以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(実施形態1)
図1に本実施形態のシステム構成図を示す。本実施形態の負荷制御システムは、それぞれが負荷Lに接続された複数(図示例では4つ)の操作制御端末器1と、2線式の信号線Lsを介して各操作制御端末器1と接続された操作端末器2とで構成される。負荷Lは、例えば、照明負荷であって電源線Lpを介して商用交流電源ACに接続されている。但し、本発明に係る負荷制御システムが制御対象とする負荷Lは照明負荷に限定されるものではなく、例えば、エアコンディショナや換気扇、電動カーテンなどの電気機器全般を制御対象とすることができる。
本実施形態における操作制御端末器1には、一つの操作スイッチS11を有し当該操作スイッチS11が操作されたときに一つの負荷Lを点灯又は消灯する機能(以下、個別点滅機能と呼ぶ。)を有する操作制御端末器1A、複数(図示例では2つ)の操作スイッチS21,S22を有するとともに各操作スイッチS21,S22に対応する複数(図示例では2つ)の負荷Lが接続され、それぞれ操作スイッチS21,S22の操作に応じて2つの負荷Lを個別に点灯又は消灯する個別点滅機能を有する操作制御端末器1B、複数(図示例では3つ)の操作スイッチS31〜S33,S41〜S43を有し操作スイッチS31,S41が操作されたときに負荷Lを点灯又は消灯するとともに一方の操作スイッチS32,S42が操作されると負荷Lの光出力を増大させ、他方の操作スイッチS33,S43が操作されると負荷Lの光出力を減少させる機能(以下、調光点滅機能と呼ぶ。)を有する操作制御端末器1C,1Dの3種類がある。但し、3種類の操作制御端末器1を区別して説明する場合には「1A」,「1B」,「1C」,「1D」の符号を記し、全ての種類の操作制御端末器1を共通に説明する場合には「1」の符号を記すこととする。
一方、操作端末器2には負荷が接続されておらず、複数(図示例では3つ)の操作スイッチS51〜S53が操作されたときに信号線Lsを介して制御コマンドを含むパケット(後述する)を送信することで何れかの操作制御端末器1に自らの制御対象である負荷Lを制御させる機能(以下、遠隔制御機能と呼ぶ。)を有している。
操作制御端末器1並びに操作端末器2は、日本工業規格で規格化されているワイドハンドル形スイッチ(JIS C 8304参照)に準拠した外観形状を有し、同じく日本工業規格で規格化されている取付枠(JIS C 8304の専用取付枠)並びにワイドハンドル形スイッチプレート(JIS C 8316参照)を用いて住宅等の建物の壁に埋込配設される。
操作制御端末器1の回路ブロック図を図2に示す。信号伝送部12は、図4に示すフォーマットのパケットを符号化し且つディジタル変調してなる伝送信号を信号線Lsを介して送信するとともに信号線Lsを介して受信した伝送信号をディジタル復調して元のパケットを復号するものであって、各操作制御端末器1毎に割り当てられている固有のアドレス(固有アドレス)によって送信先及び送信元を識別している。尚、固有アドレスは、MACアドレスのようにハードウェアの製造者によって割り当てられた当該ハードウェアに固有の物理アドレスであってもよいし、あるいは、使用者が任意に割り当てるアドレスであってもよく、要するに同一システム(同一ネットワーク)の複数の端末器(操作制御端末器1並びに操作端末器2)に対して同じアドレスが重複して割り当てられなければよい。伝送されるパケットは、同期確立用のプリアンブル、データの種類を設定する制御ビット、宛先アドレス、送信元アドレス、制御コマンドなどのデータ、誤り検出用のチェックサムからなる。尚、本実施形態においては、従来周知のCSMA/CD方式による多重伝送を行っている。
操作入力受付部11は、操作スイッチS11,…の操作状態を監視し、操作スイッチS11,…が操作されたときに操作入力を受け付けて各操作スイッチS11,…に対応した操作信号を出力する。但し、操作入力受付部11では、後述するように同一の操作スイッチS11,…について、短く押す操作や長く押す操作などの操作方法を区別し、それぞれの操作方法毎に互いに異なる操作信号(操作入力)を出力する。制御部10はCPUを主構成要素とし、操作入力受付部11から出力される操作信号を取り込み、取り込んだ操作信号に対応する制御信号を負荷駆動部14に出力する。負荷駆動部14は、個別点滅機能を有する操作制御端末器1A,1Bにおいては商用交流電源ACから負荷Lへの給電を制御信号に応じて入切する機能を有し、調光点滅機能を有する操作制御端末器1C,1Dにおいては上記入切機能に加えて商用交流電源ACから負荷Lへの単位時間当たりの給電量を制御信号に応じて調整することで負荷Lの光出力を増減する機能を有している。尚、給電の入切はリレーを用いた従来周知の方法で実現可能であり、また、給電量の調整も従来周知であるトライアックを用いた位相制御方式で実現可能であるから、詳細な構成の図示並びに説明は省略する。
記憶部13は書換可能な不揮発性の半導体メモリ(例えば、EEPROM)からなり、固有アドレス、後述するマルチキャストアドレス、複数の負荷Lを識別するための識別符号、などの情報を記憶する。動作表示部15は、自らの制御対象である負荷Lの動作状態(点灯又は消灯)を表示するものであって、LEDなどの発光素子LD11,…と発光素子LD11,…を駆動する駆動回路(図示せず)を有し、制御部10から出力される制御信号に応じて負荷Lが動作(点灯)しているときに駆動回路が発光素子LD11,…を消灯させ、負荷Lが停止(消灯)しているときに駆動回路が発光素子LD11,…を点灯させる。尚、動作表示部15の発光素子LD11,…は、図1に示すように対応する操作スイッチS11,…の近傍に配設されている。電源部16は、電源線Lpを介して商用交流電源ACから給電される交流電力を直流電力に変換することで各部の動作電源を作成するものである。
