JP4912149B2 - 燃料ポンプ - Google Patents
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Description
本発明は、車両の燃料タンク等に設けられる燃料ポンプの技術分野に属するものである。
【背景技術】
一般に、この種燃料ポンプのなかには、吸入口が形成された外側隔壁と、排出口が形成された内側隔壁と、これら隔壁の対向間に収容されるインペラとを備えて構成されたものがある。
このようなものにおいて、各隔壁に、インペラと対向する面に、インペラ外周に形成される羽根体に対向する部位に位置して環状の燃料流路を形成するとともに、外側隔壁には燃料流路に連通する吸入口を形成し、また、内側隔壁には燃料流路に連通する排出口を形成したものがあり、このようにすることにより、燃料ポンプをインタンク式のものとしたものがある(例えば、特開2003−293880号公報参照。)。
ところが、前記従来のものにおいて、インペラの回転に伴い吸入口から流入する燃料は、円筒状の筒内に沿って流入することから、筒内周面に沿って旋回する渦流となって燃料流路側に流入し、このため、渦流の中心に低圧部が形成されて気泡が発生しやすくなり、燃料が高温になるほど流量が低下する(高温特性の流量低下)という問題がある。特に、吸入口の外側端と内側端とが偏寄して形成されているような場合では、渦流の発生が一層顕著であり、改善が強く望まれている。
また、近年、小型、軽量化を図ることが急務であり、このような燃料ポンプを薄型のタンクに用いる燃料ポンプとする場合に、外側隔壁を薄型にすることが提唱される。一方、このような燃料ポンプにおいて、吸入口から燃料流路へ至る部位を切り欠いてR状部(傾斜状または湾曲状)とし、これによって、燃料の導入部を大きくして流量低下を防止するとともに、流れの剥離が起きて圧力低下が発生しないようにすることが提唱されるが、外側隔壁を薄型とした場合、R状部の曲率半径(切り欠き部位)を大きく確保することが難しく、このままでは薄型とすることができないという別な問題もあり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
【発明の開示】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、吸入口が形成される外側隔壁と、排出口が形成される内側隔壁と、これら隔壁の対向間に収容されるインペラとを備え、各隔壁のインペラ外周の羽根体に対向する部位に、前記吸入口と排出口とに連通するリング状の燃料流路が形成された燃料ポンプにおいて、前記吸入口に、流入する燃料が渦流となるのを阻止する渦流阻止部を設けるにあたり、該渦流阻止部は、吸入口におけるインペラの回転方向先側に設けられ、該インペラの回転方向に直交する渦流阻止面を備えて構成されているものである。
そして、このようにすることにより、吸入口において渦流が形成されることがなく、気泡の発生を防止できるばかりでなく、吸入抵抗が生じるのを防止でき、さらには、渦中心が局所的に減圧するのが防止されて、高温特性の流量低下を抑制することが可能となり、インペラの回転に追随する燃料の流れによる渦流の形成を効果的に阻止することができる。
請求項2の発明は、請求項1において、吸入口の外部に面する外側端は、インペラに面する内側端よりも大径で、かつ、内径側に偏寄して形成されているものであり、このようにすることにより、燃料ポンプの小型化を果すことができる。
請求項3の発明は、請求項1または2において、吸入口から燃料流路に至る連結部位は、傾斜状および/または湾曲状に切り欠かれているものとすることができ、このようにすることにより、外側隔壁の板厚を厚くすることなく前記連結部の切り欠き部位を大きく確保できて、流れの剥離に基づく流量低下を低減できる。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか1において、渦流阻止部は、前記渦流阻止面と、該渦流阻止面に対し、インペラの回転方向後側方向に延出する円弧状の案内面とから構成されているのであり、このようにすることにより、渦流形成の阻止を一層図ることができる。
