この種の負荷制御システムとしては、特許文献1に記載されているように時分割多重伝送信号を用いたものが従来より提供されている。
図10に示すように、このシステムでは伝送制御装置100に、2線式の信号線Lsを介して、操作スイッチS1…を有する複数台の操作端末器102、照明負荷(以下、負荷と略す)104を制御する複数台の制御端末器103などが接続される。
操作端末器102及び制御端末器103にはそれぞれ個別のアドレス(個別アドレス)が設定され、この個別アドレスを用いて伝送制御装置100が操作端末器102並びに制御端末器103をアクセスする。
伝送制御装置100は信号線Lsに対して、図11(a)に示すフォーマットの伝送信号Vsを送出する。すなわち、この伝送信号Vsは信号送出開始を示す同期信号SY、伝送信号Vsのモードを示すモードデータMD、操作端末器102や制御端末器103を各別に呼び出すためのアドレスデータAD、負荷104を制御する制御データCD、伝送誤りを検出するためのチェックサムデータCS、操作端末器102や制御端末器103からの返信信号(監視データ)を受信するタイムスロットである信号返信期間WTよりなる双極性(±24V)の時分割多重信号であり、パルス幅変調によってデータが伝送されるようになっている(図11(b))。各操作端末器102及び各制御端末器103では、信号線Lsを介して受信した伝送信号Vsにより伝送されたアドレスデータADが予め設定されているアドレスに一致すると、伝送信号Vsから制御データCDを取り込むとともに、伝送信号Vsの信号返信期間WTに監視データを電流モード信号(信号線Lsを適当な低インピーダンスを介して短絡することにより送出される信号)として返信する。
伝送制御装置100から所望の操作端末器102や制御端末器103にデータを伝送する場合には、モードデータMDを制御モードとし、操作端末器102または制御端末器103のアドレスをアドレスデータADとする伝送信号Vsを送出し、この伝送信号Vsを信号線Lsに送出すれば、アドレスデータADに一致する操作端末器102または制御端末器103が制御データCDを受け取り、信号返信期間WTに監視(状態)データを返信する。伝送制御装置100では送出した制御データCDと信号返信期間WTに受信した監視データとの関係によって制御データCDが所望の操作端末器102または制御端末器103に伝送されたことを確認する。制御端末器103は受け取った制御データCDに従って負荷104を制御するための負荷制御信号を出力し、操作端末器102では受け取った制御データCDに従って負荷104の動作確認表示を行なうための表示信号を出力する。
一方、伝送制御装置100は通常時にはモードデータMDをダミーモードとした伝送信号Vsを一定時間間隔で送出している(常時ポーリングという)。この場合、図11の(a)に示すようにある制御端末器103に対してアクセスして、負荷状態を示す監視データの返信を要求し、これに対してアクセスされた制御端末器103からは接続している負荷状態を監視データとして伝送制御装置100に返信する(図11(b))。この返信を受け取った伝送制御装置100はこの制御端末器103に対応関係がある操作端末器102のアドレスをアクセスして対応する制御端末器103に接続されている負荷104の状態を表示させるための制御データCDを伝送制御装置から伝送する(図11(c))。
このようにして常時ポーリングでは制御端末器103とこの制御端末器103に対応関係を持つ操作端末器102のアドレスをアクセスする動作をサイクリックに繰り返している。
そして常時ポーリング下で、伝送制御装置100に対して何らかの情報を伝送しようとするときには、ダミーモードの伝送信号Vsの同期信号SYに同期させて図11(c)のような割込信号を発生させる。このとき、操作端末器102は割込フラグを設定して伝送制御装置100との以後の情報授受に備える。伝送制御装置100では割込信号を受信すると、モードデータMDを割込ポーリングモードとしかつアドレスデータADの上位の半数のビット(アドレスデータADを8ビットとすれば上位4ビット)を順次増加させながら伝送信号を送出し、割込信号を発生した操作端末器102では、割込ポーリングモードの伝送信号のアドレスデータADの上位4ビットが操作端末器102に設定されているアドレスの上位4ビットに一致するときに、信号返信期間WTにアドレスの下位4ビットを伝送制御装置100に返信する。このように、伝送制御装置100は割込信号を発生した操作端末器102を16個ずつまとめて探すので、比較的短い時間で操作端末器102を発見することができる。
伝送制御装置100が割込信号を発生した操作端末器102のアドレスを獲得すると、モードデータMDを監視モードとし、獲得したアドレスデータADを持つ伝送信号Vsを信号線Lsに送出するのであって、この伝送信号Vsに対して操作端末器102は伝送しようとする情報を信号返信期間WTに返信するのである。最後に、伝送制御装置100は割込信号を発生した操作端末器102に対して割込リセットを指示する信号を送出し、操作端末器102の割込フラグを解除する。以上のようにして、操作端末器102から伝送制御装置100への情報伝送は、伝送制御装置100から操作端末器102への4回の信号伝送(ダミーモード、割込ポーリングモード、監視モード、割込リセット)によって完了する。伝送制御装置100が所望の制御端末器103の動作状態を知ろうとするときには、モードデータMDを監視データとした伝送信号を送出するだけでよい。
しかして、スイッチS1…の操作により操作データが発生すると、操作端末器102から操作データを監視データとして伝送制御装置100に返信し、この操作データに基づいて生成した制御データCDを含む伝送信号Vsを伝送制御装置100が制御端末器103に伝送されると、制御端末器103が負荷104を制御(点滅)する。ここで、制御端末器103は監視データを伝送制御装置100に返信し、返信された監視データを基に動作状態表示のための制御データCDを含む伝送信号Vsを操作端末器102に伝送する。この伝送信号Vsによって操作端末器102では負荷104の動作状態(点灯又は消灯)を表示する表示灯(発光ダイオードなど)を点灯・消灯する。
