JP2009040275A - 車両用制駆動力制御装置 - Google Patents

車両用制駆動力制御装置 Download PDF

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良雄 伊藤
Kentaro Kanzaki
謙太郎 神▲崎▼
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Abstract

【課題】機械制動と回生制動とにより車両を制動する場合の再加速性を向上できる車両用制駆動力制御装置を提供すること。
【解決手段】機械制動と回生制動とにより車両を制動する車両用制駆動力制御装置であって、回生制動により発電される電力が充電される蓄電部と、蓄電部から供給される電力で車両を駆動する駆動手段と、走行環境を検出する走行環境検出手段(S1075)と、走行環境検出手段により検出された走行環境に応じて車両を制動するにあたり、走行環境に基づいて制動後の加速時における要求駆動力を推定する推定手段(S1080)とを備え、推定された要求駆動力に基づいて、車両を制動する際の全体の制動力における回生制動による制動力の比率が可変に設定される。
【選択図】 図15

Description

本発明は、車両用制駆動力制御装置に関し、特に、ハイブリッド車両の制動力を制御する車両用制駆動力制御装置に関する。
走行環境等に基づいて車両の制動力を制御する技術が知られている。例えば、先行車との車間距離を目標値に保つように車両を制御する追従制御において、車間距離等に基づいて車両の制動力が制御される。
車両の制動力を制御する装置として、例えば、車輪に機械的な制動トルクを発生させる機械制動トルク発生装置(例えば、油圧の力を利用して油圧制動トルクを発生させる油圧制動トルク発生装置)だけでなく、モータを回生側で使用してモータ回生トルクを発生させるモータ回生トルク発生装置が存在する。機械制動トルク発生装置とモータ回生トルク発生装置の両者を備える場合、機械制動と回生制動とにより車両が制動されることができる。
特開2005−39908号公報(特許文献1)には、先行車との車間距離の増減変化に応じて回生制動を実施することでエネルギ効率の向上を図る点が開示されている。
特開2005−297612号公報(特許文献2)には、先行車両の減速度に応じて回生ブレーキの回生量を変更する点が開示されている。
特開2005−39908号公報 特開2005−297612号公報
車両の減速制御(制動力の制御)が行われた後の再加速時に、良好な加速性が得られることが望ましい。
機械制動と回生制動とにより車両を制動する場合の再加速性の向上について、従来十分な検討がなされていなかった。
本発明の目的は、機械制動と回生制動とにより車両を制動する場合の再加速性を向上できる車両用制駆動力制御装置を提供することである。
本発明の車両用制駆動力制御装置は、機械制動と回生制動とにより車両を制動する車両用制駆動力制御装置であって、前記回生制動により発電される電力が充電される蓄電部と、前記蓄電部から供給される電力で前記車両を駆動する駆動手段と、走行環境を検出する走行環境検出手段と、前記走行環境検出手段により検出された前記走行環境に応じて前記車両を制動するにあたり、前記走行環境に基づいて前記制動後の加速時における要求駆動力を推定する推定手段とを備え、前記推定された前記要求駆動力に基づいて、前記車両を制動する際の全体の制動力における前記回生制動による制動力の比率が可変に設定されることを特徴とする。
本発明の車両用制駆動力制御装置において、前記走行環境に応じて前記車両を制動するときの制動力に基づいて前記要求駆動力が推定されることを特徴とする。
本発明の車両用制駆動力制御装置において、前記回生制動による制動力の比率が高められる場合には、前記回生制動による制動力の比率が高められない場合に比べて、前記蓄電部に対してより大きな充電量となるまで充電を行うことが許可されることを特徴とする。
本発明の車両用制駆動力制御装置において、前記回生制動による制動力の比率が高められる場合には、前記回生制動による制動力の比率が高められない場合に比べて、前記蓄電部の充電量がより小さな値となるまで前記車両に搭載された内燃機関の前記蓄電部に充電するための運転を開始しないことを特徴とする。
本発明の車両用制駆動力制御装置において、前記走行環境には、前記車両の前方の先行車と前記車両との相対車速、前記車両の前方のコーナーの情報、前記車両の前方の信号機の情報、前記車両の前方の料金所の情報、及び前記車両の前方のETCの情報の少なくともいずれか1つが含まれることを特徴とする。
本発明によれば、機械制動と回生制動とにより車両を制動する場合の再加速性を向上させることができる。
以下、本発明の車両用制駆動力制御装置の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1から図17を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、ハイブリッド車両において機械制動と回生制動とにより車両を制動する車両用制駆動力制御装置に関する。
トヨタハイブリッドシステム(THS)のような変速機を持たないタイプの車両において、例えば、運転者による意識的なシフト操作以外の走行環境(道路勾配、車両前方のコーナーの曲がり度合い、前方の車両との相対的位置関係、自動車専用道路の合流路など)によりシーケンシャルシフトの変速段を変更する制御(変速点制御、AI−SHIFT制御)が検討されている。
