以上の例では、吸湿部120において除湿対象空気116から吸湿し、この吸湿した水分を、放熱器103で加熱した高温の循環空気110を放湿部121に供給することによって放湿させ、この放湿させた水分を含んだ高湿の循環空気110を吸熱器105において冷却して水分を飽和させるとことにより除湿するようにしている。したがって循環空気110を放熱器103、放湿部121、吸熱器105に循環させる循環経路111を密閉性よく本体101内に形成する必要があり、装置構成が複雑化するという課題点があった。そして循環経路111の密閉度が低い場合には、除湿対象空気116と循環空気110との湿度移行が発生して除湿効率が低下するという課題点があった。また、放熱器103による加熱を補助する加熱手段を導入する場合、加熱手段が占める領域を大きく取ることが難しく、加熱手段内の空気の流れが均一化しにくくなるため効率よく加熱ができず、放湿部121における放湿が効率良く行えないという不具合があった。さらに、加熱手段を小スペースに設置するに当たり、その充電部や発熱部が他の部品と近接あるいは接触する可能性があり、耐圧不良や熱による劣化等の不具合を生じる可能性があった。
本発明は上記の課題を解決するものであり、循環経路111のない簡単な構造で効率よく除湿ができる除湿装置を提供することを目的とし、また、加熱手段における加熱の高効率化を図り、小型で効率的に放湿部における放湿を行い、効率的に除湿を行える除湿装置を提供することを目的とし、さらに、加熱手段の信頼性を高め、耐圧不良や熱による劣化の不具合を防止し、信頼性の高い除湿装置を提供することを目的としている。
上記した目的を達成するために、本発明が講じた第1の課題解決手段は、冷媒(117)を圧縮する圧縮機(102)と前記冷媒(117)が供給空気に対して放熱する放熱器(103)と前記冷媒(117)が膨張する膨張機構(104)と前記冷媒(117)が供給空気から吸熱する吸熱器(105)とを有するヒートポンプ(118)と、供給空気から吸湿する吸湿部(120)および供給空気に放湿する放湿部(121)を有する回転可能な吸放湿手段(119)と、室内空気を前記放熱器(103)で加熱し、次に前記放湿部(121)の放湿により加湿し、前記吸熱器(105)の吸熱により冷却し、次に前記吸湿部(120)の吸湿により除湿し室内に吹出す第1風路(6)を備え、前記第1風路(6)の前記放湿部(121)の前段に供給空気を加熱する加熱手段(1)を設け、前記加熱手段(1)は、発熱部(34)を有し、前記発熱部(34)に均一に供給空気を導入する均一供給手段(50)を備え、加熱手段(1)は、発熱部(34)と前記発熱部(34)を支持する発熱部支持体(35)を有し、均一供給手段(50)は、前記発熱部(34)に供給空気を整流して供給する整流手段(51)を前記発熱部支持体(35)に備え、室内空気(5)を放熱器(103)により加熱し装置外に吹出す第2風路(7)を備え、加熱手段(1)により加熱した第1風路(6)内の空気が第2風路(7)に誘引されるのを抑制する誘引防止手段(56)を加熱手段(1)に設け、加熱手段(1)は、発熱部(34)と、前記発熱部(34)を支持する発熱部支持体(35)と、前記発熱部支持体(35)を固定し供給空気を導入する導入口(36)を有する枠体(37)と、前記枠体(37)を吸放湿手段(119)側から覆蓋し供給空気を導出する導出口(38)を有する発熱部蓋部(39)とを備え、誘引防止手段(56)は前記枠体(37)の第2風路(7)方向に面した場所に設けられた発熱部(34)を囲うように設けられたリブ(55)により構成としたものである。
この手段では、供給空気を、放熱器(103)もしくは放熱器(103)と加熱手段(1)の双方においてヒートポンプ(118)の放熱もしくはヒートポンプ(118)と加熱手段(1)の双方の放熱により加熱し、次に放湿部(121)において吸放湿手段(119)の放湿により加湿し、次に吸熱器(105)においてヒートポンプ(118)の吸熱により冷却し、次に吸湿部(120)において吸放湿手段(119)の吸湿により除湿する。これにより放湿部(121)には加熱された低い相対湿度の空気が供給され、吸湿部(120)には冷却された高い相対湿度の空気が供給される。したがって吸湿部(120)への供給空気と放湿部(121)への供給空気との相対湿度の差が拡大して吸放湿手段(119)の吸放湿量が増加することになる。さらに、均一供給手段(50)により発熱部(34)に対して均一に供給空気を導入するので加熱手段(1)の放湿部(121)に対する面が均一に温度上昇することになり放湿部(121)における水分放湿効率が向上することになる。また、この手段では、加熱手段(1)に導入された供給空気を発熱部支持体(35)に設けられた整流手段(51)により流れを整え、発熱部(34)に導入することになり、発熱部(34)に対して均一に供給空気を導入するので加熱手段(1)の放湿部(121)に対する面が均一に温度上昇することになり放湿部(121)における水分放湿効率が向上することになる。また、この手段では、加熱手段(1)により加熱された空気が第2風路(7)に誘引され装置外に放出されるのを抑制するので、第1風路(6)内の加熱手段(1)以降の風路を流れる空気の風量が減少するのを抑制するとともに、加熱手段(1)の熱の漏れを減少し加熱エネルギーをロス無く吸放湿手段(119)の放湿部(121)の加熱に利用することができるようになる。また、この手段では、リブ(55)により第2風路(7)が第1風路(6)から空気を吸込もうとする負圧を遮断することで、加熱手段(1)により加熱された空気が第2風路(7)に誘引され装置外に放出されるのを抑制するので、第1風路(6)内の加熱手段(1)以降の風路を流れる空気の風量が減少するのを抑制するとともに、加熱手段(1)の熱の漏れを減少し加熱エネルギーをロス無く吸放湿手段(119)の放湿部(121)の加熱に利用することができるようになる。
また、本発明が講じた第2の課題解決手段は、上記第1の課題解決手段において、発熱部支持体(35)を発熱部(34)を支持する複数の発熱部支持板(46)から構成し、整流手段(51)は、発熱部支持板(46)を供給空気の流れ方向と平行に配置する構造としたものである。
この手段では、発熱部支持板(46)が供給空気の流れ方向と平行に配置されているので、供給空気の流れは乱されることなく発熱部(34)に対して均一に導入されるので、加熱手段(1)の放湿部(121)に対する面が均一に温度上昇することになり放湿部(121)における水分放湿効率を向上することになる。
また、本発明が講じた第3の課題解決手段は、上記第1または第2の課題解決手段において、整流手段(51)は、発熱部(34)の空気流れ方向後段の位置まで空気を供給するガイド部(48)を発熱部支持体(35)に設ける構造としたものである。
この手段では、供給空気の流れを整流し、供給空気を発熱部(34)に晒されない状態で発熱部(34)の空気流れ方向後段まで導入することができるようになり、発熱部(34)の空気流れ方向後段における発熱部(34)を通過し高温となった空気が再度発熱部(34)を通過することによる過度の温度上昇を抑制することになり、加熱手段(1)の放湿部(121)に対する面が均一に温度上昇することになり放湿部(121)における水分放湿効率を向上することになる。
また、本発明が講じた第4の課題解決手段は、上記第1、第2または第3の課題解決手段において、加熱手段(1)は、発熱部(34)と、前記発熱部(34)を支持する発熱部支持体(35)と、前記発熱部支持体(35)を固定し供給空気を導入する導入口(36)を有する枠体(37)と、前記枠体(37)を吸放湿手段(119)側から覆蓋し供給空気を導出する導出口(38)を有する発熱部蓋部(39)とを備え、前記枠体(37)に前記発熱部(34)の輻射熱を反射する反射部(45)を設ける構造としたものである。
