JP5527667B2 - ピロリン系ニトロキシド重合体およびそれを用いた電池 - Google Patents

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Description

本発明は、ピロリン系ニトロキシド重合体、当該重合体を含有する電極活物質および当該電極活物質を用いた電池に関する。
ノート型パソコンや携帯電話等の急速な市場拡大に伴い、これらに用いられるエネルギー密度の高い小型大容量二次電池への要求が高まっている。この要求に応えるために、リチウムイオン等のアルカリ金属イオンを荷電担体としてその電荷授受に伴う電気化学反応を利用した二次電池が開発されている。中でもリチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が高く、安定性に優れた大容量二次電池として種々の電子機器に利用されている。このようなリチウムイオン二次電池は、一般に、活物質として正極にリチウム含有遷移金属酸化物を、負極に炭素を用いたものであり、これら活物質へのリチウムイオンの挿入、脱離反応を利用して充放電を行っている。
近年、より大容量化を目的に、電極反応に直接寄与する電極活物質としてラジカル化合物を利用した二次電池が提案されている。特許文献1には、正極、負極の少なくとも一方の活物質としてラジカル化合物を含有することを特徴とする二次電池が公開されている。また、特許文献2には、ニトロキシル化合物を正極中に含有する蓄電デバイスが公開されている。この蓄電デバイスは、電極反応が速いため大電流で充放電ができるとされている。
特開2002−151084号公報 特開2002−304996号公報
しかしながら、特許文献1に記載の正極、負極の少なくとも一方の活物質がラジカル化合物を含有することを特徴とする二次電池や、特許文献2に記載の安定ラジカルを含むニトロキシル化合物を用いた蓄電デバイスは、繰り返し充放電後の容量低下の面において改善の余地があった。
本発明は、大きな電流を取り出すことができ、かつ、繰り返し充放電を行っても容量の低下が少ない電池の電極材料として用いられるピロリン系ニトロキシド重合体、当該重合体を含有する電極活物質および当該電極活物質を用いた電池を提供することを目的とする。
本発明は、一般式(1):
Figure 0005527667
で表されるピロリン系ニトロキシド化合物を重合して得られるピロリン系ニトロキシド重合体に関する。
また、本発明は、前記ピロリン系ニトロキシド重合体を含有する電極活物質に関する。
さらに、本発明は、前記電極活物質を用いた電池に関する。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に係るピロリン系ニトロキシド重合体は、下記一般式(1)で表されるビニル基を有するピロリン系ニトロキシド化合物を重合して得られるものである。
Figure 0005527667
一般式(1)で表されるピロリン系ニトロキシド化合物は、例えば、下記式(2)に示すように、3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを用いる方法(CAN.J.CHEM.,64,1482−1490(1986))により製造することができる。具体的には、水酸化ナトリウム水溶液等を用いて3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを加水分解して3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルとし、次に、アルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下、水素化リチウムアルミニウム−tert−ブトキシド等を用いてこれを還元することにより3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルとし、さらにメチルトリホスホニウムブロミド等を用いてこれをビニル化することにより3−ビニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルを製造することができる。
Figure 0005527667
本発明に係るピロリン系ニトロキシド重合体は、前記ピロリン系ニトロキシド化合物を重合して得られるものである。
前記ピロリン系ニトロキシド化合物を重合する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、塊状重合法および溶液重合法等を用いて重合する方法を挙げることができる。
前記塊状重合法を用いて重合する方法としては、例えば、撹拌機、温度計、アルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガスを導入するためのガス導入管および冷却管を備えた反応器を用いて、所定量のピロリン系ニトロキシド化合物を仕込み、不活性ガスにより脱酸素した後、撹拌しながら重合開始剤を添加する方法が挙げられる。
前記溶液重合法を用いて重合する方法としては、例えば、前記塊状重合法を用いて重合する場合において、所定量のピロリン系ニトロキシド化合物とともに不活性溶媒を仕込み、不活性ガスにより脱酸素した後、撹拌しながら重合開始剤を添加する方法が挙げられる。