本実施形態では、アクセル開度と車速(ペラシャフト回転数)から決まるドライバー要求ペラシャフトトルク(ドライブシャフトトルク)または駆動力を実現するようにエンジン回転数、エンジントルク、MG1回転数、MG1トルク、MG2トルク等を決定するハイブリッドシステム制御装置(駆動力ディマンドでのパワートレーン制御装置)において、先行車との相対車速及び車間距離に基づいて、車間距離を目標値とするように車両の駆動力(制動力)を変更する制御(AI−SHIFT追従制御)が行われる。AI−SHIFT追従制御において、制動制御が行われる場合に、制動後の再加速性を高めるために、以下に説明する回生比率が調節される。
本実施形態の車両は、機械制動と回生制動とにより制動される。回生比率とは、全体の制動力(機械制動による制動力と回生制動による制動力の和)における回生制動による制動力の比率である。
回生比率が高められた場合には、回生制動により回生されるエネルギーが増加する。再加速時にそのエネルギーを利用して車両が駆動されることで、再加速性が向上されることが可能となる。以下に説明するように、回生比率は、相対車速に基づいて設定される。これは、相対車速に基づいて運転者の加速意思を推定することができるためである。ここで、相対車速とは、自車速と先行車の車速との差(自車速−先行車の車速)である。相対車速が大きい場合には、先行車を追い越す可能性が高く、再加速時(追い越し加速時)に大きな駆動力が要求されると考えられる。
本実施形態では、相対車速が、予め定められた閾値(後述する回生量増加判定用相対車速LSPD)よりも大きな値である場合には、回生比率が高められた状態で制動制御が実行される。その後に追い越しが行われる場合には、バッテリに充電された回生エネルギーを使用して駆動モータのアシストにより車両が加速される。本実施形態の制御により、相対車速が大である場合の減速エネルギーが有効活用されることで、燃費が改善されるとともに、回生エネルギーが使用されて追い越し加速時のドライバビリティが向上される。
本実施形態の構成としては、以下の(1)及び(2)の構成を備えていることが前提となる。
(1)HV用AI−SHIFT制御を実行する手段(例えば、HV用シーケンシャルシフト制御を流用して実現する制御手段)。
(2)AI−SHIFT追従制御において、相対車速が大のときに目標減速度を達成するための回生による減速比率(回生比率)を通常時よりも大きな値とする手段。
図9は、本発明の一実施形態としての制駆動力制御装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。本実施形態に係るハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、制駆動力制御装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。
動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。
モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。
相対車速計測部115は、ミリ波レーダーセンサなどのセンサを有し、前車と自車の相対車速及び車間距離を計測することができる。ここで、相対車速とは、(自車速−前車速)である。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、相対車速計測部115の検出結果を示す信号が入力ポートを介して入力されている。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された第1実施形態のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。
エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、トルク変換運転モード、充放電運転モード、モータ運転モードなどがある。
トルク変換運転モードは、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する運転モードである。
充放電運転モードは、要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する運転モードである。
モータ運転モードは、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御する運転モードである。
本実施形態では、シフトレバー81がD(ドライブ)レンジやR(リバース)レンジに操作されたときにはエンジン22の効率やバッテリ50の状態に基づいて上述したトルク変換運転モード,充放電運転モード,モータ運転モードのうちのいずれかのモードでエンジン22やモータMG1,MG2を運転し、シフトレバー81がB(ブレーキ)レンジに操作されたときにはエンジンブレーキによる制動が行なわれるようにモータ運転モードによる運転が禁止されモータ運転モード以外のトルク変換運転モード,充放電運転モードのいずれかでエンジン22やモータMG1,MG2を運転する。
即ち、DレンジやRレンジでは、エンジン22の運転停止が行なわれるが、Bレンジでは、エンジン22の運転停止は行なわれない。なお、シフトレバー81がDレンジに操作されているときのエンジン22の運転停止は、駆動軸としてのリングギヤ軸32aの要求動力とバッテリ50の充放電に必要な動力との和として車両全体に要求される動力が、エンジン22を効率よく運転できる範囲を定める所定動力未満のときに行なわれる。
次に、図1を参照して、本実施形態の動作について説明する。
