JP2006308247A - 調湿装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒートポンプサイクルにおける冷媒の熱を利用してヒータ入力を削減し、吸着量が多く且つ吸着エネルギの小さい吸着剤を使用する、あるいは異なった吸着特性を有する複数の吸着剤を組み合わせて使用することにより、トータル的に省エネルギで加湿性能の高い調湿装置及びそれを備えた空気調和機を提供する。
【解決手段】調湿装置50に加熱用熱交換器9を備え、室外機60の圧縮機1から吐出した冷媒の熱を利用して室外空気を過熱することで、ヒータ10の入力エネルギを大幅に削減することが可能になる。また、シリカゲルまたはメソポーラスシリカを第1の吸着剤とし、ゼオライトを第2の吸着剤とすることで、室外空気中に含まれる水分の吸着率を高めることが可能になる。
【選択図】図2

Description

本発明は、室外空気の水分を吸着剤で吸着し、その水分で室内の加湿を行調湿装置に関するものである。
従来、加湿装置で生成した加湿空気を加湿ホースを介して室内に吹き出す加湿運転と、乾燥空気を加湿ホースに吹き込む乾燥運転とを交互に繰り返すことにより、加湿ホース内の結露水の滞留を防ぐようにした加湿機能を有する空気調和機が存在する(たとえば、特許文献1参照)。この加湿機能を有する空気調和機は、低コストで加湿ホース内の結露水の滞留による異音の発生を防止し、加湿ホース内を清潔に保つとともに、加湿空気の水分を有効利用できるようにしたものである。
また、暖房運転時において圧縮機の吐出側をガス管閉鎖弁側に接続する四路切換弁と、ガス管閉鎖弁との間の配管部を加湿ユニット内部に延設してロータ加熱部を構成する加湿ユニットを備えた空気調和機が存在する(たとえば、特許文献2参照)。この加湿ユニットを備えた空気調和機は、圧縮機の吐出側に接続される冷媒配管が加湿ユニットの加湿側空気流生成手段で生成される空気流中を通過するように配設されるようにして、吸湿部剤を効率よく加熱し、コストダウンを図ったものである。
特開2001−91001号公報(第5〜8頁、第4図) 特開2002−89903号公報(第3頁及び第4頁、第2図)
上記の加湿機能を有する空気調和機は、加湿ホース内における結露水の滞留を防止するために、吸湿ロータからの水分を全く脱着しない乾燥運転と吸湿ロータからの水分を脱着する加湿運転とを交互に繰り返すために、脱着風路から供給される水分量が周期的に変動するという問題を有していた。つまり、連続した加湿運転ができないために、加湿要求に十分に対応できるものではなかった。また、脱着風路の周囲の温度が低いと、脱着風路の吸湿ロータ以降の経路に結露が発生してしまうという問題も有していた。
上記の加湿ユニットを備えた空気調和機は、四路切換弁と、ガス管閉鎖弁の間の配管部を加湿ユニット内部に延設してロータ加熱部を構成するものであるため、調湿ユニットを室外機の上部等の室外機近傍に設置しなければならないという問題を有していた。また、加湿量を多くするためには、吸湿ロータの吸着領域を通過する空気の相対湿度と脱着領域を通過する空気の相対湿度との差を大きくしなければならなかった。つまり、脱着領域を通過させる空気を高温に加熱し相対湿度を低くしなければならず、空気を高温に加熱できる加熱装置が必要になるという問題を有していた。
