JP2008143426A - 車両およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】道路の勾配が平坦でないときでも、平坦なときに近い感覚で運転者が運転できるようにすること。
【解決手段】検出された道路勾配θが所定の閾値θref1以下のときは、同一のアクセル開度Accおよび同一の車速Vに対して、道路勾配θが閾値θref1から閾値θref2の範囲内の時に設定される要求トルクTr*よりも小さなトルクが要求トルクTr*として設定される下り時要求トルク設定用マップを用いて要求トルクTr*を設定し、所定の閾値θref2以上のときは、同一のアクセル開度Accおよび同一の車速Vに対して、道路勾配θが閾値θref1から閾値θref2の範囲内の時に設定される要求トルクTr*よりも大きなトルクが要求トルクTr*として設定される上り時要求トルク設定用マップを用いて要求トルクTr*を設定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両およびその制御方法に関する。
従来、車両としては、例えば特許文献1に開示されているように、道路勾配に応じてアクセルペダルストロークとモータ回転指令周波数との関係を変更するものが知られている。この車両では、カンチレバー方式の加速度センサと車速センサとを用いて、道路勾配の正弦の値を求め、その値が大きくなるほど、同じアクセルペダルストロークであってもモータ回転指令周波数が小さくなるように設定することによって、相対的にトルクを上昇させつつ走行用モータの過負荷を回避するという制御が行なわれている。
特開平7−177609号公報
しかしながら、上述の車両では、平坦な道路から上り勾配の道路へ入るとモータ回転指令周波数を小さくするため、車両の走行速度が減少していくこととなっていた。また、下り勾配の道路を走行する場合については考慮されていなかった。
本発明の車両およびその制御方法は、道路の勾配が平坦でないときでも、平坦なときに近い感覚で運転者が運転できるようにすることを目的とする。
本発明の車両およびその制御方法は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の車両は、
内燃機関と、
内燃機関の動力を変速比無段階に変化させて車軸に出力可能なトルク変換手段と、
運転者の操作によるアクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、
車速を検出する車速検出手段と、
道路勾配を検出する勾配検出手段と、
前記道路勾配が平坦であるものとしたときの要求駆動力に前記道路勾配により車両の前後方向に働く力を打ち消す方向に作用する傾向を示す駆動力を加えたものとなるように、前記検出されたアクセル開度と前記検出された車速と前記検出された道路勾配とに基づいて要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記設定された要求駆動力に基づく動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記トルク変換手段とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の車両では、道路勾配が平坦であるものとしたときの要求駆動力に道路勾配により車両の前後方向に働く力を打ち消す方向に作用する傾向を示す駆動力を加えたものとなるように、検出されたアクセル開度と検出された車速と検出された道路勾配とに基づいて要求駆動力を設定し、設定された要求駆動力に基づく動力が車軸に出力されるよう内燃機関とトルク変換手段とを制御する。こうすることにより、同じアクセル開度に対して、道路の勾配が平坦でないときでも、平坦なときに近い感覚で運転者が運転できるようにすることができる。なお、車両の前後方向に働く力を打ち消す方向に作用する傾向を示す駆動力を加えたものとなるようにとは、どのような道路勾配に対しても車両の前後方向に働く力を打ち消す方向に作用する駆動力を常に加えたものとなるような場合と、一定の範囲の道路勾配に対して車両の前後方向に働く力を打ち消す方向に作用する駆動力を加えたものとなるような場合とを含む。
こうした本発明の車両において、前記要求駆動力設定手段は、前記検出されたアクセル開度と前記検出された車速と前記検出された道路勾配とに基づいて要求駆動力を設定するにあたり、前記検出された道路勾配が上りのとき、前記道路勾配が平坦であるものとしたときの要求駆動力よりも大きな駆動力を要求駆動力として設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、上り坂において、大きな駆動力を出力するから平坦なときに近い感覚で運転者が運転できるようにすることができる。このとき、前記要求駆動力設定手段は、前記検出された道路勾配が上りのとき、前記道路勾配が平坦であるものとしたときの要求駆動力よりも大きな駆動力を要求駆動力として設定するにあたり、前記検出された道路勾配の上り勾配が大きくなるほどより大きくなるような傾向に前記要求駆動力を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、上り坂において、勾配に応じて大きな駆動力を出力するから平坦なときにより近い感覚で運転者が運転できるようにすることができる。