この手段では、発熱部(34)から放湿部(121)とは逆方向にある加熱手段(1)の枠体(37)の方向に放射される輻射熱を、枠体(37)に設けられた反射部(45)により反射することにより、輻射熱反射用に新たな部材を追加することなく、加熱手段(1)からの熱の漏れによるエネルギーロスを抑制し、加熱効率を向上することになり、放湿部(121)における水分放湿を促進することになる。
また、本発明が講じた第5の課題解決手段は、上記第1、第2、第3または第4の課題解決手段において、加熱手段(1)は、前記加熱手段(1)が異常高温になった場合に、前記加熱手段(1)の通電を制御する安全装置(44)を備え、前記安全装置(44)への発熱部(34)からの輻射熱による過熱を抑制する輻射抑制手段(52)を備える構造とし、加熱手段(1)の枠体(37)に吸放湿手段(119)と反対側に安全装置(44)を固定し、前記安全装置(44)と発熱部(34)の間に発熱部支持体(35)のガイド部(48)を配置することにより輻射抑制手段(52)を構成したものである。
この手段では、輻射抑制手段(52)が、安全装置(44)に放射される発熱部(34)からの輻射熱を遮るので、通常運転時において安全装置(44)が異常高温になることによる安全装置(44)の誤動作を抑制し、また、安全装置(44)自体の耐熱温度を超えて過熱されることを抑制することになる。この手段では、発熱部(34)に供給される空気を整流するガイド部(48)が、安全装置(44)が発熱部(34)からの輻射熱に直接晒されるのを抑制する輻射抑制手段(52)を兼ね備えることになり、輻射抑制用に新たに部材を追加することなく、通常運転時において安全装置(44)が異常高温になることによる安全装置(44)の誤動作を抑制し、また、安全装置(44)自体の耐熱温度を超えて過熱されることを抑制することができる。
また、本発明が講じた第6の課題解決手段は、上記第1、第2、第3、第4または第5の課題解決手段において、室内空気(5)を放熱器(103)により加熱し装置外に吹出す第2風路(7)を備え、加熱手段(1)により加熱した第1風路(6)内の空気が第2風路(7)に誘引されるのを抑制する誘引防止手段(56)を加熱手段(1)に設け、加熱手段(1)は、発熱部(34)と、前記発熱部(34)を支持する発熱部支持体(35)と、前記発熱部支持体(35)を固定し供給空気を導入する導入口(36)を有する枠体(37)と、前記枠体(37)を吸放湿手段(119)側から覆蓋し供給空気を導出する導出口(38)を有する発熱部蓋部(39)とを備え、誘引防止手段(56)は前記枠体(37)の第2風路(7)方向に面した場所に設けられた発熱部(34)を囲うように設けられたリブ(55)により構成されるものである。
この手段では、加熱手段(1)により加熱された空気が第2風路(7)に誘引され装置外に放出されるのを抑制するので、第1風路(6)内の加熱手段(1)以降の風路を流れる空気の風量が減少するのを抑制するとともに、加熱手段(1)の熱の漏れを減少し加熱エネルギーをロス無く吸放湿手段(119)の放湿部(121)の加熱に利用することができるようになる。この手段では、リブ(55)により第2風路(7)が第1風路(6)から空気を吸込もうとする負圧を遮断することで、加熱手段(1)により加熱された空気が第2風路(7)に誘引され装置外に放出されるのを抑制するので、第1風路(6)内の加熱手段(1)以降の風路を流れる空気の風量が減少するのを抑制するとともに、加熱手段(1)の熱の漏れを減少し加熱エネルギーをロス無く吸放湿手段(119)の放湿部(121)の加熱に利用することができるようになる。
また、本発明が講じた第6の課題解決手段は、上記第1、第2、第3、第4または第5の課題解決手段において、加熱手段(1)は、発熱部(34)と、前記発熱部(34)を支持する発熱部支持体(35)と、前記発熱部支持体(35)を固定し供給空気を導入する導入口(36)を有する枠体(37)と、前記枠体(37)を吸放湿手段(119)側から覆蓋し供給空気を導出する導出口(38)を有する発熱部蓋部(39)とを備え、前記吸放湿手段(119)の前記放湿部(121)と吸湿部(120)を区分するシール部(43)を前記発熱部蓋部(39)に設ける構造としたものである。
この手段では、発熱部蓋部(39)に設けられたシール部(43)が吸放湿手段(119)の吸湿部(120)と放湿部(121)を仕切ることになるので、特に部品を追加することなく吸湿部(120)と放湿部(121)を仕切ることができるようになり、また、シール部(43)は加熱手段(1)の発熱部(34)の近傍に配置することにより発熱部(34)の熱の影響を受けるが、もともと耐熱性を考慮してある加熱手段(1)の発熱部蓋部(39)により、シール部(43)を形成できるので、耐熱用の処理を施す必要がない。
また、本発明が講じた第7の課題解決手段は、上記第1、第2、第3、第4、第5または第6の課題解決手段において、吸放湿手段(119)を、ハニカムローター(108)に担持された吸着剤(107)が、吸湿部(120)において供給空気から水分を吸着するとともに放湿部(121)において供給空気へ水分を脱着するように前記ハニカムローター(108)を配し、前記ハニカムローター(108)の回転によって、前記吸湿部(120)における水分吸着と前記放湿部(121)における水分脱着を繰り返すように構成し、第1風路の前記放湿部(121)前段に設けられた加熱手段(1)の前記ハニカムローター(108)回転方向後段に設けられた前記第1風路(6)を構成する風路壁(57)を前記加熱手段(1)の熱による劣化から保護する保護手段(58)を備える構造とし、保護手段(58)は、加熱手段(1)のハニカムローター(108)回転方向後段に設けられた第1風路(6)を構成する風路壁(57)を覆うよう加熱手段(1)の発熱部蓋部(39)に設けられた放熱リブ(59)により構成したものである。
この手段では、保護手段(58)が、加熱手段(1)によりハニカムローター(108)に与えられた熱がハニカムローター(108)回転方向後段の第1風路(6)を構成する風路壁(57)に与える熱変形、融解等の熱劣化を抑制し、加熱手段(1)の発熱から風路壁(57)を保護することになる。この手段では、加熱手段(1)により加熱された放湿部(121)が直接第1風路(6)の風路壁(57)と面するのを放熱リブ(59)により遮断し、さらに加熱された風路壁(57)近傍まで回転してきた放湿部(121)の熱を周囲の空気に放熱することにより、温度を下げ、風路壁(57)に熱による影響を及ぼさないように保護している。
また、本発明が講じた第8の課題解決手段は、上記第1、第2、第3、第4、第5、第6または第7の課題解決手段において、加熱手段(1)は、発熱部(34)と、前記発熱部(34)を支持する発熱部支持体(35)と、前記発熱部支持体(35)を固定し供給空気を導入する導入口(36)を有する枠体(37)と、前記枠体(37)を吸放湿手段(119)側から覆蓋し供給空気を導出する導出口(38)を有する発熱部蓋部(39)とを備え、前記発熱部(34)が前記枠体(37)および前記発熱部蓋部(39)と接触するのを防止する接触防止手段(60)を備え、接触防止手段(60)は、発熱部支持体(35)の傾倒や枠体からの脱落を防止する制止部(61)を枠体(37)に備えた構造とするものである。
この手段では、接触防止手段(60)が、発熱部(34)と枠体(37)および発熱部蓋部(39)の接触を防止することにより、発熱部(34)と枠体(37)および発熱部蓋部(39)が接触し、枠体(37)および発熱部蓋部(39)に電量が流れ漏電や短絡を起こしたり、耐圧不良となるのを防止することになる。この手段では、制止部(61)が発熱部支持体35の傾斜や枠体(37)からの脱落を防止するので、発熱部(34)を加熱手段(1)内の所定の位置に確実に固定することができるので、発熱部(34)と枠体(37)および発熱部蓋部(39)の接触を防止することにより、発熱部(34)と枠体(37)および発熱部蓋部(39)が接触し、枠体(37)および発熱部蓋部(39)に電量が流れ漏電や短絡を起こしたり、耐圧不良となるのを防止することになる。
本願発明は、かかる構成とすることにより以下に記載されるような効果を奏するものである。