ところで、この種の負荷制御システムでは、スイッチと負荷104とのアドレスの対応関係を伝送制御装置100で管理しているから、伝送制御装置100において1つのスイッチのアドレスに対して複数の負荷104のアドレスを対応付けておけば、1つのスイッチで複数の負荷104を一括して制御することが可能である。このような一括制御にはグループ制御とパターン制御とがある。グループ制御では複数の負荷104を同じ制御状態に制御し、パターン制御では複数の負荷104をあらかじめ設定した制御状態に制御する。グループ制御やパターン制御を行なう一括制御用の操作端末器(図示せず)のスイッチには一括制御用として定められているアドレス(グループアドレスやパターンアドレス)が対応付けられるが、他の構成は他の操作端末器と同様のものである。
そして、一括制御用の操作端末器のスイッチが操作されて当該スイッチに割り当てられたアドレス(例えば、グループアドレス)が伝送制御装置100で取得されると、伝送制御装置100では、当該グループアドレスと対応付けられている複数の負荷104を制御するための制御データをそれぞれ生成して順番に制御端末器103に伝送する。その結果、同じグループに属する負荷104が一括して制御されることになる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(実施形態1)
図1に本実施形態のシステム構成図を示す。本実施形態の負荷制御システムは、それぞれが負荷Lに接続された複数(図示例では4つ)の操作制御端末器1と、2線式の信号線Lsを介して各操作制御端末器1と接続された複数(図示例では2つ)の操作端末器2とで構成される。負荷Lは、例えば、照明負荷であって電源線Lpを介して商用交流電源ACに接続されている。但し、本発明に係る負荷制御システムが制御対象とする負荷Lは照明負荷に限定されるものではなく、例えば、エアコンディショナや換気扇、電動カーテンなどの電気機器全般を制御対象とすることができる。
本実施形態における操作制御端末器1には、一つの操作スイッチS11を有し当該操作スイッチS11が操作されたときに一つの負荷Lを点灯又は消灯する機能(以下、個別点滅機能と呼ぶ。)を有する操作制御端末器1A、複数(図示例では2つ)の操作スイッチS21,S22を有するとともに各操作スイッチS21,S22に対応する複数(図示例では2つ)の負荷Lが接続され、それぞれ操作スイッチS21,S22の操作に応じて2つの負荷Lを個別に点灯又は消灯する個別点滅機能を有する操作制御端末器1B、複数(図示例では3つ)の操作スイッチS31〜S33,S41〜S43を有し操作スイッチS31,S41が操作されたときに負荷Lを点灯又は消灯するとともに一方の操作スイッチS32,S42が操作されると負荷Lの光出力を増大させ、他方の操作スイッチS33,S43が操作されると負荷Lの光出力を減少させる機能(以下、調光点滅機能と呼ぶ。)を有する操作制御端末器1C,1Dの3種類がある。但し、3種類の操作制御端末器1を区別して説明する場合には「1A」,「1B」,「1C」,「1D」の符号を記し、全ての種類の操作制御端末器1を共通に説明する場合には「1」の符号を記すこととする。
一方、操作端末器2には負荷が接続されておらず、複数(図示例では3つ又は2つ)の操作スイッチS51〜S53,S61〜S62を有し、何れかの操作スイッチS51,…が操作されたときに信号線Lsを介して制御コマンドを含むパケット(後述する)を送信することで何れかの操作制御端末器1に自らの制御対象である負荷Lを制御させる機能(以下、遠隔制御機能と呼ぶ。)を有している。
操作制御端末器1は、埋込型の配線器具に用いられる取付枠並びにフラッシプレートを用いて住宅等の建物の壁に埋込配設される。
操作制御端末器1の回路ブロック図を図2に示す。信号伝送部12は、図4(a)に示すフォーマットのパケットを符号化し且つディジタル変調して信号線Lsを介して送信するとともに信号線Lsを介して受信したパケットをディジタル復調して復号するものであって、各操作制御端末器1毎に割り当てられている固有の識別符号によって送信先及び送信元を識別している。尚、識別符号は、MACアドレスのようにハードウェアの製造者によって割り当てられた当該ハードウェアに固有の物理アドレスであってもよいし、あるいは、使用者が任意に割り当てるアドレスであってもよく、要するに同一システム(同一ネットワーク)の複数の操作制御端末器1並びに操作端末器2に対して同じ識別符号が重複して割り当てられなければよい。伝送されるパケットは、同期確立用のプリアンブル、データの種類を設定する制御ビット、宛先アドレス、送信元アドレス、制御コマンドなどのデータ、誤り検出用のチェックサムからなる。尚、本実施形態においては、従来周知のCSMA/CD方式による多重伝送を行っている。
操作入力受付部11は、操作スイッチS11,…の操作状態を監視し、操作スイッチS11,…が操作されたときに操作入力を受け付けて各操作スイッチS11,…に対応した操作信号を出力する。但し、同一の操作スイッチS11,…について、例えば、短く押す操作と長く押す操作を区別して互いに異なる操作信号(操作入力)を出力するようにしても構わない。制御部10はCPUを主構成要素とし、操作入力受付部11から出力される操作信号を取り込み、取り込んだ操作信号に対応する制御信号を負荷駆動部14に出力する。負荷駆動部14は、個別点滅機能を有する操作制御端末器1A,1Bにおいては商用交流電源ACから負荷Lへの給電(通電)を制御信号に応じて入切する機能を有し、調光点滅機能を有する操作制御端末器1C,1Dにおいては上記入切機能に加えて商用交流電源ACから負荷Lへの単位時間当たりの給電量を制御信号に応じて調整することで負荷Lの光出力を増減する機能を有している。尚、給電(通電)の入切はリレーを用いた従来周知の方法で実現可能であり、また、給電量の調整も従来周知であるトライアックを用いた位相制御方式などで実現可能であるから、詳細な構成の図示並びに説明は省略する。