あるいは、前記要求駆動力設定手段は、前記検出されたアクセル開度と前記検出された車速と前記検出された道路勾配とに基づいて要求駆動力を設定するにあたり、前記検出された道路勾配が下りのとき、前記道路勾配が平坦であるものとしたときの要求駆動力よりも小さな駆動力を要求駆動力として設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、下り坂において、小さな駆動力を出力するから平坦なときに近い感覚で運転者が運転できるようにすることができる。このとき、前記要求駆動力設定手段は、前記検出された道路勾配が下りのとき、前記道路勾配が平坦であるものとしたときの要求駆動力よりも小さな駆動力を要求駆動力として設定するにあたり、前記検出された道路勾配の下り勾配が大きくなるほどより小さくなるような傾向に前記要求駆動力を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、下り坂において、勾配に応じて小さな駆動力を出力するから平坦なときにより近い感覚で運転者が運転できるようにすることができる。
本発明の車両において、前記トルク変換手段は、前記内燃機関の出力軸と該出力軸に対して独立に回転可能であり前記車軸に連結された駆動軸とに接続され、電力の入出力と前記出力軸および前記駆動軸への駆動力の入出力とを伴って前記駆動軸に対する前記出力軸の回転数を調整可能な回転調整手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記回転調整手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備える手段であり、前記制御手段は、前記設定された要求駆動力に基づく動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記回転調整手段と前記電動機とを制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、道路勾配が上りのときは電動機から出力される駆動力を利用し、また、道路勾配が下りのときは電動機を発電機として用いたときの制動力を利用することによって、電動機を用いない場合と比べて容易に要求駆動力に基づく動力を駆動軸に出力することができる。この場合、前記回転調整手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と第3の軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記第3の軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える手段であるものとすることもできる。
本発明の車両において、アクセル開度と車速と要求駆動力との3次元関係を、前記道路勾配が平坦であるものとしたときと道路勾配により車両の前後方向に力が働くときの少なくとも2つ記憶する記憶手段を備え、前記要求駆動力設定手段は、前記検出された道路勾配に対応する前記3次元関係を用いて、前記検出されたアクセル開度と前記検出された車速とに基づいて要求駆動力を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、比較的容易に要求トルクを設定することができる。このとき、前記記憶手段は、前記道路勾配が0度を含む所定の範囲のときの前記3次元関係である平坦時3次元関係と、前記道路勾配が前記所定の範囲を上回るときの前記3次元関係である上り時3次元関係と、前記道路勾配が前記所定の範囲を下回るときの前記3次元関係である下り時3次元関係とを記憶している手段であり、前記要求駆動力設定手段は、前記検出された道路勾配が前記所定の範囲のときは、前記平坦時3次元関係を用いて、前記検出されたアクセル開度と前記検出された車速とに基づいて要求駆動力を設定し、前記検出された道路勾配が前記所定の範囲を上回るときは、前記上り時3次元関係を用いて、前記検出されたアクセル開度と前記検出された車速とに基づいて要求駆動力を設定し、前記検出された道路勾配が前記所定の範囲を下回るときは、前記下り時3次元関係を用いて、前記検出されたアクセル開度と前記検出された車速とに基づいて要求駆動力を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、用いる3次元関係を切り替えることによる処理の負荷を多数の3次元関係を用いる場合に比べて低減することができる。なお、所定の範囲は、例えば予め実験等により同一のアクセル踏み込み量および同一の車速に対しての、道路勾配と、車両の加減速に対する運転者の満足感との関係を統計的に求め、その実験結果に基づいて設定するようにしてもよい。
本発明の車両の制御方法は、内燃機関と、内燃機関の動力を変速比無段階に変化させて車軸に出力可能なトルク変換手段と、運転者の操作によるアクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、道路勾配を検出する勾配検出手段と、を備える車両の制御方法であって、
(a)前記道路勾配が平坦であるものとしたときの要求駆動力に前記道路勾配により車両の前後方向に働く力を打ち消す方向に作用する傾向を示す駆動力を加えたものとなるように、前記検出されたアクセル開度と前記検出された車速と前記検出された道路勾配とに基づいて要求駆動力を設定し、
(b)前記設定された要求駆動力に基づく動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記トルク変換手段とを制御する、
ことを要旨とする。
