以上の例では、加熱手段109にその後流側から空気を誘引することにより送風する場合、加熱手段109内の空気の流れが均一化しにくくなるため効率よく加熱ができず、放湿領域107における放湿が効率良く行えないという不具合があった。さらに、加熱手段109の断熱を十分行うことができず、加熱効率の低下、熱による周囲部品の劣化、等の不具合を生じる可能性があった。
本発明は上記の課題を解決するものであり、加熱手段109における空気の流れを均一化し、加熱の高効率化を図り、効率的に放湿領域107における放湿を行い、効率的に除湿を行える除湿装置を提供することを目的とし、さらに、加熱手段109の信頼性を高め、熱による劣化の不具合を防止し、信頼性の高い除湿装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明が講じた第1の課題解決手段は、冷媒を圧縮する圧縮機(101)と冷媒が供給空気に放熱する放熱器(102)と冷媒を膨張させて減圧する膨張機構(103)と冷媒が供給空気から吸熱する吸熱器(104)とを配管接続した蒸気圧縮式のヒートポンプ(105)と、駆動手段(2)によって回転し吸湿領域(106)では供給空気から吸湿するとともに放湿領域(107)では加熱されて水分を放出するデシカントローター(108)と、前記放湿領域(107)を加熱する加熱手段(109)と、室内空気を前記放熱器(102)、前記加熱手段(109)、前記放湿領域(107)、前記吸熱器(104)、前記吸湿領域の順に供給し室内に吹出すメイン風路(7)と、前記メイン風路(7)で前記加熱手段(109)より後段に配置され、前記加熱手段(109)を周囲雰囲気より負圧状態にすることにより前記メイン風路(7)に送風する送風手段(6)と、を備えた除湿装置において、前記加熱手段(109)は、発熱部(15)と前記発熱部(15)を収容する箱体(17)と、前記箱体(17)の開口面を覆蓋し前記デシカントローター(108)の前記放湿領域(107)に向けて空気取出口(23)を開口した蓋部(18)と、を備え、箱体(17)を扇型に構成し、2つの放射方向の辺の壁にそれぞれ空気取入口(22)を設けるものである。
そして、上記第1の課題解決手段による作用は、加熱手段(109)の後流側から送風手段(6)により空気を誘引することにより加熱手段(109)に空気が供給させるので、空気取入口(22)を複数設けることにより、加熱手段(109)内部における風速分布を改善でき、デシカントローター(108)の放湿領域(107)を均一に加熱するものである。また、加熱手段(109)をデシカントローター(108)の放湿領域(107)にあわせるように箱体(17)を扇形に構成した場合、扇形の箱体(17)の2つの放射方向の辺の壁付近の風速分布が不均一になるので、その扇形の箱体(17)の2つの放射方向の辺の壁付近にそれぞれ空気取入口(22)を設けることにより風速分布の不均一を解消し、デシカントローター(108)の放湿領域(107)を均一に加熱するものである。
また、第2の課題解決手段は、上記第1の課題解決手段において、箱体(17)を扇形に構成し、前記箱体のデシカントローターと反対側の面(33)に空気取入口(22)を設けるものである。
また、第2の課題解決手段による作用は、加熱手段(109)をデシカントローター(108)の放湿領域(107)にあわせるように箱体(17)を扇形に構成した場合、前記箱体のデシカントローターと反対側の面(33)に空気取入口(22)を設けることにより、供給空気を略直線状に箱体(17)に誘引することができ、風速分布の不均一を解消し、デシカントローター(108)の放湿領域(107)を均一に加熱するものである。
また、第3の課題解決手段は、上記第1または2の課題解決手段において、発熱部(15)を支持するとともに、前記発熱部(15)のデシカントローター(108)側の面以外を囲う発熱部支持体(16)を備え、前記発熱部支持体(16)と箱体(17)の間に空気断熱層(30)を設けるものである。
また、第3の課題解決手段による作用は、発熱部(15)を支持するとともに、発熱部(15)のデシカントローター(108)側の面以外を囲う発熱部支持体(16)を備え、発熱部支持体(16)と箱体(17)の間に空気断熱層(30)を設けているので、発熱部(15)からの発熱および輻射の放射が箱体(17)に到達するのを発熱部支持体(16)と空気断熱層(30)でもって遮断するので、発熱部(15)からの熱は効率よくデシカントローター(108)の放湿領域(107)に供給されるものである。
また、第4の課題解決手段は、上記第3の課題解決手段において、発熱部支持体(16)のデシカントローター(108)側以外の面に1つ以上の開口部(21)を設けるものである。
また、第4の課題解決手段による作用は、発熱部支持体(16)のデシカントローター(108)側以外の面に1つ以上の開口部(21)を設けるので、加熱手段(109)の後段側から誘引される空気は、発熱部支持体(16)の開口部(21)から発熱部(15)に流れ、空気断熱層(30)に空気を流すことができ、空気断熱層(30)の断熱効果を高めるものである。
また、第5の課題解決手段は、上記第4の課題解決手段において、発熱部支持体のデシカントローターと反対側の面(34)に1つ以上の開口部(21)を設けるものである。
また、第5の課題解決手段による作用は、発熱部支持体のデシカントローターと反対側の面(34)に1つ以上の開口部(21)を設けることにより、供給空気を略直線状に発熱部(15)に誘引することができ、発熱部(15)における風速分布の不均一を解消でし、デシカントローター(108)の放湿領域(107)を均一に加熱し、また、発熱部(15)の温度が一番高くなる発熱部(15)の中央部に効果的に空気を誘引し、デシカントローター(108)の放湿領域(107)を均一に加熱するものである。
また、第6の課題解決手段は、上記第1乃至第5のいずれかの課題解決手段において、箱体(17)を扇形に構成し、箱体のデシカントローターと反対側の面(33)に空気取入口(22)を設け、発熱部(15)を支持するとともに、前記発熱部(15)のデシカントローター(108)側の面以外を囲う発熱部支持体(16)を備え、前記発熱部支持体のデシカントローターと反対側の面(34)に1つ以上の開口部(21)を設け、前記空気取入口(22)と前記開口部(21)が、前記デシカントローター(108)軸方向から投影して重ならない構成とするものである。
