JP4918733B2 - 二次電池およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、活物質の酸化還元反応を充放電過程に利用する二次電池およびその製造方法に関するもので、エネルギー密度が大きく、安定性に優れた二次電池およびその簡便な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ノート型パソコン、携帯電話などの急速な市場拡大に伴い、これらに用いられるエネルギー密度が大きな小型大容量電池の要求が高まっている。この要求に応えるために、リチウムイオンなどのアルカリ金属イオンを荷電担体として、その電荷授受に伴う電気化学反応を利用した二次電池が開発されている。中でも、リチウムイオン二次電池は安定性に優れたエネルギー密度の大きな高容量電池として種々の電子機器に利用されている。このようなリチウムイオン二次電池は活物質として正極にリチウム含有遷移金属酸化物、負極に炭素が用いられ、これら活物質へのリチウムイオンの挿入、脱離反応を利用して充放電を行っている。
しかしながら、このリチウムイオン二次電池は特に正極に比重の大きな金属酸化物を用いているため、単位質量当たりの電池容量は充分とは言えず、より軽量の電極材料を用いて高容量電池を開発しようとする試みが検討されてきた。例えば、米国特許第4,833,048号公報、および日本国特許第2715778号公報にはジスルフィド結合を有する有機化合物を正極に用いた電池が開示されている。これはジスルフィド結合の生成、解離を伴う電気化学的酸化還元反応を電池の原理として利用したものである。
【0003】
この電池は、硫黄や炭素といった比重の小さな元素を主成分とする電極材料から構成されているため、高エネルギー密度の大容量電池という点において一定の効果を奏している。その一方、解離した結合が再度結合する効率が小さく、充電状態、または放電状態における安定性も不充分である。また、同じく有機化合物を利用した電池として、導電性高分子を電極材料に用いた電池が提案されている。これは導電性高分子に対する電解質イオンのドープ、脱ドープ反応を原理とした電池である。
米国特許第4,442,187号公報には、このような導電性高分子を正極または負極の材料とする電池が開示されている。この電池は、炭素や窒素といった比重の小さな元素のみから構成されたものであり、高容量電池として開発が期待された。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、導電性高分子には、酸化還元によって生じるエキシトンがπ電子共役系の広い範囲に亘って非局在化し、それらが相互作用するという性質がある。これは発生するエキシトンの濃度に限界をもたらすものであり、電池の容量を制限するものである。このため、導電性高分子を電極材料とする電池は軽量化という点では一定の効果を奏しているものの、大容量という点からは不充分である。
一方、各種材料の構造や物性の解析手法の一つとして、スピンラベル化処理技術が開発されている。この技術は反応性基を有する安定ラジカル化合物を材料に作用させ、電子スピン共鳴スペクトルを測定することで材料の構造や分子運動性等を調べるものである。しかしながら、これまでにスピンラベル化技術を用いて二次電池を作製したり解析した例は見当たらない。
【0005】
上記のように、正極に重金属酸化物を用いるリチウムイオン電池では、元素の比重が大きいため、現状を上回る高容量電池の製造が原理的に困難であった。有機材料を用いる他の提案においても未だ高容量電池は実現されていない。
本発明は、エネルギー密度が高く、単位質量あたりの電池容量が高く、充放電時の安定性に優れた二次電池、およびその簡便なる製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、そのもの自体が電気化学的に不活性で、これまで電極活物質として利用されなかった有機材料にスピンラベル化処理を行うと電池の電極活物質となることを見出した。また、電気化学的に活性な有機材料であってもスピンラベル化処理を行うと容量が増大することを見出し、本発明に至った。
【0007】
すなわち、本発明のリチウムイオン二次電池は、活物質の酸化還元反応を充放電過程に利用する二次電池であって、前記活物質は、反応性の置換基を有する安定ラジカル化合物であるスピンラベル化剤を用いてスピンラベル化処理した有機高分子材料又は炭素質材料を含有するものである。また、前記スピンラベル化剤は、ニトロキシラジカル化合物を含むことが好ましい。また、前記スピンラベル化剤は、オキシラジカル化合物を含むことが好ましい。また、前記スピンラベル化剤は、ヒドラジルラジカル化合物を含むことが好ましい。また、前記活物質は、充放電過程で有機ラジカル化合物を形成するものでもよい。また、前記有機ラジカル化合物は、スピン濃度1019スピン/g以上であることが好ましい。
【0008】
