JP2014129950A - 加湿ユニット - Google Patents

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隆宗 奥井
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Abstract

【課題】室外空気が低湿度状態の場合に室内に対する加湿量が低下するのを防止する。
【解決手段】加湿ユニット(1)は、空気調和機(3)の室内機(5)とは別に室外に設けられ、室内機(5)の背面側に配設されている。加湿ユニット(1)は、水分を吸着及び放出する吸着ロータを備えている。加湿ユニット(1)は、ダクト(11)を介して室内機(5)と繋がっている。加湿ユニット(1)は、ダクト(11)を介して室内空気を吸い込んで吸着ロータに水分を吸着させ、吸着ロータをヒータによって加熱して水分を放出させ、再生ファンによって加湿用空気をダクト(11)を介して室内機(5)に供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気調和機の加湿ユニットに関する。
特許文献1に記載の空気調和機は、室内機と、室外機と、室内機及び室外機とは別体に室外に設けられた加湿ユニットとを備え、加湿ユニットは、室内機の背面側に配設され、ダクトを介して室内機と繋がっている。この加湿ユニットは、水分を吸着及び放出する回転ロータを備え、その近傍に吸湿ファン、加湿ファン及びヒータが設けられている。加湿運転時には、吸湿ファンが回転して室外空気を取り入れ、取り入れられた室外空気が回転ロータの一部領域を通過し、当該一部領域に室外空気に含まれる水分が吸着される。一方、加湿ファンが回転して室外空気が取り入れられ、取り入れられた室外空気がヒータによって加熱される。そして、加熱された室外空気が回転ロータの上記一部領域へ供給され、吸着された水分が放出される。放出された水分を含む加湿用空気は、加湿ダクトを介して室内機へ供給される。
特開2008−089898号公報(段落0041欄〜段落0049欄、図1、図4)
しかしながら、特許文献1の空気調和機では、室外空気から水分を吸着しているので、室外空気が低湿度状態の場合、十分な水分を含む加湿用空気を生成することができず、加湿量が低下するという問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、室外空気が低湿度状態の場合に室内に対する加湿量が低下するのを防止することにある。
第1の発明は、室内機(5)と室外機(7)とを備えた空気調和機(3)に取り付けられて該室内機(5)及び該室外機(7)とは別体に構成され、上記室内機(5)の背面側に配設されてダクト(11)を介して該室内機(5)と繋がり、該室内機(5)に供給する加湿用空気を生成する加湿ユニットであって、水分を吸着及び放出する吸着部材(23,39,61,65)を備え、上記ダクト(11)を介して取り込んだ室内空気の水分を上記吸着部材(23,39,61,65)に吸着させ、上記吸着部材(23,39,61,65)が放出する水分を含む加湿用空気を上記ダクト(11)を介して上記室内機(5)へ供給することを特徴とする。
第1の発明では、加湿ユニット(1)が室内機(5)の背面側に設置され、両者(1,5)がダクト(11)を介して繋がっているので、ダクト(11)が室外に露出するのを防止することができる。そうすると、ダクト(11)内を流れる加湿用空気が冷やされにくくなり、加湿用空気に含まれる水分が結露するのを抑制することができる。したがって、室内に対する加湿量の低下を抑制することができる。また、室外空気が比較的低湿度の場合でも、室外空気だけでなく室外空気よりも比較的高湿度の室内空気からも水分を吸着するので、十分な水分を含む加湿用空気を生成することができ、室内に対する加湿量の低下をさらに抑制することができる。
第2の発明は、第1の発明において、室内空気及び室外空気の両方を取り込んで上記吸着部材(23,39,61,65)に水分を吸着させることを特徴とする。
第2の発明では、室外から空気を吸い込んで上記吸着部材(23,39,61,65)に水分を吸着させている。そうすると、元々室外空気から水分を吸着しているが、さらに本発明では、室内空気からも水分を吸着して加湿用空気を生成しているので、室内空気の湿度が比較的大きく低下するのを防止することができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記吸着部材(23)は、表面に吸着剤が担持された回転可能な吸着ロータ(23)からなり、上記吸着ロータ(23)の再生領域を通過する空気を加熱する加熱手段(33)をさらに備え、上記加熱手段(33)によって加熱された空気を上記再生領域に供給し、上記吸着ロータ(23)から放出された水分を含む加湿用空気を上記ダクト(11)を介して上記室内機(5)へ供給することを特徴とする。
第3の発明では、室外空気よりも比較的高湿度の室内空気を取り込んで該吸着ロータ(23)に水分を吸着させている。そのため、従来と同程度の加湿量を維持する場合、従来よりも小サイズの吸着ロータ(23)を用いることができる。したがって、加湿ユニット(1)を従来よりもコンパクトにすることができる。
第4の発明は、第1又は第2の発明において、上記吸着部材(39,61,65)は、表面に吸着剤が担持された吸着熱交換器(39,61,65)で構成され、上記吸着熱交換器(39,61,65)が設けられた冷凍サイクルを行う冷媒回路(77)とをさらに備え、空気中の水分を上記吸着熱交換器(39,61,65)に吸着させる吸着動作と、上記吸着熱交換器(39,61,65)の吸着剤を冷媒によって加熱して該吸着熱交換器(39,61,65)から水分を放出させる再生動作とを行い、再生動作中の上記吸着熱交換器(39,61,65)から放出される水分を含む加湿用空気を上記ダクト(11)を介して上記室内機(5)へ供給することを特徴とする。
