JP5181072B1 - バイオガスの脱酸素方法及び装置 - Google Patents

バイオガスの脱酸素方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5181072B1
JP5181072B1 JP2012126122A JP2012126122A JP5181072B1 JP 5181072 B1 JP5181072 B1 JP 5181072B1 JP 2012126122 A JP2012126122 A JP 2012126122A JP 2012126122 A JP2012126122 A JP 2012126122A JP 5181072 B1 JP5181072 B1 JP 5181072B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
biogas
gas
oxygen
hydrogen
oxygen concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012126122A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013249406A (ja
Inventor
博司 宮本
浩二 村越
明子 三宅
智裕 丸山
誠 棚橋
暢大 中村
豪 瀧村
務 長岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
CITY OF KOBE
Shinko Pantec Co Ltd
Original Assignee
CITY OF KOBE
Kobelco Eco Solutions Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by CITY OF KOBE, Kobelco Eco Solutions Co Ltd filed Critical CITY OF KOBE
Priority to JP2012126122A priority Critical patent/JP5181072B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5181072B1 publication Critical patent/JP5181072B1/ja
Publication of JP2013249406A publication Critical patent/JP2013249406A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Gas Separation By Absorption (AREA)

Abstract


【課題】本発明は、バイオガスから効率的に所定基準の都市ガスが製造可能であるとともに、都市ガスが要求する所定基準値未満の酸素濃度にするために、多量の都市ガス(天然ガス)を使用してバイオガスを希釈するようなことを要せず、かつ、バイオガスに添加する水素量を効率的に制御可能なバイオガスの脱酸素方法及び装置を提供することを目的とする。
【解決手段】流量計11で計測された流量と酸素計12で測定された酸素濃度と流量計14で計測された流量および酸素計40で測定された酸素濃度を流量制御装置15に入力し、これらのデータに基づいて、流量調整弁16を調節するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、精製されたバイオガス中に残存する酸素を除去するバイオガスの脱酸素方法及び装置に関する。ここで「バイオガス」とは、バイオマス(動植物に由来する有機物であってエネルギー源として利用することができるものであり、原油、天然ガス、可燃性天然ガス及び石炭並びにこれらから製造される製品を除くもの)から発生するまたは由来する可燃性ガスを言う。
下水汚泥や生ごみといった有機性廃棄物や食品工場排水などの有機性排水等のバイオマスをメタン発酵させることにより得られるバイオガスが、新しいエネルギーとして注目されている。このメタン発酵処理され、発生したバイオガスは通常「消化ガス」と呼ばれ、この消化ガス中の成分は、メタンが約60容量%及び二酸化炭素が約40容量%である。さらに、微量の不純物として、通常100〜3000ppmの硫化水素(以下、「HS」という)等の硫黄系不純物や約0.3容量%の酸素も含まれている。
この消化ガスは、燃料ガスとして利用される。例えば、発電用のガスエンジン、ガスタービン、燃料電池等、温水や蒸気を製造するボイラー等の燃料である。このような機器の燃料ガスとして使用する場合には、消化ガスに含まれるHSガスを除去する必要が生じる。その理由は、消化ガスを燃焼させる際に消化ガス中のHSガスが酸化されて硫黄酸化物が生成し、機器を腐食させる可能性があるためである。