さらに本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法は、活物質の酸化還元反応を充放電過程に利用する二次電池の製造方法において、反応性の置換基を有する安定ラジカル化合物であるスピンラベル化剤を用いて有機高分子材料又は炭素質材料にスピンラベル化処理を施す工程と、スピンラベル化処理した前記有機高分子材料又は炭素質材料を前記活物質とする電極層の形成工程とを有する方法である。また、前記電極層の形成工程が、活物質または活物質前駆体にバインダーを混合して塗料化する塗料化工程と、塗料化したものを集電体に塗布する塗布工程とを有することが好ましい。また、前記スピンラベル化処理工程は、前記塗料化工程の前に行ってもよく、また、塗布工程の後に行ってもよい。また、前記スピンラベル化剤は、ニトロキシドラジカル化合物を含むことが好ましい。また、前記スピンラベル化剤は、オキシラジカル化合物を含むことが好ましい。また、前記スピンラベル化剤は、ヒドラジルラジカル化合物を含むことが好ましい。また、前記活物質は、充放電過程で有機ラジカル化合物を形成するものでもよい。また、前記有機ラジカル化合物は、スピン濃度1019スピン/g以上であることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の二次電池は、図1および図2に示した例のような構成のものである。図1は本発明の二次電池の一例の正面図であり、図2は図1のI−I断面図である。本発明の二次電池は、負極層1と負極集電体2とからなる負極3、正極層4と正極集電体5とからなる正極6、セパレータ7、封止材8から構成されている。負極層1および正極層4には、スピンラベル化処理が施された活物質が含まれており、セパレータ7を介して重ね合わせられている。セパレータ7には電解質が含まれている。封止材6は負極3と、正極6と、セパレータ7とを被覆している。負極3および正極6はリード線9により外部に接続されている。
本発明における負極層1および正極層4には活物質が使用される。そして、本発明の二次電池は、活物質の酸化還元反応を充放電過程に利用する二次電池であって、前記活物質はスピンラベル化処理した有機材料を含有するものである。
【0010】
本発明における有機材料とは、少数の例外を除くすべての炭素化合物の総称であり、各種の低分子化合物、高分子化合物、および炭素質材料のことをいう。
本発明におけるスピンラベル化処理が行われる有機材料は特に制限されず、スピンラベル化処理を行った後に酸化還元反応が充放電過程に利用できるものであればよい。しかしながら、電極層を形成する必要から、一般には室温および電池として動作する温度範囲内で固体状態のものが用いられ、特に、有機高分子材料や炭素質材料が好ましい。
【0011】
本発明における有機材料としては、有機高分子材料では、ポリフッ化ビニリデンやポリアクリロニトリル等のポリオレフィン系高分子材料、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系高分子材料、ナイロン等のポリアミド系高分子材料、ポリメチルメタクリレート等のアクリレート系高分子材料、ポリエチレンオキシド等のポリエーテル系高分子材料、ポリパラフェニレンやポリピロール等の導電性高分子材料、エポキシ系高分子材料、ウレタン系高分子材料等が例示される。これら有機高分子材料の変成物を使用してもよい。
また、炭素質材料では、例えば結晶性のグラファイトやフラーレン、多結晶性のソフトカーボンやハードカーボン、アモルファスカーボンや各種有機化合物の炭化焼成体等が挙げられる。
本発明において、スピンラベル化処理の施す前の前記有機材料を、活物質前駆体と称するが、これは必ずしも電気化学的に不活性なものではなく、電気化学的に活性であっても良い。
【0012】
本発明におけるスピンラベル化処理とは、反応性の置換基を有する安定ラジカル化合物、例えば2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシジルなどのスピンラベル化剤を被処理材料に作用することをいう。スピンラベル化処理によって、被処理材料の反応部位に安定ラジカル化合物の反応性置換基が結合する。このようなスピンラベル化処理によりラジカルが保持され、電気化学的に活性化させることができる。前記炭素質材料では、スピンラベル化処理により表面にラジカルが導入される。材料によってはラジカルが内部へ拡散されると考えられ、電池の活物質として有効に利用できる。また、電子スピン共鳴スペクトルによる解析が可能となる。
【0013】
本発明におけるスピンラベル化処理によって有機材料や炭素質材料が二次電池の活物質となる理由は、スピンラベル化処理によって材料表面にラジカルが生成し、これが電気化学的に酸化還元するためと考えられる。一般に、ラジカルは反応性に富んだ化学種であり、周囲の物質との相互作用によって、ある程度の寿命をもって消失するものが多いが、スピンラベル化剤に用いられる安定ラジカルは共鳴効果や立体障害等の効果によって長時間にわたって安定なものとなる。実際に、スピンラベル化処理した有機化合物を電子スピン共鳴分析で測定すると、スピン濃度が長時間にわたって、1019〜1023スピン/gの範囲内に安定に保持されている。
