JP4910916B2 - 制駆動力制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、制駆動力制御装置に関し、特に、走行環境及び/又は走行状況に応じて、出力トルクを変更する車両の制駆動力制御装置に関する。
走行環境及び/又は走行状況に応じて、出力トルクを変更する車両の制駆動力制御装置が知られている。
例えば、特開2002−305806号公報(特許文献1)には、変速機を有するHV車両において、道路状況に基づいて最適変速段・変速比を算出して、変速制御及びモータ制御を行う点が開示されている。上記特許文献1では、変速機を有さない場合の構成については考慮されていない。
特開2002−305806号公報
走行環境又は走行状況に応じて、よりシチュエーションに合った制駆動力の制御が行われることが望まれている。特に、走行環境又は走行状況に応じて、複数の制駆動力の制御条件が成立した場合に、どのような制御が行われるべきかについては十分に検討されていない。
本発明の目的は、走行環境又は走行状況に応じて、よりシチュエーションに合った制駆動力の制御が行われることが可能であり、複数の制駆動力の制御条件が成立した場合に、より適した制駆動力の制御が行われることが可能な制駆動力制御装置を提供することである。
本発明の制駆動力制御装置は、動力源のトルクまたは回転数を制御することにより出力トルクを変化させる制駆動力制御装置であって、走行環境又は走行状況に基づいて目標減速度を求める複数の制御と、前記複数の制御の実行条件が成立する場合に、前記複数の制御のそれぞれの目標減速度から決まるアクセル全閉相当目標ペラトルクを算出する手段と、前記アクセル全閉相当目標ペラトルクの最小値と、アクセル開度が予め設定された所定開度の場合のドライバー要求ペラトルクと、実際のアクセル開度とに基づいて算出される目標ペラトルクに基づいて、前記出力トルクを変化させる手段とを備え、アクセル開度が全閉である場合の前記目標ペラトルクは、前記アクセル全閉相当目標ペラトルクの最小値とされ、アクセル開度が前記所定開度以上である場合の前記目標ペラトルクは、アクセル開度に基づいて求められたマップ値のドライバー要求ペラトルクがそのまま目標ペラトルクとされ、アクセル開度が全閉値と前記所定開度の間である場合の前記目標ペラトルクは、前記アクセル全閉相当目標ペラトルクの最小値と、前記所定開度のドライバー要求ペラトルクとに基づいて補間されることを特徴としている。
本発明によれば、走行環境又は走行状況に応じて、よりシチュエーションに合った制駆動力の制御が行われることが可能であり、複数の制駆動力の制御条件が成立した場合に、より適した制駆動力の制御が行われることが可能となる。
以下、本発明の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
添付図面を参照して、本発明の制駆動力制御装置の第1実施形態について説明する。
本実施形態は、アクセル開度と車速(ペラシャフト回転数)から決まるドライバー要求ペラシャフトトルク(ドライズシャフトトルク)または駆動力を実現するように、エンジン回転数、エンジントルク、MG1回転数、MG1トルク、MG2トルク等を決定するハイブリッドシステム制御装置(駆動力ディマンドでのパワートレーン制御装置)において、例えば登降坂制御等の変速点制御実施要求がある場合、変速段規制ではなく、目標加減速度から、目標ペラシャフトトルク、目標エンジン回転数下限ガードを設定し、目標加減速度に応じた加減速度変更(CVTを用いた場合には無段階の加減速度変更)を実現する場合、各変速点制御毎に、通常目標ペラトルク、目標エンジン回転数下限ガードだけでなく、目標減速度から決まるアクセル全閉相当目標ペラトルクを設定し、各変速点制御からのアクセル全閉相当目標ペラトルクの最小値を選択する。通常の(アクセル踏み込み時)目標ペラトルク、エンジン回転数下限ガードは、アクセル全閉相当目標ペラトルクで最小値選択した制御の要求値を選択する。
本実施形態によれば、減速度要求が最大である制御を選択することが可能となり、従来のATやCVTと同様の動作を行わせることが可能となる。ここで、従来のAT用制御では、変速段の最小値が選択され、従来のCVT用制御では、入力回転数Ninの最大値が選択される。
なお、AT用駆動力ディマンドでのパワートレイン制御装置(上記に比べてMG1とMG2がない装置)の場合、目標エンジン回転数下限ガードよりも低回転だが、一番近い回転数を実現するギヤ比を選択し、そのギヤ比のフリクショントルクだけでは目標ペラトルクを実現できない場合、ブレーキ制動力を補うことで、目標ペラトルクを実現し、目標加減速度に応じた減速度変更を実現することが可能である。
図6は、本発明の一実施形態としての制駆動力制御装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。本実施形態に係るハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、制駆動力制御装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。