(イ)本願の第1の発明にかかる除湿装置によれば、供給空気を、放熱器(103)もしくは放熱器(103)と加熱手段(1)の双方においてヒートポンプ(118)の放熱もしくはヒートポンプ(118)と加熱手段(1)の双方の放熱により加熱し、次に放湿部(121)において吸放湿手段(119)の放湿により加湿し、次に吸熱器(105)においてヒートポンプ(118)の吸熱により冷却し、次に吸湿部(120)において吸放湿手段(119)の吸湿により除湿することにより、放湿部(121)には加熱された低い相対湿度の空気が供給され、吸湿部(120)には冷却された高い相対湿度の空気が供給され、吸湿部(120)への供給空気と放湿部(121)への供給空気との相対湿度の差が拡大して吸放湿手段(119)の吸放湿量が増加することになるので、循環経路(111)を設けない単純な構成で吸放湿手段(119)の吸放湿量を増加して効率の良い除湿を行うことができる。また、均一供給手段(50)により発熱部(34)に対して均一に供給空気を導入するので加熱手段(1)の放湿部(121)に対する面が均一に温度上昇することになり放湿部(121)における水分放湿効率が向上することになるので、さらに吸放湿手段(119)の吸放湿量が増加し、効率の良い除湿を行うことができる。また、上記に記載した効果に加えて、加熱手段(1)は、発熱部(34)と前記発熱部(34)を支持する発熱部支持体(35)を有し、均一供給手段(50)は、前記発熱部(34)に供給空気を整流して供給する整流手段(51)を前記発熱部支持体(35)に備える構造とすることによって、加熱手段(1)に導入された供給空気を発熱部支持体(35)に設けられた整流手段(51)により流れを整え、発熱部(34)に導入することになり、発熱部(34)に対して均一に供給空気を導入するので加熱手段(1)の放湿部(121)に対する面が均一に温度上昇することになり放湿部(121)における水分放湿効率が向上することになるので、吸放湿手段(119)の吸放湿量が増加し、効率の良い除湿を行うことができるとともに、放湿部の加熱手段(1)に面する部分の一部が急激に温度上昇するのを抑制し、吸放湿手段(119)の信頼性も向上する。また、上記に記載した効果に加えて、室内空気(5)を放熱器(103)により加熱し装置外に吹出す第2風路(7)を備え、加熱手段(1)により加熱した第1風路(6)内の空気が第2風路(7)に誘引されるのを抑制する誘引防止手段(56)を加熱手段(1)に設けることによって、加熱手段(1)により加熱された空気が第2風路(7)に誘引され装置外に放出されるのを抑制するので、第1風路(6)内の加熱手段(1)以降の風路を流れる空気の風量が減少するのを抑制するとともに、加熱手段(1)の熱の漏れを減少し加熱エネルギーをロス無く吸放湿手段(119)の放湿部(121)の加熱に利用することができるようになるので、第1風路(6)を流れる空気の風量減少による除湿能力低減を抑えるとともに、加熱効率を向上し、放湿部(121)における水分放湿を促進することができ、効率よく除湿できる除湿装置を提供することができる。また、上記に記載した効果に加えて、加熱手段(1)は、発熱部(34)と、前記発熱部(34)を支持する発熱部支持体(35)と、前記発熱部支持体(35)を固定し供給空気を導入する導入口(36)を有する枠体(37)と、前記枠体(37)を吸放湿手段(119)側から覆蓋し供給空気を導出する導出口(38)を有する発熱部蓋部(39)とを備え、誘引防止手段(56)は前記枠体(37)の第2風路(7)方向に面した場所に設けられた発熱部(34)を囲うように設けられたリブ(55)により構成することによって、リブ(55)により第2風路(7)が第1風路(6)から空気を吸込もうとする負圧を遮断することで、加熱手段(1)により加熱された空気が第2風路(7)に誘引され装置外に放出されるのを抑制するので、第1風路(6)内の加熱手段(1)以降の風路を流れる空気の風量が減少するのを抑制するとともに、加熱手段(1)の熱の漏れを減少し加熱エネルギーをロス無く吸放湿手段(119)の放湿部(121)の加熱に利用することができるようになるので、第1風路(6)を流れる空気の風量減少による除湿能力低減を抑えるとともに、加熱効率を向上し、放湿部(121)における水分放湿を促進することができ、効率よく除湿できる除湿装置を提供することができる。
(ロ)また、本願の第2の発明にかかる除湿装置によれば、上記(イ)に記載した効果に加えて、発熱部支持体(35)を発熱部(34)を支持する複数の発熱部支持板(46)から構成し、整流手段(51)は、発熱部支持板(46)を供給空気の流れ方向と平行に配置する構造とすることによって、発熱部支持板(46)が供給空気の流れ方向と平行に配置されているので、供給空気の流れは乱されることなく発熱部(34)に対して均一に導入されるので、加熱手段(1)の放湿部(121)に対する面が均一に温度上昇することになり放湿部(121)における水分放湿効率を向上することになるので、吸放湿手段(119)の吸放湿量が増加し、効率の良い除湿を行うことができるとともに、放湿部(121)の加熱手段(1)に面する部分の一部が急激に温度上昇するのを抑制し、吸放湿手段(119)の信頼性も向上する。さらに、通風抵抗をかけずに整流することができるので、流れを均一化するためのスペースが必要なく、省スペースで加熱手段(1)を構成することができる。
(ハ)また、本願の第3の発明にかかる除湿装置によれば、上記(イ)または(ロ)に記載した効果に加えて、整流手段(51)は、発熱部(34)の空気流れ方向後段の位置まで空気を供給するガイド部(48)を発熱部支持体(35)に設ける構造とすることによって、供給空気の流れを整流し、供給空気を発熱部(34)に晒されない状態で発熱部(34)の空気流れ方向後段まで導入することができるようになり、発熱部(34)の空気流れ方向後段における発熱部(34)を通過し高温となった空気が再度発熱部(34)を通過することによる過度の温度上昇を抑制することになり、加熱手段(1)の放湿部(121)に対する面が均一に温度上昇することになり放湿部(121)における水分放湿効率を向上することになるので、吸放湿手段(119)の吸放湿量が増加し、効率の良い除湿を行うことができるとともに、放湿部(121)の加熱手段(1)に面する部分の一部が急激に温度上昇するのを抑制し、吸放湿手段(119)の信頼性も向上する。さらに、加熱手段(1)を薄型化していっても、上記ガイド部(48)の流れを均一化する作用に変わりは無いので加熱手段(1)を省スペースにて構成することができる。
(ニ)また、本願の第4の発明にかかる除湿装置によれば、上記(イ)、(ロ)または(ハ)に記載した効果に加えて、加熱手段(1)は、発熱部(34)と、前記発熱部(34)を支持する発熱部支持体(35)と、前記発熱部支持体(35)を固定し供給空気を導入する導入口(36)を有する枠体(37)と、前記枠体(37)を吸放湿手段(119)側から覆蓋し供給空気を導出する導出口(38)を有する発熱部蓋部(39)とを備え、前記枠体(37)に前記発熱部(34)の輻射熱を反射する反射部(45)を設ける構造とすることによって、発熱部(34)から放湿部(121)とは逆方向にある加熱手段(1)の枠体(37)の方向に放射される輻射熱を、枠体(37)に設けられた反射部(45)により反射することにより、輻射熱反射用に新たな部材を追加することなく、加熱手段(1)からの熱の漏れによるエネルギーロスを抑制し、加熱効率を向上することになり、放湿部(121)における水分放湿を促進することになるので、安価な構成で、吸放湿手段(119)の吸放湿量が増加し、効率の良い除湿を行うことができる。
