基づいて、偏光解析装置による解析で決定した。
<偏光解析装置による測定>
シンテック(株)製のOPTIPRO偏光解析装置を用いた。重合体フィルムに波長が550nmの光を照射した。この光の入射角度をフィルム面に対して90度から減少させながらリタデーション(Δn×d)を測定した。
<タック性の確認>
UV硬化したフィルムを指でさわり、べた付きの有無を確認した。
<保存安定性の確認>
溶液を50℃のオーブンに入れ、加速試験を行い、増粘の程度を確認した。
<ヘイズ値の確認>
日本電色工業製のヘイズメーターを用い、フィルムのヘイズ値を測定した。
<再結晶化までの時間測定>
支持基板として、ケン化処理されたトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)を用いた。ケン化処理されたTACフィルムの接触角を水を用いて測定したところ30°であった。このTACフィルムの表面はレーヨン布でラビングした。重合性液晶溶液を、スピンコーターを用いてTACフィルムに塗布した。塗布後、80℃に設定したオーブン中で3分間熱処理することにより、溶剤を除去して重合成液晶を配向させた。次に室温に置いた金属製のバット上に塗膜を置き室温まで冷却した。そのまま放置し、再結晶化するまでの時間を計測した。
<組成物(PLC−1)の調製>
化合物(1−1−3)、化合物(2−3)、化合物(3−1)および化合物(4−12)からなる重合性コレステリック液晶組成物<MIX1>を調製した。この組成物のNI点は85℃であった。
<MIX1>

Figure 0005359030
次に、この組成物<MIX1>1.0gに対して、光重合触媒である化合物(6−1−1)を0.02g、化合物(7−3−6)を0.02g、光増感剤である化合物(8−2−1)を0.01g加え、これをトルエンに溶解し<MIX1>の含有量が30重量%の重合用組成物(PLC−1)を調製した。

Figure 0005359030
<組成物(PLC−1)の安定性評価>
ケン化処理されたTACフィルムを、予めその表面をレーヨン布でラビング処理して、支持基板として用いた。以下のすべての実施例および比較例で用いられているTACフィルムは、このように処理されたTACフィルムである。組成物(PLC−1)を、スピンコーターを用いてTACフィルムに塗布した後、80℃に設定したオーブン中で3分間熱処理することにより、溶媒を除去した。生成した塗膜を室温で静置し、表面から結晶の析出が発生するか否かについて観察し、組成物の安定性を評価した。その結果、3日経過しても結晶の析出も無く、組成物(PLC−1)は十分に安定な組成物であることを確認した。
<ネガティブC−プレート(F1)の作製>
支持基板としてTACフィルムを用いた。組成物(PLC−1)を、スピンコーターを用いてTACフィルム上に塗布した後、80℃に設定したオーブン中で3分間熱処理することにより、溶媒を除去して液晶層を配向させた。生成した塗膜に、超高圧水銀灯(250W)を用いて紫外線(30mW/cm;365nm)を窒素雰囲気下、25℃で30秒間照射した。これにより重合体フィルム(F1)が得られた。偏光解析装置による測定からネガティブC−プレートであることを確認した。セロファンテープ剥離試験では全く剥がれが無く、総てのますが残存した。ヘイズメーターでヘイズ値を測定すると、0.38%であった。
<組成物(PLC−2)の調製>
化合物(1−2−9)、化合物(2−3)、化合物(3−1)および化合物(4−12)からなる重合性コレステリック液晶組成物<MIX2>を調製した。この組成物のNI点は57℃であった。
<MIX2>

Figure 0005359030
次に、この組成物<MIX2>1.0gに対して、光重合触媒である化合物(6−1−1)を0.02g、化合物(7−3−6)を0.02g、光増感剤である化合物(8−2−1)を0.01g加え、これをトルエンに溶解して、<MIX2>の含有量が30重量%の重合用組成物(PLC−2)を調製した。