動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。
モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度
Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された第1実施形態のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し(後述する図1のステップS002)、この要求トルクに対応する要求動力(ステップS003)がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。
エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、トルク変換運転モード、充放電運転モード、モータ運転モードなどがある。
トルク変換運転モードは、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する運転モードである。
充放電運転モードは、要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する運転モードである。
モータ運転モードは、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御する運転モードである。
本実施形態では、シフトレバー81がD(ドライブ)レンジやR(リバース)レンジに操作されたときにはエンジン22の効率やバッテリ50の状態に基づいて上述したトルク変換運転モード,充放電運転モード,モータ運転モードのうちのいずれかのモードでエンジン22やモータMG1,MG2を運転し、シフトレバー81がB(ブレーキ)レンジに操作されたときにはエンジンブレーキによる制動が行なわれるようにモータ運転モードによる運転が禁止されモータ運転モード以外のトルク変換運転モード,充放電運転モードのいずれかでエンジン22やモータMG1,MG2を運転する。
即ち、DレンジやRレンジでは、エンジン22の運転停止が行なわれるが、Bレンジでは、エンジン22の運転停止は行なわれない。なお、シフトレバー81がDレンジに操作されているときのエンジン22の運転停止は、駆動軸としてのリングギヤ軸32aの要求動力とバッテリ50の充放電に必要な動力との和として車両全体に要求される動力が、エンジン22を効率よく運転できる範囲を定める所定動力未満のときに行なわれる。なお、AT用駆動力ディマンドでのパワートレーン制御装置の場合、上記モータMG1、MG2はない。
次に、図1を参照して、本実施形態の動作について説明する。
[ステップS001]
まず、ステップS001にて、アクセル開度PAPと、車速(ペラシャフト回転数)の読み込みが行なわれる。
[ステップS002]
次に、ステップS002にて、ドライバーが要求するペラシャフトトルク(ドライブシャフトトルク)、即ち、ドライバー要求ペラシャフトトルク(ドライブシャフトトルク)が算出される。例えば、図2に示すようなマップが参照されて、上記ステップS001にて読み込まれたアクセル開度PAPと、車速(ペラシャフト回転数)に基づいて、ドライバー要求ペラシャフトトルク(駆動力(目標ペラトルク))が算出される。
[ステップS003]
次に、ステップS003にて、ドライバーが要求するパワー(ドライバー要求パワー)と、ドライバーが要求するエンジン回転数(ドライバー要求エンジン回転数)が算出される。
ドライバー要求パワーは、上記ステップS002にて算出されたドライバー要求ペラシャフトトルクと、上記ステップS001にて読み込まれたペラシャフト回転数に基づいて、算出される。ここで、ドライバー要求パワー=ドライバー要求ペラシャフトトルク×ペラシャフト回転数である。
ドライバー要求エンジン回転数は、例えば、図3に示すようなマップが参照されて、燃費最適線301に基づいて算出される。ドライバー要求パワーがP1である場合、ドライバー要求エンジン回転数は、NE1となる。
[ステップS004]
次に、ステップS004にて、各変速点制御による目標ペラトルクの算出、エンジン回転数下限ガード値の算出が実施される。このステップS004は、図5の動作が実施されることにより実現される。以下、図5を参照して説明する。
[ステップS101]
ステップS101では、変速点制御実行中の目標減速度(Gtgt)が算出される。変速点制御は、特に限定されないが例えば、いわゆるアクセル急閉時制御、急減速時ダウンシフト制御、コーナー制御、登降坂制御、追従ダウンシフト制御、交差点制御、高速道路退出路制御、料金所制御(いずれも公知)等が含まれる。変速点制御実行中の目標減速度(Gtgt)には、例えば車速などの車両の状態を細かく反映させることができる。
[ステップS102]
次に、ステップS102では、変速点制御実行中の目標ペラトルク(Tpaai)を算出する。
アクセル全閉時の目標ペラトルクは、目標減速度(Gtgt)から算出される。ここで、変速点制御の目標減速度(Gtgt)の求め方は、適宜公知の手法を用いることができる。
