JP4911829B2 - セラミック基板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配線導体層が表面に形成されたセラミック配線基板において、平面方向での焼成収縮を抑制するとともに、焼成に伴うクラック等の発生を抑制して、寸法精度の高い配線基板を安定に歩留りよく形成するための製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、セラミック配線基板は、例えば、アルミナ等のセラミック層間にWやMo等の高融点金属からなる配線導体を形成して構成されており、その表面にLSI等の半導体素子を実装した配線基板として用いられてきた。
【0003】
近年、携帯電話をはじめとする移動体通信等の発達及び普及に伴い、通信機器や電子機器等の小型化、高機能化、低価格化、低電力化等が進められ、AuやAg、Cu、Pd、Pt等の低融点、低抵抗の導体材料と、ガラスセラミックス等の低温焼成セラミックスにより、共振器、コンデンサ、コイル、フィルタ等が形成されたセラミック配線基板が用いられてきている。
【0004】
このような配線基板において、基板に形成される素子は、セラミック絶縁層上に導体材料によって形成される配線導体層や電極パッド等の寸法によって性能が左右される。寸法精度を劣化させる要因としては、焼成収縮率のバラツキが大きく、特に、低温焼成セラミックスの焼成収縮率は、13〜20%程度と大きいため、収縮率のバラツキにより、寸法精度が著しく劣化する。
【0005】
そこで、近年においては、配線基板の未焼成の積層成形体をAl23基板等で挟持して焼成する加圧焼成法(特開昭62−260777号公報)や、未焼成の積層成形体の表面に、この積層成形体の焼成温度では焼結しないセラミックシートを積層し、焼成後にそれを削り取る方法(特開平4−243978号公報)によって、配線基板のX−Y方向における焼成収縮率をほとんど零にし、焼成収縮率のバラツキによる寸法精度の劣化を防止する方法が採用されてきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記のような収縮抑制方法において、未焼成のセラミックシートの積層成形体の表面に導体ペーストなどの導体材料を塗布して積層成形体と同時焼成によって配線導体層を形成する場合、この積層成形体の表面に焼成温度では焼結しないセラミックシートを積層して焼成すると、配線導体層の端部からセラミック層にクラックが生じやすいといった問題がある。
【0007】
特に、配線基板を量産する場合、一枚のセラミックシートに同一パターンの回路を複数箇所に形成し、その回路間に分割溝を設けておいて、焼成後に分割溝にそって分割することによって、一度の焼成によって複数の配線基板を作製することも行われているが、このような量産型の積層成形体の表面に焼成温度で焼成しないセラミックシートを積層して焼成する場合、上記のクラックの発生等によって歩留りが大きく低下し、さらには積層表面に配線導体層を形成することによって焼成収縮の拘束力に部分的なバラツキが発生しやすくなり、その結果、寸法精度に優れた良好な配線基板を得ることが難しくなり、製造歩留りが低いという問題があった。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みて案出されたものであり、平面方向での焼成収縮を抑制するとともに、焼成に伴うクラック等の発生を抑制して、かつ寸法精度の高い配線基板を安定に歩留りよく形成するためのセラミック配線基板の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
