JP4912585B2 - シリケート組成物及びこれを含む水性塗料 - Google Patents
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Description
上記Rは、炭素数4〜18のアルキル基であることが好ましい。
上記Xは、−O−であることが好ましい。
上記アルキルシリケートは、エチルシリケートであることが好ましい。
上記シリケート組成物は、加水分解率が60%以下であることが好ましい。
本発明はまた、上述の水性塗料を塗装することによって得られる塗膜を有することを特徴とする基材でもある。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明で重要な点は、アルキルシリケートを上記式(1)で表される末端が2級水酸基の化合物と反応させることによって形成される結合が、アルキルシリケートを上記末端が1級水酸基の化合物と反応させることによって形成された結合に比べて、水中で加水分解されにくいことを見出したことである。従って、アルキルシリケートを上記式(1)で表される末端が2級水酸基の化合物で変性することによって得られる本発明のシリケート組成物(以下、「2級水酸基含有化合物変性シリケート組成物」ともいう)は、アルキルシリケートを末端が1級水酸基の化合物(例えば、末端の水酸基がエチレンオキサイドユニットに結合している化合物)で変性することによって得られる1級水酸基含有化合物変性シリケート組成物に比べて優れた耐加水分解性を有するものとなる。
上記アルキルシリケートとしては、例えば、炭素数1〜4のアルコキシ基を有するテトラアルコキシシラン及びその縮合物を挙げることができる。
上記炭素数1〜4のアルコキシ基のなかでも、塗膜の親水性の観点から、メトキシ基、エトキシ基が好ましく、耐加水分解性の点でエトキシ基がより好ましい。上記アルキルシリケートにおいて、炭素数1〜4のアルコキシ基は同一のものであっても異なるものであってもよいが、入手が容易なことから、同一のものであることが好ましい。
上記式(1)において、EOは、エチレンオキサイドユニット(−CH2CH2O−)を表す。上記エチレンオキサイドユニットを有することにより、親水性を付与することができる。上記式(1)において、nは、2〜22を表す。上記nは平均値である。2未満であると、親水性の付与が不充分となるおそれがあり、22を超えると、親水性が高くなりすぎるおそれがある。nは、3〜8であることが好ましい。
(加水分解率の測定方法)
蒸留水99.6gに10%NaOH水溶液0.1gを加えてNaOH水溶液を調製する。これに本発明のシリケート組成物を0.3g添加し、60℃に加温し、マグネチックスターラーで攪拌する。4時間攪拌した後、反応液をサンプリングし、ガスクロマトグラフィーで分析し、生成した式(1)以外の全アルコール量を定量する。得られたアルコール量の用いたシリケート組成物から生成する式(1)以外の全アルコール量に占める割合を加水分解率とする。
上記反応において、上記式(1)で表される化合物の配合量は、上記アルキルシリケート1モルに対して、0.1〜4モルの範囲内であることが好ましい。0.1モル未満であると、親水性の付与が不充分となるおそれがあり、4モルを超えると、アルコキシル基の当量が低下するおそれがある。より好ましくは、0.1〜3モルの範囲内である。
上記反応は、例えば約170℃までの加熱条件下で行われることが好ましい。また、反応を進行させるため、生成したメタノール又はエタノール等のアルコールを系外に留去することが好ましい。反応はアルコールによる置換が所定量行われた時点で終了される。反応終了後、必要に応じて分離・精製を行って目的とするシリケート組成物を得ることができる。
上記反応を行う際には、必要に応じ、触媒の使用が可能である。
上記触媒としては、先の交換反応の説明で挙げた触媒が使用できる。
上記シリケート組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、他の成分を含んでもよい。
上記水性塗料中に含まれる水性エマルションとしては、例えば、アクリル樹脂系エマルション、アクリルシリコン樹脂系エマルション、フッ素樹脂系エマルション、ウレタン樹脂系エマルション等を挙げることができる。
塗装後、常温乾燥又は110℃程度の熱風による強制乾燥により乾燥を行うことができる。
上記水性塗料により得られる塗膜の乾燥膜厚は、特に規定されるものでなく、例えば、10〜40μmとすることができる。
