JP4737365B2 - 電極活物質、電池および重合体 - Google Patents

電極活物質、電池および重合体 Download PDF

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Description

本発明は、容量密度が高く、かつ大きな電流を取り出すことができる電極活物質、および、エネルギー密度が高く、かつ大きな出力をだすことができる電池、並びに前記のような特性を有する電極活物質となりうる重合体に関する。
近年、ノート型パソコン、携帯電話などの携帯電子機器は、通信システムの発展に伴い急激に普及しており、またその性能も年々向上している。しかし、携帯機器は、性能の向上に伴い消費電力も大きくなる傾向にある。そこで、その電源である電池に対して、高エネルギー密度、大出力などの要求が高まっている。
高エネルギー密度の電池としては、リチウムイオン電池が開発され1990年代以降に広く用いられるようになった。このリチウムイオン電池は活物質として、例えば正極にマンガン酸リチウムやコバルト酸リチウムといったリチウム含有遷移金属酸化物、負極に炭素を用いたものであり、これら活物質へのリチウムイオンの挿入、脱離反応を利用して充放電を行っている。このようなリチウムイオン電池はエネルギー密度が大きく、サイクル特性に優れており、携帯電話をはじめとした種々の電子機器に利用されている。しかしながら、電極反応の反応速度が小さいため、大きな電流を取り出すと電池性能は著しく低下する。そのため、大きな出力をだすことが難しく、また充電のためにも長時間要するという欠点があった。
大きな出力をだすことができる蓄電デバイスとして、電気二重層キャパシタが知られている。大電流を一度に放出できるため大きな出力をだすことが可能であり、サイクル特性にも優れており、バックアップ電源として開発が進められている。しかしながら、エネルギー密度は非常に小さく、小型化が困難であることから、携帯電子機器の電源には適していない。
軽量でエネルギー密度の大きな電極材料を得る目的で、活物質に硫黄化合物や有機化合物を用いた電池も開発されてきた。例えば、特許文献1(米国特許第4,833,048号明細書)、特許文献2(特許第2715778号公報)にはジスルフィド結合を有する有機化合物を正極に用いた電池が開示されている。これはジスルフィド結合の生成、解離を伴う電気化学的酸化還元反応を電池の原理として利用したものである。この電池は硫黄や炭素といった比重の小さな元素を主成分とする電極材料から構成されているため、高エネルギー密度の大容量電池という点において一定の効果を奏している。しかし、解離した結合が再度結合する効率が小さいことや活物質の電解液への拡散のため、充放電サイクルを重ねると容量が低下しやすいという欠点がある。
また、有機化合物を利用した電池として、導電性高分子を電極材料に用いた電池が提案されている。これは導電性高分子に対する電解質イオンのドープ、脱ドープ反応を原理とした電池である。ドープ反応とは、導電性高分子の酸化もしくは還元によって生ずる荷電ラジカルを、対イオンによって安定化させる反応のことである。特許文献3(米国特許第4,442,187号明細書)には、このような導電性高分子を正極もしくは負極の材料とする電池が開示されている。この電池は、炭素や窒素といった比重の小さな元素のみから構成されたものであり、高容量電池として期待された。しかし、導電性高分子には、酸化還元によって生じる荷電ラジカルがπ電子共役系の広い範囲に亘って非局在化し、それらが静電反発やラジカルの消失をもたらす相互作用をするという特性がある。これは発生する荷電ラジカルすなわちドープ濃度に限界をもたらすものであり、電池の容量を制限するものである。例えば、ポリアニリンを正極に用いた電池のドープ率は50%以下であり、またポリアセチレンの場合は7%であると報告されている。導電性高分子を電極材料とする電池では軽量化という点では一定の効果を奏しているものの、大きなエネルギー密度をもつ電池は得られていない。
有機化合物を利用した蓄電デバイスとしては、特許文献4(特開2000−315527号公報)に、トリフェニルアミンを繰り返し単位として含む導電性高分子を電極材料に用いた非水電解質キャパシタが提案されている。大きな出力を出すことができ、従来の電気二重層キャパシタに比べ高いエネルギー密度をもっている。しかし、導電性高分子を電極活物質として用いた電池と同様に、発生するドープ濃度に限界があり、エネルギー密度に関してはまだ改善の余地が有ると考えられる。
米国特許第4,833,048号明細書 特許第2715778号公報 米国特許第4,442,187号明細書 特開2000−315527号公報
上記で述べたように、正極に遷移金属酸化物を用いたリチウムイオン電池では、大きな出力をだせる電池の製造が困難であった。また、電気二重層キャパシタは大きな出力をだせるが、エネルギー密度は低かった。また、硫黄化合物や導電性有機化合物を活物質に利用した電池は、エネルギー密度の高い電池は未だ得られていない。
本発明は、容量密度が高く、かつ大きな電流を取り出すことができる電極活物質、および、エネルギー密度が高く、かつ大きな出力をだすことができる電池、並びに前記のような特性を有する電極活物質となりうる重合体を提供することを目的としている。
