JP4912021B2 - 熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電気、電子、コンピュータ、通信の分野等において、低誘電率や断熱性等を得ることのできる熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の製造方法に関するものである。
近年、コンピュータには、CPUの高速化や高周波化が益々求められているが、この要請を満たすためには、信号の伝送効率に資する低誘電率の基材(例えば、フレキシブル配線板等)の材料が必要不可欠とされる。また、CPUや電源等からなる発熱源から高機能の各種電子部品を保護するため、高性能の薄い断熱材も必要とされる。
係る低誘電率の材料や断熱材としては、様々なものが考えられるが、その一つとして耐熱性、電気特性、機械特性に優れるポリイミド系樹脂があげられる。このポリイミド系樹脂は、フレキシブル配線板の材料として既に広く利用されているという実績を有するので、発泡成形によりその樹脂発泡体に空気を内包させれば、優れた低誘電率の材料や断熱材として利用できる筈である。
そこで従来、係る低誘電率の材料や断熱材を獲得するため、ポリイミド系樹脂発泡体の製造方法が幾つか提案されている(特許文献1、2参照)。
特開平7‐138402号公報 特開2003‐82100号公報
しかしながら、従来におけるポリイミド系樹脂発泡体の製造方法には、様々な問題がある。先ず、特開平7‐138402号公報におけるポリイミド系樹脂発泡体の製造方法の場合には、ポリイミド系樹脂が完全非晶性でガラス転移点が217℃であるので、260℃のハンダリフロー工程でフレキシブル配線板に一般的な加工処理を施すには、耐熱性が不足するという問題がある。
次に、特開2003‐82100号公報におけるポリイミド系樹脂発泡体の製造方法の場合には、ポリイミド前駆体を製造して押し固め、このポリイミド前駆体をマイクロ波加熱により発泡させ、ステップキュアーによりイミド化してガラス転移点が300℃以上の耐熱性に優れる発泡体を製造するが、ポリイミド前駆体が脆いので、連続シート状の発泡体を製造することができないという問題がある。また、発泡体の発泡倍率が20倍以上となるため、適正な発泡倍率を得るには圧縮加工が必要となり、この結果、製造工程の複雑化を招くおそれが少なくない。さらに、発泡体がガス透過性の連続発泡体となるので、優れた断熱性を得ることのできないおそれがある。
本発明は上記に鑑みなされたもので、連続シート状の発泡体をも製造することができ、製造工程の複雑化のおそれが少なく、しかも、優れた耐熱性や断熱性を得ることのできる熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の製造方法を提供することを目的としている。
本発明においては上記課題を解決するため、熱可塑性ポリイミド系樹脂からなる樹脂成形体に不活性ガスを加圧下で含浸させて圧力を1MPa/秒以上の速度で急激に開放し、不活性ガスが含浸した樹脂成形体を加熱することにより、発泡体を製造する熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の製造方法であって、
熱可塑性ポリイミド系樹脂に結晶性を付与し、樹脂成形体の加熱温度を、熱可塑性ポリイミド系樹脂のガラス転移点〜ガラス転移点−70℃以上の温度とするとともに、樹脂成形体の加熱温度における樹脂の貯蔵弾性率を10 4 〜10 8 Pa以下とすることを特徴としている。
なお、製造した発泡体を加熱し、発泡体となった樹脂の結晶化度を10以上、25%以下とすることが好ましい。
本発明によれば、連続シート状の発泡体をも製造することができ、製造工程の複雑化のおそれが少なくなるという効果がある。また、従来に比べ、優れた耐熱性や断熱性を得ることができる。さらに、圧力を1MPa/秒以上の速度で急激に開放するので、均一に分散した気泡核を形成することができ、大きさや気泡数にムラのある発泡体が生じるのを抑制することが可能となる。
また、製造した発泡体を加熱してその結晶化度を10〜25%以下とすれば、ガラス転移点付近における貯蔵弾性率を向上させ、この温度領域で使用されるときの剛性を確保し、しかも、この温度領域で継続使用されるとき、時間の経過と共に結晶化が進行し、特性が変化するのを防ぐことができる。さらに、発泡体の耐衝撃性や曲げ性を維持したり、向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の製造方法は、熱可塑性ポリイミド系樹脂からなる樹脂成形体に不活性ガスを加圧下で含浸させて圧力を開放し、この不活性ガスの含浸した樹脂成形体を加熱して発泡体を製造する方法であり、熱可塑性ポリイミド系樹脂に結晶性を付与し、樹脂成形体の結晶化度を0%を超え、25%以下とするようにしている。