この本発明の車両の制御方法では、道路勾配が平坦であるものとしたときの要求駆動力に道路勾配により車両の前後方向に働く力を打ち消す方向に作用する傾向を示す駆動力を加えたものとなるように、検出されたアクセル開度と検出された車速と検出された道路勾配とに基づいて要求駆動力を設定し、設定された要求駆動力に基づく動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関とトルク変換手段とを制御する。こうすることにより、同じアクセル開度に対して、道路の勾配が平坦でないときでも、平坦なときに近い感覚で運転者が運転できるようにすることができる。なお、本発明の車両の制御方法において、上述した車両が備える各種構成の作用・機能を実現するようなステップを追加してもよい。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、ハイブリッド自動車20全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムや各種マップを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,車両の前後方向の道路勾配を検出する勾配センサ89からの車両の前後方向の道路勾配θなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に運転者がアクセルペダル83を操作して道路を走行中の際の動作について説明する。図2は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,エンジン22の回転数Ne,バッテリ50の入出力制限Win,Wout,勾配センサ89からの道路勾配θなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、エンジン22の回転数Neはクランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいて計算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。さらに、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、温度センサ51により検出されたバッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力した道路勾配θの値を判定する(ステップS110)。道路勾配θが所定の閾値θref1(例えば、−5度)から所定の閾値θref2(例えば、+5度)の範囲内であると判定したときには、道路が平坦である時の制御を行うと判断し、平坦時要求トルク設定用マップを用いてアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定する(ステップS120)。ここで、平坦時要求トルク設定用マップは、車両の平坦時における動特性と燃費とを両立するものとしてアクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を実験などにより定めて得られるマップであり、例えば図3(b)に例示されるものである。この図において負の要求トルクTr*は制動力を表わしており、この値が小さいほど大きな制動力である。実施例では、要求トルクTr*は、上述した平坦時要求トルク設定用マップを予めROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出することにより設定するものとした。ステップS110において、道路勾配θが所定の閾値θref1以下であると判定したときには、道路が下り坂である時の制御を行うと判断し、下り時要求トルク設定用マップを用いてアクセル開度Accと車速Vとに基づいてリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定する(ステップS130)。ここで、下り時要求トルク設定用マップでは、平坦時要求トルク設定用マップで設定される要求トルクよりも小さな要求トルクが設定されるように定められたものであり、例えば図3(a)に例示されるものである。実施例では、要求トルクTr*は、上述した下り時要求トルク設定用マップを予めROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出することにより設定するものとした。このように車両が下り坂にあるときは、平坦時要求トルク設定用マップを用いて設定される要求トルクに、下り勾配によってハイブリッド自動車20の前向きに働く力を打ち消す方向に作用するトルクを加えたものとなるように要求トルクTr*を設定するのである。ステップS110において、道路勾配θが所定の閾値θref2以上であると判定したときには、道路が上り坂である時の制御を行うと判断し、上り時要求トルク設定用マップを用いてアクセル開度Accと車速Vとに基づいてリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定する(ステップS130)。ここで、上り時要求トルク設定用マップでは、平坦時要求トルク設定用マップで設定される要求トルクよりも大きな要求トルクが設定されるように定められたものであり、例えば図3(c)に例示されるものである。実施例では、要求トルクTr*は、上述した下り時要求トルク設定用マップを予めROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出することにより設定するものとした。このように車両が上り坂にあるときは、平坦時要求トルク設定用マップを用いて設定される要求トルクに、上り勾配によってハイブリッド自動車20の後ろ向きに働く力を打ち消す方向に作用するトルクを加えたものとなるように要求トルクTr*を設定するのである。
そして、ステップS120のあと又は、ステップS130のあと又は、ステップS140のあと、設定された要求トルクTr*に基づいて、エンジン22に要求される要求パワーPe*を設定する(ステップS150)。要求パワーPe*は、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じることによって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ることによって求めることができる。
続いて、設定した要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS160)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図5に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
次に、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS170)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図6に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/(Gr・ρ) (1)
Tm1*=前回Tm1*+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
こうしてモータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを計算すると、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと計算したモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを次式(3)および式(4)により計算すると共に(ステップS180)、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρを用いてモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを式(5)により計算し(ステップS190)、計算したトルク制限Tmin,Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値としてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS200)。このようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力する要求トルクTr*を、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で制限したトルクとして設定することができる。なお、式(5)は、前述した図6の共線図から容易に導き出すことができる。
Tmin=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (3)
Tmax=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (5)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS210)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
このように、検出された道路勾配θが所定の閾値θref1以下のときつまり下り坂のときは、駆動軸に出力されるトルクが平坦時の時よりも小さくなる。よって、運転者が平坦な道路を走行中と同程度のアクセル操作を行ったとしてもハイブリッド自動車20は下り坂において平坦時と同じような感覚で走行する動力を出力する。また、所定の閾値θref2以上のときつまり上り坂のときは、駆動軸に出力されるトルクが平坦時のときよりも大きくなる。よって、運転者が平坦な道路を走行中と同程度のアクセル操作を行ったとしてもハイブリッド自動車20は上り坂において平坦時と同じような感覚で走行する動力を出力する。
以上詳述した本実施例のハイブリッド自動車20によれば、検出された道路勾配θが所定の閾値θref1以下のときは、同一のアクセル開度Accおよび同一の車速Vに対して、道路勾配θが閾値θref1から閾値θref2の範囲内の時に設定される要求トルクTr*よりも小さなトルクが要求トルクTr*として設定されるROM74に記憶されている下り時要求トルク設定用マップを用いてアクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定し、検出された道路勾配θが所定の閾値θref2以上のときは、同一のアクセル開度Accおよび同一の車速Vに対して、道路勾配θが閾値θref1から閾値θref2の範囲内の時に設定される要求トルクTr*よりも大きなトルクが要求トルクTr*として設定されるROM74に記憶されている上り時要求トルク設定用マップを用いてアクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定する。そして、設定された要求トルクTr*が駆動輪63a,63bの接続された車軸に連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるよう、エンジン22には目標回転数Ne*および目標トルクTe*を送信し、モータMG1,MG2にはそれぞれトルク指令Tm1*,Tm2*を送信する。