JP4910916B2 - 制駆動力制御装置 - Google Patents
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Description
添付図面を参照して、本発明の制駆動力制御装置の第1実施形態について説明する。
Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
まず、ステップS001にて、アクセル開度PAPと、車速(ペラシャフト回転数)の読み込みが行なわれる。
次に、ステップS002にて、ドライバーが要求するペラシャフトトルク(ドライブシャフトトルク)、即ち、ドライバー要求ペラシャフトトルク(ドライブシャフトトルク)が算出される。例えば、図2に示すようなマップが参照されて、上記ステップS001にて読み込まれたアクセル開度PAPと、車速(ペラシャフト回転数)に基づいて、ドライバー要求ペラシャフトトルク(駆動力(目標ペラトルク))が算出される。
次に、ステップS003にて、ドライバーが要求するパワー(ドライバー要求パワー)と、ドライバーが要求するエンジン回転数(ドライバー要求エンジン回転数)が算出される。
次に、ステップS004にて、各変速点制御による目標ペラトルクの算出、エンジン回転数下限ガード値の算出が実施される。このステップS004は、図5の動作が実施されることにより実現される。以下、図5を参照して説明する。
ステップS101では、変速点制御実行中の目標減速度(Gtgt)が算出される。変速点制御は、特に限定されないが例えば、いわゆるアクセル急閉時制御、急減速時ダウンシフト制御、コーナー制御、登降坂制御、追従ダウンシフト制御、交差点制御、高速道路退出路制御、料金所制御(いずれも公知)等が含まれる。変速点制御実行中の目標減速度(Gtgt)には、例えば車速などの車両の状態を細かく反映させることができる。
次に、ステップS102では、変速点制御実行中の目標ペラトルク(Tpaai)を算出する。
[1]アクセル開度PAPが全閉である場合(PAP=0%)
[2]アクセル開度PAPが予め設定された所定開度Kpal(例えば10%)以上である場合
[3]アクセル開度PAPが0〜Kpal%未満である場合
アクセル開度PAPが全閉であるとき(PAP=0)の目標ペラトルクTpaaiの値(Tpaai0)は、下記式により算出される。
Tpaai0=目標減速度(Gtgt)×車両重量×2×π×タイヤ半径×デフギヤ比
アクセル開度PAPがKpal%以上である場合には、目標ペラトルクTpaaiの値は、予め設けられたマップ値(Tpabs)とされる。即ち、図2に示すように、車速(ペラシャフト回転数)とアクセル開度PAPに基づいて、求められたマップ値Tpabsがそのまま目標ペラトルクTpaaiとされる。
アクセル開度が0%とKpal%の間である場合には、下記式を用いて、アクセル開度PAPに応じて線形補間することにより目標ペラトルクTpaaiが求められる。
Tpaai=(Tpabs−Tpaai0)/Kpal*PAP+Tpaai0
次に、ステップS103では、エンジンの停止が許可され、回生制御により制動力が実現されるか否かが判定される。即ち、上記ステップS101で算出された目標減速度(Gtgt)の変速点制御が、再加速性が必要な変速点制御であるか否が判断され、その結果、再加速性が必要な変速点制御であると判断されない場合に、回生制御により制動力が実現されると判定される。ステップS103の判定の結果、回生制御により制動力が実現されると判定された場合には図5のフローはリターンされ、回生制御により制動力が実現されないと判定された場合に、ステップS104に進む。
ステップS104では、各変速点制御実行中の目標パワー(Pwai')の算出が行われる。変速点制御での低変速段への変速の実施時の要求パワーが算出される。
Pwai'=Pwai−PLR−PT/M
Pwai=Tpaai0×ペラシャフト回転数(Np)