一方、スピンラベル化処理によって形成されたラジカルが酸化還元する反応機構は不明である。しかしながら、スピンラベル化剤や有機化合物は炭素、水素または酸素など、質量の小さい物質のみから構成される場合が多いため、質量当たりのエネルギー密度が大きな二次電池を得ることができる。
【0014】
本発明におけるスピンラベル化剤とは、安定化ラジカル化合物であって、活物質に対して化学的結合または物理的結合または吸着機能を有するものである。
ラジカルの安定性の面からは、特にニトロキシドラジカル、オキシラジカル、またはヒドラジルラジカルが好ましい。
本発明におけるニトロキシドラジカル化合物としては、例えば(1)に示すピペリジノキシルラジカル(ただし、R1 〜R4 は−Hを含むアルキル基、Xは−H、−OH、−COOH、−CN、−NHCOCH2Br、 −N=C=S、−NH2、−OSiO2CH3、−OP(OH)2=O)、(2)に示すピロリジノキシルラジカル(ただし、R1〜R4は−Hを含むアルキル基、Xは−H、−COOH、−CHNH2、−CN、−NHCOCH2I、−NO2、−CH2N=C=S)、(3)に示すピロリノキシルラジカル(ただし、R1〜R4は−Hを含むアルキル基、Xは−H、−COOH、−CHNH2)等が挙げられる。
【0015】
【化1】
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】
【0018】
また、本発明におけるオキシラジカルの例としては(4)に示すガルビノキシルラジカル、およびその誘導体が挙げられる。ヒドラジルラジカルの例としては(5)に示すピクリルヒドラジルラジカル化合物、およびその誘導体が挙げられる。
【0019】
【化4】
【0020】
【化5】
【0021】
本発明におけるスピンラベル化処理の方法は特に限定されず、スピンラベル化剤と基材となる有機材料とを適当な溶液中で接触させて反応させたり、有機材料にスピンラベル化剤の蒸気を接触させたりして行われる。この際、必要に応じて予め有機材料を前処理したり、それぞれの反応に応じて触媒等を用いることもできる。有機材料の前処理としては、例えばシラザン処理等のカップリング剤等を用いた化学処理、プラズマ処理、コロナ処理、電子線処理等の放電処理、紫外線処理、オゾン処理、加熱処理等が挙げられる。
【0022】
本発明ではスピンラベル化処理した有機材料には、インピーダンスを低下させる目的で、補助導電材やイオン伝導補助材を混合させてもよい。
補助導電材の例としては、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質微粒子、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセン等の導電性高分子が挙げられる。また、イオン伝導補助材としては高分子ゲル電解質、高分子固体電解質等が挙げられる。
【0023】
本発明における活物質は、充放電過程で有機ラジカル化合物を形成するものでもよい。活物質が有機ラジカル化合物を形成することにより、電気化学的な活性を高くすることができる。
また、有機ラジカル化合物は、電子スピン共鳴による測定でスピン濃度が1019スピン/g以上であることが好ましい。1019スピン/g以上とすることで、エネルギー密度の大きい二次電池を得ることができる。
【0024】
本発明におけるスピンラベル化処理によって得られた活物質は、負極層1、正極層4のいずれの電極にも使用することができ、また両方に用いてもよい。エネルギー密度の観点から考慮すると、特にスピンラベル化処理した有機材料を正極の電極活物質として使用することが好ましい。
正極層4にスピンラベル化処理した有機化合物を用いた場合には負極層1としてグラファイトや非晶質カーボン、リチウム金属やリチウム合金、リチウムイオン吸蔵炭素、導電性高分子等が用いられる。これらの形状としては特に限定されず、例えばリチウム金属では薄膜状のものに限らず、バルク状のもの、粉末を固めたもの、繊維状のもの、フレーク状のもの等であってもよい。
【0025】
一方、スピンラベル化処理した有機材料を負極層1として用いる場合には、正極層4には金属酸化物粒子、ジスルフィド化合物、および導電性高分子などが用いられる。金属酸化物としては、例えばLiMnO2、LixMn2O4(0<x<2)等のマンガン酸リチウムまたはスピネル構造を有するマンガン酸リチウム、MnO2、LiCoO2、LiNiO2、LixV2O5(0<x<2)等が挙げられる。ジスルフィド化合物としては、例えばジチオグリコール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、S−トリアジン−2,4,6−トリチオール等が挙げられる。導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリアニリン、ポリピロール等が挙げられる。