記憶部13は電気的に書換可能な不揮発性半導体メモリ(例えば、EEPROMやフラッシュメモリなど)からなり、後述するマルチキャストアドレス、複数の負荷Lを識別するための負荷識別符号、などの情報を記憶する。但し、操作制御端末器1に固有の識別符号が使用者によって任意に割り当てられる場合には、当該識別符号も記憶部13に記憶される。動作表示部15は、自らの制御対象である負荷Lの動作状態(点灯又は消灯)を表示するものであって、LEDなどの発光素子LD11,…と発光素子LD11,…を駆動する駆動回路(図示せず)を有し、制御部10から出力される制御信号に応じて駆動回路が発光素子LD11,…を点灯及び消灯させる。尚、動作表示部15の発光素子LD11,…は、図1に示すように対応する操作スイッチS11,…の近傍に配設されている。電源部16は、電源線Lpを介して商用交流電源ACから給電される交流電力を直流電力に変換することで各部の動作電源を作成するものである。
ここで、操作制御端末器1が自らの制御対象である負荷Lを制御する動作について説明する。操作制御端末器1Aにおいて操作スイッチS11が操作されると、操作入力受付部11から制御部10へ操作信号が出力され、当該操作信号を受け取った制御部10は負荷Lの動作状態を反転(負荷Lが点灯している場合は消灯、負荷Lが消灯している場合は点灯)させるための制御信号を負荷駆動部14に出力する。負荷駆動部14では制御部10から受け取った制御信号に応じてリレーをオン又はオフすることで負荷Lの動作を反転させる。また、制御部10では負荷駆動部14に制御信号を出力した後、動作表示部15に対しても発光素子LD11の状態を反転(点灯していれば消灯、消灯していれば点灯)させるための制御信号を出力し、当該制御信号に応じて動作表示部15の駆動回路が発光素子LD11を消灯又は点灯させる。尚、操作制御端末器1Bにおいては、一方の操作スイッチS21が操作されたときに一方の負荷Lの動作状態並びに動作表示部15の操作スイッチS21に対応する発光素子LD21の状態が反転し、他方の操作スイッチS22が操作されたときに他方の負荷Lの動作状態並びに動作表示部15の操作スイッチS22に対応する発光素子LD22の状態が反転する。
操作制御端末器1C,1Dにおいて操作スイッチS31,S41が操作されたときは負荷Lの動作状態並びに動作表示部15の操作スイッチS21に対応する発光素子LD21の状態が反転する。また、負荷Lが点灯している状態で操作スイッチS32,S42が操作されると、操作入力受付部11から制御部10へ操作信号が出力され、当該操作信号を受け取った制御部10は負荷Lの光出力(調光レベル)を増大させるための制御信号を負荷駆動部14に出力する。負荷駆動部14では制御部10から受け取った制御信号に応じて駆動回路を介して負荷Lに給電する単位時間当たりの給電量を増加させる。さらに、負荷Lが点灯している状態で操作スイッチS33,S43が操作されると、操作入力受付部11から制御部10へ操作信号が出力され、当該操作信号を受け取った制御部10は負荷Lの光出力(調光レベル)を減少させるための制御信号を負荷駆動部14に出力する。負荷駆動部14では制御部10から受け取った制御信号に応じて駆動回路を介して負荷Lに給電する単位時間当たりの給電量を減少させる。但し、負荷Lが消灯している状態で操作スイッチS32,S42又はS33,S43が操作されたときに負荷Lを点灯させた後にその光出力(調光レベル)を増減させてもよい。また、制御部10では操作スイッチS31,S41が操作されて負荷Lを消灯する際、消灯時点における調光レベルを記憶部13に記憶させておき、次に操作スイッチS31,S41が操作されたときは記憶部13に記憶させた前回の調光レベルを読み出し、当該調光レベルに対応した給電量とするための制御信号を負荷駆動部14に出力することで前回の光出力(調光レベル)を直ちに再現することができる。
操作端末器2の回路ブロック図を図3に示す。信号伝送部22は、図4(a)に示すフォーマットのパケットを符号化し且つディジタル変調して信号線Lsを介して送信するとともに信号線Lsを介して受信したパケットをディジタル復調して復号するものであって、固有の識別符号によって送信先及び送信元を識別している。
操作入力受付部21は、操作スイッチS51,S52,S531、S61,S62の操作状態を監視し、操作スイッチS51,…が操作されたときに操作入力を受け付けて各操作スイッチS51,…に対応した操作信号を出力する。制御部20はCPUを主構成要素とし、操作入力受付部21から出力される操作信号を取り込み、取り込んだ操作信号に対応する制御コマンドを生成する。記憶部23は書換可能な不揮発性半導体メモリ(例えば、EEPROMやフラッシュメモリなど)からなり、操作スイッチS51,…に対応するグループやパターングループ(後述する)に属する操作制御端末器1の識別符号、マルチキャストアドレス、他の操作端末器2の識別符号、一括制御対象の負荷Lの状態などの情報を記憶している。
動作表示部24は、操作スイッチS51,…に対応した負荷Lの動作状態を表示するものであって、LEDなどの発光素子LD51,LD52,LD53、LD61,LD62と発光素子LD51,…を駆動する駆動回路(図示せず)を有し、制御部20から出力される制御信号に応じてグループ制御やパターン制御の対象である負荷Lが全て動作中(点灯中)であるときに駆動回路が発光素子LD51,…を消灯させ、グループ制御やパターン制御の対象である負荷Lの少なくとも一部が非動作中(消灯中)であるときに駆動回路が発光素子LD51,…を点灯させる。尚、動作表示部24の発光素子LD51,…は、図1に示すように対応する操作スイッチS51,…の近傍に配設されている。電源部25は、電源線Lpを介して商用交流電源ACから給電される交流電力を直流電力に変換することで各部の動作電源を作成するものである。