ここで、操作制御端末器1が自らの制御対象である負荷Lを制御する動作について説明する。操作制御端末器1Aにおいて操作スイッチS11が操作されると、操作入力受付部11から制御部10へ操作信号が出力され、当該操作信号を受け取った制御部10は負荷Lの動作状態を反転(負荷Lが点灯している場合は消灯、負荷Lが消灯している場合は点灯)させるための制御信号を負荷駆動部14に出力する。負荷駆動部14では制御部10から受け取った制御信号に応じてリレーをオン又はオフすることで負荷Lの動作を反転させる。また、制御部10では負荷駆動部14に制御信号を出力した後、動作表示部15に対しても発光素子LD11の状態を反転(点灯していれば消灯、消灯していれば点灯)させるための制御信号を出力し、当該制御信号に応じて動作表示部15の駆動回路が発光素子LD11を消灯又は点灯させる。尚、操作制御端末器1Bにおいては、一方の操作スイッチS21が操作されたときに一方の負荷Lの動作状態並びに動作表示部15の操作スイッチS21に対応する発光素子LD21の状態が反転し、他方の操作スイッチS22が操作されたときに他方の負荷Lの動作状態並びに動作表示部15の操作スイッチS22に対応する発光素子LD22の状態が反転する。
操作制御端末器1C,1Dにおいて操作スイッチS31,S41が操作されたときは負荷Lの動作状態並びに動作表示部15の操作スイッチS21に対応する発光素子LD21の状態が反転する。また、負荷Lが点灯している状態で操作スイッチS32,S42が操作されると、操作入力受付部11から制御部10へ操作信号が出力され、当該操作信号を受け取った制御部10は負荷Lの光出力(調光レベル)を増大させるための制御信号を負荷駆動部14に出力する。負荷駆動部14では制御部10から受け取った制御信号に応じて駆動回路を介して負荷Lに給電する単位時間当たりの給電量を増加させる。さらに、負荷Lが点灯している状態で操作スイッチS33,S43が操作されると、操作入力受付部11から制御部10へ操作信号が出力され、当該操作信号を受け取った制御部10は負荷Lの光出力(調光レベル)を減少させるための制御信号を負荷駆動部14に出力する。負荷駆動部14では制御部10から受け取った制御信号に応じて駆動回路を介して負荷Lに給電する単位時間当たりの給電量を減少させる。但し、負荷Lが消灯している状態で操作スイッチS32,S42又はS33,S43が操作されたときに負荷Lを点灯させた後にその光出力(調光レベル)を増減させてもよい。また、制御部10では操作スイッチS31,S41が操作されて負荷Lを消灯する際、消灯時点における調光レベルを記憶部13に記憶させておき、次に操作スイッチS31,S41が操作されたときは記憶部13に記憶させた前回の調光レベルを読み出し、当該調光レベルに対応した給電量とするための制御信号を負荷駆動部14に出力することで前回の光出力(調光レベル)を直ちに再現することができる。
操作端末器2の回路ブロック図を図3に示す。信号伝送部22は、図4に示すフォーマットのパケットを符号化し且つディジタル変調してなる伝送信号を信号線Lsを介して送信するとともに信号線Lsを介して受信した伝送信号をディジタル復調して元のパケットを復号するものであって、操作端末器2に割り当てられている固有のアドレス(固有アドレス)によって送信先及び送信元を識別している。
操作入力受付部21は、操作スイッチS51,S52,S53の操作状態を監視し、操作スイッチS51〜S53が操作されたときに操作入力を受け付けて各操作スイッチS51〜S53に対応した操作信号を出力する。但し、操作入力受付部21では、後述するように同一の操作スイッチS51〜S53について、短く押す操作や長く押す操作などの操作方法を区別し、それぞれの操作方法毎に互いに異なる操作信号(操作入力)を出力する。制御部20はCPUを主構成要素とし、操作入力受付部21から出力される操作信号を取り込み、取り込んだ操作信号に対応する制御コマンドを生成する。記憶部23は書換可能な不揮発性の半導体メモリ(例えば、EEPROM)からなり、固有アドレス、後述するマルチキャストアドレスや制御番号などの情報を記憶している。
動作表示部24は、操作スイッチS51〜S53に対応したグループ制御やパターン制御(後述する)の状態(実行中又は未実行)を表示するものであって、LEDなどの発光素子LD51,LD52,LD53と発光素子LD51〜LD53を駆動する駆動回路(図示せず)を有し、制御部20から出力される制御信号に応じてグループ制御又はパターン制御が実行されているときに駆動回路が発光素子LD51,…を点灯させ、グループ制御又はパターン制御が実行されていないとき(未実行時)に駆動回路が発光素子LD51,…を消灯させる。尚、動作表示部24の発光素子LD51〜LD53は、図1に示すように対応する操作スイッチS51〜S53の近傍に配設されている。電源部25は、電源線Lpを介して商用交流電源ACから給電される交流電力を直流電力に変換することで各部の動作電源を作成するものである。