塩化カルシウム管、蛇管冷却管、デカンターを備えた100mlフラスコにエチルシリケート40(コルコート社製、平均縮合度5、以下「ES−40」と略す)29.76gにエチレンオキサイドユニット(以下「EO」と略す)6個とプロピレンオキサイドユニット(以下「PO」と略す)2個を含むポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールモノイソデシルエーテル37.4g及びトリエチルアミン0.2gを加え、110℃で1時間、125℃で2時間、145℃で1時間、加熱攪拌した。デカンターにはエタノールが3.46g留出した。冷却後、減圧濃縮し、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールモノイソデシルエーテルで置換したエチルシリケート組成物(1)59.1gを得た。1H−NMRスペクトルにより算出した変性率は15.48%であった。得られたシリケート組成物(1)の1H−NMRチャートを図1に示した。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールモノアルキルエーテルの種類及び配合量、ES−40及びトリエチルアミンの配合量を表1で示したように変更した以外は、実施例1と同様にして、シリケート組成物(2)〜(30)を製造した。なお、実施例1〜7で使用したポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールモノイソデシルエーテルはランダム共重合体で、それ以外はブロック共重合体である。
実施例1で使用したポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールモノアルキルエーテルの代わりに、表2中の一般式で表される化合物を使用し、この配合量、ES−40及びトリエチルアミンの配合量を表2のように変更した以外は、実施例1と同様にして、表2中の一般式で表される化合物で置換したエチルシリケート(1)〜(10)を製造した。
(加水分解率)
蒸留水99.6gに10%NaOH水溶液0.1gを加えてNaOH水溶液を調製した。これに実施例のシリケート組成物又は比較例の置換シリケート化合物を0.3g添加し、60℃に加温し、マグネチックスターラーで攪拌した。4時間攪拌した後、反応液をサンプリングし、ガスクロマトグラフィーで分析し、生成したエタノールを定量した。得られたエタノールが用いたシリケート組成物又は置換シリケート化合物から生成するエタノールに占める割合を加水分解率とした。
蒸留水19.9gに実施例のシリケート組成物又は比較例の置換シリケート化合物を0.12g添加し、よく攪拌した後、沈降せずに白濁したままになっているものを〇とした。
実施例のシリケート組成物又は比較例の置換シリケート化合物をオーデフレッシュU100(日本ペイント社製建築外装用アクリルエマルション系塗料)100gに対して6.6g添加した塗料を調製した。調製した塗料のポットライフについて、塗料調製後8時間経過後において、以下の基準で判定した。
○;粘度上昇が少なく、塗装可能である
×;粘度上昇が大きく、塗装不可能である。
上記のように調製した塗料のうち、いくつかについて、ブリキ板に10ミルのドクタープレートで塗装し、14日間乾燥した後、水接触角計(協和界面科学社製)にて塗膜の水接触角を測定した。65度以下であれば良好である。なお、オーデフレッシュU100のみから得られる塗膜の水接触角は75度であった。
なお、ポリ(オキシエチレンポリオキシプロピレン)グリコールで変性したものが良好でなかった理由は、以下のように考えられる。すなわち、エチレンオキシドユニットに基づく1級水酸基は、プロピレンオキシドユニットに基づく2級水酸基よりも反応性が高い。このため、エチレンオキシドユニットに基づく1級水酸基とエトキシシリル基との反応が優先的に進行し、その結果、耐加水分解性が充分でない置換シリケート化合物が得られたものと考えられる。
Claims (8)
- 水分散性である請求項1記載のシリケート組成物。
- Rは、炭素数4〜18のアルキル基である請求項1又は2記載のシリケート組成物。
- nは、3〜8を表し、m+1は、1〜7を表す請求項1、2又は3記載のシリケート組成物。
- アルキルシリケートは、エチルシリケートである請求項1、2、3又は4記載のシリケート組成物。
- 加水分解率が60%以下である請求項1、2、3、4又は5記載のシリケート組成物。
- 請求項1、2、3、4、5又は6記載のシリケート組成物を含有することを特徴とする水性塗料。
- 請求項7記載の水性塗料を塗装することによって得られる塗膜を有することを特徴とする基材。
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