また、吸湿剤としてシリカゲルやゼオライトを用いた場合には、それぞれの有する特徴によって、効果的に加湿を行うことができないという問題を有していた。シリカゲルは、相対湿度の増加に伴い吸着量も増加するという特性を持っており、相対湿度が低い領域での吸湿量が少ない。このために、吸着領域を通過する空気中に含まれる水分のうち吸着されない水分が発生する。特に、空気の温度が低い場合は空気中に含まれる絶対水分量が少ないために、水分の吸着ロスが加湿量の減少につながるという問題を有していた。一方、ゼオライトは、低湿度領域で急激に吸着量が増加するものの、高湿度になっても吸着量の増加が少ないため、吸着領域を通過する湿度が高い場合に吸着ロスが発生するという問題を有していた。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、ヒートポンプサイクルにおける冷媒の熱を利用してヒータ入力を削減し、吸着量が多く且つ吸着エネルギの小さい吸着剤を使用する、あるいは異なった吸着特性を有する複数の吸着剤を組み合わせて使用することにより、トータル的に省エネルギで加湿性能の高い調湿装置を提供するものである。また、室外加湿ユニットで生成された高湿空気を、冷却し凝縮水として室内に搬送することにより、室内外の加湿空気の搬送圧力損失を小さくし、接続ダクトの径を細くし低騒音化ができる連続加湿機能を備えた調湿装置を提供するものである。さらに、ファンの数を削減し、装置全体を小型化して、省スペースで低コスト化を図る調湿装置を提供するものである。
本発明に係る調湿装置は、空気の除湿・加湿を行う調湿装置であって、室外空気を吸気する第1空気流路と、前記第1空気流路内に吸気された室外空気から水分を吸着するデシカントロータと、前記デシカントロータで吸着された水分を脱着するための室外空気を吸気するための第2空気流路と、前記第2空気流路に吸気された室外空気を昇温させる熱交換器とを備え、前記デシカントロータは、高湿度領域の空気に対しての吸湿率が高い材料である第1の吸着剤が担持された第1デシカントロータと、低湿度領域の空気に対して所定の吸湿率を有する第2の吸着剤が担持された第2デシカントロータとを直列に配置して構成したことを特徴とする。
本発明に係る調湿装置は、空気の除湿・加湿を行う調湿装置であって、室外空気を吸気する第1空気流路と、前記第1空気流路内に吸気された室外空気から水分を吸着するデシカントロータと、前記デシカントロータで吸着された水分を脱着するための室外空気を吸気するための第2空気流路と、前記第2空気流路に吸気された室外空気を昇温させる熱交換器とを備え、前記デシカントロータは、高湿度領域の空気に対しての吸湿率が高い材料である第1の吸着剤が担持された第1デシカントロータと、低湿度領域の空気に対して所定の吸湿率を有する第2の吸着剤が担持された第2デシカントロータとを直列に配置して構成したので、室外空気中に含まれる水分の吸着率を大幅に高めることが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る調湿装置50を備えた空気調和機100の概略構成図である。空気調和機100は、冷媒を循環させるヒートポンプサイクルを利用して、冷房運転及び暖房運転を行うものである。また、空気調和機100は、暖房運転時において加湿運転をあわせて行うことができるものである。なお、ヒートポンプサイクルは、暖房運転時におけるものを示している。
空気調和機100は、調湿装置50と、室外機60と、室内機70とで構成されている。一般的に、調湿装置50と室外機60とは室外に、室内機70は室内にそれぞれ設置されている。調湿装置50と、室外機60と、室内機70とは、冷媒を導通する配管経路8で接続されている。この配管経路8は、ガス側冷媒配管と液側冷媒配管とで構成されている。なお、室外機60と室内機70とを接続する冷媒配管を分岐させたバイパス配管を設けて調湿装置50と接続させてもよい。
(調湿装置50)
調湿装置50は、加熱用熱交換器9(主熱源)と、ヒータ10(補助熱源)と、デシカントロータ11と、脱着ファン12とを内蔵している。加熱用熱交換器9は、配管経路8を流れる冷媒を用いて、室外空気と熱交換するものである。ヒータ10は、室外空気を昇温させる加熱手段としての機能を果たすものである。デシカントロータ11は、室外空気から水分を吸着し、加熱用熱交換器9及びヒータ10で昇温された室外空気でその水分が脱着されるようになっているものである。脱着ファン12は、デシカントロータ11を経由して生成される高温高湿空気を、室内や室外に搬送するものである。なお、調湿装置50の詳細については後述する。
