JP4909371B2 - 消化ガスの脱酸素方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有機性廃棄物をメタン発酵させることにより発生した消化ガスを精製したメタンガス中に残存する酸素を除去する消化ガスの脱酸素方法及び装置に関する。
比較的水分の多い有機性廃棄物の処理には、現在、メタン発酵処理が多用されている。このメタン発酵処理され、発生したガスは通常「消化ガス」と呼ばれ、この消化ガス中の成分は、メタンが約60容量%及び二酸化炭素が約40容量%である。さらに、微量の不純物として、通常100〜3000ppmの硫化水素等の硫黄系不純物や約0.3容量%の酸素も含まれている。この消化ガスは、燃料ガスとして利用される。例えば、発電用のガスエンジン、ガスタービン、燃料電池等、温水や蒸気を製造するボイラー等の燃料である。近年では、さらにこの消化ガスを精製し、都市ガスとして供給されることが待ち望まれている。しかし、この消化ガスを精製し、都市ガスとして利用するためには、上記硫化水素等の硫黄系不純物や酸素が除去される必要がある。また、有機硫黄化合物と酸素を除去する技術としては、例えば、特許文献1に記載されたようなものが知られている。
この特許文献1に開示された有機硫黄化合物と酸素を除去する技術は、以下のようなものである。この技術は、反応器の中にパラジウムを含む第1触媒と、モリブデン、ニッケルまたはコバルトの少なくとも1つを含む第2触媒とを備え、有機硫黄化合物と酸素を含むメタンガス中から300〜450℃で有機硫黄化合物と酸素を同時に除去するものである。
また、触媒層を用いて比較的低温度で、ガス中の酸素を除去する技術として、例えば、特許文献2に記載されたようなものが知られている。
この特許文献2に開示されたガス中の酸素を除去する技術は、以下のようなものである。この技術は、溶存酸素含有水に窒素ガスを接触させて溶存酸素を除去し、酸素ガスが混入した窒素ガスに水素ガスを供給し、これを貴金属触媒層に通すことにより、触媒層の温度が60〜100℃で酸素ガスを水素ガスと反応させて水に変換して除去するものである。
特開昭58−215488号公報 特許第3,476,039号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された有機硫黄化合物と酸素を除去する技術は、まず有機硫黄化合物の脱硫を阻害する酸素を第1触媒上で水蒸気へ変換し、次いで第2触媒上で有機硫黄化合物を硫化水素へ変換するものであり、以下のような問題点が存在する。
1)有機硫黄化合物と酸素を含むメタンガス中から酸素を水蒸気に変換する反応および有機硫黄化合物を硫化水素に変換する反応において、300〜450℃という高温が必要である。
2)また、処理される上記ガス中の有機硫黄化合物は硫化水素へ変換され、ガス中に残存する。
また、上記特許文献2に開示されたガス中の酸素を除去する技術では、触媒の劣化を検知するような機能を有していないため、触媒の適切な交換時期が分からないといった問題点が存在する。
本発明の目的は、消化ガスを精製し、この精製されたガス中に残存する酸素を除去するに際し、高温を要することもなく、かつ、触媒の適切な交換時期が判断可能であり、精製されたガス中から硫化水素等の硫黄系不純物や酸素が最終的に所定の目標値以下に抑制された所定の要求ガスが得られる消化ガスの脱酸素方法及び装置を提供することにある。
この目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の発明は、
有機性廃棄物をメタン発酵させることにより発生した消化ガスを圧縮機で圧縮し昇圧し、前記昇圧した消化ガスを吸収塔へ供給して、前記吸収塔内で前記昇圧した消化ガスと水とを高圧状態で接触させることにより、前記昇圧した消化ガスに含まれる二酸化炭素及び硫黄系不純物を高圧水に溶解し前記昇圧した消化ガスから前記二酸化炭素及び硫黄系不純物を分離し、メタンガスを精製する工程と、
前記精製されたメタンガス(以下、「精製ガス」と称す)に水素を添加する工程と、
前記水素が添加された精製ガスを触媒が充填された触媒塔へ供給し、触媒反応により前記水素が添加された精製ガス中に残存する酸素を水に変換し除去する工程と、
前記触媒塔内の温度若しくは前記触媒塔を出た精製ガスの温度の内の少なくともいずれかの温度および前記水素が添加された精製ガスの温度を測定する工程と、を備えたことを特徴とする消化ガスの脱酸素方法である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記触媒塔を複数有し、前記複数の触媒塔の内の稼動中の触媒塔(一方の触媒塔と称す)において、測定された前記一方の触媒塔内の温度若しくは前記一方の触媒塔を出た精製ガスの温度の内の少なくともいずれかの温度と測定された前記水素が添加された精製ガスの温度との差が、測定された前記水素が添加された精製ガスの温度に対して予め求められた規定値未満の場合は、