本発明のセラミック配線基板の製造方法は、未焼成のセラミックシートAを作製する工程と、該セラミックシートAの表面に金属粉末を含む導体材料を塗布して配線導体層を形成する工程と、該配線導体層を形成した前記未焼成セラミックシートAを積層して積層成形体を作製する工程と、該積層成形体の少なくとも一方の表面に焼成温度で焼成収縮しないセラミックシートBを積層する工程と、前記セラミックシートAおよび前記セラミックシートBの積層体を所定の前記焼成温度で焼成する工程と、焼成後に前記セラミックシートBを除去する工程と、を具備するセラミック基板の製造方法において、前記導体材料として、焼成による体積収縮率が10%以下のものを用い、前記セラミックシートAの前記積層成形体の前記セラミックシートBとの積層界面に形成される前記配線導体層の面積を全体面積の30%以上かつ70%以下とすることによって、配線導体層の形成による焼成収縮挙動への影響を抑制し、クラックなどの発生を防止できるとともに、反りが小さく、かつ寸法精度の高い配線基板を歩留りよく製造することができる。
【0010】
なお、前記セラミックシートBの焼成収縮開始温度が焼成温度よりも高いことが寸法精度を高める上で望ましい。
【0011】
また、生産性と歩留りを高めるために、前記積層成形体は、製品個体を複数個含むことが望ましく、前記積層成形体の少なくとも表面に、分割溝を形成し、焼成後に分割溝に沿って分割することが望ましい。その場合、前記積層成形体の外周に、分割しろが形成されてなり、この分割しろの部分も含めてセラミックシートBによって焼成を抑制されることが望ましく、その前記分割しろの最小幅が、基板全体の対角線全長の5%以上であることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のセラミック配線基板の製造方法の一例の工程図を図1に示した。
【0013】
図1の製造方法によれば、まず、所定のセラミック組成物に有機バインダーおよび溶剤とともに混合してスラリーを調製し、このスラリーを用いて、周知のドクターブレード法、圧延法等によってシート状に成形して、図1(a)に示すように厚さ約50〜500μmの未焼成のセラミックシート(セラミックシートA)1aを作製する。そして、このセラミックシート1aにレーザーやマイクロドリル、パンチングなどにより、直径80〜200μmの貫通孔を形成し、その内部に導体ペーストを充填してビアホール導体2を形成する。
【0014】
導体ペースト中には、Cu、Ag、W等の金属成分と、それ以外にアクリル樹脂などからなる有機バインダー、トルエン、イソプロピルアルコール、アセトンなどの有機溶剤とを混合して形成される。有機バインダーは金属成分100重量部に対して0.5〜15.0重量部、有機溶剤は固形成分及び有機バインダー100重量部に対して5〜100重量部の割合で混合されることが望ましい。なお、この導体ペースト中には若干のガラス成分等を添加してもよい。
【0015】
次に、図1(b)に示すように、ビアホール導体2を形成したセラミックシート1aの表面に、配線導体層3を形成して、ビアホール導体2および配線導体層3を具備する一単位のセラミックシート1aを形成することができる。
【0016】
この配線導体層3は、Cu、Ag、Alの群から選ばれる少なくとも1種の金属粉末を含む導体材料をペースト化したものを用いてスクリーン印刷法等により形成することができる。この導体材料中には、配線導体層3とセラミック絶縁基板との界面における接合強度を向上させるため、あるいは導体層3とセラミックシート1aとの焼結収縮率及び速度を一致させ配線基板の変形を防止するために10重量%以下のガラスを添加することが望ましい。また、ペーストに用いるビヒクル中のバインダーには、セラミックシート1aと同様に窒素雰囲気中での熱分解性に優れた前述したようなアクリル系樹脂を用いるのがよい。
【0017】
また、この配線導体層3は焼成後の厚みが3〜30μm、特に10〜20μmとなるような厚みで印刷することが望ましい。
【0018】
そして、上記の図1(a)(b)によって形成されたセラミックシート1aに対して、上記(a)(b)と同様にして作製された複数のセラミックシート1b〜1cを積層圧着して図1(c)に示すような積層成形体10を形成する。セラミックシート1a〜1cの積層には、積み重ねられたセラミックシート1に熱と圧力を加えて熱圧着する方法、有機バインダー、可塑剤、溶剤等からなる接着剤をシート間に塗布して熱圧着する方法等が採用可能である。
【0019】