本発明者らが、鋭意検討した結果、今までに電極の電極活物質として利用されなかった特定の有機化合物、すなわち下記式(1)または式(1’)で表される構造を分子中に有する化合物(a)として、式(3)または式(3’)で表されるユニットを分子中に有する高分子化合物を電極の電極活物質として利用することにより、前記課題を解決できることを見出した。本発明によれば、下記式(3)または式(3’)で表されるユニットを分子中に有する高分子化合物を電極活物質として用い、この部位の酸化還元を利用した新規な電池とすることにより、高エネルギー密度かつ大きな出力(具体的には大電流を放電できる)をだすことができる新規な電池を提供することができる。
すなわち本発明は、下記式(3)または式(3’)で表されるユニットを分子中に有する高分子化合物を含有する電極活物質である。また、正極および負極の少なくとも一方の電極活物質として、下記式(3)または式(3’)で表されるユニットを分子中に有する高分子化合物を含有する電極活物質を用いることを特徴とする新規な電池に関する。
Figure 0004737365
(式(1)、式(1’)において、R1〜R4はそれぞれ独立してメチル基またはエチル基、R5は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基または水酸基を表す。また、式(3)、式(3’)において、R 1 〜R 4 はそれぞれ独立してメチル基またはエチル基、R 5 は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基または水酸基、R 6 は水素原子またはメチル基を表す。
本発明の電池において、化合物(a)は、充放電の過程で下記スキームのような酸化還元反応をおこなう。化合物(a)を正極に用いた場合、充電により(A)から(B)の状態になり、電子が放出される。放電により(B)から(A)の状態になり電子を受け取る。
Figure 0004737365
電池において電極活物質は充放電により酸化もしくは還元されるため、電極活物質は出発状態と還元状態の二つの状態を取る。本発明において、前記電極活物質は充電または放電された状態の何れかの状態で化合物(a)となる。
本発明は、電極活物質の電極反応を利用する電池において、正極および負極の少なくとも一方の電極反応が、上記式(3)または式(3’)で表されるユニットを分子中に有する高分子化合物を反応物もしくは生成物とする電極反応であることを特徴とする電池に関する。
また本発明は、前記電極活物質が、正極活物質であることを特徴とする前記いずれかの電池に関する。
また本発明は、前記電池がリチウム電池であることを特徴とする前記いずれかの電池に関する。
本発明は、上記の化合物(a)のうち、式(3)または式(3’)で表されるユニットを分子中に有する高分子化合物が電極活物質として優れていることを見出したことに基づいてなされたものである。これは、化合物(a)が、副反応をほとんどおこさない、ほぼ100%の割合で可逆に安定した酸化還元反応を起こすことによる。すなわち、化合物(a)として、式(3)または式(3’)で表されるユニットを分子中に有する高分子化合物を電極活物質として用いた電池は、充放電を安定して行うことができ、サイクル特性に優れた電池となる。また、化合物(a)として、式(3)または式(3’)で表されるユニットを分子中に有する高分子化合物を電極活物質として用いた電池は、従来のリチウムイオン電池などに比べ優れた高出力特性を有する。これは、化合物(a)が有している式(1)または式(1’)で表される構造が大きな電極反応速度をもつために、大きな電流を一度に放電できるためである。また、化合物(a)は、炭素、窒素、水素、酸素という質量の小さい元素のみから構成することができる。このため、電極活物質の質量を小さくでき、これを用いて製造した電極の単位質量あたりの容量密度は大きくなり、その結果、この電極活物質を用い電池を作製した場合、質量当たりのエネルギー密度が大きな電池となる。
また、本発明では、正極もしくは負極での電極反応に、化合物(a)が直接寄与していればよく、電極活物質材料として用いる電極は正極もしくは負極のいずれかに限定されるものではない。ただし、エネルギー密度の観点から、特に正極の電極活物質としてこの化合物(a)を用いることが好ましい。また、本発明の電池は、高容量が得られるという点から負極に金属リチウムあるいはリチウムイオンが挿入・脱着可能な炭素を用いたリチウム電池であることが好ましい。
また、本発明は下記式(4)または式(4’)で表されるユニットを分子中に有する新規な重合体も提供する。
Figure 0004737365
(式(4)、式(4’)において、R5'は水素原子、メチル基または水酸基、またR6'は水素原子またはメチル基を表す。)
本発明は、式(3)または式(3’)で表されるユニットを分子中に有する高分子化合物を含有する電極活物質と、この電極活物質を用いた新しい電池を提案したものである。これにより、重金属を含まない軽くて安全な元素から構成される電池を作製することを可能とするものであり、また、高エネルギー密度(質量当たり)で充放電サイクルの安定性に優れ、さらに大きな出力をだすことができる電池を実現できる。
