JP6077169B1 - 水素ガスの製造方法、およびバイオガス水素化設備 - Google Patents

水素ガスの製造方法、およびバイオガス水素化設備 Download PDF

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【課題】従来よりもコストを低減し得る、バイオガスから水素ガスを製造する方法および設備を提供すること。【解決手段】水素ガス製造方法は、バイオガスを昇圧して吸収塔13の中へ送り込み、当該吸収塔13内でバイオガスと水とを加圧状態で接触させることにより、バイオガスに含まれる二酸化炭素を水に溶解させて除去することでメタンガスを高濃度化した精製ガスを得るバイオガス精製工程と、バイオガス精製工程により得られた精製ガスを改質器31の中へ送り込み、当該改質器31内で精製ガスを水蒸気改質して水素ガスを得るガス改質工程と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、バイオガスから水素ガスを製造する方法および設備に関する。
この種の技術として、例えば特許文献1,2に記載のものがある。特許文献1に記載の技術は、下水汚泥からメタン発酵処理により得られた消化ガス中のメタン系炭化水素の成分濃度を検出し、検出した成分濃度に応じて、脱硫器、改質器、変成器、燃料電池本体へと順に供給する消化ガスの流量を調整する、というものである。燃料電池発電設備(脱硫器、改質器、変成器、燃料電池本体)に消化ガスを供給する前段階において、メタン系炭化水素を濃縮すると、そのための動力源や機器の設置スペースが必要となり、且つ保守員が定期的に消化ガスの組成を分析する必要が生じるので、ランニングコストの高騰などから、前段階においてメタン系炭化水素を濃縮するのは現実的でないと、特許文献1に記載がある。
しかしながら、前段階においてメタン系炭化水素を濃縮しない場合は、後段の燃料電池発電設備を構成する各機器を大きなものとする必要がある。また、消化ガス中のメタン濃度は、最低濃度と最大濃度との差が10%にも達することがあり、燃料電池発電設備を構成する各機器は、メタン濃度が最低濃度のときの消化ガスを想定してその仕様が決定されなくてはならない。これらにより、前段階においてメタン系炭化水素を濃縮しないからといって、ランニングコストの高騰などが生じないわけではない。
これに対して、特許文献2に記載の技術では、前処理として、消化ガス中の二酸化炭素および硫化水素をアルカリ吸収液によって吸収分離する。すなわち、特許文献2に記載の技術では、前段階において消化ガス中のメタン(メタン系炭化水素)を濃縮する。その後、改質工程、変成工程、選択酸化工程を経ることで、メタンガスから水素ガスを得る。
特開平11−126629号公報 特表2004−525478号公報
ここで、技術革新が進んでいるもののメタンガスの改質(水蒸気改質)にはまだまだ大量のエネルギーが必要である。例えば、改質器内の温度は750〜900℃であり、改質器は高圧下で運転される。また、触媒上への炭素質の析出を防ぐために大量の水蒸気が使用される。このように、メタンガスの水蒸気改質に要するランニングコストは大きい。
特許文献2に記載の技術では、メタン濃度が高まったガスを圧縮機にて圧縮してその圧力を高めてから改質器に送ることとなる。また、消化ガスの前処理で使用するアルカリ吸収液にもコストがかかる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、従来よりもコストを低減し得る、バイオガスから水素ガスを製造する方法および設備を提供することである。