第4の発明では、吸着熱交換器(39,61,65)を利用している。したがって、吸着ロータ方式で用いられるヒータが不要となる。その結果、消費電力を抑えることができる。
本発明によれば、加湿ユニットと室内機とを繋ぐ加湿ダクト内で加湿用空気に含まれる水分が結露するのを抑制することができる。また、室外空気が比較的低湿度の場合でも、室外空気だけでなく室外空気よりも高湿度の室内空気からも水分を吸着するので、十分な水分を含む加湿用空気を生成することができる。したがって、室内に対する加湿量の低下をさらに抑制することができる。
第2の発明によれば、室内空気の湿度が大幅に低下するのを防止することができる。
第3の発明によれば、加湿ユニットをコンパクトにすることができる。
第4の発明によれば、消費電力を抑えることができる。
図1は、実施形態1に係る加湿ユニットを備えた空気調和機の全体構成図である。 図2は、実施形態1に係る加湿ユニットを備えた空気調和機の冷媒回路図である。 図3は、図1のA−A線矢視断面を模式的に示した図である。 図4は、除湿運転時の図3相当図である。 図5は、換気運転時の図3相当図である。 図6は、実施形態2に係る加湿ユニットの図3相当図である。 図7は、実施形態2に係る加湿ユニットを備えた空気調和機の冷媒回路図である。 図8は、加湿運転時の図5相当図であって、(a)は第1動作時の図であり、(b)は第2動作時の図である。 図9は、実施形態3に係る加湿ユニットの図2相当図である。 図10は、実施形態3に係る加湿ユニットの冷媒回路図である。 図11は、加湿運転時の図9相当図であって、(a)は第1動作時の図であり、(b)は第2動作時の図である。 図12は、除湿運転時の図9相当図であって、(a)は第1動作時の図であり、(b)は第2動作時の図である。 図13は、換気運転時の図9相当図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
図1に示すように、本実施形態に係る加湿ユニット(1)は、空気調和機(3)を構成して室内の加湿・除湿・換気を行う。
空気調和機(3)は、室内機(5)と室外機(7)とによって構成されている。室内機(5)は、室内熱交換器(5a)と室内ファン(5b)とを備え、室内と室外とを区画する壁(9)の室内側壁面に取り付けられている。室外機(7)には、圧縮機(47)、四方切換弁(49)、膨張弁(53)、室外熱交換器(7a)、室外ファン(7b)等(図2参照)の構成機器が収納されている。室内機(5)と室外機(7)とは、一対の連絡配管(51,51)によって接続されている。
空気調和機(3)は、図2に示す冷媒回路(45)を備えている。冷媒回路(45)は、冷媒が充填された閉回路である。冷媒回路(45)において、圧縮機(47)は、その吐出側が四方切換弁(49)の第1のポートに、その吸入側が四方切換弁(49)の第2のポートに、それぞれ接続されている。また、冷媒回路(45)では、四方切換弁(49)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、室内熱交換器(5a)と、膨張弁(53)と、室外熱交換器(7a)とが配置されている。
圧縮機(47)は、スクロール型またはロータリ型の全密閉型圧縮機である。四方切換弁(49)は、第1のポートが第3のポートと連通し且つ第2のポートが第4のポートと連通する第1状態(図2に実線で示す状態)と、第1のポートが第4のポートと連通し且つ第2のポートが第3のポートと連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。膨張弁(53)は、いわゆる電子膨張弁である。室内熱交換器(5a)は、室内空気を冷媒と熱交換させる。室内熱交換器(5a)の近傍には、室内熱交換器(5a)へ室内空気を供給する室内ファン(5a)が配置されている。一方、室外熱交換器(25)は、室外空気を冷媒と熱交換させる。室外熱交換器(7a)の近傍には、室外熱交換器(7a)へ室外空気を供給する室外ファン(7b)が配置されている。
空気調和機(3)は、暖房運転を行う。暖房運転中には、四方切換弁(49)が第1状態に設定される。また、暖房運転中には、室外ファン(7b)及び室内ファン(5a)が運転される。冷媒回路(45)では、冷凍サイクルが行われる。具体的には、圧縮機(47)から吐出された冷媒は、四方切換弁(49)を通って室内熱交換器(5a)へ流入し、室内空気へ放熱して凝縮する。室内熱交換器(5a)から流出した冷媒は、膨張弁(53)を通過する際に膨張してから室外熱交換器(7a)へ流入し、室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(7a)から流出した冷媒は、四方切換弁(49)を通過後に圧縮機(47)へ吸入されて圧縮される。室内機(5)は、室内熱交換器(5a)において加熱された空気を室内へ供給する。
空気調和機(3)は、冷房運転を行う。冷房運転中には、四方切換弁(49)が第2状態に設定される。また、冷房運転中には、室外ファン(7b)及び室内ファン(5a)が運転される。冷媒回路(20)では、冷凍サイクルが行われる。具体的には、圧縮機(47)から吐出された冷媒は、四方切換弁(49)を通って室外熱交換器(7a)へ流入し、室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(7a)から流出した冷媒は、膨張弁(53)を通過する際に膨張してから室内熱交換器(5a)へ流入し、室内空気から吸熱して蒸発する。室内熱交換器(5a)から流出した冷媒は、四方切換弁(49)を通過後に圧縮機(47)へ吸入されて圧縮される。室内機(5)は、室内熱交換器(5a)において冷却された空気を室内へ供給する。