また、近年では、消化ガスを精製し、都市ガスとして供給されることが待ち望まれている。しかし、この消化ガスを精製し、都市ガスとして利用するためには、上記HS等の硫黄系不純物、二酸化炭素や酸素等(以下、「不純物成分」と言う)を都市ガスが要求する所定基準値以下の濃度まで低減させなければならない。この要求を満足させる技術として、例えば、特許文献1に記載されたようなものが知られている。
この特許文献1に開示された技術は、上記HS等の硫黄系不純物や二酸化炭素が除去され精製されたバイオガス(消化ガス)を都市ガスが要求する所定基準値未満の不純物成分濃度の天然ガスとともに供給するバイオガス供給システムであって、天然ガス導管から前記天然ガスを取り出す分取部と、前記バイオガスに前記天然ガスよりも熱量が大きい高カロリーガスを添加して熱量調整を行う調整部と、前記不純物成分濃度が前記所定基準値以下となるように熱量調整後のバイオガスと前記天然ガスとを混合する混合部と、混合後のガスを前記天然ガス導管に戻すリターン部と、を備えたものである。また、この特許文献1には、酸素濃度測定手段として、ガスクロマトグラフや磁気式酸素分析計が開示されている。
また、ガスクロマトグラフの場合には、分析ガスをマイナス72℃まで冷却して酸素とアルゴンを分離し、それぞれを分析可能であることも知られている(例えば、特許文献2、非特許文献1参照)。
特開2010−59416号公報 特開平5−180822号公報
ラード他(E.W.LARD et al.)、「分析化学(ANALYTICAL CHEMISTRY)」、1960年6月、第32巻、第7号、p.878−879
上記特許文献1に記載された発明では、都市ガスが要求する所定基準値未満の不純物成分濃度を満足させるために、前記天然ガスを多量に使用して、約0.2容量%の酸素が残存したままの前記消化ガスをわざわざ希釈させなければならないという問題点を有していた。
また、上記特許文献1には、酸素濃度測定手段として、確かにガスクロマトグラフや磁気式酸素分析計を使用することが開示されている。
しかし、水を溶媒とする物理吸収法を利用して前記消化ガス中からHS等の硫黄系不純物や二酸化炭素を除去する場合、吸収水に空気由来の微量のアルゴンが溶存しており、硫黄系不純物や二酸化炭素を吸収する際に溶存しているアルゴンの一部が精製ガスに移行することを本発明者は見出した。このため、通常のガスクロマトグラフで前記精製ガス中の酸素濃度を測定すると、アルゴンの影響を受けて、検出された分析値の中に酸素濃度のみならず、アルゴン濃度が含まれてしまい、都市ガスが要求する所定基準値{例えば、0.01容量%(100ppm)以下}の酸素を正確に測定することは難しいという問題がある。
また、ガスクロマトグラフを用いて、上記特許文献2や非特許文献1に開示されたような複雑な分析手法を採用していては、バイオガスから効率的に所定基準の都市ガスを製造することは難しい。
なお、磁気式酸素分析計の場合、そもそも100ppmレベルの酸素濃度の分解能を有さない。
したがって、これらの酸素濃度測定手段によって測定された酸素濃度に基づいたのでは、バイオガスから効率的に所定基準の都市ガスを製造することは困難であり、また、上記都市ガスが要求する所定基準値未満の酸素濃度とするために、バイオガスに添加する水素量を効率的に制御することなど望むべくもない。
本発明の目的は、バイオガスから効率的に所定基準の都市ガスが製造可能であるとともに、都市ガスが要求する所定基準値未満の酸素濃度にするために、多量の都市ガス(天然ガス)を使用してバイオガスを希釈するようなことを要せず、かつ、バイオガスに添加する水素量を効率的に制御可能なバイオガスの脱酸素方法及び装置を提供することにある。
この目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の発明は、
バイオガス中から少なくとも硫黄系不純物を分離し、高濃度なメタンガスを精製するバイオガス精製工程と、
このバイオガス精製工程で得られた精製ガスに水素を添加する水素添加工程と、
この水素添加工程で水素が添加された精製ガスを触媒が充填された酸素除去触媒塔へ供給し、前記水素が添加された精製ガス中に残存する酸素を触媒反応により水に変換する工程と、
前記酸素除去触媒塔前後の精製ガス中の少なくともいずれか一方の酸素濃度を電極方式を用いた電気化学的方法により測定する工程と、
を備え、