前記複数の触媒塔の内の非稼動中の触媒塔(他方の触媒塔と称す)を新たに稼動させ、前記水素が添加された精製ガスを流路切換弁により前記他方の触媒塔へ供給する工程を有したことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記吸収塔を出た精製ガス中、または、前記水素が添加された精製ガス中の酸素濃度を検出する工程を有したことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、測定された前記一方の触媒塔内の温度若しくは前記一方の触媒塔を出た精製ガスの温度の内の少なくともいずれかの温度と測定された前記水素が添加された精製ガスの温度との差が、前記規定値を前記検出された酸素濃度により補正した所定値未満の場合は、
他方の触媒塔を新たに稼動させ、前記水素が添加された精製ガスを流路切換弁により前記他方の触媒塔へ供給する工程を有したことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明において、前記水素は、水を電気分解して得たものであることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、
有機性廃棄物をメタン発酵させることにより発生した消化ガスを圧縮し昇圧する圧縮機と、
前記圧縮機で昇圧した消化ガスと水とを受入れ、高圧状態で接触させることにより、前記昇圧した消化ガスに含まれる二酸化炭素及び硫黄系不純物を高圧水に溶解して前記昇圧した消化ガスから前記二酸化炭素及び硫黄系不純物を分離し、メタンガスを精製するための吸収塔と、
前記精製されたメタンガス(以下、「精製ガス」と称す)に水素を添加するための水素供給手段と、
前記水素供給手段により水素が添加された精製ガスを受入れ、前記水素が添加された精製ガス中に残存する酸素を水に変換し除去する触媒が充填された触媒塔と、
前記触媒塔内の温度若しくは前記触媒塔を出た精製ガスの温度の内の少なくともいずれかの温度および前記水素が添加された精製ガスの温度を測定するための複数の温度測定手段と、
を備えたことを特徴とする消化ガスの脱酸素装置である。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記触媒塔を複数有し、前記複数の触媒塔と前記吸収塔の間に設けられた流路切換弁を備え、
前記複数の触媒塔の内の稼動中の触媒塔(一方の触媒塔と称す)において、前記温度測定手段により測定された前記一方の触媒塔内の温度若しくは前記一方の触媒塔を出た精製ガスの温度の内の少なくともいずれかの温度と前記温度測定手段により測定された前記水素が添加された精製ガスの温度との差が、前記温度測定手段により測定された前記水素が添加された精製ガスの温度に対して予め求められた規定値未満の場合は、
前記複数の触媒塔の内の非稼動中の触媒塔(他方の触媒塔と称す)を新たに稼動させ、前記水素が添加された精製ガスを前記流路切換弁により切換えて前記他方の触媒塔へ供給するように構成したことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記吸収塔を出た精製ガス中、または、前記水素が添加された精製ガス中の酸素濃度を検出するために、前記触媒塔と前記吸収塔の間に設けられた酸素濃度検出手段を備えたことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記温度測定手段により測定された前記一方の触媒塔内の温度若しくは前記一方の触媒塔を出た精製ガスの温度の内の少なくともいずれかの温度と前記温度測定手段により測定された前記水素が添加された精製ガスの温度との差が、前記規定値を前記酸素濃度検出手段により検出した酸素濃度により補正した所定値未満の場合は、
他方の触媒塔を新たに稼動させ、前記水素が添加された精製ガスを前記流路切換弁により切換えて前記他方の触媒塔へ供給するように構成したことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項6乃至9のいずれか1項に記載の発明において、前記水素供給手段は、水電解装置であることを特徴とする。
以上のように、本発明に係る消化ガスの脱酸素方法によれば、
有機性廃棄物をメタン発酵させることにより発生した消化ガスを圧縮機で圧縮し昇圧し、前記昇圧した消化ガスを吸収塔へ供給して、前記吸収塔内で前記昇圧した消化ガスと水とを高圧状態で接触させることにより、前記昇圧した消化ガスに含まれる二酸化炭素及び硫黄系不純物を高圧水に溶解し前記昇圧した消化ガスから前記二酸化炭素及び硫黄系不純物を分離し、メタンガスを精製する工程と、
前記精製ガスに水素を添加する工程と、
前記水素が添加された精製ガスを触媒が充填された触媒塔へ供給し、触媒反応により前記水素が添加されたメタンガス中に残存する酸素を水に変換し除去する工程と、
前記触媒塔内の温度若しくは前記触媒塔を出た精製ガスの温度の内の少なくともいずれかの温度および前記水素が添加された精製ガスの温度を測定する工程と、
を備えているため、以下のような作用効果を奏する。