次に、セラミックシート1a〜1cの積層体の焼成温度では焼結しない難焼結性のセラミック組成物を用いてドクターブレード法や圧延法などによって、前記セラミックシート1a〜1cと同一以上の大きさのセラミックシート(セラミックシートB)4(以下、単に拘束シート4という。)を作製する。そして、図1(d)に示すように、この拘束シート4をセラミックシート1a〜1cの積層成形体10の両面又は片面に加圧積層する。
【0020】
そして、上記積層体を100〜850℃、特に400〜750℃の酸化性または弱酸化性雰囲気中で加熱処理してセラミックシート1a〜1c内やビアホール導体ペースト中の有機成分を分解除去した後、セラミックシート1a〜1cが焼結し得る温度、例えば、800〜1100℃の酸化性または非酸化性雰囲気中で焼成し、セラミックシートとともに導体層3やビアホール導体2をも同時に焼成する。また、導体層3としてCu導体を用いる場合、非酸化性雰囲気で焼成し、導体層3としてAg導体を用いる場合、大気中等の酸化性雰囲気で焼成することができる。
【0021】
かかる焼成によれば、セラミックシート1a〜1cは、この焼成温度で焼結しない拘束シート4が密着していることによって、X−Y方向への焼成収縮が抑制され、セラミックシート1a〜1cは厚さ方向(Z方向)にのみ焼成収縮する。
【0022】
そして、焼成後の積層体から、図1(e)に示すように、焼成後のセラミックシート1a〜1cの積層体の最表面に形成された拘束シート4を超音波洗浄、研磨、ウォータージェット、ケミカルブラスト、サンドブラスト、ウェットブラスト等で除去することによって配線基板を作製することができる。
【0023】
本発明によれば、上記のセラミック配線基板の製造方法において、セラミックシート1a〜1cからなる積層成形体の最表面に形成された配線導体層3の面積が、積層成形体の面積の30%以上かつ70%以下、特に60%以下であることが重要である。拘束シート4とセラミックシート1a、1cとの積層界面においては、拘束シート4によってセラミックシート1a、1cの面方向への焼成収縮が拘束されているが、この拘束シート4とセラミックシート1a、1cとの間に配線導体層3が存在する場合、その部分における拘束シート4による拘束力は、配線導体層3を形成していない領域と異なり、場合によっては拘束力が弱くなり、この拘束力の差によって配線導体層3の端部からセラミックシート1a、1cにクラック等の構造欠陥が生じ易くなる。これに対して、この配線導体層3の面積を70%以下(30%以上)とすることによって、このようなクラックの発生を防止することができるとともに、拘束シート4とセラミックシート1a、1cとの積層界面における拘束力を均一化することができる。
【0024】
また、この拘束シート4とセラミックシート1a、1cとの界面に存在する配線導体層3を焼成体積収縮率が15%以下の導体材料によって形成することが望ましい。これは、導体材料の焼成による体積収縮率が15%を超えると、導体材料自体のX−Y方向の焼成収縮が大きくなりすぎ、拘束シート4とセラミックシート1a、1cとの界面におけるX−Y方向の焼成収縮の拘束力が不均一となり、配線導体層3の近傍のセラミックシートにクラック等が生じやすくなったり、セラミックシートが反るなどの問題が生じやすくなる。とりわけ、基板の反り、歪みの観点から、導体材料の焼成による体積収縮率は10%以下であることが望ましい。
【0025】
また、本発明によれば、拘束力の均一化と、拘束シートとの界面に形成される配線導体層付近でのクラックの発生を抑制することができるために、1つの積層成形体内に、複数の製品個体が形成されており、焼成後に各製品個体を分割する場合において、1つの積層成形体から多くの良品となる製品を得ることができる。
予め分割溝を形成し、焼成後に分割溝に沿って、分割することによって一度の焼成処理によって複数個の配線基板を作製する場合に有用である。
【0026】
即ち、図2の積層成形体の(a)平面図、(b)焼成時の状態を示す概略断面図に示すように、積層成形体10の表面や内部に、複数の同一の配線導体層11のパターンを形成し、そのパターン群の境界部に縦横に分割溝12を形成する。この分割溝12は、研削加工やプレス処理によって容易に形成することができる。また、この分割溝12は、製品となる領域の周囲に、分割しろ13が形成されていることが望ましい。この分割しろ13には、できる限り導体層を形成しないことが望ましい。