前記水素添加工程には、前記バイオガス精製工程で得られた精製ガスに添加する水素量を前記電気化学的方法により測定された酸素濃度に基づいて調整する工程をさらに有したことを特徴とするバイオガスの脱酸素方法である。
また、本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記水素は、水を電気分解して得たものであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、
バイオガス中から少なくとも硫黄系不純物を分離し、高濃度なメタンガスを精製するためのバイオガス精製装置と、
このバイオガス精製装置で得られた精製ガスに水素を添加するための水素供給手段と、
この水素供給手段により水素が添加された精製ガスを受入れ、前記水素が添加された精製ガス中に残存する酸素を触媒反応により水に変換するための触媒が充填された酸素除去触媒塔と、
この酸素除去触媒塔前後の精製ガス中の少なくともいずれか一方の酸素濃度を測定するための電極方式を用いた電気化学式酸素濃度測定手段と、
前記バイオガス精製装置で得られた精製ガスに前記水素供給手段から添加する水素量を前記電気化学式酸素濃度測定手段により測定された酸素濃度に基づいて調整するための水素量調整手段と、
を備えたことを特徴とするバイオガスの脱酸素装置である。
また、本発明の請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
前記水素供給手段は、水電解装置であることを特徴とする。
以上のように、本発明に係るバイオガスの脱酸素方法によれば、
バイオガス中から少なくとも硫黄系不純物を分離し、高濃度なメタンガスを精製するバイオガス精製工程と、
このバイオガス精製工程で得られた精製ガスに水素を添加する水素添加工程と、
この水素添加工程で水素が添加された精製ガスを触媒が充填された酸素除去触媒塔へ供給し、前記水素が添加された精製ガス中に残存する酸素を触媒反応により水に変換する工程と、
前記酸素除去触媒塔前後の精製ガス中の少なくともいずれか一方の酸素濃度を電極方式を用いた電気化学的方法により測定する工程と、
を備え、
前記水素添加工程には、前記バイオガス精製工程で得られた精製ガスに添加する水素量を前記電気化学的方法により測定された酸素濃度に基づいて調整する工程をさらに有しているため、
都市ガスが要求する所定基準値未満の酸素濃度にするために、多量の都市ガス(天然ガス)を使用してバイオガスを希釈するようなことを要せず、かつ、バイオガスに添加する水素量を効率的に制御可能なバイオガスの脱酸素方法を実現できる。
また、本発明に係るバイオガスの脱酸素装置によれば、
バイオガス中から少なくとも硫黄系不純物を分離し、高濃度なメタンガスを精製するためのバイオガス精製装置と、
このバイオガス精製装置で得られた精製ガスに水素を添加するための水素供給手段と、
この水素供給手段により水素が添加された精製ガスを受入れ、前記水素が添加された精製ガス中に残存する酸素を触媒反応により水に変換するための触媒が充填された酸素除去触媒塔と、
この酸素除去触媒塔前後の精製ガス中の少なくともいずれか一方の酸素濃度を測定するための電極方式を用いた電気化学式酸素濃度測定手段と、
前記バイオガス精製装置で得られた精製ガスに前記水素供給手段から添加する水素量を前記電気化学式酸素濃度測定手段により測定された酸素濃度に基づいて調整するための水素量調整手段と、
を備えているため、
都市ガスが要求する所定基準値未満の酸素濃度にするために、多量の都市ガス(天然ガス)を使用してバイオガスを希釈するようなことを要せず、かつ、バイオガスに添加する水素量を効率的に制御可能なバイオガスの脱酸素装置を実現できる。
本発明の一実施の形態のバイオガスの脱酸素装置の全体構成を模式的に説明する説明図である。
以下、本発明の一実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明のバイオガスの脱酸素方法を実施するための一実施の形態に係るバイオガスの脱酸素装置の全体構成を模式的に説明する説明図である。
図1において、1は下水汚泥や生ごみといった有機性廃棄物や食品工場排水などの有機性排水等のバイオマスをメタン発酵させるための消化タンク、2は消化タンク1から発生した消化ガス中から硫黄系不純物と二酸化炭素を分離し、高濃度なメタンガスを精製するためのバイオガス精製装置、3はバイオガス精製装置2で精製された精製ガスが供給され約0.6〜1.0MPaGの範囲の圧力で貯蔵するための中圧ガスホルダー、4は中圧ガスホルダー3内の精製ガスの圧力を計測するための圧力計、5はCNG車等に精製ガスを供給するために精製ガスに付臭剤(THT)を用いて付臭するための付臭装置、6は減圧弁、7は付臭剤(THT)を用いて付臭された精製ガスが減圧弁6で所定圧力に減圧され供給される消化タンク1の加温用ボイラーである。