前記溶液重合法を用いて重合する場合に使用する不活性溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;n−ヘキサン、n−ヘプタン、リグロイン等の非環式飽和炭化水素系溶媒;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の環式飽和炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等の不活性溶媒が挙げられる。これらの中でも、工業的に入手が容易で、安価であり、得られる重合反応生成物の品質が安定する観点から、芳香族炭化水素系溶媒、非環式飽和炭化水素系溶媒およびエーテル系溶媒が好ましく、中でもトルエン、n−ヘキサンおよびテトラヒドロフランが好適に用いられる。
前記溶液重合法を用いて重合する場合における前記不活性溶媒の使用量は、特に制限されるものではないが、反応を円滑に進行させる観点および使用量に見合うだけの効果を得る観点から、ピロリン系ニトロキシド化合物100重量部に対して1〜200重量部であることが好ましい。
前記重合開始剤としては特に限定されず、例えば、アニオン系重合開始剤を用いて重合することができる。アニオン系重合開始剤としては、例えば、シクロペンタジエニルチタニウム(IV)/メチルアルミノキサン、トリクロロチタニウム(III)/トリエチルアルミニウム、テトラクロロチタニウム(IV)/トリエチルアルミニウム、トリクロロバナジウム(III)/トリエチルアルミニウム、ジクロロコバルト(II)/ピリジン/ジエチルアルミニウムクロライド等のチーグラー・ナッタ試薬;tert−ブトキシカリウム;n−ブチルマグネシウムブロマイド、イソブチルマグネシウムブロマイド、tert−ブチルマグネシウムブロマイド、n−ブチルマグネシウムクロライド、イソブチルマグネシウムクロライド、tert−ブチルマグネシウムクロライド等のグリニャール試薬;n−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、1,1−ジフェニルヘキシルリチウム等のアルキルリチウム;ジエチル亜鉛およびジエチル亜鉛/水系開始剤等が挙げられる。これらの中でも、得られる重合反応生成物の品質が安定する観点から、チーグラー・ナッタ試薬が好適に用いられ、特に、シクロペンタジエニルチタニウム(IV)トリクロリド/メチルアルミノキサン系開始剤が好適に用いられる。
前記重合開始剤の使用量は、使用する重合開始剤の種類や反応温度により異なるが、通常、ピロリン系ニトロキシド化合物100重量部に対して0.00005〜10重量部であることが好ましい。なお、前記重合反応において、必要に応じてイソプロピルアルコール等の連鎖移動剤やメタノール等の重合停止剤等の添加剤を適宜加えてもよい。
反応温度としては、使用する重合開始剤の種類により異なるが、通常、−100〜100℃が好ましく、−20〜80℃がより好ましい。反応時間は前記反応温度により異なるため一概には言えないが、通常、5〜60時間である。
かくして得られたピロリン系ニトロキシド重合体は、例えば、反応液をヘキサン等の脂肪族炭化水素等の溶媒と混合し、当該重合反応生成物を沈澱させた後、ろ過することにより単離することができる。さらに、メタノール、ヘキサン等を用いて未反応物等を除去、洗浄し、また希塩酸、水等を用いて重合開始剤残渣を除去、洗浄し、乾燥することにより精製することができる。
本発明に係るピロリン系ニトロキシド重合体は、架橋構造を有するものであってもよい。架橋構造を有するピロリン系ニトロキシド重合体は、例えば、前記ピロリン系ニトロキシド化合物を重合する際に架橋剤を添加して、これと共重合させることにより製造することができる。
前記架橋剤としては、分子内に複数個の重合性不飽和基を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸系多官能化合物、アリルエーテル系多官能化合物およびビニル系多官能化合物等が挙げられる。(メタ)アクリル酸系多官能化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレートおよび2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。アリルエーテル系多官能化合物としては、例えば、ジエチレングリコールジアリルエーテルおよびジブチレングリコールジアリルエーテル等が挙げられる。ビニル系多官能化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらの中でも、高い重合反応性を有する観点から、(メタ)アクリル酸系多官能化合物が好適に用いられ、特に、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレートおよび1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレートが好適に用いられる。なお、これら架橋剤は、それぞれ1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上併用してもよい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリ」とは、「アクリ」および「メタクリ」を意味する。