図1に本発明の電池の一実施形態の構成を示す。図1に示された電池は、正極6と負極集電体3に配置した負極4とを電解質を含むセパレータ5を介して対向するように重ね合わせ、さらに正極6上に正極集電体7を重ね合わせた構成を有している。これらは負極側のアルミ外装1と正極側のアルミ外装1とで外装され、その間には、両者の電気的接触を防ぐ目的で、プラスチック樹脂等の絶縁性材料からなる絶縁パッキン2が配置される。なお、電解質として固体電解質やゲル電解質を用いる場合は、セパレータに代えてこれら電解質を電極間に介在させる形態にすることもできる。
本発明では、このような構成において、負極4もしくは正極6または両電極に用いられる電極活物質が、後述する化合物(a)を含有する電極活物質であることを特徴とする。
本発明の電池は、電池容量の点から、正極活物質として上記の電極活物質を用いたリチウム電池とすることが好ましい。
[1]電極活物質
本発明における電極活物質とは、充電反応および放電反応等の電極反応に直接寄与する物質のことであり、電池システムの中心的役割を果たすものである。
本発明では、電極活物質として、下記式(1)または式(1’)で表される構造を分子中に有する化合物(a)を含有する電極活物質を用いることができる。
Figure 0004737365
式(1)、式(1’)において、R1〜R4はそれぞれ独立してメチル基またはエチル基を表し、R5は水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、及び水酸基のいずれかを表す。合成のし易さという観点から、R5は水素原子又はメチル基が好ましい。なお、式(1)、式(1’)において、結合先の基が記載されていない箇所は、他の基と結合していても良いことを意味し、具体的には、水素原子または1価の有機基が結合していることを意味する。
本発明において電極活物質に含まれる化合物(a)は、低分子化合物でも高分子化合物でもよい。本発明の電池において電極活物質は電極に固定された状態であっても、また、電解質へ溶解または分散した状態であってもよい。ただし、電極に固定された状態で用いる場合、電解液への溶解による容量低下を抑制するために、固体状態でさらに電解液に対し不溶性または低溶解性であることが好ましい。電解液への溶解性が高い場合、電極から電解液中に電極活物質が溶出することで、充放電サイクルに伴い容量が低下するためである。このため、化合物(a)は、数平均分子量が500以上の高分子化合物であることが好ましく、さらには数平均分子量が5000以上の高分子化合物であることがより好ましい。これは、高分子化合物であると固体状態になりやすく、さらに数平均分子量が500以上であると電池用電解液に溶解しづらくなり、さらに数平均分子量が5000以上になるとほぼ不溶となるからである。また、数平均分子量の上限には特に制限はないが、合成の都合上、数平均分子量が5000000以下、より好ましくは数平均分子量が1000000以下の高分子化合物を好適に使用できる。高分子化合物の形状としては鎖状、分岐状、網目状のいずれでもよい。また、架橋剤で架橋したような構造でもよい。
化合物(a)としては、とくに式(2)または式(2’)で表される構造を分子中に有する化合物が挙げられる。
Figure 0004737365
式(2)、式(2’)において、R1〜R4はそれぞれ独立してメチル基またはエチル基、R5は水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、及び水酸基のいずれか、R6は水素原子またはメチル基を表す。合成のし易さという観点から、R5は水素原子又はメチル基が好ましい。なお、式(2)、式(2’)において、結合先の基が記載されていない箇所は、他の基と結合していても良いことを意味し、具体的には、水素原子または1価の有機基が結合していることを意味する。
また、式(3)または式(3’)で表されるユニットを分子中に有する、ポリアセチレンを主鎖に持つ高分子化合物が挙げられる。
Figure 0004737365
式(3)、式(3’)において、R1〜R4はそれぞれ独立してメチル基またはエチル基、R5は水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、及び水酸基のいずれか、R6は水素原子またはメチル基を表す。合成のし易さという観点から、R5は水素原子又はメチル基が好ましい。
上記の高分子化合物としては、式(3)または式(3’)で表されるユニットのみを有する単独重合体を用いることも、他のユニットを有する共重合体を用いることもできる。合成の都合上、単独重合体が好ましい。共重合体の場合、式(3)または式(3’)で表されるユニットが、高分子化合物の全ユニットに対して、70〜99ユニット%であることが好ましく、80〜95ユニット%であることがより好ましい。
このような高分子化合物の例として下記式(5)から式(11)で表されるユニットを分子中に有する単独重合体及び式(12)で表されるユニットを分子中に有する共重合体等が挙げられる。
Figure 0004737365
Figure 0004737365
上記式(5)で表されるユニットを分子中に有する高分子化合物は、たとえば下記の合成スキームに示すルートで合成することができる。2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(I)を出発物質とし、フェニル基の導入後、N−ブロモスクシンイミドでブロモ化、ソノガシラ反応によるエチニル基導入後、脱保護によりモノマー(V)を得る。得られたモノマー(V)を室温、トリエチルアミン中、[Rh(ノルボルナジエン)Cl]2を触媒として配位重合することにより、式(5)で表されるユニットを分子中に有する高分子化合物が得られる。