また、図1において、10は精製ガスを都市ガスが要求する所定基準値未満の二酸化炭素濃度(例えば、0.5容量%)まで低減させるための二酸化炭素除去器、11は二酸化炭素除去器10で所定値まで二酸化炭素濃度が低減された精製ガスの流量を計測するための流量計、12は流量計11で流量が計測された精製ガスの酸素濃度を測定するための電極方式を用いた電気化学式酸素濃度測定手段としての酸素計(品番:DF−153E、GEセンシング&インスペクション・テクノロジーズ株式会社製)、13は水素供給手段としての水電解式高純度水素酸素発生装置{株式会社神鋼環境ソリューション製の水電解式高純度水素酸素発生装置(商品名:HHOG)}、14は水電解式高純度水素酸素発生装置13から供給される水素(H)の流量を計測するための流量計、15は流量制御装置、16は流量調整弁である。ここで、水素量調整手段は、流量制御装置15と流量調整弁16から構成される。水素供給手段は、上記水電解式高純度水素酸素発生装置13に限定されるものではなく、通常の水電解装置を用いることも可能である。
尚、電極方式を用いた電気化学式酸素濃度測定手段としては、ガス透過性隔膜を通して電解槽中に拡散吸収された酸素が固体電極表面上で還元される際に生じる電解電流を検出する方式であればよく、例えば、定電位電解形、ポーラログラフ形、あるいはガルバニ電池形が用いられる。
また、図1において、20はパラジウム(Pd)が充填された酸素除去触媒塔、21は酸素除去触媒塔20で酸素が除去された精製ガスの触媒反応熱を取り去るためのガス冷却器、22はガス冷却器21で冷却された精製ガス中の水分を除去するための除湿器、23は除湿器22で水分が除去された精製ガスに付臭剤(TBM+DMS)を用いて都市ガスとしての付臭を行なうための付臭装置、24は付臭装置23で付臭された精製ガスの流量を計測するための流量計、25は流量計24で流量が計測された精製ガスの流量を調整するための流量調整弁、26は遮断弁、27は減圧弁、28は都市ガス導管である。また、前記ガス冷却器21に用いる水としては、下水や排水を処理した処理水を用いることが好ましい。尚、ガス冷却器21には、ガス冷却器21で生成された凝縮水を排出するためのドレントラップ(図示せず)が付設されていてもよい。
また、図1において、30は精製ガスに高カロリーガスであるLPGを供給して熱量を調整するための熱量調整装置、31は熱量調整装置30から出たLPGの流量を計測するための流量計、32は流量制御装置、33は流量調整弁である。
また、図1において、40は都市ガス導管へ供給する精製ガスの酸素濃度を測定するための電極方式を用いた電気化学式酸素濃度測定手段としての酸素計(品番:DF−153E、GEセンシング&インスペクション・テクノロジーズ株式会社製)、41は都市ガス導管へ供給する精製ガスのその他の成分濃度を測定するための分析計、50は遮断弁、52はガス燃焼装置、60は流量制御装置である。
次に、本発明に係るバイオガスの脱酸素装置の運転動作について、図1を参照しながら説明する。流量計11で計測された精製ガスの流量と酸素計12で測定された精製ガス中の酸素濃度と流量計14で計測された水素ガスの流量および酸素計40で測定された酸素濃度を流量制御装置15に入力し、これらのデータに基づいて、流量調整弁16を調節する。これにより、バイオガス(精製された消化ガス)を都市ガスが要求する所定基準値未満の酸素濃度(例えば、0.01容量%)にするために、多量の都市ガス(天然ガス)を使用してバイオガスを希釈するようなことを要せず、かつ、バイオガスに添加する水素量を効率的に制御可能となる。
本実施の形態においては、酸素除去触媒塔20前後に酸素計12と酸素計40を設置した例について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、酸素除去触媒塔20前後の少なくともいずれか一方に電極方式を用いた電気化学式酸素計が設置されていればよい。
また、本実施の形態においては、酸素濃度を測定するための電極方式を用いた電気化学式酸素濃度測定手段として、品番:DF−153E、GEセンシング&インスペクション・テクノロジーズ株式会社製の酸素計の例について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、様々な電極方式を用いた電気化学式酸素計を用いることが可能である。
以下、本発明の作用効果を検証するための試験を実施した。