前記架橋剤の使用割合は、特に限定されるものではないが、前記ピロリン系ニトロキシド化合物1モルに対して0.00001〜0.25モルの割合であることが好ましく、0.00005〜0.1モルの割合であることがより好ましく、0.0001〜0.05モルの割合であることがさらに好ましい。
本発明に係るピロリン系ニトロキシド重合体の数平均分子量は500〜5000000であることが好ましく、1000〜1000000であることがより好ましい。500未満であると、ピロリン系ニトロキシド重合体が電解液に溶解することになり、当該ピロリン系ニトロキシド重合体を含有する電極活物質を用いた電池の容量が低下するおそれがあり、5000000を超えると、取り扱いが困難になるおそれがある。なお、上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定された標準ポリスチレン換算値のことをいう。
本発明に係る電極活物質は、本発明に係るピロリン系ニトロキシド重合体を含有するものである。このような電極活物質もまた本発明の1つである。
また、本発明に係る電池は、本発明に係る電極活物質を用いたものである。このような電池もまた本発明の1つである。
図1に本発明に係る電池の実施形態の一例を示す。図1に示す電池は、正極5と負極3とを、電解質を含有するセパレータ4を介して対向するように重ね合わせ、さらに正極5に正極集電体6を重ね合わせた構成となっている。これらは負極側のステンレス外装1と正極側のステンレス外装1とで外装され、その間には、両者の電気的接触を防ぐ目的で、プラスチック樹脂等の絶縁性材料からなる絶縁パッキン2が配置される。なお、電解質として固体電解質やゲル電解質を用いる場合は、電解質を含有するセパレータ4に代えて、これらの電解質を電極間に介在させる形態にすることもできる。
本発明に係る電極活物質は、このような電池において、負極3、正極5または両電極に用いることができる。また、本発明に係る電池は、負極3、正極5または両電極の電極活物質として、本発明に係る電極活物質を用いたものである。
以下に、電池を構成する主な部材等に関して説明する。
(1)電極活物質
本発明において「電極活物質」とは、充電反応および放電反応等の電極反応に直接寄与する物質のことをいい、電池システムの中心的役割を果たすものである。
本発明に係る電極活物質は、本発明に係るピロリン系ニトロキシド重合体を含有するものであり、正極および/または負極の電極活物質として、本発明に係るピロリン系ニトロキシド重合体をそれぞれ単独で用いてもよいし、また、他の電極活物質と組み合わせて電極活物質としてもよい。
本発明に係るピロリン系ニトロキシド重合体を正極の電極活物質に用いる場合、他の電極活物質としては、金属酸化物、ジスルフィド化合物、他の安定ラジカル化合物および導電性高分子等を挙げることができる。
前記金属酸化物としては、例えば、LiMnO、LiMn(0<x<2)等のマンガン酸リチウムまたはスピネル構造を有するマンガン酸リチウム、MnO、LiCoO、LiNiO、あるいはLi(0<y<2)、オリビン系材料LiFePO、スピネル構造中のMnの一部を他の遷移金属で置換した材料LiNi0.5Mn1.5、LiCr0.5Mn1.5、LiCo0.5Mn1.5、LiCoMnO、LiNi0.5Mn0.5、LiNi0.33Mn0.33Co0.33、LiNi0.8Co0.2、LiN0.5Mn1.5−zTi(0<z<1.5)等が挙げられる。
前記ジスルフィド化合物としては、ジチオグリコール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、S−トリアジン−2,4,6−トリチオール等が挙げられる。
前記他の安定ラジカル化合物としては、ポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシル−4−イル メタクリレート)等が挙げられる。
前記導電性高分子としては、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリアニリン、ポリピロール等が挙げられる。
これらの中では、マンガン酸リチウムおよびLiCoOが好適に用いられる。これら他の電極活物質は、1種単独を前記ピロリン系ニトロキシド重合体と組み合わせてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記ピロリン系ニトロキシド重合体を負極の電極活物質に用いる場合、他の電極活物質としては、グラファイトや非晶質カーボン、金属リチウムやリチウム合金、リチウムイオン吸蔵炭素、金属ナトリウム、他の安定ラジカル化合物および導電性高分子等を挙げることができる。
他の安定ラジカル化合物としては、ポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシル−4−イル メタクリレート)等が挙げられる。