以下、具体的に熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の製造方法について説明すると、先ず、熱可塑性ポリイミド系樹脂を溶融させて所定の成形方法により樹脂成形体を所定の形に成形するとともに、この樹脂成形体の結晶化度を0%を超え25%以下の範囲に調整し、成形した樹脂成形体を冷却する。
熱可塑性ポリイミド系樹脂は、不活性ガスの含浸した樹脂成形体を加熱して発泡体を製造するため、熱可塑性が必要とされる。したがって、化学式1で表される繰り返し単位を有する熱可塑性を示さないタイプは含まない。
Figure 0004912021
また、熱可塑性ポリイミド系樹脂は、熱可塑性の他、優れた耐熱性を得るために結晶性が必要とされる。したがって、化学式2で表される繰り返し単位を有する結晶性を示さないタイプは含まない。
Figure 0004912021
以上のように熱可塑性ポリイミド系樹脂は、熱可塑性と結晶性とをそれぞれ要するが、これら熱可塑性と結晶性を有するタイプであれば、特に限定されるものではない。例えば熱可塑性と結晶性とを有する化学式3のタイプでも良い。
Figure 0004912021
熱可塑性ポリイミド系樹脂には、発泡体の特性調整のため、各種のフィラーを添加して混合することができる。例えば、機械的強度を向上させたい場合には、ガラスファイバーやカーボンファイバー等の繊維フィラーが添加され、導電性を付与したい場合には、カーボン、黒鉛、カーボンファイバー等の導電フィラーが添加される。
また、フレキシブル配線板等の軽量化を目的に熱伝導性を付与したい場合には、酸化アルミ、窒化アルミ、ボロンナイトライト等の絶縁性熱伝導フィラーが使用され、均一かつ微細な気泡を形成したい場合には、カオリナイト、ハイロサイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、バーミキュライト、クロライト等の粘度鉱物、黒雲母、白雲母、金雲母等が使用される。これらのフィラーは、一種類のみ使用することができるし、複数種使用することもできる。
樹脂成形体を成形する所定の成形方法としては、射出成形、押出成形、ブロー成形、圧縮成形等、いずれの成形方法でも良い。また、樹脂成形体は、ブロックや棒形等の任意の形に成形することができるが、熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体をフレキシブル配線板や断熱材として利用する場合には、板形やシートに成形することが好ましい。
樹脂成形体の結晶化度は、0%を超え25%以下の値、好ましくは0%を超え20%以下の値、より好ましくは0%を超え15%以下の値とされる。これは、結晶化度が0%の場合には、不活性ガスの放出速度が速いので、発泡部分とそうでない部分が発生し、発泡ムラが生じるからである。また、発泡ムラの他、耐熱性に欠けるからである。これに対し、結晶化度が25%を超える場合には、熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の剛性が高くなるものの、脆くなって耐衝撃性や曲げ性に劣るからである。
熱可塑性ポリイミド系樹脂は、結晶化度が2.5%の場合には、図1に示す貯蔵弾性率を示し、結晶化度が7.6%の場合には、図2に示す貯蔵弾性率を示し、結晶化度が21.6%の場合には、図3に示す貯蔵弾性率を示す。また、結晶化度が4.1%の場合には、図4に示す貯蔵弾性率を示し、結晶化度が5.3%の場合には、図5に示す貯蔵弾性率を示す。これらに対し、非結晶性の場合には、図6に示す貯蔵弾性率を示す。
樹脂成形体の結晶化度は、成形した樹脂成形体の冷却速度や熱処理により制御することができる。この場合の熱処理温度は、熱可塑性ポリイミド系樹脂のガラス転移点〜融点未満の温度であることが好ましい。
次いで、成形した樹脂成形体を圧力容器内にセットし、このセットした樹脂成形体に不活性ガスを所定の温度、加圧下で含浸させて圧力を急激に開放し、不活性ガスの含浸した樹脂成形体に熱力学的な不安定性を付与して発泡核を形成する。
熱可塑性ポリイミド系樹脂を押出成形して樹脂成形体をシートに成形し、この樹脂成形体をロールに巻回して不活性ガスを含浸させる場合には、シートと不活性ガスの通気性に優れるセパレータとを重ねてロールに巻回すれば、シートの全周に亘り不活性ガスを均一に含浸させることができる。この際に使用するセパレータとしては、紙、布、通気性の不織布、合成繊維製の混抄紙、金属製あるいは樹脂製の格子状の網体等があげられる。
不活性ガスとしては、アルゴン、窒素、フッ素、二酸化炭素等があげられるが、熱可塑性ポリイミド系樹脂に対する浸透度(含浸する度合い)や取扱性を考慮すると、二酸化炭素が好ましい。
不活性ガスの含浸温度としては、20℃〜ガラス転移点未満の温度であることが好ましい。これは、20℃未満の低温の場合には、不活性ガスが二酸化炭素のときに液状であり、含浸効率が悪いからである。逆に、ガラス転移点を超える場合には、樹脂成形体の結晶化度が進行し、機械的特性の低下を招くからである。さらに、ガラス転移点を超える高温での含浸は、圧力容器の加熱にエネルギーを要するばかりでなく、取り扱いに伴う危険性が増大するからである。