請求項1の発明とすることにより、渦流が形成されず、気泡の発生を防止できるばかりでなく、吸入抵抗が生じるのを防止でき、さらには、渦中心が局所的に減圧するのが防止されて、高温特性の流量低下を抑制することが可能となり、インペラの回転に追随する燃料の流れによる渦流の形成を効果的に阻止することができる。
請求項2の発明とすることにより、燃料ポンプの小型化を果すことができる。
請求項3の発明とすることにより、外側隔壁の板厚を厚くすることなく前記連結部の切り欠き部位を大きく確保できて、流れの剥離に基づく流量低下を低減できる。
請求項4の発明とすることにより、渦流形成の阻止を一層図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれ燃料ポンプの側面図、正面図、側面図、エンドカバーを取り外した状態の側面図である。である。
第2図(A)、(B)、(C)はそれぞれ第二プレートの側面図、図2(A)におけるX−X断面図、側面図である。
第3図は、要部の拡大斜視図である。
第4図は、要部を展開した断面図である。
第5図は、本実施の形態の燃料ポンプと従来型燃料ポンプとの温度変化に対する吐出量の変化を示す表図である。
第6図は、第二の実施の形態における要部の拡大斜視図である。
第7図(A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれ第三、第四、第五、第六の実施の形態における要部のパターン図である。
第8図(A)、(B)、(C)はそれぞれ第七、第八、第九の実施の形態における要部を展開した断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
次に、本発明の第一の実施の形態を第1図〜第4図に示す図面に基づいて説明する。
図面において、1は燃料タンク内に配される燃料ポンプであって、該燃料ポンプ1は、筒状のケーシング2の一端側にモータ部Mが構成され、他端側にポンプ部Pが構成されている。前記モータ部Mのモータ軸3は、一端部がケーシング2の一端側の筒端を覆蓋するように配されるブラケット4に、軸受4aを介して回動自在に軸承されている。一方、モータ軸3の他端部3aは、後述するように、ケーシング2他端側の筒端を覆蓋するように配され、本発明のポンプ部Pを構成するポンプケーシング5に、回動自在、かつ、軸方向への移動が規制される状態で支持されている。
尚、6はケーシング2、ブラケット4、ポンプケーシング5との外周を被覆するカバーであって、該カバー6は、これらケーシング2、ブラケット4、ポンプケーシング5の外周にカシメ付けられる状態で嵌着されることにより、これらを一体化するように設定されている。尚、7はモータ軸3に一体的に外嵌されるアーマチュアコア、8はケーシング内周面に固着される永久磁石、4bはブラケット4を覆蓋するように配されるエンドカバーである。
前記ポンプケーシング5は、本発明の内側隔壁、外側隔壁に相当する第一、第二プレート9、10により構成されており、これら第一、第二プレート9、10は、円板状に形成され、モータ軸3の軸方向に並列して配設されている。そして、前記モータ軸3の他端部3aは、内側に位置する第一プレート9の貫通孔9aに配された軸受3bを介して回動自在な状態で貫通支持されているとともに、貫通先端部が、外側に位置する第二プレート10の凹部10aにスラスト方向の軸受3cを介して支持されている。これによって、前述したように、モータ軸3は、ポンプケーシング5に軸方向の移動が規制され、かつ、回動自在な状態での支持を受けるように設定されている。
そして、前記第一、第二プレート9、10の対向間に形成される間隙に、インペラ11が内装されるが、該インペラ11は、所定の板厚に設定された円板状の板体(円板体)の中央部にモータ軸3に外嵌するためのモータ軸用貫通孔11aが形成されている。一方、前記モータ軸他端部3cには面取り部3dが形成されており、インペラ11をモータ軸他端部3aに外嵌させたとき、インペラ11はモータ軸3に回り止め状に外嵌され、モータ軸3と一体回転するように構成されている。
さらに、インペラ11は、外径部に板厚方向に貫通する貫通孔11bが周回り方向に並列する状態で複数形成されており、これによって、インペラ11の外径部には、隣接する貫通孔11bとのあいだに周回り方向に並列する複数の羽根体11cが形成され、さらにこれら羽根体11cの外径側において周回り方向に一体化されたリング状部11dが形成されている。