図1において、バイオガス精製装置2として、例えば水を溶媒とする物理吸収法を用いて精製した既知の精製ガス{酸素濃度0.300(容量%)、アルゴン濃度0.02(容量%)含有}を本発明に係るバイオガスの脱酸素方法(酸素濃度測定:酸素計12を使用)により脱酸素した結果を下記表1に示す(試験No.1参照)。また、比較のために、型式:GC−20B−3S、株式会社島津製作所製のガスクロマトグラフで酸素濃度を測定し、脱酸素を行なった例を試験No.2とし、下記表1に示す。また、同様に比較のために、品番:ZRJ、富士電機システムズ株式会社製の磁気式酸素分析計で酸素濃度を測定し、脱酸素を行なった例を試験No.3とし、下記表1に示す。また、下記表1に示す水素濃度の測定には、通常のガスクロマトグラフである上記型式:GC−20B−3S、株式会社島津製作所製のガスクロマトグラフを用いた。なお、上述したように、特許文献2や非特許文献1に開示されたような複雑な分析手法を採用していては、バイオガスから効率的に所定基準の都市ガスを製造することはそもそも難しく、本願発明の目的には不適であるため、ここでの比較には挙げない。その他の試験条件は、以下の通りである。
酸素除去触媒塔20の大きさ: 直径27mm−長さ300mm
触媒層の容積 : 67mL(Lはリットルの意味)
Figure 0005181072
上記表1に示すように、試験No.1の場合は、水を溶媒とする物理吸収法を用いた際の空気由来のアルゴンを含有していても、酸素計12で精製ガス中の酸素をppmオーダーで精度良く測定可能である。したがって、この高精度に測定された酸素濃度(=0.300容量% )に基づいて流量調整弁16を調節し、前記測定された酸素濃度に対して理想のモル比(=2)となるように0.60容量%の水素を添加することにより、酸素除去触媒塔20で上記精製ガス中の残存酸素を除去できるばかりか、添加する水素量にも過不足を生じない。これは、都市ガス導管28の直近側である酸素計40の位置で測定した酸素濃度(=0.000容量%)が都市ガスの要求する所定基準値(例えば、0.01容量%)未満の酸素濃度を満足し、かつ、分析計41としての型式:GC−20B−3S、株式会社島津製作所製のガスクロマトグラフで測定した水素濃度(=0.00容量%)であることからも、十分に証明される。すなわち、本発明を採用することで、バイオガスから効率的に所定基準の都市ガスが製造可能であるとともに、都市ガスが要求する所定基準値未満の酸素濃度にするために、多量の都市ガス(天然ガス)を使用してバイオガスを希釈するようなことを要せず、かつ、バイオガスに添加する水素量を効率的に(無駄なく)制御可能なバイオガスの脱酸素方法及び装置を実現可能である。これに対して、試験No.2、No.3の場合は、試験No.1と同一の精製ガス(残存する酸素濃度もアルゴン濃度も同じ)が中圧ガスホルダー3から供給されているにも拘らず、酸素計12に相当する位置で上記ガスクロマトグラフ並びに上記磁気式酸素分析計にて測定された酸素濃度は、それぞれ0.32容量%、0.1容量%となる。したがって、いくら測定された各酸素濃度に対して理想のモル比(=2)となるように、それぞれ0.64容量%、0.20容量%の水素を添加しても、都市ガス導管28の直近側である酸素計40に相当する位置で上記ガスクロマトグラフ並びに上記磁気式酸素分析計にて測定した酸素濃度は、それぞれ0.02容量%、0.1容量%となり、都市ガスが要求する所定基準値未満の酸素濃度を満足できないばかりか、添加する水素量にも過不足を生じてしまい(上記表1参照)、極めて非効率である。
なお、本実施例においては、バイオガス精製装置2として、既知の水を溶媒とする物理吸収法を用いて精製した精製ガスを例について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、消化タンク1から発生した消化ガス中から硫黄系不純物を予め生物脱硫により除去した後(この脱硫時に使用する空気由来のアルゴンが消化ガス中に残存する)、さらに二酸化炭素等を分離して精製ガスを製造していく場合等、アルゴンを含む様々な精製ガスに対して、本発明に係るバイオガスの脱酸素方法および装置は有効である。
1 消化タンク
2 バイオガス精製装置
3 中圧ガスホルダー
4 圧力計
5 付臭装置
6 減圧弁
7 加温用ボイラー
10 二酸化炭素除去器
11 流量計
12 酸素計
13 水電解式高純度水素酸素発生装置
14 流量計
15 流量制御装置
16 流量調整弁
20 酸素除去触媒塔
21 ガス冷却器
22 除湿器
23 付臭装置
24 流量計
25 流量調整弁
26 遮断弁
27 減圧弁
28 都市ガス導管
30 熱量調整装置
31 流量計
32 流量制御装置
33 流量調整弁
40 酸素計
41 分析計
50 遮断弁
52 ガス燃焼装置
60 流量制御装置