ここで、グループ制御並びにパターン制御について簡単に説明する。グループ制御とは、同一のグループに属する負荷Lを一括して同じ動作状態に制御する制御方式であり、パターン制御とは、同一のパターングループに属する負荷Lをそれぞれの負荷L毎に設定された動作状態に一括して制御する制御方式である。本実施形態においては、操作スイッチS51がグループ制御に対応し、操作スイッチS52,S53がそれぞれパターン制御に対応している。操作スイッチS51に対応するグループ制御は、例えば、信号線Lsに接続されている全ての操作制御端末器1(1A,1B,1C,1D)が属するグループにおいて、当該グループに属する全ての操作制御端末器1を一斉に点灯又は消灯させる制御であって、記憶部24には、操作スイッチS51に対する操作信号(操作入力)と、グループに一括して制御コマンドを送信するためのアドレス(第1のマルチキャストアドレス)と、制御番号とが対応付けられて記憶されている。但し、各操作制御端末器1がグループ制御の対象であるグループ(制御対象グループ)に属するか否かは、後述するように使用者が任意に選択可能である。また、操作スイッチS52に対応するパターン制御は、全ての操作制御端末器1(1A,1B,1C,1D)が属する第1のパターングループにおいて、操作制御端末器1Aの負荷Lを消灯、操作制御端末器1Bの2つの負荷Lを点灯、操作制御端末器1Cの負荷Lを調光レベル50%で調光点灯、操作制御端末器1Dの負荷Lを70%で調光点灯させる制御(第1のパターン制御)であって、記憶部24には、操作スイッチS52に対応する操作信号(操作入力)と、第1のパターングループに一括して制御コマンドを送信するためのアドレス(第1のマルチキャストアドレス)と、制御番号とが対応付けられて記憶されている。さらに、操作スイッチS53に対応するパターン制御は、操作制御端末器1C,1Dが属する第2のパターングループにおいて、操作制御端末器1Cの負荷Lを調光レベル70%で調光点灯、操作制御端末器1Dの負荷Lを30%で調光点灯させる制御(第2のパターン制御)であって、記憶部24には、操作スイッチS53に対応する操作信号と、第2のパターングループに一括して制御コマンドを送信するためのアドレス(第2のマルチキャストアドレス)と、制御番号とが対応付けられて記憶されている。
ところで、一括制御(グループ制御及びパターン制御)の制御内容毎に固有のマルチキャストアドレスを設定しても構わないが、その場合、一括制御の制御内容の数が増えるとアドレスが枯渇してしまう虞がある。そこで本実施形態では、上述のように制御内容が異なる場合であっても制御対象グループに参加する操作制御端末器1が同一である一括制御については同一のマルチキャストアドレスを割り当てるとともに、同一のマルチキャストアドレスが割り当てられた一括制御の制御内容を識別する符号(制御番号)を割り当てている。すなわち、上述の例では負荷を一斉にオン/オフするグループ制御の対象であるグループと、第1のパターン制御の対象である第1のパターングループとでは同一の操作制御端末器1A,1B,1C,1Dが属しているから、これら2つのグループに同一のマルチキャストアドレスを割り当てるとともに、グループ制御に対しては制御番号「1」を割り当て、第1のパターン制御に対しては制御番号「2」を割り当てている。また、第2のパターン制御については、その制御対象である第2のパターングループに属する操作制御端末器1(1C,1D)が第1のパターングループに属する操作制御端末器1(1A,1B,1C,1D)と同一ではないので、第1のパターングループに割り当てられたマルチキャストアドレスとは異なる第2のマルチキャストアドレスを割り当てている。図5(a)は操作端末器2の記憶部23に記憶される対応関係のデータテーブルを示しており、上述のグループ制御と第1のパターン制御には同一の第1のマルチキャストアドレス「FE0A」を割り当てるとともに、グループ制御に対しては「1」、第1のパターン制御に対しては「2」という制御番号を割り当て、また、第2のパターン制御には別の第2のマルチキャストアドレス「FE0B」を割り当てている。尚、図5(a)における「対象機器1」,「対象機器2」,「対象機器3」,「対象機器4」とは、グループ制御のグループや第1,第2のパターングループに参加する操作制御端末器1を示しており、個々の操作制御端末器1を個別に表すものではない。
一方、操作制御端末器1(1A,1B,1C,1D)の記憶部13には、制御コマンドの送信元である操作端末器2の固有アドレスと、自らが属するグループ並びにパターングループに対応したマルチキャストアドレスと、それぞれのマルチキャストアドレスにおける動作状態(点灯<ON>又は消灯<OFF>、若しくは調光レベル)とが対応付けられて記憶されている。例えば、調光点滅機能を有する操作制御端末器1Cの記憶部13には、図5(b)に示すように操作端末器2の固有アドレス「000A」と、第1及び第2のマルチキャストアドレス「FE0A」,「FE0B」と、それぞれのマルチキャストアドレスにおける動作状態(調光レベル「50%」,「70%」)とが対応付けられて記憶されている。
次に、操作端末器2を用いて複数の負荷Lをグループ制御並びにパターン制御する動作について説明する。
まず、操作端末器2の操作スイッチS51が操作されると、操作入力受付部21から制御部20へ操作信号が出力され、当該操作信号を受け取った制御部20は記憶部23に記憶されている対応関係(図5(a)参照)を参照して当該操作信号に対応付けられている第1のマルチキャストアドレス(「FE0A」)並びに制御番号(「1」)を取得し、取得した第1のマルチキャストアドレスを宛先アドレスに設定するとともに制御番号からなる制御コマンドをデータに設定したパケットを信号伝送部22より信号線Lsを介して送信させる。
第1のマルチキャストアドレスを記憶部13に記憶している操作制御端末器1においては、信号伝送部12で当該パケットを受信して制御部10に渡し、制御部10では、受け取ったパケットに含まれる制御コマンド(制御番号)に応じて自らの制御対象である負荷Lを点灯又は消灯させるための制御信号を負荷駆動部14に出力する。負荷駆動部14では制御部10から受け取った制御信号に応じてリレーをオン又はオフすることで負荷Lを点灯又は消灯させる。また制御部10では、制御コマンドを受け取ってから所定の待機時間(各操作制御端末器1毎に異なった時間)が経過した後、制御コマンドの送信元のアドレス(操作端末器2のアドレス「000A」)を宛先アドレスに設定し、負荷Lの動作状態をデータとした応答信号を信号伝送部12より信号線Lsを介して送信させる。