(ホ)また、本願の第5の発明にかかる除湿装置によれば、上記(イ)、(ロ)、(ハ)または(ニ)に記載した効果に加えて、加熱手段(1)は、前記加熱手段(1)が異常高温になった場合に、前記加熱手段(1)の通電を制御する安全装置(44)を備え、前記安全装置(44)への発熱部(34)からの輻射熱による過熱を抑制する輻射抑制手段(52)を備える構造とすることによって、輻射抑制手段(52)が、安全装置(44)に放射される発熱部(34)からの輻射熱を遮るので、通常運転時において安全装置(44)が異常高温になることによる安全装置(44)の誤動作を抑制し、また、安全装置(44)自体の耐熱温度を超えて過熱されることを抑制することになるので、通常運転時に安全装置(44)の誤動作による異常停止などの不具合のなく、安全装置(44)の信頼性も確保できる、信頼性の高い除湿装置を提供することができる。また、上記(ホ)に記載した効果に加えて、加熱手段(1)の枠体(37)に吸放湿手段(119)と反対側に安全装置(44)を固定し、前記安全装置(44)と発熱部(34)の間に発熱部支持体(35)のガイド部(48)を配置することにより輻射抑制手段(52)を構成することによって、発熱部(34)に供給される空気を整流するガイド部(48)が、安全装置(44)が発熱部(34)からの輻射熱に直接晒されるのを抑制する輻射抑制手段(52)を兼ね備えることになり、輻射抑制用に新たに部材を追加することなく、通常運転時において安全装置(44)が異常高温になることによる安全装置(44)の誤動作を抑制し、また、安全装置(44)自体の耐熱温度を超えて過熱されることを抑制することができるので、部品点数が少なく安価な構造で、通常運転時に安全装置(44)の誤動作による異常停止などの不具合のなく、安全装置(44)の信頼性も確保できる、信頼性の高い除湿装置を提供することができる。
(ヘ)また、本願の第6の発明にかかる除湿装置によれば、上記(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)または(ホ)に記載した効果に加えて、室内空気(5)を放熱器(103)により加熱し装置外に吹出す第2風路(7)を備え、加熱手段(1)により加熱した第1風路(6)内の空気が第2風路(7)に誘引されるのを抑制する誘引防止手段(56)を加熱手段(1)に設けることによって、加熱手段(1)により加熱された空気が第2風路(7)に誘引され装置外に放出されるのを抑制するので、第1風路(6)内の加熱手段(1)以降の風路を流れる空気の風量が減少するのを抑制するとともに、加熱手段(1)の熱の漏れを減少し加熱エネルギーをロス無く吸放湿手段(119)の放湿部(121)の加熱に利用することができるようになるので、第1風路(6)を流れる空気の風量減少による除湿能力低減を抑えるとともに、加熱効率を向上し、放湿部(121)における水分放湿を促進することができ、効率よく除湿できる除湿装置を提供することができる。また、上記(ヘ)、に記載した効果に加えて、加熱手段(1)は、発熱部(34)と、前記発熱部(34)を支持する発熱部支持体(35)と、前記発熱部支持体(35)を固定し供給空気を導入する導入口(36)を有する枠体(37)と、前記枠体(37)を吸放湿手段(119)側から覆蓋し供給空気を導出する導出口(38)を有する発熱部蓋部(39)とを備え、誘引防止手段(56)は前記枠体(37)の第2風路(7)方向に面した場所に設けられた発熱部(34)を囲うように設けられたリブ(55)により構成することによって、リブ(55)により第2風路(7)が第1風路(6)から空気を吸込もうとする負圧を遮断することで、加熱手段(1)により加熱された空気が第2風路(7)に誘引され装置外に放出されるのを抑制するので、第1風路(6)内の加熱手段(1)以降の風路を流れる空気の風量が減少するのを抑制するとともに、加熱手段(1)の熱の漏れを減少し加熱エネルギーをロス無く吸放湿手段(119)の放湿部(121)の加熱に利用することができるようになるので、第1風路(6)を流れる空気の風量減少による除湿能力低減を抑えるとともに、加熱効率を向上し、放湿部(121)における水分放湿を促進することができ、効率よく除湿できる除湿装置を提供することができる。
(ヘ)また、本願の第6の発明にかかる除湿装置によれば、上記(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)または(ホ)に記載した効果に加えて、加熱手段(1)は、発熱部(34)と、前記発熱部(34)を支持する発熱部支持体(35)と、前記発熱部支持体(35)を固定し供給空気を導入する導入口(36)を有する枠体(37)と、前記枠体(37)を吸放湿手段(119)側から覆蓋し供給空気を導出する導出口(38)を有する発熱部蓋部(39)とを備え、前記吸放湿手段(119)の前記放湿部(121)と吸湿部(120)を区分するシール部(43)を前記発熱部蓋部(39)に設ける構造とすることによって、発熱部蓋部(39)に設けられたシール部(43)が吸放湿手段(119)の吸湿部(120)と放湿部(121)を仕切ることになるので、特に部品を追加することなく吸湿部(120)と放湿部(121)を仕切ることができるようになり、また、シール部(43)は加熱手段(1)の発熱部(34)の近傍に配置することにより発熱部(34)の熱の影響を受けるが、もともと耐熱性を考慮してある加熱手段(1)の発熱部蓋部(39)により、シール部(43)を形成できるので、耐熱用の処理を施す必要がないので、安価な構成で、信頼性の高い除湿装置を提供することができる。
(ト)また、本願の第7の発明にかかる除湿装置によれば、上記(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)または(ヘ)に記載した効果に加えて、吸放湿手段(119)を、ハニカムローター(108)に担持された吸着剤(107)が、吸湿部(120)において供給空気から水分を吸着するとともに放湿部(121)において供給空気へ水分を脱着するように前記ハニカムローター(108)を配し、前記ハニカムローター(108)の回転によって、前記吸湿部(120)における水分吸着と前記放湿部(121)における水分脱着を繰り返すように構成し、第1風路の前記放湿部(121)前段に設けられた加熱手段(1)の前記ハニカムローター(108)回転方向後段に設けられた前記第1風路(6)を構成する風路壁(57)を前記加熱手段(1)の熱による劣化から保護する保護手段(58)を備える構造とすることによって、保護手段(58)が、加熱手段(1)によりハニカムローター(108)に与えられた熱がハニカムローター(108)回転方向後段の第1風路(6)を構成する風路壁(57)に与える熱変形、融解等の熱劣化を抑制し、加熱手段(1)の発熱から風路壁(57)を保護することになるので、加熱手段(1)の発熱による熱劣化のない、信頼性の高い除湿装置を提供することができる。また、上記(チ)に記載した効果に加えて、保護手段(58)は、加熱手段(1)のハニカムローター(108)回転方向後段に設けられた第1風路(6)を構成する風路壁を覆うよう加熱手段(1)の発熱部蓋部(39)に設けられた放熱リブ(59)により構成することによって、加熱手段(1)により加熱された放湿部(121)が直接第1風路(6)の風路壁(57)と面するのを放熱リブ(59)により遮断し、さらに加熱された風路壁(57)近傍まで回転してきた放湿部(121)の熱を周囲の空気に放熱することにより、温度を下げ、風路壁(57)に熱による影響を及ぼさないように保護しているので、加熱手段(1)の発熱による熱劣化のない、信頼性の高い除湿装置を提供することができる。