本発明は、有機性廃棄物を嫌気性発酵処理して得られたバイオガスから水素ガスを製造する方法に関するものである。この方法は、バイオガスを昇圧して吸収塔の中へ送り込み、当該吸収塔内で前記バイオガスと水とを加圧状態で接触させることにより、前記バイオガスに含まれる二酸化炭素を水に溶解させて除去することでメタンガスを高濃度化した精製ガスを得るバイオガス精製工程と、前記バイオガス精製工程により得られた前記精製ガスを改質器の中へ送り込み、当該改質器内で前記精製ガスを水蒸気改質して水素ガスを得るガス改質工程と、を備える。
この構成によると、前段階であるバイオガス精製工程で使用するのが水であるため、アルカリ吸収液といった液体を使用するのに比べてバイオガスの精製を安価で行うことができる。また、バイオガスと水とを加圧状態で接触させることでメタンガスを高濃度化した精製ガスを得るため、吸収塔を出た精製ガスの圧力は高い。これにより、精製ガスの圧力をあらためて高めることなく改質器にて精製ガスを水蒸気改質することができる。これらにより、バイオガスから水素ガスを製造するにあたり、従来よりもコストを低減し得る。
本発明においては、前記バイオガス精製工程において、得られる前記精製ガス中のメタン濃度が90vol%以上となるように、前記バイオガスと水とを加圧状態で接触させることが好ましい。
この構成によると、改質器の中へ送り込む精製ガス中のメタン濃度が高いので、同じ量の水素ガスを製造するにあたって、改質器の中へ送り込む精製ガスの量が少なくて済む。その分、水蒸気改質に必要な熱エネルギーが少なくて済む。
また本発明において、前記バイオガス精製工程において、前記バイオガスと水とを0.6MPa以上の加圧状態で接触させることが好ましい。なお、この圧力の数値(0.6MPa)はゲージ圧である。ゲージ圧とは、大気圧を零とした圧力計に表示される圧力、すなわち大気圧との差によって表される圧力のことである。
この構成によると、吸収塔を出た精製ガスの圧力が高く、且つ精製ガス中のメタン濃度を高くすることができるので、よりコストを低減することができる。
また本発明において、前記バイオガス精製工程により得られた前記精製ガスをガスホルダを経由して前記改質器の中へ送り込むことが好ましい。
この構成によると、ガスホルダに精製ガスを一旦貯留しておくことができるので、バイオガスの発生量の変動に柔軟に対応することができる。
本発明は、バイオガスから水素ガスを製造するバイオガス水素化設備に関する発明でもある。このバイオガス水素化設備は、有機性廃棄物を嫌気性発酵処理して得られたバイオガスを昇圧して吸収塔の中へ送り込み、当該吸収塔内で前記バイオガスと水とを加圧状態で接触させることにより、前記バイオガスに含まれる二酸化炭素を水に溶解させて除去することでメタンガスを高濃度化した精製ガスを得るバイオガス精製装置と、前記バイオガス精製装置により得られた前記精製ガスを改質器の中へ送り込み、当該改質器内で前記精製ガスを水蒸気改質して水素ガスを得る水素製造装置と、を備える。
本発明において、前記バイオガス精製装置において、得られる前記精製ガス中のメタン濃度が90vol%以上となるように、前記バイオガスと水とを加圧状態で接触させることが好ましい。
また本発明において、前記バイオガス精製装置において、前記バイオガスと水とを0.6MPa以上の加圧状態で接触させることが好ましい。
また本発明において、前記バイオガス精製装置により得られた前記精製ガスを前記改質器の中へ送り込むガスホルダが、前記バイオガス精製装置と前記水素製造装置との間に配置されていることが好ましい。
本発明によると、バイオガスから水素ガスを製造するにあたり、従来よりもコストを低減し得る。
バイオガス水素化設備のブロック図である。 図1に示すバイオガス精製装置のブロック図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。