また、第6の課題解決手段による作用は、箱体(17)を扇形に構成し、箱体のデシカントローターと反対側の面(33)に空気取入口(22)を設け、発熱部(15)を支持するとともに、前記発熱部(15)のデシカントローター(108)側の面以外を囲う発熱部支持体(16)を備え、前記発熱部支持体のデシカントローターと反対側の面(34)に1つ以上の開口部(21)を設け、前記空気取入口(22)と前記開口部(21)が、前記デシカントローター(108)軸方向から投影して重ならない構成とするので、加熱手段(109)の上流側から発熱部(15)が直接見えることがなく、発熱部(15)から放射される輻射熱が加熱手段(109)の上流側の風路に到達するのを抑制するものである。
また、第7の課題解決手段は、上記第5または第6の課題解決手段において、開口部(21)はデシカントローター(108)軸方向から投影して、発熱部(15)の略中央に設けるものである。
また、第7の課題解決手段による作用は、発熱部支持体(16)に設ける開口部(21)をデシカントローター(108)軸方向から投影して、発熱部(15)の略中央に配置するので、発熱部(15)において温度が一番高くなる発熱部(15)の中央部に効果的に空気を誘引し、デシカントローター(108)の放湿領域(107)を均一に加熱するものである。
また、第8の課題解決手段は、上記第3乃至第7のいずれかの課題解決手段において、少なくとも発熱部支持体のデシカントローターと反対側の面(34)をパンチングメタル(32)にて構成するものである。
また、第8の課題解決手段による作用は、少なくとも発熱部支持体のデシカントローターと反対側の面(34)をパンチングメタル(32)にて構成するので、発熱部(15)に誘引される空気を均一にすることができ、発熱部(15)における風速分布の不均一を解消し、デシカントローター(108)の放湿領域(107)を均一に加熱するものである。
また、第9の課題解決手段は、上記第1乃至第8のいずれかの課題解決手段において、少なくとも箱体のデシカントローターと反対側の面(33)をパンチングメタル(32)にて構成するものである。
また、第9の課題解決手段による作用は、少なくとも箱体のデシカントローターと反対側の面(33)をパンチングメタル(32)にて構成するので、供給空気を略直線状に箱体(17)に誘引することができる上に、加熱手段(109)に誘引される空気を均一にすることができ、発熱部(15)における風速分布の不均一を解消し、デシカントローター(108)の放湿領域(107)を均一に加熱するものである。
また、第10の課題解決手段は、上記第3乃至第9のいずれかの課題解決手段において、発熱部支持体のデシカントローターと反対側の面(34)をパンチングメタル(32)にて構成し、箱体のデシカントローターと反対側の面33をパンチングメタル(32)にて構成し、前記デシカントローター(108)軸方向から投影して、前記発熱支持体(16)のパンチングメタル(32)の開口穴と前記箱体(17)のパンチングメタル(32)の開口穴が重ならないものである。
また、第10の課題解決手段による作用は、発熱部支持体のデシカントローターと反対側の面(34)をパンチングメタル(32)にて構成し、箱体のデシカントローターと反対側の面33をパンチングメタル(32)にて構成し、前記デシカントローター(108)軸方向から投影して、前記発熱支持体(16)のパンチングメタル(32)の開口穴と前記箱体(17)のパンチングメタル(32)の開口穴が重ならないように配置するので、加熱手段(109)の上流側から発熱部(15)が直接見えることがなく、発熱部(15)から放射される輻射熱が加熱手段(109)の上流側の風路に到達するのを抑制するとともに、供給空気の風速分布の不均一を解消し、デシカントローター(108)の放湿領域(107)を均一に加熱するものである。
また、第11の課題解決手段は、上記第3乃至第10のいずれかの課題解決手段において、発熱部支持体のデシカントローターと反対側の面(34)を発熱部(15)の輻射成分を反射する反射部(26)により構成するものである。
また、第11の課題解決手段による作用は、発熱部支持体のデシカントローターと反対側の面(34)を発熱部(15)の輻射成分を反射する反射部(26)により構成するので、この反射部(26)が発熱部(15)から放射される輻射熱をデシカントローター(108)の放湿領域(107)に向けて反射し、効率よく放湿領域(107)を加熱するとともに、加熱手段(109)の周囲に漏洩する熱を遮断するものである。
本願発明は、かかる構成とすることにより以下に記載されるような効果を奏するものである。
本発明の請求項1記載の除湿装置は、加熱手段(109)の後流側から送風手段(6)により空気を誘引することにより加熱手段(109)に空気が供給させるので、空気取入口(22)を複数設けることにより、加熱手段(109)内部における風速分布を改善でき、デシカントローター(108)の放湿領域(107)を均一に加熱することにより、加熱手段(109)における加熱の高効率化を図り、効率的に放湿領域(107)における放湿を行い、効率的に除湿を行える除湿装置を提供できるという効果を奏する。また、加熱手段(109)をデシカントローター(108)の放湿領域(107)にあわせるように箱体(17)を扇形に構成した場合、扇形の箱体(17)の2つの放射方向の辺の壁付近の風速分布が不均一になるので、その扇形の箱体(17)の2つの放射方向の辺の壁付近にそれぞれ空気取入口(22)を設けることにより風速分布の不均一を解消しデシカントローター(108)の放湿領域(107)を均一に加熱することにより、加熱手段(109)における加熱の高効率化を図り、効率的に放湿領域(107)における放湿を行い、効率的に除湿を行える除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項2記載の除湿装置は、加熱手段(109)をデシカントローター(108)の放湿領域(107)にあわせるように箱体(17)を扇形に構成した場合、前記箱体のデシカントローターと反対側の面(33)に空気取入口(22)を設けることにより、供給空気を略直線状に箱体(17)に誘引することができ、風速分布の不均一を解消し、デシカントローター(108)の放湿領域(107)を均一に加熱することにより、加熱手段(109)における加熱の高効率化を図り、効率的に放湿領域