JP4920929B2 - ソルダーレジスト組成物、及びその硬化物並びにそれを用いたプリント配線板 - Google Patents

ソルダーレジスト組成物、及びその硬化物並びにそれを用いたプリント配線板 Download PDF

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Description

本発明は、ソルダーレジスト組成物、及びその硬化物並びにそれを用いたプリント配線基板に関し、さらに詳しくは、パッケージ基板や表面実装型発光ダイオードの樹脂絶縁層などに有用な放熱性を持ち、保存安定性にれたソルダーレジスト組成物、及びその硬化物並びにそれを用いたプリント配線基板に関する。
近年、電子機器の小型化、高性能化に伴い、半導体の高密度化、高機能化が求められている。そのため、半導体を実装する回路基板も小型高密度のものが要求されている。その結果、最近では、部品、回路基板の放熱性が大きな課題となっている。
これに対し、放熱性の良い回路基板として、銅やアルミニウムなどの金属板を使用し、この金属板の片面又は両面に、プリプレグや熱硬化性樹脂組成物などの電気絶縁層を介して回路パターンを形成する金属ベース基板が挙げられる(例えば、参考文献1参照)。
しかしながら、かかる金属ベース基板は、電気絶縁層の熱伝導性が悪いために絶縁層を薄くする必要があり、その結果として、絶縁耐圧の問題が生じる場合がある。
一方、高密度な半導体チップの実装方法は、表面実装が主流となり、最近では、BGA(ボール・グリッド・アレイ)やCSP(チップ・スケール・パッケージ)等のパッケージ基板が登場してきた。このようなパッケージ基板に用いられるソルダーレジスト組成物(例えば、特許文献2参照。)や層間絶縁材料は、低分子量のエポキシ化合物をベースとしたもので、充填材も電気絶縁性や耐薬品性が良好であるシリカや沈降性硫酸バリウムであり、放熱性は乏しいものであった。また、放熱性、電気絶縁性、耐薬品性が期待されるアルミナをフィラーとして使用した場合は、フィラーの沈降が激しく、沈降したフィラーは固く凝集するために使用不能となり、保存安定性の面で実用性に乏しい。
これに対し、半導体上部にヒートシンクを付帯させるという方法も考えられるが、放出される熱の約50%はパッケージ基板に蓄積されるため、依然として、パッケージ基板の放熱性が問題となっている。
また、多数の表面実装型発光ダイオードがプッシュボタン表示に用いられている最近の携帯電話などでは、発光ダイオードから発散される熱の大部分が、基板に蓄積するという問題がある。具体的には、例えば、端子部が形成された樹脂絶縁層上に発光ダイオードチップが配置され、その上部にレンズ層を兼ねた封止樹脂でパッケージされている表面実装型発光ダイオードにおいて、前記樹脂絶縁層の放熱性が問題となる。
特開平6−224561号公報(特許請求の範囲) 特開平11−288091号公報(特許請求の範囲)
本発明は、上記問題点に鑑み開発されたものであり、その主たる目的は、パッケージ基板や表面実装型発光ダイオードの樹脂絶縁層などに有用な放熱性を持ち、保存安定性に優れたソルダーレジスト組成物を提供することにある。
さらに、上記ソルダーレジスト組成物を活性エネルギー線照射及び/又は熱硬化して得られる熱伝導率2W/m・K以上の硬化物、及びそれを層間絶縁材やソルダーレジストとして用いたプリント配線板を提供することにある。
発明者らは、前記目的の実現に向けて鋭意研究した結果、(A)それぞれ15W/m・K以上の熱伝導率を有し、2種類以上の平均粒径の球状粒子を配合してなる酸化アルミニウム粒子と、(B−1)エポキシ化合物、硬化剤及び/又は硬化触媒を含む組成物と、を備え、前記酸化アルミニウム粒子(A)の体積占有率が硬化物の全容量に対し60容量%以上であることを特徴とする放熱機能を有する液状ソルダーレジスト組成物、あるいは、(A)それぞれ15W/m・K以上の熱伝導率を有し、2種類以上の平均粒径の球状粒子を配合してなる酸化アルミニウム粒子と、(B−2)エポキシ(メタ)アクリレート及び光重合開始剤を含む組成物と、を備え、前記酸化アルミニウム粒子(A)の体積占有率が硬化物の全容量に対し60容量%以上であることを特徴とする放熱機能を有する液状ソルダーレジスト組成物が、沈降や凝集の問題がなく保存安定性に優れ、プリント配線用絶縁性硬化性樹脂組成物として優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、硬化性樹脂組成物としては、(B−1)熱硬化性樹脂組成物、及び(B−2)光硬化性樹脂組成物が用いられ、熱硬化性、及び光硬化性の絶縁性硬化性組成物を提供することができる。また、熱硬化性樹脂組成物(B−1)と光硬化性樹脂組成物(B−2)を混合して用いることにより、熱硬化・光硬化併用型の絶縁性硬化性樹脂組成物を提供することもできる。