本発明ではこれらの正極層4の材料を単独または組み合わせて使用することもできる。また、従来公知の活物質とスピンラベル化処理した有機材料を混合して複合活物質として用いてもよい。
【0026】
本発明における集電体とは、導電体で形成されており、二次電池の電極から発生する電荷が集められるものである。負極層1と接続された集電体を負極集電体2、正極層4に接続された集電体を正極集電体5という。集電体に使用される材料としては、ニッケル、アルミニウム、銅、金、銀、アルミニウム合金、ステンレス等の金属箔、金属平板、メッシュ状電極、炭素電極等が挙げられる。また、集電体と活物質との結合には特に制限はなく、化学結合させてもよい。
【0027】
本発明におけるセパレータ7は正極層と負極層が接触しないようにするもので、多孔質フィルム、不織布などの材料を用いることができる。また、セパレータ7に電解質を含ませてもよい。
本発明における電解質は、負極層1と正極層4の両極間の荷電担体輸送を行うものであり、一般には室温で10-5〜10-1S/cmのイオン伝導性を有しているものである。
本発明の二次電池に用いられる電解質としては特に制限はないが、例えば電解質塩を溶剤に溶解した電解液を利用することができる。例えば、LiPF6 、LiClO4、LiBF4、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、Li(C2F5SO2)2N、Li(CF3SO2)3C、Li(C2F5SO2)3C等の従来公知の材料が挙げられる。
前記電解質を溶解させる溶剤としては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒を用いることができる。本発明では、これらの溶剤を単独もしくは2種類以上混合して用いることもできる。
【0028】
さらに、本発明では電解質に固体電解質を用いることもできる。固体電解質に用いられる高分子化合物としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−モノフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン三元共重合体等のフッ化ビニリデン系重合体や、アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−メチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ビニルアセテート共重合体等のアクリロニトリル系重合体、さらにポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、これらのアクリレート体やメタクリレート体の重合体などが挙げられる。これらの高分子化合物に電解液を含ませてゲル状にしたものを用いてもよいし、高分子化合物のみでそのまま用いてもよい。
【0029】
本発明の二次電池では、電極反応をより潤滑に行うために、酸化還元反応を助ける触媒を用いることもできる。このような触媒の例としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセン等の導電性高分子、ピリジン誘導体、ピロリドン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、アクリジン誘導体等の塩基性化合物、金属イオン錯体等が挙げられる。また、前記集電体に触媒効果を持たせてもよい。
本発明における封止材8は、電気絶縁性を有していれば特に制限はなく、例えばポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
【0030】
本発明の二次電池の製造方法は、前記スピンラベル化処理を施す工程と、電極層の形成工程とを有する方法である。また、前記電極層の形成工程は、活物質または活物質前駆体にバインダーを混合して塗料化する塗料化工程と、塗料化したものを集電体に塗布する塗布工程とを有することが好ましい。
本発明におけるバインダーとは、各構成材料を結着させて塗料化する材料である。バインダーの例としては、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、各種ポリウレタン等の樹脂バインダーが挙げられる。
活物質を塗料化することにより、各構成材料間の結びつきが強くなり、次工程である塗布工程において集電体への塗布が可能となる。また、集電体に塗料化した活物質または活物質前駆体を塗布することにより電極層を形成させるのが容易となる。
塗料化工程および塗布工程には特に制限がなく、公知の方法、装置により塗料化および塗布を行うことができる。