アクセル全閉時の目標ペラトルクのみを変更すると、アクセルを踏み込んだ時との駆動力の段差が大きくなるため、アクセル全閉から予め設定された所定開度Kpalの間の目標ペラトルクは、アクセル全閉時の目標ペラトルクTpaai0と、所定開度Kpalの目標ペラトルクTpabsを補完して算出する。以下に説明する。
目標ペラトルクTpaaiは、アクセル開度PAPに応じて、以下の3通りの方法で求められる。
[1]アクセル開度PAPが全閉である場合(PAP=0%)
[2]アクセル開度PAPが予め設定された所定開度Kpal(例えば10%)以上である場合
[3]アクセル開度PAPが0〜Kpal%未満である場合
[1]アクセル開度PAPが全閉である場合(PAP=0%)
アクセル開度PAPが全閉であるとき(PAP=0)の目標ペラトルクTpaaiの値(Tpaai0)は、下記式により算出される。
Tpaai0=目標減速度(Gtgt)×車両重量×2×π×タイヤ半径×デフギヤ比
[2]アクセル開度PAPがKpal%以上である場合
アクセル開度PAPがKpal%以上である場合には、目標ペラトルクTpaaiの値は、予め設けられたマップ値(Tpabs)とされる。即ち、図2に示すように、車速(ペラシャフト回転数)とアクセル開度PAPに基づいて、求められたマップ値Tpabsがそのまま目標ペラトルクTpaaiとされる。
[3]アクセル開度PAPが0〜Kpal%未満である場合
アクセル開度が0%とKpal%の間である場合には、下記式を用いて、アクセル開度PAPに応じて線形補間することにより目標ペラトルクTpaaiが求められる。
Tpaai=(Tpabs−Tpaai0)/Kpal*PAP+Tpaai0
ここで、複数の変速点制御の実行条件が成立する場合(例えば、走行路が登坂路又は降坂路であり、かつ車両前方にコーナーがある場合)には、複数の変速点制御のそれぞれの目標減速度(Gtgt)を求め、その求めた各目標減速度(Gtgt)に基づいて、複数の変速点制御のそれぞれの、アクセル開度PAPが全閉であるとき(PAP=0)の目標ペラトルクTpaaiの値(Tpaai0)を求める。
次いで、複数の変速点制御のそれぞれの、アクセル開度PAPが全閉であるとき(PAP=0)の目標ペラトルクTpaaiの値(Tpaai0)の中から最小値を選択する。本実施形態では、複数の変速点制御の成立条件が成立した場合には、複数の変速点制御のそれぞれの、アクセル開度PAPが全閉であるとき(PAP=0)の目標ペラトルクTpaaiの値(Tpaai0)の中から選択された最小値が用いられる(後述するステップS006参照)。例えば、アクセル開度PAPが0〜Kpal%未満である場合([3])には、その選択されたアクセル開度PAPが全閉であるとき(PAP=0)の目標ペラトルクTpaaiの値(Tpaai0)を用いて、アクセル開度PAPに応じて線形補間した目標ペラトルクTpaaiが求められる。
[ステップS103]
次に、ステップS103では、エンジンの停止が許可され、回生制御により制動力が実現されるか否かが判定される。即ち、上記ステップS101で算出された目標減速度(Gtgt)の変速点制御が、再加速性が必要な変速点制御であるか否が判断され、その結果、再加速性が必要な変速点制御であると判断されない場合に、回生制御により制動力が実現されると判定される。ステップS103の判定の結果、回生制御により制動力が実現されると判定された場合には図5のフローはリターンされ、回生制御により制動力が実現されないと判定された場合に、ステップS104に進む。
ここで、再加速性が必要な変速点制御は、予め設定された再加速性の向上を狙った変速点制御であり、例えば、いわゆるアクセル急閉時制御、急減速時ダウンシフト制御、コーナー制御(いずれも公知)等が含まれる。一方、再加速性が必要な変速点制御以外の変速点制御(再加速性が不要な変速点制御)は、予め設定されており、例えば、いわゆる登降坂制御、追従ダウンシフト制御、交差点制御、高速道路退出路制御、料金所制御(いずれも公知)等が含まれる。
本実施形態では、実施する制御に応じて、制動力を回生で実現するか、エンジン回転数上昇によるフリクション増加で実現するかを切り替える。
いわゆる登降坂制御・追従制御のように長時間、制動力の制御を行う制御、又は再加速性向上が不要な制御では、燃費悪化防止のため回生(エンジン停止許可)により制動力を実現する。一方、再加速性向上を目的の一つとした、いわゆるアクセル急閉時制御、急減速時制御やコーナー制御では、エンジン回転数上昇によるフリクション増加(エンジン停止禁止)で制動力を実現する。
本実施形態によれば、走行状況に応じて、回生、またはエンジン回転数上昇によるフリクションにより制動力を実現する手段を切り替えるため、燃費への弊害を少なく、ドライバビリティの向上を図ることができる。本実施形態では、ダウンシフトで制動力を上げる制御の場合(ステップS103−N)、以下のステップS104〜ステップS109により、目標エンジン回転数下限ガードが算出される。
[ステップS104]
ステップS104では、各変速点制御実行中の目標パワー(Pwai')の算出が行われる。変速点制御での低変速段への変速の実施時の要求パワーが算出される。
Pwai'=Pwai−PLR−PT/M