Figure 0004737365
上記化合物(a)として使用できる他の低分子化合物及び高分子化合物についても、上記の合成法と類似の方法で合成することが可能である。すなわち、合成スキーム、使用する原料、反応条件等を適宜変更し、また公知の合成技術を組合わせることで、目的とする化合物を合成することができる。
また、本発明の電池の一つの極の電極活物質において、化合物(a)は、単独で用いることができるが、二種類以上を組み合わせて用いても良い。また、他の電極活物質と組み合わせて用いても良い。このとき、電極活物質中に、化合物(a)が10〜90質量%含まれていることが好ましく、20〜80質量%含まれていることがより好ましい。
化合物(a)を正極に用いる場合、他の電極活物質として、金属酸化物、ジスルフィド化合物、他の安定ラジカル化合物、および導電性高分子等を組合わせることができる。ここで、金属酸化物としては、例えば、LiMnO2、LiXMn24(0<x<2)等のマンガン酸リチウムあるいはスピネル構造を有するマンガン酸リチウム、MnO2、LiCoO2、LiNiO2、あるいはLiX25(0<x<2)等が、ジスルフィド化合物としては、ジチオグリコール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、S−トリアジン−2,4,6−トリチオール等が、他の安定ラジカル化合物としてはポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシル−4−イル メタクリレート)等が、また、導電性高分子にはポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリアニリン、ポリピロール等が挙げられる。特に、マンガン酸リチウムまたはLiCoO2と組合わせることが好ましい。本発明では、これらの他の電極活物質を単独、もしくは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
化合物(a)を負極に用いる場合、他の電極活物質として、グラファイトや非晶質カーボン、金属リチウムやリチウム合金、リチウムイオン吸蔵炭素、金属ナトリウム、導電性高分子等を用いることができる。また、他の安定ラジカル化合物を用いてもよい。他の安定ラジカル化合物としてはポリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシル−4−イル メタクリレート)などが挙げられる。これらの形状としては特に限定されず、例えば金属リチウムでは薄膜状のものに限らず、バルク状のもの、粉末を固めたもの、繊維状のもの、フレーク状のもの等であっても良い。また、これらの他の電極活物質を単独、もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の電池は、正極もしくは負極の一方の電極反応、または両方の電極反応における電極活物質として、化合物(a)を用いるが、一方の電極反応における電極活物質として用いる場合、もう一方の電極における電極活物質として上記例示のような従来公知の電極活物質が利用できる。これらの電極活物質を単独、もしくは2種以上を組み合わせて使用することもでき、これらの電極活物質の少なくとも1種と前記化合物(a)とを組み合わせて用いてもよい。
[2]導電付与剤(補助導電材)およびイオン伝導補助材
前記化合物(a)を用いて電極を形成する場合に、インピーダンスを低下させ、エネルギー密度、出力特性を向上させる目的で、導電付与剤(補助導電材)やイオン伝導補助材を混合させることもできる。これらの材料としては、補助導電材としては、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質微粒子、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ等の炭素繊維、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセン等の導電性高分子が挙げられ、イオン伝導補助材としては高分子ゲル電解質、高分子固体電解質等が挙げられる。電極中のこれらの材料の割合としては、10〜80質量%が好ましい。
[3]結着剤
電極の各構成材料間の結びつきを強めるために、結着剤を用いることもできる。このような結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、各種ポリウレタン等の樹脂バインダーが挙げられる。電極中のこれらの材料の割合としては、5〜30質量%が好ましい。
[4]触媒
電極反応をより潤滑に行うために、酸化還元反応を助ける触媒を用いることもできる。このような触媒としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセン等の導電性高分子、ピリジン誘導体、ピロリドン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、アクリジン誘導体等の塩基性化合物、金属イオン錯体等が挙げられる。電極中のこれらの材料の割合としては、10質量%以下が好ましい。