したがって、同じアクセル開度に対して、道路の勾配が平坦でないとき、すなわち上り坂や下り坂のときでも、平坦なときに近い感覚で運転者が運転できるようにすることができる。また、平坦時要求トルク設定用マップと上り時要求トルク設定用マップと下り時要求トルク設定用マップの3種類の要求トルク設定用マップのみを用いるから、多数の要求トルク設定用マップを用いる場合に比べてCPU72の処理の負荷を低減することができる。更にまた、モータMG2からも駆動軸としてのリングギヤ軸32aにトルクを出力することができるから、道路勾配θが所定の閾値θref2以上のときはモータMG2から出力されるトルクを利用し、また、道路勾配θが所定の閾値θref1以下のときはモータMG2を発電機として利用したときの制動力を利用することによって、モータMG2を用いない構成の車両に比べて容易に要求トルクTr*に基づく動力を駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、道路勾配θが所定の閾値θref1以下のときつまり下り坂のときは下り時要求トルク設定用マップを用いて要求トルクを設定し、所定の閾値θref2以上のときつまり上り坂のときは上り時要求トルク設定用マップを用いて要求トルクを設定するものとしたが、下り坂のときのみ下り時要求トルク設定用マップを用いて要求トルクTr*を設定するものとしてもよいし、上り坂のときのみ上り時要求トルク設定用マップを用いて要求トルクTr*を設定するものとしてもよい。
実施例では、勾配検出手段89によって検出された道路勾配θが所定の閾値θref1以下のときは図3(a)に示す下り時要求トルク設定用マップを用いて要求トルクTr*を設定するものとしたが、道路勾配θが閾値θref1以下のとき、道路勾配θの値が小さくなるほどより小さな要求トルクTr*を設定するものとしてもよい。例えば、2種類以上の下り時要求トルク設定用マップを用いて要求トルクTr*を設定するものとしてもよい。ここで、2種類の下り時要求トルク設定用マップを用いる場合の一例を図2および図6を用いて説明する。図2の駆動制御ルーチンのステップS110の処理で、検出された道路勾配θが所定の閾値θref1以下と判定されたとき、図6に示すように、更に、道路勾配θが閾値θref1よりも小さい所定の閾値θref3以下か否かを判定する(ステップS220)。そして、道路勾配θが閾値θref3以下でないと判定されたときは、図3(a)に示す下り時要求トルク設定用マップを用いて要求トルクを設定し(ステップS130)、道路勾配θが閾値θref3以下であると判定されたときは、同一のアクセル開度Accおよび同一の車速Vに対して、下り時要求トルク設定用マップを用いて設定される要求トルクTr*よりも小さなトルクが要求トルクTr*として設定される図示しない第2下り時要求トルク設定用マップを用いて要求トルクTr*を設定する。こうすれば、下り坂において、平坦なときにより近い感覚で運転者が運転できるようにすることができる。ここで、所定の閾値θref3は、閾値θref1よりも小さな値として予め設定されるものとする。なお、検出された道路勾配θが所定の閾値θref2以上のとき、つまり上り坂のときも同様である。
実施例のハイブリッド自動車20では、道路勾配θが所定の閾値θref1以下のとき、または、所定の閾値θref2以上のときに利用する予め用意された要求トルク設定用マップを利用して要求トルクTr*を設定するものとしたが、道路勾配θが閾値θref1から閾値θref2の範囲内であるときの平坦時要求トルク設定用マップによって求められる値を所定の引き上げ量だけ修正した値を要求トルクTr*として設定するものとしてもよい。このとき、この引き上げ量の例を図7に示す。図示するように、引き上げ量が道路勾配θに比例するもの(実線)としてもよいし、ステップ状に変化するもの(破線)としてもよいし、勾配の符号によって勾配の変化に対する引き上げ量の変化を変えるもの(2点鎖線)としてもよいし、勾配が正の側に大きくなるにしたがって引き上げ量の増加量が少なくなり勾配が負側に大きくなるにしたがって引き上げ量の減少量が少なくなるもの(点線)としてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、勾配センサ89により道路勾配θを検出するものとしたが、勾配センサ89に代えて車両の前後方向の加速度を検出するGセンサを取り付けてこのGセンサにより検出された値などに基づいて道路勾配θを計算して求めるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図8の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図10における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図9の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
実施例ではハイブリッド自動車20について説明したが、アクセル開度Accと車速Vとを用いて要求駆動力を設定するものであれば特にこれに限定されず、例えば図10に示すようにエンジン22の出力軸であるクランクシャフト26にトルクコンバータ330を介して無段変速機340(例えばCVT式やトロイダル式など)を接続した自動車320に本発明を適用してもよい。この自動車320では、自動車320の図示しないコントローラは、図2の駆動制御ルーチンのステップS100〜S160の処理に準じた処理を実行し、上り坂のときは平坦時より大きな値に設定され下り坂のときは平坦時より小さな値に設定された要求トルクに基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを導出する。そして、エンジン22の目標回転数Ne*と、図示しない回転数センサによって検出された無段変速機340の車軸側の出力軸の回転数と、の比を無段変速機340の目標ギヤ比r*として算出し、この目標ギヤ比r*となるよう無段変速機340を制御すると共に、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転するようエンジン22を制御する。