加湿ユニット(1)は、室外機(7)とは別体に設けられ、壁(9)の室外側壁面における室内機(5)の背面側に取り付けられている。加湿ユニット(1)には、ダクト(11)の一端が接続されている。ダクト(11)の他端は、室内機(5)の内部における室内熱交換器(5a)の上流に開口している。ダクト(11)は、加湿ユニット(1)との接続部から壁(9)を貫通して室内機(5)に接続されている。
図3は、図1のA−A線矢視断面を模式的に示した図である。なお、図3は、後述する加湿運転中の加湿ユニット(1)を示している。加湿ユニット(1)は、ダクト(11)の一端と接続するケーシング(13)を備えている。ケーシング(13)の壁(9)とは反対側には、室外空気を給気又は排気するための外気吸込口(15a)が形成されている。また、ケーシング(13)の内部空間及びダクト(11)の内部は、仕切板(17)によって第1通路(19)と第2通路(21)とに仕切られている。加湿ユニット(1)には、第1通路(19)と第2通路(21)の両方を横断する姿勢で、水分を吸着及び放出する吸着部材である吸着ロータ(23)が設置されている。
吸着ロータ(23)は、円板状に形成され、ハニカム状に形成された基材の表面に吸着剤を担持させて構成されている。つまり、吸着ロータ(23)は、その厚さ方向に空気を通過させることができ、通過する空気と吸着剤とを接触させるように構成されている。吸着ロータ(23)では、吸着剤による水分の吸着と、吸着剤からの水分の脱着とが行われる。
吸着ロータ(23)の基材としては、セラミック紙、ガラス繊維、セルロースを主成分とした有機化合物(例えば、紙)、金属、樹脂等の材料が好適に用いられる。この種の材料は、比熱の小さいものであり、このような材料で吸着ロータ(23)を形成すると吸着ロータ(23)の熱容量が小さくなる。吸着剤としては、シリカゲルや親水性ゼオライトが用いられる。
上述のように、吸着ロータ(23)は、第1通路(19)及び第2通路(21)に跨って、両通路(19,21)を横断する姿勢で配置されている。具体的には、吸着ロータ(23)の第1流路(19)を横切る領域は、水分を吸着する吸着領域を構成する。また、吸着ロータ(23)の第2流路(21)を横切る領域は、水分を放出する再生領域を構成する。
また、吸着ロータ(23)は、図外のモータによって駆動されて中心軸周りに回転する。即ち、吸湿部において第1通路(19)を流れる空気と接触した吸着ロータ(23)の部分は、吸着ロータ(23)の回転に伴って第2通路(21)に移動する。一方、第2通路(21)を流れる空気と接触した吸着ロータ(23)の部分は、吸着ロータ(23)の回転に伴って第1通路(19)に再び移動する。
ケーシング(13)における第1通路(19)側の側壁には、第1通路(19)と室外とを連通する第1連通路(15b)が形成されている。第1連通路(15b)は、第1外気側ダンパ(25)によって開閉される。
ケーシング(13)における第2通路(21)側の側壁の壁(9)近傍には、第2通路(21)と室外とを連通する第2連通路(15c)が形成されている。第2連通路(15c)は、第2外気側ダンパ(27)によって開閉される。また、第2通路(21)には、ダクト(11)の内部を開閉する第2内気側ダンパ(29)が取り付けられている。
第1通路(19)には、正逆回転可能な第1ファン(31)が設けられている。第1ファン(31)は、吸着ロータ(23)のダクト(11)側に配置されている。第2内気側ダンパ(29)が開いた状態で第1ファン(31)を正回転させると、第1連通路(15b)を通じて室外空気が取り込まれると共に、ダクト(11)を通じて室内空気が第1通路(19)に取り込まれる。第1通路(19)に取り込まれた室外空気及び室内空気は、吸着ロータ(23)の吸着領域を通過した後に外気吸込口(15a)を通って室外へ排出される。また、第1外気側ダンパ(25)が閉じた状態で第1ファン(31)を正回転させると、ダクト(11)を通じて室内空気が第1通路(19)に取り込まれる。第1通路(19)に取り込まれた室内空気は、吸着ロータ(23)の吸着領域を通過した後に外気吸込口(15a)を通って室外へ排出される。一方、第1外気側ダンパ(25)が閉じた状態で第1ファン(31)が逆回転すると、外気吸込口(15a)を通じて室外空気が第1通路(19)に取り込まれる。第1通路(19)に取り込まれた室外空気は、吸着ロータ(23)の吸着領域を通過した後にダクト(11)を通って室内機(5)へ供給される。
第2通路(21)には、ヒータ(33)と第2ファン(32)とが設けられている。ヒータ(33)は、吸着ロータ(23)の外気吸込口(15a)側に配置され、吸着ロータ(32)の再生領域に送られる空気を加熱する加熱手段を構成している。第2ファン(32)は、吸着ロータ(23)のダクト(11)側に配置されている。第2外気側ダンパ(27)が閉じ且つ第2内気側ダンパ(29)が開いた状態で第2ファン(32)を回転させると、外気吸込口(15a)から第2通路(21)に室外空気が取り込まれる。第2通路(21)に取り込まれた室外空気は、ヒータ(33)と吸着ロータ(23)とを順に通過して加湿用空気となり、加湿用空気がダクト(11)に導入される。第2外気側ダンパ(27)が開き且つ第2内気側ダンパ(29)が閉じた状態で第2ファン(32)を回転させると、外気吸込口(15a)から第2通路(21)に室外空気が取り込まれる。第2通路(21)に取り込まれた室外空気は、ヒータ(33)と吸着ロータ(23)とを順に通過して加湿された空気となり、加湿された空気が第2連通路(15c)から室外に排出される。
−運転動作−
本実施形態の加湿ユニット(1)は、除湿運転、加湿運転及び換気運転を選択的に行う。
〈加湿運転〉
加湿ユニット(1)の加湿運転時の動作について図3を参照して説明する。
加湿ユニット(1)では、第1外気側ダンパ(25)及び第2内気側ダンパ(29)が開き且つ第2外気側ダンパ(27)が閉じた状態で第1ファン(31)が正回転すると共に第2ファン(32)が回転し、ヒータ(33)に通電される。また、吸着ロータ(23)が、図外のモータで駆動されて回転する。