ここで、一括制御について簡単に説明する。従来技術でも説明したように、一括制御にはグループ制御とパターン制御(負荷Lが照明負荷の場合は「シーン制御」とも呼ばれる。)とがあり、グループ制御とは、同一のグループに属する負荷Lを一括して同じ動作状態に制御する制御方式であり、パターン制御とは、同一のパターングループに属する負荷Lをそれぞれの負荷L毎に設定された動作状態に一括して制御する制御方式である。本実施形態においては、一方の操作端末器2Aの操作スイッチS51〜S53がグループ制御に対応し、他方の操作端末器2Bの操作スイッチS61,S62がパターン制御に対応している。例えば、操作スイッチS51に対応するグループ制御は、信号線Lsに接続されている全ての操作制御端末器1A〜1Dが属するグループにおいて、当該グループに属する全ての操作制御端末器1A〜1Dに接続されている負荷Lを一斉に点灯又は消灯させる制御であって、操作端末器2Aの記憶部23には当該グループに属する操作制御端末器1A〜1Dの識別符号が操作スイッチS51と対応付けて記憶されている。また、操作スイッチS61に対応するパターン制御は、全ての操作制御端末器1A〜1Dが属する第1のパターングループにおいて、例えば、操作制御端末器1Aの負荷L及び操作制御端末器1Bの2つの負荷Lを点灯、操作制御端末器1Cの負荷Lを調光レベル50%で調光点灯、操作制御端末器1Dの負荷Lを70%で調光点灯させる制御(第1のパターン制御)であって、操作端末器2Bの記憶部23には当該第1のパターングループに属する操作制御端末器1A〜1Dの識別符号及び各負荷L毎の制御内容(調光レベル)が操作スイッチS61と対応付けて記憶されている。さらに、操作スイッチS62に対応するパターン制御は、2つの操作制御端末器1C,1Dが属する第2のパターングループにおいて、操作制御端末器1Cの負荷Lを調光レベル70%で調光点灯、操作制御端末器1Dの負荷Lを30%で調光点灯させる制御(第2のパターン制御)であって、操作端末器2Bの記憶部23には当該第2のパターングループに属する操作制御端末器1C,1Dの識別符号及び各負荷L毎の制御内容(調光レベル)が操作スイッチS62と対応付けて記憶されている。但し、各操作制御端末器1A〜1Dが一括制御の何れのグループ又はパターングループに属するかは任意に選択可能である。また操作端末器2では、後述するように操作制御端末器1A〜1Dから通知される負荷Lの状態を記憶部23に記憶している。
次に、操作端末器2を用いて複数の負荷Lを一括制御(グループ制御並びにパターン制御)する動作について説明する。
まず、図5のシーケンス図を参照しながら操作端末器2Aによるグループ制御の動作について説明する。操作端末器2Aの操作スイッチS51が操作されると、操作入力受付部21から制御部20へ操作信号が出力され、当該操作信号を受け取った制御部20は記憶部23に記憶されている対応関係を参照して当該操作信号(操作スイッチS51による操作入力)に対応付けられている操作制御端末器1A〜1Dの識別符号と、操作制御端末器1A〜1Dに接続されている制御対象の負荷Lの状態(最新の状態)とを取得する。制御部20は、記憶部23から取得した各負荷Lの状態が全て同じ、すなわち、全ての負荷Lが点灯状態又は消灯状態であれば、それぞれ反対の状態(点灯状態であれば消灯、消灯状態であれば点灯)とする制御コマンドを生成し、各負荷Lの状態が全て同じでない、例えば、何れか一つの負荷Lのみが点灯状態であり且つ残りの負荷Lが消灯状態であれば、全ての負荷Lを同じ状態(点灯状態又は消灯状態)とする制御コマンドを生成する。さらに制御部20は、生成した制御コマンドをデータに設定するとともに宛先アドレスにマルチキャストアドレスを設定し且つ送信元アドレスに自己の識別符号を設定したパケットを作成し、当該パケットを信号伝送部22より信号線Lsを介して送信させる。尚、制御コマンドは、図4(b)に示すようにコマンド内容(今の場合は負荷制御)、制御対象の操作制御端末器1A〜1Dの識別符号及び負荷Lの制御内容(今の場合は点灯又は消灯)からなる。また、宛先アドレスにマルチキャストアドレスが設定されたパケットは、本実施形態の負荷制御システムを構成する全ての端末器(操作制御端末器1並びに操作端末器2)で受信される。
操作制御端末器1A〜1Dにおいては、信号伝送部12で当該パケットを受信して制御部10に渡し、制御部10では、受け取ったパケットに含まれる制御コマンドに自己の識別符号が含まれていれば当該識別符号と対応した制御内容に応じて負荷Lを点灯又は消灯させるための制御信号を負荷駆動部14に出力する。負荷駆動部14では制御部10から受け取った制御信号に応じてリレーをオン又はオフすることで負荷Lを点灯又は消灯させる。また制御部10では、制御コマンドを受け取ってから所定の待機時間(各操作制御端末器1A〜1D毎に異なった時間)が経過した後、制御コマンドを含むパケットの送信元アドレスに設定されている操作端末器2Aの識別符号を宛先アドレスに設定するとともに自己の識別符号を送信元アドレスに設定し、且つ制御後の負荷Lの状態(点灯又は消灯)をデータに設定したパケット(負荷状態通知のパケット)を生成して信号伝送部12より信号線Lsを介して送信させる。さらに制御部10は、制御後の負荷Lの状態に応じて自己の動作表示部15の表示を変更する。