Pwai=Tpaai0×ペラシャフト回転数(Np)
ここで、Pwaiは、ペラ軸上のパワーである。PLRはロードロードであり、PT/Mは、トランスミッションの損失である。また、Tpaai0は、複数の変速点制御の実行条件が成立した場合には、それらの複数の変速点制御のそれぞれの、アクセル開度PAPが全閉であるとき(PAP=0)の目標ペラトルクTpaaiの値(Tpaai0)の中から上記選択された最小値である(以下のステップにおいても同様である)。
[ステップS105]
次に、ステップS105では、各変速点制御実行中の目標エンジン回転数下限ガードの基本値(ベース値)(Negdaibs)が図4のマップから求められる。図4に示すように、目標エンジン回転数下限ガードの基本値(Negdaibs)は、目標減速度(Gtgt)を実現するパワーPwai'を、エンジンフリクショントルクQのみで実現するエンジン回転数とする。例えば、等パワーラインP0、P1、P2、‥Pn上で、上記ステップS104で求めたPwai'がP2に相当する場合の目標エンジン回転数下限ガードの基本値(Negdaibs)は、符号Negdaibs1で示す値である。
AT用駆動力制御システムの場合、目標エンジン回転数下限ガードの基本値(Negdaibs)よりも低回転であるが、一番近い回転数を実現するギヤ比を車速に基づいて選択し、そのギヤ比と車速から算出されるエンジン回転数を、補正済目標エンジン回転数下限ガードの基本値(Negdaibs’)とする。
[ステップS106]
ステップS106では、変速点制御実行中の目標エンジン回転数下限ガード値の上限ガード処理が実施される。目標エンジン回転数下限ガード値の上限ガードt_gdには、例えば、以下のように、NVによるガード、MG1温度によるガード、ATF油温によるガードが用いられる。
t_gd=MAX(NVによるガード、MG1温度によるガード、ATF油温によるガード)
補正済目標エンジン回転数下限ガードの基本値(Negdaibs’)が上限ガードt_gd以下となるようにガード処理した結果の値として、補正済目標エンジン回転数下限ガード(Negdaigd)が求められる。
MG1の温度上昇によりマグネットの減磁の可能性がある場合や、ATF油温の上昇により、ブリーザー吹きの可能性がある場合には、エンジン回転数の上昇幅に規制をかける(ダウンシフト量に規制をかける)。本実施形態のハイブリッドシステム(THS)では、ダウンシフト時にエンジン回転数を上昇させるが、そのエンジン回転数はMG1で制御される。エンジン回転数を高い状態にすることによりMG1が発熱し、温度が上昇し、マグネットが減磁する可能性がある。また、MG1の温度上昇によりATFの油温が上昇し、これによりブリーザー吹きの可能性がある。これらを考慮して、目標エンジン回転数下限ガード値の上限ガード処理が実施される。
[ステップS107]
次に、ステップS107では、変速点制御実行中のベース目標変速比(Ratiotbs)が求められる。ベース目標変速比(Ratiotbs)は、補正済目標エンジン回転数下限ガード(Negdaigd)と、ペラ回転数Npとから下記式により求められる。
Ratiotbs=Negdaigd/Np
[ステップS108]
次に、ステップS108では、変速点制御実行中の目標変速比最大値(Ratiot(i))の算出が行われる。今までの変速点制御では、変速点の切り替え(ダウンシフト)が行われた後は、例えばアクセルオンなどの復帰条件が成立するまでは、そのダウンシフト先のギヤ段が維持される。本実施形態においても、復帰条件が成立するまでは、ギヤ段を維持すべく、下記式に示すような目標変速比のなましが行われる。
Ratiot(i)=MAX(Ratiotbs、Ratiot(i−1))
ステップS108について、図8を参照して説明する。ブレーキXSTPのオンをトリガーに変速点制御が行われると、目標減速度G及び目標ペラトルクTPが負側に増大する。ステップS108のなまし処理が行われないとすると、目標変速比は、その目標ペラトルクTPにそのまま対応した形となり、途中から破線で示すように下降するが、上記式に示すように、前回の制御フロー実行時の目標変速比(i−1)以下の値にはならないため、図8の実線に示すように、目標変速比が下降せずに高い値に保持される。
このように、上記式により、目標変速比が下降する側では、前回の制御フロー実行時の目標変速比(i−1)が採用され、一方、目標変速比が上昇する側では、ベース目標変速比(Ratiotbs)が採用される。
[ステップS109]
次に、ステップS109では、各変速点制御実行中の目標エンジン回転数下限ガードの値が上記目標変速比最大値(Ratiot(i))から求められる。具体的には、下記式により算出される。
Negdai=Ratiot×Np
ステップS109の次に、図5の制御フローはリターンされる。次に、図1のステップS005が行われる。
[ステップS005]
ステップS005では、変速点制御の実施要求があるか否か、即ち、変速点制御による目標ペラトルクの変更要求があるか否かが判定される。その判定の結果、肯定的に判定された場合には、ステップS006に進み、そうでない場合には、ステップS008に進む。
[ステップS008]