不活性ガスの含浸圧力としては、5〜30MPaの範囲であることが好ましい。これは、5MPa未満の場合には、不活性ガスが十分に含浸せず、逆に30MPaを超える場合には、高圧ガスの取り扱いに伴う危険性やコストの増大を招くからである。
不活性ガスが二酸化炭素の場合には、31℃〜100℃以下の温度で7.4MPa以上の圧力を作用させ、二酸化炭素の超臨界状態で二酸化炭素を含浸させ、飽和状態になるまで放置することが好ましい。ここで超臨界状態とは、気体と液体の中間の性質を示す状態をいい、この超臨界状態は材料の臨界温度や臨界圧力を超える温度と圧力とにより保持される。この超臨界状態においては、二酸化炭素は、気体の高拡散性と液体の高密度性とを共に有するので、樹脂成形体に均一、かつ迅速に含浸することとなる。
樹脂成形体の表面のみを発泡させたい場合には、含浸時間を短縮すれば良い。また、二酸化炭素の含浸から飽和に至るまでの時間は、樹脂成形体の厚さや結晶化度、含浸温度、含浸圧力に左右されるので、適宜選択すれば良い。
圧力を急激に開放する際の開放は、1MPa/秒以上の速度で行われる。これは、1MPa/秒未満の速度の場合には、均一に分散した気泡核を形成することができず、大きさや気泡数にムラのある発泡体が生じてしまうという理由に基づく。
不活性ガスの含浸した樹脂成形体に発泡核を形成したら、発泡核の生じた樹脂成形体を加熱することにより、発泡体を製造する。樹脂成形体の加熱温度は、熱可塑性ポリイミド系樹脂のガラス転移点〜ガラス転移点−70℃以上の温度、好ましくはガラス転移点〜ガラス転移点−50℃以上の温度が良い。
これは、樹脂成形体に不活性ガスが含浸すると、ガラス転移点や融点が50℃以上低くなると予想されるので、加熱発泡成形の温度領域も50℃以上低くなると予想されるからである。ここで、加熱発泡成形の温度領域とは、熱可塑性ポリイミド系樹脂のガラス転移点以上の温度で貯蔵弾性率が104〜108Pa以下となる温度領域をいい、この温度領域では熱可塑性ポリイミド系樹脂の貯蔵弾性率と含浸した不活性ガスの膨張圧力とが釣り合い、均一な発泡体が得られる。
熱可塑性ポリイミド系樹脂のガラス転移点よりも高い温度で樹脂成形体を加熱発泡成形すると、不活性ガスの膨張圧力が熱可塑性ポリイミド系樹脂の貯蔵弾性率に勝り、気泡の破裂、合一等が生じるだけではなく、発泡体の反り、曲がり、皺等の変形が生じるので留意すべきである。逆に、ガラス転移点−70℃よりも低い温度で樹脂成形体を加熱発泡成形すると、貯蔵弾性率が不活性ガスの膨張圧力に勝り、発泡成形が困難になるので留意すべきである。
樹脂成形体の加熱方法としては、特に限定されるものではないが、例えば熱風加熱、オイルバス、熱板接触、加熱金型の使用、スチーム加熱、過熱蒸気加熱等があげられる。
なお、発泡温度を調整すれば、気泡径をコントロールすることができる。すなわち、上記温度範囲の低い温度で発泡を行うほど、気泡径の小さな発泡体を得ることができ、逆に高い温度で発泡するほど、気泡径は大きくなり、発泡倍率の高い発泡体を得ることができる。
発泡体を製造したら、この発泡体を熱可塑性ポリイミド系樹脂のガラス転移点〜融点未満、好ましくは260℃〜330℃以下の温度に加熱して結晶化を進めれば、機械特性や耐熱性に優れた熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体を最終的に得ることができる。
ガラス転移点〜融点未満の温度で加熱するのは、ガラス転移点未満の温度で加熱した場合には、結晶化を促進することができないという理由に基づく。逆に、融点を超える温度で加熱した場合には、発泡体の変形、あるいは気泡の破泡、合一化、消滅等が生じるおそれがあるという理由に基づく。
熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の結晶化度は、10%以上、25%以下が望ましい。これは、10%以下未満の場合には、ガラス転移点近傍での貯蔵弾性率が低く、この温度領域で使用されるとき剛性不足となり、しかも、この温度領域で継続使用されるとき、時間の経過と共に結晶化が進行し、特性が変化してしまうからである。逆に、結晶化度が25%を超える場合には、発泡体の剛性は高くなるものの、脆くなるので衝撃や曲げに弱くなるからである。
なお、上記実施形態の樹脂成形体に不活性ガスを加圧下で含浸させる工程、不活性ガスの含浸した樹脂成形体を加熱して発泡体を製造する工程を複数回繰り返した後、加熱結晶化を促進するようにしても良い。
以下、本発明に係る熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の製造方法の実施例を比較例と共に説明する。
熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体を実施例1〜5、比較例1〜4のように製造してその結晶化度、貯蔵弾性率(E´)、ガラス転移点、折り曲げ試験、外観、発泡倍率、平均気泡径、気泡密度、熱伝導率、誘電率、ハンダ耐熱性につき測定、評価した。
結晶化度
熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の結晶化度は、示差走査熱量計(セイコ−電子工業社製 DSC220)を用いて10℃/分の昇温速度で加熱し、このときに得られる結晶化ピークの熱量[ΔHc(cal/g)]と、融解ピークの熱量[ΔHm(cal/g)]とからΔHc−ΔHmの差を求め、相関表より算出した。
貯蔵弾性率(E´)
熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の貯蔵弾性率は、厚み1mm以下の成形体の場合には引張モード、厚み1mmを超える成形体の場合には圧縮モードによりそれぞれ測定した。
引張モードによる測定方法
熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体を縦34mm、横7mmに切り出し、粘弾性スペクトロメーター(レオメトリック社製 RSAII)を使用して引張モードにより、振動周波数1Hz、歪み0.1%、昇温速度5℃/分、チャック間21.5mmで横方向について測定した。
圧縮モードによる測定方法
熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体を縦4mm、横4mmに切り出し、粘弾性スペクトロメーター(レオメトリック社製 RSAII)を使用して圧縮モードにより、振動周波数1Hz、歪み0.1%、昇温速度5℃/分で測定した。
ガラス転移点
熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体のガラス転移点については、熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の損失弾性率を測定し、この損失弾性率が極大値となった温度をガラス転移点とした。
熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の損失弾性率は、厚み1mm以下の成形体は引張モード、厚み1mmを超える成形体は圧縮モードにより測定した。
引張モードによる測定方法
熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体を縦34mm、横7mmに切り出し、粘弾性スペクトロメーター(レオメトリック社製 RSAII)を使用して引張モードにより、振動周波数1Hz、歪み0.1%、昇温速度5℃/分、チャック間21.5mmで横方向について損失弾性率を測定し、この損失弾性率が極大値となった温度をガラス転移点とした。
圧縮モードによる測定方法
熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体を縦4mm、横4mmに切り出し、粘弾性スペクトロメーター(レオメトリック社製 RSAII)を使用して圧縮モードにより、振動周波数1Hz、歪み0.1%、昇温速度5℃/分で測定し、損失弾性率が極大値となった温度をガラス転移点とした。
折り曲げ試験
熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体を両手で折り曲げ、熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡成形体の曲げ強度を○×で評価した。
○:指で折り曲げても熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡成形体は割れなかった
×:指で折り曲げると熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡成形体は割れてしまった
外 観
皺、膨れ等による熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の変形を目視により確認し、○×で評価した。
○:皺、膨れ等による変形なし
×:皺、膨れ等による変形あり
発泡倍率
熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の発泡倍率については、水中置換法により発泡前の熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の密度(g/cm3)と熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の密度(g/cm3)とを測定し、発泡倍率(倍)=(ρ)/(ρf)の式を用いて算出した。
ここで、ρ :発泡前の熱可塑性ポリイミド系樹脂成形体の密度