一方、操作端末器2Aでは、信号伝送部22で当該パケットを受信して制御部20に渡し、制御部20では、受け取ったパケットに含まれる負荷Lの状態を記憶部23に記憶させる。そして、操作スイッチS51に対応したグループに属する全ての操作制御端末器1A〜1Dから負荷状態通知のパケットを受け取れば、制御部20は動作表示部24の表示を変更する、例えば、全ての負荷Lを点灯した場合は発光素子LD51を消灯し、全ての負荷Lを消灯した場合は発光素子LD51を点灯する。このように発光素子LD51を消灯させることで制御対象である全ての負荷Lが動作状態(点灯状態)であることを表示し、発光素子LD51を点灯させることで制御対象である全ての負荷Lが非動作状態(消灯状態)であることを表示すれば、それぞれの負荷Lの動作状態を個別に表示する表示手段(発光素子)を設けなくても、制御対象である全ての負荷Lが動作状態(点灯状態)であるか否かを発光素子LD51の表示によって確認できるため、一括制御の要否を簡単に判断できるという利点がある。
ここで、何れかの操作制御端末器1A〜1Dから負荷状態通知のパケットを受信できない場合、操作端末器2Aの制御部20は、負荷状態通知のパケットを受信できなかった操作制御端末器(例えば、1D)の識別符号を宛先アドレスに設定し、負荷状態の通知を要求する制御コマンドをデータに設定したパケットを信号伝送部22より信号線Lsを介して送信させる。そして、負荷状態通知を要求する当該パケットを受け取った操作制御端末器1Dから負荷状態通知のパケットが返信されてくれば、操作端末器2Aの制御部20は通知された負荷Lの状態を記憶部23に記憶させ、負荷状態通知のパケットが返信されて来なければ、操作端末器2Aの制御部20は動作表示部24の発光素子LD51を点滅させるなどの方法で異常が生じていることを表示する。さらに制御部20では、操作制御端末器1A〜1Dから負荷状態通知のパケットを受信した後、当該パケットによって取得した最新の負荷Lの状態を他の操作端末器2Bに転送するための制御コマンドを生成し、当該転送用の制御コマンドをデータに設定し、宛先アドレスに第2のマルチキャストアドレス(操作端末器2のみを対象とし操作制御端末器1A〜1Dを対象としないマルチキャストアドレス)を設定するとともに送信元アドレスに自己の識別符号を設定した転送用のパケットを信号伝送部22から信号線Lsを介して送信する。当該転送用のパケットを受信した他の操作端末器2Bでは、制御前の負荷Lの状態とともに、当該パケットによって転送された制御後の負荷Lの状態を記憶部23に記憶する。ここで、転送用のパケットを受信した他の操作端末器2Bから当該パケットの送信元の操作端末器2Aには受信確認のためのACKパケットがユニキャストで返信されるのであるが、ACKパケットを受け取ることができなかった他の操作端末器2Bに対しては、転送元の操作端末器2Aから再度転送用のパケットをユニキャスト伝送する。
続いて、図6のシーケンス図を参照しながら操作端末器2Bによるパターン制御(第2のパターン制御)の動作について説明する。操作端末器2Bの操作スイッチS62が操作されると、操作入力受付部21から制御部20へ操作信号が出力され、当該操作信号を受け取った制御部20は記憶部23に記憶されている対応関係を参照して当該操作信号(操作スイッチS62による操作入力)に対応付けられている操作制御端末器1C,1Dの識別符号と、操作制御端末器1C,1Dに接続されている制御対象の負荷Lに対する制御内容(調光レベル)とを取得する。制御部20は、記憶部23から取得した制御内容(第2のパターン制御)に応じて、操作制御端末器1Cの負荷Lを調光レベル70%で調光点灯し、操作制御端末器1Dの負荷Lを30%で調光点灯させる制御コマンドを生成し、生成した制御コマンドをデータに設定するとともに宛先アドレスにマルチキャストアドレスを設定し且つ送信元アドレスに自己の識別符号を設定したパケットを作成して信号伝送部22より信号線Lsを介して送信させる。尚、この制御コマンドには第2のパターングループに属さない操作制御端末器1A,1Bの識別符号及び制御内容は含まれていない。
操作制御端末器1A〜1Dにおいては、信号伝送部12で当該パケットを受信して制御部10に渡す。操作制御端末器1A,1Bの制御部10では、受け取ったパケットに含まれる制御コマンドに自己の識別符号が含まれていないので、負荷Lの制御は行わずに現在の負荷Lの状態(点灯又は消灯)をデータに設定したパケット(負荷状態通知のパケット)を生成して信号伝送部12より信号線Lsを介して送信させる。一方、操作制御端末器1C,1Dの制御部10では、受け取ったパケットに含まれる制御コマンドに自己の識別符号が含まれているので、自己の識別符号と対応する制御内容(調光レベル)で負荷Lを調光点灯させるための制御信号を負荷駆動部14に出力する。負荷駆動部14では制御部10から受け取った制御信号に応じて駆動回路を介して負荷Lに給電する単位時間当たりの給電量を調整させる。また操作制御端末器1C,1Dの制御部10では、制御コマンドを受け取ってから所定の待機時間が経過した後、制御コマンドを含むパケットの送信元アドレスに設定されている操作端末器2Bの識別符号を宛先アドレスに設定するとともに自己の識別符号を送信元アドレスに設定し、且つ制御後の負荷Lの状態(調光レベル)をデータに設定した負荷状態通知のパケットを生成して信号伝送部12より信号線Lsを介して送信させる。さらに制御部10は、制御後の負荷Lの状態に応じて自己の動作表示部15の表示を変更する。
操作端末器2Bでは、信号伝送部22で当該パケットを受信して制御部20に渡し、制御部20では、受け取ったパケットに含まれる負荷Lの状態を記憶部23に記憶させる。そして、操作スイッチS62に対応した第2のパターングループに属する全ての操作制御端末器1C,1Dから負荷状態通知のパケットを受け取れば、制御部20は動作表示部24の発光素子LD62を点灯させて第2のパターン制御が実行中であることを表示する。さらに制御部20では、操作制御端末器1A〜1Dから負荷状態通知のパケットを受信した後、当該パケットによって取得した最新の負荷Lの状態を他の操作端末器2Aに転送するための制御コマンドを生成し、当該転送用の制御コマンドをデータに設定し、宛先アドレスに第2のマルチキャストアドレスを設定するとともに送信元アドレスに自己の識別符号を設定した転送用のパケットを信号伝送部22から信号線Lsを介して送信する。当該転送用のパケットを受信した他の操作端末器2Aでは、制御前の負荷Lの状態とともに、当該パケットによって転送された制御後の負荷Lの状態を記憶部23に記憶する。尚、第1のパターン制御の動作については基本的に第2のパターン制御の動作と共通であるから説明は省略する。