【0027】
そして、図2(b)に示すように、この表面に分割溝12を有する積層成形体10の表面に、分割しろ13を含む積層成形体10表面全体に拘束シート14を積層圧着して焼成することが望ましい。これによって、配線導体層がない、あるいは非常に少ない分割しろ13と拘束シート14が強固に結合するために、積層成形体10の周囲が拘束シート14によって拘束されているために、積層成形体10全体の拘束力を均一化することができる。なお、分割しろ13による拘束力の均一化を図る上で、分割しろ13の幅Xは、積層成形体10の対角線全長Lの5%以上、特に10%以上の幅を有することが望ましい。
【0028】
また、分割溝12による製品となる配線基板の配置は、X軸−Y軸方向に均等に配置することが拘束力の均一性の点殻望ましく、例えば、2×2、3×3、4×4・・・のn×nの配列にて配置することが望ましい。
【0029】
本発明において、配線基板のセラミックシートを形成するセラミック組成物としては、銅、銀等の低抵抗導体によって回路形成ができるとともに、概して誘電率が低い等の長所から、800〜1050℃の低温で焼結可能な低温焼成セラミック組成物が好適に用いられる。このような低温焼成セラミック組成物としては、例えばガラス成分、あるいはガラス成分とセラミックフィラー成分との混合物が用いられる。
【0030】
用いられるガラス成分としては、少なくともSiO2を含み、Al23、B23、ZnO、PbO、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属酸化物のうちの少なくとも1種以上を含有したものであって、例えば、SiO2−B23系、SiO2−B23−Al23−MO系(但し、MはCa、Sr、Mg、BaまたはZnを示す)等のホウケイ酸ガラス、アルカリ珪酸ガラス、Ba系ガラス、Pb系ガラス、Bi系ガラス等が挙げられる。
【0031】
また、これらのガラスは焼成処理することによっても非晶質ガラスであるもの、また焼成処理によって、アルカリ金属シリケート、クォーツ、クリストバライト、コージェライト、ムライト、エンスタタイト、アノーサイト、セルジアン、スピネル、ガーナイト、ディオプサイド、イルメナイト、ウイレマイト、ドロマイト、ペタライトやその置換誘導体の結晶を少なくとも1種を析出するものが用いられる。
【0032】
また、セラミックフィラー成分としては、クォーツ、クリストバライト等のSiO2や、Al23、ZrO2、ムライト、フォルステライト、エンスタタイト、スピネル、マグネシアの群から選ばれる少なくとも1種が好適に用いられる。
【0033】
上記ガラス成分とセラミックフィラー成分とは、ガラス成分10〜90体積%、特に50〜80体積%と、セラミックフィラー成分10〜90体積%、特に20〜50体積%の割合で混合したものが用いられる。
【0034】
また、他の低温焼成セラミック組成物としては、ガラス成分を用いずに、SiO2、B23、Al23、CaO、BaO、MgOなどのアルカリ土類金属酸化物、Li2O、Na2Oなどのアルカリ金属酸化物などを混合した公知の低温焼成セラミック組成物を用いることもできる。
【0035】
上記セラミック組成物を用いて積層成形体を形成する方法として、前述したように、複数のセラミックシートを作製し、それらを積層して形成する以外に、所定の支持基板上にセラミック組成物と光硬化性樹脂を含有するスリップ材を塗布乾燥し、露光して硬化させてセラミックシートを形成し、このセラミックシートの表面に導体材料を塗布形成して配線導体層を形成し、これを複数繰り返すことによって積層成形体を作製することもできる。
【0036】
また、本発明の配線基板の製造方法において用いられる拘束シート4は、難焼結性セラミック材料を主体とするセラミック組成物に、有機バインダー、可塑剤、溶剤等を加えたスラリーをシート状に成形して得られる。難焼結性セラミック材料としては、焼成収縮開始温度が焼成温度よりも高いことが望ましく、具体的には焼成収縮開始温度が1050℃以上のセラミック組成物から構成される。例えば、具体的には平均粒径1〜20μm、特に3〜10μmのAl23、SiO2、MgO、ZrO2、BN、TiO2の群から選ばれる少なくとも1種および/またはこれらの複合酸化物(Mg2SiO4、MgSiO3など)の粉末が挙げられる。また、有機バインダー、可塑剤及び溶剤としてはセラミックシートに配合されたものと同じもの、具体的にはアクリル系バインダー、ジブチルフタレート等の可塑剤、イソプロピルアルコール、アセトン、トルエン等の溶剤等が好適に使用できる。