他の態様としては、上記絶縁性硬化性樹脂組成物を、活性エネルギー線照射及び/又は熱硬化して得られる熱伝導率2W/m・K以上の硬化物、及びそれを層間絶縁材やソルダーレジストとして用いたプリント配線板が提供される。
本発明に用いられる酸化アルミニウム粒子は、球状であることにより、組成物の粘度を大幅に上げることなく高充填化ができ、特に、平均粒径の異なる2種類以上の酸化アルミニウム粒子を配合することにより、最密充填化が可能であり、沈降および凝集を抑えることができ、保存安定性、熱伝導性に優れた絶縁性硬化性樹脂組成物を提供することが可能となった。このような熱伝導性に優れ、かつ保存安定性に優れた硬化性樹脂組成物は、発熱量の多い半導体や発光ダイオードを搭載したプリント配線板に好適に使用することができ、さらに熱伝導性に優れていることから、小型軽量化も可能となる。
本発明の絶縁性硬化性樹脂組成物の基本的な態様は、(A)熱伝導率15W/m・K以上の球状の酸化アルミニウム粒子、(B)硬化性樹脂組成物を含有してなり、前記酸化アルミニウム粒子(A)の体積占有率が、硬化物の全容量に対して60容量%以上含むことを特徴としている。
即ち、絶縁性、熱伝導性に優れる、熱伝導率15W/m・K以上の球状の酸化アルミニウム(A)を、硬化物の体積占有率が60容量%以上にすることにより、コーティング性を損なうことなく、硬化物の熱伝導率が、2W/m・K以上で、絶縁性を有する硬化物を提供することが出来ることを見出した。
以下、本発明の絶縁性硬化性樹脂組成物の各構成成分について、詳しく説明する。
まず、本発明に用いられる球状の酸化アルミニウム粒子(A)は、熱伝導率が15W/m・K以上となる純度92%以上の球状酸化アルミニウムを用いることができる。この酸化アルミニウム粒子(A)の平均粒径は0.01μm〜30μm、より好ましくは0.01μm〜20μmである。0.01μmよりも小さいと組成物の粘度が高くなりすぎて、分散が困難であり、被塗布物への塗布も困難となる。30μmより大きいと塗膜への頭出しが発生することと、沈降速度が速くなり保存安定性が悪化する。また、最密充填となるような2種類以上の平均粒径を有する酸化アルミニウム粒子を配合することにより、より高充填化することができ、保存安定性、熱伝導率の両側面から好ましい。
本発明に用いられる球状の酸化アルミニウム粒子(A)の代表的なものとしては、DAW−05(電気化学工業社製、平均粒径5μm)、DAW−10(電気化学工業社製、平均粒径10μm)、AS−40(昭和電工社製、平均粒径12μm)、AS−50(昭和電工製、平均粒径9μm)等が挙げられる。
この酸化アルミニウム粒子(A)の配合量としては、硬化物の全容量に対して60容量%以上である。酸化アルミニウム粒子(A)の配合量が、硬化物の全容量に対して60容量%未満であると放熱材料としての十分な熱伝導率を得ることができない。
尚、一般的に硬化性樹脂の比重は、1.0位であり、酸化アルミニウムの比重は、4.0g/mlであることから、硬化性樹脂40(ml)×1.0(g/ml)=40gに対して、酸化アルミニウム60(ml)×4.0(g/ml)=240g以上となり、質量基準とした場合、約86質量%以上となる。
本発明に用いられる硬化性樹脂組成物(B)は、(B−1)熱硬化性樹脂組成物、及び/又は(B−2)光硬化性樹脂組成物のいずれであっても良い。
上記熱硬化性樹脂組成物(B−1)としては、加熱により硬化して電気絶縁性を示す組成物、例えばエポキシ系組成物、オキセタン系組成物、メラミン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられ、特に、本発明においては、エポキシ化合物及び/又はオキセタン化合物、及び硬化剤及び/又は硬化触媒からなる熱硬化性樹脂組成物が、好ましく用いることができる。
上記エポキシ化合物としては、一分子中に1個以上、好ましくは2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば、公知慣用のものが使用できる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、フェニル−1,3−ジグリシジルエーテル、ビフェニル−4,4’−ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコール又はプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどの1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物などが挙げられる。さらに、硬化塗膜特性を低下させない範囲で、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートなどのモノエポキシ化合物を添加しても良い。
