JP5092439B2 - 駆動力制御装置 - Google Patents
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Description
図1から図14を参照して、本発明の駆動力制御装置の第1実施形態について説明する。
Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
まず、ステップS001にて、アクセル開度PAPと、車速(ペラシャフト回転数)の読み込みが行なわれる。
次に、ステップS002にて、ドライバーが要求するペラシャフトトルク(ドライブシャフトトルク)、即ち、ドライバー要求ペラシャフトトルク(ドライブシャフトトルク)が算出される。例えば、図2に示すようなマップが参照されて、上記ステップS001にて読み込まれたアクセル開度PAPと、車速(ペラシャフト回転数)に基づいて、ドライバー要求ペラシャフトトルク(駆動力(目標ペラトルク))が算出される。
次に、ステップS003にて、ドライバーが要求するパワー(ドライバー要求パワー)と、ドライバーが要求するエンジン回転数(ドライバー要求エンジン回転数)が算出される。
次に、ステップS004にて、ドライバーが要求する目標変速段(ドライバー要求目標変速段)が算出される。例えば、図4に示すようなマップが参照されて、上記ステップS001にて読み込まれたアクセル開度PAP及び車速(ペラシャフト回転数)と、上記ステップS002にて算出されたドライバー要求ペラシャフトトルクに基づいて、ドライバー要求目標変速段が決定される。
次に、ステップS005では、登降坂制御、コーナー制御、車間距離制御、合流路制御等の変速点制御の規制変速段が読み込まれる(尚、シーケンシャルシフト制御が行われた場合には、その変速段が読み込まれる。以下、シーケンシャルシフト制御が行われた場合の動作についての記述は省略する)。例えば、登降坂制御が行われる場合、図11に示すようなマップが参照されて、規制変速段が決定される。図11は、道路勾配θに応じた目標変速段が記述されており、規制変速段は目標変速段よりも1段高速段側の変速段である。同様に、例えば、コーナー制御が行われる場合、図12に示すようなマップが参照されて、規制変速段が決定される。車間距離制御が行われる場合、図13に示すようなマップが参照されて、規制変速段が決定される。図12及び図13のそれぞれは、目標変速段を示しており、規制変速段は、目標変速段よりも1段高速段側の変速段である。
次に、ステップS006では、ドライバー要求目標変速段が上記ステップS005にて求められた変速点制御の規制変速段以上か否かが判定される。その判定の結果、肯定的に判定された場合には、ステップS007に進み、そうでない場合にはステップS008に進む。
ステップS007では、ドライバー要求目標変速段に変速点制御の規制変速段を反映させて、変速段の規制が実施される。このステップS007では、ドライバー要求ペラシャフトトルク(ドライブシャフトトルク)Tpi*と、ドライバー要求エンジン回転数Ne*が変更される。
ステップS008では、エンジントルクTe*、MG1回転数Nm1*、目標MG1トルクTm1*、目標MG2トルクTm2*が算出される。以下に、その算出方法について詳細に説明する。
Tm1*=前回Tm1*+KP(Nm1*−Nm1)+KI∫(Nm1*−Nm1)dt (2)
Tm2min=(Win−Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tm2max=(Wout−Tm1*・Nm1)/Nm2 (5)
[1]アクセル開度PAPが全閉である場合(PAP=0%)
[2]アクセル開度PAPが10%を超える場合
[3]アクセル開度PAPが0〜10%以下である場合
図14に示すように、アクセル開度PAPが全閉であるとき(PAP=0)には、シーケンシャルシフトの目標ペラトルクTpの値は、変速段毎に予め設定されている。例えば車速(ペラシャフト回転数)がVaであり、アクセル開度PAPが全閉であるときの4速の目標ペラトルクTpは、Tpsft(0%)である。同様に、例えば車速(ペラシャフト回転数)がVaでありアクセル開度PAPが全閉であるときの6速の目標ペラトルクTpは、Tp6である。
図14に示すように、アクセル開度PAPが10%を超える場合には、シーケンシャルシフトの目標ペラトルクTpの値は、予め、変速段に関係が無く同じ値に設定されている。即ち、Dレンジ(6速)以外であっても、目標ペラトルクTpは、Dレンジ(6速)と同じである。
アクセル開度が0%と10%の間である場合には、下記式を用いて、アクセル開度PAPに応じて線形補間することにより目標ペラトルクTpが求められる。
Tp=Tpsft(0%)+(Tp(10%)−Tpsft(0%))*PAP/10