第1通路(19)には、ダクト(11)を通って室内空気が取り込まれ、第1連通路(15b)を通って室外空気が取り込まれる。室内空気及び室外空気は、室内空気:室外空気=1:9の割合で取り込まれる。第1通路(19)に取り込まれた室内空気及び室外空気は、吸着ロータ(23)の吸着領域に導入される。なお、第1通路(19)に取り込まれる室内空気及び室外空気の上記割合は、一例にすぎない。
吸着ロータ(23)の吸着領域は、導入された室内空気及び室外空気と接触する。室内空気及び室外空気と吸着ロータ(23)とが接触すると、室内空気及び室外空気に含まれる水分が吸着ロータ(23)の吸着剤に吸着される。したがって、吸着領域では、吸着ロータ(23)が回転するに従って吸着剤に水分が蓄積され、やがて吸着剤が飽和する。その後、吸着ロータ(23)の水分を吸着した領域は、第2通路(21)へ移動する。一方、吸着領域において水分を奪われた室内空気及び室外空気は、第1ファン(31)に吸引されて室外へ排出される。
第2通路(21)には、外気吸込口(15a)から室外空気が取り込まれる。第2通路(21)に取り込まれた室外空気は、ヒータ(33)によって加熱される。加熱された室外空気は、その後に再生領域へ送り込まれる。
吸着ロータ(23)の再生領域は、ヒータ(33)によって加熱された空気と接触する。この吸着ロータ(23)は、回転移動しつつ空気と接触して加熱される。吸着ロータ(23)が加熱されると、吸着ロータ(23)の吸着剤から水分が脱離する。これによって、吸着ロータ(23)の吸着剤が再生される。吸着剤から脱離した水分は、吸着ロータ(23)と接触する空気に供給され、これによって加湿用空気が生成される。
加湿用空気は、第2ファン(32)によって吸引されてダクト(11)へ導入される。ここで、加湿用空気は、ダクト(11)へ導入される時点において、ほぼ飽和空気となっている。加湿用空気は、壁(9)を貫通するダクト(11)を流れて室内機(5)へ導かれる。再生された吸着ロータ(23)は、再び第1通路(19)へ移動する。即ち、吸着ロータ(23)は、第1通路(19)と第2通路(21)との間を回転移動することによって、吸着領域における水分の吸着と、再生領域における水分の脱離とを交互に繰り返す。
〈除湿運転〉
加湿ユニット(1)の除湿運転時の動作について図4を参照して説明する。
加湿ユニット(1)では、第1外気側ダンパ(25)及び第2内気側ダンパ(29)が閉じ且つ第2外気側ダンパ(27)が開いた状態で第1ファン(31)が逆回転すると共に第2ファン(32)が回転し、ヒータ(33)に通電される。また、吸着ロータ(23)が、図外のモータで駆動されて回転する。
第1通路(19)には、外気吸込口(15a)から室外空気が取り込まれる。第1通路(19)に取り込まれた室外空気は、吸着領域に導入される。
吸着ロータ(23)の吸着領域は、回転しつつ導入された室外空気と接触する。室外空気と吸着ロータ(23)とが接触すると、室外空気に含まれる水分が吸着ロータ(23)の吸着剤に吸着される。したがって、吸着領域では、吸着ロータ(23)が回転するに従って吸着剤に水分が蓄積され、やがて吸着剤が飽和する。その後、吸着ロータ(23)の吸着領域は、第2通路(21)へ移動する。一方、吸着領域において水分を奪われた室外空気は、第1ファン(31)に吸引されて室内機(5)へ供給される。
第2通路(21)には、外気吸込口(15a)から室外空気が取り込まれる。第2通路(21)に取り込まれた室外空気は、ヒータ(33)によって加熱される。加熱された室外空気は、その後に再生領域へ送り込まれる。
吸着ロータ(23)の再生領域は、ヒータ(33)により加熱された空気と接触する。この吸着ロータ(23)は、回転移動しつつ空気と接触して加熱される。吸着ロータ(23)の再生領域が加熱されると、吸着ロータ(23)の吸着剤から水分が脱離する。これによって、吸着ロータ(23)の吸着剤が再生される。吸着剤から脱離した水分は、吸着ロータ(23)と接触する空気に供給され加湿された空気が生成する。
加湿された空気は、第2ファン(32)によって吸引されて第2連通路(15c)へ導入される。水分を放出して再生された吸着ロータ(23)は、再び第1通路(19)へ移動する。即ち、吸着ロータ(23)は、第1通路(19)と第2通路(21)との間を回転移動することによって、吸着領域における水分の吸着と、再生部における水分の脱着とを交互に繰り返す。
〈換気運転〉
加湿ユニット(1)の排気換気運転時の動作について図5を参照して説明する。
加湿ユニット(1)では、第1外気側ダンパ(25)、第2外気側ダンパ(27)及び第2内気側ダンパ(29)が閉じた状態で第1ファン(31)が正回転する。なお、第2ファン(32)及び吸着ロータ(23)は回転せず、また、ヒータ(33)は通電されない。
第1通路(19)には、ダクト(11)を通って室内空気が取り込まれる。第1通路(19)に取り込まれた室内空気は、吸着ロータ(23)及び外気吸込口(15a)を通過して室外に排出される。
さらに、第1ファン(31)が逆回転すると、第1通路(19)には、外気吸込口(15a)を通って室外空気が取り込まれる。第1通路(19)に取り込まれた室外空気は、吸着ロータ(23)及び第1ファン(31)を通った後に、ダクト(11)を通過して室内機(5)へ供給される。これにより、室内に給気換気を行うことができる。
−実施形態1の効果−
実施形態1の加湿ユニット(1)は、室内機(5)の背面側に設置され、両者(1,5)が壁(9)を直線的に貫通するダクト(11)を介して繋がっているので、ダクト(11)が室外に露出するのを防止することができる。そうすると、ダクト(11)内を流れる加湿用空気が冷やされにくくなり、加湿用空気に含まれる水分が結露するのを抑制することができる。したがって、室内に対する加湿量の低下を抑制することができる。また、室外空気が比較的低湿度の場合でも、室外空気だけでなく室外空気よりも比較的高湿度の室内空気からも水分を吸着するので、十分な水分を含む加湿用空気を生成することができ、室内に対する加湿量の低下をさらに抑制することができる。