変速点制御の実施要求がない場合(ステップS005−N)には、ステップS008において、上記ステップS002で算出されたドライバー要求ペラトルクと、ステップS003で算出されたドライバー要求エンジン回転数が選択される。
[ステップS006]
ステップS006において、変速点制御の実施要求がある場合(ステップS005−Y)には、変速点制御の、アクセル開度PAPが全閉であるとき(PAP=0)の目標ペラトルクTpaaiの値(Tpaai0)の最小値が選択される(上記ステップS102参照)。即ち、複数の変速点制御の実行条件が成立する場合(例えば、走行路が登坂路又は降坂路であり、かつ車両前方にコーナーがある場合)には、複数の変速点制御のそれぞれの目標減速度(Gtgt)を求め、その求めた各目標減速度(Gtgt)に基づいて、複数の変速点制御のそれぞれの、アクセル開度PAPが全閉であるとき(PAP=0)の目標ペラトルクTpaaiの値(Tpaai0)を求める。
次いで、複数の変速点制御のそれぞれの、アクセル開度PAPが全閉であるとき(PAP=0)の目標ペラトルクTpaaiの値(Tpaai0)の中から最小値を選択する。本実施形態では、複数の変速点制御の成立条件が成立した場合には、複数の変速点制御のそれぞれの、アクセル開度PAPが全閉であるとき(PAP=0)の目標ペラトルクTpaaiの値(Tpaai0)の中から選択された最小値が用いられる(上記ステップS102参照)。
[ステップS007]
次に、ステップS007において、変速点制御時の目標ペラトルクが選択され、エンジン回転数下限ガードによりドライバー要求エンジン回転数が補正される。即ち、ステップS008において、ステップS002で算出されたドライバー要求ペラトルクが選択されたのに代えて、ステップS007では、上記ステップS102(S006)で求められた変速点制御実行中の目標ペラトルクTpaaiが選択される。
また、ステップS008において、上記ステップS003にて求められたドライバー要求エンジン回転数が選択されたのに代えて、ステップS007では、上記ステップS109にて求められた変速点制御中の目標エンジン回転数下限ガードNegdaiにより、上記ステップS003にて求められたドライバー要求エンジン回転数が補正された値が用いられる。
[ステップS009]
ステップS009では、エンジントルクTe*、MG1回転数Nm1*、目標MG1トルクTm1*、目標MG2トルクTm2*が算出される。以下に、その算出方法について詳細に説明する。
上記ステップS007又はステップS008にて、エンジン22の目標回転数Ne*と目標ペラシャフトトルクTp*とを設定し、Ne*≦NeL*の場合、Ne*=NeL*とすると、Tp*×Np=Te*×Ne*となるため、Te*=Tp*×Np/Ne*となる(Npはペラシャフト回転数)。そして、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(=換算係数k・車速V)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在のモータMG1の回転数Nm1とに基づいて次式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する。
動力分配統合機構30の各回転要素の回転数とトルクの力学的な関係を示す共線図を図7に示す。図中、左のS軸はサンギヤ31の回転数を示し、C軸はキャリア34の回転数を示し、R軸はリングギヤ32(リングギヤ軸32a)の回転数Nrを示す。サンギヤ31の回転数はモータMG1の回転数Nm1でありキャリア34の回転数はエンジン22の回転数Neであるから、モータMG1の目標回転数Nm1*はリングギヤ軸32aの回転数Nr(=k・V)とエンジン22の目標回転数Ne*と動力分配統合機構30のギヤ比ρとに基づいて式(1)により計算することができる。
したがって、モータMG1が目標回転数Nm1*で回転するようトルク指令Tm1*を設定してモータMG1を駆動制御することにより、エンジン22を目標回転数Ne*で回転させることができる。ここで、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「KP」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「KI」は積分項のゲインである。
なお、図7におけるR軸上の2つの太線矢印は、エンジン22を目標回転数Ne*および目標トルクTe*の運転ポイントで定常運転したときにエンジン22から出力されるトルクTe*がリングギヤ軸32aに伝達されるトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2*がリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。
Nm1*=(Ne*・(1+ρ)−k・V)/ρ (1)
Tm1*=前回Tm1*+KP(Nm1*−Nm1)+KI∫(Nm1*−Nm1)dt (2)
モータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを計算すると、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρと減速ギヤ35のギヤ比Grとを用いて要求トルクTr*をリングギヤ軸32aに作用させるためにモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを図7の共線図のトルクの釣り合い関係から定まる次式(3)により計算すると共に、バッテリ50の入出力制限Win,WoutとモータMG1のトルク指令Tm1*と現在のモータMG1の回転数Nm1とモータMG2の回転数Nm2とに基づいて次式(4)および次式(5)によりモータMG2から出力してもよいトルクの下限,上限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを計算し、仮モータトルクTm2tmpと計算したトルク制限Tm2maxとのうち小さい方を変数Tに設定し、この変数Tとトルク制限Tm2minとのうち大きい方をモータMG2のトルク指令Tm2*に設定する。これにより、モータMG2のトルク指令Tm2*をバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で制限したトルクとして設定することができる。
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (3)
Tm2min=(Win−Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tm2max=(Wout−Tm1*・Nm1)/Nm2 (5)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して、駆動制御ルーチンを終了する。
目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
次に、図9を参照して、本実施形態の動作を模式的に示したものである。
符号501はアクセル開度、符号502は登降坂制御要求によるアクセル全閉相当目標ペラトルク(Tpaai0)、符号503はコーナー制御要求によるアクセル全閉相当目標ペラトルク(Tpaai0)、符号504はアクセル全閉相当目標ペラトルク(Tpaai0)の選択値(最小値)、符号505は登降坂制御要求に係る目標エンジン回転数下限ガードにより補正されたドライバー要求エンジン回転数、符号506はコーナー制御要求に係る目標エンジン回転数下限ガードにより補正されたドライバー要求エンジン回転数、符号507は目標エンジン回転数下限ガードにより補正されたドライバー要求エンジン回転数の選択値、符号508はコーナー制御要求に係る目標ペラトルクTpaai、符号509は登降坂制御要求に係る目標ペラトルクTpaai、符号510は目標ペラトルクTpaaiの選択値をそれぞれ示している。
図9において、符号502、503、505、506、508及び509は、説明の便宜上示したものであり、上記のように、本実施形態では、符号502及び503に代えて、符号502及び503の最小値として符号504が選択される。また、その結果として、符号505及び506に代えて、符号505及び506の最大値に相当する符号507が用いられ、符号508及び509に代えて、符号502及び符号503との比較で選択した符号503に対応する符号510が用いられる。
本実施形態によれば、アクセル開度と車速(ペラシャフト回転数)から決まるドライバー要求ペラシャフトトルク(ドライズシャフトトルク)または駆動力を実現するように、エンジン回転数、エンジントルク、MG1回転数、MG1トルク、MG2トルク等を決定するハイブリッドシステム制御装置(駆動力ディマンドでのパワートレーン制御装置)において、例えば登降坂制御等の変速点制御実施要求がある場合、変速段規制ではなく、目標加減速度(ステップS101)から、目標ペラシャフトトルク(ステップS102)、目標エンジン回転数下限ガード(ステップS104〜ステップS109)を設定し、目標加減速度に応じた加減速度変更(CVTを用いた場合には無段階の加減速度変更)を実現することが可能となる。
本実施形態によれば、走行環境又は走行状況に応じて、複数の変速点制御の制御条件が成立した場合に、複数の変速点制御のそれぞれの、アクセル開度PAPが全閉であるとき(PAP=0)の目標ペラトルクTpaaiの値(Tpaai0)の中から最小値が選択されるため、より適した制駆動力の制御が行われることが可能となる。
AT用駆動力ディマンドでのパワートレイン制御装置の場合、目標エンジン回転数下限ガード(ステップS104〜ステップS109)よりも低回転だが、一番近い回転数を実現するギヤ比を選択し、その場合、そのギヤ比のフリクショントルクだけでは目標ペラトルクを実現できない場合、ブレーキ制動力を補うことで、目標ペラトルクを実現し、目標加減速度に応じた減速度変更を実現することが可能となる。
本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)複数の変速点制御の制御条件が成立した場合に、制駆動力が良好に調停されることが可能となる。