アクセル開度PAPが10%を超える場合に、シーケンシャルシフトで低変速段にされた場合や、シーケンシャルシフトの変速段を利用する変速点制御が実施された場合には、パワーが変わらないため、駆動力変化が無いという問題がある。
アクセル開度PAPが微小アクセル開度(0〜10%)のときには、加速性が不良となる。例えば、車速(ペラシャフト回転数)がVaであり、変速段が6速であるときにアクセル開度PAPが5%のときには、目標ペラトルクTpは符号Tp7で示す値(符号Tpと上記Tp6の中間の値)となる。この場合に、4速にダウンシフトされると、目標ペラトルクTpは符号Tp8で示す値(符号Tpと上記Tpsft(0%)の中間の値)となる。
ステップS101では、Dレンジ(変速点制御又は運転者の手動によるシーケンシャルシフトでの低変速段への変速の非実施時)のドライバー要求エンジントルクが算出される。
Tebs=Tpbs×Np/Nebs
Tebs0=Tpbs×Np/Nebs0
次に、ステップS102では、変速点制御又は運転者の手動によるシーケンシャルシフトでの低変速段への変速の実施時の要求パワーが算出される。
Pwai=Tpai0×Np
次に、ステップS103では、仮想エンジン回転数下限ガードが算出される。
Netgd=Pwai/Tebs0(=Tpai0×NP/Tebs0)
次に、ステップS104では、変速点制御又は運転者の手動によるシーケンシャルシフトでの低変速段への変速の実施時の目標ペラトルクTpが算出される。
Tpai=Tebs×Netgd/Np(=Tpbs×Netgd/Nebs)
次に、ステップS105では、上記図1のステップS008における各値の算出に際して、車両に大きなショックが出ることを抑制するために、上記ステップS104にて求められた変速点制御又は運転者の手動によるシーケンシャルシフトでの低変速段への変速の実施時の目標ペラトルクTpiにスイープ処理(レート処理)を施す。これにより、図1のステップS008における各値の急変化が抑制され、車両に大きなショックが発生することを抑制することができる。ステップS105の次に、本制御フローがリターンされる。
以下、(a)と(b)に場合分けして説明する。
次に、ステップS102にて、変速点制御又は運転者の手動によるシーケンシャルシフトでの低変速段への変速の実施時の要求パワーPwaiが求められる。
次に、ステップS103にて、仮想エンジン下限回転数ガードNetgdがE点(図7参照)に対応して求められる。E点は、変速点制御又は運転者の手動によるシーケンシャルシフトでの低変速段への変速の実施時の要求パワーPwaiと、アクセル全閉時のペラトルク要求によるエンジントルクTebs0との交点である。
次いで、ステップS104にて、変速点制御又は運転者の手動によるシーケンシャルシフトでの低変速段への変速の実施時の目標ペラトルクTpaiがH点として求められる。H点は、G点でのペラトルク要求によるエンジントルクTebs1と、仮想エンジン下限回転数ガードNetgdとの交点である。
次に、ステップS102にて、変速点制御又は運転者の手動によるシーケンシャルシフトでの低変速段への変速の実施時の要求パワーPwaiが求められる。
次に、ステップS103にて、上記のように、仮想エンジン下限回転数ガードNetgdがE点に対応して求められる。
次いで、ステップS104にて、変速点制御又は運転者の手動によるシーケンシャルシフトでの低変速段への変速の実施時の目標ペラトルクTpaiがF点として求められる。F点は、B点でのペラトルク要求によるエンジントルクTebs2と、仮想エンジン下限回転数ガードNetgdとの交点である。この場合には、変速点制御又は運転者の手動によるシーケンシャルシフトでの低変速段への変速の実施の前後で運転ポイントがB点からF点に変わるため、ΔP2の分だけ、パワーダウンとなる。
次に、図15及び図16を参照して、第2実施形態について説明する。
第2実施形態において、上記第1実施形態と共通する部分についての説明は省略する。
(1)ドライバー要求パワー≒0、または
(2)ドライバー要求エンジン回転数>変速点制御実施時の仮想エンジン回転数ガード値
が成立したときを、上記アクセルの踏み込み側でも制御を開始する制御の実際の制御開始タイミング(目標ペラトルクの変更タイミング)とする。
ステップS106では、登坂制御・自動車専用道路の合流路制御等アクセルの踏み込み側で開始する制御が適用される状況であるか否かが判定される。その判定の結果、アクセルの踏み込み側で開始する制御が適用される状況であると判定される場合には、ステップS107に進み、そうでない場合にはステップS108に進む。
ステップS108では、上記ステップS104で算出された目標ペラトルクTpiの切り換えが実施される。ステップS106で否定的に判定される場合、例えば、アクセル全閉で開始する制御(例えば降坂制御やコーナー制御など)の場合には、目標ペラトルクTpiの切り換えが許可される。ステップS108の次に、本制御フローはリターンされる。