また、実施形態1の加湿ユニット(1)では、室外空気を取り込んで吸着ロータ(23)に水分を吸着させている。そうすると、元々室外空気から水分を吸着しているが、さらに室内空気からも水分を吸着して加湿用空気を生成しているので、室内空気の湿度が大幅に低下するのを防止することができる。
さらに、実施形態1の加湿ユニット(1)では、室外よりも高湿度の室内空気を吸い込んで吸着ロータ(23)に吸着させている。そのため、従来と同程度の加湿量を維持する場合、従来よりも小サイズの吸着ロータ(23)を用いることができる。したがって、加湿ユニットを従来よりもコンパクトにすることができる。
《発明の実施形態2》
上記実施形態1では、吸着部材として表面に吸着剤を担持させた吸着ロータ(23)を用いたが、表面に吸着剤を担持させた熱交換器である吸着熱交換器を用いてもよい。
本実施形態に係る加湿ユニット(1)を図6に示す。加湿ユニット(1)は、実施形態1に係る加湿ユニット(1)と同様に、室外機(7)とは別体に設けられ、壁(9)の室外側壁面における室内機(5)の背面側に取り付けられている。加湿ユニット(1)には、ダクト(11)の一端が接続されている。ダクト(11)の他端は、室内機(5)の内部における室内熱交換器(5a)の上流に開口している。ダクト(11)は、加湿ユニット(1)との接続部から壁(9)を貫通して室内機(5)に接続されている。
加湿ユニット(1)は、ダクト(11)の一端と接続するケーシング(13)を備えている。ケーシング(13)の壁(9)とは反対側の側壁には、室外空気を給気又は排気するための外気吸込口(15a)が形成されている。ケーシング(13)の内部空間には、正逆回転可能なファン(31)と、表面に吸着剤を担持させた熱交換器である吸着部材としての吸着熱交換器(39)とが設けられている。ファン(31)は、吸着熱交換器(39)のダクト(11)側に配設されている。吸着熱交換器(39)のサイズは、330mm×390mmである。吸着剤としては、シリカゲルや親水性ゼオライトが用いられる。また、吸着剤としては、有機高分子材料が用いられてもよい。有機高分子材料は、分子中に親水性の極性基を有する複数の高分子主鎖が互いに架橋されており、互いに架橋された複数の高分子主鎖が三次元構造体を形成している。
ケーシング(13)の第1通路(19)側の側壁には、ケーシング(13)の内部空間と室外とを連通する一対の連通路(15d,15d)が形成されている。各連通路(15d)は、外気側ダンパ(43)によって開閉される。
加湿ユニット(1)は、図7に示すように、冷媒回路(45)に接続する加湿側回路(55)を備えている。加湿側回路(55)は、一端が室内熱交換器(5a)と四方切換弁(49)との間に接続され、他端が膨張弁(53)と室外熱交換器(7a)との間に接続される。加湿側回路(55)では、四方切換弁(49)の第3のポートから室内熱交換器(5a)の流出側へ向かって順に、膨張弁(57)と、吸着熱交換器(39)と、逆止弁(59)とが配置されている。逆止弁(59)は、冷媒が室内熱交換器(5a)の流出側から吸着熱交換器(39)へ流れるのを防止している。なお、膨張弁(57)は、流用調整用の弁であって、電磁弁であってもよい。
加湿ユニット(1)は、空気調和機(3)の暖房運転時に作動する。すなわち、四方切換弁(49)が第1状態に設定され、室外ファン(7b)及び室内ファン(5a)が運転される。具体的には、圧縮機(47)から吐出された冷媒は、四方切換弁(49)を通って一部が室内熱交換器(5a)へ流入し、その他が吸着熱交換器(39)へ流入する。室内熱交換器(5a)へ流入した冷媒は、室内空気へ放熱して凝縮する。室内熱交換器(5a)から流出した冷媒は、膨張弁(53)を通過する際に膨張してから室外熱交換器(7a)へ流入し、室外空気から吸熱して蒸発する。吸着熱交換器(39)へ流入した冷媒は、吸着熱交換器(39)へ流入する前に膨張弁(57)で流量が調整されて吸着熱交換器(39)へ流入し、表面に担持された吸着剤を加熱する。吸着熱交換器(39)から流出した冷媒は、室外熱交換器(7a)へ流入し、室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(7a)から流出した冷媒は、四方切換弁(49)を通過後に圧縮機(47)へ吸入されて圧縮される。室内機(5)は、室内熱交換器(5a)において加熱された空気を室内へ供給する。
−運転動作−
本実施形態の加湿ユニット(1)は、加湿運転を行う。
〈加湿運転〉
加湿ユニット(1)の加湿運転時の動作について図8を参照して説明する。加湿運転中の加湿ユニット(1)では、後述する第1動作と第2動作とを12分ずつで交互に繰り返し行う。
加湿運転の第1動作では、図8(a)に示すように、外気側ダンパ(43)が開いた状態となり、ファン(31)が正回転する。また、この第1動作では、四方切換弁(49)が第1状態に設定される。冷媒回路(45)では、流量調整用の弁を全閉にして冷媒を流さない。ファン(31)が正回転すると、ケーシング(13)内に、ダクト(11)から室内空気が取り込まれるとともに、一対の連通路(15d,15d)から室外空気が取り込まれる。取り込まれた室内空気及び室外空気は、ファン(31)及び吸着熱交換器(39)を通って外気吸込口(15a)から室外へ排出される。このとき、室内空気の水分は、吸着熱交換器(39)の表面に担持された吸着剤に吸着される。
次に、図8(b)に示すように、加湿運転の第2動作では、外気側ダンパ(43,43)が閉じた状態となり、ファン(31)が逆回転する。また、この第2動作では、四方切換弁(49)が第1状態に設定される。冷媒回路(45)では、吸着熱交換器(39)が凝縮器(すなわち、放熱器)として機能する。ファン(31)が逆回転すると、外気吸込口(15a)からケーシング(13)内に室外空気が取り込まれる。吸着熱交換器(39)では、冷媒によって加熱された吸着剤から水分が脱離し、脱離した水分が室外空気に付与される。吸着熱交換器(39)で加湿された加湿用空気は、ダクト(11)を通って室内機(5)へ供給される。