1)高圧水吸収法を用い、消化ガス中の二酸化炭素及び硫黄系不純物の大部分を予め分離し、メタンガスを精製する工程を有するため、硫黄系不純物と酸素を同時に除去する必要がなくなる。したがって、精製ガス中に残存する酸素を除去するに際し、触媒反応に300〜450℃という高温を要することもなく、水素を添加し室温(または室温に近い温度)で触媒反応を進めるだけで十分な脱酸素が可能な方法を実現できる。
2)また、触媒の適切な交換時期が判断可能であり、精製ガス中から硫化水素等の硫黄系不純物や酸素が最終的に所定の目標値以下に抑制された所定の要求ガスが得られる消化ガスの脱酸素方法を実現できる。
また、本発明に係る消化ガスの脱酸素装置によれば、
有機性廃棄物をメタン発酵させることにより発生した消化ガスを圧縮し昇圧する圧縮機と、
前記圧縮機で昇圧した消化ガスと水とを受入れ、高圧状態で接触させることにより、前記昇圧した消化ガスに含まれる二酸化炭素及び硫黄系不純物を高圧水に溶解して前記昇圧した消化ガスから前記二酸化炭素及び硫黄系不純物を分離し、メタンガスを精製するための吸収塔と、
前記精製ガスに水素を添加するための水素供給手段と、
前記水素供給手段により水素が添加された精製ガスを受入れ、前記水素が添加された精製ガス中に残存する酸素を水に変換し除去する触媒が充填された触媒塔と、
前記触媒塔内の温度若しくは前記触媒塔を出た精製ガスの温度の内の少なくともいずれかの温度および前記水素が添加された精製ガスの温度を測定するための複数の温度測定手段と、
を備えているため、以下のような作用効果を奏する。
1)高圧水吸収法を用い、吸収塔で消化ガス中の二酸化炭素及び硫黄系不純物の大部分を予め分離し、メタンガスを精製することができるため、硫黄系不純物と酸素を同時に除去する必要がなくなる。したがって、精製ガス中に残存する酸素を除去するに際し、触媒塔に300〜450℃という高温を要することもなく、水素を添加し室温(または室温に近い温度)で触媒反応を進めることができる脱酸素装置を実現できる。
2)また、上述した複数の温度測定手段を備えているため、触媒の適切な交換時期が判断可能であり、精製ガス中から硫化水素等の硫黄系不純物や酸素が最終的に所定の目標値以下に抑制された所定の要求ガスが得られる消化ガスの脱酸素装置を実現できる。
本発明の一実施の形態の消化ガスの脱酸素装置の全体構成を模式的に説明する説明図である。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
(実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態の消化ガスの脱酸素装置の全体構成を模式的に説明する説明図である。
図1において、1はミストセパレータ、2a、2bはガス圧縮機、3は吸収塔(スクラバー)、4は給水槽、5は水補給用ポンプ、6は水素供給手段としての水電解装置、7、50は貴金属系の触媒、8、51は触媒7、触媒50がそれぞれ充填された触媒塔、9は除湿器、20は酸素濃度検出手段としての酸素濃度計、30は流路切換弁、40、60は水電解装置6により水素が添加された精製ガスの温度をそれぞれ測定するための温度測定手段としての温度計、41a、b、c、61a、b、cは触媒塔8内、触媒塔51内の温度をそれぞれ測定するための温度測定手段としての温度計、42、62は触媒塔8、触媒塔51を出た精製ガスの温度をそれぞれ測定するための温度測定手段としての温度計である。
次に、本発明に係る消化ガスの脱酸素装置の運転動作について、図1を参照しながら説明する。
有機性汚泥、有機性廃水等の有機性廃棄物をメタン発酵させることにより発生した消化ガスは、ミストセパレータ1によって消化ガス中のミスト(水分)、ダストが除去される。このミストセパレータ1を通過後の消化ガス中の成分は、メタン(CH)が約60容量%、二酸化炭素(CO)が約40容量%、酸素が約0.3容量%、硫黄系不純物としての硫化水素(HS)が100〜3000ppm、その他の不純物が極微量である。この消化ガスを直列接続されたガス圧縮機2a、2bによって圧縮し、大気圧より高い所定の圧力まで昇圧される。ガス圧縮機2a、2bによって昇圧された消化ガスは、吸収塔3の下部に導入される。一方、吸収塔3の上部からは、下水処理場の最終沈殿池の下流に設けられている処理水の砂ろ過設備からの砂ろ過水が貯留された給水槽4から水補給用ポンプ5により汲み上げられ、昇圧された状態で供給されるようになっている。
このように、ガス圧縮機2a、2bにより消化ガスを昇圧して吸収塔3内へその下部より送り込むとともに、水補給用ポンプ5により水を昇圧して吸収塔3内へその上部より送り込むことにより、吸収塔3内を0.55〜2.0MPaGの範囲を満たす高圧状態に保持し、吸収塔3内において消化ガスと水とを前記圧力範囲を満たす高圧状態で接触させるようにしている。なお、吸収塔3内には、消化ガスと水とを十分に接触させるためにラシヒリング等の充填物が充填されている。