また、本発明の製造方法は、このような電極の形成工程に加えてスピンラベル化処理工程を有することを特徴としているので、前記スピンラベル化処理工程は、塗料化工程の前、塗布工程の後のどちらかに行ってもよい。
【0031】
本発明の二次電池の、負極層1および正極層4の積層方法は特に限定されず、多層積層したものや集電体の両面に積層したものを組み合わせたもの、巻回したもの等が利用できる。また、二次電池の形状についても、活物質がスピンラベル化処理した有機材料であれば特に限定されず、例えば円筒型電池、コイン型電池、角型電池、フィルム型電池、ボタン型電池等の形状に適用することができる。
【0032】
【実施例】
以下、本発明について、より具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ポリアクリロニトリル1gを50gのジメチルホルムアミドに溶解し、補助導電材としてグラファイト粉末60mgを添加し、全体が均一になるまで混合し、黒色のスラリーを得た。このスラリー2gをリード線を備えたアルミニウム箔(面積:1.5cm×1.5cm、厚さ:100μm)の表面に滴下し、ワイヤーバーで全体が均一な厚さとなるように展開した。これを120℃で6時間乾燥させ、さらに減圧下650℃で1時間焼成して、溶剤のジメチルホルムアミドを蒸発させ、アルミニウム箔上に多孔性のポリアクリロニトリル焼成体を含む電極層を形成させた。
【0033】
次に、この電極層を2重量%の4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシジルを含むメタノール溶液に浸漬し、室温で48時間攪拌してスピンラベル化処理を行った。その後、メタノールで洗浄し、乾燥させてスピンラベル化処理ポリアクリロニトリル焼成体を含む電極層を得た。
次に、電解質塩として1mol/lのLiPF6 を含んだエチレンカーボネート/プロピレンカーボネート混合溶液(混合比1:1)1400mgにフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体600mgを混合し、テトラヒドロフラン11.3gを加えて室温で攪拌した。フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体が溶解した後、段差をつけたガラス板上に塗布し、室温で一時間放置してテトラヒドロフランを自然蒸発させ、厚さが1mmのキャストフィルムを得た。
【0034】
このゲル電解質を2.0cm×2.0cmに切り出し、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒(重量比1:1)に一晩浸漬して膨潤させた。このフィルムをスピンラベル化処理したポリアクリロニトリル焼成体を含む電極層に積層し、さらに、リード線を備えたリチウム張り合わせ銅箔(リチウム膜厚30μm、銅箔の膜厚20μm)を重ね合わせた。その後、全体を厚さ5mmのポリテトラフルオロエチレン製シートで挟み、圧力を加えて電池の構成とした。
以上のように作製した電池を充放電試験機に接続したところ、開放電圧が2.5Vであったので、直ちに0.01mAの定電流で1.0Vまでの放電を行った。次いで、スピンラベル化処理を行ったポリアクリロニトリル焼成体を含む電極層を正極、リチウム張り合わせ銅箔を負極として、0.01mAの定電流で充放電試験を行った。その結果、2.3V付近に電圧平坦部が認められ、電池として動作していた。さらに、この電池を繰り返し充放電したところ10サイクル以上にわたって充放電が可能な二次電池として動作した。
【0035】
(比較例1)
実施例1のポリアクリロニトリルとグラファイト粉末を混合した黒色のスラリーをアルミニウム箔表面に展開し、実施例1と同様の方法で乾燥、焼成して、多孔性のポリアクリロニトリル焼成体を含む電極層を得た。この電極層にスピンラベル化処理を行うことなく実施例1と同様のゲル電解質層を積層し、実施例1と同様の方法でリード線を備えたリチウム張り合わせ銅箔を重ね合わせ、ポリテトラフルオロエチレン製シートで挟み、圧力を加えて電池の構成とした。
以上のように作製した試料を充放電試験機に接続したところ開放電圧は0Vであった。また、ポリアクリロニトリル焼成体を含む電極層を正極、リチウム張り合わせ銅箔を負極として、0.01mAの定電流で充放電試験を行った。その結果、電圧平坦部は認められず、電池として動作しなかった。
【0036】
(実施例2)
アタクチックポリメチルメタクリレート(以下、PMMAと記す)をアセトンに溶解し、メタノール中で再沈殿させた。その後、溶剤を除いて室温で48時間減圧乾燥した。得られたPMMAを2g取り出し、5gのナトリウムメチラートを含むメタノール溶液60gを加え、さらに0.05gの4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシジルを混合して室温で48時間攪拌しスピンラベル化処理を行った。その後、メタノールで洗浄し、乾燥してスピンラベル化処理PMMAを得た。