−実施形態2の効果−
実施形態2の加湿ユニット(1)は、吸着熱交換器(39)を利用している。したがって、吸着ロータ方式で用いられるヒータが不要となる。その結果、消費電力を抑えることができる。
また、実施形態2の加湿ユニット(1)では、室外から空気を吸い込んで吸着熱交換器(39)に水分を吸着させている。そうすると、元々室外空気から水分を吸着しているが、室外空気からだけでなく、室内空気からも水分を吸着して加湿用空気を生成しているので、室内空気の湿度が大幅に低下するのを防止することができる。
《発明の実施形態3》
上記実施形態2では、加湿動作における加湿用空気の室内への供給が間欠的に行われているが、連続的に行われてもよい。
本実施形態に係る加湿ユニット(1)を図9に示す。加湿ユニット(1)は、実施形態1に係る加湿ユニット(1)と同様に、室外機(7)とは別体に設けられ、壁(9)の室外側壁面における室内機(5)の背面側に取り付けられている。加湿ユニット(1)には、ダクト(11)の一端が接続されている。ダクト(11)の他端は、室内機(5)の内部における室内熱交換器(5a)の上流に開口している。ダクト(11)は、加湿ユニット(1)との接続部から壁(9)を貫通して室内機(5)に接続されている。
加湿ユニット(1)は、ダクト(11)の一端と接続するケーシング(13)を備えている。ケーシング(13)の壁(9)とは反対側には、室外空気を給気又は排気するための外気吸込口(15a)が形成されている。また、ケーシング(13)の内部空間及びダクト(11)の内部は、仕切板(17)によって第1通路(19)と第2通路(21)とに仕切られている。
第1通路(19)には、第1吸着熱交換器(61)と、正逆回転可能な第1ファン(63)とが設けられている。第1ファン(63)は、第1吸着熱交換器(61)のダクト(11)側に配置されている。第1吸着熱交換器(61)のサイズは、242mm×150mmである。
第2通路(21)には、第2吸着熱交換器(65)と、正逆回転可能な第2ファン(67)とが設けられている。第2ファン(67)は、第2吸着熱交換器(65)のダクト(11)側に配置されている。第2吸着熱交換器(65)のサイズは、242mm×150mmである。
第1吸着熱交換器(61)及び第2吸着熱交換器(65)に担持される吸着剤としては、シリカゲルや親水性ゼオライトが用いられる。または、吸着剤としては、有機高分子材料が用いられてもよい。有機高分子材料は、分子中に親水性の極性基を有する複数の高分子主鎖が互いに架橋されており、互いに架橋された複数の高分子主鎖が三次元構造体を形成している。
ケーシング(13)の第1通路(19)側の側壁には、第1通路(19)と室外とを連通する第1連通路(15b)が形成されている。第1連通路(15b)は、第1外気側ダンパ(69)によって開閉される。また、第1通路(19)には、ダクト(11)を開閉する第1内気側ダンパ(71)が配設されている。
ケーシング(13)における第2通路(21)側の側壁には、第2通路(21)と室外とを連通する第2連通路(15c)が形成されている。第2連通路(15c)は、第2外気側ダンパ(73)によって開閉される。また、第2通路(21)には、ダクト(11)を開閉する第2内気側ダンパ(75)が配設されている。
空気調和機(3)は、冷媒回路(77)を備えている。図10に示すように、冷媒回路(77)は、第1吸着熱交換器(61)、第2吸着熱交換器(65)、圧縮機(79)、四方切換弁(81)、及び電動膨張弁(83)が設けられた閉回路である。この冷媒回路(77)は、充填された冷媒を循環させることによって、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う。
冷媒回路(77)において、圧縮機(79)は、その吐出管が四方切換弁(81)の第1のポートに、その吸入管が四方切換弁(81)の第2のポートにそれぞれ接続されている。また、冷媒回路(77)では、四方切換弁(81)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、第2吸着熱交換器(65)と、膨張弁(83)と、第1吸着熱交換器(61)とが配置されている。
四方切換弁(81)は、第1のポートと第3のポートが連通して第2のポートと第4のポートが連通する第1状態(図10に実線で示す状態)と、第1のポートと第4のポートが連通して第2のポートと第3のポートが連通する第2状態(図10に破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。
四方切換弁(49)が第1状態に設定されると、圧縮機(79)から吐出された冷媒は、四方切換弁(81)を通って第2吸着熱交換器(65)へ流入する。第2吸着熱交換器(65)へ流入した冷媒は、第2吸着熱交換器(65)の表面に担持された吸着剤へ放熱して凝縮する。第2吸着熱交換器(65)から流出した冷媒は、膨張弁(83)を通過する際に膨張してから第1吸着熱交換器(61)へ流入し、第1ファン(63)から供給される空気から吸熱して蒸発する。第1熱交換器(61)から流出した冷媒は、四方切換弁(81)を通過後に圧縮機(79)へ吸入されて圧縮される。
また、四方切換弁(49)が第2状態に設定されると、圧縮機(79)から吐出された冷媒は、四方切換弁(81)を通って第1吸着熱交換器(61)へ流入する。第1吸着熱交換器(61)へ流入した冷媒は、第1吸着熱交換器(61)の表面に担持された吸着剤へ放熱して凝縮する。第1吸着熱交換器(61)から流出した冷媒は、膨張弁(83)を通過する際に膨張してから第2吸着熱交換器(65)へ流入し、第2ファン(67)によって供給される空気から吸熱して蒸発する。第2熱交換器(65)から流出した冷媒は、四方切換弁(81)を通過後に圧縮機(79)へ吸入されて圧縮される。