以下では、ハイブリッド車両において、走行環境(道路勾配、車両前方のコーナーの曲がり度合い、前方の車両との相対的位置関係、自動車専用道路の合流路など)に基づく、運転者による意識的なシフト操作以外による制御(変速点制御、AI−SHIFT制御)を行なう場合に、ハイブリッド用シーケンシャルシフト制御の技術を用いて実現している制御について説明する。
[ステップS001]
まず、ステップS001にて、アクセル開度PAPと、車速(ペラシャフト回転数)の読み込みが行なわれる。
[ステップS002]
次に、ステップS002にて、ドライバーが要求するペラシャフトトルク(ドライブシャフトトルク)、即ち、ドライバー要求ペラシャフトトルク(ドライブシャフトトルク)が算出される。例えば、図2に示すようなマップが参照されて、上記ステップS001にて読み込まれたアクセル開度PAPと、車速(ペラシャフト回転数)に基づいて、ドライバー要求ペラシャフトトルク(駆動力(目標ペラトルク))が算出される。
[ステップS003]
次に、ステップS003にて、ドライバーが要求するパワー(ドライバー要求パワー)と、ドライバーが要求するエンジン回転数(ドライバー要求エンジン回転数)が算出される。
ドライバー要求パワーは、上記ステップS002にて算出されたドライバー要求ペラシャフトトルクと、上記ステップS001にて読み込まれたペラシャフト回転数に基づいて、算出される。ここで、ドライバー要求パワー=ドライバー要求ペラシャフトトルク×ペラシャフト回転数である。
ドライバー要求エンジン回転数は、例えば、図3に示すようなマップが参照されて、燃費最適線301に基づいて算出される。ドライバー要求パワーがP1である場合、ドライバー要求エンジン回転数は、NE1となる。
[ステップS004]
次に、ステップS004にて、ドライバーが要求する目標変速段(ドライバー要求目標変速段)が算出される。例えば、図4に示すようなマップが参照されて、上記ステップS001にて読み込まれたアクセル開度PAP及び車速(ペラシャフト回転数)と、上記ステップS002にて算出されたドライバー要求ペラシャフトトルクに基づいて、ドライバー要求目標変速段が決定される。
ステップS004において、ドライバー要求目標変速段の算出方法は、上記図4を用いる方法に限定されない。例えば、上記ステップS003にて算出されたドライバー要求エンジン回転数と、上記ステップS001にて読み込まれたペラシャフト回転数に基づいて、変速比を算出し、図8のマップが参照されて、変速比に基づいて、ドライバー要求目標変速段が決定されることができる。
また、ステップS004では、上記図4又は図8を用いた方法の他に、図5のマップを用いる方法でもよい。図5では、各変速段の下限エンジン回転数が示されている。図5のマップが参照されて、上記ステップS003にて算出されたドライバー要求エンジン回転数と、上記ステップS001にて読み込まれた車速(ペラシャフト回転数)に基づいて、ドライバー要求目標変速段が決定されることができる。図5において、符号401はドライバー要求目標変速段が1速の領域、402は同2速の領域、403は同3速の領域、404は同4速の領域、405は同5速の領域、406は同6速の領域をそれぞれ示している。
[ステップS005]
次に、ステップS005では、登降坂制御、コーナー制御、車間距離制御、合流路制御等の変速点制御の規制変速段が読み込まれる(尚、シーケンシャルシフト制御が行われた場合には、その変速段が読み込まれる。以下、シーケンシャルシフト制御が行われた場合の動作についての記述は省略する)。例えば、登降坂制御が行われる場合、図11に示すようなマップが参照されて、規制変速段が決定される。図11は、道路勾配θに応じた目標変速段が記述されており、規制変速段は目標変速段よりも1段高速段側の変速段である。同様に、例えば、コーナー制御が行われる場合、図12に示すようなマップが参照されて、規制変速段が決定される。車間距離制御が行われる場合、図13に示すようなマップが参照されて、規制変速段が決定される。図12及び図13のそれぞれは、目標変速段を示しており、規制変速段は、目標変速段よりも1段高速段側の変速段である。
[ステップS006]
次に、ステップS006では、ドライバー要求目標変速段が上記ステップS005にて求められた変速点制御の規制変速段以上か否かが判定される。その判定の結果、肯定的に判定された場合には、ステップS007に進み、そうでない場合にはステップS008に進む。
[ステップS007]
ステップS007では、ドライバー要求目標変速段に変速点制御の規制変速段を反映させて、変速段の規制が実施される。このステップS007では、ドライバー要求ペラシャフトトルク(ドライブシャフトトルク)Tp*と、ドライバー要求エンジン回転数Ne*が変更される。
図6に示すように、ドライバー要求ペラシャフトトルク(ドライブシャフトトルク)Tp*が変更される。即ち、図6のマップが参照されて、例えば、上記ステップS005にて求められた変速点制御の規制変速段が4速で、車速(ペラシャフト回転数)がS1であるとき、ドライバー要求ペラシャフトトルクTp*はT1に変更される。
また、図5に示すように、ドライバー要求エンジン回転数Ne*が変更される。例えば、車速(ペラシャフト回転数)がS1であるとき、下限エンジン回転数NeL*はNE2に変更される。
[ステップS008]
ステップS008では、エンジントルクTe*、MG1回転数Nm1*、目標MG1トルクTm1*、目標MG2トルクTm2*が算出される。以下に、その算出方法について詳細に説明する。