これらの中でも特に、金属リチウムまたはグラファイトと組み合わせることが好ましい。なお、これらの形状としては特に限定されず、薄膜状のもの、バルク状のもの、粉末を固めたもの、繊維状のもの、フレーク状のもの等であってもよい。これら他の電極活物質は、1種単独を前記ピロリン系ニトロキシド重合体と組み合わせてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明に係る電池は、正極もしくは負極の一方の電極、または両方の電極における電極活物質として、本発明に係るピロリン系ニトロキシド重合体を含有する電極活物質を用いるが、一方の電極にのみ前記ピロリン系ニトロキシド重合体を含有する電極活物質を用いる場合、もう一方の電極における電極活物質としては、前記他の電極活物質として例示した従来公知の電極活物質を用いることができる。
本発明において、エネルギー密度の観点から、前記ピロリン系ニトロキシド重合体を含有する電極活物質は、正極の電極活物質として用いるのが好ましく、ピロリン系ニトロキシド重合体を前記他の電極活物質と組み合わせることなく単独で用いるのがより好ましい。また、このときの負極の電極活物質としては、金属リチウムまたはグラファイトを用いることが好ましい。
(2)導電付与剤(補助導電材)およびイオン伝導補助材
本発明に係る電極活物質を正極の電極活物質として使用する場合、インピーダンスを低下させ、エネルギー密度、出力特性を向上させる目的で、導電付与剤(補助導電材)やイオン伝導補助材を混合させてもよい。
前記補助導電材としては、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質微粒子、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ等の炭素繊維、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセン等の導電性高分子が挙げられる。
また、前記イオン伝導補助材としては、高分子ゲル電解質、高分子固体電解質等が挙げられる。これらの中でも、炭素繊維が好適に用いられ、中でも気相成長炭素繊維がより好適に用いられる。炭素繊維を用いることにより、電極の引張り強度がより大きくなり、電極にひびが入ったり剥がれたりすることが少なくなる。これら補助導電材やイオン伝導補助材は、1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を併用してもよい。
前記補助導電材やイオン伝導補助材を用いる場合、電極中における混合割合としては、10〜80重量%が好ましい。
(3)結着剤
本発明に係る前記電極活物質では、各構成材料間の結びつきを強めるために、結着剤を混合させてもよい。
前記結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、各種ポリウレタン等の樹脂バインダーが挙げられる。これら結着剤は、1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を併用してもよい。
前記結着剤を用いる場合、電極中の混合割合としては、5〜30重量%が好ましい。
(4)増粘剤
本発明に係る電極活物質を形成させるためのスラリーを作製しやすくするために、増粘剤を混合させてもよい。
前記増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ヒドロキシエチル、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸ソーダ等が挙げられる。これら増粘剤は、1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を併用してもよい。
前記増粘剤を用いる場合、電極中の混合割合としては、0.1〜5重量%が好ましい。
(5)触媒
本発明に係る前記電極活物質において、電極反応をより円滑に行うために、酸化還元反応を助ける触媒を混合させてもよい。
前記触媒としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセン等の導電性高分子、ピリジン誘導体、ピロリドン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、アクリジン誘導体等の塩基性化合物、金属イオン錯体等が挙げられる。これら触媒は、1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を併用してもよい。
前記触媒を用いる場合、電極中の混合割合としては、10重量%以下が好ましい。
(6)集電体およびセパレータ
本発明に係る電極活物質に接触させて用いられる集電体としては、ニッケル、アルミニウム、銅、金、銀、アルミニウム合金、ステンレス、炭素等が挙げられ、箔、金属平板、メッシュ状等の形状のものを用いることができる。また、集電体に触媒効果を持たせたり、電極活物質と集電体とを化学結合させたりしてもよい。
一方、セパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなる多孔質フィルムや不織布等を挙げることができる。
(7)電解質
本発明に係る電池において、電解質は、負極と正極の両極間の荷電担体輸送を行うものであり、一般には20℃で10−5〜10−1S/cmのイオン伝導性を有していることが好ましい。前記電解質としては、例えば、電解質塩を溶媒に溶解した電解液を用いることができる。