次に、ステップS105では、各変速点制御実行中の目標エンジン回転数下限ガードの基本値(ベース値)(Negdaibs)が図4のマップから求められる。図4に示すように、目標エンジン回転数下限ガードの基本値(Negdaibs)は、目標減速度(Gtgt)を実現するパワーPwai'を、エンジンフリクショントルクQのみで実現するエンジン回転数とする。例えば、等パワーラインP0、P1、P2、‥Pn上で、上記ステップS104で求めたPwai'がP2に相当する場合の目標エンジン回転数下限ガードの基本値(Negdaibs)は、符号Negdaibs1で示す値である。
ステップS106では、変速点制御実行中の目標エンジン回転数下限ガード値の上限ガード処理が実施される。目標エンジン回転数下限ガード値の上限ガードt_gdには、例えば、以下のように、NVによるガード、MG1温度によるガード、ATF油温によるガードが用いられる。
t_gd=MAX(NVによるガード、MG1温度によるガード、ATF油温によるガード)
次に、ステップS107では、変速点制御実行中のベース目標変速比(Ratiotbs)が求められる。ベース目標変速比(Ratiotbs)は、補正済目標エンジン回転数下限ガード(Negdaigd)と、ペラ回転数Npとから下記式により求められる。
Ratiotbs=Negdaigd/Np
次に、ステップS108では、変速点制御実行中の目標変速比最大値(Ratiot(i))の算出が行われる。今までの変速点制御では、変速点の切り替え(ダウンシフト)が行われた後は、例えばアクセルオンなどの復帰条件が成立するまでは、そのダウンシフト先のギヤ段が維持される。本実施形態においても、復帰条件が成立するまでは、ギヤ段を維持すべく、下記式に示すような目標変速比のなましが行われる。
Ratiot(i)=MAX(Ratiotbs、Ratiot(i−1))
次に、ステップS109では、各変速点制御実行中の目標エンジン回転数下限ガードの値が上記目標変速比最大値(Ratiot(i))から求められる。具体的には、下記式により算出される。
Negdai=Ratiot×Np
ステップS005では、変速点制御の実施要求があるか否か、即ち、変速点制御による目標ペラトルクの変更要求があるか否かが判定される。その判定の結果、肯定的に判定された場合には、ステップS006に進み、そうでない場合には、ステップS008に進む。
変速点制御の実施要求がない場合(ステップS005−N)には、ステップS008において、上記ステップS002で算出されたドライバー要求ペラトルクと、ステップS003で算出されたドライバー要求エンジン回転数が選択される。
ステップS006において、変速点制御の実施要求がある場合(ステップS005−Y)には、変速点制御の、アクセル開度PAPが全閉であるとき(PAP=0)の目標ペラトルクTpaaiの値(Tpaai0)の最小値が選択される(上記ステップS102参照)。即ち、複数の変速点制御の実行条件が成立する場合(例えば、走行路が登坂路又は降坂路であり、かつ車両前方にコーナーがある場合)には、複数の変速点制御のそれぞれの目標減速度(Gtgt)を求め、その求めた各目標減速度(Gtgt)に基づいて、複数の変速点制御のそれぞれの、アクセル開度PAPが全閉であるとき(PAP=0)の目標ペラトルクTpaaiの値(Tpaai0)を求める。
次に、ステップS007において、変速点制御時の目標ペラトルクが選択され、エンジン回転数下限ガードによりドライバー要求エンジン回転数が補正される。即ち、ステップS008において、ステップS002で算出されたドライバー要求ペラトルクが選択されたのに代えて、ステップS007では、上記ステップS102(S006)で求められた変速点制御実行中の目標ペラトルクTpaaiが選択される。
ステップS009では、エンジントルクTe*、MG1回転数Nm1*、目標MG1トルクTm1*、目標MG2トルクTm2*が算出される。以下に、その算出方法について詳細に説明する。
Tm1*=前回Tm1*+KP(Nm1*−Nm1)+KI∫(Nm1*−Nm1)dt (2)