上記ステップS007にて、エンジン22の目標回転数Ne*と目標ペラシャフトトルクTp*とを設定し、Ne*≦NeL*の場合、Ne*=NeL*とすると、Tp*×Np=Te*×Ne*となるため、Te*=Tp*×Np/Ne*となる(Npはペラシャフト回転数)。そして、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(=換算係数k・車速V)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在のモータMG1の回転数Nm1とに基づいて次式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する。
動力分配統合機構30の各回転要素の回転数とトルクの力学的な関係を示す共線図を図10に示す。図中、左のS軸はサンギヤ31の回転数を示し、C軸はキャリア34の回転数を示し、R軸はリングギヤ32(リングギヤ軸32a)の回転数Nrを示す。サンギヤ31の回転数はモータMG1の回転数Nm1でありキャリア34の回転数はエンジン22の回転数Neであるから、モータMG1の目標回転数Nm1*はリングギヤ軸32aの回転数Nr(=k・V)とエンジン22の目標回転数Ne*と動力分配統合機構30のギヤ比ρとに基づいて式(1)により計算することができる。
したがって、モータMG1が目標回転数Nm1*で回転するようトルク指令Tm1*を設定してモータMG1を駆動制御することにより、エンジン22を目標回転数Ne*で回転させることができる。ここで、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「KP」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「KI」は積分項のゲインである。
なお、図10におけるR軸上の2つの太線矢印は、エンジン22を目標回転数Ne*および目標トルクTe*の運転ポイントで定常運転したときにエンジン22から出力されるトルクTe*がリングギヤ軸32aに伝達されるトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2*がリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。
Nm1*=(Ne*・(1+ρ)−k・V)/ρ (1)
Tm1*=前回Tm1*+KP(Nm1*−Nm1)+KI∫(Nm1*−Nm1)dt (2)
モータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを計算すると、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρと減速ギヤ35のギヤ比Grとを用いて要求トルクTr*をリングギヤ軸32aに作用させるためにモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを図10の共線図のトルクの釣り合い関係から定まる次式(3)により計算すると共に、バッテリ50の入出力制限Win,WoutとモータMG1のトルク指令Tm1*と現在のモータMG1の回転数Nm1とモータMG2の回転数Nm2とに基づいて次式(4)および次式(5)によりモータMG2から出力してもよいトルクの下限,上限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを計算し、仮モータトルクTm2tmpと計算したトルク制限Tm2maxとのうち小さい方を変数Tに設定し、この変数Tとトルク制限Tm2minとのうち大きい方をモータMG2のトルク指令Tm2*に設定する。これにより、モータMG2のトルク指令Tm2*をバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で制限したトルクとして設定することができる。
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (3)
Tm2min=(Win−Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tm2max=(Wout−Tm1*・Nm1)/Nm2 (5)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して、駆動制御ルーチンを終了する。
目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
上記のように、本実施形態によれば、アクセル開度PAPと車速(ペラシャフト回転数)から決まるドライバー要求ペラシャフトトルク(ドライブシャフトトルク)または駆動力を実現するようにエンジン回転数、エンジントルク、MG1回転数、MG1トルク、MG2トルク等を決定する駆動力制御システム(HVシステム)において、ドライバー要求ペラシャフトトルク(図2、ステップS002)から決まる目標エンジン回転数(ステップS003)と、ペラシャフト回転数からドライバー要求目標変速段(目標変速比、ステップS004)を決定する。
また、アクセル開度、車速(ペラシャフト回転数)、ドライバー要求ペラシャフトトルクからドライバー要求目標変速段を決定する(図4参照)。または、ドライバー要求エンジン回転数と、ペラシャフト回転数から変速比を算出し、その変速比からドライバー要求目標変速段を決定する(図8参照)。その目標変速段に登降坂制御、コーナー制御、車間距離制御等の変速点制御を反映する(ステップS007)。