(チ)また、本願の第8の発明にかかる除湿装置によれば、上記(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)、(ヘ)または(ト)に記載した効果に加えて、加熱手段(1)は、発熱部(34)と、前記発熱部(34)を支持する発熱部支持体(35)と、前記発熱部支持体(35)を固定し供給空気を導入する導入口(36)を有する枠体(37)と、前記枠体(37)を吸放湿手段(119)側から覆蓋し供給空気を導出する導出口(38)を有する発熱部蓋部(39)とを備え、前記発熱部(34)が前記枠体(37)および前記発熱部蓋部(39)と接触するのを防止する接触防止手段(60)を備えることによって、接触防止手段(60)が、発熱部(34)と枠体(37)および発熱部蓋部(39)の接触を防止することにより、発熱部(34)と枠体(37)および発熱部蓋部(39)が接触し、枠体(37)および発熱部蓋部(39)に電量が流れ漏電や短絡を起こしたり、耐圧不良となるのを防止することになるので、耐圧不良などの不具合のない信頼性の高い除湿装置を提供することができる。また、上記(リ)に記載した効果に加えて、接触防止手段(60)は、発熱部支持体(35)の傾倒や枠体(37)からの脱落を防止する制止部(61)を枠体(37)に備えた構造とすることによって、制止部(61)が発熱部支持体35の傾斜や枠体(37)からの脱落を防止するので、発熱部(34)を加熱手段(1)内の所定の位置に確実に固定することができるので、発熱部(34)と枠体(37)および発熱部蓋部(39)の接触を防止することにより、発熱部(34)と枠体(37)および発熱部蓋部(39)が接触し、枠体(37)および発熱部蓋部(39)に電量が流れ漏電や短絡を起こしたり、耐圧不良となるのを防止することになるので、簡単な構成で、耐圧不良などの不具合のない信頼性の高い除湿装置を提供することができる。
(カ)また、本願の第14の発明にかかる除湿装置によれば、上記(ワ)に記載した効果に加えて、接触防止手段(60)は、発熱部支持体(35)の傾倒や枠体(37)からの脱落を防止する制止部(61)を枠体(37)に備えた構造とすることによって、制止部(61)が発熱部支持体35の傾斜や枠体(37)からの脱落を防止するので、発熱部(34)を加熱手段(1)内の所定の位置に確実に固定することができるので、発熱部(34)と枠体(37)および発熱部蓋部(39)の接触を防止することにより、発熱部(34)と枠体(37)および発熱部蓋部(39)が接触し、枠体(37)および発熱部蓋部(39)に電量が流れ漏電や短絡を起こしたり、耐圧不良となるのを防止することになるので、簡単な構成で、耐圧不良などの不具合のない信頼性の高い除湿装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、従来の例と同一の構成要素については同一の符号を用い、詳細な説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施形態1にかかる除湿装置の概略構成を示す簡易的な模式図ある。図1に示すように、この除湿装置は本体101内に、圧縮機102、放熱器103、膨張機構104、吸熱器105を配管接続した冷媒回路106と、供給空気から吸湿する吸湿部120および供給空気に対して放湿する放湿部121を有する吸放湿手段119を設け、冷媒回路106内に冷媒117を充填している。また、放湿部121に供給される空気の少なくとも一部を加熱する加熱手段1を備えている。そして、本体101には吸込口112と吹出口2を開口し、第1送風手段3および第2送風手段4の運転によって、室内空気5を吸込口112より本体101内に導入している。本体101内に供給された室内空気5は第1送風手段3により、放熱器103に供給され、その後その少なくとも一部が加熱手段1を通過し加熱され、放湿部121、吸熱器105、吸湿部120に順に供給されて吹出口2より本体101外部に流出する。この風路を第1風路6として構成している。また、吸込口112から導入された室内空気5の一部は第2送風手段4により、放熱器103および吸湿部120の一部に供給されて、吹出口2より本体101外部に流出するように第2風路7を形成している。さらに、吹出口2には切替え手段8を設け、切替え手段8を図中点線で描かれた方に操作した場合、第2送風手段4により送風される空気は排気吹出口9から本体101外部に吹出される。そして、圧縮機102により冷媒117を圧縮することによって、冷媒117が、放熱器103、膨張機構104、吸熱器105の順に冷媒回路106内を循環し、放熱器103に供給される室内空気5に対して放熱するとともに吸熱器105に供給される室内空気5から吸熱することによってヒートポンプ118を作動させる構成となっている。ここで、放熱器103は冷凍サイクルにおける、いわゆる凝縮器であり、吸熱器105は、いわゆる蒸発器である。なお、本実施例では第1送風手段3により吹出される空気と第2送風手段4により吹出される空気を混合して室内に吹出すか分離して吹出すかを切替え可能な構造としているが、切替え手段8を排除し、吹出口を1つにし第1送風手段3および第2送風手段により吹出される空気が常に混合して室内に供給される構成してもよく作用効果に差異はない。その際、第1送風手段3と第2送風手段4の2つの送風手段を用いずに、1つの送風手段により各々の風路から送風することもでき、本発明の作用効果を著しく損なうものではない。
図2は、吸放湿手段119の詳細構成を示した図である。吸放湿手段119はセラミック繊維、ガラス繊維等の無機繊維、もしくはそれら無機繊維とパルプとを混合して抄造した平面紙とコルゲート加工を施した波型紙とを積層して巻き上げて円盤状にハニカムローター108として形成し、ゼオライト、シリカゲル、活性炭などの吸着剤107を1種類以上担持したもので構成され、図中の実線矢印の方向に多数の小透孔を有していて通風が可能な構造となっている。ハニカムローター108はローターフレームA10およびローターフレームB11により保持されている。ハニカムローター108はローターフレームA10に収納され、ローターフレームA10の片端面に設けたストッパー12によって脱落が抑えられている。ローターフレームA10の逆端側には外周に沿ってローターフレームB11が嵌り込み、複数箇所を螺子止めすることでローターフレームA10に固定される。ローターフレームB11の中心部にはボス受け部13を設け、ボス受け部13より放射状にフレームリブ14を架橋させ、ローターフレームB11の逆側からハニカムローター108の中心軸孔に嵌るボス15をボス受け部13において螺子止めにより固定することでローターフレームA10とボス15の相対位置が規定されハニカムローター108の保護および保持が成されることになる。各フレームリブ14はリング部16により架橋されており強度を保っている。リング部16は1箇所以上設ければよく、ハニカムローター108の直径が大きい場合には、複数個設けるほうが良い。ローターフレームB11は防錆があり、且つ薄い板厚で高い強度が要求されるので板厚0.4〜1.0mm、好ましくは0.4mmのステンレス鋼鈑をプレス、曲げ加工により製作したものを用いている。また、ローターフレームA10の外周にはハニカムローター108を回転可能にするためのローターギア17をローターフレームA10、ストッパー12との一体成型により形成している。ローターギア17はローター駆動手段18である駆動モーター19に配置されている駆動ギア20と噛合し、駆動モーター19の回転に合わせてハニカムローター108が回転駆動する構成となっている。また、ハニカムローター108の吸湿部120に供給される空気と放湿部121に供給される空気の相互流通を抑制するように風路を仕切っており、このハニカムローター108の回転によって吸着剤107は、吸湿部120における空気との接触と放湿部121における空気との接触を繰り返すことになる。この吸着剤107は、晒される空気の相対湿度が高ければ多くの水分を保持でき、相対湿度が低くなると保持可能な水分量が減少する特性を有しているので、相対湿度の異なる複数の空気との接触を繰り返せば、各々の相対湿度における吸着剤107の保持可能な水分量の差に応じて水分の吸脱着が行われることになる。ここで、吸湿部120で吸着剤107と接触する空気は、主に吸熱器105において冷媒117の吸熱により冷却された高い相対湿度の空気であり、放湿部121で吸着剤107と接触する空気は、放熱器103において冷媒117の放熱により加熱された低い相対湿度の空気、および加熱手段1によりさらに加熱され相対湿度の低い空気であるので、この相対湿度の差によって、吸着剤107の吸脱着作用が為されて吸放湿手段119が作動することになるのである。