Tm2min=(Win−Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tm2max=(Wout−Tm1*・Nm1)/Nm2 (5)
(1)複数の変速点制御の制御条件が成立した場合に、制駆動力が良好に調停されることが可能となる。
(2)従来のATと異なり、HVシステム、CVTでは、目標減速度に応じて駆動力を無段階で制御できるため、よりシチュエーションに合った減速度を実現することが可能となる。
(3)AT用駆動力制御システムにおいても、目標減速度に応じて駆動力を制御できるため、よりシチュエーションに合った減速度を実現することが可能となる。
(4)アクセル全閉からアクセルを踏み込んだときの駆動力の段差が縮小する。
(6)ダウンシフトで制動力を上げる場合には、変速点制御の実施によるエンジン回転数の高回転域の使用によるNV悪化、ATF油温の上昇によるブリーザー吹き、MG1温度上昇によるモータ減磁を回避することが可能となる。
(7)ダウンシフトで制動力を上げる場合には、上述したように、変速点制御実行中の目標減速度(Gtgt)に基づいて駆動力制御が行われることにより、より適した制御を行うことが可能となる。例えば、コーナー制御において、従来は、コーナーの曲がり度合いと道路勾配に基づいて、目標変速段が決定されていたため、車速に関わらず同じ目標変速段への制御がなされていた。これに対して、本実施形態では、目標減速度(Gtgt)に基づいて駆動力制御が行われることにより、車速低下等による目標制動力低下(目標減速度増加)後の再加速時に低速ギヤ比の使用により、加速応答性を向上させることが可能となる。
(項1)
動力源のトルクまたは回転数を制御することにより出力トルクを変化させる制駆動力制御装置であって、
複数種類の走行環境又は走行状況に基づいて、複数の目標減速度を求める手段(S102)と、
前記複数の目標減速度に基づいて算出された目標トルクの最小値を求める手段(S102)と、
前記目標トルクの最小値に基づいて、前記出力トルクを変化させる手段(S006〜S009)と
を備えたことを特徴とする制駆動力制御装置。
(項2)
動力源のトルクまたは回転数を制御することにより出力トルクを変化させる制駆動力制御装置であって、
複数種類の走行環境又は走行状況に基づいて、複数の目標減速度を求める手段(S102)と、
前記複数の目標減速度の最大値に基づいて目標トルクを求める手段と、
前記目標トルクに基づいて、前記出力トルクを変化させる手段(S006〜S009)と
を備えたことを特徴とする制駆動力制御装置。
(項3)
動力源のトルクまたは回転数を制御することにより出力トルクを変化させる制駆動力制御装置であって、
走行環境又は走行状況に基づいて、目標減速度を求める手段と、
前記目標減速度に基づいて、必要エンジンブレーキ力(Pwai’)を算出する手段(ステップS104)と、
前記必要エンジンブレーキ力となるようなエンジン回転数下限ガード値(Negdai)を設定する手段(ステップS105、ステップS106)と、
前記エンジン回転数下限ガード値(Negdai)に基づいて、前記動力源の回転数を制御する手段と
を備えたことを特徴とする制駆動力制御装置。
項3記載の制駆動力制御装置において、
前記エンジン回転数下限ガード値(Negdai)は、前記目標減速度を実現するための前記必要エンジンブレーキ力(Pwai’)を、エンジンフリクショントルクで実現する回転数に対応している
ことを特徴とする制駆動力制御装置。
項3または4に記載の制駆動力制御装置において、
前記エンジン回転数下限ガード値(Negdai)は、現在の目標変速比(Ratiotbs)と、前記現在の目標変速比(Ratiotbs)が算出される前の目標変速比(Ratiot(i-1))の大きな方の目標変速比に基づいて算出される
ことを特徴とする制駆動力制御装置。
項3から5のいずれか1項に記載の制駆動力制御装置において、
前記エンジン回転数下限ガード値(Negdai)には、上限ガード処理が行われる
ことを特徴とする制駆動力制御装置。