次に、操作端末器2の操作スイッチS52が操作されると、操作入力受付部21から制御部20へ操作信号が出力され、当該操作信号を受け取った制御部20は記憶部23に記憶されている対応関係を参照して当該操作信号に対応付けられている第1のマルチキャストアドレス(「FE0A」)並びに制御番号(「2」)を取得し、取得した第1のマルチキャストアドレスを宛先アドレスに設定するとともに制御番号からなる制御コマンドをデータに設定したパケットを信号伝送部22より信号線Lsを介して送信させる。
第1のマルチキャストアドレスを記憶部13に記憶している操作制御端末器1においては、信号伝送部12で当該パケットを受信して制御部10に渡し、制御部10では、受け取ったパケットに含まれる制御コマンド(制御番号)に応じて自らの制御対象である負荷Lの動作状態を制御する。すなわち、操作制御端末器1Aでは負荷Lを消灯し、操作制御端末器1Bでは2つの負荷Lをいずれも点灯し、操作制御端末器1Cでは負荷Lを調光レベル50%で調光点灯し(図5(b)参照)、操作制御端末器1Dでは負荷Lを70%で調光点灯させるための制御信号を制御部10から負荷駆動部14へ出力する。負荷駆動部14では制御部10から受け取った制御信号に応じてリレーをオン又はオフすることで負荷Lを点灯又は消灯させ、あるいはトライアックを位相制御し単位時間当たりの給電量を調整することで負荷Lを調光点灯させる。尚、第1のパターン制御の実行中に再度操作スイッチS52が操作されても、上述の手順で第1のパターン制御が実行されるために負荷Lの動作状態は変化しない。
さらに、操作端末器2の操作スイッチS53が操作されると、操作入力受付部21から制御部20へ操作信号が出力され、当該操作信号を受け取った制御部20は記憶部23に記憶されている対応関係を参照して当該操作信号に対応付けられている第2のマルチキャストアドレス(「FE0B」)並びに制御番号(「1」)を取得し、取得した第2のマルチキャストアドレスを宛先アドレスに設定するとともに制御番号からなる制御コマンドをデータに設定したパケットを信号伝送部22より信号線Lsを介して送信させる。
第2のマルチキャストアドレスを記憶部13に記憶している操作制御端末器1(1C,1D)においては、信号伝送部12で当該パケットを受信して制御部10に渡し、制御部10では、受け取ったパケットに含まれる制御コマンド(制御番号)に応じて自らの制御対象である負荷Lの動作状態を制御する。すなわち、操作制御端末器1Cでは負荷Lを調光レベル70%で調光点灯し(図5(b)参照)、操作制御端末器1Dでは負荷Lを30%で調光点灯させるための制御信号を制御部10から負荷駆動部14へ出力する。負荷駆動部14では制御部10から受け取った制御信号に応じてトライアックを位相制御し単位時間当たりの給電量を調整することで負荷Lを調光点灯させる。尚、第2のパターン制御の実行中に再度操作スイッチS53が操作されても、上述の手順で第2のパターン制御が実行されるために負荷Lの動作状態は変化しない。
ここで、操作端末器2の記憶部23では、図5(a)に示すようにそれぞれの制御(グループ制御並びに第1及び第2のパターン制御)毎に対象機器の固有アドレス(操作制御端末器1Bにおいては複数の負荷Lを識別するための識別符号「01」,「02」を含む。以下同じ)と制御内容(負荷Lの動作状態)を対応関係のデータテーブルに記憶している。従って、操作端末器2の制御部20では、操作制御端末器1から返信された応答信号に含まれる負荷Lの動作状態と、データテーブルに記憶している当該操作制御端末器1の負荷Lの動作状態とを照合することで負荷Lの動作状態が要求通りに制御されたか否かを判定することができる。そして、制御対象である全ての操作制御端末器1で負荷Lの動作状態が要求通りに制御されていれば、動作表示部24に対して発光素子LD51の状態を反転(消灯から点灯又は点灯から消灯)させるための制御信号を出力し、発光素子LD51を点灯又は消灯させることで負荷Lの動作状態を表示する。尚、何れかの操作制御端末器1が所定期間内に応答信号を返信してこなかった場合、あるいは、何れかの操作制御端末器1から応答信号で通知された負荷Lの動作状態が要求した動作状態と異なっていた場合、操作端末器2の制御部20は同じ制御コマンドを含むパケットを該当する操作制御端末器1の固有アドレス宛に再送する。但し、このように操作端末器2の制御部20で操作制御端末器1の負荷Lの動作状態が要求通りに制御されたか否かを判定しなければ、図5(a)に示すように対象機器1〜4の固有アドレス並びに動作状態を記憶部23のデータテーブルに記憶する必要はない。また、一括制御(グループ制御及びパターン制御)の制御内容毎に固有のマルチキャストアドレスを設定する場合であれば、図5(b)に示すデータテーブルにおける「制御番号」の項目は不要である。
上述のように本実施形態の負荷制御システムでは、操作制御端末器1の操作スイッチS11,…を操作することで当該操作制御端末器1に接続されている制御対象の負荷Lを直接制御することができるとともに、操作制御端末器1と信号線Lsを介して接続された操作端末器2の操作スイッチS51〜S53を操作することで負荷Lを遠隔から制御することもでき、しかも、操作端末器2と操作制御端末器1との間では信号線Lsを介して直接制御コマンドを伝送するから、信号線Lsが断線したり、あるいは操作端末器2が故障してもシステム全体が動作不能になることがない。その結果、集中制御型の従来システムと比べて導入コストが抑えられるとともにシステムの安定性が向上可能となる。