図3は、本発明の実施形態1にかかる除湿装置の概略構成を示す分解図である。図3に示すように、吸放湿手段119の通風路前後、放熱器103および吸熱器105の通風路前後を仕切る仕切り板21に放熱器103、吸熱器105は固定されている。放熱器103および吸熱器105はアルミ製のフィンと銅製のチューブを組み合わせたフィンチューブ熱交換器であり、そのUベンド部分を仕切り板21に設けられた熱交固定部22に押し込み固定し、さらに吸熱器カバー23により複数点を仕切り板21に螺子止めすることにより固定を確実なものにしている。吸熱器カバー23はまた、吸放湿手段119の放湿部121から流出した多湿空気が他の空気と混合するのを防止する作用を有する。仕切り板21には吸放湿手段119を回転可能に支持する回転軸24が設けられており、吸放湿手段119は中心部分を仕切り板21の回転軸24に嵌め込み、ローターカバー25により回転軸24と仕切り板21の円周方向外周部の複数点を螺子止めすることにより枢設されている。仕切り板21とローターカバー25には吸放湿手段119を挟んで吸放湿手段仕切り部26が配置され、吸放湿手段119を吸湿部120と放湿部121に区分している。仕切り板21に備えられたローター駆動手段18により吸放湿手段119は回転駆動され、吸湿部120と放出部121を連続的に入れ替えることにより連続的に除湿が行われるように構成されている。加熱手段1はローターカバー25にローターカバー25の円周方向外周部にて複数箇所螺子止めされることにより固定し、ローターカバー25が仕切り板21に固定される際、ローターカバー25の中心部と仕切り板21の回転軸とともに螺子止めされる。
圧縮機102は圧縮機102下部が防振ゴムを介してベース27に螺子止めされている。圧縮機102、放熱器103、膨張機構104であるキャピラリチューブ、吸熱器105は銅製のパイプ28により圧縮機102、放熱器103、膨張機構104、吸熱器105の順に接続され、放熱器103と膨張機構104の間にはストレーナ29が配置されている。圧縮機102により圧縮され高温高圧気体となった冷媒は放熱器103において冷却され、液体となりストレーナ29において整流された後、膨張機構104において減圧される。2層流となった冷媒は吸熱器105において暖められ、気体となり圧縮機に戻り、冷凍サイクルを形成している。
ベースカバー30はドレンパン31の下部スペースを圧縮機102領域とタンク122領域に分離するとともに、ドレンパン31を螺子止め支持している。
ドレンパン31は、放熱器103、吸熱器105、吸放湿手段119、ローター駆動手段18、ローターカバー25を配置した仕切り板21の下部に吸熱器105で結露した水滴を受けるように配置する。
第1送風手段3および第2送風手段4は送風機であり、ケーシングの中を羽根が回転することにより送風するいわゆるシロッコファンとして構成している。第1送風手段3および第2送風手段4は仕切り板21にローターカバー25側から取り付け、ドレンパン31上部に配置する。ドレンパン31下部のタンク122領域にはタンク122が引き出し可能に配置されている。第1送風手段3やその他風路の内側、外側などに結露し、結露水が漏れたとしても、ドレンパン31で受けられ、タンク122に集水できる構造となっている。これら構成部品は除湿装置の本体101の外郭を構成するケース32に収められ、ケース32には吸込口112、吹出口2、排気吹出口9が設けられている。
第1送風手段3により吸込口112から吸込まれた室内空気5は放熱器103に供給され、温度を上昇された後、いったん吸放湿手段119と仕切り板21の隙間を通過し、吸放湿手段119の第1送風手段3に面した端面から吸放湿手段119の放湿部121に供給される。このとき、放湿部121に供給される室内空気5の少なくとも一部が加熱手段1を通過するよう構成し供給空気の温度をさらに上昇することにより放湿部121での水分放湿を促進する。そして放湿部121において高湿となった空気は吸熱器105の吸熱器カバー23に面した端面から吸熱器105に供給され水分が凝縮される。吸熱器105から放出した空気は吸放湿手段119の吸湿部120に供給され水分を吸着剤107の吸着により奪われ、乾燥空気となり吹出口2から室内に放出される。一方、第2送風手段4により吸込口112から吸込まれた室内空気5は放熱器103に供給、温度を上昇された後、吸放湿手段119と仕切り板21の隙間を通過し、吹出口2、または排気吹出口9から室内に放出される。第2送風手段4により室内に供給される空気が吹出口2から吹出すか排気吹出口9から吹出すかは、送風手段上部に設けられた切替え手段8により切替えることが可能な構造となっている。
吹出口2の上部にはルーバー33を備え、吹出口2から室内に供給される空気の吹出し方向を変更可能な構成となっている。
吸放湿手段119を境に一方に第1送風手段3および第2送風手段4を、他方に放熱器103および吸熱器105をまとめて配置している。これにより送風手段においてはケーシングを一体で成形して部品点数を減少でき、放熱器103、吸熱器105においては銅パイプ28のロー付けがやりやすくなり、メンテナンス性が向上するなどの効果が期待できる。
次に除湿装置の動作を説明する。
図4は、図1に示した除湿装置の冷媒117の状態変化を示すモリエル線図(圧力−エンタルピ線図)である。図4に示した点A、点B、点C、点Dを矢符で結んだサイクルは、冷媒回路106内を循環する冷媒117の状態変化を示しており、冷媒117は圧縮機102において圧縮されることにより圧力とエンタルピが上昇して点Aから点Bの状態変化を行い、放熱器103において供給される室内空気5に対して放熱することによりエンタルピが減少して点Bから点Cの状態となる。次に膨張機構104において膨張して減圧することにより圧力が低下して点Cから点Dの状態変化を行い、吸熱器105において供給される空気から吸熱することによりエンタルピが増加して点Dから点Aの状態に戻る。このような冷媒117の状態変化により、吸熱器105において吸熱し、放熱器103において放熱するヒートポンプ118が動作し、この時、点Bと点Cのエンタルピ差に冷媒117の循環量を乗じた値が放熱器103における放熱量、点Aと点D(点C)のエンタルピ差に冷媒117の循環量を乗じた値が吸熱器105における吸熱量となり、放熱量と吸熱量の差、即ち点Bと点Aのエンタルピ差に冷媒117の循環量を乗じた値が圧縮機102の圧縮仕事量になる。
図5は、図1に示した除湿装置における室内空気5の状態変化を示す湿り空気線図である。図5に示した湿り空気線図において、まず、点aの状態の室内空気5が放熱器103および加熱手段1に供給され、放熱器103に供給された室内空気5(a)は、冷媒117の放熱により加熱されて点bの状態となる。点bの状態となった室内空気5(b)は、次に放湿部121に供給されてハニカムローター108に担持された吸着剤107が保有している水分を脱着することにより加湿されて、湿度が上昇するとともに温度が低下して点cの状態となる。一方、加熱手段1に供給された室内空気5(c)は、加熱手段1によって放熱器103で加熱された点bの温度以上に加熱されて点dの状態となる。点dの状態となった室内空気5(c)は、次に放湿部121に供給されてハニカムローター108に担持された吸着剤107が保有している水分を脱着することにより加湿されて、湿度が上昇するとともに温度が低下して点eの状態となる。放湿部121において加湿された点cおよび点eの状態の室内空気5は次に吸熱器105に供給され、冷媒117の吸熱により露点温度以下まで冷却されて点fの飽和状態となる。この時に飽和した水分は凝縮水としてタンク122に回収される。点fの飽和状態となった室内空気5(c)は、次に吸湿部120に供給され、吸着剤107に水分を吸着されることによって除湿されて湿度が低下するとともに温度が上昇し、点gの状態の乾燥空気となる。点gの状態となった室内空気5は、第1送風手段3に吸引されて本体101外部に排出される。