吸収塔3内において消化ガスと水とを0.55〜2.0MPaGの範囲を満たす高圧状態で接触させることにより、消化ガス中に気体状態で含まれていた二酸化炭素及び硫化水素等の硫黄系不純物は、高圧の水に溶解して吸収される一方、メタンガスは、高圧の水にほとんど溶解することなく、吸収塔3の頂部から取り出される。また、消化ガスから二酸化炭素及び硫化水素等の硫黄系不純物を分離し、メタンガスを精製するに際し、消化ガスと水とを0.55〜2.0MPaGの範囲を満たす高圧状態で接触させるのがよい。この範囲より低圧力雰囲気では、二酸化炭素及び硫化水素等の硫黄系不純物が十分に分離除去されず、また、この範囲より高圧力雰囲気にしても二酸化炭素及び硫化水素等の硫黄系不純物の除去率がそれほど向上せず、運転コストや、高圧化仕様による装置コストの増加などの点から好ましくない。なお、除去率、運転コスト及び装置コストの点から、消化ガスと水とを0.7MPaG以上1.0MPaG未満の範囲を満たす高圧状態で接触させることがより好ましい。
なお、上記のように消化ガスと水とを0.55MPaG以上の高圧状態で接触させることにより、消化ガス中にシロキサン化合物が含まれる場合、シロキサン化合物も凝縮し消化ガス中から大部分が分離されるので、吸収塔3の頂部から取り出される高濃度のメタンガスを有する精製ガス中に残留するシロキサン化合物も僅かとなる。しかし、この精製ガス中には、依然として酸素が約0.3容量%残存したままであるため、このままではまだ都市ガスとしては利用できない。そこで、次にこの精製ガス(高濃度のメタンガスと上記含有量の酸素が中心)に水電解装置6より水素(H)を添加し、この水素が添加された精製ガスを稼動中の触媒7が充填された触媒塔8に送り込むことにより、室温(または室温に近い温度)で下記式(1)に示すような触媒反応が進行し、精製ガス中の酸素が、例えば、0.01容量%(100ppm)以下まで除去される。ここで、室温または室温に近い温度とは5〜40℃程度をいい、触媒塔8に供給される精製ガスの温度が前記温度範囲以上であれば触媒反応が進行する。
+2H→ 2HO ――― 式(1)
水素は、上記触媒反応式(1)より、酸素の2倍のモル量が必要である。よって、酸素に対して水素をモル比で2以上添加することにより、精製ガス中に残存する酸素を0.01容量%(100ppm)以下に制御することが可能である。酸素に対する水素の添加量は、モル比で2〜約3.3とするのが好ましい。これにより、残存する酸素を所定の基準値以下まで除去しながらも、必要以上に水素を消費するのを防止できる。
また、上記水素が添加された精製ガスの触媒7層空間速度(SV)は、7,000h−1以下(ただし、ゼロは含まない)の範囲で変更可能であり、好ましくは、3,000〜6,000h−1の範囲である。これにより、残存する酸素を所定の基準値以下まで除去しながらも、使用する触媒7の量がいたずらに多くならない。したがって、触媒塔8の大きさを抑制可能である。
この酸素が低減した精製ガスが除湿器9に送られ、水分が十分に吸着除去された後、都市ガス導管へ接続される。また、消化ガスから分離した二酸化炭素及び硫化水素等の硫黄系不純物が溶解した高圧水は、吸収塔3の底部から抜き出されて、弁V1を介して水処理設備へ供給される。尚、除湿器9としては、モレキュラーシーブ等の吸着剤を用いる吸着塔などが適用できる。
また、触媒塔8の入口側、触媒塔8内の中心および触媒塔8の出口側には、温度計40、41a、b、c、42がそれぞれ設置されているため、触媒塔8で水素が添加された精製ガス中に残存する酸素を水に変換し除去する上記触媒反応式(1)に起因した温度上昇分または温度の変化分を測定可能である。
具体的には、触媒塔8で前記残存する酸素(吸収塔3を出た精製ガス中に残存する標準的な酸素成分(=約0.3容量%))を所定の基準値以下まで除去する正常な触媒反応が行なわれている場合、下記式(2)または式(3)を満足する条件が実験により予め求まる。
(温度計41a、b、cが示す温度)―(温度計40が示す温度)≧規定値1 ―― 式(2)
(温度計42が示す温度)―(温度計40が示す温度)≧規定値2 ―― 式(3)
したがって、触媒塔8内の温度(温度計41a、b、cが示す温度)若しくは触媒塔8を出た精製ガスの温度(温度計42が示す温度)の内の少なくともいずれかの温度と水素が添加された精製ガスの温度(温度計40が示す温度)との差が、水素が添加された精製ガスの温度(温度計40が示す温度)に対して予め求められた規定値1以上若しくは規定値2以上であれば触媒7が活性を有していることとなり、規定値1未満若しくは規定値2未満の数値になった場合は、触媒7が劣化してきていることを知ることができる。よって、触媒7の適切な交換時期が判断可能になるため、触媒塔8内の触媒7を新しい物に交換しさえすれば、水素が添加された精製ガス中から硫化水素等の硫黄系不純物や酸素が最終的に所定の目標値以下に抑制された所定の要求ガスが常時得られる。
また、図1に示すように、触媒50が充填された触媒塔51が触媒塔8と並列に設置され、触媒塔8、51と吸収塔3の間に流路切換弁30が設けられているため、以下のような作用効果も奏する。