一方、内側隔壁となる前記第一プレート9のインペラ11内装側(外側であって、他端側)の面には、インペラ羽根体11cに対向する部位に位置して、一端側に凹設された内側リング状凹溝9bが形成されている。また、外側隔壁となる第二プレート10の一端側面には、凹部10a形成部位の外径側、つまり、インペラ羽根体11cに対向する部位に位置して、他端側に凹設された外側リング状凹溝10bが形成されており、前記内側リング状凹溝9bと外側リング状凹溝10bとは、インペラ11によるポンプ作動がなされたとき、インペラ11に形成される羽根体11cの回転に伴い、インペラ貫通孔11bとともに燃料流路(燃料流路)となるように設定されている。
そして、第一プレート9の外径側には、内側リング状凹溝9bに連通する軸方向を向いた排出口9cが開設され、モータ部M側(ケーシング2内側)に連通するように設定されている。
さらに、第二プレート10の外径側には、外側リング状凹溝10bに連通する吸入口12が開設されており、該吸入口12に本発明が実施されている。
つまり、吸入口12は、第二プレート10の外側面から外方に突出する筒状体に形成されており、インペラに面する内側端10cと、外部に面する外側端12aとを備え、第二プレート10と一体型成形されている。前記吸入口12の外側端12aは、内側端10cよりも大径に形成されているとともに、内側端10cより内径側に偏寄して形成されている。ここで、内側端10cの開口形状は、略四角形に形成されており、インペラ11の回転方向を基準として先側に位置する先側辺部10d、後側に位置する後側辺部10e、第二プレート10の円板中心を基準として内径側に位置する内径側辺部10f、外径側に位置する外径側辺部10gの四辺により囲繞される空間で構成されている。
そして、吸入口12の外側端12aから内側端10cに至る筒内周面のうち、インペラ11の回転方向先側に位置する部位は肉厚に形成されて内径側に突出しており、これによって、インペラ11の回転方向に直交する渦流阻止面(渦流阻止部)12bが形成されており、該渦流阻止面12bは、内側端先側辺部10dに続いていて、第二プレート10の板面に直交する状態で形成されている。これによって、吸入口12の外側端12aから流入される燃料は、渦流阻止面12bに突き当たることで渦流の形成を妨げられ、吸入口12の筒内において渦流になるのが防止されるように設定されている。さらに、吸入口12の外側端12aから内側端10cに至る筒内周面において、後側辺部10e、内径側辺部10f、外径側辺部10gと外側端12aとのそれぞれのあいだには、傾斜面12c、12d、12eがそれぞれ形成されている。
さらに、渦流阻止面12bに続く内側端先側辺部10dと、燃料流路である外側リング状凹部10bとのあいだは、略直交状に連結されているが、該部位は、湾曲状に切り欠かれてR状部12fに形成されている。このとき、渦流阻止面12bは、吸入口12を構成する筒状部におけるインペラ11の回転方向先側部位を肉厚にすることで形成されており、渦流阻止面12bとリング状凹部10bとのあいだを面取りして形成されるR状部12fの曲率半径を大きく確保できるように構成されている。これによって、吸入口12からリング状凹部10bに至る部位に形成される空間(燃料導入部)を大きくすることができて、流量を大きく確保することができるうえ、燃料がポンプ室内に流入する際に、渦流阻止面12bとリング状凹部10bとの連結部において燃料が剥離されることがなく、圧力低下が発生しないように構成されている。
このように形成された吸入口12において、モータ軸3の回転駆動に基づいてインペラ11が矢印方向に回転した場合、燃料タンク内に貯留される燃料は、吸入口12の外側端12aから内側端10cを経由してポンプ室内に流入し、リング状凹部10c、9b内を移送されることで所定の圧力となった状態で排出口9からモータ部M側へ排出され、そして、エンドカバー4bに開設された吐出口4cから吐出されるように設定されている。この場合に、第3図に示すように、インペラ11が矢印方向に回転して、羽根体11cによるポンプ作動がなされると、燃料は、吸入口12の大径の外側端12aから小径の内側端10cを経由してポンプ室内に流入するが、このとき、燃料は、吸入口12の筒内に沿って内側端10c側へ流入する際に、インペラ11の回転方向と同方向(時計回り)の渦流を形成しようとするが、吸入口12の筒内周面には、インペラ11の回転方向先側に位置して、インペラ11の回転方向に直交する渦流阻止面12bが形成されている。これによって、時計回り方向に旋回しようとする燃料は、渦流阻止面12bに突き当たる(当接する)ことにより流れの方向の変更を余儀なくされ、これによって、燃料による渦流の形成が阻止され、もって、気泡の発生が防止されるように設定されている。