ここで、実施例や変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、エンジン22からの動力をトルク変換して駆動輪63a,63bの接続された車軸に連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに伝達することができる動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とバッテリ50とが「トルク変換手段」に相当し、運転者の操作によるアクセル開度Accを検出するアクセルポジションセンサ86が「アクセル開度検出手段」に相当し、車速Vを検出する車速センサ88が「車速検出手段」に相当し、道路勾配θを検出する勾配センサ89が「勾配検出手段」に相当し、検出された道路勾配θが所定の閾値θref1から所定の閾値θref2の範囲内のとき図3(b)に例示する平坦時要求トルク設定用マップを用いて要求トルクTr*を設定する図2の駆動制御ルーチンのステップS120の処理を実行し、検出された道路勾配θが所定の閾値θref1以下のとき図3(a)に例示する下り時要求トルク設定用マップを用いて要求トルクTr*を設定する図2の駆動制御ルーチンのステップS130の処理を実行し、検出された道路勾配θが所定の閾値θref2以上のとき図3(c)に例示する上り時要求トルク設定用マップを用いて要求トルクTr*を設定する図2の駆動制御ルーチンのステップS140の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「要求駆動力設定手段」に相当し、要求トルクTr*に基づいて要求パワーPe*を設定すると共にこの設定した要求パワーPe*をエンジン22から効率よく出力する動作ラインを用いてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定し、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とで運転されると共に要求トルクTr*が駆動輪63a,63bの接続された車軸に連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してエンジン22とモータMG1,MG2を制御するハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とモータECU40とが「制御手段」に相当する。また、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、ROM74が「記憶手段」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、実施例の要素をもって課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 平坦時要求トルク設定用マップや上り時要求トルク設定用マップ,下り時要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する様子を示す説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 道路勾配が下りの時の要求トルク設定用マップを道路勾配に応じて2種類用意する場合の、駆動制御ルーチンの一例の一部を示す説明図である。 要求トルク引き上げ量の例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。 他の自動車320の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35,減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b,64a,64b 駆動輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、89 勾配センサ、MG1,MG2 モータ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、320 自動車、330 トルクコンバータ、340 無段変速機。

Claims (10)

  1. 内燃機関と、
    内燃機関の動力を変速比無段階に変化させて車軸に出力可能なトルク変換手段と、
    運転者の操作によるアクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、
    車速を検出する車速検出手段と、
    道路勾配を検出する勾配検出手段と、
    前記道路勾配が平坦であるものとしたときの要求駆動力に前記道路勾配により車両の前後方向に働く力を打ち消す方向に作用する傾向を示す駆動力を加えたものとなるように、前記検出されたアクセル開度と前記検出された車速と前記検出された道路勾配とに基づいて要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記設定された要求駆動力に基づく動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記トルク変換手段とを制御する制御手段と、