前記電解質塩としては、例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON、Li(CFSOC、Li(CSOC等の従来公知の材料を挙げることができる。これら電解質塩は、1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を併用してもよい。
前記溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒を挙げることができる。これら溶媒は、1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を併用してもよい。
また、前記電解質として高分子化合物に前記電解質塩を含有させた固体電解質や高分子化合物に前記電解液を含ませてゲル状にした固体電解質を用いることもできる。
前記高分子化合物としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−モノフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン三元共重合体等のフッ化ビニリデン系重合体;アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−メチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ビニルアセテート共重合体等のアクリロニトリル系重合体;さらにポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、これらのアクリレート体やメタクリレート体の重合体等が挙げられる。
(8)電池形状
本発明に係る電池の形状は特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、電極積層体、あるいは巻回体を金属ケース、樹脂ケース、あるいはアルミニウム箔等の金属箔と合成樹脂フィルムからなるラミネートフィルム等によって封止したもの等が挙げられ、円筒型、角型、コイン型、およびシート型等が挙げられる。
(9)電池の製造方法
本発明に係る電池の製造方法としては特に限定されず、材料に応じて適宜選択した方法を用いることができる。例えば、本発明に係る電極活物質、導電付与剤等に溶媒を加えスラリー状にして電極集電体に塗布し、加熱もしくは常温で溶媒を揮発させることにより電極を作製し、さらにこの電極を対極、セパレータを挟んで積層または巻回して外装体で包み、電解液を注入して封止するといった方法である。スラリー化のための溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のアルキルケトン系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。また、電極の作製法としては、電極活物質、導電付与剤等を乾式で混練した後、薄膜化し電極集電体上に積層する方法もある。
本発明に係る電池の製造方法では、電極活物質を構成する化合物として前記ピロリン系ニトロキシド重合体そのものを用いる場合と、電極反応によって前記ピロリン系ニトロキシド重合体に変化する重合体を用いる場合とがある。このような電極反応によって前記ピロリン系ニトロキシド重合体に変化する重合体の例としては、前記ピロリン系ニトロキシド重合体を還元したアニオン体と、リチウムイオンやナトリウムイオンといった電解質カチオンとからなるリチウム塩やナトリウム塩、および、前記ピロリン系ニトロキシド重合体を酸化したカチオン体と、PF やBF といった電解質アニオンとからなる塩等が挙げられる。
本発明に係る電池において、電極からのリードの取り出し、外装等のその他の製造条件は電池の製造方法として従来公知の方法を用いることができる。
本発明によると、大きな電流を取り出すことができ、かつ繰り返し充放電を行っても容量の低下が少ない電池の電極材料として用いられるピロリン系ニトロキシド重合体、当該重合体を含有する電極活物質および当該電極活物質を用いた電池を提供することができる。
本発明に係る電池の実施形態の一例を示す概念図である。
以下に、製造例、実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら製造例、実施例によってなんら限定されるものではない。
[製造例1](ピロリン系ニトロキシド化合物の製造)
撹拌機、温度計、還流冷却管および流量計を備えた100mL容の4つ口フラスコに、3−カルバモイル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル1.17gおよび10wt%水酸化ナトリウム水溶液16.8mLを仕込み、懸濁させ、100℃にて2時間保持した。その後、適量の希塩酸を加えて中和し、黄色溶液を得た。これにジエチルエーテル50mLを加えて抽出した後、濃縮することにより、黄色結晶の3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル1.12gを得た。
得られた3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルは、下記の物性を有することから同定することができた。