[5]集電体およびセパレータ
負極集電体、正極集電体としては、ニッケル、アルミニウム、銅、金、銀、アルミニウム合金、ステンレス、炭素等からなる箔、金属平板、メッシュ状などの形状のものを用いることができる。また、集電体に触媒効果を持たせたり、電極活物質と集電体とを化学結合させたりしてもよい。一方、上記の正極、および負極が接触しないようにポリエチレン、ポリプロピレン等からなる多孔質フィルムや不織布などのセパレータを用いることもできる。
[6]電解質
本発明において、電解質は、負極と正極の両極間の荷電担体輸送を行うものであり、一般には20℃で10-5〜10-1S/cmのイオン伝導性を有していることが好ましい。電解質としては、例えば電解質塩を溶剤に溶解した電解液を利用することができる。電解質塩として、例えばLiPF6、LiClO4、LiBF4、LiCF3SO3、Li(CF3SO22N、Li(C25SO22N、Li(CF3SO23C、Li(C25SO23C等の従来公知の材料を用いることができる。
また,電解液に溶剤を用いる場合、溶剤としては例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒を用いることができる。これらの溶剤を単独もしくは2種類以上混合して用いることもできる。
さらに、本発明では電解質として固体電解質を用いることもできる。これら固体電解質に用いられる高分子化合物としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−モノフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン三元共重合体等のフッ化ビニリデン系重合体や、アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−メチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ビニルアセテート共重合体等のアクリルニトリル系重合体、さらにポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、これらのアクリレート体やメタクリレート体の重合体などが挙げられる。これらの高分子化合物に電解液を含ませてゲル状にしたものを用いても、電解質塩を含有させた高分子化合物のみをそのまま用いても良い。
[7]電池形状
本発明において、電池の形状は特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。電池形状としては、電極積層体、あるいは巻回体を金属ケース、樹脂ケース、あるいはアルミニウム箔などの金属箔と合成樹脂フィルムからなるラミネートフィルム等によって封止したもの等が挙げられ、円筒型、角型、コイン型、およびシート型等で作製されるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[8]電池の製造方法
電池の製造方法としては特に限定されず、材料に応じて適宜選択した方法を用いることができる。例えば、電極活物質、導電付与剤などに溶剤を加えスラリー状にして電極集電体に塗布し、加熱もしくは常温で溶剤を揮発させることにより電極を作製し、さらにこの電極を対極、セパレータを挟んで積層または巻回して外装体で包み、電解液を注入して封止するといった方法である。スラリー化のための溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、N−メチルピロリドン等のアミン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。また、電極の作製法としては、電極活物質、導電付与剤などを乾式で混練した後、薄膜化し電極集電体上に積層する方法もある。
電池を製造する際には、電極活物質として前記化合物(a)そのものを用いて電池を製造する場合と、電極反応によって前記化合物(a)に変化する化合物を用いて電池を製造する場合とがある。このような電極反応によって前記化合物(a)に変化する化合物の例としては、前記化合物(a)を酸化したカチオン体とPF6 -やBF4 -といった電解質アニオンとからなる塩などが挙げられる。
本発明に於いて、電極からのリードの取り出し、外装等のその他の製造条件は電池の製造方法として従来公知の方法を用いることができる。
以下、本発明の詳細について合成例、実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの合成例、実施例に限定されるものではない。
(合成例1)
重合体(5)(下記式(5)で表されるユニットを分子中に有する単独重合体)は2,2,6,6−テトラメチルピペリジンより5段階の反応で合成した。
Figure 0004737365
[1]2,2,6,6−テトラメチル−1−フェニルピペリジンの合成
Figure 0004737365
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1.00g(7.08mmol)をTHF中、n−ブチルリチウムによりリチオ化し、ブロモベンゼン1.11g(7.08mmol)を添加、室温窒素雰囲気下24時間反応させ、2,2,6,6−テトラメチル−1−フェニルピペリジンを無色透明液体として得た(収量0.947g,収率62%)。