ρf:熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の密度
平均気泡径
走査型電子顕微鏡(日本電子社製 5300LV)により熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の断面を撮影し、Windows用汎用画像処理パッケージ(三谷商事社製 ウインルーフ)を用いて画像処理を行い、任意に抽出した100個の気泡径を測定し、平均値を算出することにより、平均気泡径(直径)を求めた。平均気泡径は最大長径により求めた。
気泡密度
気泡密度は、下式より求めた。
0=6(ρ/ρf−1)/πD3
ここで、N0:気泡密度(個/cm3
ρ :発泡前の熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の密度(g/cm3
ρf :熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の密度(g/cm3
π :円周率(3.14)
D :気泡直径(cm3
新保 實,Daniel F.Baldwin,Nam P.Suh 成形加工,第6巻,第12号 63(1994)
熱伝導率
迅速熱伝導率計(京都電子工業社製 QTM−500)を用い、基準物質との比較により求めた。基準物質は、発泡ポリエチレン(熱伝導率:0.0357W/mK)、シリコーンゴム(熱伝導率:0.238W/mK)、及び石英ガラス(熱伝導率:1.409W/mK)の3種類を使用した。
誘電率
RFインピーダンスマテリアルアナライザー(アジレント社製 4291A、テストフィクスチャーは16453A)を用いて測定した。誘電率は周波数1GHzで測定した。
ハンダ耐熱性
熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体を260℃のハンダ浴中に10秒間浸漬し、ハンダの耐熱性を測定した。この耐熱性は、目視により熱可塑性ポリイミド系樹脂の変形により確認した。
実施例1
工程1
熱可塑性ポリイミド系樹脂(三井化学社製 商品名:オーラムPL450C)を幅400mm、リップ間隔0.7mmのT-ダイを備えたφ40mm単軸押出機に供給し、420℃で溶融混練して420℃に加熱したT-ダイより押出し、表面温度が30℃に保持された冷却ロールで冷却固化し、長さ100m、幅300mm、厚み0.21mmの熱可塑性ポリイミド樹脂シートを製造した。
得られた熱可塑性ポリイミド系樹脂シートの曲げ強度を指でシートを折り曲げることにより確認したところ、シートに割れは認められなかった。また、得られた熱可塑性ポリイミド系樹脂シートの密度、結晶化度、ガラス転移点、及び貯蔵弾性率の測定を行った。密度は1.31g/cm3、結晶化度は2.5%、ガラス転移点は251℃であった。貯蔵弾性率は図1のようになった。
工程2
工程1で製造した熱可塑性ポリイミド系樹脂シートを裁断機により10cm×10cmに切り出して耐圧容器に封入し、二酸化炭素を流入して25℃、6.5MPa、8時間静置し、熱可塑性ポリイミド系樹脂シートに二酸化炭素を含浸させた。こうして熱可塑性ポリイミド系樹脂シートに二酸化炭素を含浸させたら、熱可塑性ポリイミド系樹脂シートを金属製の枠に固定して190℃に加熱した熱風乾燥炉に1分間静置し、加熱発泡させた。
工程3
工程2で製造した熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体を260℃に加熱した熱風加熱炉に6時間静置し、熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の結晶化度を進行させた。得られた熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡成形体の結晶化度を測定した結果、結晶化度は12.4%であった。
この熱可塑性ポリイミド樹脂発泡体の密度を測定して発泡倍率を求めた。また、熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡成形体の折り曲げ試験を行い、目視により発泡体の外観を評価し、平均気泡径、気泡密度、熱伝導率、及び誘電率を測定してその結果を表1にまとめた。
実施例2
工程1
実施例1の工程1で得られた熱可塑性ポリイミド系樹脂シートを裁断機で30cm×30cmに裁断して260℃に加熱した熱風加熱炉に5時間静置し、熱可塑性ポリイミド系樹脂シートの結晶化を進行させた。
この熱可塑性ポリイミド系樹脂シートの曲げ強度を指でシートを折り曲げることにより確認したところ、シートに割れは認められなかった。また、熱可塑性ポリイミド系樹脂シートの密度、結晶化度、ガラス転移点、及び貯蔵弾性率の測定を行った。この熱可塑性ポリイミド系樹脂シートの密度は1.32g/cm3、結晶化度は7.6%、ガラス転移点は253℃であった。貯蔵弾性率は図2に示すようになった。