さらに、目標変速段(目標変速比)毎にペラシャフトトルク(ドライブシャフトトルク)または駆動力とエンジン回転数下限ガードを設置し(図5、図6)、その目標変速段(目標変速比)に登降坂制御等の変速点制御の変速段規制(変速比規制)を反映し、目標ペラシャフトトルク、目標エンジン回転数を変更し(ステップS007)、目標エンジントルク、目標MG1回転数、目標MG1トルク、目標MG2トルクを算出する(ステップS008)。
上記により以下の効果を奏することができる。
(1)従来一般の自動変速機を適用対象として開発された変速点制御を、ハイブリッドシステム制御装置(駆動力ディマンドでのパワートレーン制御装置)に容易に展開可能となり、ドライバビリティを向上させることができる。
(2)変速点制御が行われた後の再加速時にアクセルが踏まれたときに、エンジン回転数が高い状態からの加速となるため、加速応答性が向上する。以下に、図7を参照して、この(2)の効果について説明する。
最初、自動変速機がDレンジである場合に、変速点制御の目標変速段が4速であると算出されたとする(図1のステップS004)。その後、ステップS007にて、ドライバー要求ペラシャフトトルクが目標変速段(4速)に変更される。この場合、下限エンジン回転数(エンジン回転数ガード)420が無い場合には、Dレンジの点421から、4速の点422に変わる。4速の点422からの再加速時は、低いエンジン回転数からの加速となるため、加速応答性が悪い。点422のエンジン回転数は、点421のエンジン回転数と同じ(例:1000rpm)であるため、再加速時の加速応答性が悪い。
これに対して、本実施形態では、下限エンジン回転数(エンジン回転数ガード)420があるため(ステップS007)、最初の点421は、変速制御によって、点422と等パワーライン430上で下限エンジン回転数420でガードされた点423に変わる。再加速時にアクセルが踏まれたときは、上記点422よりもエンジン回転数の高い点423からの加速となるため、加速応答性が向上する。
本実施形態では、アクセル開度と車速(ペラシャフト回転数)から決まるドライバー要求ペラシャフトトルク(ドライブシャフトトルク)または駆動力を実現するようにエンジン回転数、エンジントルク、MG1回転数、MG1トルク、MG2トルク等を決定するハイブリッドシステム制御装置(駆動力ディマンドでのパワートレーン制御装置)において、先行車との相対車速及び車間距離に基づいて、車間距離を目標値とするように車両の駆動力(制動力)を変更する制御(AI−SHIFT追従制御)が行われる場合に、制動後の再加速性を高めるために、相対車速に基づいて回生比率が調節される。
図14から図16を参照して、本実施形態の動作について説明する。
図14のステップS101では、AI−SHIFT制御の前提条件判定処理が行われる。ここでは、例えばAI−SHIFT制御に必要な要素が同制御に適していない状態にあることを示すフェイル信号が検出されていないか等の判定が行われる。
ステップS101の判定の結果、前提条件判定が肯定的に判定された場合(ステップS101−Y)にはステップS103に進み、そうでない場合(ステップS101−N)にはステップS102に進む。
ステップS102では、AI−SHIFT制御前提条件フラグXAIZENがオフに設定され、ステップS104に進む。
ステップS103では、AI−SHIFT制御前提条件フラグXAIZENがオンに設定され、ステップS104に進む。
ステップS104では、AI−SHIFT制御前提条件フラグXAIZENの判定処理が行われる。ステップS104の判定の結果、AI−SHIFT制御前提条件フラグXAIZENがオンと判定された場合(ステップS104−Y)にはステップS105に進み、そうでない場合(ステップS104−N)にはステップS106に進む。
ステップS105では、各AI−SHIFT制御にて使用されるRAM、フラグ等の共通化処理が行われる。
ステップS105の次には、ステップS107において、各AI−SHIFT制御(追従制御を含む)の処理が行われる。このステップS107の各AI−SHIFT制御の処理に関しては、図15を参照して後述する。
次に、ステップS108において、各AI−SHIFT制御にて算出された目標ペラトルクTPの調停処理が行われる。
次に、ステップS109において、各AI−SHIFT制御にて算出された目標エンジン回転数NEの調停処理が行われる。ステップS109が実行されると、ステップS110に進む。
ステップS104において否定判定がなされてステップS106に進むと、ステップS106では、AI−SHIFT制御の終了・初期化処理が行われる。ステップS106の次には、ステップS110が行われる。
ステップS110では、回生量の選択処理が行われる。このステップS110の回生量の選択処理については、図16を参照して後述する。
次に、図15を参照して、各AI−SHIFT制御の処理(上記図14のステップS107)の詳細について説明する。
まず、ステップS1071にて、AI−SHIFT追従制御(以下、単に追従制御とする)の開始条件の判定処理が行われる。追従制御の開始条件が不成立の場合(ステップS1071−N)には、ステップS1072にて、追従制御実行フラグXDISTがオフとされ、同開始条件が成立した場合には、ステップS1073にて、追従制御実行フラグXDISTがオンとされる。
次に、ステップS1074にて追従制御実行フラグXDISTの判定処理が行われる。その判定の結果、追従制御実行フラグXDISTがオンの場合(ステップS1074−Y)にはステップS1075に進み、そうでない場合(ステップS1074−N)には追従制御未実施であるため、ステップS1084にて後述する回生増加フラグXKUPがオフとされて図15の制御フローが終了される。