(室外機60)
室外機60は、圧縮機1と、四方弁2と、室外機熱交換器3と、膨張弁4とを順次配管経路8で接続して構成されている。配管経路8は、圧縮機1で圧縮されて気体になった冷媒を導通させるガス側冷媒配管と、凝縮されて液体になった冷媒を導通させる液側冷媒配管41ちで構成されている。なお、室外機60には、室外機熱交換器15に送風するための図示省略の室外機ファン(送風機)が内蔵されている。
圧縮機1は、配管経路8から吸入した冷媒を圧縮するためのもの機器である。四方弁2は、冷房運転時と暖房運転時とで冷媒の流れを反転させるものである。ここでは、暖房運転時の冷媒の流れを示している。室外機熱交換器3は、空気または水を熱源として冷媒を凝縮させるものである。膨張弁4は、膨張機構として機能するものであり、室外機熱交換器3で凝縮された冷媒を減圧して膨張させるものである。
(室内機70)
室内機70は、室内機熱交換器6を内蔵している。この室内機熱交換器6は、配管経路8を介して室外機60を構成する減圧弁24と調湿装置50を構成する加熱用熱交換器9とに接続されている。なお、室内機70には、室内や室内機熱交換器6に送風するための図示省略の室内機ファン(送風機)が内蔵されている。また、室内機熱交換器6は、図示省略の室内外接続ダクトや水配管等の配管を介して調湿装置50に内蔵されている脱着ファン9と接続しているとよい。
図2は、本発明に係る調湿装置50の構成を示す概略構成図である。図に基づいて、調湿装置50の詳細を説明する。調湿装置50は、室内空気の加湿・除湿を行う機能を果たすものである。調湿装置50は、吸着風路15(第1空気流路)と、脱着風路14(第2空気流路)とを内蔵している。吸着風路15には、デシカントロータ11と、吸着ファン13とが空気の流れ方向(矢印a)に対してこの順番になるように配置されている。脱着風路14には、加熱用熱交換器9と、ヒータ10と、デシカントロータ11と、脱着ファン9とが空気の流れ方向(矢印b)に対してこの順番になるように配置されている。
吸着風路15は、室外空気を吸気し、デシカントロータ11で室外空気から水分を吸着された乾燥空気を室外に排気するものである。この乾燥空気の排気は、吸着風路15内に設けられている吸着ファン13の回転で行われるようになっている。脱着風路14は、室外空気を吸気し(以下、脱着風路14で吸気された室外空気を脱着空気と称する)、加熱用熱交換器9及びヒータ10で昇温され、デシカントロータ11で水分が放出(以下、脱着と称する)されて、生成された高温高湿空気を室内機70に搬送するものである。この高温高湿空気の搬送は、脱着ファン9の回転で行われるようになっている。
デシカントロータ11は、吸着剤が担持され、軸方向に通気性を有するハニカム構造で構成されており、吸着風路15及び脱着風路14に跨って各風路を遮るように設けられている。すなわち、デシカントロータ11は、吸着風路15内を流れてくる水分を含んだ室外空気から水分を吸着し、回転することによって、この部分を脱着風路14に面するようにして、脱着風路14に吸気・昇温された高温空気でその水分を脱着するようになっている。この脱着された水分と、高温空気とが一体となって高温高湿空気として生成される。このデシカントロータ11には、ゼオライトやシリカゲル、活性炭からなる多孔質基材等の吸着剤を塗布、表面処理または含浸されたものを使用するとよい。これらの吸着剤の詳細については、後述する。
加熱用熱交換器9は、室外機60に内蔵されている圧縮機1から吐出され、配管経路8を介して流れ込む冷媒の熱を利用して、脱着空気を昇温させるものである。なお、脱着空気を昇温させた後の冷媒は、配管経路8を流れて室内機70に戻るようになっている。また、冷房運転時には、冷媒が配管経路8を逆に流れるために逆止弁等を設けておくとよい。ヒータ10は、加熱用熱交換器9と同様に脱着空気を昇温させるものである。
