JP6096572B2 - 燃料ポンプ - Google Patents
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Description
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動モータの消費電力を低減することができる燃料ポンプを提供することである。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料ポンプが適用された燃料供給装置を図1に示す。燃料供給装置200は、例えば車両等の燃料タンク内に装着されるインタンク式であり、燃料タンク内の燃料をエンジンの燃料噴射装置に供給する。
図1に示すように、駆動モータ210は、永久磁石界磁形の整流子電動機から構成されており、ハウジング211、モータカバー212、マグネット214、215、および電機子216等を備えている。
ハウジング211は、筒状であり、燃料ポンプ10の外郭部材でもある。
マグネット214、215は、界磁を構成しており、ハウジング211の内壁に固定されている。
電機子216は、ハウジング211と同軸上に設けられた「回転軸」としてのシャフト217と、シャフト217に固定されたコア218と、コア218に巻回されたコイル219と、コア218に対してモータカバー212側に設けられた整流子220とを有している。
ケーシング15は、ハウジング211の他端部内に嵌め入れられた筒部16と、筒部16のうち電機子216のコア218側の端部を塞ぐ底部17とを形成している。電機子216のシャフト217は、ケーシング15の底部17の中央に設けられた軸受18により回転可能に支持されている。
カバー19は、円板状であり、ケーシング15の筒部16の開口端部を塞ぐようにハウジング211の他端部内に嵌め入れられ、ハウジング211がかしめられることにより固定されている。カバー19は、ケーシング15との間にポンプ室21を区画形成している。
図1および図3に示すように、ケーシング15の底部17のうちポンプ室21側の内壁25は、回転方向に延びるC字状の溝から構成された昇圧通路26を有している。またケーシング15の底部17は、昇圧通路26のうち回転方向前方に位置する下流端で軸方向へ貫通する吐出通路27を有している。
図7に示すように、昇圧通路26に沿って流れる燃料の一部は、昇圧通路26の下流端を通るとき吐出通路27に流出する。吐出通路27に流出した燃料は、図1に示すように、駆動モータ210のハウジング211内を通ってモータカバー212の吐出ポート213から外部に吐出される。
インペラ30は、射出成形により作られた樹脂部材であり、Dカット穴32の内径がカバー19に近いほど拡大するテーパ状となっている。
図4に示すように、インペラ30のうち、Dカット穴32の平面部中央51に対して軸心37まわりに所定角度θをなす箇所を特定箇所53とし、当該特定箇所53に対して軸心37まわりに180度をなす箇所を反対箇所54とする。本実施形態では、特定箇所53付近には、特定箇所53を中心として回転方向に並ぶ3つの吐出側羽根55が設けられている。
図9に示すように、比較例による燃料ポンプ250は、回転方向全領域で共通の吸入側羽根33および吐出側羽根34を形成するインペラ251を備えている。特定箇所53付近にある吐出側凹所42の容積は、反対箇所54付近にある吐出側凹所42の容積と同じである。そしてインペラ251は、インペラ30と同様にテーパ状のDカット穴32を有している。そのため、インペラ251は、特定箇所53がカバー19に接近するように傾きながら回転する。
したがって、特定箇所53がカバー19に接近するようにインペラ30が傾くことが抑制される。そのため、第1実施形態によれば、インペラ30の特定箇所53とカバー19との間の摺動抵抗が小さくなり、駆動モータ210の消費電力を低減することができる。また、インペラ30の特定箇所53とカバー19との局部的な接触が抑制されるので、インペラ30の摩耗を抑制することができる。
本発明の第2実施形態による燃料ポンプのインペラを図11〜図13に基づき説明する。
インペラ60の特定箇所53付近には、特定箇所53を中心として回転方向に並ぶ3つの吐出側羽根61および吸入側羽根62が設けられている。吐出側羽根61の長さL2は、吸入側羽根62の長さL3と比べて短く、また反対箇所54付近にある吐出側羽根34の長さL1と比べても短い。そして、吐出側羽根61の軸方向幅W2は、吸入側羽根62の軸方向幅W3と比べて短く、また吐出側羽根34の軸方向幅W1と比べても短い。そのため、吐出側羽根61は、特定箇所53付近にある吐出側凹所63の容積を、反対箇所54付近にある吐出側凹所42の容積および特定箇所53付近にある吸入側凹所64の容積と比べて小さくし、流体力増大手段として機能する。