ステップS1075では、相対車速が算出される。次に、ステップS1076では、目標車間距離が算出される。次に、ステップS1077では、目標減速度が算出される。ステップS1075で算出された相対車速、ステップS1076で算出された目標車間距離、及び車間距離の検出結果に基づいて、目標減速度が算出される。
次に、ステップS1078では、目標ペラトルクTPの算出処理が行われる。次に、ステップS1079では、目標エンジン回転数NEの算出処理が行われる。
次に、ステップS1080では、ステップS1075で算出された相対車速が予め定められた回生量増加判定用相対車速LSPD以上であるか否かが判定される。ステップS1080では、追い越しの可能性が高いか否か(再加速時に大きな駆動力が要求されるか否か)が判定される。相対車速が回生量増加判定用相対車速LSPD以上である場合には、追い越しに備えて回生エネルギーをより多く蓄えておくために、全体の制動力における回生制動による制動力の比率(回生比率)が高められる(後述する図16のステップS1102)。
ステップS1080の判定の結果、相対車速が回生量増加判定用相対車速LSPD以上である(回生量増加条件成立)と判定された場合(ステップS1080−Y)には、ステップS1082にて、回生増加フラグXKUPがオンとされ、そうでない(回生量増加条件不成立)場合(ステップS1080−N)にはステップS1081にて、回生増加フラグXKUPがオフとされる。
次に、ステップS1083では、追従制御の終了条件の判定が行われる。その判定の結果、追従制御の終了条件が成立したと判定された場合(ステップS1083−Y)にはステップS1084に進み、そうでない場合(ステップS1083−N)には図15の制御フローは終了される。
ステップS1084では、回生増加フラグXKUPがオフとされる。ステップS1084が実行されると、図15の制御フローは終了される。
次に、図16を参照して、回生量の選択処理(上記図14のステップS110)の詳細について説明する。
まず、ステップS1101にて、回生増加フラグXKUPがオンであるか否かが判定される。その判定の結果、回生増加フラグXKUPがオンである場合(ステップS1101−Y)にはステップS1102に進み、そうでない場合(ステップS1101−N)には、ステップS1103に進む。
ステップS1102では、追従制御における相対車速が大である(回生増加フラグXKUPがオンである)場合の回生量がセットされる。相対車速が大でない(回生増加フラグXKUPがオフである)場合に比べて、回生比率が大きな値に設定される。これにより、相対車速が大でない場合に比べて、バッテリ50への充電量が増加し、バッテリ50の残容量SOCがより大きな値へ上昇する。バッテリ50に充電された回生エネルギーが利用されてモータMG1,MG2によりアシストされることで、追い越し加速時の加速性能が向上する。なお、相対車速が大である場合の回生比率は、相対車速の大きさに応じて設定されることができる。例えば、相対車速と回生量増加判定用相対車速LSPDとの差分に応じて回生比率が設定されることができる。
また、本実施形態では、相対車速が大である場合には、以下に図17を参照して説明するように、バッテリ50の残容量SOCのレベルに応じて、残容量SOCの制限上限値Cmaxまたは制限下限値Cminが変更される。
制限上限値Cmaxとは、バッテリ50が充電される場合の残容量SOCの上限として設定される値であり、残容量SOCが制限上限値Cmaxに達した場合には、バッテリ50への充電が終了される。制限上限値Cmaxは、例えば、効率良くバッテリ50に充電することのできる残容量SOCの範囲に基づいて設定される。
制限下限値Cminとは、バッテリ50の残容量SOCの下限として設定される値であり、残容量SOCが制限下限値Cmin以下に低下した場合には、エンジン22が始動されてエンジン22の出力によるバッテリ50への充電が開始される。
本実施形態では、相対車速が大であり、かつ残容量SOCが大である(残容量SOCが制限上限値Cmaxに近い値である)場合には、図17に符号Y1で示すように、相対車速が大でない場合に比べて、制限上限値Cmaxが大きな値に設定される。符号Cmax1は、相対車速が大である場合の制限上限値Cmaxの設定値を、符号Cmax0は、相対車速が大でない場合の制限上限値Cmaxの設定値を、それぞれ示す。制限上限値Cmaxの変更量(Cmax0とCmax1との差)は、例えば、バッテリ50への充電効率等に基づいて設定されることができる。相対車速が大である場合には、そうでない場合に比べて、その後の追い越し加速時に消費される分を見越して、バッテリ50の残容量SOCがより大きな値となるまで充電が継続されることができる。その結果、制限上限値Cmaxが変更されない場合に比べて、追い越し開始時及び追い越し後におけるバッテリ50の残容量がより大きな値であることができる。よって、減速エネルギーを有効活用して燃費を改善することができる。