次に、空気調和機100の動作について説明する。
まず、吸着風路15から室外空気を吸気する(矢印a)。この室外空気には水分が含まれており、この水分が室内の加湿に利用される。そして、この室外空気は、吸着風路15内を流れてデシカントロータ11に到達する。デシカントロータ11は、この室外空気から水分を吸着し、その室外空気を乾燥空気にする。吸着ファン13は、この乾燥空気を室外に排気する。
一方、脱着風路14からも脱着空気を吸気する(矢印b)。この脱着空気は、脱着風路14内の加熱用熱交換器9及びヒータ10で昇温されて高温空気となりデシカントロータ11に到達する。デシカントロータ11は、回転するようになっており、吸着風路15で水分を吸着した面が脱着風路14側に回転移動する。そして、加熱用熱交換器9及びヒータ10で昇温された高温空気により水分が脱着されて、この水分と高温空気とが一体となって高温高湿空気が生成される。生成された高温高湿空気は、脱着ファン9に到達し、脱着ファン9により室内機70へ搬送される。
室内機70では、この高温高湿空気を室内空気と混合し、図示省略の室内機ファンにより室内へ放出する。こうすることで、室内を加湿するようになっている。デシカントロータ11にゼオライトやシリカゲルのような吸着剤を用いて、水分の脱着を行うには、少なくとも80℃以上の脱着温度が要求される。しかしながら、ヒータ10のみで昇温する場合には、約510Wのヒータ入力が必要となる(暖房標準条件7℃からの昇温、脱着風量0.35m3/min)。
空気調和機100は、調湿装置50内に加熱用熱交換器9を備えており、圧縮機1からの吐出冷媒を加熱用熱交換器9の内部に導通して脱着空気と熱交換させることにより、その脱着空気を昇温するのでヒータ入力を大幅に削減できる。たとえば、冷媒にR410を用いている場合には、表1に示すように暖房運転時の標準的なサイクル条件において、吐出条件から飽和蒸気になるまで加熱用熱交換器9で熱交換されるとすると、加熱用熱交換器9通過後の脱着空気温度は約55℃となるため、ヒータ10の入力は約180W(510Wの約35%)で済み、ヒータ10のみの加熱の場合に対し約65%のヒータ入力を削減できることになる。
Figure 2006308247
実施の形態1では、空気の流れに対し加熱用熱交換器9、ヒータ10の順で脱着風路14内に配置されている場合を例に示したが、両者を逆に配置してもよい。また、要求される加湿量(高温高湿空気の量)が少量であれば、ヒータ10を設置せずに加熱用熱交換器9のみで脱着空気の昇温を行ってもよい。また、加熱用熱交換器9は、圧縮機1の回転数や膨張弁4の絞り量で冷媒の流量を調節できるので、細かい温度調整が可能となる。
以上のように、空気調和機100では、ヒートポンプサイクルにおける、圧縮機1から吐出された吐出冷媒を、調湿装置50に内蔵されている脱着風路14内の加熱用熱交換器9に誘導して脱着空気と熱交換させることにより、脱着に使用するヒータ10の入力を大幅に削減でき、消費エネルギの低減を図ることが可能となる。つまり、ヒータ10のみで加熱する場合には、ヒータ10のオン・オフ制御のみとなるため、連続通電以外の場合には一定の温度に保つことが困難であるが、加熱用熱交換器9を用いれば連続通電以外の場合も容易に一定の温度に保つことが可能である。
次に、デシカントロータ11以降の脱着風路14内で発生する結露による水の滞留防止について説明する。上述したように、調湿装置50で加湿を行う場合において、脱着風路14のデシカントロータ11以降の脱着風路14には高温高湿空気が流れるようになっている。そのために、脱着風路14周辺の温度が低い場合には、脱着風路14内に結露が発生し、水が滞留してしまうことがある。