以上の室内空気5の状態変化において、吸熱器105において回収される凝縮水の量は、点cと点fの絶対湿度差に放熱器103に供給される室内空気5(b)の重量換算風量を乗じた値と、点eと点fの絶対湿度差に加熱手段1に供給される室内空気5(c)の重量換算風量を乗じた値との加算値となり、放湿部121における放湿量は、点bと点cの絶対湿度差に放熱器103に供給される室内空気5(b)の重量換算風量を乗じた値と、点dと点eの絶対湿度差に加熱手段1に供給される室内空気5(c)の重量換算風量を乗じた値との加算値となる。また、吸湿部120における吸湿量は、点fと点gの絶対湿度差に吸湿部120に供給される室内空気5(a)の重量換算風量を乗じた値となる。加熱手段1を放湿部121の前段に導入することにより、放湿部121に供給される室内空気5の温度を高くし、相対湿度を低くすることができるので、放湿部121出口の室内空気5の絶対湿度を高くすることができる、すなわち吸熱器に導入する室内空気5の絶対湿度を高くできるので、凝縮する水分の量を増加させることができる。一方、第2送風手段4により送風される室内空気5は、放熱器103に供給され点aの状態から点bの状態に加熱され、そのまま室内に排出される。このように放熱器103における放熱量の一部を第2送風手段4によりそのまま室内に排出し、残りの放熱量を第1送風手段で送風される室内空気5の加熱に利用することにより、冷凍サイクルとしての吸熱量と放熱量のバランスを最適なものにすることができる。
図6は、加熱手段1の詳細構成を示した分解図である。図6に示すように、通電することにより熱を発する発熱部34と、発熱部34を支持する発熱部支持体35と発熱部支持体35を固定し供給空気を導入する導入口36を有する枠体37と、枠体37を吸放湿手段119側から覆蓋し供給空気を導出する導出口38を有する発熱部蓋部39とを備えている。本実施例においては、発熱部34はニクロムヒーターを使用し、外径約6mmにて巻き線状に加工されている。発熱部34は発熱部支持体35に設けられた、発熱部34がはめ込まれる切欠き部40に嵌め込み固定され、発熱部34の端部を発熱部支持体35に巻きつけることにより固定を確実なものにしている。さらに、発熱部34の端部は円筒状の碍子41の中心穴をとおして加熱手段1外部のリード線と接続されることにより発熱部34と枠体37の絶縁を確実なものにしている。枠体37は板金を曲げ加工により箱状に加工し、発熱部34を装着した発熱部支持体35を入れる。その際、枠体37の中心部分近傍と外周部分に設けられた固定穴42に、発熱部支持体35の一部を複数箇所嵌め込むことにより脱落を防止するように固定される。発熱部蓋部39は枠体37を吸放湿手段119に面する方向から覆蓋し、外周部とシール部43の近傍において螺子止めしている。発熱部蓋部39には導出口38を囲うようにシール部43を備え、吸放湿手段119に流れ込む空気と吸放湿手段119から流出する空気が混合するのを抑制している。安全装置44は枠体37に吸放湿手段119とは反対方向から発熱部蓋部39とともに螺子止めされる。安全装置44は供給空気の供給が停止などして発熱部34が異常高温になった場合に、その温度を検知し、発熱部34の発熱量を抑制、または停止するように制御を行うものであり、温度ヒューズやサーミスタなどが用いられる。そして、供給空気は枠体37に設けられた導入口36から流入し、発熱部34により昇温され、発熱部蓋部39に設けられた導出口38から吹きだし、吸放湿手段119の放湿部121に流入する。さらに枠体37には、反射部45を設けている。反射部45は枠体37の発熱部34に面した部分に設けられており、発熱部34から放射される輻射熱を吸放湿手段119の放湿部121に反射する作用を有している。本実施例では枠体37の内面を光沢がある材料で作成することによって反射部45をなされており、光沢のあるステンレスやアルミなどの材料を用いることで構成できる。これにより、枠体37からの吸放湿手段119の放湿に関係のない放熱を抑制することができ、発熱部34の熱を余すところなく吸放湿手段119の放湿のために利用することができる上に、枠体37自体の温度上昇を抑制することもできる。
なお、発熱部34は通電することにより発熱する材料であれば作用効果に差異はなく、ニクロム線に限定するものではない。
図7は発熱部支持体35の構成を示した分解図である。発熱部支持体35は、耐熱性および絶縁性のある材料、たとえばマイカなどの板を発熱部支持板46として複数枚組み合わせることにより構成されている。ハニカムローター108の回転方向法線と垂直な方向に配置された発熱部支持板46には複数の嵌合穴47が設けられ、ハニカムローター108の回転方向の法線と略同じ方向に設置される発熱部支持板46を嵌め込むことにより固定している。発熱部支持板46の嵌合穴47に嵌合する端部とは反対側の端部にはガイド部48を嵌め込むための嵌合切欠き部49を備えている。発熱部支持板46はガイド部48に設けられた嵌合切欠き部49と嵌合することにより発熱部支持板46同士の距離を確保している。発熱部支持板46には発熱部34を固定するための切欠き部40が設けられており、発熱部34を嵌め込み固定している。そして、加熱手段1は発熱部34に均一に空気を供給する均一供給手段50を備えている。発熱部支持板46はその一番面積の広い面を供給空気の流入方向および、供給空気の流出方向に向けないことにより、供給空気の流れを堰き止めるようには作用せず、流れを乱さないように配置されて、発熱部34に整流された空気を供給する整流手段51を構成している。上述のように均一供給手段50として整流手段51を構成することにより、圧力損失を抑えながら供給空気の流れ方向を変え、さらに流れを整えながら発熱部34に均一に空気を供給できるので、供給空気の流れ方向を変えるために加熱手段1を大型化する必要が無く薄型の加熱手段1とすることができる。さらに、加熱手段1に流入した供給空気は整流手段51により整流され、流れが均一化された空気を発熱部34に供給できるので、供給空気は効率よく昇温され発熱部34の発熱効率が向上する。そして、加熱手段1の放湿部121に対する面が均一に温度上昇することになり放湿部121における水分放湿効率を向上することになるので、吸放湿手段119の吸放湿量が増加し、効率の良い除湿を行うことができるとともに、放湿部121の加熱手段1に面する部分の一部が急激に温度上昇するのを抑制し、吸放湿手段119の信頼性も向上する。
なお、本実施例では発熱部支持体35にはマイカの板を使用しているが、耐熱性および絶縁性のある材料であれば良く、たとえばベークライトなどを使用しても良く、作用効果に差異は無い。
図8は図6のA−A断面を示した断面図である。図に示すように整流手段51としてガイド部48が枠体37と隙間を空け配置され、加熱手段1に流入する空気の一部は、ガイド部48と枠体37の隙間を通って発熱部34に到達するようになっている。加熱手段1の中で供給空気はその流れ方向を略90°曲げることになる。その場合、発熱部34の一部を通った空気が再度発熱部34の別の一部を通過することが考えられ、その場合、発熱部34の発熱効率が低下するとともに、発熱部自体が異常高温になる可能性がある。上述のようにガイド部48により供給空気を導くことにより、発熱部34の供給空気流れ方向後段部分にも、まだ温度上昇していない空気を供給することができ、発熱部34の高い発熱効率を確保することができる。そして、加熱手段1の放湿部121に対する面が均一に温度上昇することになり放湿部121における水分放湿効率を向上することになるので、吸放湿手段119の吸放湿量が増加し、効率の良い除湿を行うことができるとともに、放湿部121の加熱手段1に面する部分の一部が急激に温度上昇するのを抑制し、吸放湿手段119の信頼性も向上する。