触媒塔8内の温度(温度計41a、b、cが示す温度)若しくは触媒塔8を出た精製ガスの温度(温度計42が示す温度)の内の少なくともいずれかの温度と水素が添加された精製ガスの温度(温度計40が示す温度)との差が、水素が添加された精製ガスの温度(温度計40が示す温度)に対して予め求められた規定値未満(すなわち、規定値1未満若しくは規定値2未満の内の少なくともいずれか)になった場合は、並列して設けられた非稼動中の触媒塔51を新たに稼動させ、水素が添加された精製ガスを流路切換弁30により触媒塔51側へ切換えて供給可能であるため、上記式(1)に示す触媒反応を連続して行なうことが可能である。また、触媒塔51を稼動させている間に、触媒塔8内の触媒7を新しい物に交換すれば、消化ガスの脱酸素装置を再び初期のラインに構築しておくことが可能となる。以降、これらの手順を繰り返すことにより、長期間触媒反応を連続して実施させることが可能となる。
また、図1に示すように、触媒塔51側にも触媒塔8側に対応するように、温度計60、61a、b、c、62がそれぞれ設置されている。したがって、触媒塔8側について述べた場合と同様に、触媒50が劣化してきていることも知ることができる。よって、触媒50の適切な交換時期が判断可能になるため、触媒塔51内の触媒50を新しい物に交換しさえすれば、水素が添加された精製ガス中から硫化水素等の硫黄系不純物や酸素が最終的に所定の目標値以下に抑制された所定の要求ガスが常時得られる。以上の手順を繰り返すことにより、消化ガスの脱酸素装置の連続運転も可能になる。
また、図1に示すように、吸収塔3を出た直後に、精製ガス中に残存する酸素の濃度を検出するための酸素濃度計20が設けられているため、この酸素濃度計20により検出された酸素濃度の値により、上記式(2)に示す規定値1や式(3)に示す規定値2を補正した所定値を実験により予め求めておくことが可能である。したがって、触媒7、50の劣化を判断する精度が向上する(すなわち、触媒7、50の寿命の予測精度が向上する)。よって、触媒7、50の適切な交換時期の判断精度がより向上する。
より詳細を説明すると、精製ガス中に残存する酸素の濃度が低い場合、触媒7、50による水の生成により発生する反応熱量も低下するため、前記規定値1、2の値は低くなる。一方、精製ガス中に残存する酸素の濃度が高い場合、反応熱量も高くなるため前記規定値1、2の値は高くなる。そのため、単純に規定値1、2を決定すると酸素濃度によっては触媒7、50の劣化を誤検知するおそれがあるが、前述したとおり精製ガス中の酸素濃度を測定することによって触媒7、50の劣化の判断基準となる規定値1、2(精製ガス中に残存する標準的な酸素成分(=約0.3容量%))時の判断基準値)を補正した所定値を求め、この所定値を用いて触媒7、50の劣化を判断することで、精製ガス中の酸素濃度が変化した場合の判断精度を向上させることができる。具体的には、酸素濃度が低い場合、所定値は低く、酸素濃度が高い場合、所定値は高くなる。
なお、本実施の形態においては、触媒塔が2つ設けられた例について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、触媒塔は、少なくとも1つ設けられてさえいればよい。
また、本実施の形態においては、触媒塔8、51のそれぞれに温度計を設置した例について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、少なくとも最初に稼動させる側の触媒塔に温度計が設置されていればよい。
また、例えば、触媒が活性を有している場合であっても、測定するタイミングによっては測定した触媒層の温度が十分に高くなっていない可能性がある。そのため、触媒塔の切り替え後(当該触媒塔の運転後)一定期間は規定値の比較を行わないか、規定値未満であっても触媒が劣化したと判断せずにそのまま運転するように規定値の比較を当該触媒塔の運転開始から一定期間行わないようにしてもよい。
また、上記規定値の比較を一定期間行わない方法に変えて、触媒塔運転後、一度規定値以上になった後、規定値未満になった際に触媒が劣化したと判断するように運転しても良い。
また、触媒の劣化をより精度良く測定しようとすると、上述したように触媒層内の縦方向に複数個の温度計を設置することが好ましく、この触媒層内の各段の温度変化を測定し、この測定値に基づいた規定値との比較を行うことで触媒塔の切り替え時期を精度良く判断できる。
また、触媒塔8、51の下流にそれぞれ温度計42、62を設置し、この温度計42、62によって測定した温度に基づき規定値2との比較を行う場合には、温度計42、62の設置箇所は触媒塔8、51に極力近い位置が好ましく、また、触媒塔8、51から温度計42、62までの配管が冷却されないように保温することが好ましい。