(107)における放湿を行い、効率的に除湿を行える除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項3記載の除湿装置は、発熱部(15)を支持するとともに、発熱部(15)のデシカントローター(108)側の面以外を囲う発熱部支持体(16)を備え、発熱部支持体(16)と箱体(17)の間に空気断熱層(30)を設けているので、発熱部(15)からの発熱および輻射の放射が箱体(17)に到達するのを発熱部支持体(16)と空気断熱層(30)でもって遮断するので、発熱部(15)からの熱は効率よくデシカントローター(108)の放湿領域(107)に供給されることにより、効率的に放湿領域(107)における放湿を行い、効率的に除湿が行える除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項4記載の除湿装置は、発熱部支持体(16)のデシカントローター(108)側以外の面に1つ以上の開口部(21)を設けるので、加熱手段(109)の後段側から誘引される空気は、発熱部支持体(16)の開口部(21)から発熱部(15)に流れ、空気断熱層(30)に空気を流すことができ、空気断熱層(30)の断熱効果を高めることにより、発熱部(15)からの熱は効率よくデシカントローター(108)の放湿領域(107)に供給されることにより、効率的に放湿領域(107)における放湿を行い、効率的に除湿が行える除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項5記載の除湿装置は、発熱部支持体のデシカントローターと反対側の面(34)に1つ以上の開口部(21)を設けることにより、供給空気を略直線状に発熱部(15)に誘引することができ、発熱部(15)における風速分布の不均一を解消でし、デシカントローター(108)の放湿領域(107)を均一に加熱し、また、発熱部(15)の温度が一番高くなる発熱部(15)の中央部に効果的に空気を誘引し、デシカントローター(108)の放湿領域(107)を均一に加熱することにより、加熱手段(109)における加熱の高効率化を図り、効率的に放湿領域(107)における放湿を行い、効率的に除湿を行える除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項6記載の除湿装置は、箱体(17)を扇形に構成し、箱体のデシカントローターと反対側の面(33)に空気取入口(22)を設け、発熱部(15)を支持するとともに、前記発熱部(15)のデシカントローター(108)側の面以外を囲う発熱部支持体(16)を備え、前記発熱部支持体のデシカントローターと反対側の面(34)に1つ以上の開口部(21)を設け、前記空気取入口(22)と前記開口部(21)が、前記デシカントローター(108)軸方向から投影して重ならない構成とするので、加熱手段(109)の上流側から発熱部(15)が直接見えることがなく、発熱部(15)から放射される輻射熱が加熱手段(109)の上流側の風路に到達するのを抑制することにより、熱による周囲部品の劣化の不具合を防止し、信頼性の高い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項7記載の除湿装置は、発熱部支持体(16)に設ける開口部(21)をデシカントローター(108)軸方向から投影して、発熱部(15)の略中央に配置するので、発熱部(15)において温度が一番高くなる発熱部(15)の中央部に効果的に空気を誘引し、デシカントローター(108)の放湿領域(107)を均一に加熱することにより、加熱手段(109)における加熱の高効率化を図り、効率的に放湿領域(107)における放湿を行い、効率的に除湿を行える除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項8記載の除湿装置は、少なくとも発熱部支持体のデシカントローターと反対側の面(34)をパンチングメタル(32)にて構成するので、発熱部(15)に誘引される空気を均一にすることができ、発熱部(15)における風速分布の不均一を解消し、デシカントローター(108)の放湿領域(107)を均一に加熱することにより、加熱手段(109)における加熱の高効率化を図り、効率的に放湿領域(107)における放湿を行い、効率的に除湿を行える除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項9記載の除湿装置は、少なくとも箱体のデシカントローターと反対側の面(33)をパンチングメタル(32)にて構成するので、供給空気を略直線状に箱体(17)に誘引することができる上に、加熱手段(109)に誘引される空気を均一にすることができ、発熱部(15)における風速分布の不均一を解消し、デシカントローター(108)の放湿領域(107)を均一に加熱することにより、加熱手段(109)における加熱の高効率化を図り、効率的に放湿領域(107)における放湿を行い、効率的に除湿を行える除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項10記載の除湿装置は、発熱部支持体のデシカントローターと反対側の面(34)をパンチングメタル(32)にて構成し、箱体のデシカントローターと反対側の面(33)をパンチングメタル(32)にて構成し、前記デシカントローター(108)軸方向から投影して、前記発熱支持体(16)のパンチングメタル(32)の開口穴と前記箱体(17)のパンチングメタル(32)の開口穴が重ならないように配置するので、加熱手段(109)の上流側から発熱部(15)が直接見えることがなく、発熱部(15)から放射される輻射熱が加熱手段(109)の上流側の風路に到達するのを抑制するとともに、供給空気の風速分布の不均一を解消し、デシカントローター(108)の放湿領域(107)を均一に加熱することにより、熱による周囲部品の劣化の不具合を防止し、加熱手段(109)における加熱の高効率化を図り、効率的に放湿領域(107)における放湿を行い、信頼性が高く、効率的に除湿が行える除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、本発明の請求項11記載の除湿装置は、発熱部支持体のデシカントローターと反対側の面(34)を発熱部(15)の輻射成分を反射する反射部(26)により構成するので、この反射部(26)が発熱部(15)から放射される輻射熱をデシカントローター(108)の放湿領域(107)に向けて反射し、効率よく放湿領域(107)を加熱するとともに、加熱手段(109)の周囲に漏洩する熱を遮断することにより、加熱手段(109)における加熱の高効率化を図り、効率的に放湿領域(107)における放湿を行い、効率的に除湿を行える除湿装置を提供できるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、従来の例と同一の構成要素については同一の符号を用い、詳細な説明は省略する。