本実施例では、ガイド部48は安全装置44と発熱部34の間に配置され、発熱部34から放射された輻射熱が直接安全装置44にあたるのを抑制することにより、輻射抑制手段52として機能している。安全装置44は供給空気が何らかの要因により減少した場合に発熱部34周辺の温度上昇を検知して、発熱部34への電力の供給を減少もしくは停止することが目的であるので、できるだけ発熱部34の温度変化を敏感に検出させる必要がある。一方、発熱部34からの輻射熱が直接安全装置44に放射されるような状況では、輻射熱がその性質上、物質を介して伝導しないので、安全装置44部分で常に温度の高い状態になり、温度変化を検出できない、あるいは正常なときに異常を検知してしまうなど誤動作の可能性があった。また、安全装置44自体の耐熱温度を超えて、加熱されてしまうという可能性もあった。このような課題を解決するために、上記のようにガイド部48により輻射抑制手段52を構成することにより、安全装置44に直接発熱部34からの輻射熱が当たるのを抑制しながら、安全装置44を発熱部34に近い位置に配置することができる。このため、安全装置44表面では余分な温度上昇がなく、安定して安全装置44が動作することができる。また発熱部支持体35を構成するガイド部48により輻射抑制手段52を構成することにより、特別に部品を追加することなく輻射抑制手段52を構成できるので、簡単な構成で安価に効果を得ることができ、安全装置44を発熱部34に近い位置に配置できるので、加熱手段1の厚みを薄く構成することができる。なお、本発明では輻射抑制手段52をガイド部48により構成する構造としたが、輻射抑制手段52用に新たに部品を追加してもよく、本手段の安全装置44に直接、発熱部34の輻射熱が当たるのを抑制するという作用、効果に差異はない。
また、図7に示すようにガイド部48には反射促進切欠き部53を設けている。反射促進切欠き部53は、ガイド部48の安全装置44への発熱部34からの輻射を抑制する部分と、発熱部支持板46の勘合する嵌合切欠き部49を除く部分を切欠いている。これにより、枠体37に設けられている反射部45の輻射熱を反射する作用を妨げる部分を最小限にしている。すなわち、反射部45で発熱部34の輻射熱を効率よく反射し、発熱部34による発熱を効率よくハニカムローター108の放湿部121の放湿に利用することができるようになる。
図9はローターカバー25に加熱手段1を取り付け、ハニカムローター108とともに仕切り板21に取り付けた状態を示す図である。ハニカムローター108はローターカバー25により吸湿部120と放湿部121とに区切られている。ハニカムローター108はローター駆動手段18により図中白抜き矢印に方向に回転駆動されている。加熱手段1の発熱部34のハニカムローター108回転方向後段には放熱器103を通過し、加熱手段1を通過させずに放湿部121に通過させ、ハニカムローター108を冷却するパージ領域54を有している。ハニカムローター108は加熱手段1により高温に昇温された状態のまま、吸湿部120に回転移動してきてもハニカムローター108がある程度冷却されるまでは吸着が行われないので、上述のようにパージ領域54を設けることにより、吸湿部120での吸湿効率を向上させるようにしている。本図では図中Bの部分の吸湿部120は室内空気5を吸込口112から導入し放熱器103を通過させずに直接放湿部121に送風し、水分を吸着させる領域となっている。放熱器103を通過した空気および、パージ領域54を通過した空気は第2送風手段4により図中矢印の方向に吸引され装置外の室内に供給される。一方加熱手段1を通過する空気は第1送風手段3により放湿部121、吸熱器105、吸湿部120に送風され、装置外の室内に供給される。放熱器103を通過した空気は一部が第2送風手段4に吸い込まれ、一部が放湿部121および加熱手段1に吸い込まれれば良いので、特に風路を仕切る必要がない。しかしながら、加熱手段1を通過した空気が第2送風手段4に誘引される可能性がある。その場合、加熱手段1で投入した熱量をそのまま装置外に吹出してしまうためエネルギーロスとなる。そのため、加熱手段1には、図6および図8に示すようなリブ55を誘引防止手段56として装着している。リブ55は枠体37の一部を曲げ加工することにより形成し、第2送風手段4が作り出す負圧による加熱手段1を通過した空気の誘引を抑制している。この構造とすることにより、特に部品を追加することなく、安価な構造で、加熱手段1により昇温された空気がそのまま装置外に吹出されるのを抑制し、放湿部121の放湿効率を向上し、除湿能力を向上することができる。
図10は、図9中のC−C断面の拡大模式図である。図中実線矢印は、第1風路6を通過する空気の流れを示し、放熱器103を通過し、一部が加熱手段1を通過して放湿部121に流入していく。点線矢印は、吸湿部120を通過する空気の流れを示し、第1風路6を形成する風路壁57を備えている。そして、加熱手段1の発熱部蓋部39には加熱手段1の熱による劣化から風路壁57を保護する保護手段58として放熱リブ59が設けられている。放熱リブ59は、加熱手段1のシール部43のハニカムローター108回転方向後段に設けられる。加熱手段1の発熱部蓋部39におけるシール部43のハニカムローター108回転方向後段部分を曲げ加工によりリブ状に形成されている。加熱手段1により加熱されたハニカムローター108が室内の温度が高い条件や入力電源が高い条件などにより、上述のパージ領域54でも冷却しきれずに高い温度のまま第1風路6の風路壁57まで回転移動してきた場合、樹脂で成形される風路壁57は、その耐熱温度を越えて昇温される可能性があり熱による変形、融解等の熱劣化を引き起こす可能性がある。上述のように放熱リブ59が風路壁57を覆うように配置されることにより、風路壁57が直接ハニカムローター108の表面と面することを無くし、また、昇温されたハニカムローター108の熱を発熱部蓋部39のシール部43を伝熱させ、放熱リブ59により空気中に放熱することにより、ハニカムローター108の温度を低下させる作用を有している。これにより風路壁57の温度の上昇を抑制し、熱劣化を抑制することができ、信頼性の高い除湿装置とすることができる。
図11は加熱手段1の斜視図である。発熱部34が枠体37や発熱部蓋部39に接触するのを防止する接触防止手段60として、制止部61を備えている。制止部61は、枠体37および発熱部蓋部39に設置され、枠体37および発熱部蓋部39の一部を折り曲げ加工することにより形成されている。発熱部支持板46が脱落するのを抑制するように設けられ、発熱部支持板46の固定を確実なものにしている。さらに安全装置44および発熱部蓋部39、枠体37をともに制止部61において螺子止めすることにより、固定をさらに確実なものにしている。このように構成することにより、特に発熱部支持体35の固定用に部品を追加することなく、また、螺子の本数を増大させること無く固定を確実なもにできるので、簡単な構成で安価に、発熱部支持体35のズレを抑制でき、充電部が枠体37などに触れる心配がなくなるので加熱手段1を小スペースの中で構成することができ、小型化することができる。そして、信頼性の高い加熱手段1とすることができる。
図12は、制止部61の一部の詳細を示した図である。発熱部34の端部は、リード線などが接続され、配線のために引っ張り方向に力が加えられる可能性がある。この場合図中Dの方向に発熱部支持板46がずれる可能性がある。その場合、枠体37と発熱部34の絶縁をなしている碍子41部分がずれ、発熱部34と枠体37、あるいは発熱部蓋部39などが接触し耐圧不良を起こす可能性があり、漏電やショートなどの不具合を起こすことになる。図に示すように発熱部支持板46が発熱部34端部に引っ張り方向に力が加えられた際にずれる方向にそのずれを起こらないように突っ張るように制止部61を設けている。制止部61は枠体37の一部を略90°折り曲げることにより成形している。このように特に部品を追加することなく、発熱部支持板46のズレを制止し、発熱部34と枠体37、発熱部蓋部39の耐圧不良を抑制するので、簡単な構成で安価に信頼性の高い加熱手段とすることができる。
なお、本実施形態の冷媒回路106に充填する冷媒117としては、HCFC系冷媒(分子中に塩素、水素、フッ素、炭素の各原子を含む)、HFC系冷媒(分子中に水素、炭素、フッ素の各原子を含む)、炭化水素、二酸化炭素等を用いることができる。