また、本実施の形態においては、酸素濃度計20を吸収塔3を出た直後(すなわち、水素が添加される前の精製ガス中の酸素濃度を検出する位置)に設置する例について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、水素が添加された後の精製ガス中の酸素濃度を検出する位置に設置してあっても構わない。また、本実施の形態においては、触媒塔8、51というように、触媒塔を複数有した場合に、酸素濃度計を設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。すなわち、吸収塔の後段に触媒塔が一つ設けられ、この吸収塔を出た精製ガスに水素を添加するための水素供給手段を設け、吸収塔を出た精製ガス中、または、水素が添加された精製ガス中の酸素濃度を検出するために、触媒塔と吸収塔の間に酸素濃度検出手段を設ける構成も当然可能である。
また、本実施の形態における水電解装置6としては、水素を発生するものであれば利用可能であり、好ましい水電解装置としては、固体高分子電解質膜等を利用した水電解式水素発生装置が挙げられ、高純度の水素及び酸素を発生させる株式会社神鋼環境ソリューション製の水電解式高純度水素酸素発生装置(商品名:HHOG)を利用することが可能である。この水電解式高純度水素酸素発生装置を利用することで、高圧水素ボンベを用いて水素を予め貯蔵しておく必要がなく、純度の高い水素を電源のON/ OFF操作により、必要な時に必要な量だけ供給でき、安全である。また、精製ガス中の酸素濃度の変動に対して濃度を検知して水素の量を制御することが可能である。このように、精製ガス中に残存する酸素の除去量を制御することも可能である。また、単に水素ボンベを利用することも可能である。
また、触媒塔8、51での触媒反応により、脱酸素反応が進行すると触媒塔8、51を出た水分を含む精製ガスは反応熱により温度が上昇している。この温度が上昇した水分を含む精製ガスを熱交換器(図示せず)で冷却し、温度を低下させることで、後段の除湿器9における水分吸着能力が高くなる。このように、除湿器9における水分吸着能力が高くなると、除湿器9をコンパクトにすることが可能になる。また、触媒塔8、51を出た水分を含む精製ガスの温度を低下させることで、精製ガス中の水分の一部が凝縮し、凝縮した水を除湿器9の前段に設けられたドレントラップ(図示せず)にて分離し系外に排出することにより、除湿器9に導入される精製ガス中の水分量も低減しているので、除湿器9をさらにコンパクトにすることが可能となる。残存する酸素量が増加した精製ガスを触媒塔8で脱酸素する場合には、反応熱量がより高くなるため、この構成(熱交換器が追加された構成)の果たす役割はより重要になる。なお、熱交換器の出口の精製ガス温度を、吸収塔3の出口の精製ガス温度より低くするように冷却することにより、触媒反応で生成した水分よりも多くの水分を凝縮でき、除湿器9のさらなるコンパクト化に寄与するので、好ましい。
また、本実施の形態においては、触媒塔8、51の前にミストセパレータとしてのコアレッサーが図示されていないが、コアレッサーを設置するのが好ましい。このようにすることで、精製ガスに同伴する水分が除去できる。また、本実施の形態における貴金属触媒としては、金属パラジウム、酸化パラジウム、水酸化パラジウムなどのパラジウム化合物が利用可能である。また、触媒として、白金の常温で酸素と水素が反応するものであれば利用可能である。さらに、これらの触媒物質をアルミナ、ゼオライト等の担体に担持させたものも利用可能である。
以下、本発明の作用効果を確証するため、以下のラボ試験を実施した。
図1において、触媒塔8にて上記式(1)に示す触媒反応が行なわれた場合の触媒塔8へ供給される試験ガス中の酸素濃度と温度計40、41a、b、cによる温度測定結果との関係を調べる試験を行なった。なお、温度計41a、b、cは、それぞれ触媒塔8に充填した触媒7層の入口近傍(触媒7層の入口から10mmの地点)、中央部(触媒7層中央部)、触媒7層の出口近傍(触媒7層の出口から10mm手前部)に設置してある。また、触媒塔8へ供給される試験ガスとして、酸素濃度が0.3〜1.0容量%、酸素濃度に対してモル比で2となるように水素濃度が0.6〜2.0容量%、HSが1ppm、残りメタンガスから構成される30℃飽和水分量を含有したガスを用いた。なお、硫化水素については触媒塔での除去性能を確認するため高めの濃度とした。この試験ガス中、酸素濃度を0.3、0.5、1.0容量%にしたものをそれぞれ試験No.1、2、3とする(下記表1参照)。また、試験時間は、いずれも1時間である。その他の試験条件は、以下の通りである。
触媒層の長さ100mm
触媒としては常温で使用可能な脱酸素用貴金属触媒(パラジウム)を利用
上記試験ガスの触媒7層空間速度(SV):5,000h−1
上記試験ガスの圧力:0.9MPaG
Figure 0004909371
上記表1に示すように、試験No.1、2、3のいずれの試験ガスを用いた場合も、触媒塔8から出た試験ガス中に残存する酸素量は50ppm未満となり、所定の要求性能(例えば、酸素量の目標値:100ppm以下)を満足する。
下述の記載において、触媒塔8へ供給される試験ガス中の酸素の濃度が0.3%で、上記所定の要求性能を満足する場合の温度計41a、b、cを用いて測定した温度と温度計40を用いて測定した温度とのそれぞれの差の下限値を規定値1(A、B、C)と定義する。さらに、上記酸素濃度により規定値1(A、B、C)を補正した値を所定値1(A、B、C)と定義する。