Claims (4)

  1. 水を溶媒とする物理吸収法を利用して、バイオガス中から少なくとも硫黄系不純物及び二酸化炭素を分離し、高濃度なメタンガスを精製するバイオガス精製工程と、
    このバイオガス精製工程で得られ、アルゴンを含む精製ガスに水素を添加する水素添加工程と、
    この水素添加工程で水素が添加された精製ガスを触媒が充填された酸素除去触媒塔へ供給し、前記水素が添加された精製ガス中に残存する酸素を触媒反応により水に変換する工程と、
    前記酸素除去触媒塔に供給される前記精製ガスの流量を測定する流量測定工程と、
    前記酸素除去触媒塔に供給される精製ガス中の酸素濃度と、前記酸素除去触媒塔を通った後の前記精製ガス中の酸素濃度と電極方式を用いた電気化学的方法により測定する酸素濃度測定工程と、
    を備え、
    前記水素添加工程には、前記バイオガス精製工程で得られた精製ガスに添加する水素量を前記酸素濃度測定工程において測定された酸素濃度と、前記流量測定工程において測定された前記精製ガスの流量とに基づいて調整する工程をさらに有したことを特徴とするバイオガスの脱酸素方法。
  2. 前記水素は、水を電気分解して得たものであることを特徴とする請求項1に記載のバイオガスの脱酸素方法。
  3. 水を溶媒とする物理吸収法を利用して、バイオガス中から少なくとも硫黄系不純物及び二酸化炭素を分離し、高濃度なメタンガスを精製するためのバイオガス精製装置と、
    このバイオガス精製装置で得られ、アルゴンを含む精製ガスに水素を添加するための水素供給手段と、
    この水素供給手段により水素が添加された精製ガスが供給され、前記水素が添加された精製ガス中に残存する酸素を触媒反応により水に変換するための触媒が充填された酸素除去触媒塔と、
    前記酸素除去触媒塔に供給される前記精製ガスの流量を測定する流量測定手段と、
    前記酸素除去触媒塔に供給される精製ガス中の酸素濃度と、前記酸素除去触媒塔を通った後の前記精製ガス中の酸素濃度とを測定するための電極方式を用いた電気化学式酸素濃度測定手段と、
    前記バイオガス精製装置で得られた精製ガスに前記水素供給手段から添加する水素量を前記電気化学式酸素濃度測定手段により測定された酸素濃度と、前記流量測定手段において測定された前記精製ガスの流量とに基づいて調整するための水素量調整手段と、
    を備えたことを特徴とするバイオガスの脱酸素装置。
  4. 前記水素供給手段は、水電解装置であることを特徴とする請求項3に記載のバイオガスの脱酸素装置。
JP2012126122A 2012-06-01 2012-06-01 バイオガスの脱酸素方法及び装置 Active JP5181072B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012126122A JP5181072B1 (ja) 2012-06-01 2012-06-01 バイオガスの脱酸素方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012126122A JP5181072B1 (ja) 2012-06-01 2012-06-01 バイオガスの脱酸素方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5181072B1 true JP5181072B1 (ja) 2013-04-10
JP2013249406A JP2013249406A (ja) 2013-12-12