ここで、本実施の形態の燃料ポンプ1と、渦流阻止面12bが形成されていない燃料誘導路を備えた従来型燃料ポンプとを用い、温度変化に対する燃料の吐出流量の変化を測定した結果を第5図の表図に示す。前記第5図によると、従来の燃料ポンプは、燃料が高温になることに伴い、吐出流量が低下するのに体し、本実施の形態の燃料ポンプ1は、高温になっても吐出流量の低下がみられず、吸入口12に形成された渦流阻止面12bの効果を確認することができる。
叙述の如く構成された本形態において、モータ部Mの駆動に基づいてインペラ11が回転すると、前述したように、ポンプ作動がなされて燃料が吸入口12の外側端12aから内側端10cを経てポンプ室内に流入するが、この場合に、燃料が吸入口12の筒内に沿って流入する際に、燃料の流れは、インペラ11の回転方向に沿って渦流を形成しようとしても、吸入口12の筒内周面に形成された渦流阻止面12bに当接することにより阻止され、もって、内側端10cの近傍が低圧となって気泡が発生することを防止できるばかりでなく、吸入抵抗が生じるのを防止できるとともに、渦中心における局所的な減圧が防止されて、流量低下による性能の低下を回避することができる。
しかも、このものにおいて、渦流阻止面12bは、吸入口12におけるインペラ11の回転方向先側に位置して形成されているので、インペラ11の回転に追随して流入することにより形成される燃料の渦流を効果的に阻止することができる。
さらに、このものにおいて、渦流阻止面12bは、インペラの回転方向に直交する面となっているので、吸入口に流入する燃料の流れに直交するようにして流れの方向を強制的に変更させるので、渦流の防止を効果的に行うことが可能となる。
また、このものにおいて、吸入口12の外側端12aは、内側端10cよりも大径で、しかも、形成位置が内径側に偏寄して設けられているので、ポンプ部Pの小径化を図ることができ、ポンプ部Pとモータ部Mとを一体化するようにカシメ付けられるカバー6のカシメ代を確保することができる。しかるに、このようにした場合、外側端12aが内側端10cに対して偏寄しているが故に渦流の発生が一層顕著となるが、このものでは、渦流阻止面12bが形成されているため渦流が防止されることになり、コンパクト化を実現しながら渦流の防止も図れる優れた燃料ポンプとすることができる。
さらに、このものにおいて、渦流阻止面12bを形成するにあたり、吸入口12を肉厚にして形成しているので、渦流阻止面12bから外側リング状凹溝10bに至る部位をR状に形成する場合に、第二プレート10の板厚を厚くすることなくR状部の曲率半径を大きく確保できることになって、吸入口12からポンプ室内に至るあいだに形成される燃料導入部の面積を大きく確保できるとともに、燃料の流れを剥離しないようにすることができて、高温特性における流量低下の抑制をさらに効果的に図れ、優れた燃料ポンプとすることができる。
尚、本発明は前記実施の形態に限定されないことは勿論であって、第6図に示す第二の実施の形態のようにすることもできる。
第二の実施の形態において、第二プレート(外側隔壁)13の吸入口13aに連通して形成される燃料誘導路14はインペラの回転方向に直交する渦流阻止面14aと、該渦流阻止面14aに対し、インペラの回転方向後側方向に延出する円弧状の案内面14bが形成されたものとなっており、これによって、燃料誘導路14に進入する燃料は案内面14bに沿って渦流阻止面14a側に向けて流れ込むことになり、これによって、一層の渦流形成の阻止が図れて、気泡の発生を低減し、高温特性における流量低下を抑制することが可能となる。
さらに、前記各実施の形態のものは、吸入口の内側端と外側端とが偏寄して形成されたものであるが、内側端の開口中心(インペラ羽根体の径方向長さの中心位置)と、外側端の筒中心とが略同位置となっている吸入口についても、渦流阻止部を形成することにより、吸入口の筒内周面に沿って旋回する渦流を防止できて、もって、高温特性における流量低下を図ることができる。