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施形態にかかる除湿装置の概略構成を示す簡易的な模式図である。図1に示すように、この除湿装置は本体1内に、圧縮機101、放熱器102、膨張機構103、吸熱器104を配管接続し密閉回路を形成している。この密閉回路内に作動流体である冷媒として例えば、HCFC系冷媒(分子中に塩素、水素、フッ素、炭素の各原子を含む)、HFC系冷媒(分子中に水素、炭素、フッ素の各原子を含む)、炭化水素、二酸化炭素等の自然冷媒などの何れかを充填して蒸気圧縮式のヒートポンプ105を形成している。吸熱器104および放熱器102は、ヘアピンチューブに複数枚のフィンを嵌入して空気流通を可能に構成したフィンチューブ型の熱交換器で構成され、吸熱器104と放熱器102を接続する配管中には膨張機構103として、例えば、キャピラリチューブや膨張弁等を介在させている。ここで、放熱器102は冷凍サイクルにおける、いわゆる凝縮器であり、吸熱器104は、いわゆる蒸発器である。
また、供給空気から吸湿する吸湿領域106および供給空気に対して放湿する放湿領域107を有するデシカントローター108を設けている。デシカントローター108は回動可能に立設されており、このデシカントローター108を周方向に毎時10回転から40回転程度の速度で回転させる駆動手段2をデシカントローター108の外周側に配設している。この駆動手段2は、デシカントローター108の外周に形設されたギアと、このギアと歯合する駆動モータを備えており、駆動モータの作動によってギアに回転力を加え、デシカントローター108を回転させるように動作するものである。このデシカントローター108は、軸方向に通風可能なハニカム構造もしくはコルゲート構造の円筒構造体に、シリカゲル、ゼオライトなどの無機質の吸着型吸湿剤、あるいは有機高分子電解質(イオン交換樹脂)などの吸湿剤、もしくは塩化リチウムなどの吸収型吸湿剤を1種類若しくは複数担持して構成されており、周囲の環境に応じて吸湿量が変化する特性を有している。
また、加熱手段109はデシカントローター108の放湿領域107に近接して配設されており、この加熱手段109の発熱によってデシカントローター108に供給される空気およびデシカントローター108自身が加熱されることになる。この加熱手段109は発熱動作を行い得るものであれば良く、例えば、ニクロムヒーター、ハロゲンヒーター、カーボンヒーター、シーズヒーター、PTCヒーター等を用いることができるが、輻射熱成分を多く放散する形式のものがデシカントローター108を直接高温に加熱して効率良く水分を放出させることが可能となり好ましい。
このデシカントローター108は駆動手段2によって回転しているので、デシカントローター108に担持されている吸湿剤は、吸湿領域106と放湿領域107を連続的に移動し、吸湿領域106における吸湿動作と放湿領域107における水分放出動作を連続的に行うことになる。
そして、本体1には吸込口3と第1吹出口4および第2吹出口5を開口し、送風手段6の運転によって、室内空気を吸込口3より本体1内に導入している。本体1内に供給された室内空気が、放熱器102、加熱手段109、放湿領域107、吸熱器104、吸湿領域106に順に供給されて第1吹出口4より本体1外部に流出するメイン風路7と、吸込口3から導入された室内空気が、放熱器102に供給されて、第1吹出口4より本体1外部に流出するバイパス風路8を形成している。
この送風手段6は、ケース内で羽根が回転駆動することにより送風するいわゆるシロッコファンとして構成されている。本実施例では、送風手段は、ケースにファン吸込口を2つ開口するとともに主板の両側にブレードを有し、2つの風路から吸込み、それぞれのブレードからの送風が混ざらないように吹出すことにより、1つの送風手段にて2つの風路から吸込み、それぞれ別々に吹き分ける構成としている。そして、メイン風路7には吹出口を切換える吹出口ダンパー9を設け、メイン風路7から室内に供給される空気が第1吹出口4から流出するか第2吹出口5から流出するかの切換を可能にしている。
吸込口3から吸引された空気は、放熱器102により加熱され、さらに加熱手段109により加熱され高温となってデシカントローター108の放湿領域107に供給され、その後、吸熱器104を通過し冷却され、デシカントローター108の吸湿領域106に供給される。このデシカントローター108に担持されている吸湿剤は、相対的に湿度が高く温度の低い空気から吸湿し、相対的に湿度が低く温度の高い空気に水分を放出する特性を有しているので、放湿領域107において加熱された高温空気と接触することにより水分を放出して再生し、吸湿領域106において吸熱器104により冷却された空気から吸湿することになる。
このデシカントローター108は駆動手段2によって回転しているので、デシカントローター108に担持されている吸湿剤は、吸湿領域106と放湿領域107を連続的に移動し、吸湿領域106における吸湿動作と放湿領域107における水分放出動作を連続的に行うことになる。放湿領域107において放出された水分を含んだ空気は、高温高湿状態となり風下側に配設された吸熱器104に供給される。この高温高湿空気はエンタルピも上昇しているので、吸熱器104内の冷媒とのエンタルピ差が拡大して高効率な吸熱動作が行われ、供給空気は飽和温度以下まで冷却される。この冷却過程で飽和した水分は結露水として下方に滴下し、図示しないドレンパンで受け止められた後に本体1の下部に配設された排水タンク10に貯留される。