本実施形態では、相対車速が大であり、かつ残容量SOCが小である(残容量SOCが制限下限値Cminに近い値である)場合には、図17に符号Y2で示すように、相対車速が大でない場合に比べて、制限下限値Cminが小さな値に設定される。符号Cmin1は、相対車速が大である場合の制限下限値Cminの設定値を、符号Cmin0は、相対車速が大でない場合の制限下限値Cminの設定値を、それぞれ示す。制限下限値Cminの変更量(Cmin0とCmin1との差)は、例えば、バッテリ50への充電効率等に基づいて設定されることができる。相対車速が大である場合には、そうでない場合に比べて、バッテリ50の残容量SOCがより小さな値となるまでエンジン22が始動されず、回生制動により発電される電力にてバッテリ50が充電される。本実施形態では、相対車速が大である場合には回生比率が高められるため、回生エネルギーにより、残容量SOCを十分に回復させることが可能である。例えば、残容量が一時的にCmin0で示す値よりも低下していたとしても、回生によりCmin0まで回復させることができる。このような場合に、充電のためのエンジン22の運転が可能な限り抑制されることにより、燃費の改善が実現されることができる。
ステップS1102において、相対車速が大である場合の回生量がセットされると、図16の制御フローは終了される。
ステップS1103では、追従制御における通常時の回生量がセットされる。相対車速が大でない場合の回生比率で制動制御が行われる。また、制限上限値Cmaxは、相対車速が大でない場合の制限上限値Cmax0に設定される。制限下限値Cminは、相対車速が大でない場合の制限下限値Cmin0に設定される。ステップS1103が実行されると、図16の制御フローは終了される。
(第1実施形態の第1変形例)
第1実施形態の第1変形例について説明する。
上記第1実施形態(図15)では、相対車速に基づいて回生条件(回生比率、制限上限値Cmax,制限下限値Cmin)を変更するか否かが判定された(ステップS1080からS1082)が、回生条件を変更するか否かを判定するための要素はこれには限定されない。例えば、コーナー制御が行われる場合の目標減速度に基づいて回生条件を変更するか否かが判定されることができる。コーナーに進入する際に大きな減速度で制動制御が行われる場合には、コーナー脱出時に大きな加速度が必要とされると考えられる。
この場合、ステップS1071では、コーナーの情報に基づく制御の開始条件の判定処理が行われる。ステップS1075及びステップS1076において、先方のコーナーまでの距離やコーナーの曲がり度合いなどが算出され、算出された結果に基づいてステップS1077において目標減速度の算出処理が実行される。
ステップS1080では、ステップS1077で算出された目標減速度に基づいて回生増加フラグXKUPをオンとするか否かが判定される。例えば、予め定められた閾値よりも目標減速度が大きい場合にはステップS1082において回生増加フラグXKUPがオンとされ、そうでない場合にはステップS1081において回生増加フラグXKUPがオフとされる。その他の動作については、上記第1実施形態と同様である。
(第1実施形態の第2変形例)
第1実施形態の第2変形例について説明する。
上記第1実施形態(図15)の相対車速に代えて、信号機の情報に基づく制動制御における目標減速度に応じて回生条件が変更されることができる。
この場合、ステップS1071では、信号機の情報に基づく制御の開始条件の判定処理が行われる。また、ステップS1075及びステップS1076では、先方の信号機までの距離や先方の信号機の状態(例えば、停止信号(赤信号))等が算出または取得される。信号機の状態は、例えば、路車間通信等により取得されることができる。ステップS1077では、算出または取得された信号機の情報に基づいて目標減速度の算出処理が実行される。
ステップS1080では、ステップS1077で算出された目標減速度に基づいて回生増加フラグXKUPをオンとするか否かが判定される。例えば、予め定められた閾値よりも目標減速度が大きい場合にはステップS1082において回生増加フラグXKUPがオンとされ、そうでない場合にはステップS1081において回生増加フラグXKUPがオフとされる。なお、ステップS1080において、目標減速度に代えて、または目標減速度に加えて、信号機の表示が赤信号から青信号に変わるまでの時間に基づいて回生増加フラグXKUPをオンとするか否かが判定されてもよい。例えば、青信号に変わるまでの時間に基づいて、制動制御の途中で青信号に変わり再加速が行われると予測される場合に、回生増加フラグXKUPがオンとされることができる。その他の動作については、上記第1実施形態と同様である。
(第1実施形態の第3変形例)
第1実施形態の第3変形例について説明する。
上記第1実施形態(図15)の相対車速に代えて、ETC(料金所)の情報に基づく制動制御における目標減速度に応じて回生条件が変更されることができる。
この場合、ステップS1071では、ETC(料金所)の情報に基づく制御の開始条件の判定処理が行われる。また、ステップS1075及びステップS1076では、先方のETCまでの距離や自車速等が算出される。ステップS1077では、ステップS1075及びステップS1076で算出された結果に基づいて目標減速度の算出処理が実行される。
ステップS1080では、ステップS1077で算出された目標減速度に基づいて回生増加フラグXKUPをオンとするか否かが判定される。例えば、予め定められた閾値よりも目標減速度が大きい場合にはステップS1082において回生増加フラグXKUPがオンとされ、そうでない場合にはステップS1081において回生増加フラグXKUPがオフとされる。その他の動作については、上記第1実施形態と同様である。
(第1実施形態の第4変形例)
第1実施形態の第4変形例について説明する。
上記第1実施形態では、回生エネルギーがバッテリ50に充電される場合について説明したが、回生エネルギーが充電される蓄電部はこれには限定されない。バッテリ50に代えてキャパシタに回生エネルギーが充電されることができる。