−運転動作−
本実施形態の加湿ユニット(1)は、加湿運転、除湿運転及び換気運転を選択的に行う。
〈加湿運転〉
加湿運転時の加湿ユニット(1)の動作について図11を参照して説明する。加湿運転中の加湿ユニット(1)では、後述する第1動作と第2動作とを3分間ずつで交互に繰り返し行う。
加湿運転の第1動作では、図11(a)に示すように、第1外気側ダンパ(69)、第1内気側ダンパ(71)及び第2内気側ダンパ(75)が開状態となると共に、第2外気側ダンパ(73)が閉状態となり、第1ファン(63)が正回転すると共に、第2ファン(67)が逆回転する。また、この加湿運転の第1動作では、冷媒回路(77)が第1状態(図10に実線で示す状態)に設定される。そして、冷媒回路(77)では冷凍サイクルが行われ、第1吸着熱交換器(61)が蒸発器として機能し、第2吸着熱交換器(65)が凝縮器(即ち、放熱器)として機能する。
ダクト(11)及び第1連通路(15b)から第1通路(19)へ流入した室外空気及び室内空気は、第1ファン(63)及び第1吸着熱交換器(61)を通過する。第1吸着熱交換器(61)では、室内空気及び室外空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(61)において水分を奪われた室内空気及び室外空気は、外気吸込口(15a)から室外へ排出される。一方、外気吸込口(15a)から第2通路(21)へ流入した室外空気は、第2吸着熱交換器(65)及び第2ファン(67)を通過する。第2吸着熱交換器(65)では、冷媒によって加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が室外空気に付与される。また、第2吸着熱交換器(65)では、室外空気の温度が幾分上昇する。第2吸着熱交換器(65)において加湿された室外空気は、第2内気側ダンパ(75)及びダクト(11)を通過して室内へ供給される。
加湿運転の第2動作では、図11(b)に示すように、第1外気側ダンパ(69)が閉状態となると共に、第1内気側ダンパ(71)、第2内気側ダンパ(75)及び第2外気側ダンパ(73)が開状態となり、第1ファン(63)が逆回転すると共に、第2ファン(67)が正回転する。また、この加湿運転の第2動作では、冷媒回路(77)が第2状態(図10に破線で示す状態)に設定される。そして、冷媒回路(77)では冷凍サイクルが行われ、第1吸着熱交換器(61)が凝縮器(即ち、放熱器)として機能し、第2吸着熱交換器(65)が蒸発器として機能する。
外気吸込口(15a)から第1通路(19)へ流入した室外空気は、第1ファン(63)及び第1吸着熱交換器(61)を通過する。第1吸着熱交換器(61)では、冷媒によって加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が室外空気に付与される。また、第1吸着熱交換器(61)では、室外空気の温度が幾分上昇する。第1吸着熱交換器(61)で加湿された室外空気は、第1内気側ダンパ(71)及びダクト(11)を通過して室内機(5)へ供給される。一方、ダクト(11)及び第2連通路(15c)から第2通路(21)へ流入した室内空気及び室外空気は、第2ファン(67)及び第2吸着熱交換器(65)を通過する。第2吸着熱交換器(65)では、室内空気及び室外空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(65)において水分を奪われた室内空気及び室外空気は、外気吸込口(15a)から室外へ排出される。
〈除湿運転〉
除湿運転時の加湿ユニット(1)の動作について図12を参照して説明する。除湿運転中の加湿ユニット(1)では、後述する第1動作と第2動作とを3分間ずつで交互に繰り返し行う。
除湿運転の第1動作では、図12(a)に示すように、第1外気側ダンパ(69)及び第2内気側ダンパ(75)が閉状態となると共に、第1内気側ダンパ(71)及び第2外気側ダンパ(73)が開状態となり、第1ファン(63)及び第2ファン(67)が逆回転する。また、この除湿運転の第1動作では、冷媒回路(77)が第1状態(図10に実線で示す状態)に設定される。そして、冷媒回路(77)では冷凍サイクルが行われ、第1吸着熱交換器(61)が蒸発器として機能し、第2吸着熱交換器(65)が凝縮器(即ち、放熱器)として機能する。
外気吸込口(15a)から第1通路(19)へ流入した室外空気は、第1吸着熱交換器(61)及び第1ファン(63)を通過する。第1吸着熱交換器(61)では、室外空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(61)において水分を奪われた室外空気は、第1内気側ダンパ(71)及びダクト(11)を通過して室内機(5)へ供給される。一方、外気吸込口(15a)から第2通路(21)へ流入した室外空気は、第2吸着熱交換器(65)及び第2ファン(67)を通過する。第2吸着熱交換器(65)では、冷媒によって加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が室外空気に付与される。また、第2吸着熱交換器(65)では、室外空気の温度が幾分上昇する。第2吸着熱交換器(65)において加湿された室外空気は、第2連通路(15c)を通過して室外へ排出される。
除湿運転の第2動作では、図12(b)に示すように、第1外気側ダンパ(69)及び第2内気側ダンパ(75)が閉状態となると共に、第1内気側ダンパ(71)及び第2外気側ダンパ(73)が閉状態となり、第1ファン(63)及び第2ファン(67)が逆回転する。また、この除湿運転の第2動作では、冷媒回路(77)が第2状態(図10に破線で示す状態)に設定される。そして、冷媒回路(77)では冷凍サイクルが行われ、第1吸着熱交換器(61)が凝縮器(即ち、放熱器)として機能し、第2吸着熱交換器(65)が蒸発器として機能する。