次に、本発明の要旨である、操作制御端末器1や操作端末器2にグループ制御やパターン制御の設定を行う手順について、図6〜図8のシーケンス図を参照しながら第2のパターン制御の場合を例にして説明する。
まず、操作端末器2の操作入力受付部21に設けられたモード切換スイッチ(図示せず)が操作されると操作入力受付部21から制御部20へモード切換の操作信号(操作入力)が出力され(図6の(1))、当該操作信号を受け取った制御部20が運用モードから設定モードへ動作モードを移行する(図6の(2))。但し、運用モードから設定モードへ移行するに当たっては、必ずしもモード切換専用のスイッチ(モード切換スイッチ)を設ける必要はなく、例えば、設定対象とする何れかの操作スイッチ(今の場合であればS53)を長押し操作することで操作入力受付部21がモード切換の操作信号を制御部20に出力し、制御部20が運用モードから設定モードへ移行するようにしても構わない。
設定モードにおいて操作端末器2の操作スイッチS53が操作されると(図6の(3))、操作スイッチS53の操作入力を受け付けた操作入力受付部21から制御部20に操作信号が出力され、制御部20は動作表示部24に制御信号を出力して操作スイッチS53に対応する発光素子LD53を点滅させることで操作スイッチS53に対応した第2のパターン制御の設定中であることを使用者に報知する。さらに制御部20は、操作制御端末器1の制御部10においても第2のパターン制御の設定モードへ移行するように指示する制御コマンドを生成し(図6の(4))、当該制御コマンドを含むパケットを信号伝送部22より信号線Lsを介して全ての操作制御端末器1に宛ててブロードキャストで伝送する(図6の(5))。
当該パケットを受信した全ての操作制御端末器1では、制御部10が制御コマンドの指示に従って運用モードから設定モードへ移行する(図6の(6)〜(9))。当該設定モードにおいては、操作スイッチS11,…を長押し操作することで第2のパターン制御の対象である第2のパターングループへの参加/不参加を選択するとともにその制御内容(負荷Lの点灯/消灯、調光レベル)を設定することができる。設定モードへの移行時点では制御対象グループ(今の場合は第2のパターングループ)への不参加が選択されているから、まず、第2のパターングループに参加する操作制御端末器1Cの操作スイッチS31が操作(長押し操作)される(図6の(10))。そして、操作スイッチS31の操作入力を受け付けた操作入力受付部11から制御部10へ操作信号が出力されると、制御部10が第2のパターングループへの参加/不参加の選択を参加に切り換える(図6の(11))。さらに操作制御端末器1Cの制御部10は、切り換えられた選択結果(第2のパターングループへの参加)と、そのときの負荷Lの動作状態(点灯/消灯及び調光レベル)とをデータとするパケットを操作端末器2の固有アドレスを宛先アドレスに設定して信号伝送部12より信号線Lsを介してユニキャストで伝送する(図6の(12))。尚、操作端末器2の制御部20では、操作制御端末器1Cから受け取った制御対象グループへの選択結果を記憶部23に一時的に記憶しておく。また、操作制御端末器1Cの制御部10では、第2のパターングループへの参加が選択されているときは制御信号を出力して動作表示部15の発光素子LD31を相対的に長い周期で点滅させ、第2のパターングループへの不参加が選択されているときは制御信号を出力して動作表示部15の発光素子LD31を相対的に短い周期で点滅させることによって使用者に参加/不参加の選択状況を知らせている。
設定モードにおいて操作スイッチS32又はS33が操作されると(図7の(13))、操作スイッチS32又はS33の操作入力を受け付けた操作入力受付部13から操作信号が出力され、当該操作信号に応じて操作制御端末器1Cの制御部10が負荷駆動部14を制御して負荷Lの動作状態(調光レベル)を変更し(図7の(14))、さらに変更後の調光レベル(第2のパターン制御においては70%)をデータとするパケットを操作端末器2の固有アドレスを宛先アドレスに設定して信号伝送部12より信号線Lsを介してユニキャストで伝送する(図7の(15))。尚、操作端末器2の制御部20では、操作制御端末器1Cから受け取った負荷Lの動作状態の情報(調光レベル)を記憶部23に一時的に記憶しておく。
続いて、第2のパターングループに参加する操作制御端末器1Dの操作スイッチS41が操作(長押し操作)される(図7の(16))。そして、操作スイッチS41の操作入力を受け付けた操作入力受付部11から制御部10へ操作信号が出力されると、制御部10が第2のパターングループへの参加/不参加の選択を参加に切り換える(図7の(17))。さらに操作制御端末器1Dの制御部10は、切り換えられた選択結果(第2のパターングループへの参加)と、そのときの負荷Lの動作状態(点灯/消灯及び調光レベル)とをデータとするパケットを操作端末器2の固有アドレスを宛先アドレスに設定して信号伝送部12より信号線Lsを介してユニキャストで伝送する(図7の(18))。操作端末器2の制御部20では、操作制御端末器1Dから受け取った制御対象グループへの選択結果を記憶部23に一時的に記憶しておく。また、操作制御端末器1Dの制御部10では、第2のパターングループへの参加が選択されているときは制御信号を出力して動作表示部15の発光素子LD41を相対的に長い周期で点滅させ、第2のパターングループへの不参加が選択されているときは制御信号を出力して動作表示部15の発光素子LD41を相対的に短い周期で点滅させることによって使用者に参加/不参加の選択状況を知らせる。