上述のように本実施形態の負荷制御システムでは、操作制御端末器1の操作スイッチS11,…を操作することで操作制御端末器1に接続されている制御対象の負荷Lを直接制御することができ、また、操作端末器2の操作スイッチS51,…を操作することで操作端末器2と信号線Lsを介して接続された操作制御端末器1の負荷Lを遠隔から制御することもできる。しかも、操作端末器2と操作制御端末器1が信号線Lsを介して直接制御コマンドを含むパケットを伝送するから、信号線Lsが断線したり、あるいは操作制御端末器1又は操作端末器2の何れかが故障してもシステム全体が動作不能になることがない。さらに、複数の操作制御端末器1の負荷Lを遠隔から一括制御する際、各操作制御端末器1に対して個別に制御コマンドを含むパケットを伝送(ユニキャスト伝送)するのではなく、当該制御コマンドを含むパケットを複数の操作制御端末器1に対してマルチキャスト伝送するので、制御対象の全ての負荷Lを一斉に制御することができ、その結果、集中制御型の従来システムと比べて安定性並びに負荷制御の応答性が向上できるという利点がある。
次に、本発明の要旨である再現制御について説明する。従来技術で説明したように、例えば、第1のパターン制御が実行された後、誤ってグループ制御が実行されて全ての負荷Lが消灯してしまった場合、使用者がグループ制御の実行前(消灯前)の負荷Lの状態(第1のパターン制御が実行された状態)を覚えていれば、操作端末器2Bの操作スイッチS61を操作することでグループ制御が実行される一つ前の負荷状態(第1のパターン制御が実行された状態)を再現することは可能である。しかしながら、使用者がグループ制御の実行前の負荷状態を覚えていなければ、グループ制御が実行される一つ前の負荷状態(第1のパターン制御が実行された状態)を再現することは簡単ではない。特に、一括制御によって消灯される一つ前の負荷状態が第1及び第2の何れのパターン制御による負荷状態とも一致しない場合、その負荷状態を再現することは非常に困難である。あるいは、使用者が個別制御機能を利用して好みの負荷状態に設定している状況において、外出や就寝時にグループ制御を利用して全ての負荷を消灯した後、帰宅又は起床時に前記好みの負荷状態を再現するには、再度、使用者が個別制御機能を利用して個々の負荷を制御しなければならないために使い勝手が良くない。
そこで本実施形態では、一括制御機能を有する操作端末器2の記憶部23に、各操作スイッチS51,…の制御対象である負荷Lの状態(点灯、消灯、調光レベル)の履歴(少なくとも現在の状態とその一つ前の状態を含む。以下同じ。)を記憶しておき、制御対象である負荷Lが全て消灯している既定の状態で所定の再現制御の操作入力が操作入力受付部21で受け付けられたら、制御部20が記憶部23に記憶している履歴を参照して既定状態(全ての負荷Lが消灯している状態)の一つ前の各負荷Lの状態を取得し、制御対象である各負荷Lを記憶部23から取得したそれぞれの負荷状態とする制御コマンドを生成し、当該制御コマンドをデータに設定するとともに宛先アドレスにマルチキャストアドレスを設定し且つ送信元アドレスに自己の識別符号を設定したパケットを作成して信号伝送部22より信号線Lsを介して送信させる。尚、再現制御の操作入力を一括制御用の操作スイッチS51〜S53,S61,S62による操作入力で兼用し、当該操作入力が受け付けられた時点の負荷Lの状態が既定状態であれば再現制御を行い、既定状態でなければ一括制御(グループ制御又はパターン制御)を行うようにすればよい。尚、これに限らず、再現制御専用の操作スイッチを操作端末器2に設けてもよいし、あるいは、一括制御用の操作スイッチS51〜S53,S61,S62を短く押した操作入力は一括制御用の操作入力とし、長く押した操作入力は再現制御用の操作入力としても構わない。但し、再現制御専用の操作スイッチを設けるか、あるいは操作スイッチS51,…を長く押操作したときに再現制御を行う場合においては、現在の負荷Lの状態が既定状態か否かに関わらず、現在の負荷Lの状態となる一つ前の状態を再現する再現制御を行うようにしても構わない。
そして、操作端末器2から送信された上記再現制御用のパケットを受信した操作制御端末器1A〜1Dにおいては、それぞれの制御部10が、受け取ったパケットに含まれる制御コマンドに応じて負荷Lを点灯あるいは調光点灯させるための制御信号を負荷駆動部14に出力する。その結果、制御対象の全ての負荷Lが既定状態(消灯状態)となる一つ前の状態に再現制御されることになる。このように本実施形態では、使用者が負荷Lの状態を覚えていなくても操作端末器2の操作スイッチ(再現制御用の操作スイッチ若しくは一括制御用と兼用された操作スイッチ)を操作するだけの簡単な作業で既定状態となる一つ前の負荷Lの状態が容易に再現できる。
ところで、本実施形態では再現制御を実行する前提である負荷Lの既定状態を、全ての負荷Lが消灯している状態、つまり、負荷Lへの通電を切っている状態としたが、これに限定されるものではなく、例えば、操作スイッチS61に対応する第1のパターン制御が実行されたときの負荷Lの状態を既定状態と定め、誤って操作スイッチS61を操作して第1のパターン制御を実行してしまった場合に再度操作スイッチS61を操作すれば、第1のパターン制御が実行される一つ前の負荷Lの状態を再現するようにしても構わない。