外気吸込口(15a)から第1通路(19)へ流入した室外空気は、第1吸着熱交換器(61)及び第1ファン(63)を通過する。第1吸着熱交換器(61)では、冷媒によって加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が室外空気に付与される。また、第1吸着熱交換器(61)では、室外空気の温度が幾分上昇する。第1吸着熱交換器(61)で加湿された室外空気は、第1連通路(15b)から室外へ排出される。一方、外気吸込口(15a)から第2通路(21)へ流入した室外空気は、第2吸着熱交換器(65)及び第2ファン(67)を通過する。第2吸着熱交換器(65)では、室外空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(65)において水分を奪われた室外空気は、第1内気側ダンパ(71)及びダクト(11)を通過して室内機(5)へ供給される。
〈換気運転〉
換気運転時の加湿ユニット(1)の動作について図13を参照して説明する。
換気運転では、冷媒回路(77)の圧縮機(79)が停止する。また、膨張弁(81)は、通常、全閉状態に保持される。また、換気運転中の加湿ユニット(1)では、第1内気側ダンパ(71)及び第2内気側ダンパ(75)が開状態となるとと共に、第1外気側ダンパ(25)及び第2外気側ダンパ(73)が閉状態となり、第1ファン(63)及び第2ファン(67)が共に逆回転する。そして、外気吸込口(15a)から第1通路(19)へ流入した室外空気は、第1吸着熱交換器(61)及び第1ファン(63)を通って、第1内気側ダンパ(71)及びダクト(11)を通過して室内機(5)へ供給される。また、外気吸込口(15a)から加湿側通路(21)へ流入した室外空気は、第2吸着熱交換器(65)及び第2ファン(67)を通って、第2内気側ダンパ(75)及びダクト(11)を通過して室内機(5)へ供給される。
換気運転中において、第1吸着熱交換器(61)及び第2吸着熱交換器(65)は、そこを通過する空気との間で水分や熱の授受は行わない。従って、室外空気は、温度と絶対湿度を調節されることなく、そのままの状態で室内へ供給される。
さらに、第1ファン(63)及び第2ファン(67)が共に正回転すると、ダクト(11)から第1通路(19)及び第2通路(21)に室内空気が取り込まれる。取り込まれた室内空気は、第1吸着熱交換器(61)及び第2吸着熱交換器(65)を通って、外気吸込口(15a)を通過して室外へ排出される。このようにして、排気換気動作がなされる。なお、図13では、給気換気動作時における空気の流れのみを矢印で示している。排気換気時における空気の流れは、図13に示す矢印方向の逆方向である。
−実施形態3の効果−
実施形態3の加湿ユニット(1)は、吸着熱交換器(61,65)を利用している。したがって、吸着ロータ方式で用いられるヒータが不要となる。その結果、消費電力を抑えることができる。また、加湿運転時に第1動作及び第2動作を連続的に行うことができると共に、除湿運転時に第1動作及び第2動作を連続的に行うことができる。
以上説明したように、本発明に係る空気調和機は、室外空気が低湿度状態の場合に室内に対する加湿量が低下するのを防止する用途等に適用することができる。
1 加湿ユニット
3 空気調和機
5 室内機
7 室外機
11 ダクト
23 吸着ロータ(吸着部材)
33 ヒータ(加熱手段)
39,61,65 吸着熱交換器(吸着部材)
45,77 冷媒回路

Claims (4)

  1. 室内機(5)と室外機(7)とを備えた空気調和機(3)に取り付けられて該室内機(5)及び該室外機(7)とは別体に構成され、上記室内機(5)の背面側に配設されてダクト(11)を介して該室内機(5)と繋がり、該室内機(5)に供給する加湿用空気を生成する加湿ユニットであって、
    水分を吸着及び放出する吸着部材(23,39,61,65)を備え、
    上記ダクト(11)を介して取り込んだ室内空気の水分を上記吸着部材(23,39,61,65)に吸着させ、
    上記吸着部材(23,39,61,65)が放出する水分を含む加湿用空気を上記ダクト(11)を介して上記室内機(5)へ供給する
    ことを特徴とする加湿ユニット。
  2. 請求項1において、
    室内空気及び室外空気の両方を取り込んで上記吸着部材(23,39,61,65)に水分を吸着させる
    ことを特徴とする加湿ユニット。
  3. 請求項1又は2において、
    上記吸着部材(23)は、表面に吸着剤が担持された回転可能な吸着ロータ(23)からなり、
    上記吸着ロータ(23)の再生領域を通過する空気を加熱する加熱手段(33)をさらに備え、
    上記加熱手段(33)によって加熱された空気を上記再生領域に供給し、上記吸着ロータ(23)から放出された水分を含む加湿用空気を上記ダクト(11)を介して上記室内機(5)へ供給する
    ことを特徴とする加湿ユニット。
  4. 請求項1又は2において、
    上記吸着部材(39,61,65)は、表面に吸着剤が担持された吸着熱交換器(39,61,65)で構成され、
    上記吸着熱交換器(39,61,65)が設けられた冷凍サイクルを行う冷媒回路(77)とをさらに備え、
    空気中の水分を上記吸着熱交換器(39,61,65)に吸着させる吸着動作と、
    上記吸着熱交換器(39,61,65)の吸着剤を冷媒によって加熱して該吸着熱交換器(39,61,65)から水分を放出させる再生動作とを行い、再生動作中の上記吸着熱交換器(39,61,65)から放出される水分を含む加湿用空気を上記ダクト(11)を介して上記室内機(5)へ供給する
    ことを特徴とする加湿ユニット。
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