Family

ID=48189467

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012126122A Active JP5181072B1 (ja) 2012-06-01 2012-06-01 バイオガスの脱酸素方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5181072B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103589471A (zh) * 2013-11-17 2014-02-19 北京科技大学 一种用于沼气低温燃烧脱氧的节能装置及其工艺

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6077169B1 (ja) * 2016-08-30 2017-02-08 株式会社神鋼環境ソリューション 水素ガスの製造方法、およびバイオガス水素化設備

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5989253U (ja) * 1982-12-08 1984-06-16 日本電信電話株式会社 電気化学式酸素センサ
JPH01227956A (ja) * 1988-03-09 1989-09-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 酸素センサー
JPH05149842A (ja) * 1991-11-29 1993-06-15 Japan Pionics Co Ltd 水素化物ガス含有ガス中の酸素分析方法および装置
JPH0694705A (ja) * 1992-01-10 1994-04-08 Tokyo Gas Co Ltd 都市ガスの燃焼速度測定方法
JP2010235825A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Kobelco Eco-Solutions Co Ltd 消化ガスの脱酸素方法及び装置
JP2011153245A (ja) * 2010-01-28 2011-08-11 Sumitomo Seika Chem Co Ltd メタンを主成分とするガスの処理方法および処理装置
JP4934230B1 (ja) * 2011-11-17 2012-05-16 株式会社神鋼環境ソリューション 都市ガス製造方法及び装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5989253U (ja) * 1982-12-08 1984-06-16 日本電信電話株式会社 電気化学式酸素センサ
JPH01227956A (ja) * 1988-03-09 1989-09-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 酸素センサー
JPH05149842A (ja) * 1991-11-29 1993-06-15 Japan Pionics Co Ltd 水素化物ガス含有ガス中の酸素分析方法および装置
JPH0694705A (ja) * 1992-01-10 1994-04-08 Tokyo Gas Co Ltd 都市ガスの燃焼速度測定方法
JP2010235825A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Kobelco Eco-Solutions Co Ltd 消化ガスの脱酸素方法及び装置
JP2011153245A (ja) * 2010-01-28 2011-08-11 Sumitomo Seika Chem Co Ltd メタンを主成分とするガスの処理方法および処理装置
JP4934230B1 (ja) * 2011-11-17 2012-05-16 株式会社神鋼環境ソリューション 都市ガス製造方法及び装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103589471A (zh) * 2013-11-17 2014-02-19 北京科技大学 一种用于沼气低温燃烧脱氧的节能装置及其工艺
CN103589471B (zh) * 2013-11-17 2015-01-07 北京科技大学 一种用于沼气低温燃烧脱氧的节能装置及其工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013249406A (ja) 2013-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Rasi et al. Trace compounds affecting biogas energy utilisation–A review
Batlle-Vilanova et al. Biogas upgrading, CO2 valorisation and economic revaluation of bioelectrochemical systems through anodic chlorine production in the framework of wastewater treatment plants
Calbry-Muzyka et al. Direct methanation of biogas—technical challenges and recent progress
JP2006036849A (ja) バイオガスの処理利用システム及びバイオガスの処理利用方法
Kuhn et al. Requirements, techniques, and costs for contaminant removal from landfill gas
Nyamukamba et al. Biogas upgrading approaches with special focus on siloxane removal—A review
Spiegel et al. Test results for fuel cell operation on anaerobic digester gas
Atelge et al. A critical overview of the state-of-the-art methods for biogas purification and utilization processes
Maia et al. Removal of H2S and CO2 from biogas in bench scale and the pilot scale using a regenerable Fe-EDTA solution
JP2011153245A (ja) メタンを主成分とするガスの処理方法および処理装置
Kulkarni et al. Hydrogen sulfide removal from biogas using chemical absorption technique in packed column reactors
EP3059645B1 (en) Method and computer program product for controlling anaerobic codigesters
JP4909371B2 (ja) 消化ガスの脱酸素方法及び装置
JP5181072B1 (ja) バイオガスの脱酸素方法及び装置
JP4934230B1 (ja) 都市ガス製造方法及び装置
JP4959742B2 (ja) 消化ガスの脱酸素方法及び装置
Nindhia et al. Processing carbon rod from waste of zing-carbon battery for biogas desulfurizer
Mora et al. Characterisation and perspectives of energetic use of dissolved gas recovered from anaerobic effluent with membrane contactor
Soehartanto et al. A Novel Simple Dipping-Nebulizing Water Absorption for Biogas Purification
US20180250626A1 (en) Gas treatment method and apparatus
JP5119370B1 (ja) 都市ガス導管へのバイオガス注入設備
JP4934231B1 (ja) 精製ガスの脱酸素装置における触媒の寿命を予測する寿命予測方法及びシステム
Bijos et al. Methane liquid-gas phase distribution during anaerobic sludge digestion: A thermodynamic approach
Schideman et al. Advancing pilot-scale integrated systems for algal carbon capture and biofuel production
Fenske Biological H2/CO2 Methanation in Trickle Bed Reactors-Toward Industrial Application

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130111

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5181072

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250