(バイオガス水素化設備の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係るバイオガス水素化設備100のブロック図である。バイオガス水素化設備100は、バイオガス処理工程の上流側から順に、バイオガス精製装置1、中圧ガスホルダ2、および水素製造装置3を備えている。バイオガス水素化設備100は、例えば下水処理場に設置される。有機性廃棄物としての下水汚泥は、図示を省略する消化タンク内で嫌気性発酵処理されて、当該下水汚泥から消化ガスが得られる。消化ガスは、メタン(CH4)および二酸化炭素(CO2)を主成分とし(メタン:約60vol%、二酸化炭素:約40vol%)、微量の不純物として硫黄系不純物(H2Sなど)などを含むバイオガスである。シロキサン化合物、および重質炭化水素が消化ガスに含まれていることもある。なお、バイオガス水素化設備100は、下水処理場に設置されることに限定されるものではない。シロキサン化合物は、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンである。重質炭化水素は、例えば、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン等の脂肪族炭化水素である。重質炭化水素に、芳香族炭化水素やテルペン類が含まれていることもある。
図1に示したように、消化ガスは、バイオガス精製装置1に供給され、当該バイオガス精製装置1にて、当該消化ガスに含まれる二酸化炭素および硫黄系不純物などが除去される。これにより、メタンガスが高濃度化された精製ガス(例えばメタン濃度≧97vol%)が得られる。精製ガスは、中圧ガスホルダ2を経由して水素製造装置3に供給され、当該水素製造装置3にて水蒸気改質等の処理がされて、当該精製ガスから水素ガス(例えば水素濃度≧99.97vol%)が得られる。水素ガスは、図示を省略する設備で貯留され、自動車の燃料ガスとして使用されたり、発電に使用されたりする。
<バイオガス精製装置>
図2に示すように、バイオガス精製装置1は、ミストセパレータ11、ガス圧縮機12、吸収塔13、除湿器14、給水槽15、水補給ポンプ16、水循環ポンプ17、熱交換器18、チラー19、減圧タンク20、放散塔21、および排気ブロア22などを備えている。図2を参照しつつ、バイオガス精製工程について説明する。
まず、ミストセパレータ11に消化ガスが通されて、消化ガス中のミスト(水分)およびダストが除去される。その後、消化ガスは、ガス圧縮機12にて昇圧されて吸収塔13の下部に送り込まれる。一方、吸収塔13には、その上部から水(砂ろ過水)が水循環ポンプ17によって昇圧された状態で供給される。
ガス圧縮機12によって消化ガスを昇圧して吸収塔13の下部に送り込むとともに、水循環ポンプ17によって昇圧した水を吸収塔13の上部から吸収塔13内へ供給することで、吸収塔13内を例えば0.6MPa〜2.0MPaの範囲の中の所定の圧力に保持する。これにより、吸収塔13内にて消化ガスと水とを加圧状態で接触させる。なお、吸収塔13内には、消化ガスと水とを十分に接触させるためにラシヒリングなどが充填されている。上記した圧力の数値(0.6MPa〜2.0MPa)はゲージ圧である(以降に記載されている圧力の数値についても同様)。
消化ガスと水とを0.6MPa〜2.0MPaの範囲を満たす加圧状態で接触させることにより、消化ガス中に気体状態で含まれている二酸化炭素および硫黄系不純物は水に溶解する。一方、メタンガスは、水にはほとんど溶解しないので、吸収塔13の頂部から取り出される。消化ガス中に含まれているシロキサン化合物および重質炭化水素は、加圧状態のため気体状態から凝縮して液滴状態となり、吸収塔13内部を流下する加圧状態の水と衝突し、吸収塔13の底部に水とともに溜まる。