したがって、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、特定箇所53がカバー19に接近するようにインペラ60が傾くことが抑制され、駆動モータの消費電力を低減することができる。
本発明の第3実施形態による燃料ポンプのインペラを図14〜図16に基づき説明する。
インペラ65の特定箇所53付近には、特定箇所53を中心として回転方向に並ぶ3つの吐出側羽根66が設けられている。吐出側羽根66の長さL4は、特定箇所53付近にある吸入側羽根33の長さL1と比べて短く、また反対箇所54付近にある吐出側羽根34の長さL1と比べても短い。そして、吐出側羽根66の軸方向幅W4は、吸入側羽根33の軸方向幅W1と比べて短く、また吐出側羽根34の軸方向幅W1と比べても短い。そのため、吐出側羽根66は、特定箇所53付近にある吐出側凹所67の容積を、反対箇所54付近にある吐出側凹所42の容積および特定箇所53付近にある吸入側凹所39の容積と比べて小さくし、流体力増大手段として機能する。
したがって、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、特定箇所53がカバー19に接近するようにインペラ65が傾くことが抑制され、駆動モータの消費電力を低減することができる。
本発明の第4実施形態による燃料ポンプのインペラを図17〜図20に基づき説明する。
インペラ70の特定箇所53付近には、特定箇所53を中心として回転方向に並ぶ3つの吐出側羽根71および吸入側羽根72が設けられている。またインペラ70の反対箇所54付近には、反対箇所54を中心として回転方向に並ぶ3つの吐出側羽根73および吸入側羽根74が設けられている。
したがって、第4実施形態によれば、第1実施形態と同様に、特定箇所53がカバー19に接近するようにインペラ70が傾くことが抑制され、駆動モータの消費電力を低減することができる。
本発明の第5実施形態による燃料ポンプのインペラを図21〜図24に基づき説明する。
インペラ80の特定箇所53付近にある突起81は、基準箇所75付近にある突起36および反対箇所54付近にある突起82と比べてカバー19とは反対側に位置している。また突起82は、突起36および突起81と比べてカバー19側に位置している。
そのため、突起81および突起82は、特定箇所53付近にある吐出側凹所83の容積を、反対箇所54付近にある吐出側凹所84の容積および特定箇所53付近にある吸入側凹所85の容積と比べて小さくし、流体力増大手段として機能する。
したがって、第5実施形態によれば、第1実施形態と同様に、特定箇所53がカバー19に接近するようにインペラ80が傾くことが抑制され、駆動モータの消費電力を低減することができる。
本発明の第6実施形態による燃料ポンプのインペラを図25および図26に基づき説明する。
インペラ88は、特定箇所53にある吸入側凹所39と吐出側凹所42との間に位置する流体受部89を形成している。流体受部89は、吸入側凹所39から吐出側凹所42に流れる流体を受け、インペラ88の特定箇所53をカバー19とは反対側に押す流体力を発生させる。そのため、流体受部89は、反対箇所54をカバー19とは反対側に押す流体力と比べて特定箇所53をカバー19とは反対側に押す流体力を大きくする流体力増大手段として機能する。
したがって、第6実施形態によれば、第1実施形態と同様に、特定箇所53がカバー19に接近するようにインペラ88が傾くことが抑制され、駆動モータの消費電力を低減することができる。
本発明の第7実施形態による燃料ポンプのインペラを図27に基づき説明する。
インペラ90では、特定箇所53付近で隣り合う吐出側羽根91の設置間隔は、反対箇所54付近で隣り合う吐出側羽根92の設置間隔よりも狭い。吐出側羽根91は、インペラ90の反対箇所54をカバー19とは反対側に押す流体力と比べて特定箇所53をカバー19とは反対側に押す流体力を大きくする流体力増大手段として機能する。
したがって、第7実施形態によれば、第1実施形態と同様に、特定箇所53がカバー19に接近するようにインペラ90が傾くことが抑制され、駆動モータの消費電力を低減することができる。