尚、本実施形態では一括制御の制御対象である全ての負荷Lの状態の履歴を操作端末器2が備える記憶部23に記憶する構成としたが、各操作制御端末器1が自らの制御対象である負荷Lの状態の履歴を記憶部13に記憶し、操作端末器2から再現制御の制御コマンドを受け取った個々の操作制御端末器1の制御部10が、記憶部13に記憶している履歴を参照して再現制御を行うようにしても構わない。さらに、個々の操作端末器2A,2Bの記憶部23に各々の一括制御の制御対象である負荷Lの状態の履歴を記憶する代わりに、全ての操作端末器2から信号線Lsを介して読み書きが可能な記憶装置(記憶手段)を設け、当該記憶装置に各負荷Lの状態の履歴を記憶するようにしても構わない。
(実施形態2)
図7に本実施形態のシステム構成図を示す。本実施形態の負荷制御システムは、実施形態1で説明した操作端末器2に負荷Lを接続して当該負荷Lを直接制御可能としたものである。言い換えると、本実施形態の負荷制御システムは、遠隔制御機能を有しない操作制御端末器(第2操作制御端末器)1B〜1Dと、遠隔制御機能を有する操作制御端末器(第1操作制御端末器)1Aとで構成されている。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して適宜図示並びに説明は省略する。
第2操作制御端末器1B〜1Dは何れも実施形態1における操作制御端末器1B〜1Dと共通の構成を有している。また、実施形態1の操作端末器2に相当する第1操作制御端末器1Aは、基本的に第2操作制御端末器1B〜1Dと共通の構成を有しているので、詳細な構成に付いての図示並びに説明は省略する。
第1操作制御端末器1Aにおいては、操作スイッチS51が実施形態1で説明したグループ制御に対応し、操作スイッチS52,S53がそれぞれ実施形態1で説明した第1及び第2のパターン制御に対応しており、グループ制御の対象であるグループや第1及び第2のパターン制御の対象である第1及び第2のパターングループに属する第2操作制御端末器1B〜1Dの識別符号及び各負荷L毎の制御内容(調光レベル)が操作スイッチS51〜S53と対応付けて記憶部13に記憶されている。
次に、図8のシーケンス図を参照しながら第1操作制御端末器1Aによるグループ制御の動作について説明する。第1操作制御端末器1Aの操作スイッチS51が操作されると、操作入力受付部11から制御部10へ操作信号が出力され、当該操作信号を受け取った制御部10は記憶部13に記憶されている対応関係を参照して当該操作信号(操作スイッチS51による操作入力)に対応付けられている第2操作制御端末器1B〜1Dの識別符号と、第2操作制御端末器1B〜1Dに接続されている制御対象の負荷Lの状態(最新の状態)とを取得する。制御部10は、記憶部13から取得した各負荷Lの状態が全て同じ、すなわち、全ての負荷Lが点灯状態又は消灯状態であれば、それぞれ反対の状態(点灯状態であれば消灯、消灯状態であれば点灯)とする制御コマンドを生成し、各負荷Lの状態が全て同じでない、例えば、何れか一つの負荷Lのみが点灯状態であり且つ残りの負荷Lが消灯状態であれば、全ての負荷Lを同じ状態(点灯状態又は消灯状態)とする制御コマンドを生成する。さらに制御部10は、生成した制御コマンドをデータに設定するとともに宛先アドレスにマルチキャストアドレスを設定し且つ送信元アドレスに自己の識別符号を設定したパケットを作成し、当該パケットを信号伝送部12より信号線Lsを介して送信させる。
第2操作制御端末器1B〜1Dにおいては、信号伝送部12で当該パケットを受信して制御部10に渡し、制御部10では、受け取ったパケットに含まれる制御コマンドに自己の識別符号が含まれていれば当該識別符号と対応した制御内容に応じて負荷Lを点灯又は消灯させるための制御信号を負荷駆動部14に出力する。負荷駆動部14では制御部10から受け取った制御信号に応じてリレーをオン又はオフすることで負荷Lを点灯又は消灯させる。また制御部10では、制御コマンドを受け取ってから所定の待機時間(各第2操作制御端末器1B〜1D毎に異なった時間)が経過した後、制御コマンドを含むパケットの送信元アドレスに設定されている第1操作制御端末器1Aの識別符号を宛先アドレスに設定するとともに自己の識別符号を送信元アドレスに設定し、且つ制御後の負荷Lの状態(点灯又は消灯)をデータに設定したパケット(負荷状態通知のパケット)を生成して信号伝送部12より信号線Lsを介して送信させる。さらに制御部10は、制御後の負荷Lの状態に応じて自己の動作表示部15の表示を変更する。
一方、第1操作制御端末器1Aでは、信号伝送部12で当該パケットを受信して制御部10に渡し、制御部10では、受け取ったパケットに含まれる負荷Lの状態を記憶部13に記憶させる。そして、操作スイッチS51に対応したグループに属する全ての第2操作制御端末器1B〜1Dから負荷状態通知のパケットを受け取れば、制御部10は動作表示部15の表示を変更する、例えば、全ての負荷Lを点灯した場合は発光素子LD51を消灯し、全ての負荷Lを消灯した場合は発光素子LD51を点灯する。尚、何れかの第2操作制御端末器1B〜1Dから負荷状態通知のパケットを受信できない場合、第1操作制御端末器1Aの制御部10は、負荷状態通知のパケットを受信できなかった第2操作制御端末器(例えば、1D)の識別符号を宛先アドレスに設定し、負荷状態の通知を要求する制御コマンドをデータに設定したパケットを信号伝送部12より信号線Lsを介して送信させる。そして、負荷状態通知を要求する当該パケットを受け取った第2操作制御端末器1Dから負荷状態通知のパケットが返信されてくれば、第1操作制御端末器1Aの制御部10は通知された負荷Lの状態を記憶部13に記憶させ、負荷状態通知のパケットが返信されて来なければ、第1操作制御端末器1Aの制御部10は動作表示部15の発光素子LD51を点滅させるなどの方法で異常が生じていることを表示する。