【0037】
また、上記のセラミック組成物中には、ガラス成分を0.5〜15重量%添加することによって積層成形体の表面との拘束力を高めることができる。用いるガラス成分としては、セラミックシート1からの有機成分の除去性、セラミックシート1と拘束シート4との接着性を高める上で、ガラス軟化点が焼成温度以下で、かつ拘束シート4中の有機成分の分解揮散温度よりも高いこと、特に450〜1050℃程度であることが好ましい。
【0038】
また、セラミックシート1を焼成した後の焼結体と拘束シート4との40〜400℃における平均熱膨張係数差(以下、単に平均熱膨張係数差と略す。)が3×10-6/℃以下、特に2×10-6/℃以下であることが望ましく、特に拘束シート4の熱膨張係数が焼結体の熱膨張係数よりも大きいことが望ましい。これによって焼成後の冷却時に拘束シート4接着面付近にクラックや剥離が発生したり、またはセラミック焼結体内にクラックが発生するのを防止することができる。拘束シート4の熱膨張係数は、難焼結性セラミック材料およびガラスの種類および粉末の粒径等を変えることによって容易に調整することができる。
【0039】
上記方法によって得られる配線基板は、焼成時の収縮が拘束シート4によって厚さ方向だけに制御されているので、その積層成形体のX−Y方向の面内の収縮率を、例えば、積層成形体が矩形形状の場合には、一辺の長さの収縮率を0.5%以下に抑えることが可能となり、しかもセラミックセラミックシート1は拘束シート4によって全面にわたって均一にかつ確実に結合されているので、拘束シート4の一部剥離等によって反りや変形が起こるのを防止し、寸法精度の高い配線基板を安定に且つ歩留りよく製造することができる。
【0040】
【実施例】
モル比で0.92MgTiO3−0.08CaTiO3の主成分100重量部に対して、B2314重量部、Li2CO37重量部、SiO20.01重量部、BaO1.6重量部、Al230.5重量部、MnO21.5重量部添加したセラミック組成物を用いて、有機バインダーを加えてスラリーを調製し、ドクターブレード法によって厚さ250μm、焼成収縮開始温度が830℃の未焼成のセラミックシートAを作製した。
【0041】
上記のセラミックシートAの表面に、Agおよびガラスと、有機バインダーと分散剤および溶剤からなる導体ペーストを用いて、所定の回路パターンにスクリーン印刷した。なお、この導体ペーストの焼成温度での焼成収縮率を測定した結果、8%であった。そして、このセラミックシートを積層して積層成形体を作製した。
【0042】
この時、導体ペーストによる拘束シートと接する積層成形体表面の配線導体層の面積を積層成形体の表面全体に対する比率を表1のように種々変えた。
【0043】
なお、この積層成形体表面の回路は、縦方向に3個、横方向に3個並ぶように製品個体の個々の回路を形成し、積層成形体の製品個体間には分割溝を金型プレスを用いて形成した。また、積層成形体の周囲には、積層成形体の対角線全長の0〜20%の幅の分割しろを形成した。
【0044】
一方、拘束シートとして、平均粒径2μmのAl粉末を主成分とするセラミック組成物を用いて、有機バインダーを加えてスラリーを調製し、ドクターブレード法によって厚さ200μm、焼成収縮開始温度が1500℃の未焼成のセラミックシートBを作製した。
【0045】
そして、上記の積層成形体の上面、下面にセラミックシートBを積層圧着した後、150〜300℃で脱バインダー処理した後、大気中で910℃で1時間焼成した。その後、ブラシを用いてセラミックシートBを掻き落として除去した。
【0046】
そして、分割溝に沿って基板を分割して1枚の基板から9枚の配線基板を得た。
【0047】