IR(KBr):3300,2500,1707cm−1
分子量(大気圧イオン化法による質量分析):184
得られた3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル1gを、撹拌機、アルゴンガス導入管および温度計を備え、あらかじめアルゴンガスで置換した100mL容の4つ口フラスコに仕込み、ベンゼン12mL/ピリジン0.44mLの混合溶媒を加えて溶解させた。次に、アルゴン雰囲気下、5℃に冷却し、塩化チオニル0.44mL/ベンゼン2mLを加え、1時間撹拌した後、溶媒を留去し、THF10mLを加えて溶解させた。その後、−78℃に冷却し、同温度で1mol/L水素化リチウムアルミニウム−tert−ブトキシドTHF溶液5.4mLを2時間かけて滴下した。次いで、酢酸エチル50mLを用いて抽出した後、濃縮することにより、黄色結晶の3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル0.44gを得た。
得られた3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシルは、下記の物性を有することから同定することができた。
IR(KBr):2834,2736,1688cm−1
分子量(大気圧イオン化法による質量分析):168
次に、撹拌機、アルゴンガス導入管および温度計を備え、あらかじめアルゴンガスで置換した100mL容の4つ口フラスコに、0℃にて、メチルトリホスホニウムブロミド3.19g、炭酸カリウム1.36g、テトラヒドロフラン8.4mLを仕込み、溶解させ、30分間保持した。その後、3−ホルミル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル0.50g/テトラヒドロフラン2.3mLを加え、25℃にて48時間攪拌した後、ジエチルエーテル50mLを加えて抽出した後、濃縮することにより、橙色油状の前記一般式(1)で表されるピロリン系ニトロキシド化合物である3−ビニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリン−1−オキシル0.23gを得た。
得られたピロリン系ニトロキシド化合物は、下記の物性を有することから同定することができた。なお、NMRは、フェニルヒドラジンでラジカル部位を還元することにより測定した。
H NMR(CDCl):6.16,5.60,5.41,5.11,1.39,1.25ppm
13C NMR(CDCl):131.3,130.2,115.1,113.7,69.8,67.3,25.3,24.6ppm
IR(KBr):2974,1635,1593cm−1
分子量(大気圧イオン化法による質量分析):166
[製造例2]
攪拌機、窒素ガス導入管、温度計、還流冷却管を備えた500mL容の4つ口フラスコに、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルメタクリレート70.0g(311ミリモル)およびテトラヒドロフラン150mLを仕込み、均一溶液を得た。この溶液を25℃に保ちながら、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除去した後、重合開始剤としてα、α’−アゾビスイソブチロニトリル0.358g(2.2ミリモル)を加えて、攪拌下、50℃にて6時間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、ヘキサン2000mL中に加えた後、ろ過してポリメタクリル酸イミノ化合物を得た。得られたポリメタクリル酸イミノ化合物をヘキサン500mLで洗浄した後、減圧乾燥して白色粉体のポリメタクリル酸イミノ化合物69.5gを得た。
次に、得られたポリメタクリル酸イミノ化合物18gおよびクロロホルム180gを攪拌機、温度計、還流冷却管および滴下ロートを備えた500mL容の4つ口フラスコに仕込んで溶解させた。そこへ、25℃で、タングステン酸ナトリウム2水和物0.24gを溶解させた60重量%過酸化水素水120gを5時間かけて滴下した。滴下終了後反応を10時間継続した。反応後1時間静置して有機相を分離し、クロロホルム相を留去した。残った固形分を粉砕し、得られた粉末を減圧乾燥させてポリメタクリル酸ニトロキシド化合物15.7gを得た。
[実施例1](ピロリン系ニトロキシド重合体の製造)
撹拌機およびアルゴンガス導入管を備えた5mL容のナス型フラスコに、製造例1と同様にして得られたピロリン系ニトロキシド化合物0.17g(1ミリモル)を仕込み、25℃に保ちながら、アルゴンガスを通じて反応系内の酸素を除去した。次に、重合開始剤としてのシクロペンタジエニルチタニウム(IV)トリクロリド0.13mg(0.0006ミリモル)、メチルアルミノキサン11.25mg(0.194ミリモル)を加えて、アルゴンガス雰囲気下、25℃で撹拌下22時間重合反応させた後、適量のメタノールを添加して反応を停止させた。反応終了後、ヘキサン50mL中に加え、ろ過した後、ヘキサン10mLで洗浄し、減圧乾燥することにより薄茶色のピロリン系ニトロキシド重合体0.02gを得た(収率11%)。