Figure 0005359030
<組成物(PLC−2)の安定性評価>
支持基板としてTACフィルムを用いた。組成物(PLC−2)を、スピンコーターを用いてTACフィルムに塗布した後、80℃に設定したオーブン中で3分間熱処理することにより、溶媒を除去した。生成した塗膜を室温で静置し、表面から結晶の析出が発生するか否かについて観察し、組成物の安定性を評価した。その結果、3日経過しても結晶の析出も無く、組成物(PLC−2)は十分に安定な組成物であることを確認した。
<ネガティブC−プレート(F2)の作製>
支持基板としてTACフィルムを用いた。組成物(PLC−2)を、スピンコーターを用いてTACフィルム上に塗布した後、80℃に設定したオーブン中で3分間熱処理することにより、溶媒を除去して液晶層を配向させた。生成した塗膜に、超高圧水銀灯(250W)を用いて紫外線(30mW/cm;365nm)を窒素雰囲気下、25℃で30秒間照射した。これにより重合体フィルム(F2)が得られた。偏光解析装置による測定からネガティブC−プレートであることを確認した。セロファンテープ剥離試験では全く剥がれが無く、総てのますが残存した。ヘイズメーターでヘイズ値を測定すると、0.26%であった。
<組成物(PLC−3)の調製>
化合物(1−1−3)、化合物(2−3)、化合物(3−1)および化合物(4−12)からなる重合性コレステリック液晶組成物<MIX3>を調製した。この組成物のNI点は90℃であった。
<MIX3>

Figure 0005359030
次に、この組成物<MIX3>1.0gに対して、光重合触媒である化合物(6−1−1)を0.02g、化合物(7−3−6)を0.02g、光増感剤である化合物(8−2−1)を0.01g加え、これをトルエンに溶解して、<MIX3>の含有量が30重量%の重合用組成物(PLC−3)を調製した。

Figure 0005359030
<組成物(PLC−3)の安定性評価>
支持基板としてTACフィルムを用いた。組成物(PLC−3)を、スピンコーターを用いてTACフィルムに塗布した後、80℃に設定したオーブン中で3分間熱処理することにより、溶媒を除去した。生成した塗膜を室温で静置し、表面から結晶の析出が発生するか否かについて観察し、組成物の安定性を評価した。その結果、3日経過しても結晶の析出も無く、組成物(PLC−3)は十分に安定な組成物であることを確認した。
<ネガティブC−プレート(F3)の作製>
支持基板としてTACフィルムを用いた。組成物(PLC−3)を、スピンコーターを用いてTACフィルム上に塗布した後、80℃に設定したオーブン中で3分間熱処理することにより、溶媒を除去して液晶層を配向させた。生成した塗膜に、超高圧水銀灯(250W)を用いて紫外線(30mW/cm;365nm)を窒素雰囲気下、25℃で30秒間照射した。これにより重合体フィルム(F3)が得られた。偏光解析装置による測定からネガティブC−プレートであることを確認した。セロファンテープ剥離試験では全く剥がれが無く、総てのますが残存した。
<組成物(PLC−4)の調製>
化合物(1−1−3)、化合物(2−3)、化合物(3−1)および化合物(4−12)からなる重合性コレステリック液晶組成物<MIX4>を調製した。
<MIX4>

Figure 0005359030
次に、この組成物<MIX4>1.0gに対して、光重合触媒である化合物(6−1−1)を0.02g、化合物(7−3−6)を0.02g、光増感剤である化合物(8−2−1)を0.01g加え、これをトルエンに溶解して、<MIX4>の含有量が30重量%の重合用組成物(PLC−4)を調製した。