脱着風路14内に水が滞留すると、高温高湿空気の流れが阻害され、室内機70から送風される風量の低下や室内機70と接続している図示省略の室内外接続ダクト等に異音が発生する可能性がある。したがって、脱着風路14内での水の滞留を防止するためには、デシカントロータ11からの脱着水分量を減らし、脱着風路14内の相対湿度が100%とならないように制御する必要がある。つまり、脱着水分量を減らすことで滞留してしまう水を徐々に揮発させるように調整するのである。
一方、デシカントロータ11からの脱着水分量を必要以上に減らしてしまうと、調湿装置50の加湿性能が悪化することになる。以上のことから、脱着風路14内での水の滞留の程度と、調湿装置50に要求されている加湿性能との均衡を図るように、デシカントロータ11からの脱着水分量を調整することが望ましい。デシカントロータ11からの脱着水分量を減らすには、デシカントロータ11の脱着水分量が最大となる回転数に対して、デシカントロータ11の回転数をずらして運転させればよい。
すなわち、デシカントロータ11の回転を制御すれば、脱着水分量の調整が可能になるのである。たとえば、デシカントロータ11の回転を停止させてしまえば、吸着された水分が脱着風路14側に回転移動しないために、脱着される水分は無くなるようになっている。しかしながら、回転を停止させてしまうと、脱着風路14の出口から放出される水分量も無くなってしまうため、加湿運転中であっても加湿が行われないことになってしまう。そこで、デシカントロータ11の回転を停止させず、デシカントロータ11からの脱着水分を確保しながら、滞留した水を揮発させることで加湿性能を一定に保つのである。
なお、デシカントロータ11の回転制御は、図示省略のICやマイクロコンピュータ等の制御手段で行うようにするとよい。また、デシカントロータ11からの脱着水分を一旦凝縮させて水の状態で室内機70へ搬送させれば、室内外接続ダクトに水が滞留することがなくなる。この場合には、調湿装置50と室内機70とを水配管で接続するとよい。このようにすれば、水の滞留によって、高温高湿空気の流れが阻害されることもなく、室内機70から送風される風量の低下や室内外接続ダクト等に異音が発生する可能性もなくなる。
図3は、デシカントロータ11を構成する吸着剤の成分に応じた等温吸着線を示す概念図である。ここでは、シリカゲル、ゼオライト及びメソポーラスシリカを吸着剤としたそれぞれの場合を示している。また、横軸は対象空気の相対湿度(%)を、縦軸は水分の吸着率(%)をそれぞれ示している。各等温吸着線は、シリカゲル100%で吸着剤を構成した場合、ゼオライト100%で吸着剤を構成した場合、メソポーラスシリカ100%で吸着剤を構成した場合を示している。
シリカゲルは、一般的な性質として、高湿度範囲において吸着量が多くなるために除湿用途に適している。ゼオライトは、一般的な性質として、シリカゲルとは反対に広い湿度範囲でほぼ一定の吸着量を有しているために加湿用途に適している。また、ゼオライトは、吸着及び脱着の反応速度が速いという特性がある。さらに、メソポーラスシリカは、口径φ1〜3nm(ナノメートル)程度の微細な円柱状の孔が開いたシリカで、微細孔の毛管凝縮現象により、相対湿度の狭い領域(相対湿度が30%〜40%)で吸湿特性が急峻に変化するという特徴がある。
したがって、メソポーラスシリカを吸着剤とすれば、吸着風路15に相対湿度40%以上の室外空気を吸気して水分を吸着し、脱着風路14に吸気する室外空気を相対湿度30%以下になるように昇温すれば、デシカントロータ11に吸着されている水分を脱着することが可能になる。すなわち、加熱用熱交換器9に流入する冷媒との熱交換で得られる50℃程度に昇温された室外空気でも、十分にデシカントロータ11から水分を脱着することが可能になり、ヒータ10を使用しなくてもよいのである。