これらは、塗膜の特性向上の要求に合わせて、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
前記オキセタン化合物は、下記一般式(I)のように、


(式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。)

オキセタン環を含有する化合物である。具体的な化合物としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成社製の商品名 OXT−101)、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(東亞合成社製の商品名 OXT−211)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(東亞合成社製の商品名 OXT−212)、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン(東亞合成社製の商品名 OXT−121)、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(東亞合成社製の商品名 OXT−221)などが挙げられる。さらに、フェノールノボラックタイプのオキセタン化合物なども挙げられる。
上記オキセタン化合物は、前記エポキシ化合物と併用または単独で使用することができるが、エポキシ化合物に比べて反応性が悪い為、硬化の温度を高くする等の注意が必要である。
次に、硬化剤として使用されるものとしては、多官能フェノール化合物、ポリカルボン酸及びその酸無水物、脂肪族又は芳香族の一級又は二級アミン、ポリアミド樹脂、ポリメルカプト化合物などが挙げられる。これらの中で、多官能フェノール化合物、及びポリカルボン酸及びその酸無水物が、作業性、絶縁性の面から、好ましく用いられる。
多官能フェノール化合物としては、一分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物であれば、公知慣用のものが使用できる。具体的には、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAのノボラック樹脂、ビニルフェノール共重合樹脂などが挙げられるが、特に、フェノールノボラック樹脂が、反応性が高く、耐熱性を上げる効果も高いため好ましい。
このような多官能フェノール化合物は、適切な硬化触媒の存在下、前記エポキシ化合物及び/又はオキセタン化合物と付加反応する。
前記ポリカルボン酸及びその酸無水物は、一分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物及びその酸無水物であり、例えば(メタ)アクリル酸の共重合物、無水マレイン酸の共重合物、二塩基酸の縮合物などが挙げられる。市販品としては、ジョンソンポリマー社製のジョンクリル(商品群名)、アーコケミカル社製のSMAレジン(商品群名)、新日本理科社製のポリアゼライン酸無水物などが挙げられる。
前記硬化触媒としては、エポキシ化合物及び/又はオキセタン化合物と、多官能フェノール化合物及び/又はポリカルボン酸及びその酸無水物の反応の硬化触媒となる化合物、または硬化剤を使用しない場合に重合触媒となる化合物、例えば、三級アミン、三級アミン塩、四級オニウム塩、三級ホスフィン、クラウンエーテル錯体、及びホスホニウムイリドなどが挙げられ、これらの中から任意に選択することが可能であり、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中で、好ましいものとしては、商品名2E4MZ、C11Z、C17Z、2PZ等のイミダゾール類や、商品名2MZ−A、2E4MZ−A等のイミダゾールのAZINE化合物、商品名2MZ−OK、2PZ−OK等のイミダゾールのイソシアヌル酸塩、商品名2PHZ、2P4MHZ等のイミダゾールヒドロキシメチル体(前記商品名はいずれも四国化成工業(株)製)、ジシアンジアミドとその誘導体、メラミンとその誘導体、ジアミノマレオニトリルとその誘導体、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエタノーアミン、ジアミノジフェニルメタン、有機酸ジヒドラジド等のアミン類、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(商品名DBU、サンアプロ(株)製)、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(商品名ATU、味の素(株)製)、又は、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン等の有機ホスフィン化合物などが挙げられる。