工程2
上記熱可塑性ポリイミド樹脂シートを裁断機で10cm×10cmに切り出して耐圧容器に封入して二酸化炭素を流入し、40℃、8.0MPa、2時間の条件で静置し、熱可塑性ポリイミド系樹脂シートに二酸化炭素を含浸させた。こうして二酸化炭素を含浸させたら、熱可塑性ポリイミド系樹脂シートを210℃の金型(隙間間隔:1.0mm、サイズ:20cm×30cm)内に投入して1分間加熱発泡し、熱可塑性ポリイミド系樹脂の発泡成形体を製造した。
工程3
工程2で製造した熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体を260℃に加熱した熱風加熱炉に3時間静置し、熱可塑性ポリイミド樹脂発泡成形体の結晶化度を進行させた。得られた熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の結晶化度を測定した結果、結晶化度は23.2%であった。
この熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の密度を測定し、発泡倍率を求めた。また、熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の折り曲げ試験を行い、目視により発泡成形体の外観を評価し、平均気泡径、気泡密度、熱伝導率、及び誘電率を測定してその結果を表1にまとめた。
実施例3
工程1
実施例1の工程1で得られた熱可塑性ポリイミド系樹脂シートを裁断機で30cm×30cmに裁断して300℃に加熱した熱風加熱炉に5分間静置し、熱可塑性ポリイミド系樹脂シートの結晶化を進行させた。
この熱可塑性ポリイミド系樹脂シートの曲げ強度を指でシートを折り曲げることにより確認したところ、シートの割れは確認できなかった。また、熱可塑性ポリイミド系樹脂シートの密度、結晶化度、ガラス転移点、及び貯蔵弾性率の測定を行った。その結果、密度は1.34g/cm3、結晶化度は21.8%、ガラス転移点は255℃であった。貯蔵弾性率の測定結果は図3に示すようになった。
工程2
上記熱可塑性ポリイミド系樹脂シートを裁断機で10cm×10cmに切り出して耐圧容器に封入して二酸化炭素を流入し、40℃、10.0MPa、24時間の条件で静置して熱可塑性ポリイミド系樹脂シートに二酸化炭素を含浸させた。二酸化炭素を含浸させたら、熱可塑性ポリイミド系樹脂シートを245℃の金型(隙間間隔:1.0mm、サイズ:20cm×30cm)内に投入し、1分間加熱発泡し、熱可塑性ポリイミド系樹脂の発泡体を製造した。
製造した熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の密度を測定して発泡倍率を求めた。また、熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡成形体の折り曲げ試験を行い、目視により発泡体の外観を評価し、平均気泡径、気泡密度、熱伝導率、及び誘電率を測定してその結果を表1にまとめた。
実施例4
工程1
結晶性を有する熱可塑性ポリイミド系樹脂(三井化学社製 商品名:オーラムPD450)を395℃に加熱したミクシングロール(二本ロール)で5分間溶融混練し、ミキシングロールより溶融混練物を剥ぎ取り、厚み5mmの板状成形物を製造した。
工程2
工程1で製造した板状成形物を400℃に加熱した圧縮成形用金型に投入して7分間無圧下で加熱し、200kg/cm2の圧力下で3分間加熱し、200kg/cm2の圧力を保持したまま、水冷により圧縮成形機に熱板温度が50℃以下となるまで冷却した。こうして冷却したら、圧縮成形用金型から成形物を取り出し、縦20cm、横15cm、厚み2.3mmの板状成形物を製造した。
この板状成形物の曲げ強度を両手で板状成形物を折り曲げることにより確認した結果、板状成形物に割れは認められなかった。また、得られた板状成形物の密度、結晶化度、貯蔵弾性率、ガラス転移点、誘電率を測定した。測定の結果、板状成形物の密度は1.31g/cm3、結晶化度は4.1%、ガラス転移点は252℃であった。
工程3
工程2で製造した板状成形物を裁断機により10cm×10cmに切り出して耐圧容器に封入し、二酸化炭素を流入して40℃、10MPa、48時間静置し、板状成形物に二酸化炭素を含浸させた。二酸化炭素を含浸させたら、板状成形物を240℃の金型(隙間間隔:1.0mm、サイズ:20cm×30cm)内に投入して1分間加熱発泡し、熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体を製造した。
工程4