一方、吸湿領域106には、吸熱器104によりその飽和温度以下まで冷却され、相対湿度が高い状態(ほぼ飽和状態)となった空気が供給される。上述したようにデシカントローター108に担持されている吸湿剤は、相対的に湿度が高く温度の低い空気から吸湿し、相対的に湿度が低く温度の高い空気に水分を放出する特性を有しているので、放湿領域107を通過する空気と吸湿領域106を通過する空気の相対湿度差を拡大させることができ、高効率な吸放湿動作を行うことができる。
次に除湿装置の動作を説明する。
図2は、図1に示した除湿装置の冷媒の状態変化を示すモリエル線図(圧力−エンタルピ線図)である。図2に示した点A、点B、点C、点Dを矢符で結んだサイクルは、冷媒回路内を循環する冷媒の状態変化を示しており、冷媒は圧縮機101において圧縮されることにより圧力とエンタルピが上昇して点Aから点Bの状態変化を行い、放熱器102において供給される室内空気に対して放熱することによりエンタルピが減少して点Bから点Cの状態となる。次に膨張機構103において膨張して減圧することにより圧力が低下して点Cから点Dの状態変化を行い、吸熱器104において供給される空気から吸熱することによりエンタルピが増加して点Dから点Aの状態に戻る。このような冷媒の状態変化により、吸熱器104において吸熱し、放熱器102において放熱するヒートポンプ105が動作し、この時、点Bと点Cのエンタルピ差に冷媒の循環量を乗じた値が放熱器102における放熱量、点Aと点D(点C)のエンタルピ差に冷媒の循環量を乗じた値が吸熱器104における吸熱量となり、放熱量と吸熱量の差、即ち点Bと点Aのエンタルピ差に冷媒の循環量を乗じた値が圧縮機101の圧縮仕事量になる。
図3は、図1に示した除湿装置における室内空気の状態変化を示す湿り空気線図である。まず、メイン風路7の空気状態変化を説明する。図3に示した湿り空気線図において、まず、点aの状態の室内空気が放熱器102に供給され冷媒の放熱により加熱されて点bの状態となる。次に加熱手段109に供給され放熱器102で加熱された点bの温度以上に加熱されて点cの状態となる。加熱手段109によって点cの状態となった室内空気は、次に放湿領域107に供給されてデシカントローター108が保有している水分を放出することにより加湿されて、湿度が上昇するとともに温度が低下して点dの状態となる。放湿領域107において加湿された点dの状態の室内空気は次に吸熱器104に供給され、冷媒の吸熱により露点温度以下まで冷却されて点eの飽和状態となる。この時に飽和した水分は凝縮水として排水タンク10に回収される。点eの飽和状態となった室内空気は、次に吸湿領域106に供給され、デシカントローター108に水分を吸着されることによって除湿されて湿度が低下するとともに温度が上昇し、点fの状態の乾燥空気となる。点fの状態となった室内空気は、送風手段6に吸引されて本体1外部に排出される。以上の室内空気の状態変化において、吸熱器104において回収される凝縮水の量は、点dと点eの絶対湿度差に吸熱器104に供給される室内空気の重量換算風量を乗じた値となり、放湿領域107における放湿量は、点cと点dの絶対湿度差に放湿領域107に供給される室内空気の重量換算風量を乗じた値なる。また、吸湿領域106における吸湿量は、点eと点fの絶対湿度差に吸湿領域106に供給される室内空気の重量換算風量を乗じた値となる。加熱手段109を放湿領域107の前段に導入することにより、放湿領域107に供給される室内空気の温度を高くし、相対湿度を低くすることができるので、放湿領域107出口の室内空気の絶対湿度を高くすることができる、すなわち吸熱器104に導入する室内空気の絶対湿度を高くできるので、凝縮する水分の量を増加させることができる。
次にバイパス風路8に関して説明する。室内空気は放熱器102に供給され点aの状態から点bの状態に加熱され、送風手段6により送風され、そのまま室内に排出される。このように放熱器102における放熱量の一部をバイパス風路8に通しそのまま室内に排出し、残りの放熱量をメイン風路7に供給する空気の加熱に利用することにより、冷凍サイクルとしての吸熱量と放熱量のバランスを最適なものにすることができる。
図4はローターホルダー11にデシカントローター108、加熱手段109およびローターカバー12を取り付ける構造を示した分解図である。図4に示すように、ローターホルダー11にはデシカントローター108を回転可能に支持する回転軸13が設けられており、デシカントローター108は中心部分をローターホルダー11の回転軸13に嵌め込み、ローターカバー12により回転軸13とローターホルダー11の円周方向外周部の複数点を螺子止めすることにより枢設されている。デシカントローター108と加熱手段109は略直線状に設けられている。ローターホルダー11がデシカントローター108の通風路前後を仕切るように構成されている。ローターホルダー11とローターカバー12にはデシカントローター108を挟んでローター仕切り部14が配置され、デシカントローター108を吸湿領域106と放湿領域107に区分している。ローターホルダー11に備えられた駆動手段2によりデシカントローター108は回転駆動され、吸湿領域106と放出領域107を連続的に入れ替えることにより連続的に除湿が行われるように構成されている。加熱手段109はローターカバー12にローターカバー12の円周方向外周部にて複数箇所螺子止めされることにより固定し、ローターカバー12がローターホルダー11に固定される際、ローターカバー12の中心部とローターホルダー11の回転軸13とともに螺子止めされる。
図中矢印Aの方から空気が誘引され、空気は加熱手段109を通過しデシカントローター108の放湿領域107を通過していく。図示していないが、加熱手段109の上流には放熱器102が設置されており、デシカントローター108の下流には吸熱器104が設置されている。放熱器102を通過し加熱された空気は、少なくともその一部が加熱手段109により更に温度を上昇し、放湿領域107においてデシカントローター108が吸着した水分を放出させる。加熱手段109で温度を上げ相対湿度を下げることにより放湿領域107での水分放出を促進させている。そして、高湿状態となった空気は吸熱器104に流入し、水分を凝縮していくことになる。