これら硬化触媒の配合量は通常の量的割合で充分であり、例えば前記エポキシ化合物及び/又はオキセタン化合物の合計100質量部当り0.1質量部以上、10質量部以下が適当である。
光硬化性樹脂組成物(B−2)としては、活性エネルギー線照射により硬化して電気絶縁性を示す樹脂組成物であれば、全て使用できるが、特に一分子中に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物、及び光重合開始剤を含む樹脂組成物が耐熱性、電気絶縁性に優れており好ましい。
前記一分子中に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、公知慣用の光重合性オリゴマー、及び光重合性ビニルモノマー等が用いられる。
前記光重合性オリゴマーとしては、不飽和ポリエステル系オリゴマー、(メタ)アクリレート系オリゴマー等が挙げられる。(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、フェノールノボラックエポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラックエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート及びそれらの混合物を総称する用語で、他の類似の表現についても同様である。
前記光重合性ビニルモノマーとしては、公知慣用のもの、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のエステル類;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート類、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどのアルキレンポリオールポリ(メタ)アクリレート、;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール200ジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどのポリオキシアルキレングリコールポリ(メタ)アクリレート類;ヒドロキシビバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレートなどのポリ(メタ)アクリレート類;トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレートなどのイソシアヌルレート型ポリ(メタ)アクリレート類などが挙げられる。
これらは、塗膜の特性上の要求に合わせて、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエ−テル、ベンゾインエチルエ−テル、ベンゾインイソプロピルエ−テル、ベンゾインイソブチルエ−テルなどのベンゾイン化合物とそのアルキルエ−テル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オンなどのアセトフェノン類;メチルアンソラキノン、2−エチルアンソラキノン、2−タ−シャリ−ブチルアンソラキノン、1−クロロアンソラキノン、2−アミルアンソラキノンなどのアンソラキノン類;チオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタ−ル、ベンジルジメチルケタ−ルなどのケタ−ル類;ベンゾフェノン、4,4−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類などが挙げられる。これらは単独または2種類以上を混合して使用することが可能であり、さらにトリエタノ−ルアミン、メチルジエタノ−ルアミン等の第3級アミン;2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルなどの安息香酸誘導体などの光開始助剤等と組み合わせて使用することができる。