設定モードにおいて操作スイッチS42又はS43が操作されると(図7の(19))、操作スイッチS42又はS43の操作入力を受け付けた操作入力受付部13から操作信号が出力され、当該操作信号に応じて操作制御端末器1Dの制御部10が負荷駆動部14を制御して負荷Lの動作状態(調光レベル)を変更し(図7の(20))、さらに変更後の調光レベル(第2のパターン制御においては30%)をデータとするパケットを操作端末器2の固有アドレスを宛先アドレスに設定して信号伝送部12より信号線Lsを介してユニキャストで伝送する(図7の(21))。操作端末器2の制御部20では、操作制御端末器1Dから受け取った負荷Lの動作状態の情報(調光レベル)を記憶部23に一時的に記憶しておく。
操作制御端末器1C,1Dにおいて第2のパターングループへの参加の選択作業並びに負荷Lの動作状態の調整作業が終了した後、使用者が操作端末器2のモード切換スイッチを操作すれば(図8の(22))、操作入力受付部11から制御部20へモード切換の操作信号(操作入力)が出力される。当該操作信号を受け取った制御部20は設定モードの終了を通知する制御コマンドを生成し(図8の(23))、当該制御コマンドを含むパケットを操作制御端末器1Aの固有アドレスを宛先アドレスに設定して信号伝送部12より信号線Lsを介してユニキャストで伝送する(図8の(24))。当該パケットを受信した操作制御端末器1Aでは、制御部10が制御コマンドの指示に従って動作モードを設定モードから運用モードに切り換える(図8の(25))。続いて、操作端末器2の制御部20は前記パケットを操作制御端末器1Bの固有アドレスを宛先アドレスに設定して信号伝送部12より信号線Lsを介してユニキャストで伝送し(図8の(26))、当該パケットを受信した操作制御端末器1Bの制御部10が制御コマンドの指示に従って動作モードを設定モードから運用モードに切り換える(図8の(27))。尚、設定モードから運用モードへ復帰するに当たり、操作制御端末器1A,1Bの制御部10では、第2のパターングループへの参加が選択されていないから記憶部13には何も記憶しない。
さらに操作端末器2の制御部20は、設定モード終了通知とともに第2のパターン制御に対応した第2のマルチキャストアドレス(「FE0B」)及び制御番号(「1」)の記憶を指示する制御コマンドをデータに含むパケットを、第2のパターングループへの参加が選択されている操作制御端末器1Cの固有アドレスを宛先アドレスに設定して信号伝送部12より信号線Lsを介してユニキャストで伝送する(図8の(28))。当該パケットを受信した操作制御端末器1Cでは、制御部10が制御コマンドの指示に従って第2のマルチキャストアドレス及び制御番号を操作端末器2の固有アドレスとともに記憶部13のデータテーブルに設定して記憶させ(図8の(29))、その後、動作モードを切り換えて設定モードから運用モードに復帰する(図8の(30))。
続いて、操作端末器2の制御部20は、設定モード終了通知とともに第2のパターン制御に対応した第2のマルチキャストアドレス(「FE0B」)及び制御番号(「1」)の記憶を指示する制御コマンドをデータに含むパケットを、同じく第2のパターングループへの参加が選択されている操作制御端末器1Dの固有アドレスを宛先アドレスに設定して信号伝送部12より信号線Lsを介してユニキャストで伝送する(図8の(31))。当該パケットを受信した操作制御端末器1Dでは、制御部10が制御コマンドの指示に従って第2のマルチキャストアドレス及び制御番号を操作端末器2の固有アドレスとともに記憶部13のデータテーブルに設定して記憶させ(図8の(32))、その後、動作モードを切り換えて設定モードから運用モードに復帰する(図8の(33))。
全ての操作制御端末器1に対して運用モードへの復帰を指示する制御コマンドを送信した後、操作端末器2の制御部20は記憶部23に一時的に記憶していた内容、すなわち、第2のパターングループに参加する操作制御端末器1C,1Dの固有アドレス及び負荷Lの動作状態(調光レベル)を記憶部23のデータテーブルに設定して記憶し(図8の(34))、その後、動作モードを切り換えて設定モードから運用モードに復帰する(図8の(35))。尚、設定モードから運用モードへ復帰したら、操作端末器2の制御部20並びに操作制御端末器1の制御部10は制御信号を出力して動作表示部15,24の発光素子LD11,…を点灯又は消灯させる。尚、第2のパターン制御以外の制御内容を設定する場合も基本的に同じ手順で設定することができるから説明は省略する。
また、操作端末器2の制御部20は、一の操作入力に対応するアドレスの対応関係を、別の操作入力に対応するアドレスの対応関係として記憶部23のデータテーブルに設定して記憶する複写機能を有している。例えば、設定モードで第1のパターン制御を設定する際、第2のパターン制御に対応する操作スイッチS53の操作入力を操作入力受付部21で受け付けて操作信号が出力されると、当該操作信号を受け取った制御部20は、第2のパターン制御の情報、すなわち、対象機器1,2の固有アドレス及び負荷Lの動作状態を、記憶部23のデータテーブルにおける第2のパターン制御の項目欄から第1のパターン制御の項目欄に複写して記憶させる。このような複写機能を利用すれば、似通った制御内容を複数の操作入力に対応付けて設定する際の設定作業が簡素化できるという利点がある。尚、設定モードにおいて所定の操作入力、例えば、モード切換スイッチが短時間だけ押操作された操作入力が操作入力受付部21で受け付けられた場合、操作端末器2の制御部20は、それまでの設定作業で一時的に記憶していた内容を破棄し、記憶部23に何も設定せずに動作モードを運用モードに切り換えるとともに、設定を中止して設定モードから運用モードへ切り換えることを指示する制御コマンドを生成し、当該制御コマンドを含むパケットを信号伝送部22より信号線Lsを介して全ての操作制御端末器1に宛ててブロードキャストで伝送する。そして、当該パケットを受信した全ての操作制御端末器1では、制御部10が制御コマンドの指示に従って設定作業を中止し、記憶部13に何も記憶せずに設定モードから運用モードへ復帰する。このように設定作業を途中で中止することができるから、例えば、設定を間違えたときに設定作業を中止して最初から作業をやり直すことができて作業性の向上が図れるものである。