一方、ゼオライトを吸着剤とすれば、デシカントロータ11に吸着された水分を脱着するためには、室外空気を100℃程度の高温に昇温させなければならず、ヒータ10の入力エネルギが大きくなってしまうことになる。つまり、電力消費を効率良く低減することができない。このために、脱着空気を高温まで昇温し、相対湿度を数%まで下げる必要があるゼオライトを吸着剤に使用する場合に比べて、ヒータ10を使用しない分だけ、電力消費を低減できる。
図4は、デシカントロータ11の構成の一例をしめす概略構成図である。デシカントロータ11は、2つのロータ(高湿空気用ロータ18及び低湿空気用ロータ19)で構成されている。高湿空気用ロータ18は、高湿空気用ロータ吸着領域16と、高湿空気用ロータ脱着領域17とで構成されている。低湿空気用ロータ19も同様に、図示省略の低湿空気用ロータ吸着領域(高湿空気用ロータ吸着領域16と対向する領域)と、図示省略の低湿空気用ロータ脱着領域(高湿空気用ロータ脱着領域17と対向する領域)とで構成されている。
図3で示したように、相対湿度(%)と吸湿率(%)の特性は吸着剤の種類によって異なる。たとえば、シリカゲルやメソポーラスシリカは、高湿度領域で高い吸着率を持つが、低湿度猟奇での吸湿率はゼオライトに比べて小さい。一方、ゼオライトは、低湿度領域で吸湿率が急峻に変化するが、一定の湿度以上では吸湿率がほとんど変化しない。したがって、これら吸着剤の特性に基づいてデシカントロータ11を構成するのが望ましい。
冬季においては、外気温が低いので、相対湿度が高くても室外空気中に含まれる絶対水分量は少ない。すなわち、室外空気は乾燥状態となっているのである。したがって、加湿量(高温高湿空気の量)を多くするためには、デシカントロータ11で室外空気に含まれる水分を最大限吸着することが要求される。このために、2種類の異なる吸湿特性を持つ吸着剤で構成した高湿空気用ロータ18と低湿空気用ロータ19とを吸着風路15に対して直列に配置することで、室外空気中に含まれる水分を最大限吸着可能にしているのである。
具体的には、高湿空気用ロータ18には、高湿度領域での吸湿率が高いシリカゲルまたはメソポーラスシリカを用いて構成し、低湿空気用ロータ19には、低湿度領域での吸湿率が高いゼオライトを用いて構成している。こうすることで、高湿空気用ロータ18で吸着できなかった水分を低湿空気用ロータ19で吸着できるため、デシカントロータ11に吸着されないで通過する空気中の水分を最大限低減することができる。したがって、単一の吸着剤からなるデシカントロータ11を使用する場合よりも加湿量を多くすることが可能になる。
なお、高湿空気用ロータ吸着領域16や高湿空気用ロータ脱着領域17、図示省略の低湿空気用ロータ吸着領域、図示省略の低湿空気用ロータ脱着領域は、吸着風路15と脱着風路14との内径に対応した中心角(180°)で内分されている場合を便宜的に示している。つまり、高湿空気用ロータ吸着領域16及び図示省略の高湿空気用ロータ吸着領域が脱着風路14に面する位置に回転移動すれば高湿空気用ロータ脱着領域17及び図示省略の高湿空気用ロータ脱着領域となるのである。
図4に基づいて、デシカントロータ11の動作を説明する。このデシカントロータ11の高湿空気用ロータ18及び低湿空気用ロータ19を吸着風路15の上流側から見て高湿空気用ロータ32が手前にくるように設置すれば、吸着ファン13で吸気された室外空気は、高湿空気用ロータ吸着領域16、図示省略の低湿空気用ロータ吸着領域の順序で通過して水分を吸着され、乾燥空気となって室外に排気される(矢印a)。
すなわち、吸着風路15において、室外空気は、まず高湿空気用ロータ吸着領域16を通過し、空気中の水分が吸着される。図3で示したように、高湿空気用ロータ18に担持されているシリカゲルやメソポーラスシリカの吸着量は、高湿度領域に対して多くなっている。そのために、室外空気は、高湿空気用ロータ吸着領域16流入初期においては、多くの水分が吸着されてロータの厚み方向に対して相対湿度が低下するようになっている。