Figure 0005359030
<組成物(PLC−4)の安定性評価>
支持基板としてTACフィルムを用いた。組成物(PLC−4)を、スピンコーターを用いてTACフィルムに塗布した後、80℃に設定したオーブン中で3分間熱処理することにより、溶媒を除去した。生成した塗膜を室温で静置し、表面から結晶の析出が発生するか否かについて観察し、組成物の安定性を評価した。その結果、3日経過しても結晶の析出も無く、組成物(PLC−4)は十分に安定な組成物であることを確認した。
<ネガティブC−プレート(F4)の作製>
支持基板としてTACフィルムを用いた。組成物(PLC−4)を、スピンコーターを用いてTACフィルム上に塗布した後、80℃に設定したオーブン中で3分間熱処理することにより、溶媒を除去して液晶層を配向させた。生成した塗膜に、超高圧水銀灯(250W)を用いて紫外線(30mW/cm;365nm)を窒素雰囲気下、25℃で30秒間照射した。これにより重合体フィルム(F4)が得られた。偏光解析装置による測定からネガティブC−プレートであることを確認した。セロファンテープ剥離試験では全く剥がれが無く、総てのますが残存した。
<組成物(PLC−5)の調製>
化合物(1−1−3)、化合物(1−2−9)、化合物(2−3)、化合物(3−1)および化合物(4−12)からなる重合性コレステリック液晶組成物<MIX5>を調製した。
<MIX5>

Figure 0005359030
次に、この組成物<MIX5>1.0gに対して、光重合触媒である化合物(6−1−1)を0.02g、化合物(7−3−6)を0.02g、光増感剤である化合物(8−2−1)を0.01g加え、これをトルエンに溶解して、<MIX5>の含有量が30重量%の重合用組成物(PLC−5)を調製した。

Figure 0005359030
<組成物(PLC−5)の安定性評価>
支持基板としてTACフィルムを用いた。組成物(PLC−5)を、スピンコーターを用いてTACフィルムに塗布した後、80℃に設定したオーブン中で3分間熱処理することにより、溶媒を除去した。生成した塗膜を室温で静置し、表面から結晶の析出が発生するか否かについて観察し、組成物の安定性を評価した。その結果、3日経過しても結晶の析出も無く、組成物(PLC−5)は十分に安定な組成物であることを確認した。
<ネガティブC−プレート(F5)の作製>
支持基板としてTACフィルム用いた。組成物(PLC−5)を、スピンコーターを用いてTACフィルム上に塗布した後、80℃に設定したオーブン中で3分間熱処理することにより、溶媒を除去して液晶層を配向させた。生成した塗膜に、超高圧水銀灯(250W)を用いて紫外線(30mW/cm;365nm)を窒素雰囲気下、25℃で30秒間照射した。これにより重合体フィルム(F5)が得られた。偏光解析装置による測定からネガティブC−プレートであることを確認した。セロファンテープ剥離試験では全く剥がれが無く、総てのますが残存した。
<組成物(PLC−6)の調製>
化合物(1−1−3)、化合物(2−3)、化合物(3−1)および化合物(4−12)からなる重合性コレステリック液晶組成物<MIX6>を調製した。
<MIX6>

Figure 0005359030
次に、この組成物<MIX6>1.0gに対して、光重合触媒である化合物(6−1−1)を0.02g、化合物(7−3−6)を0.02g、光増感剤である化合物(8−2−1)を0.01g加え、これをトルエンに溶解して、<MIX6>の含有量が30重量%の重合用組成物(PLC−6)を調製した。

Figure 0005359030
<組成物(PLC−6)の安定性評価>
支持基板としてTACフィルムを用いた。組成物(PLC−6)を、スピンコーターを用いてTACフィルムに塗布した後、80℃に設定したオーブン中で3分間熱処理することにより、溶媒を除去した。生成した塗膜を室温で静置し、表面から結晶の析出が発生するか否かについて観察し、組成物の安定性を評価した。その結果、3日経過しても結晶の析出も無く、組成物(PLC−6)は十分に安定な組成物であることを確認した。
<ネガティブC−プレート(F6)の作製>
支持基板としてTACフィルムを用いた。組成物(PLC−6)を、スピンコーターを用いてTACフィルム上に塗布した後、80℃に設定したオーブン中で3分間熱処理することにより、溶媒を除去して液晶層を配向させた。生成した塗膜に、超高圧水銀灯(250W)を用いて紫外線(30mW/cm;365nm)を窒素雰囲気下、25℃で30秒間照射した。これにより重合体フィルム(F6)が得られた。偏光解析装置による測定からネガティブC−プレートであることを確認した。セロファンテープ剥離試験では全く剥がれが無く、総てのますが残存した。
[比較例1]
<組成物(PLC−7)の調製>
化合物(1−1−3)、化合物(2−3)、化合物(3−1)および化合物(4−12)からなる重合性コレステリック液晶組成物<MIX7>を調製した。この組成物のNI点は120℃であった。
<MIX7>