上述のように本実施形態では、操作端末器2で設定モードに切り換えた後、操作制御端末器1の操作スイッチS11,…を操作して制御対象グループへの参加/不参加を択一的に切り換えることで操作端末器2における操作入力とアドレス(第1又は第2のマルチキャストアドレス及び制御番号)の対応関係を設定することができるから、専門知識を有しない者でも容易にアドレスの対応関係を設定するための設定作業を行うことができる。但し、上述の説明では制御対象グループへの参加を選択してから負荷Lの動作状態を調整するとしているが、操作制御端末器1において予め負荷Lの動作状態(点灯/消灯及び調光レベル)を所望の状態に設定してから設定モードに移行し、制御対象グループへの参加の選択作業のみを行うことでも同様に設定可能である。また、設定モードにおいて操作スイッチS31,…が操作されて負荷Lの動作状態が変更される毎に操作制御端末器1の制御部10から操作端末器2へ負荷Lの動作状態を通知する代わりに、設定モードが終了した時点で最終的な負荷Lの動作状態を操作端末器2へ通知するようにしても構わない。さらに、設定モードに移行してから何れかの操作スイッチS51,S52,S53を操作することで各操作スイッチS51〜S53に対応した一括制御の設定モードへ移行するための制御コマンドを操作端末器2から送信する代わりに、モード切換スイッチと操作スイッチS51〜S53を同時に操作することで各操作スイッチS51〜S53に対応した一括制御の設定モードへ移行するための制御コマンドを操作端末器2から送信するようにしても構わない。尚、上述の説明では制御部10,20の動作モードが設定モードに切り換えられていることや第2のパターングループへの参加/不参加の状況などを表示する方法として、それぞれに発光素子LD11,…の点滅周期を異ならせているが、表示方法はこれに限定する趣旨ではなく、例えば、発光色が異なる複数種類の発光素子(発光ダイオード)を動作表示部15,24に設け、発光色の違いによって表示する方法などを採用しても良い。
ここで、上述したグループ制御のように操作端末器2と信号線Lsを介して接続されている全ての操作制御端末器1の全ての負荷Lをグループに参加させる場合においては、第1のマルチキャストアドレス並びに制御番号を全ての操作制御端末器1の記憶部13に予め(例えば、製造時に)記憶させておけば、上述のような設定作業を行うことなく、運用開始と同時に操作端末器2の操作スイッチS51を操作して全ての負荷Lを一括してオン/オフすることができ、設定作業の手間が省けるという利点がある。
ところで、制御対象グループに参加した操作制御端末器1,…の固有アドレス及び負荷Lの動作状態を操作端末器2の記憶部23におけるデータテーブルに設定して記憶し、各対象機器(操作制御端末器1)毎の負荷Lの動作状態を含む制御コマンドをマルチキャストアドレス宛に送信することでもパターン制御を行うことができる。但し、全ての対象機器(操作制御端末器1)の負荷Lを同一の動作状態(例えば、60%の調光レベルで点灯)に一斉制御する場合であれば負荷Lの動作状態を指示するデータが1種類であるからよいが、各対象機器(操作制御端末器1)の負荷Lを各々異なる動作状態に一斉制御する場合では負荷Lの動作状態を指示するデータの種類が制御対象グループに参加している操作制御端末器1の台数分だけ必要となり、制御コマンドを伝送するパケットのデータ長が非常に長くなってしまう。故に、パターン制御の制御コマンドをマルチキャストで送信する場合においては、上述のように各操作制御端末器1の記憶部13に自らの負荷Lの動作状態を記憶しておくことが有益である。
(実施形態2)
本実施形態の基本構成は実施形態1と共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。
実施形態1においては、グループ制御やパターン制御の制御コマンドを操作端末器2から複数の操作制御端末器1へマルチキャストで伝送しているのに対し、本実施形態は、当該制御コマンドを操作端末器2から複数の操作制御端末器1へそれぞれユニキャストで伝送する点に特徴がある。
ここで、本実施形態における操作端末器2の記憶部23では、図9に示すようにそれぞれの制御(グループ制御並びに第1及び第2のパターン制御)毎に対象機器の固有アドレスと制御内容(負荷Lの動作状態)を対応関係のデータテーブルに記憶している。一方、操作制御端末器1の記憶部13には対応関係のデータテーブルを記憶する必要はない。
次に、第1のパターン制御を例にして本実施形態の動作を説明する。操作端末器2の操作スイッチS52が操作されると、操作入力受付部21から制御部20へ操作信号が出力され、当該操作信号を受け取った制御部20は記憶部23に記憶されている対応関係を参照し、第1のパターングループに参加している操作制御端末器1(対象機器1〜4)の固有アドレス並びに負荷Lの動作状態を取得する。さらに制御部20は、対象機器1(操作制御端末器1A)に対して負荷Lの動作状態をオフ(消灯)とする制御コマンドを生成するとともに、当該制御コマンドをデータに含み且つ操作制御端末器1Aの固有アドレスを宛先アドレスに設定したパケットを信号伝送部22より信号線Lsを介して送信させる。