工程3の操作をさらに2回繰り返して熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体を製造し、熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の結晶化度を測定したところ、結晶化度は6.8%であった。また、この熱可塑性ポリイミド樹脂発泡体の密度を測定し、発泡倍率を求めた。さらに、熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の折り曲げ試験を行い、目視により発泡成形体の外観を評価し、平均気泡径、気泡密度、熱伝導率、及び誘電率を測定してその結果を表1にまとめた。
実施例5
工程1
熱可塑性ポリイミド系樹脂(三井化学社製 商品名:オーラム PL500A)を幅400mm、リップ間隔0.7mmのT-ダイを備えたφ40mm単軸押出機に供給して420℃で溶融混練し、420℃に加熱したT-ダイより押出して表面温度が30℃に保持された冷却ロールで冷却固化し、長さ100m、幅300mm、厚み0.20mmの熱可塑性ポリイミド系樹脂シートを製造した。
工程2
工程1で得られた熱可塑性ポリイミド系樹脂シートを裁断機で30cm×30cmに裁断して260℃に加熱した熱風加熱炉に120時間静置し、熱可塑性ポリイミド系樹脂シートの結晶化を進行させた。
この熱可塑性ポリイミド系樹脂の板状成形物の曲げ強度を両手で板状成形物を折り曲げることにより確認した結果、板状成形物に割れは認められなかった。また、熱可塑性ポリイミド系樹脂シートの密度、結晶化度、ガラス転移点、及び貯蔵弾性率の測定を行った。密度は1.30g/cm3、結晶化度は5.3%、ガラス転移点は262℃であった。貯蔵弾性率の測定結果は図5に示すようになった。
工程3
工程2で製造した熱可塑性ポリイミド系樹脂シートを裁断機により10cm×10cmに切り出して耐圧容器に封入し、二酸化炭素を流入して25℃、6.5MPa、2.0時間静置し、熱可塑性ポリイミド樹脂シートに二酸化炭素を含浸させた。二酸化炭素を含浸させたら、熱可塑性ポリイミド系樹脂シートを金属製の枠に固定し、230℃に加熱した熱風乾燥炉に1分間静置して加熱発泡させた。
工程4
工程3で製造した熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体を280℃の熱風乾燥炉に240時間静置して結晶化処理を施した。得られた熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の結晶化度を測定したところ、結晶化度は15.6%であった。この熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡成形体の密度を測定し、発泡倍率を求めた。また、熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡成形体の折り曲げ試験を行い、目視により発泡成形体の外観を評価し、平均気泡径、気泡密度、熱伝導率、及び誘電率を測定してその結果を表1にまとめた。
Figure 0004912021
比較例1
工程1
完全非晶性熱可塑性ポリイミド系樹脂(日本GEプラスチック社製 商品名:ウルテム、グレード:1000) を幅400mm、リップ間隔0.7mmのT-ダイを備えたφ40mm単軸押出機に供給して350℃で溶融混練し、350℃の加熱したT−ダイより押出して表面温度が30℃に保持された冷却ロールで冷却固化し、長さ100m、幅300mm、厚み0.51mmの熱可塑性ポリイミド系樹脂シートを製造した。
製造した熱可塑性ポリイミド系樹脂シートの曲げ強度を指でシートを折り曲げることにより確認したところ、シートの割れは確認できなかった。また、得られたシートの密度、ガラス転移点、及び貯蔵弾性率の測定を行った。密度は1.27g/cm3、ガラス転移点は215℃であった。貯蔵弾性率の測定結果は図6に示す通りであった。
工程2
工程1で得られたシートを裁断機により10cm×10cmに切り出して耐圧容器に封入し、二酸化炭素を流入して40℃、10MPa、2時間静置し、熱可塑性ポリイミド系樹脂に二酸化炭素を含浸させた。二酸化炭素を含浸させたら、熱可塑性ポリイミド系樹脂シートを210℃に加熱した圧縮成形用金型(隙間間隔:0.7mm、サイズ:20cm×20cm)内に投入して1分間静置し、加熱発泡させ、この熱可塑性ポリイミド樹脂発泡成形体の密度を測定して発泡倍率を求めた。
また、加熱発泡させた熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡成形体の折り曲げ試験を行い、目視により発泡成形体の外観を評価し、平均気泡径、気泡密度、熱伝導率、及び誘電率を測定してその結果を表2にまとめた。
比較例2
市販の熱可塑性を示さないポリイミド系樹脂フィルム(東レ・デュポン社製 商品名:カプトン 500H)を10cm×10cmに切り出し、耐圧容器中に封入して温度40℃、圧力8MPaの超臨界状態の二酸化炭素中に1時間静置し、二酸化炭素を含浸させた。