(2)従来のATと異なり、HVシステム、CVTでは、目標減速度に応じて駆動力を無段階で制御できるため、よりシチュエーションに合った減速度を実現することが可能となる。
(3)AT用駆動力制御システムにおいても、目標減速度に応じて駆動力を制御できるため、よりシチュエーションに合った減速度を実現することが可能となる。
(4)アクセル全閉からアクセルを踏み込んだときの駆動力の段差が縮小する。
(5)ダウンシフトで制動力を上げる場合には、エンジンフリクションによる制動力の上昇を実現することが可能となる(HV車両では回生制御を行わなくてもよい)。
(6)ダウンシフトで制動力を上げる場合には、変速点制御の実施によるエンジン回転数の高回転域の使用によるNV悪化、ATF油温の上昇によるブリーザー吹き、MG1温度上昇によるモータ減磁を回避することが可能となる。
(7)ダウンシフトで制動力を上げる場合には、上述したように、変速点制御実行中の目標減速度(Gtgt)に基づいて駆動力制御が行われることにより、より適した制御を行うことが可能となる。例えば、コーナー制御において、従来は、コーナーの曲がり度合いと道路勾配に基づいて、目標変速段が決定されていたため、車速に関わらず同じ目標変速段への制御がなされていた。これに対して、本実施形態では、目標減速度(Gtgt)に基づいて駆動力制御が行われることにより、車速低下等による目標制動力低下(目標減速度増加)後の再加速時に低速ギヤ比の使用により、加速応答性を向上させることが可能となる。
なお、上記実施形態では、複数の変速点制御の実行条件が成立する場合には、複数の変速点制御のそれぞれの目標減速度(Gtgt)を求め、その求めた各目標減速度(Gtgt)に基づいて、複数の変速点制御のそれぞれの、アクセル開度PAPが全閉であるとき(PAP=0)の目標ペラトルクTpaaiの値(Tpaai0)を求め、それらの求められた複数の目標ペラトルクTpaaiの値(Tpaai0)の中から選択された最小値が用いられた。これに代えて、複数の変速点制御の実行条件が成立する場合には、複数の変速点制御のそれぞれの目標減速度(Gtgt)を求め、それらの複数の目標減速度(Gtgt)の中から最大値が選択され、その選択された目標減速度(Gtgt)の最大値に基づいて、アクセル開度PAPが全閉であるとき(PAP=0)の目標ペラトルクTpaaiの値(Tpaai0)を求め、その求められた目標ペラトルクTpaaiの値(Tpaai0)が用いられることができる。
本実施形態では、以下の技術が開示される。
(項1)
動力源のトルクまたは回転数を制御することにより出力トルクを変化させる制駆動力制御装置であって、
複数種類の走行環境又は走行状況に基づいて、複数の目標減速度を求める手段(S102)と、
前記複数の目標減速度に基づいて算出された目標トルクの最小値を求める手段(S102)と、
前記目標トルクの最小値に基づいて、前記出力トルクを変化させる手段(S006〜S009)と
を備えたことを特徴とする制駆動力制御装置。
(項2)
動力源のトルクまたは回転数を制御することにより出力トルクを変化させる制駆動力制御装置であって、
複数種類の走行環境又は走行状況に基づいて、複数の目標減速度を求める手段(S102)と、
前記複数の目標減速度の最大値に基づいて目標トルクを求める手段と、
前記目標トルクに基づいて、前記出力トルクを変化させる手段(S006〜S009)と
を備えたことを特徴とする制駆動力制御装置。
(項3)
動力源のトルクまたは回転数を制御することにより出力トルクを変化させる制駆動力制御装置であって、
走行環境又は走行状況に基づいて、目標減速度を求める手段と、
前記目標減速度に基づいて、必要エンジンブレーキ力(Pwai’)を算出する手段(ステップS104)と、
前記必要エンジンブレーキ力となるようなエンジン回転数下限ガード値(Negdai)を設定する手段(ステップS105、ステップS106)と、
前記エンジン回転数下限ガード値(Negdai)に基づいて、前記動力源の回転数を制御する手段と
を備えたことを特徴とする制駆動力制御装置。
上記項2によれば、変速機を持たない車両の通常走行時においても道路状況に応じた走行規制制御が可能となる。
(項4)
項3記載の制駆動力制御装置において、
前記エンジン回転数下限ガード値(Negdai)は、前記目標減速度を実現するための前記必要エンジンブレーキ力(Pwai’)を、エンジンフリクショントルクで実現する回転数に対応している
ことを特徴とする制駆動力制御装置。
上記項4によれば、車両の再加速性が向上する。
(項5)
項3または4に記載の制駆動力制御装置において、
前記エンジン回転数下限ガード値(Negdai)は、現在の目標変速比(Ratiotbs)と、前記現在の目標変速比(Ratiotbs)が算出される前の目標変速比(Ratiot(i-1))の大きな方の目標変速比に基づいて算出される
ことを特徴とする制駆動力制御装置。
(項6)
項3から5のいずれか1項に記載の制駆動力制御装置において、
前記エンジン回転数下限ガード値(Negdai)には、上限ガード処理が行われる
ことを特徴とする制駆動力制御装置。
上記項6によれば、エンジン回転数が増大しすぎることが抑制される。
(項7)