図5は、加熱手段109の詳細構成を示した分解図である。図5に示すように、加熱手段109は通電することにより熱を発する発熱部15と、発熱部15を支持する発熱部支持体16と発熱部支持体16を挿入固定する箱体17と、箱体17をデシカントローター108側から覆蓋する蓋部18とからなる。本実施例においては、発熱部15はニクロムヒーターを使用し、外径約3〜4mmにて巻き線状に加工されている。発熱部15は発熱部支持体16に設けられた、発熱部15がはめ込まれる切欠き部19に嵌め込み固定され、発熱部15の端部を発熱部支持体16に巻きつけることにより固定を確実なものにしている。さらに、発熱部15の端部は円筒状の碍子20の中心穴をとおして加熱手段109外部のリード線と接続されることにより発熱部15と箱体17の絶縁を確実なものにしている。
発熱部支持体16は略扇形に構成され、空気を通過させる開口部21を発熱部支持体のデシカントローターと反対側の面34に開口している。そして開口部21は発熱部15の略中央の位置になる部分に開口している。さらに略扇形の放射方向の辺の壁にも開口部21を開口している。
箱体17は板金を曲げ加工により略扇状の箱状に加工し、供給空気を取り入れる空気取入口22を略扇状の放射方向の辺の壁および、箱体のデシカントローターと反対側の面33に開口している。箱体17には発熱部15を装着した発熱部支持体16を挿入し螺子止めされる。
蓋部18は箱体17をデシカントローター108に面する方向から覆蓋し、外周部において一箇所以上螺子止めしている。蓋部18には加熱された空気を取出す空気取出口23がデシカントローター108と面する側に開口されている。そして空気取出口23を囲うようにシール部24を備え、デシカントローター108に流れ込む空気とデシカントローター108から流出する空気が混合するのを抑制している。
安全装置25は箱体17にデシカントローター108とは反対方向から螺子止めされる。安全装置25は供給空気の供給が停止などして発熱部15が異常高温になった場合に、その温度を検知し、発熱部15の発熱量を抑制、または停止するように制御を行うものであり、温度ヒューズやサーミスタなどが用いられる。
加熱手段109の後流側からの負圧により誘引されて加熱手段109に供給される空気は、箱体17に設けられた複数の空気取入口22から流入し、発熱部支持体16の複数の開口部21を通過し、発熱部15に導入される。発熱部15において空気は昇温され、蓋部18に設けられた空気取出口23から吹きだし、デシカントローター108の放湿領域107に流入する。さらに発熱部支持体16には、反射部26を設けている。反射部26は発熱部支持体16の発熱部15に面した部分に設けられており、発熱部15から放射される輻射熱をデシカントローター108の放湿領域107に向かって反射する作用を有している。本実施例では発熱部支持体16の一部を光沢がある材料で作成することによって反射部26がなされており、光沢のあるステンレスやアルミなどの材料を用いることで構成できる。これにより、発熱部支持体16からのデシカントローター108の放湿に関係のない放熱を抑制することができ、発熱部15の熱を余すところなくデシカントローター108の放湿のために利用することができる上に、箱体17への熱の漏れを抑制し箱体17外壁の温度上昇を抑制することもできる。
なお、発熱部15は通電することにより発熱する材料であれば作用効果に差異はなく、ニクロム線に限定するものではない。
また、ニクロムヒーター使用する場合では、本実施例では外径約3〜4mmの巻き線状としたが、この外径に限定するものではなく、必要な入力、ヒータ線の種類などで最適なものを選ぶことができる。
図6は発熱部支持体16の構成を示した分解図である。発熱部支持体16は、耐熱性および絶縁性のある材料、たとえばマイカなどの板を発熱部支持板27として複数枚組み合わせることにより構成されている。発熱部支持板27には、それぞれ複数の嵌合穴28と嵌合部29が設けられ、各々嵌合穴28に嵌合部29が嵌合されることにより、略扇状に構成されている。そして、発熱部支持体のデシカントローターと反対側の面34には、反射部26が設置されている。反射部26は前述したように光沢のあるステンレスやアルミなどの材料を用いて構成されている。反射部26には略中央部に開口部21が設けられており、発熱部15の一番温度が高くなる中央部に効率的に空気を供給する構成となっている。反射部26と発熱部15は発熱部支持板27により絶縁距離を十分確保する構成となっている。また、発熱部支持板27は、その形状や、大きさ、配置により供給空気を発熱部15に均一に流すよう整流する整流手段としても機能している。
なお、本実施例では発熱部支持体16にはマイカの板を使用しているが、耐熱性および絶縁性のある材料であれば良く、たとえばベークライトなどを使用しても良く、作用効果に差異は無い。
図7は図5のA−A断面を示した断面図である。図に示すように加熱手段109の後流側から誘引される空気は、扇状の箱体17の放射方向辺の壁面に開口された空気取入口22および、箱体のデシカントローターと反対側の面33に設けられた空気取入口22の3方向から箱体内部に供給される。そして、発熱部支持体16の扇状の放射方向辺の壁面に開口された開口部21および、発熱部支持体のデシカントローターと反対側の面34に設けられた開口部21から発熱部支持体16内部に空気は供給され発熱部15により加熱される。その後、蓋部18のデシカントローター108に面する方向に開口された空気取出口23から導出される。このように箱体17に対して複数方向から空気が供給されることにより発熱部15に対して均一に空気を供給することができる。特に、後流方向からの誘引により空気を送風する場合、空気の流れが淀む部分に開口を開けることによりその淀みを解消することができる。本実施例では、図7中、発熱部15の両側面の部分および発熱部15が一番高温となる中央部に開口することにより、空気に効率よく発熱部15の熱を供給している。さらに、発熱部支持体16にも箱体17同様複数の開口部21を設け、発熱部15に対して均一に空気を供給する構成となっている。
箱体17と発熱部支持体16の間には約5〜10mmの隙間を持たせて固定されており、これが空気断熱層30として作用する。さらに空気断熱層30内の空気は流動しているので、より断熱効果を高めることができる。この空気断熱層30は、発熱部15の発熱により発熱部支持体16が加熱され、その熱が箱体17に伝わるのを抑制しているとともに、発熱部15からの熱は効率よくデシカントローター108の放湿領域107に供給されることにより、効率的に放湿領域107における放湿を行うことができる。