二酸化炭素を含浸させたら、ポリイミド系樹脂フィルムを温度400℃に加熱した圧縮成形用金型(隙間間隔:0.2mm、サイズ:20cm×20cm)に1分間入れ、加熱発泡成形を行ったが、発泡成形体を得ることはできなかった。
比較例3
実施例1の工程1で得られた熱可塑性ポリイミド系樹脂シートを裁断機で30cm×30cmに裁断して260℃に加熱した熱風加熱炉に48時間静置し、熱可塑性ポリイミド系樹脂シートの結晶化を進行させた。
得られた熱可塑性ポリイミド系樹脂シートの結晶化度を測定したところ、結晶化度は27.7%であった。また、熱可塑性ポリイミド系樹脂シートの曲げ強度を両手でシートを折り曲げることにより確認したところ、シートに割れが認められた。したがって、この熱可塑性ポリイミド系樹脂シートの発泡成形は実施しなかった。
比較例4
実施例1の工程2で得られた熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡成形体を260℃に加熱した熱風加熱炉に48時間静置し、熱可塑性ポリイミド系樹脂シートの結晶化を進行させた。
得られた熱可塑性ポリイミド系樹脂シートの結晶化度を測定した結果、結晶化度は28.3%であった。また、熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の曲げ強度を両手でシートを折り曲げることにより確認したところ、発泡体に割れが認められた。
Figure 0004912021
結 果
実施例に示したように、結晶性を有する熱可塑性ポリイミド系樹脂より得られた発泡成形体は、誘電率が2.5以下、熱伝導率が0.5W/mK以下であり、優れた低誘電率や断熱特性を有していた。さらに、260℃のハンダ浴に浸漬しても、発泡体に変形は全く認められず、十分な耐熱性を有していた。
これに対し、比較例1〜4の場合には、十分な耐熱性を得られなかったり、樹脂シートの発泡成形が不可能だったり、発泡体に割れが認められた。特に、比較例1に示した非晶性の熱可塑性ポリイミド系樹脂より得られた発泡成形体は、260℃のハンダ浴に浸漬すると、発泡体の形状が変形してしまい、耐熱性が不十分であった。さらに、比較例2の熱可塑性を示さないポリイミド系樹脂成形体からは発泡成形体を得ることができなかった。
本発明に係る熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の製造方法の実施形態における熱可塑性ポリイミド系樹脂の結晶化度が2.5%の場合の貯蔵弾性率を示すグラフである。 本発明に係る熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の製造方法の実施形態における熱可塑性ポリイミド系樹脂の結晶化度が7.6%の場合の貯蔵弾性率を示すグラフである。 本発明に係る熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の製造方法の実施形態における熱可塑性ポリイミド系樹脂の結晶化度が21.6%の場合の貯蔵弾性率を示すグラフである。 本発明に係る熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の製造方法の実施形態における熱可塑性ポリイミド系樹脂の結晶化度が4.1%の場合の貯蔵弾性率を示すグラフである。 本発明に係る熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の製造方法の実施形態における熱可塑性ポリイミド系樹脂の結晶化度が5.3%の場合の貯蔵弾性率を示すグラフである。 本発明に係る熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の製造方法の実施形態における熱可塑性ポリイミド系樹脂が非結晶性を示す場合の貯蔵弾性率を示すグラフである。

Claims (2)

  1. 熱可塑性ポリイミド系樹脂からなる樹脂成形体に不活性ガスを加圧下で含浸させて圧力を1MPa/秒以上の速度で急激に開放し、不活性ガスが含浸した樹脂成形体を加熱することにより、発泡体を製造する熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の製造方法であって、
    熱可塑性ポリイミド系樹脂に結晶性を付与し、樹脂成形体の加熱温度を、熱可塑性ポリイミド系樹脂のガラス転移点〜ガラス転移点−70℃以上の温度とするとともに、樹脂成形体の加熱温度における樹脂の貯蔵弾性率を10 4 〜10 8 Pa以下とすることを特徴とする熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の製造方法。
  2. 製造した発泡体を加熱し、発泡体となった樹脂の結晶化度を10以上、25%以下とする請求項1記載の熱可塑性ポリイミド系樹脂発泡体の製造方法。
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