消化ガスと水とを0.6MPa以上の圧力状態で接触させることにより、二酸化炭素、硫黄系不純物、シロキサン化合物、および重質炭化水素は消化ガスから十分に分離除去されて、メタンガスが高濃度化した精製ガスを得ることができる。圧力が2.0MPaを超えると、二酸化炭素、硫黄系不純物、シロキサン化合物、および重質炭化水素の除去率がそれほど向上しなくなる。そのため、消化ガスと水とを0.6MPa〜2.0MPa(0.6MPa以上2.0MPa以下)の範囲を満たす圧力状態で接触させることが好ましい。得られる精製ガス中のメタン濃度の上限値は、約99.5vol%である。二酸化炭素、硫黄系不純物、シロキサン化合物、および重質炭化水素の除去率、運転コスト・装置コストの点から、消化ガスと水とを0.7MPa〜1.0MPa(0.7MPa以上1.0MPa以下)の範囲を満たす圧力状態で接触させることがより好ましい。
吸収塔13に供給する水にはアルゴンが溶存しており(下水処理水を用いる場合は,反応タンクで空気を吹き込む際に大気中のアルゴンが溶解するため。また、下水処理水でなくても、放散塔21で大気と接触させて水を再生する際に、大気中のアルゴンが水に溶解する。)、吸収塔13で溶存アルゴンの一部がガス側に移行する。吸収塔13を加圧状態にして液ガス比を低減することで、メタン濃縮とアルゴン低減の両立が可能となる。液ガス比は0.05〜0.5(0.05以上0.5以下)、好ましくは0.1〜0.3(0.1以上0.3以下)とされる。液ガス比は、吸収塔13下部から供給するバイオガス量(Nm3/h)に対する吸収塔13上部から供給する水量(m3/h)の比のことである。
燃料電池自動車用燃料規格(ISO 14687−2(2012))において、アルゴンの許容値は窒素との合計で100ppmと規定されている。加圧状態の吸収塔13内で消化ガスと水とを気液接触させることにより、アルゴン濃度が400ppm以下の精製ガスを得ることができ、後述する水素製造装置3を経て、アルゴン濃度が前記燃料電池自動車用燃料規格(窒素との合計で100ppm以下)を満足する水素ガスを製造することができる。
ここで、得られる精製ガス中のメタン濃度が90vol%以上となるように、消化ガスと水とを加圧状態で接触させることが好ましい。例えば、上記したように、消化ガスと水とを0.6MPa〜2.0MPaの範囲を満たす圧力状態で接触させる。後述する水素製造装置3の改質器31の中へ送り込む精製ガス中のメタン濃度を、例えば90vol%以上というように高くすることで、同じ量の水素ガスを製造するにあたって、改質器31の中へ送り込む精製ガスの量を少なくすることができる。
二酸化炭素、および硫黄系不純物が溶解しているとともに、シロキサン化合物、および重質炭化水素を含む水は、吸収塔13の底部から抜き出されて、減圧タンク20に入れられる。減圧タンク20内の圧力は、吸収塔13内の圧力よりも低い。メタンガスの回収率を高めるために、当該水にわずかに溶解しているメタンは、減圧タンク20内にてガスとして分離されて減圧タンク20の頂部から取り出され、ガス圧縮機12に戻されて消化ガスと合流するようにされている。例えば、吸収塔13内の圧力が0.9MPaとされるとき、減圧タンク20内の圧力は0.3MPaとされる。
二酸化炭素、および硫黄系不純物が溶解しているとともに、シロキサン化合物、および重質炭化水素を含む水は、減圧タンク20の底部から抜き出されて、放散塔21の上部に入れられる。放散塔21にはその下部から、排気ブロア22によって大気が導入される。上記水と大気とは、放散塔21内にて向流接触し、これにより、二酸化炭素、硫黄系不純物、シロキサン化合物、および重質炭化水素は、大気側に移行する。二酸化炭素、硫黄系不純物、シロキサン化合物、および重質炭化水素を含む大気は、放散塔21の頂部から排出され、図示を省略する脱臭設備へ送られる。二酸化炭素、硫黄系不純物、シロキサン化合物、および重質炭化水素が除去されることで再生した水は、放散塔21の底部から抜き出され、水循環ポンプ17により昇圧されて熱交換器18を経て吸収塔13の上部に供給される。再生した水は、熱交換器18にてチラー19からの冷媒により所定の温度まで冷却される。なお、放散塔21内には、大気と水とを十分に接触させるためにラシヒリングなどが充填されている。