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)7.20−7.29(m,5H),1.76(m,2H),1.60(t,4H),1.05(s,12H)
13C−NMR(CDCl3):δ(ppm)146.8,134.1,127.5,125.4,54.0,42.4,29.7,18.4
IR(cm-1):1362(νC-N
Mass(m/z):217.35(計算値),217(測定値)
[2]1−(4−ブロモフェニル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの合成
Figure 0004737365
2,2,6,6−テトラメチル−1−フェニルピペリジン49.2mg(0.226mmol)をCH2Cl2中、N−ブロモスクシンイミド42.3mg(0.238mmol)を添加、室温窒素雰囲気下16時間反応させ、1−(4−ブロモフェニル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを淡黄色結晶として得た(収量53.8mg,収率80%)。
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)7.33(dd,2H),7.06(dd,2H),1.67(m,2H),1.51(t,4H),0.96(s,12H)
13C−NMR(CDCl3):δ(ppm)145.8,135.7,130.7,119.1,54.0,42.1,29.6,18.2
IR(cm-1):691(νC-Br),1362(νC-N
Mass(m/z):286.25(計算値),295,297(測定値)
[3]2,2,6,6−テトラメチル−1−(4−トリメチルシラニルエチニルフェニル)ピペリジンの合成
Figure 0004737365
TEA中にて1−(4−ブロモフェニル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン0.557g(1.69mmol)に、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)85.0mg(0,122mmol)、ヨウ化銅12.0mg(0.061mmol)を添加後、室温窒素雰囲気下、2時間反応攪拌した。トリメチルシリルアセチレン0.332g(3.38mmol)を加え、80℃で10時間反応させた。2,2,6,6−テトラメチル−1−(4−トリメチルシラニルエチニルフェニル)ピペリジンを橙色液体として得た(収量0.305g,収率52%)。
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)7.35(d,2H),7.11(d,2H),1.69(m,2H),1.52(t,4H),0.97(s,12H),0.22(s,9H)
13C−NMR(CDCl3):δ(ppm)147.6,134.0,120.0,105.3,93.8,54.2,42.2,29.7,18.3,0.0
IR(cm-1):1362(νC-N),2159(νCC
Mass(m/z):313(計算値),313.55(測定値)
[4]1−(4−エチニルフェニル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの合成
Figure 0004737365
2,2,6,6−テトラメチル−1−(4−トリメチルシラニルエチニルフェニル)ピペリジン0.921g(2.94mmol)をTEA中、テトラブチルアンモニウムフロライドを添加して、室温窒素雰囲気下10分間反応させて脱保護し、淡黄色結晶として1−(4−エチニルフェニル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを得た(収量43.3mg,収率52%)。
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)7.32(d,2H),7.15(d,2H),3.06(s,1H),1.71(m,2H),1.56(t,4H),1.00(s,12H)
13C−NMR(CDCl3):δ(ppm)147.9,134.1131.6,119.0,83.9,81.8,54.2,42.2,29.7,18.3
IR(cm-1):1362(νC-N),2109(νCC),3299(ν≡C-H
Mass(m/z)241.37(計算値),241(測定値)
[5]1−(4−エチニルフェニル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの重合
Figure 0004737365
1−(4−エチニルフェニル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン24.4mg(0.101mmol)に[Rh(nbd)Cl]24.66mg(0.0101mmol)を添加、トリエチルアミン(TEA)1ml中、30℃窒素雰囲気下で2時間重合させた。反応開始直後に橙色固体が析出した。反応溶液をグラスフィルターで濾過し、クロロホルムにより洗浄後、クロロホルム抽出部をメタノールへ再沈澱精製した。クロロホルム可溶部(収量1.7mg,収率7.0%)は数平均分子量96000(ポリスチレン換算)、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)1.7だった。