また、上記表1に示すように、上記所定の要求性能を満足している場合(すなわち、所定の触媒反応が行なわれている間)、上記触媒反応式(1)に起因した温度上昇分が必ず発生する。
したがって、例えば、試験No.1のように試験ガス中の酸素の濃度が0.3%で、上記所定の要求性能を満足する場合の規定値1(B、C)を30℃と設定しておくと、実稼動中に温度計40と温度計41b、cを用いて逐次温度測定を行い、この温度計41b、cを用いて測定した温度と温度計40を用いて測定した温度とのそれぞれの差が30℃未満になったら触媒塔8の交換時期であると判断することができる(上記表1参照)。
また、例えば、試験No.2のように、試験ガス中の酸素の濃度が0.3%から0.5%に変化した場合は、規定値1(B)を前記酸素濃度により補正した所定値1(B)を60℃と設定しておくと、実稼動中に温度計40と温度計41bを用いて逐次温度測定を行い、この温度計41bを用いて測定した温度と温度計40を用いて測定した温度とのそれぞれの差が60℃未満になったら触媒塔8の交換時期であると判断することができる(上記表1参照)。
同様に、例えば、試験No.3のように、試験ガス中の酸素の濃度が0.3%から1.0%に変化した場合は、規定値1(B、C)を前記酸素濃度により補正した所定値1(B、C)を100℃と設定しておくと、実稼動中に温度計40と温度計41b、cを用いて逐次温度測定を行い、この温度計41b、cを用いて測定した温度と温度計40を用いて測定した温度とのそれぞれの差が100℃未満になったら触媒塔8の交換時期であると判断することができる(上記表1参照)。逆に、酸素濃度が低い場合、酸素濃度に合わせて規定値1(B、C)=30℃を補正した所定値1(B、C)(=30℃よりも低い温度)に設定することで、触媒塔8の適切な交換時期を判断することができる。
上記表1における試験No.1の条件(但し、下記表2に示すように試験時間は、試験No.4の1時間で始まり、順次試験時間が積算され、最終的には試験No.10で90時間となるように設定した)で連続運転した場合の触媒7層の温度変化と酸素除去能力を確認した(ただし、触媒7の劣化を加速させるために、試験ガス中の硫化水素の濃度を10ppmに変更した)。実験結果を下記表2に示す。
Figure 0004909371
上記表2より、試験No.4、5においては、温度計41c(出口側)を用いて測定した温度と温度計40を用いて測定した温度との差がそれぞれ35℃、38℃であり、規定値1(C)を超えていることがわかる。これは、触媒7がまだ劣化していないことを示し、触媒塔8から出た試験ガス中に残存する酸素量が50ppm未満であり(上記表2参照)、試験ガス中に残存する酸素の除去能力を有していることが確認できる。また、試験No.6で分かるとおり、規定値1(C)=30℃よりも低い値になった場合、触媒7の劣化が進み酸素除去能力が低下していることが分かる。
なお、触媒塔8から出た試験ガス中に残存する酸素量が500ppm未満であれば良い場合は、規定値1(C)を例えば20℃と設定すればよい。
このように実験により予め求めた規定値1(A、B、C)を設定することにより、触媒塔8の運転時に温度計41a、b、cを用いて測定した温度と温度計40を用いて測定した温度とのそれぞれの差を規定値1(A、B、C)と比較しながら運転を行うことで、触媒7の劣化を迅速に検知することができる。
また、水素が添加された精製ガス中の酸素濃度を検出する場合には、実験により予め規定値1(A、B、C)を酸素濃度により補正した所定値1(A、B、C)を求め設定することにより、触媒塔8の運転時に温度計41a、b、cを用いて測定した温度と温度計40を用いて測定した温度とのそれぞれの差を所定値1(A、B、C)と比較しながら運転を行うことで、触媒7の劣化を迅速にかつ適切に精度良く検知することができる。
なお、本実施例においては、温度計41a、b、cを用いて測定した温度と温度計40を用いて測定した温度とのそれぞれの差を使用した場合について説明したが必ずしもこれに限定されるものではなく、上記所定の要求性能を満足する場合の温度計42を用いて測定した温度と温度計40を用いて測定した温度との差の下限値を規定値2と定義する。さらに、上記酸素濃度により規定値2を補正した値を所定値2と定義する。
1 ミストセパレータ
2a、2b ガス圧縮機
3 吸収塔
4 給水槽
5 水補給用ポンプ
6 水電解装置
7、50 触媒
8、51 触媒塔
9 除湿器
20 酸素濃度計
30 流路切換弁
40、41a、b、c、42、60、61a、b、c、62 温度計

Claims (10)

  1. 有機性廃棄物をメタン発酵させることにより発生した消化ガスを圧縮機で圧縮し昇圧し、前記昇圧した消化ガスを吸収塔へ供給して、前記吸収塔内で前記昇圧した消化ガスと水とを高圧状態で接触させることにより、前記昇圧した消化ガスに含まれる二酸化炭素及び硫黄系不純物を高圧水に溶解し前記昇圧した消化ガスから前記二酸化炭素及び硫黄系不純物を分離し、メタンガスを精製する工程と、