ステップS107では、ドライバー要求パワー≒0、又は、仮想エンジン下限回転数ガードNetgd<ドライバー要求エンジン回転数、であるか否かが判定される。その判定の結果、ドライバー要求パワー≒0、又は、仮想エンジン回転数下限ガード<仮想エンジン下限回転数ガードNetgd、であると判定された場合には、ステップS108に進み、そうでない場合には、本制御フローはリターンされる。
次に、図17を参照して、第2実施形態の変形例について説明する。
動力源のトルク又は回転数を制御することにより出力トルクを変化させる駆動力制御装置であって、
運転者の意図(手動シフト)または走行環境により前記動力源の下限回転数の変更動作を行う下限回転数変更手段と、
前記下限回転数変更手段の前記変更動作が行われているときの前記出力トルク(Tp)を、前記下限回転数変更手段の前記変更動作が行われていないときの前記動力源のトルク(TebsまたはTebs0)に基づいて算出する出力トルク算出手段と
を備えたことを特徴とする駆動力制御装置。
上記項1記載の駆動力制御装置において、
前記出力トルク算出手段は、アクセルが全閉とされているときの前記動力源のトルクが前記下限回転数変更手段の前記変更動作が行われないときの前記アクセルが全閉とされているときの前記動力源のトルク(Tebs0)であるとして、前記下限回転数変更手段の要求パワー(Pwai(=Tpai0*Np))から算出される仮想動力源回転数(Nekasou)に基づいて、前記下限回転数変更手段の前記変更動作が行われるときの出力トルク(Tp)を算出する
ことを特徴とする駆動力制御装置。
運転者が要求するパワーが予め設定されたゼロ近傍の範囲内であるときに、前記算出された出力トルクが出力される
ことを特徴とする駆動力制御装置。
実際の前記動力源の回転数が前記仮想動力源回転数より大きいときに、前記算出された出力トルクが出力される
ことを特徴とする駆動力制御装置。
22 エンジン
24 エンジンECU
26 クランクシャフト
28 ダンパ
30 動力分配統合機構
31 サンギヤ
32 リングギヤ
32a リングギヤ軸
33 ピニオンギヤ
34 キャリア
35 減速ギヤ
40 モータECU
41 インバータ
42 インバータ
43 回転位置検出センサ
44 回転位置検出センサ
50 バッテリ
51 温度センサ
52 バッテリECU
54 電力ライン
60 ギヤ機構
62 デファレンシャルギヤ
63a 駆動輪
63b 駆動輪
70 ハイブリッド用電子制御ユニット
72 CPU
74 ROM
76 RAM
80 イグニッションスイッチ
81 シフトレバー
82 シフトポジションセンサ
83 アクセルペダル
84 アクセルペダルポジションセンサ
85 ブレーキペダル
88 車速センサ
BP ブレーキペダルポジション
MG1 モータジェネレータ
MG2 モータジェネレータ
PAP アクセル開度
Claims (3)
- 動力源のトルク又は回転数を制御することにより出力トルクを変化させる駆動力制御装置であって、
運転者の意図または走行環境により前記動力源の下限回転数の変更動作を行う下限回転数変更手段と、
アクセル全閉で変速点制御又は運転者の手動によるシーケンシャルシフトでの低変速段への変速が実施された時の予め設定された目標ペラトルクと、ペラ回転数に基づいて、アクセル全閉で変速点制御又は運転者の手動によるシーケンシャルシフトでの低変速段への変速が実施される時の要求パワーを求め、
エンジントルクを縦軸としエンジン回転数を横軸としたマップ上に表された前記要求パワーに対応する曲線と、前記縦軸上に表されたアクセル全閉時のエンジントルクの点から前記横軸と並行して延びる第1の延長線との第1の交点を求め、当該第1の交点を通りかつ前記縦軸と並行する直線が示すエンジン回転数を、仮想エンジン回転数下限ガードとして求め、
前記縦軸上に表された変速点制御又は運転者の手動によるシーケンシャルシフトでの低変速段への変速が実施される前のペラトルク要求によるエンジントルクの点から前記横軸と並行して延びる第2の延長線と、前記仮想エンジン回転数下限ガードに対応する前記直線との第2の交点が示すパワーを、前記下限回転数変更手段の前記変更動作として変速点制御又は運転者の手動によるシーケンシャルシフトでの低変速段への変速が実施される時の前記出力トルクとして算出する出力トルク算出手段と、
を備えたことを特徴とする駆動力制御装置。 - 請求項1に記載の駆動力制御装置において、
運転者が要求するパワーが予め設定されたゼロ近傍の範囲内であるときに、前記算出された出力トルクが出力される
ことを特徴とする駆動力制御装置。 - 請求項1に記載の駆動力制御装置において、
実際の前記動力源の回転数が前記仮想エンジン回転数下限ガードより大きいときに、前記算出された出力トルクが出力される
ことを特徴とする駆動力制御装置。
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