(実施例1)
合成例1で合成した重合体(5)(数平均分子量96000(ポリスチレン換算)、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)1.7)300mg、グラファイト粉末600mg、ポリテトラフルオロエチレン樹脂バインダ100mgを測り採り、メノウ乳鉢を用い混練した。10分ほど乾式混合して得られた混合体を、圧力を掛けてローラー延伸することにより、厚さ約120μmの薄膜とした。これを、真空中80℃で一晩乾燥した後、直径12mmの円形に打ち抜き、コイン電池用電極を成型した。なお、この電極の質量は8.87mgだった。
次に、得られた電極を電解液に浸して、電極中の空隙に電解液を染み込ませた。電解液としては、1.0mol/LのLiPF6電解質塩を含むエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶液(混合体積比3:7)を用いた。電解液を含浸させた電極は、正極集電体(アルミ箔)上に置き、その上に同じく電解液を含浸させたポリプロピレン多孔質フィルムセパレータを積層した。さらに負極となるリチウム張り合わせ銅箔を積層し、周囲に絶縁パッキンを配置した状態で正極側及び負極側からそれぞれのアルミ外装(Hohsen製)を重ね合わせた。これを、かしめ機によって圧力を加え、正極活物質として重合体(5)、負極活物質として金属リチウムを用いた密閉型のコイン型電池とした。
以上のように作製したコイン電池を、0.1mAの定電流で電圧が4.2Vになるまで充電し、その後、0.1mAの定電流で2.8Vまで放電を行った。その結果、電圧は3.5V付近で2時間ほぼ一定となり、その後急激に低下した。電極活物質あたりの放電容量は86.4mAh/gだった。同様に、4.2〜2.8Vの範囲で充放電を50回繰り返した。その結果、50回の充放電すべてにおいて、放電時に3.5V付近で電圧が一定になり、(50回目の放電容量)/(1回目の放電容量)は97.0%だった。
次に、コイン電池を0.1mAの定電流で電圧が4.2Vになるまで充電し、その後、5.0mAの定電流で放電を行った。その結果、電圧は3.3V付近で一定となり、その後急激に低下した。(5.0mA放電におけるの放電容量)/(0.1mA放電における放電容量)は84.1%だった。
(実施例2)
合成例1と同様の合成スキームにより重合体(6)(下記式(6)で表されるユニットを分子中に有する単独重合体、数平均分子量83000(ポリスチレン換算)、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)1.7)を合成し、得られた重合体(6)を用いて実施例1と同様の方法によりコイン電池を作製した。このコイン電池の正極重さは9.24mgであった。
Figure 0004737365
このコイン電池を、0.1mAの定電流で電圧が4.2Vになるまで充電し、その後、0.1mAの定電流で2.8Vまで放電を行った。その結果、電圧は3.5V付近で2時間ほぼ一定となり、その後急激に低下した。電極活物質あたりの放電容量は77.7mAh/gだった。同様に、4.2〜2.8Vの範囲で充放電を50回繰り返した。その結果、50回の充放電すべてにおいて、放電時に3.5V付近で電圧が一定になり、(50回目の放電容量)/(1回目の放電容量)は96.3%だった。
次に、コイン電池を0.1mAの定電流で電圧が4.2Vになるまで充電し、その後、5.0mAの定電流で放電を行った。その結果、電圧は3.35V付近で一定となり、その後急激に低下した。(5.0mA放電における放電容量)/(0.1mA放電における放電容量)は94.1%だった。
(実施例3)
合成例1と同様の合成スキームにより重合体(7)(下記式(7)で表されるユニットを分子中に有する単独重合体、数平均分子量は60200(ポリスチレン換算)、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は1.6)を合成し、得られた重合体(7)を用いて実施例1と同様の方法によりコイン電池を作製した。このコイン電池の正極重さは8.26mgであった。
Figure 0004737365
このコイン電池を、0.1mAの定電流で電圧が4.2Vになるまで充電し、その後、0.1mAの定電流で2.8Vまで放電を行った。その結果、電圧は3.5V付近で2時間ほぼ一定となり、その後急激に低下した。電極活物質あたりの放電容量は81.1mAh/gだった。同様に、4.2〜2.8Vの範囲で充放電を50回繰り返した。その結果、50回の充放電すべてにおいて、放電時に3.5V付近で電圧が一定になり、(50回目の放電容量)/(1回目の放電容量)は95.3%だった。
次に、コイン電池を0.1mAの定電流で電圧が4.2Vになるまで充電し、その後、5.0mAの定電流で放電を行った。その結果、電圧は3.33V付近で一定となり、その後急激に低下した。(5.0mA放電における放電容量)/(0.1mA放電における放電容量)は83.6%だった。
(実施例4)