一方、比較として、焼成収縮挙動が異なる層に、SiO2−Al23−MgO−ZnO−BaO−B23ガラスとZrO2或いはAl23から成る平均粒径が約1μmのセラミック材料を用いて同様に作製した。
【0048】
作製した配線基板に対して、面方向の収縮率(X、Y方向の収縮率の平均値)を測定し、試験数90個に対して、収縮率が0.5%以下のものを良品としてその良品率を表1に示した。
【0049】
また、配線基板の反りについて、個々の配線基板について表面粗さ計で基板表面の表面粗さを測定し、最大最小の差を反りとして試験数90個の平均値を表1に記載した。
【0050】
また、個々の配線基板の側面、表面、あるいは研磨して研磨面を金属顕微鏡あるいは走査型電子顕微鏡(SEM)によってクラックの有無を調べ、クラックの発生率を表1に示した。
【0051】
【表1】
Figure 0004911829
【0052】
表1に示したこれらの結果から、本発明に基づいた配線基板は、クラックがなく、あるいは反り(平坦性)に問題なく、焼成収縮率を小さく出来ることが判る。一方、本発明の範囲外である積層界面に形成された配線導体層の面積が、全体面積の70%よりも大きい配線基板にはクラックが生じたり、反りが大きい、あるいは収縮が大きく、良品率が低下した。
【0053】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、拘束シートによって積層成形体の平面方向の焼成収縮を抑制しながら焼成するにあたり、界面に存在する配線導体層の面積を制御することによって、クラックの発生や剥離などの発生を抑制しつつ、1つの基板から複数個の製品個体となる配線基板を作製する場合においても拘束力の均一化を図り、良品率の高い歩留りの高い寸法精度に優れた配線基板を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック配線基板の製造方法を説明するための工程図である。
【図2】本発明のセラミック配線基板を1枚の基板から複数の配線基板を得る場合の(a)積層成形体の平面図と、(b)焼成時の状態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1a〜1c セラミックシート
2 ビアホール導体
3 配線導体層
4 拘束シート
10 積層成形体
11 配線導体層
12 分割溝
13 分割しろ

Claims (6)

  1. 未焼成のセラミックシートAを作製する工程と、該セラミックシートAの表面に金属粉末を含む導体材料を塗布して配線導体層を形成する工程と、該配線導体層を形成した前記未焼成セラミックシートAを積層して積層成形体を作製する工程と、該積層成形体の少なくとも一方の表面に焼成温度で焼成収縮しないセラミックシートBを積層する工程と、前記セラミックシートAおよび前記セラミックシートBの積層体を所定の前記焼成温度で焼成する工程と、焼成後に前記セラミックシートBを除去する工程と、を具備するセラミック基板の製造方法において、前記導体材料として、焼成による体積収縮率が10%以下のものを用い、前記セラミックシートAの前記積層成形体の前記セラミックシートBとの積層界面に形成される前記配線導体層の面積を、全体面積の30%以上かつ70%以下とすることを特徴とするセラミック基板の製造方法。
  2. 前記セラミックシートBの焼成収縮開始温度が前記焼成温度よりも高いことを特徴とする請求項1記載のセラミック基板の製造方法。
  3. 前記積層成形体は、製品個体を複数個含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載のセラミック基板の製造方法。
  4. 前記積層成形体の少なくとも表面の各製品個体との境界に分割溝が形成されていることを特徴とする請求項3記載のセラミック基板の製造方法。
  5. 前記積層成形体の外周に、分割しろが形成されてなる請求項3または請求項4記載のセラミック基板の製造方法。
  6. 前記分割しろの最小幅が、基板全体の対角線全長の5%以上であることを特徴とする請求項5記載のセラミック基板の製造方法。
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