さらに、第7図(A)〜(D)に示す第三〜第六の実施の形態のようにすることもできる。
第三の実施の形態のものは、吸入口15の筒中心Oから、インペラの回転方向先側に向く放射状の板状体15aを設けることにより、渦流の流れに直交する渦流阻止面15bが形成されており、このようにすることでも渦流の発生を低減できる。また、第四、第五の実施の形態のものは、吸入口16、17を、外形状は円形であるが、内筒形状を、インペラの回転方向先側に頂部が位置する三角形状、または、インペラの回転方向先側に位置側片が位置する四角形状にしたものであり、このものでも、筒内周面16a、17aに角形状を形成することにより渦流阻止部が構成され、渦流の発生を低減することができる。さらには、第六の実施の形態のように、吸入口18の筒内周面18aを内径側に膨出する複数の湾曲面で構成された渦流阻止部とすることもでき、このように構成しても渦流の低減が図れる。
さらには、第8図(A)、(B)、(C)に示す第七、第八、第九の実施の形態のようにすることもできる。これら各実施の形態のものは、外側隔壁19、20、21のそれぞれに板厚方向に貫通する貫通孔19a、20a、21aを開設する一方、これら貫通孔19a、20a、21aの孔縁に、該外側隔壁19、20、21とは別途形成された筒状の吸入口22、23、24の基端部を一体的に連結することにより構成ている。そして、これらの場合にも、各吸入口22、23、24におけるインペラ11の回転方向先側の内周に、インペラ11の回転方向に直交する渦流阻止面22a、23a、24aを形成することにより、渦流の形成が防止されて高温特性における流量低下を図ることができる。
さらに、第七の実施の形態のものでは、吸入口22(渦流阻止面22a)から外側隔壁19の燃料流路19bに至る部位において、燃料流路19b側を切り欠くことで傾斜面19cを形成することで、流れの剥離に基づく流量低下を防止している。また、第八、第九の実施の形態のものでは、それぞれ渦流阻止面23a、24aから外側隔壁20、21の燃料流路20b、21bに至る部位において、渦流阻止面23a、24aを切り欠いて湾曲状のR状部23b、24bを形成するとともに燃料流路20b、21b側を切り欠いて傾斜状の傾斜面20c、21cを形成することにより、流れの剥離に基づく流量低下を防止している。そして、第九の実施の形態のものでは、吸入口24に段差部24cを形成して、燃料流路21b側の筒長方向の長さ短くし、燃料流路21b側の傾斜面21cを大きく確保するように構成されており、これによって、渦流阻止面24aから燃料流路21bに至る部位の容積が大きくなって、流量低下の一層の防止が計れるようにしている。
【産業上の利用可能性】
以上のように、本発明にかかる燃料ポンプは、車両の燃料タンク等に設けられる燃料ポンプ等として有用であり、特に渦流が発生するような吸入口の外側端と内側端とが偏寄して形成されているような燃料ポンプとして、また燃料ポンプを小型、軽量化したい場合に適している。
Claims (4)
- 吸入口が形成される外側隔壁と、排出口が形成される内側隔壁と、これら隔壁の対向間に収容されるインペラとを備え、各隔壁のインペラ外周の羽根体に対向する部位に、前記吸入口と排出口とに連通するリング状の燃料流路が形成された燃料ポンプにおいて、前記吸入口に、流入する燃料が渦流となるのを阻止する渦流阻止部を設けるにあたり、
該渦流阻止部は、吸入口におけるインペラの回転方向先側に設けられ、該インペラの回転方向に直交する渦流阻止面を備えて構成されている燃料ポンプ。 - 請求項1において、吸入口の外部に面する外側端は、インペラに面する内側端よりも大径で、かつ、内径側に偏寄して形成されている燃料ポンプ。
- 請求項1または2において、吸入口から燃料流路に至る連結部位は、傾斜状および/または湾曲状に切り欠かれている燃料ポンプ。
- 請求項1乃至3の何れか1において、渦流阻止部は、前記渦流阻止面と、該渦流阻止面に対し、インペラの回転方向後側方向に延出する円弧状の案内面とから構成されている燃料ポンプ。
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