    を備える車両。
  2. 前記要求駆動力設定手段は、前記検出されたアクセル開度と前記検出された車速と前記検出された道路勾配とに基づいて要求駆動力を設定するにあたり、前記検出された道路勾配が上りのとき、前記道路勾配が平坦であるものとしたときの要求駆動力よりも大きな駆動力を要求駆動力として設定する手段である、
    請求項1に記載の車両。
  3. 前記要求駆動力設定手段は、前記検出された道路勾配が上りのとき、前記道路勾配が平坦であるものとしたときの要求駆動力よりも大きな駆動力を要求駆動力として設定するにあたり、前記検出された道路勾配の上り勾配が大きくなるほどより大きくなるような傾向に前記要求駆動力を設定する手段である、
    請求項2に記載の車両。
  4. 前記要求駆動力設定手段は、前記検出されたアクセル開度と前記検出された車速と前記検出された道路勾配とに基づいて要求駆動力を設定するにあたり、前記検出された道路勾配が下りのとき、前記道路勾配が平坦であるものとしたときの要求駆動力よりも小さな駆動力を要求駆動力として設定する手段である、
    請求項1〜3のいずれかに記載の車両。
  5. 前記要求駆動力設定手段は、前記検出された道路勾配が下りのとき、前記道路勾配が平坦であるものとしたときの要求駆動力よりも小さな駆動力を要求駆動力として設定するにあたり、前記検出された道路勾配の下り勾配が大きくなるほどより小さくなるような傾向に前記要求駆動力を設定する手段である、
    請求項4に記載の車両。
  6. 前記トルク変換手段は、前記内燃機関の出力軸と該出力軸に対して独立に回転可能であり前記車軸に連結された駆動軸とに接続され、電力の入出力と前記出力軸および前記駆動軸への駆動力の入出力とを伴って前記駆動軸に対する前記出力軸の回転数を調整可能な回転調整手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記回転調整手段および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備える手段であり、
    前記制御手段は、前記設定された要求駆動力に基づく動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記回転調整手段と前記電動機とを制御する手段である、
    請求項1〜5のいずれかに記載の車両。
  7. 前記回転調整手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と第3の軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記第3の軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える手段である、
    請求項6に記載の車両。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の車両であって、
    アクセル開度と車速と要求駆動力との3次元関係を、前記道路勾配が平坦であるときと道路勾配により車両の前後方向に力が働くときの少なくとも2つ記憶する記憶手段を備え、
    前記要求駆動力設定手段は、前記検出された道路勾配に対応する前記3次元関係を用いて、前記検出されたアクセル開度と前記検出された車速とに基づいて要求駆動力を設定する手段である、
    車両。
  9. 前記記憶手段は、前記道路勾配が0度を含む所定の範囲のときの前記3次元関係である平坦時3次元関係と、前記道路勾配が前記所定の範囲を上回るときの前記3次元関係である上り時3次元関係と、前記道路勾配が前記所定の範囲を下回るときの前記3次元関係である下り時3次元関係とを記憶している手段であり、
    前記要求駆動力設定手段は、前記検出された道路勾配が前記所定の範囲のときは、前記平坦時3次元関係を用いて、前記検出されたアクセル開度と前記検出された車速とに基づいて要求駆動力を設定し、前記検出された道路勾配が前記所定の範囲を上回るときは、前記上り時3次元関係を用いて、前記検出されたアクセル開度と前記検出された車速とに基づいて要求駆動力を設定し、前記検出された道路勾配が前記所定の範囲を下回るときは、前記下り時3次元関係を用いて、前記検出されたアクセル開度と前記検出された車速とに基づいて要求駆動力を設定する手段である、
    請求項8に記載の車両。
  10. 内燃機関と、内燃機関の動力を変速比無段階に変化させて車軸に出力可能なトルク変換手段と、運転者の操作によるアクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、道路勾配を検出する勾配検出手段と、を備える車両の制御方法であって、
    (a)前記道路勾配が平坦であるものとしたときの要求駆動力に前記道路勾配により車両の前後方向に働く力を打ち消す方向に作用する傾向を示す駆動力を加えたものとなるように、前記検出されたアクセル開度と前記検出された車速と前記検出された道路勾配とに基づいて要求駆動力を設定し、
    (b)前記設定された要求駆動力に基づく動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記トルク変換手段とを制御する、
    車両の制御方法。
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