本発明の車両用制駆動力制御装置の第1実施形態の動作を示すフローチャートである。 本発明の車両用制駆動力制御装置の第1実施形態において、ドライバー要求ペラシャフトトルクを算出するためのマップである。 本発明の車両用制駆動力制御装置の第1実施形態において、ドライバー要求エンジン回転数を算出するためのマップである。 本発明の車両用制駆動力制御装置の第1実施形態において、ドライバー要求変速段を算出するためのマップである。 本発明の車両用制駆動力制御装置の第1実施形態において、ドライバー要求変速段を算出するための他のマップである。 本発明の車両用制駆動力制御装置の第1実施形態において、変速段規制時の目標ペラトルクの例を示す図である。 本発明の車両用制駆動力制御装置の第1実施形態の効果を説明するための図である。 本発明の車両用制駆動力制御装置の第1実施形態において、ドライバー要求変速段を算出するための他のマップである。 本発明の車両用制駆動力制御装置の第1実施形態の概略構成を示すブロック図である。 本発明の車両用制駆動力制御装置の第1実施形態において、動力分配統合機構の共線図である。 本発明の車両用制駆動力制御装置の第1実施形態において、道路勾配と目標変速段の関係を示すマップである。 本発明の車両用制駆動力制御装置の第1実施形態において、コーナーの曲がり度合いに応じた目標変速段を示すマップである。 本発明の車両用制駆動力制御装置の第1実施形態において、前方車両との相対的位置関係に応じた変速段を示すマップである。 本発明の車両用制駆動力制御装置の第1実施形態の他の動作を示すフローチャートである。 本発明の車両用制駆動力制御装置の第1実施形態のさらに他の動作を示すフローチャートである。 本発明の車両用制駆動力制御装置の第1実施形態のさらに他の動作を示すフローチャートである。 本発明の車両用制駆動力制御装置の第1実施形態におけるバッテリの残容量の制限上限値及び制限下限値について説明するための図である。
符号の説明
20 ハイブリッド自動車
22 エンジン
24 エンジンECU
26 クランクシャフト
28 ダンパ
30 動力分配統合機構
31 サンギヤ
32 リングギヤ
32a リングギヤ軸
33 ピニオンギヤ
34 キャリア
35 減速ギヤ
40 モータECU
41 インバータ
42 インバータ
43 回転位置検出センサ
44 回転位置検出センサ
50 バッテリ
51 温度センサ
52 バッテリECU
54 電力ライン
60 ギヤ機構
62 デファレンシャルギヤ
63a 駆動輪
63b 駆動輪
70 ハイブリッド用電子制御ユニット
72 CPU
74 ROM
76 RAM
80 イグニッションスイッチ
81 シフトレバー
82 シフトポジションセンサ
83 アクセルペダル
84 アクセルペダルポジションセンサ
85 ブレーキペダル
88 車速センサ
BP ブレーキペダルポジション
Cmax 制限上限値
Cmin 制限下限値
LSPD 回生量増加判定用相対車速
XAIZEN AI−SHIFT制御前提条件フラグ
XDIST 追従制御実行フラグ
XKUP 回生増加フラグ

Claims (5)

  1. 機械制動と回生制動とにより車両を制動する車両用制駆動力制御装置であって、
    前記回生制動により発電される電力が充電される蓄電部と、
    前記蓄電部から供給される電力で前記車両を駆動する駆動手段と、
    走行環境を検出する走行環境検出手段と、
    前記走行環境検出手段により検出された前記走行環境に応じて前記車両を制動するにあたり、前記走行環境に基づいて前記制動後の加速時における要求駆動力を推定する推定手段とを備え、
    前記推定された前記要求駆動力に基づいて、前記車両を制動する際の全体の制動力における前記回生制動による制動力の比率が可変に設定される
    ことを特徴とする車両用制駆動力制御装置。
  2. 請求項1記載の車両用制駆動力制御装置において、
    前記走行環境に応じて前記車両を制動するときの制動力に基づいて前記要求駆動力が推定される
    ことを特徴とする車両用制駆動力制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両用制駆動力制御装置において、
    前記回生制動による制動力の比率が高められる場合には、前記回生制動による制動力の比率が高められない場合に比べて、前記蓄電部に対してより大きな充電量となるまで充電を行うことが許可される
    ことを特徴とする車両用制駆動力制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用制駆動力制御装置において、
    前記回生制動による制動力の比率が高められる場合には、前記回生制動による制動力の比率が高められない場合に比べて、前記蓄電部の充電量がより小さな値となるまで前記車両に搭載された内燃機関の前記蓄電部に充電するための運転を開始しない
    ことを特徴とする車両用制駆動力制御装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の車両用制駆動力制御装置において、
    前記走行環境には、前記車両の前方の先行車と前記車両との相対車速、前記車両の前方のコーナーの情報、前記車両の前方の信号機の情報、前記車両の前方の料金所の情報、及び前記車両の前方のETCの情報の少なくともいずれか1つが含まれる
    ことを特徴とする車両用制駆動力制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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