しかしながら、相対湿度30%以下になると吸着量は、ほとんど変化しなくなる。これに対し、高湿空気用ロータ18の下流に配置された低湿空気用ロータ19に担持されているゼオライトの吸着量は、相対湿度100〜20%程度までほとんど変わらない。そのために、高湿空気用ロータ吸着領域16から流出した低湿空気の水分は、図示省略の低湿空気用ロータ吸着領域において吸着されるようになっているのである。
一方、脱着風路14では、脱着ファン9で吸気された室外空気が、加熱用熱交換器9及びヒータ10により昇温された後、図示省略の低湿空気用ロータ脱着領域、高湿空気用ロータ脱着領域17の順序で通過する。このとき、高湿空気用ロータ18及び低湿空気用ロータ19がそれぞれ回転し、高湿空気用ロータ吸着領域16、図示省略の低湿空気用ロータ吸着領域で吸着した水分は脱着風路14側に移行し、高温空気により脱着されて高温高湿空気となる(矢印b)。
すなわち、脱着風路14においては、室外空気は、加熱用熱交換器9及びヒータ10により昇温された後、図示省略の低湿空気用ロータ脱着領域に流入する。低湿空気用ロータ19に担持されているゼオライトの吸着量は、相対湿度0〜20%の範囲では少なく、相対湿度に対する変化率も大きい。そのために、室外空気は、図示省略の低湿空気用ロータ脱着領域流入初期においては、ロータに吸着されている水分を脱着し、ロータの厚み方向に対して相対湿度が増加するが、相対湿度20%以上になるとほとんど変化しなくなる。
これに対し、低湿空気用ロータ19の下流に配置された高湿空気用ロータ18に担持されているシリカゲルやメソポーラスシリカの吸着量は、相対湿度0〜30%までは非常に少なく、40%までは相対湿度に対する変化率も大きい。そのために、図示省略の低湿空気用ロータ脱着領域から流出したある程度湿度の上がった空気でも、相対湿度が40%に到達するまでは、高湿空気用ロータ脱着領域17において、ロータに吸着された水分を脱着することができる。
以上のように、2種類の吸着特性の異なる吸着剤を担持したデシカントロータ11を直列に配置することにより、1種類の吸着剤を使用するよりも吸着量、脱着量が増加し、その結果として、調湿装置50の除加湿性能が向上することになる。さらに、メソポーラスシリカのように、相対湿度30〜40%の範囲で相対湿度に対する吸着量の変化率が大きい吸着剤を用いることにより、相対湿度40〜100%まで吸着量が多い状態を維持できるので、より低湿度の空気に対しての吸着量を確保することが可能になる。
図4では、高湿空気用ロータ18と低湿空気用ロータ19とを接触させて設置している場合を例に示しているが、両者を分離してある程度離して設置してもよく、また一体型のロータとし、表裏に別々の吸着剤を担持させてもよい。なお、接触させて設置する場合には、圧力損失が発生しないように、両者のデシカントローターハニカム基材のセル位置を合わせる必要がある。
[実施の形態2]
図5は、本発明の実施の形態2に係る調湿装置50を備えた空気調和機200の概略構成図である。空気調和機200は、冷媒を循環させるヒートポンプサイクルを利用して、冷房運転及び暖房運転を行うものである。また、空気調和機200は、暖房運転時において加湿運転をあわせて行うことができるものである。なお、ヒートポンプサイクルは、暖房運転時におけるものを示している。また、実施の形態1と同一箇所については同一符号を付し、説明を省略する。
空気調和機200は、調湿装置50を室内に設置し、加湿を行うようになっている。吸着風路15は、室外空気を吸気して屋外に排出する。脱着風路14は、室外空気を吸気して、デシカントロータ11で生成される高温高湿空気を室内に放出する。空気調和機200の基本的な構成は実施の形態1に係る空気調和機100と同様であるが、調湿装置50を室内に設置するようにした点が異なる。