また、吸収塔13に循環供給される水は、定期的にその一部が装置外部へ排出される。排出により減少した水を補うために、水補給ポンプ16により給水槽15から水が補給される。本実施形態では、下水処理場で容易に得られる下水処理水(砂ろ過水)を消化ガスの精製に用いているが、水道水(上水)、井戸水などを消化ガス精製用の水として用いてもよい。
吸収塔13の頂部から取り出された高濃度のメタンガス、すなわち消化ガスの精製ガスは、除湿器14を経て中圧ガスホルダ2に送られ、中圧ガスホルダ2にて一旦貯留される。吸収塔13から取り出された精製ガスの圧力は、例えば0.9MPaである(吸収塔13内の圧力が0.9MPaの場合)。
<ガスホルダ>
中圧ガスホルダ2は、バイオガス精製装置1からの所定の圧力(例えば0.9MPa)の精製ガスを貯留するためのガスタンクである。中圧ガスホルダ2の形状は、例えば球形である。
<水素製造装置>
前記したバイオガス精製装置1(バイオガス精製工程)にて得られた精製ガスは、中圧ガスホルダ2を経由して水素製造装置3に供給される。このとき、精製ガスは、例えば0.6MPa〜2.0MPaという加圧状態を保ったまま水素製造装置3に供給される。なお、例えば0.7MPa〜0.8MPaの加圧状態というように、減圧弁などにより少し圧力が下げられて(圧力調整されて)、水素製造装置3に精製ガスが供給されてもよい。但し、水素製造装置3にて圧力を再度高めることの必要のない圧力で、水素製造装置3に精製ガスは供給される。
図1に示すように、水素製造装置3は、改質器31、CO変成器32、およびPSA装置33などを備えている。ガス改質工程(精製ガスからの水素ガス製造工程)について説明する。なお、水素製造装置は、例えば特開2014−152087号公報に記載されているような公知の水素製造装置を用いることができる。
中圧ガスホルダ2からの精製ガスが改質器31に送り込まれる。また、改質器31には水蒸気が供給される。改質器31内の改質ゾーンで次式に示す精製ガスの水蒸気改質反応がおこる。
CH4+H2O→3H2+CO
改質器31には、大気および後述するPSA装置33からのオフガス(水素ガスを含むガス)が導入される。上記の水蒸気改質反応は吸熱を伴う反応であるので、改質器31内の燃焼ゾーンにおいて次式に示す発熱反応も生じさせる。
2H2+O2→2H2
また、水素を製造しない待機運転時も改質器31内の温度を保持するために次式に示す発熱反応を生じさせる。
CH4+2O2→CO2+2H2
改質器31内の温度は例えば750〜900℃であり、改質器31は、例えば0.7MPa〜0.8MPaの圧力状態で運転される。
水蒸気改質反応により生成した水素ガスおよび一酸化炭素ガスは、改質器31から取り出されて、CO変成器32に送り込まれる。CO変成器32では、当該変成器内のCO変成触媒により次式に示す反応がおこる。
CO+H2O→H2+CO2
CO変成器32から取り出された水素ガスおよび二酸化炭素ガスは、PSA装置33に送り込まれる。PSA(Pressure Swing Adsorption)とは圧力スイング吸着のことである。PSA装置33内にて、二酸化炭素ガス等が吸着除去されて、例えば水素濃度≧99.97vol%の水素ガスが得られる。
ここで、精製ガスの流路のうちの改質器31の手前などにメタン濃度計および圧力計を取り付け、これらの計器から検出されたメタン濃度、および精製ガス圧力を制御することで、得られる水素ガスの濃度(純度)を調整してもよい。なお、水素ガスの濃度は、PSA装置33の下流側に取り付けた水素濃度計で検出される。
また、前記した燃焼ゾーンからの排気が有する排熱を利用して、改質器31に送り込む前に精製ガスを事前に加温し、加温した精製ガスを改質器31に送り込んでもよい。これにより、PSA装置33から改質器31へ導入するオフガス(水素ガスを含むガス)の量を低減することができる。
(作用・効果)