次に、得られたPMMAを再びアセトンに溶解し、補助導電材としてグラファイト粉末120mgを添加して全体が均一になるまで混合して、黒色のスラリーを得た。このスラリー2gをリード線を備えたアルミニウム箔(面積:1.5cm×1.5cm、厚さ:100μm)の表面に滴下し、ワイヤーバーで全体が均一な厚さとなるように展開した。これを60℃で6時間減圧乾燥して、アルミニウム箔上にスピンラベル化処理したPMMAを含む電極層を形成させた。
【0037】
この電極層に実施例1と同様のゲル電解質層を積層し、実施例1と同様の方法でリード線を備えたリチウム張り合わせ銅箔を重ね合わせ、ポリテトラフルオロエチレン製シートで挟み、圧力を加えて電池の構成とした。
以上のように作製した電池を充放電試験機に接続したところ、開放電圧が3.2Vであったので、直ちに0.01mAの定電流で1.0Vまでの放電を行った。次いで、スピンラベル化処理したPMMAを含む電極層を正極、リチウム張り合わせ銅箔を負極として、0.01mAの定電流で充放電試験を行った。その結果、3.0V付近に電圧平坦部が認められ、電池として動作していた。さらに、この電池を繰り返し充放電したところ10サイクル以上にわたって充放電が可能な二次電池として動作した。
【0038】
(実施例3)
塩素化エチレン酢酸ビニルコポリマー(以下、塩素化EVAと記す)2gを含むトルエン溶液50gに0.2gの水素化ナトリウムを含むジメチルホルムアミド溶液100gを加え、さらに0.05gの4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシジルを混合して室温で48時間攪拌し、スピンラベルか処理を行った。その後、メタノールで洗浄し、乾燥してスピンラベル化処理した塩素化EVAを得た。次に、得られた試料をトルエンに溶解し、補助導電材としてグラファイト粉末120mgを添加して全体が均一になるまで混合して、黒色のスラリーを得た。
このスラリー2gをリード線を備えたアルミニウム箔(面積:1.5cm×1.5cm、厚さ:100μm)の表面に滴下し、ワイヤーバーで全体が均一な厚さとなるように展開した。これを60℃で6時間減圧乾燥して、アルミニウム箔上にスピンラベル化処理した塩素化EVAを含む電極層を形成させた。
【0039】
この電極層に実施例1と同様のゲル電解質層を積層し、実施例1と同様の方法でリード線を備えたリチウム張り合わせ銅箔を重ね合わせ、ポリテトラフルオロエチレン製シートで挟み、圧力を加えて電池の構成とした。
以上のように作製した電池を充放電試験機に接続したところ、開放電圧が3.2Vであったので、直ちに0.01mAの定電流で1.0Vまでの放電を行った。次いで、スピンラベル化処理した塩素化EVAを含む電極層を正極、リチウム張り合わせ銅箔を負極として、0.01mAの定電流で充放電試験を行った。その結果、3.0V付近に電圧平坦部が認められ、電池として動作していた。さらに、この電池を繰り返し充放電したところ10サイクル以上にわたって充放電が可能な二次電池として動作した。
【0040】
(実施例4)
ポリアリルアミン2gを含む水溶液50gに2gのナトリウムメチラートを含むメタノール溶液100gを加え、さらに0.05gの3−カルボキシ−プロキシルを混合して室温で48時間攪拌し、スピンラベルか処理を行った。その後、メタノールで洗浄し、乾燥してスピンラベル化処理したポリアリルアミンを得た。次に、得られた試料を純水に溶解し、補助導電材としてグラファイト粉末120mgを添加して全体が均一になるまで混合したところ、黒色のスラリーを得た。このスラリー2gをリード線を備えたアルミニウム箔(面積:1.5cm×1.5cm、厚さ:100μm)の表面に滴下し、ワイヤーバーで全体が均一な厚さとなるように展開した。これを60℃で6時間減圧乾燥して、アルミニウム箔上にスピンラベル化処理したポリアリルアミンを含む電極層を形成させた。
【0041】
この電極層に実施例1と同様のゲル電解質層を積層し、実施例1と同様の方法でリード線を備えたリチウム張り合わせ銅箔を重ね合わせ、ポリテトラフルオロエチレン製シートで挟み、圧力を加えて電池の構成とした。
以上のように作製した電池を充放電試験機に接続したところ、開放電圧が2.6Vであった、直ちに0.01mAの定電流で1.0Vまでの放電を行った。次いで、スピンラベル化処理したポリアリルアミンを含む電極層を正極、リチウム張り合わせ銅箔を負極として、0.01mAの定電流で充放電試験を行った。その結果、2.5V付近に電圧平坦部が認められ、電池として動作していた。さらに、この電池を繰り返し充放電したところ10サイクル以上にわたって充放電が可能な二次電池として動作した。
【0042】
(実施例5)
エルフアトケム(株)社製ポリフッ化ビニリデン粉末Kynar301F(粒径0.2μm)をポリエチレンフィルム上に均一に広げ、春日電気社製コロナ放電処理装置HFSS103を使用してコロナ放電処理を行った。処理条件は、高周波電源電圧200V、出力周波数30kHz、電極間の電位差40kV、処理時間5分とした。