本発明の他の実施形態では、Dカット穴は、複数の平面とそれらをつなぐ複数の曲面とから構成される穴であってもよい。要するに、本発明におけるDカット穴は、回り止めのために少なくとも1つの平面を有する穴であって、複数の平面を有していてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
19・・・カバー 21・・・ポンプ室
24・・・吸入通路 27・・・吐出通路
30、60、65、70、80、88、90・・・インペラ
31・・・ボス部 32・・・Dカット穴
33、62、72、74・・・吸入側羽根
34、55、61、66、71、73、91、92・・・吐出側羽根
35・・・リング部 37・・・軸心
51・・・平面部中央 53・・・特定箇所
54・・・反対箇所 210・・駆動源
217・・回転軸
Claims (8)
- 駆動源(210)の回転軸(217)に回転伝達可能に嵌合するDカット穴(32)を有するボス部(31)、前記ボス部の軸方向の一方側から径方向へ放射状に突き出す複数の吸入側羽根(33、62、72、74)、前記ボス部の軸方向の他方側から径方向へ放射状に突き出す複数の吐出側羽根(34、55、61、66、71、73、91、92)、および、各前記吸入側羽根および各前記吐出側羽根を囲む環状のリング部(35)を形成しているインペラ(30、60、65、70、80、88、90)と、
前記インペラに対して軸方向の一方側に設けられており、吸入通路(24)を有するカバー(19)と、
前記インペラを収容するポンプ室(21)を前記カバーとの間に区画形成しており、吐出通路(27)を有するケーシング(15)と、
を備え、
前記インペラのうち前記カバーと接近する箇所であって、前記Dカット穴の平面部中央(51)に対して軸心(37)まわりに所定角度をなす箇所を特定箇所(53)とし、当該特定箇所に対して軸心まわりに180度をなす箇所を反対箇所(54)とすると、前記インペラは、前記反対箇所を前記カバーとは反対側に押す流体力と比べて前記特定箇所を前記カバーとは反対側に押す流体力を大きくする流体力増大手段(55、61、66、71、73、81、82、89、91)を有することを特徴とする燃料ポンプ(10)。 - 前記インペラの前記ボス部と前記リング部との間の空間は、各前記吸入側羽根の間の吸入側凹所(39、64、78、85)、および、各前記吐出側羽根の間の吐出側凹所(42、63、67、76、77、83、84)を含み、
前記流体力増大手段(55、61、66、71、73、81、82)は、前記特定箇所付近にある前記吐出側凹所の容積を前記反対箇所付近にある前記吐出側凹所の容積と比べて小さくしていることを特徴とする請求項1に記載の燃料ポンプ。 - 前記特定箇所付近にある前記吐出側羽根(55)は、前記反対箇所付近にある前記吐出側羽根(34)と比べて厚みが厚く、前記流体力増大手段として機能することを特徴とする請求項2に記載の燃料ポンプ。
- 前記特定箇所付近にある前記吐出側羽根(61、66、71)は、前記反対箇所付近にある前記吐出側羽根と比べて軸方向幅が短く、前記流体力増大手段として機能することを特徴とする請求項2に記載の燃料ポンプ。
- 前記特定箇所付近にある前記吐出側羽根(71)は、前記特定箇所付近にある前記吸入側羽根(72)と比べて前記インペラの軸心に垂直な平面(45)に対する傾斜角度が小さいことを特徴とする請求項4に記載の燃料ポンプ。
- 前記インペラは、前記吸入側凹所と前記吐出側凹所とを仕切るように前記ボス部から放射状に突き出す複数の突起(81、82)を形成し、
前記特定箇所付近にある前記突起(81)は、前記反対箇所付近にある前記突起(82)と比べて前記カバーとは反対側に位置し、前記流体力増大手段として機能することを特徴とする請求項2に記載の燃料ポンプ。 - 前記インペラの前記ボス部と前記リング部との間の空間は、各前記吸入側羽根の間の吸入側凹所(39)、および、各前記吐出側羽根の間の吐出側凹所(42)を含み、
前記インペラ(88)は、前記特定箇所付近にある前記吸入側凹所と前記吐出側凹所との間に設けられ前記流体力増大手段として機能する流体受部(89)を形成していることを特徴とする請求項1に記載の燃料ポンプ。 - 前記特定箇所付近で隣り合う一対または複数対の前記吐出側羽根(91)は、設置間隔が、前記反対箇所付近で隣り合う一対の前記吐出側羽根(92)の設置間隔よりも狭く、前記流体力増大手段として機能することを特徴とする請求項1に記載の燃料ポンプ。
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