本発明に係る水素ガス製造方法によると、前段階であるバイオガス精製工程で使用するのが水であるため、アルカリ吸収液といった液体を使用するのに比べてバイオガスの精製を安価で行うことができる。また、バイオガスと水とを加圧状態で接触させることでメタンガスを高濃度化した精製ガスを得るため、吸収塔13を出た精製ガスの圧力は高い。これにより、精製ガスの圧力をあらためて高めることなく改質器31にて精製ガスを水蒸気改質することができる。これらにより、バイオガスから水素ガスを製造するにあたり、従来よりもコストを低減し得る。
本発明においては、バイオガス精製工程において、得られる精製ガス中のメタン濃度が90vol%以上となるように、バイオガスと水とを加圧状態で接触させることが好ましい。改質器31の中へ送り込む精製ガス中のメタン濃度が高いので、同じ量の水素ガスを製造するにあたって、改質器31の中へ送り込む精製ガスの量が少なくて済む。その分、水蒸気改質に必要な熱エネルギーが少なくて済む。
また本発明において、バイオガス精製工程において、バイオガスと水とを0.6MPa以上の加圧状態で接触させることが好ましい。吸収塔13を出た精製ガスの圧力が高く、且つ精製ガス中のメタン濃度を高くすることができるので、よりコストを低減することができる。
また本発明において、バイオガス精製工程により得られた精製ガスをガスホルダ(例えば中圧ガスホルダ2)を経由して改質器31の中へ送り込むことが好ましい。ガスホルダに精製ガスを一旦貯留しておくことができるので、バイオガスの発生量の変動に柔軟に対応することができる。
(変形例)
前記した実施形態では、水素ガスの原料であるバイオガスとして、下水処理場で発生する消化ガスを例示したが、バイオガスは消化ガスに限定されることはない。生ごみなどの食品廃棄物、家畜の糞尿、などの有機性廃棄物を嫌気性発酵処理して得られるバイオガスを用いてもよい。
中圧ガスホルダ2を経由させずに、バイオガス精製装置1から水素製造装置3へ精製ガスを供給してもよい。
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。
1:バイオガス精製装置
2:中圧ガスホルダ
3:水素製造装置
13:吸収塔
31:改質器
32:CO変成器
33:PSA装置
100: バイオガス水素化設備

Claims (2)

  1. 有機性廃棄物を嫌気性発酵処理して得られたバイオガスを昇圧して吸収塔の中へ送り込み、当該吸収塔内で前記バイオガスと、アルゴンが溶存する水とを加圧状態で接触させることにより、前記バイオガスに含まれる二酸化炭素を水に溶解させて除去することでメタンガスを高濃度化した精製ガスを得るバイオガス精製工程と、
    前記バイオガス精製工程により得られた前記精製ガスを改質器の中へ送り込み、当該改質器内で前記精製ガスを水蒸気改質して水素ガスを得るガス改質工程と、
    を備え、
    前記吸収塔内で、液ガス比が0.1以上、0.3以下で前記バイオガスと前記水とを加圧状態で接触させることを特徴とする、水素ガスの製造方法。
  2. 有機性廃棄物を嫌気性発酵処理して得られたバイオガスを昇圧して吸収塔の中へ送り込み、当該吸収塔内で前記バイオガスと、アルゴンが溶存する水とを加圧状態で接触させることにより、前記バイオガスに含まれる二酸化炭素を水に溶解させて除去することでメタンガスを高濃度化した精製ガスを得るバイオガス精製装置と、
    前記バイオガス精製装置により得られた前記精製ガスを改質器の中へ送り込み、当該改質器内で前記精製ガスを水蒸気改質して水素ガスを得る水素製造装置と、
    を備え、
    前記吸収塔内で、液ガス比が0.1以上、0.3以下で前記バイオガスと前記水とが加圧状態で接触させられることを特徴とする、バイオガス水素化設備。
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