本発明の絶縁性硬化性樹脂組成物には、必要に応じて高充填化を容易にするために、湿潤・分散剤を添加することができる。このような湿潤・分散剤としては、カルボキシル基、水酸基、酸エステルなどの極性基を有する化合物や高分子化合物、例えばリン酸エステル類などの酸含有化合物や、酸基を含む共重合物、水酸基含有ポリカルボン酸エステル、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドと酸エステルの塩などを用いることができる。市販されている湿潤・分散剤で特に好適に用いることができるものとしては、Disperbyk(登録商標)−101、−103、−110、−111、−160、−171、−174、−190、−300、Bykumen(登録商標)、BYK−P105、−P104、−P104S、−240(いずれもビック・ケミー・ジャパン社製)、EFKA−ポリマー150、EFKA−44、−63、−64、−65、−66、−71、−764、−766、N(いずれもエフカ社製)が挙げられる。
本発明の絶縁性硬化性樹脂組成物は、組成物の調整や粘度調整のために、有機溶剤を添加してもよい。前記有機溶剤としては、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン等のエステル類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤などの有機溶剤が使用できる。これらの有機溶剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の絶縁性硬化性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラックなどの公知慣用の着色剤、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジンなどの公知慣用の熱重合禁止剤、微粉シリカ、有機ベントナイト、モンモリロナイトなどの公知慣用の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系などの消泡剤及び/又はレベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系等のシランカップリング剤などのような公知慣用の添加剤類を配合することができる。
本発明の絶縁性硬化性樹脂組成物は、前記有機溶剤で塗布方法に適した粘度に調整し、基材上に、スクリーン印刷法等の方法により塗布する。
前記絶縁性硬化性樹脂組成物が、熱硬化性樹脂組成物(B−1)の場合、塗布後、約140℃〜180℃の温度に加熱して熱硬化させることにより、硬化塗膜を得ることができる。
また、前記絶縁性硬化性樹脂組成物が、光硬化性樹脂組成物(B−2)の場合、塗布後、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等で紫外線照射し、硬化塗膜を得ることができる。
次に本発明の実施例および比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が以下の実施例に限定されるものでないことはもとよりである。なお以下において「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り全て「質量部」および「質量%」を表わす。
〈熱硬化性樹脂組成物〉
下記表1に示す実施例1及び比較例1,3,4の配合成分を、3本ロールミルで混練し、熱硬化性樹脂組成物を得た。得られた熱硬化性樹脂組成物の保存安定性の評価結果を、表3に示し、その特性評価結果を表4に示す。

注)酸化アルミニウムの体積占有率は、酸化アルミニウムを除く成分の体積Vと、酸化アルミニウム添加後の体積Vから、以下のように求めた。
酸化アルミニウムの体積占有率(容量%)=(V−V)/V×100
球状シリカの体積占有率も同様に、球状シリカを除く成分の体積Vと、球状シリカ添加後の体積Vから、以下のように求めた。
球状シリカの体積占有率(容量%)=(V−V)/V×100
〈光硬化性樹脂組成物〉
下記表2に示す実施例2及び比較例2,5,6の配合成分を、3本ロールミルで混練し、光硬化性樹脂組成物を得た。得られた光硬化性樹脂組成物の保存安定性の評価結果を、表3に示し、その特性評価結果を表4に示す。

注)酸化アルミニウムの体積占有率は、酸化アルミニウムを除く成分の体積Vと、酸化アルミニウム添加後の体積Vから、以下のように求めた。
酸化アルミニウムの体積占有率(容量%)=(V−V)/V×100
球状シリカの体積占有率も同様に、球状シリカを除く成分の体積Vと、球状シリカ添加後の体積Vから、以下のように求めた。
球状シリカの体積占有率(容量%)=(V−V)/V×100












なお、上記表3及び表4の評価方法は以下のとおりである。
保存安定性評価:
実施例1及び比較例1,3,4の熱硬化組成物をポリエチレン製の密封黒色容器に入れて5℃にて保存した。2日後、7日後、30日後、90日後の沈降状態を評価した。また、実施例2及び比較例2の光硬化組成物をポリエチレン製の密封黒色容器に入れて20℃の暗所にて保存した。2日後、7日後、30日後、90日後の沈降状態を評価した。