また、発熱部支持体のデシカントローターと反対側の面34に設けられた開口部21と箱体のデシカントローターと反対側の面33に設けられた空気取入口22はデシカントローター108に投影して、重ならないように配置されている。発熱部15からは発熱とともに輻射熱が放射されるが、輻射熱は発熱部15から放射状に放射され物体に到達したところで発熱するという性質を有している。箱体17の空気取入口22と発熱部支持体16の開口部21が重ならない位置に配置されることにより、輻射熱が、加熱手段109の周囲に放射されるのを抑制することができる。これにより、加熱手段109外部に放射された輻射熱が周囲部品の到達し、周囲部品の表面を加熱し、熱による劣化等の不具合を引き起こすのを抑制することができる。
また、風量調整部31を箱体17の空気取入口22に設けている。本実施例では、風量調整部31は箱体の側面の空気取入口22近傍に設けられ、箱体17を板金の曲げ加工により作成する際に、板金の一部を凸設させることにより構成されている。この風量調整部31は、その大きさを調整することにより箱体17に流入する空気の量を調整する作用を有するとともに、発熱部15から放射される輻射熱を風量調整部31が遮断するので加熱手段109の周囲に輻射熱が放射されるのを抑制する作用も有する。なお、本実施例では、片側の空気取入口22近傍にのみ風量調整部を配置したが、もう一方にも配置してよく、作用効果に差異はない。
図8は、箱体17および発熱部支持体16の少なくとも一部をパンチングメタル32にて構成した場合の加熱手段109の詳細構成を示した分解図である。この実施例では、箱体のデシカントローターと反対側の面33にパンチングメタル32を設けるとともに、発熱部支持体16の反射部26をパンチングメタル32にて構成している。これにより、供給空気を略直線状に箱体17に誘引し、さらに発熱部支持体16内部にも略直線状に空気を誘引することができる上に、加熱手段109に誘引される空気を均一にすることができ、発熱部15における風速分布の不均一を解消し、デシカントローター108の放湿領域107を均一に加熱することにより、加熱手段109における加熱の高効率化を図り、効率的に放湿領域における放湿を行うことができる。
また、この実施例では安全装置25を箱体17側面の空気取入口22近傍に設置している。安全装置25は供給空気の供給が停止などして発熱部15が異常高温になった場合に、その温度を検知し、発熱部15の発熱量を抑制、または停止するように制御を行うものである。空気取入口22近傍は、正常運転時は比較的温度が低く、空気の供給が停止するといち早く温度が上昇する位置であるので、安全装置25を上記のような位置に設置することにより、異常運転になった場合にすばやくその異常状態を検知することが可能となる。そして、加熱手段109の過熱による周囲部品の劣化等を防止できる信頼性の高いものになる。
図9は図8のB−B断面を示した断面図である。図に示すように加熱手段109の後流側から誘引される空気は、扇状の箱体17の放射方向辺の壁面に開口された空気取入口22および、箱体のデシカントローターと反対側の面33に設けられたパンチングメタル32の穴から箱体17内部に供給される。そして、発熱部支持体16の扇状の放射方向辺の壁面に開口された開口部21および、発熱部支持体のデシカントローターと反対側の面34に設けられたパンチングメタル32の穴から発熱部支持体16内部に空気は供給され発熱部15により加熱される。その後、蓋部18のデシカントローター108に面する方向に開口された空気取出口23から導出される。このように発熱部15に対して箱体17のパンチングメタル32の穴および発熱部支持体16のパンチングメタル32の穴から均一に空気が供給されることにより空気を均一に効率よく加熱することができる。また、このパンチングメタル32の穴の開口面積をそのシステムに合うように調整することにより、発熱部15への空気の供給量を調整することができる。さらに、発熱部15の対する空気供給量が場所により不均一になった場合、パンチングメタル32の穴の開口面積を場所により変更することにより、風量の不均一を解消することができる。例えば、風量が少ない部分は開口面積を大きくし、風量の少ない部分は開口面積を小さくすればよい。
また、発熱部支持体16の設けられたパンチングメタル32の穴と箱体17に設けられたパンチングメタル32の穴はデシカントローター108に投影して、重ならないように配置されている。発熱部15からは発熱とともに輻射熱が放射されるが、輻射熱は発熱部15から放射状に放射され物体に到達したところで発熱するという性質を有している。箱体17のパンチングメタル32の穴と発熱部支持体16のパンチングメタル32の穴が重ならない位置に配置されることにより、輻射熱が、加熱手段109の周囲に放射されるのを抑制することができる。これにより、加熱手段109外部に放射された輻射熱が周囲部品の到達し、周囲部品の表面を加熱し、熱による劣化等の不具合を引き起こすのを抑制することができる。
以上、説明した構成および動作により、本実施形態の除湿装置は、以下の効果を奏するものである。
加熱手段109の後流側から送風手段6により空気を誘引することにより加熱手段109に空気が供給させるので、空気取入口22を複数設けることにより、加熱手段109内部における風速分布を改善でき、デシカントローター108の放湿領域107を均一に加熱することにより、加熱手段109における加熱の高効率化を図り、効率的に放湿領域107における放湿を行い、効率的に除湿を行える除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、加熱手段109をデシカントローター108の放湿領域107にあわせるように箱体を扇形に構成した場合、扇形の箱体17の2つの放射方向の辺の壁付近の風速分布が不均一になるので、その扇形の箱体17の2つの放射方向の辺の壁付近にそれぞれ空気取入口22設けることにより風速分布の不均一を解消しデシカントローター108の放湿領域107を均一に加熱することにより、加熱手段109における加熱の高効率化を図り、効率的に放湿領域107における放湿を行い、効率的に除湿を行える除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、加熱手段109をデシカントローター108の放湿領域107にあわせるように箱体17を扇形に構成した場合、前記箱体のデシカントローターと反対側の面33に空気取入口22を設けることにより、供給空気を略直線状に箱体17に誘引することができ、風速分布の不均一を解消し、デシカントローター108の放湿領域107を均一に加熱することにより、加熱手段109における加熱の高効率化を図り、効率的に放湿領域107における放湿を行い、効率的に除湿を行える除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、発熱部15を支持するとともに、発熱部15のデシカントローター108側の面以外を囲う発熱部支持体16を備え、発熱部支持体16と箱体17の間に空気断熱層30を設けているので、発熱部15からの発熱および輻射の放射が箱体17に到達するのを発熱部支持体16と空気断熱層30でもって遮断するので、発熱部15からの熱は効率よくデシカントローター108の放湿領域107に供給されることにより、効率的に放湿領域107における放湿を行い、効率的に除湿が行える除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、発熱部支持体16のデシカントローター108側以外の面に1つ以上の開口部21を設けるので、加熱手段109の後流側から誘引される空気は、発熱部支持体16の開口部21から発熱部15に流れ、空気断熱層30に空気を流すことができ、空気断熱層30の断熱効果を高めることにより、発熱部15からの熱は効率よくデシカントローターの108放湿領域107に供給されることにより、効率的に放湿領域107における放湿を行い、効率的に除湿が行える除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、発熱部支持体のデシカントローターと反対側の面34に1つ以上の開口部21を設けることにより、供給空気を略直線状に発熱部15に誘引することができ、発熱部15における風速分布の不均一を解消でし、デシカントローター108の放湿領域107を均一に加熱し、また、発熱部15の温度が一番高くなる発熱部15の中央部に効果的に空気を誘引し、デシカントローター108の放湿領域107を均一に加熱することにより、加熱手段109における加熱の高効率化を図り、効率的に放湿領域107における放湿を行い、効率的に除湿を行える除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、箱体17を扇形に構成し、箱体のデシカントローターと反対側の面33に空気取入口22を設け、発熱部15を支持するとともに、発熱部15のデシカントローター108側の面以外を囲う発熱部支持体16を備え、発熱部支持体のデシカントローターと反対側の面34に1つ以上の開口部21を設け、空気取入口22と開口部21が、デシカントローター108軸方向から投影して重ならない構成とするので、加熱手段109の上流側から発熱部15が直接見えることがなく、発熱部15から放射される輻射熱が加熱手段109の上流側の風路に到達するのを抑制することにより、熱による周囲部品の劣化の不具合を防止し、信頼性の高い除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、発熱部支持体16に設ける開口部21をデシカントローター108軸方向から投影して、発熱部15の略中央に配置するので、発熱部15において温度が一番高くなる発熱部15の中央部に効果的に空気を誘引し、デシカントローター108の放湿領域107を均一に加熱することにより、加熱手段109における加熱の高効率化を図り、効率的に放湿領域107における放湿を行い、効率的に除湿を行える除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、少なくとも発熱部支持体のデシカントローターと反対側の面34をパンチングメタル32にて構成するので、発熱部15に誘引される空気を均一にすることができ、発熱部15における風速分布の不均一を解消し、デシカントローター108の放湿領域107を均一に加熱することにより、加熱手段109における加熱の高効率化を図り、効率的に放湿領域107における放湿を行い、効率的に除湿を行える除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、例えば、デシカントローター108と加熱手段109とを略直線状に設け、少なくとも箱体のデシカントローターと反対側の面33をパンチングメタル32にて構成するので、供給空気を略直線状に箱体17に誘引することができる上に、加熱手段109に誘引される空気を均一にすることができ、発熱部15における風速分布の不均一を解消し、デシカントローター108の放湿領域107を均一に加熱することにより、加熱手段109における加熱の高効率化を図り、効率的に放湿領域107における放湿を行い、効率的に除湿を行える除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、例えば、デシカントローター108と加熱手段109とを略直線状に設け、発熱部支持体のデシカントローターと反対側の面34をパンチングメタル32にて構成し、箱体のデシカントローターと反対側の面33をパンチングメタル32にて構成し、デシカントローター108軸方向から投影して、発熱支持体16のパンチングメタル32の開口穴と箱体17のパンチングメタル32の開口穴が重ならないように配置するので、加熱手段109の上流側から発熱部15が直接見えることがなく、発熱部15から放射される輻射熱が加熱手段109の上流側の風路に到達するのを抑制するとともに、供給空気の風速分布の不均一を解消し、デシカントローター108の放湿領域107を均一に加熱することにより、熱による周囲部品の劣化の不具合を防止し、加熱手段109における加熱の高効率化を図り、効率的に放湿領域における放湿を行い、信頼性が高く、効率的に除湿が行える除湿装置を提供できるという効果を奏する。
また、例えば、デシカントローター108と加熱手段109とを略直線状に設け、発熱部支持体のデシカントローターと反対側の面34を発熱部15の輻射成分を反射する反射部26により構成するので、この反射部26が発熱部15から放射される輻射熱をデシカントローター108の放湿領域107に向けて反射し、効率よく放湿領域107を加熱するとともに、加熱手段109の周囲に漏洩する熱を遮断することにより、加熱手段109における加熱の高効率化を図り、効率的に放湿領域107における放湿を行い、効率的に除湿を行える除湿装置を提供できるという効果を奏する。