コロナ放電処理したポリフッ化ビニリデン2gを50gのN−メチルピロリドンに分散し、さらに0.05gのガルビノキシルを添加して室温で48時間攪拌しスピンラベル化処理を行った。その後、メタノールで洗浄し、乾燥してスピンラベル化処理ポリフッ化ビニリデンを得た。次に、得られた試料を純水に溶解し、補助導電材としてグラファイト粉末120mgを添加して混合して黒色のスラリーを得た。このスラリー2gをリード線を備えたアルミニウム箔(面積:1.5cm×1.5cm、厚さ:100μm)の表面に滴下し、ワイヤーバーで全体が均一な厚さとなるように展開した。これを60℃で6時間減圧乾燥して、アルミニウム箔上にスピンラベル化処理ポリフッ化ビニリデンを含む電極層を形成させた。
【0043】
この電極層に実施例1と同様のゲル電解質層を積層し、実施例1と同様の方法でリード線を備えたリチウム張り合わせ銅箔を重ね合わせ、ポリテトラフルオロエチレン製シートで挟み、圧力を加えて電池の構成とした。
以上のように作製した電池を充放電試験機に接続したところ、開放電圧が2.3Vであり、直ちに0.01mAの定電流で1.0Vまでの放電を行った。次いで、スピンラベル化処理したポリフッ化ビニリデンを含む電極層を正極、リチウム張り合わせ銅箔を負極として、0.01mAの定電流で充放電試験を行った。
その結果、2.1V付近に電圧平坦部が認められ、電池として動作していた。さらに、この電池を繰り返し充放電したところ10サイクル以上にわたって充放電が可能な二次電池として動作した。
【0044】
(実施例6)
2,6−ジブチルフェノールのモノエステル付加物(旭電化(株)製アデカスタブAO−50)の白色粉末をポリエチレンフィルム上に均一に広げ、プラズマCVD装置の反応容器内に導入した。プラズマ処理は、導入ガスにアルゴンガスを使用し、その流量を15cm3 /分とし、チャンバー内圧力0.05Torrとして、RF出力25Wで2時間処理を行った。
得られたプラズマ放電処理した2,6−ジブチルフェノールのモノエステル付加物1gを5gのN−メチルピロリドンに分散し、補助導電材としてグラファイト粉末60mg、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン10mgを添加して全体が均一になるまで混合して、黒色のスラリーを得た。このスラリーをリード線を備えたアルミニウム箔(面積:1.5cm×1.5cm、厚さ:100μm)の表面に滴下し、ワイヤーバーで全体が均一な厚さとなるように展開して、120℃で6時間減圧乾燥した。続いて、全体を濃度0.5重量%の3−カルバモイルプロキシルのメタノール溶液に浸漬し、室温で24時間処理しスピンラベル化処理を行った。これをメタノールで洗浄、乾燥して、スピンラベル化処理した2,6−ジブチルフェノールのモノエステル付加物を含む電極層を形成させた。
【0045】
この電極層に実施例1と同様のゲル電解質層を積層し、実施例1と同様の方法でリード線を備えたリチウム張り合わせ銅箔を重ね合わせ、ポリテトラフルオロエチレン製シートで挟み、圧力を加えて電池の構成とした。
以上のように作製した電池を充放電試験機に接続したところ、開放電圧が2.9Vであり、直ちに0.01mAの定電流で1.0Vまでの放電を行った。次いで、スピンラベル化処理した2,6−ジブチルフェノールのモノエステル付加物を含む電極層を正極、リチウム張り合わせ銅箔を負極として、0.01mAの定電流で充放電試験を行った。
その結果、2.1V付近に電圧平坦部が認められ、電池として動作していた。さらに、この電池を繰り返し充放電したところ10サイクル以上にわたって充放電が可能な二次電池として動作した。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、二次電池が活物質の酸化還元反応を充放電過程に利用する二次電池であって、前記活物質はスピンラベル化処理した有機材料を含有するものであるため、充放電時のエネルギー密度を高くすることができ、また、二次電池を軽量化することができる上に、単位質量単位の電池容量を高くすることができる。
また、前記有機材料は、有機高分子材料であることにより、電極層を容易に形成することができる。
また、前記スピンラベル化処理は、スピンラベル化剤を用いて行われることにより、安定した活物質を得ることができる。
また、前記スピンラベル化剤は、ニトロキシラジカル化合物を含むことにより、電気化学的活性が長期的に安定した活物質を得ることができる。
また、前記スピンラベル化剤は、オキシラジカル化合物を含むことにより、電気化学的活性が長期的に安定した活物質を得ることができる。
また、前記スピンラベル化剤は、ヒドラジルラジカル化合物を含むことにより、電気化学的活性が長期的に安定した活物質を得ることができる。
また、前記活物質は、充放電過程で有機ラジカル化合物を形成するものであることにより、電気化学的活性が高くなり、電池容量を高くすることができる。