    前記精製されたメタンガス(以下、「精製ガス」と称す)に水素を添加する工程と、
    前記水素が添加された精製ガスを触媒が充填された触媒塔へ供給し、触媒反応により前記水素が添加された精製ガス中に残存する酸素を水に変換し除去する工程と、
    前記触媒塔内の温度若しくは前記触媒塔を出た精製ガスの温度の内の少なくともいずれかの温度および前記水素が添加された精製ガスの温度を測定する工程と、を備えたことを特徴とする消化ガスの脱酸素方法。
  2. 前記触媒塔を複数有し、前記複数の触媒塔の内の稼動中の触媒塔(一方の触媒塔と称す)において、測定された前記一方の触媒塔内の温度若しくは前記一方の触媒塔を出た精製ガスの温度の内の少なくともいずれかの温度と測定された前記水素が添加された精製ガスの温度との差が、測定された前記水素が添加された精製ガスの温度に対して予め求められた規定値未満の場合は、
    前記複数の触媒塔の内の非稼動中の触媒塔(他方の触媒塔と称す)を新たに稼動させ、前記水素が添加された精製ガスを流路切換弁により前記他方の触媒塔へ供給する工程を有したことを特徴とする請求項1に記載の消化ガスの脱酸素方法。
  3. 前記吸収塔を出た精製ガス中、または、前記水素が添加された精製ガス中の酸素濃度を検出する工程を有したことを特徴とする請求項2に記載の消化ガスの脱酸素方法。
  4. 測定された前記一方の触媒塔内の温度若しくは前記一方の触媒塔を出た精製ガスの温度の内の少なくともいずれかの温度と測定された前記水素が添加された精製ガスの温度との差が、前記規定値を前記検出された酸素濃度により補正した所定値未満の場合は、
    他方の触媒塔を新たに稼動させ、前記水素が添加された精製ガスを流路切換弁により前記他方の触媒塔へ供給する工程を有したことを特徴とする請求項3に記載の消化ガスの脱酸素方法。
  5. 前記水素は、水を電気分解して得たものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の消化ガスの脱酸素方法。
  6. 有機性廃棄物をメタン発酵させることにより発生した消化ガスを圧縮し昇圧する圧縮機と、
    前記圧縮機で昇圧した消化ガスと水とを受入れ、高圧状態で接触させることにより、前記昇圧した消化ガスに含まれる二酸化炭素及び硫黄系不純物を高圧水に溶解して前記昇圧した消化ガスから前記二酸化炭素及び硫黄系不純物を分離し、メタンガスを精製するための吸収塔と、
    前記精製されたメタンガス(以下、「精製ガス」と称す)に水素を添加するための水素供給手段と、
    前記水素供給手段により水素が添加された精製ガスを受入れ、前記水素が添加された精製ガス中に残存する酸素を水に変換し除去する触媒が充填された触媒塔と、
    前記触媒塔内の温度若しくは前記触媒塔を出た精製ガスの温度の内の少なくともいずれかの温度および前記水素が添加された精製ガスの温度を測定するための複数の温度測定手段と、
    を備えたことを特徴とする消化ガスの脱酸素装置。
  7. 前記触媒塔を複数有し、前記複数の触媒塔と前記吸収塔の間に設けられた流路切換弁を備え、
    前記複数の触媒塔の内の稼動中の触媒塔(一方の触媒塔と称す)において、前記温度測定手段により測定された前記一方の触媒塔内の温度若しくは前記一方の触媒塔を出た精製ガスの温度の内の少なくともいずれかの温度と前記温度測定手段により測定された前記水素が添加された精製ガスの温度との差が、前記温度測定手段により測定された前記水素が添加された精製ガスの温度に対して予め求められた規定値未満の場合は、
    前記複数の触媒塔の内の非稼動中の触媒塔(他方の触媒塔と称す)を新たに稼動させ、前記水素が添加された精製ガスを前記流路切換弁により切換えて前記他方の触媒塔へ供給するように構成したことを特徴とする請求項6に記載の消化ガスの脱酸素装置。
  8. 前記吸収塔を出た精製ガス中、または、前記水素が添加された精製ガス中の酸素濃度を検出するために、前記触媒塔と前記吸収塔の間に設けられた酸素濃度検出手段を備えたことを特徴とする請求項7に記載の消化ガスの脱酸素装置。
  9. 前記温度測定手段により測定された前記一方の触媒塔内の温度若しくは前記一方の触媒塔を出た精製ガスの温度の内の少なくともいずれかの温度と前記温度測定手段により測定された前記水素が添加された精製ガスの温度との差が、前記規定値を前記酸素濃度検出手段により検出した酸素濃度により補正した所定値未満の場合は、
    他方の触媒塔を新たに稼動させ、前記水素が添加された精製ガスを前記流路切換弁により切換えて前記他方の触媒塔へ供給するように構成したことを特徴とする請求項8に記載の消化ガスの脱酸素装置。
  10. 前記水素供給手段は、水電解装置であることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の消化ガスの脱酸素装置。
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