Figure 0005359030
次に、この組成物<MIX7>1.0gに対して、光重合触媒である化合物(6−1−1)を0.01g、化合物(7−3−2)を0.02g、光増感剤である化合物(8−2−5)を0.01g加え、これをトルエンに溶解して、<MIX7>の含有量が30重量%の重合用組成物(PLC−7)を調製した。

Figure 0005359030
<組成物(PLC−7)の安定性評価>
支持基板としてTACフィルムを用いた。組成物(PLC−7)を、スピンコーターを用いてTACフィルムに塗布した後、80℃に設定したオーブン中で3分間熱処理することにより、溶媒を除去した。生成した塗膜を室温で静置し、表面から結晶の析出が発生するか否かについて観察し、組成物の安定性を評価した。その結果、10分後に結晶が析出しはじめ、組成物(PLC−7)は十分に安定な組成物であるとは言えないことを確認した。
<ネガティブC−プレート(F7)の作製>
支持基板としてTACフィルムを用いた。組成物(PLC−7)を、スピンコーターを用いてTACフィルム上に塗布した後、80℃に設定したオーブン中で3分間熱処理することにより、溶媒を除去して液晶層を配向させた。生成した塗膜に、超高圧水銀灯(250W)を用いて紫外線(30mW/cm;365nm)を窒素雰囲気下、25℃で30秒間照射した。これにより重合体フィルム(F7)が得られた。偏光解析装置による測定からネガティブC−プレートであることを確認した。ヘイズメーターでヘイズ値を測定すると、1.1%であり十分な透明性を有しているとは言えない。
上記の実施例および比較例の結果から、本発明の重合性液晶組成物は塗工後安定して液晶相を保持し、この組成物から得られた重合体フィルムはネガティブC−プレートの性質とより低いヘイズ値を有し、より高い透明性を示すことがわかる。
本発明の重合性液晶組成物は、上記の実施例に限定されることはなく、例えば表1に示すような組み合わせであってもよい。表1におけるデータは重量%を示す。
<表1>

Figure 0005359030
本発明により、塗工後安定して液晶相を保持しすることにより作業性が向上し、この組成物からより低いヘイズ値でネガティブC−プレートの性質を有する重合体フィルムを得ることができる。

Claims (8)

  1. 式(1−1)および式(1−2)のそれぞれで表される化合物の群から選択される少なくとも1つの液晶化合物である(A)成分、式(2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの液晶化合物である(B)成分、式(3)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの液晶化合物である(C)成分、および式(4)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの光学活性化合物である(D)成分からなる組成物であって、この組成物の全重量に基づいて(A)成分の割合が〜44重量%であり、(B)成分の割合が2〜25重量%であり、(C)成分の割合が30〜80重量%であり、そして(D)成分の割合が5〜15重量%である重合性液晶組成物:

    Figure 0005359030
    式(1−1)において、RおよびRは独立して水素またはメチルであり;W 水素またはフッ素であり;そしてm1が2〜8の整数であり;
    式(1−2)において、R 水素またはメチルであり;Y −O−または式(5)で表される基であり;そしてm2が2〜8の整数であり;