また、前記有機ラジカル化合物は、スピン濃度1019スピン/g以上であることにより、長期にわたって安定的に高いエネルギー密度を維持することができる。
【0047】
さらに本発明によれば、二次電池の製造方法が、活物質の酸化還元反応を充放電過程に利用する二次電池の製造方法において、有機材料にスピンラベル化処理を施す工程と電極層の形成工程とを有する方法であることにより、簡便にエネルギー密度が高く、安定性に優れた二次電池を製造することができる。
また、前記電極層の形成工程が、活物質または活物質前駆体を塗料化する塗料化工程と、塗料化したものを集電体に塗布する塗布工程とを有することにより、活物質を電極層として形成させることが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の二次電池の構成の一例を示す正面図である。
【図2】 本発明の二次電池の構成の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1.負極層
2.負極集電体
3.負極
4.正極層
5.正極集電体
6.正極
7.セパレータ
8.封止材
9.リード線
Claims (15)
- 活物質の酸化還元反応を充放電過程に利用する二次電池であって、前記活物質は、反応性の置換基を有する安定ラジカル化合物であるスピンラベル化剤を用いてスピンラベル化処理した有機高分子材料又は炭素質材料を含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
- 前記スピンラベル化剤が、ニトロキシドラジカル化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記スピンラベル化剤が、オキシラジカル化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記スピンラベル化剤が、ヒドラジルラジカル化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記活物質が、充放電過程で有機ラジカル化合物を形成するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記有機ラジカル化合物が、スピン濃度1019スピン/g以上であることを特徴とする請求項5に記載のリチウムイオン二次電池。
- 活物質の酸化還元反応を充放電過程に利用する二次電池の製造方法において、反応性の置換基を有する安定ラジカル化合物であるスピンラベル化剤を用いて有機高分子材料又は炭素質材料にスピンラベル化処理を施す工程と、スピンラベル化処理した前記有機高分子材料又は炭素質材料を前記活物質とする電極層の形成工程とを有することを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法。
- 前記電極層の形成工程が、活物質または活物質前駆体にバインダーを混合して塗料化する塗料化工程と、塗料化したものを集電体に塗布する塗布工程とを有することを特徴とする請求項7に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
- 前記スピンラベル化処理工程が、前記塗料化工程の前に行われることを特徴とする請求項8に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
- 前記スピンラベル化処理工程が、塗布工程の後に行われることを特徴とする請求項8に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
- 前記スピンラベル化剤が、ニトロキシドラジカル化合物を含むことを特徴とする請求項7に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
- 前記スピンラベル化剤が、オキシラジカル化合物を含むことを特徴とする請求項7に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
- 前記スピンラベル化剤が、ヒドラジルラジカル化合物を含むことを特徴とする請求項7に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
- 前記活物質が、充放電過程で有機ラジカル化合物を形成するものであることを特徴とする請求項7〜13のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
- 前記有機ラジカル化合物が、スピン濃度1019スピン/g以上であることを特徴とする請求項14に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
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