◎:沈降なし
○:若干沈降しているが凝集はなく、攪拌することにより使用に問題なし
×:沈降し凝集している。攪拌してもダマとなり、使用不能
特性評価:
(1)熱伝導率
実施例1及び比較例1,3,4の熱硬化性組成物を、試験基板上にスクリーン印刷で硬化塗膜が約40μmとなるように全面塗布し、150℃で60分間硬化させた。また、実施例2及び比較例2,5,6の光硬化性組成物を試験基板上にスクリーン印刷で硬化塗膜が約40μmとなるように全面塗布し、メタルハライドランプにて350nmの波長で2J/cmの積算光量を照射して硬化させた。得られた硬化塗膜の25〜125℃での熱伝導率を、レーザーフラッシュ法により測定した。
(2)耐溶剤性
実施例1及び比較例1,3,4の熱硬化組成物を、回路形成されたFR−4基板上にスクリーン印刷で乾燥塗膜が約40μmとなるようにパターン印刷し、150℃で60分間硬化させた。また、実施例2及び比較例2,5,6の光硬化性組成物を回路形成されたFR−4基板上にスクリーン印刷で乾燥塗膜が約40μmとなるようにパターン印刷し、メタルハライドランプにて350nmの波長で2J/cmの積算光量を照射して硬化させた。得られた基板をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに30分間浸漬し、乾燥後、セロハン粘着テープによるピールテストを行い、塗膜の剥がれ・変色について評価した。
○:剥がれや変色がないもの
×:剥がれや変色があるもの
(3)耐熱性
実施例1及び比較例1,3,4の熱硬化組成物と実施例2及び比較例2,5,6の光硬化性組成物を用いて耐溶剤性と同様の方法で得られた基板にロジン系フラックスを塗布して260℃のはんだ槽で10秒間フローさせて、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで洗浄・乾燥後、セロハン粘着テープによるピールテストを行い、塗膜の剥がれについて評価した。
○:剥がれがないもの
×:剥がれがあるもの
(4)鉛筆硬度
実施例1及び比較例1,3,4の熱硬化組成物と実施例2及び比較例2,5,6の光硬化性組成物を用いて耐溶剤性と同様の方法で得られた基板に、Bから9Hの鉛筆の芯を先が平らになるように研ぎ、約45°の角度で押しつけて塗膜が剥がれない鉛筆の硬さを記録した。
(5)電気絶縁性
実施例1及び比較例1,3,4の熱硬化組成物を、IPC規格Bパターンのくし形電極が形成されたFR−4基板上にスクリーン印刷で乾燥塗膜が約40μmとなるようにパターン印刷し、150℃で60分間硬化させた。また、実施例2及び比較例2,5,6の光硬化性組成物をIPC規格Bパターンのくし形電極が形成されたFR−4基板上にスクリーン印刷で乾燥塗膜が約40μmとなるようにパターン印刷し、メタルハライドランプにて350nmの波長で2J/cmの積算光量を照射して硬化させた。得られた基板の電極間の絶縁抵抗値を印加電圧500Vにて測定した。
表3及び表4に示す結果から明らかなように、本発明の硬化性絶縁性組成物によれば、熱硬化性、光硬化性いずれにおいても、熱伝導率が2W/m・Kを超えて、かつ、プリント配線板用の耐熱絶縁材料として十分な特性の硬化物を得ることができる。

Claims (4)

  1. (A)それぞれ15W/m・K以上の熱伝導率を有し、2種類以上の平均粒径の球状粒子を配合してなる酸化アルミニウム粒子と、(B−1)エポキシ化合物、硬化剤及び/又は硬化触媒を含む組成物と、を備え、前記酸化アルミニウム粒子(A)の体積占有率が硬化物の全容量に対し60容量%以上であることを特徴とする放熱機能を有する液状ソルダーレジスト組成物。
  2. (A)それぞれ15W/m・K以上の熱伝導率を有し、2種類以上の平均粒径の球状粒子を配合してなる酸化アルミニウム粒子と、(B−2)エポキシ(メタ)アクリレート及び光重合開始剤を含む組成物と、を備え、前記酸化アルミニウム粒子(A)の体積占有率が硬化物の全容量に対し60容量%以上であることを特徴とする放熱機能を有する液状ソルダーレジスト組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のソルダーレジスト組成物を、活性エネルギー線照射及び/又は熱硬化して得られる熱伝導率が2W/m・K以上の硬化物。
  4. 請求項1又は2に記載のソルダーレジスト組成物を、活性エネルギー線照射及び/又は熱硬化して得られる硬化物により、絶縁層及び/又はソルダーレジスト層が形成されてなるプリント配線板。
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