項3から6のいずれか1項に記載の制駆動力制御装置において、
前記制駆動力制御装置は、内燃機関及び電動機を有するハイブリッド車両の制駆動力制御装置であり、
前記内燃機関のトルク及び回転数、並びに前記電動機のトルク及び回転数を制御することにより、前記出力トルクを変化させる
ことを特徴とする制駆動力制御装置。
項3から7のいずれか1項に記載の制駆動力制御装置において、
予め設定された所定アクセル開度以下の場合の目標出力トルクは、アクセル全閉時の目標出力トルクと、前記所定アクセル開度のときの目標出力トルクに基づいて、算出される
ことを特徴とする制駆動力制御装置。
項7記載の制駆動力制御装置において、
前記アクセル全閉から前記所定アクセル開度の間のアクセル開度の場合の目標出力トルクは、前記アクセル全閉時の目標出力トルクと前記所定アクセル開度の場合の目標出力トルクとの間で、アクセル開度の増加に合わせて比例増加するものとして算出される
ことを特徴とする制駆動力制御装置。
22 エンジン
24 エンジンECU
26 クランクシャフト
28 ダンパ
30 動力分配機構
31 サンギヤ
32 リングギヤ
32a リングギヤ軸
33 ピニオンギヤ
34 キャリア
35 減速ギヤ
40 モータECU
41 インバータ
42 インバータ
43 回転位置検出センサ
44 回転位置検出センサ
50 バッテリ
51 温度センサ
52 バッテリECU
54 電力ライン
60 ギヤ機構
62 デファレンシャルギヤ
63a 駆動輪
63b 駆動輪
70 ハイブリッド用電子制御ユニット
72 CPU
74 ROM
76 RAM
80 イグニッションスイッチ
81 シフトレバー
82 シフトポジションセンサ
83 アクセルペダル
84 アクセルペダルポジションセンサ
85 ブレーキペダル
88 車速センサ
501 アクセル開度
502 登降坂制御要求によるアクセル全閉相当目標ペラトルク
503 コーナー制御要求によるアクセル全閉相当目標ペラトルク
504 アクセル全閉相当目標ペラトルクの選択値(最小値)
505 登降坂制御要求に係る目標エンジン回転数下限ガードにより補正されたドライバー要求エンジン回転数
506 コーナー制御要求に係る目標エンジン回転数下限ガードにより補正されたドライバー要求エンジン回転数
507 目標エンジン回転数下限ガードにより補正されたドライバー要求エンジン回転数の選択値
508 コーナー制御要求に係る目標ペラトルク
509 登降坂制御要求に係る目標ペラトルク
510 目標ペラトルクTpaaiの選択値
Acc アクセル開度
BP ブレーキペダルポジション
MG1 モータジェネレータ
MG2 モータジェネレータ
PAP アクセル開度
SP シフトポジション
V 車速
Claims (1)
- 動力源のトルクまたは回転数を制御することにより出力トルクを変化させる制駆動力制御装置であって、
走行環境又は走行状況に基づいて目標減速度を求める複数の制御と、
前記複数の制御の実行条件が成立する場合に、前記複数の制御のそれぞれの目標減速度から決まるアクセル全閉相当目標ペラトルクを算出する手段と、
前記アクセル全閉相当目標ペラトルクの最小値と、アクセル開度が予め設定された所定開度の場合のドライバー要求ペラトルクと、実際のアクセル開度とに基づいて算出される目標ペラトルクに基づいて、前記出力トルクを変化させる手段とを備え、
アクセル開度が全閉である場合の前記目標ペラトルクは、前記アクセル全閉相当目標ペラトルクの最小値とされ、
アクセル開度が前記所定開度以上である場合の前記目標ペラトルクは、アクセル開度に基づいて求められたマップ値のドライバー要求ペラトルクがそのまま目標ペラトルクとされ、
アクセル開度が全閉値と前記所定開度の間である場合の前記目標ペラトルクは、前記アクセル全閉相当目標ペラトルクの最小値と、前記所定開度のドライバー要求ペラトルクとに基づいて補間される
ことを特徴とする制駆動力制御装置。
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