操作制御端末器1Aにおいては、信号伝送部12で当該パケットを受信して制御部10に渡し、制御部10では、受け取ったパケットに含まれる制御コマンドに応じて負荷Lを消灯させるための制御信号を負荷駆動部14へ出力する。負荷駆動部14では制御部10から受け取った制御信号に応じてリレーをオフすることで負荷Lを消灯させる。また制御部10は、制御コマンドを受け取ってから所定の待機時間が経過した後、制御コマンドの送信元のアドレス(操作端末器2の固有アドレス「000A」)を宛先アドレスに設定し、負荷Lの動作状態(オフ)をデータとした応答信号を信号伝送部12より信号線Lsを介して送信させる。
操作制御端末器1Aから前記応答信号を受け取った操作端末器2の制御部20は、対象機器2(操作制御端末器1B)に対して2つの負荷Lの動作状態を何れもオン(点灯)とする制御コマンドを生成するとともに、当該制御コマンドをデータに含み且つ操作制御端末器1Bの固有アドレスを宛先アドレスに設定したパケットを信号伝送部22より信号線Lsを介して送信させる。
操作制御端末器1Bにおいては、信号伝送部12で当該パケットを受信して制御部10に渡し、制御部10では、受け取ったパケットに含まれる制御コマンドに応じて2つの負荷Lを何れも点灯させるための制御信号を負荷駆動部14へ出力する。負荷駆動部14では制御部10から受け取った制御信号に応じてリレーをオンすることで2つの負荷Lを両方とも点灯させる。また制御部10は、制御コマンドを受け取ってから所定の待機時間が経過した後、操作端末器2の固有アドレスを宛先アドレスに設定し、それぞれの負荷Lの動作状態(オン)をデータとした応答信号を信号伝送部12より信号線Lsを介して送信させる。
操作制御端末器1Bから前記応答信号を受け取った操作端末器2の制御部20は、対象機器3(操作制御端末器1C)に対して負荷Lの動作状態を変更(調光レベル50%で調光点灯)する制御コマンドを生成するとともに、当該制御コマンドをデータに含み且つ操作制御端末器1Cの固有アドレスを宛先アドレスに設定したパケットを信号伝送部22より信号線Lsを介して送信させる。
操作制御端末器1Cにおいては、信号伝送部12で当該パケットを受信して制御部10に渡し、制御部10では、受け取ったパケットに含まれる制御コマンドに応じて負荷Lを50%の調光レベルで調光点灯させるための制御信号を負荷駆動部14へ出力する。負荷駆動部14では制御部10から受け取った制御信号に応じてトライアックを位相制御し単位時間当たりの給電量を調整することで負荷Lを調光点灯させる。また制御部10は、制御コマンドを受け取ってから所定の待機時間が経過した後、操作端末器2の固有アドレスを宛先アドレスに設定し、それぞれの負荷Lの動作状態(調光レベル50%の調光点灯)をデータとした応答信号を信号伝送部12より信号線Lsを介して送信させる。
操作制御端末器1Cから前記応答信号を受け取った操作端末器2の制御部20は、対象機器4(操作制御端末器1D)に対して負荷Lの動作状態を変更(調光レベル70%で調光点灯)する制御コマンドを生成するとともに、当該制御コマンドをデータに含み且つ操作制御端末器1Dの固有アドレスを宛先アドレスに設定したパケットを信号伝送部22より信号線Lsを介して送信させる。
操作制御端末器1Dにおいては、信号伝送部12で当該パケットを受信して制御部10に渡し、制御部10では、受け取ったパケットに含まれる制御コマンドに応じて負荷Lを70%の調光レベルで調光点灯させるための制御信号を負荷駆動部14へ出力する。負荷駆動部14では制御部10から受け取った制御信号に応じてトライアックを位相制御し単位時間当たりの給電量を調整することで負荷Lを調光点灯させる。また制御部10は、制御コマンドを受け取ってから所定の待機時間が経過した後、操作端末器2の固有アドレスを宛先アドレスに設定し、それぞれの負荷Lの動作状態(調光レベル70%の調光点灯)をデータとした応答信号を信号伝送部12より信号線Lsを介して送信させる。
そして、操作制御端末器1Dから前記応答信号を受け取った操作端末器2の制御部20は、動作表示部24を制御して発光素子LD52を点灯させることにより第1のパターン制御が実行中であることを表示する。尚、操作端末器2から制御コマンドをユニキャストで伝送する相手先の操作制御端末器1は、図9に示すデータテーブルにおいて対象機器として登録されているものに限られ、対象機器でない操作制御端末器1には制御コマンドが伝送されることはない。
次に、操作制御端末器1や操作端末器2にグループ制御やパターン制御の設定を行う手順について簡単に説明する。本実施形態の場合も実施形態1とほぼ共通の手順で行うことが可能であって、制御対象グループに参加することが選択されている操作制御端末器1の制御部10において、操作端末器2から設定モード終了の制御コマンドを受け取ったときに自らの記憶部13には何も記憶しない点と、操作端末器2の記憶部23におけるデータテーブルに対象機器である操作制御端末器1,…の固有アドレス及び負荷Lの動作状態を設定して記憶する点とが実施形態1における手順と異なっている。
尚、実施形態1,2において、操作端末器2の動作表示部24を、発光素子LD51〜LD53とその駆動回路に代えて液晶ディスプレイとその駆動回路で構成するとともに、操作入力受付部21を、液晶ディスプレイと組み合わされるタッチパネルで構成しても構わない。但し、このように構成される操作端末器2においても基本的な動作は上述した操作端末器2と共通である。