合成例1と同様の合成スキームにより重合体(8)(下記式(8)で表されるユニットを分子中に有する単独重合体、数平均分子量は101000(ポリスチレン換算)、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は1.9)を合成し、得られた重合体(8)を用いて実施例1と同様の方法によりコイン電池を作製した。このコイン電池の正極重さは10.03mgであった。
Figure 0004737365
このコイン電池を、0.1mAの定電流で電圧が4.2Vになるまで充電し、その後、0.1mAの定電流で2.8Vまで放電を行った。その結果、電圧は3.5V付近で2時間ほぼ一定となり、その後急激に低下した。電極活物質あたりの放電容量は78.9mAh/gだった。同様に、4.2〜2.8Vの範囲で充放電を50回繰り返した。その結果、50回の充放電すべてにおいて、放電時に3.5V付近で電圧が一定になり、(50回目の放電容量)/(1回目の放電容量)は91.8%だった。
次に、コイン電池を0.1mAの定電流で電圧が4.2Vになるまで充電し、その後、5.0mAの定電流で放電を行った。その結果、電圧は3.28V付近で一定となり、その後急激に低下した。(5.0mA放電における放電容量)/(0.1mA放電における放電容量)は78.0%だった。
(実施例5)
合成例1と同様の合成スキームにより重合体(9)(下記式(9)で表されるユニットを分子中に有する単独重合体、数平均分子量は68000(ポリスチレン換算)、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は1.7)を合成し、得られた重合体(9)を用いて実施例1と同様の方法によりコイン電池を作製した。このコイン電池の正極重さは12.0mgであった。
Figure 0004737365
このコイン電池を、0.1mAの定電流で電圧が4.2Vになるまで充電し、その後、0.1mAの定電流で2.8Vまで放電を行った。その結果、電圧は3.5V付近で2時間ほぼ一定となり、その後急激に低下した。電極活物質あたりの放電容量は81.0mAh/gだった。同様に、4.2〜2.8Vの範囲で充放電を50回繰り返した。その結果、50回の充放電すべてにおいて、放電時に3.5V付近で電圧が一定になり、(50回目の放電容量)/(1回目の放電容量)は92.1%だった。
次に、コイン電池を0.1mAの定電流で電圧が4.2Vになるまで充電し、その後、5.0mAの定電流で放電を行った。その結果、電圧は3.25V付近で一定となり、その後急激に低下した。(5.0mA放電における放電容量)/(0.1mA放電における放電容量)は75.7%だった。
(比較例1)
実施例1と同様な方法で、ただし、重合体(5)を用いず、代わりにグラファイト粉末を900mgに増やして、コイン電池を作製した。作製した電池に対して、実施例1と同様にして充放電を行った。その結果、放電時に電圧平坦部はみられず電圧は急速に低下し、電池として十分に動作しなかった。
(比較例2)
実施例1と同様な方法で、ただし、重合体(5)を用いず、代わりにLiCoO2を300mg用いて、コイン電池を作製した。作製した電池に対して、実施例1と同様にして充放電を行い、電極活物質あたりの放電容量を計算したところ、96mAh/gであった。(5.0mA放電における放電容量)/(0.1mA放電における放電容量)は26.8%だった。
本発明の電池の構成の一例を示す概念図である。
符号の説明
1 アルミ外装
2 絶縁パッキン
3 負極集電体
4 負極
5 セパレータ
6 正極
7 正極集電体

Claims (6)

  1. 下記式(3)または式(3’)で表されるユニットを分子中に有する高分子化合物を含有する電極活物質。
    Figure 0004737365
    (式(3)、式(3’)において、R1〜R4はそれぞれ独立してメチル基またはエチル基、R5は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基または水酸基、R 6 は水素原子またはメチル基を表す。)
  2. 正極および負極の少なくとも一方の電極活物質として、請求項1に記載の電極活物質を用いることを特徴とする電池。
  3. 電極活物質の電極反応を利用する電池において、正極および負極の少なくとも一方の電極反応が、下記式(3)または式(3’)で表されるユニットを分子中に有する高分子化合物を反応物もしくは生成物とする電極反応であることを特徴とする電池。
    Figure 0004737365
    (式(3)、式(3’)において、R1〜R4はそれぞれ独立してメチル基またはエチル基、R5は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基または水酸基、R 6 は水素原子またはメチル基を表す。)
  4. 前記電極活物質が、正極活物質である請求項2または3に記載の電池。
  5. リチウム電池である請求項2〜のいずれか一項に記載の電池。
  6. 下記式(4)または式(4’)で表されるユニットを分子中に有する重合体。
    Figure 0004737365
    (式(4)、式(4’)において、R5'は水素原子、メチル基または水酸基、またR6'は水素原子またはメチル基を表す。)
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