    Figure 0005359030
    式(2)において、Rはシアノ、−OCF、炭素数2〜8のアルキル、または炭素数2〜8のアルコキシであり;Y が−O−または式(5)で表される基であり;Yが単結合または−COO−であり;W が水素であり;そしてm2が2〜8の整数であり;
    式(3)において、Yは独立して単結合または−O−であり;そしてn独立して0〜の整数であり;
    式(4)において、R がエチルであり;A 1,4−フェニレンまたは4,4’−ビフェニレンであって,4−フェニレンまたは4,4’−ビフェニレンであり;Y が−OCO−であり;Qが単結合または炭素数2〜8のオキシアルキレンであり;そして、pが0または1である。
  2. (A)成分の割合が10〜40重量%であり、(B)成分の割合が2〜25重量%であり、(C)成分の割合が30〜70重量%であり、そして(D)成分の割合が7〜13重量%であって;
    式(1−1)において、RおよびRが独立して水素またはメチルであり;Wが水素またはフッ素であり;そしてm1が2〜8の整数であり;
    式(1−2)において、Rが水素またはメチルであり;Yが−O−または式(5)で表される基であり;そしてm2が2〜8の整数であり;
    式(2)において、Rがシアノ、−OCF、炭素数2〜8のアルキル、または炭素数2〜8のアルコキシであり;Yが−O−または式(5)で表される基であり;Yが単結合または−COO−であり;Wが水素であり;そしてm2が2〜8の整数であり;
    式(3)において、Yが独立して単結合または−O−であり;そしてnが独立して0〜4の整数であり;
    式(4)において、Rがエチルであり;Aが1,4−フェニレンまたは4,4’−ビフェニレンであって、Aも1,4−フェニレンまたは4,4’−ビフェニレンであり;Yが−OCO−であり;Qが単結合または炭素数2〜8のオキシアルキレンであり;そしてpが0または1である、
    請求項1に記載の重合性液晶組成物。
  3. (A)成分が式(1−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの液晶化合物であってその割合が5〜44重量%であり、(B)成分の割合が2〜25重量%であり、(C)成分の割合が30〜80重量%であり、そして(D)成分の割合が5〜15重量%であって;
    式(1−1)において、RおよびRが独立して水素またはメチルであり;Wが水素またはフッ素であり;そしてm1が2〜8の整数であり;
    式(2)において、Rがシアノ、−OCF、炭素数2〜8のアルキル、または炭素数2〜8のアルコキシであり;Yが−O−または式(5)で表される基であり;Yが単結合または−COO−であり;Wが水素であり;そしてm2が2〜8の整数であり;
    式(3)において、Yが独立して単結合または−O−であり;そしてnが独立して0〜4の整数であり;
    式(4)において、Rがエチルであり;Aが1,4−フェニレンまたは4,4’−ビフェニレンであって、Aも1,4−フェニレンまたは4,4’−ビフェニレンであり;Yが−OCO−であり;Qが単結合または炭素数2〜8のオキシアルキレンであり;そしてpが0または1である、
    請求項1に記載の重合性液晶組成物。
  4. (A)成分が式(1−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つの液晶化合物であってその割合が5〜44重量%であり、(B)成分の割合が2〜25重量%であり、(C)成分の割合が30〜80重量%であり、そして(D)成分の割合が5〜15重量%であって;
    式(1−2)において、Rが水素またはメチルであり;Yが−O−または式(5)で表される基であり;そしてm2が2〜8の整数であり;
    式(2)において、Rがシアノ、−OCF、炭素数2〜8のアルキル、または炭素数2〜8のアルコキシであり;Yが−O−または式(5)で表される基であり;Yが単結合または−COO−であり;Wが水素であり;そしてm2が2〜8の整数であり;
    式(3)において、Yが独立して単結合または−O−であり;そしてnが独立して0〜4の整数であり;
    式(4)において、Rがエチルであり;Aが1,4−フェニレンまたは4,4’−ビフェニレンであって、Aも1,4−フェニレンまたは4,4’−ビフェニレンであり;Yが−OCO−であり;Qが単結合または炭素数2〜8のオキシアルキレンであり;そしてpが0または1である、
    請求項1に記載の重合性液晶組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物を重合させることによって得られる重合体。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物を透明プラスチック基板上またはガラス基板上に塗布して配向させ、これを重合させることによって得られる光学異方性を有する重合体のフィルム。
  7. 請求項に記載の光学異方性を有する重合体のフィルムの、ネガティブC−プレートとしての使用。
  8. 請求項に記載のネガティブC−プレートとポジティブA−プレートと偏光板を積層させた視野角補償フィルム。
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