すなわち、調湿装置50を室内に設置することで、脱着風路14とその周囲温度との温度差を少なくすることが可能になるのである。そのため、脱着風路14内で発生する結露を低減することができる。また、水分の脱着に利用される室外空気の昇温(加熱用熱交換器9及びヒータ10)に用いられた熱が、室内に放出されて暖房の熱として利用可能となる。そのため、調湿装置50を屋外に設置する場合に比べて、熱の損失が低減することになり、暖房運転のための消費電力を削減することができる。
さらに、デシカントロータ11の吸着材としてメソポーラスシリカを用いれば、低い加熱温度でデシカントロータ11に吸着した水分を脱着できるため、加熱用熱交換器9での加熱で得られる温度のみで脱着が可能になる。そのため、ヒータ10の容量を小さく抑え、あるいはヒータ10を設置しなくても、デシカントロータ11での脱着が可能となり、ヒータが暴走することもなく、安全性の向上を図ることができる。
実施の形態1に係る調湿装置を備えた空気調和機の概略構成図である。 本発明に係る調湿装置の構成を示す概略構成図である。 デシカントロータに担持される各種吸着剤の等温吸着線の概念図である。 デシカントロータの構成の一例をしめす概略構成図である。 実施の形態2に係る調湿装置を備えた空気調和機の概略構成図である。
符号の説明
1 圧縮機、2 四方弁、3 室外機熱交換器、4 膨張弁、5 液管閉鎖弁、6 室内機熱交換器、7 ガス管閉鎖弁、8 配管経路、9 加熱用熱交換器、10 ヒータ、11 デシカントロータ、12 脱着ファン、13 吸着ファン、14 脱着風路、15 吸着風路、16 高湿空気用ロータ吸着領域、17 高湿空気用ロータ脱着領域、18 高湿空気用ロータ、19 低湿空気用ロータ、22 壁、100 空気調和機、200 空気調和機。

Claims (7)

  1. 空気の除湿・加湿を行う調湿装置であって、
    室外空気を吸気して、該室外空気から水分を吸着させるための第1空気流路と、
    該水分を脱着するための室外空気を吸気する第2空気流路と、
    前記第2空気流路に吸気された室外空気を昇温させる熱交換器と、
    前記第1空気流路内に吸気された室外空気から水分を吸着し、前記熱交換器で昇温された室外空気で該水分が脱着されるデシカントロータとを備え、
    前記デシカントロータを、
    第1の吸着剤が担持された第1デシカントロータと、前記第1の吸着剤よりも低い湿度領域の空気に対して所定の吸湿率を有する第2の吸着剤が担持された第2デシカントロータとで構成した
    ことを特徴とする調湿装置。
  2. 前記第1デシカントロータと、前記第2デシカントロータとを直列に配置した
    ことを特徴とする請求項1に記載の調湿装置。
  3. 前記第1デシカントロータに担持される第1の吸着剤の材料を、メソポーラスシリカで構成した
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の調湿装置。
  4. 前記第1デシカントロータに担持される第1の吸着剤の材料を、シリカゲルで構成した
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の調湿装置。
  5. 前記第2デシカントロータに担持される第2の吸着剤の材料を、ゼオライトで構成した
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の調湿装置。
  6. 前記デシカントロータの回転数を制御可能に構成した
    ことを特徴とする請求項1に記載の調湿装置。
  7. 室内に配設可能に構成した
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の調湿装置。
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