得られたピロリン系ニトロキシド重合体について、数平均分子量を測定したところ、26000であった。なお、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(株式会社島津製作所製)を用いて、LiCl(0.01mol/L)、HPO(0.02mol/L)を含むN,N−ジメチルホルムアミド中30℃にて測定し、標準ポリスチレンを基準にして算出した。
[実施例2](ピロリン系ニトロキシド重合体の製造)
重合温度を50℃とする以外は、実施例1と同様にして、薄茶色のピロリン系ニトロキシド0.03gを得た(収率17%)。
得られたピロリン系ニトロキシド重合体について、数平均分子量を測定したところ、21000であった。なお、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(株式会社島津製作所製)を用いて、LiCl(0.01mol/L)、HPO(0.02mol/L)を含むN,N−ジメチルホルムアミド中30℃にて測定し、標準ポリスチレンを基準にして算出した。
[実施例3](ピロリン系ニトロキシド重合体を含有する電極の酸化還元特性)
実施例1で得られたピロリン系ニトロキシド重合体0.01g、補助導電材として気相成長炭素繊維0.08gおよび結着剤としてのポリフッ化ビニリデン0.01gをそれぞれ量りとり、N−メチルピロリドンを添加し、メノウ乳鉢を用いて混練した。10分ほど湿式混合して得られたスラリー状の混合体をITO基板上に塗布し、真空中60℃で一晩乾燥した。
この電極について、対極に白金コイル、参照極にAg/AgCl、電解液として0.5M(CNClOアセトニトリル溶液を用いて、電位掃引範囲0.5−1.0V(vs.Ag/AgCl)でのサイクリックボルタモグラムを測定したところ、0.75V(vs.Ag/AgCl)にニトロキシドラジカルのp型レドックス由来の酸化還元波が現れ、繰り返し掃引しても酸化還元波は安定していた。
[実施例4](ピロリン系ニトロキシド重合体を含有する電極活物質を用いた電池)
実施例1で得られたピロリン系ニトロキシド重合体0.01g、補助導電材として気相成長炭素繊維0.08gおよび結着剤としてのポリフッ化ビニリデン0.01gをそれぞれ量りとり、N−メチルピロリドンを添加し、メノウ乳鉢を用いて混練した。10分ほど湿式混合して得られたスラリー状の混合体をアルミ箔上に塗布し延伸した後、真空中60℃で一晩乾燥した。その後、直径12mmの円形に打ち抜き、コイン電極を成型した。なお、この電極の質量は13.0mgであった。
次に、得られた電極を電解液に浸して、電極中の空隙に電解液を染み込ませた。電解液としては、1.0mol/LのLiPF電解質塩を含むエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶液(混合体積比1:1)を用いた。電解液を含浸させた電極は、正極集電体を兼ねたステンレス外装(宝泉株式会社製)上に置き、その上に同じく電解液を含浸させたポリプロピレン多孔質フィルムセパレータを積層した。さらに負極となるリチウムディスクを積層し、周囲に絶縁パッキンを配置した状態で負極側ステンレス外装(宝泉株式会社製)を重ね合わせた。これを、かしめ機によって圧力を加えることで、正極活物質として実施例1で得られたピロリン系ニトロキシド重合体を、負極活物質として金属リチウムを用いた密閉型のコイン型電池を製造した。
このコイン型電池について、電位掃引範囲3.2〜4.2Vでのサイクリックボルタモグラムを測定したところ、3.65Vにニトロキシドラジカルのp型レドックス由来の酸化還元波が現れ、繰り返し掃引しても酸化還元波は安定していた。また、定電流0.1mA(電流密度150μA/cm)での充放電曲線を測定したところ、3.64Vにプラトー電位が現れ、500サイクル後も顕著な容量低下は見られず、安定な充放電挙動を示した。また、充放電曲線より求めたラジカル材料あたりの容量は140mAh/gであった。
[比較例1]
実施例4において、実施例1で得られたピロリン系ニトロキシド重合体0.01gを、製造例2で得られたポリメタクリル酸ニトロキシド化合物0.01gに変更した以外は実施例4と同様の方法にて、コイン型電池を作成した。
得られたコイン型電池について、実施例4と同様の方法にて充放電曲線を測定した。充放電曲線より求めたラジカル材料あたりの容量は、54mAh/gであった。
本発明によれば、大きな電流を取り出すことができ、かつ、繰り返し充放電を行っても容量の低下が少ない電池の電極材料として用いられるピロリン系ニトロキシド重合体、当該重合体を含有する電極活物質および当該電極活物質を用いた電池を提供することができる。
1 ステンレス外装
2 絶縁パッキン
3 負極
4 セパレータ
5 正極
6 正極集電体


Claims (4)

  1. 一般式(1):
    Figure 0005527667
    で表されるピロリン系ニトロキシド化合物を重合して得られるピロリン系ニトロキシド重合体。
  2. 数平均分子量が500〜5000000であるピロリン系ニトロキシド重合体。
  3. 請求項1又は2に記載のピロリン系ニトロキシド重合体を含有する電極活物質。
  4. 請求項3に記載の電極活物質を用いた電池。
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