項3から6のいずれか1項に記載の制駆動力制御装置において、
前記制駆動力制御装置は、内燃機関及び電動機を有するハイブリッド車両の制駆動力制御装置であり、
前記内燃機関のトルク及び回転数、並びに前記電動機のトルク及び回転数を制御することにより、前記出力トルクを変化させる
ことを特徴とする制駆動力制御装置。
(項8)
項3から7のいずれか1項に記載の制駆動力制御装置において、
予め設定された所定アクセル開度以下の場合の目標出力トルクは、アクセル全閉時の目標出力トルクと、前記所定アクセル開度のときの目標出力トルクに基づいて、算出される
ことを特徴とする制駆動力制御装置。
(項9)
項7記載の制駆動力制御装置において、
前記アクセル全閉から前記所定アクセル開度の間のアクセル開度の場合の目標出力トルクは、前記アクセル全閉時の目標出力トルクと前記所定アクセル開度の場合の目標出力トルクとの間で、アクセル開度の増加に合わせて比例増加するものとして算出される
ことを特徴とする制駆動力制御装置。
本発明の制駆動力制御装置の第1実施形態の動作を示すフローチャートである。 本発明の制駆動力制御装置の第1実施形態において、ドライバー要求ペラシャフトトルクを算出するためのマップである。 本発明の制駆動力制御装置の第1実施形態において、ドライバー要求エンジン回転数を算出するためのマップである。 本発明の制駆動力制御装置の第1実施形態において、各変速点制御実行中の目標エンジン回転数下限ガードの基本値を説明するための図である。 本発明の制駆動力制御装置の第1実施形態の他の動作を示すフローチャートである。 本発明の制駆動力制御装置の第1実施形態の概略構成を示すブロック図である。 本発明の制駆動力制御装置の第1実施形態において、前方車両との相対的位置関係に応じた変速段を示すマップである。 本発明の制駆動力制御装置の第1実施形態の更に他の動作を説明するためのタイムチャートである。 本発明の制駆動力制御装置の第1実施形態の更に他の動作を説明するためのタイムチャートである。
符号の説明
20 ハイブリッド車両
22 エンジン
24 エンジンECU
26 クランクシャフト
28 ダンパ
30 動力分配機構
31 サンギヤ
32 リングギヤ
32a リングギヤ軸
33 ピニオンギヤ
34 キャリア
35 減速ギヤ
40 モータECU
41 インバータ
42 インバータ
43 回転位置検出センサ
44 回転位置検出センサ
50 バッテリ
51 温度センサ
52 バッテリECU
54 電力ライン
60 ギヤ機構
62 デファレンシャルギヤ
63a 駆動輪
63b 駆動輪
70 ハイブリッド用電子制御ユニット
72 CPU
74 ROM
76 RAM
80 イグニッションスイッチ
81 シフトレバー
82 シフトポジションセンサ
83 アクセルペダル
84 アクセルペダルポジションセンサ
85 ブレーキペダル
88 車速センサ
501 アクセル開度
502 登降坂制御要求によるアクセル全閉相当目標ペラトルク
503 コーナー制御要求によるアクセル全閉相当目標ペラトルク
504 アクセル全閉相当目標ペラトルクの選択値(最小値)
505 登降坂制御要求に係る目標エンジン回転数下限ガードにより補正されたドライバー要求エンジン回転数
506 コーナー制御要求に係る目標エンジン回転数下限ガードにより補正されたドライバー要求エンジン回転数
507 目標エンジン回転数下限ガードにより補正されたドライバー要求エンジン回転数の選択値
508 コーナー制御要求に係る目標ペラトルク
509 登降坂制御要求に係る目標ペラトルク
510 目標ペラトルクTpaaiの選択値
Acc アクセル開度
BP ブレーキペダルポジション
MG1 モータジェネレータ
MG2 モータジェネレータ
PAP アクセル開度
SP シフトポジション
V 車速

Claims (1)

  1. 動力源のトルクまたは回転数を制御することにより出力トルクを変化させる制駆動力制御装置であって、
    走行環境又は走行状況に基づいて目標減速度を求める複数の制御と、
    前記複数の制御の実行条件が成立する場合に、前記複数の制御のそれぞれの目標減速度から決まるアクセル全閉相当目標ペラトルクを算出する手段と、
    前記アクセル全閉相当目標ペラトルクの最小値と、アクセル開度が予め設定された所定開度の場合のドライバー要求ペラトルクと、実際のアクセル開度とに基づいて算出される目標ペラトルクに基づいて、前記出力トルクを変化させる手段とを備え、
    アクセル開度が全閉である場合の前記目標ペラトルクは、前記アクセル全閉相当目標ペラトルクの最小値とされ、
    アクセル開度が前記所定開度以上である場合の前記目標ペラトルクは、アクセル開度に基づいて求められたマップ値のドライバー要求ペラトルクがそのまま目標ペラトルクとされ、
    アクセル開度が全閉値と前記所定開度の間である場合の前記目標ペラトルクは、前記アクセル全閉相当目標ペラトルクの最小値と、前記所定開度のドライバー要求ペラトルクとに基づいて補間される
    ことを特徴とする制駆動力制御装置。
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