続いて、図9のシーケンス図を参照しながらパターン制御(第2のパターン制御)の動作について説明する。第1操作制御端末器1Aの操作スイッチS53が操作されると、操作入力受付部11から制御部10へ操作信号が出力され、当該操作信号を受け取った制御部10は記憶部13に記憶されている対応関係を参照して当該操作信号(操作スイッチS53による操作入力)に対応付けられている第2操作制御端末器1C,1Dの識別符号と、第2操作制御端末器1C,1Dに接続されている制御対象の負荷Lに対する制御内容(調光レベル)とを取得する。制御部10は、記憶部13から取得した制御内容(第2のパターン制御)に応じて、第2操作制御端末器1Cの負荷Lを調光レベル70%で調光点灯し、第2操作制御端末器1Dの負荷Lを30%で調光点灯させる制御コマンドを生成し、生成した制御コマンドをデータに設定するとともに宛先アドレスにマルチキャストアドレスを設定し且つ送信元アドレスに自己の識別符号を設定したパケットを作成して信号伝送部12より信号線Lsを介して送信させる。尚、この制御コマンドには第2のパターングループに属さない第2操作制御端末器1Bの識別符号及び制御内容は含まれていない。
第2操作制御端末器1B〜1Dにおいては、信号伝送部12で当該パケットを受信して制御部10に渡す。第2操作制御端末器1Bの制御部10では、受け取ったパケットに含まれる制御コマンドに自己の識別符号が含まれていないので、負荷Lの制御は行わずに現在の負荷Lの状態(点灯又は消灯)をデータに設定したパケット(負荷状態通知のパケット)を生成して信号伝送部12より信号線Lsを介して送信させる。一方、第2操作制御端末器1C,1Dの制御部10では、受け取ったパケットに含まれる制御コマンドに自己の識別符号が含まれているので、自己の識別符号と対応する制御内容(調光レベル)で負荷Lを調光点灯させるための制御信号を負荷駆動部14に出力する。負荷駆動部14では制御部10から受け取った制御信号に応じて駆動回路を介して負荷Lに給電する単位時間当たりの給電量を調整させる。また第2操作制御端末器1C,1Dの制御部10では、制御コマンドを受け取ってから所定の待機時間が経過した後、制御コマンドを含むパケットの送信元アドレスに設定されている第1操作制御端末器1Aの識別符号を宛先アドレスに設定するとともに自己の識別符号を送信元アドレスに設定し、且つ制御後の負荷Lの状態(調光レベル)をデータに設定した負荷状態通知のパケットを生成して信号伝送部12より信号線Lsを介して送信させる。さらに制御部10は、制御後の負荷Lの状態に応じて自己の動作表示部15の表示を変更する。
第1操作制御端末器1Aでは、信号伝送部12で当該パケットを受信して制御部10に渡し、制御部10では、受け取ったパケットに含まれる負荷Lの状態を記憶部13に記憶させる。そして、操作スイッチS53に対応した第2のパターングループに属する全ての第2操作制御端末器1C,1Dから負荷状態通知のパケットを受け取れば、制御部10は動作表示部15の発光素子LD53を点灯させて第2のパターン制御が実行中であることを表示する。尚、第1のパターン制御の動作については基本的に第2のパターン制御の動作と共通であるから説明は省略する。
本実施形態でも実施形態1と同様に、一括制御機能を有する第1操作制御端末器1Aの記憶部13に、各操作スイッチS51〜S53の制御対象である負荷Lの状態(点灯、消灯、調光レベル)の履歴を記憶しておき、制御対象である負荷Lが全て消灯している既定の状態で所定の再現制御の操作入力が操作入力受付部11で受け付けられたら、制御部10が記憶部13に記憶している履歴を参照して既定状態(全ての負荷Lが消灯している状態)の一つ前の各負荷Lの状態を取得し、制御対象である各負荷Lを記憶部13から取得したそれぞれの負荷状態とする制御コマンドを生成し、当該制御コマンドをデータに設定するとともに宛先アドレスにマルチキャストアドレスを設定し且つ送信元アドレスに自己の識別符号を設定したパケットを作成して信号伝送部12より信号線Lsを介して送信させる。尚、再現制御の操作入力は、再現制御専用の操作スイッチを第1操作制御端末器1Aに設けてもよいし、あるいは、一括制御用の操作スイッチS51〜S53で兼用しても構わない。
そして、第1操作制御端末器1Aから送信された上記再現制御用のパケットを受信した第2操作制御端末器1B〜1Dにおいては、それぞれの制御部10が、受け取ったパケットに含まれる制御コマンドに応じて負荷Lを点灯あるいは調光点灯させるための制御信号を負荷駆動部14に出力する。その結果、制御対象の全ての負荷Lが消灯する一つ前の負荷状態が再現されることになる。このように本実施形態においても実施形態1と同様に、使用者が負荷Lの状態を覚えていなくても第1操作制御端末器1Aの操作スイッチ(再現制御用の操作スイッチ若しくは一括制御用と兼用された操作スイッチ)を操作するだけの簡単な作業で既定状態となる一つ前の負荷Lの状態が容易に再現できる。尚、本実施形態並びに実施形態1では一括制御用の操作スイッチS51,…と対応する一つの発光素子LD51,…で一括制御の対象である複数の負荷Lの動作状態を表示するようにしているが、第1操作制御端末器1Aあるいは操作端末器2に一つの操作スイッチと当該操作スイッチに対応した一括制御の対象である複数の負荷Lに個別に対応する発光素子とを設けて各負荷L毎に動作状態を表示するようにしても構わない。
ところで、本発明の技術思想は実施形態1,2で説明した分散制御型の負荷制御システムだけでなく、従来技術で説明した集中制御型の負荷制御システムにも適用可能である。つまり、制御端末器103によって制御される負荷(照明負荷104)の動作状態は伝送制御装置100において一元的に管理されているので、各照明負荷104毎の動作状態の履歴を伝送制御装置100で記憶しておき、全ての負荷104が消灯している状態で操作端末器102に設けられた再現制御用の操作スイッチが操作されたときに、伝送制御装置100が記憶している履歴に基づいて、全ての負荷104が消灯状態となる一つ前の状態となるように各制御端末器103に制御コマンドを送信することで照明負荷104の動作状態を再現することが可能である。尚、このような再現制御を行う集中制御型の負荷制御システムについては、従来技術と基本的な構成が共通であるから図示並びに詳細な説明は省略する。