JP4906991B2 - スケール付着防止方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロピレンの接触気相酸化反応によるアクリル酸の製造において、アクリル酸含有ガスを液捕集した後の残ガスに起因するスケールの付着を効果的に防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロピレンなどを接触気相酸化して得られる(メタ)アクリル酸含有ガスを捕集塔に導いて液捕集することは(メタ)アクリル酸製造プロセスにおいて一般に行われている。そして、液捕集後、捕集塔頂部から得られる残ガスは、気相酸化反応器にリサイクルして希釈ガスとして再利用したり、あるいは排ガスとして処理することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、残ガスをリサイクルしたりする際、残ガスが通過する配管、機器などにはスケールが付着し、その程度がひどい時には、運転を中止し、人為的あるいは化学的に除去することを余儀なくされている。
【0004】
本発明は、上記のような問題を解決し、捕集塔からの残ガスに起因するスケールの付着を効果的に防止する方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、捕集塔からの残ガス中のミストを分離除去することにより、配管、機器などにおけるスケールの付着を効果的に防止できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、プロピレンを接触気相酸化してアクリル酸を製造する方法において、この接触気相酸化により得られるアクリル酸含有ガスを捕集塔に導入して液捕集した後の残ガスから40μm以上のミストを分離除去することを特徴とするスケール付着防止方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる捕集塔としては、プロピレンを接触気相酸化して得られるアクリル酸含有ガスから、アクリル酸を液捕集するのに一般に用いられている捕集塔を使用することができる。
【0008】
本発明の特徴は、上記捕集塔での液捕集後、捕集塔から排出される残ガス中のミストを分離除去する点にある。なお、ミストとは、気体中に浮遊する液体および固体物質を総称する。
【0009】
残ガス中のミストの分離除去は、ミストの分離除去に一般に用いられているミスト分離器を用いて行うことができる。なかでも、重力分離式ミスト分離器、遠心分離式ミスト分離器および衝突分離式ミスト分離器が好適に用いられる。
【0010】
分離除去すべきミストの大きさについては、できるだけ小さいミストまで分離除去するのが好ましいが、粒径が1000μm程度、好ましくは800μm程度までのミストを分離除去することでスケール付着防止効果があり、特に粒径が100μm程度、あるいは40μm程度、あるいはさらに10μm程度までのミストを分離除去すればスケールの付着を更に効果的に防止することができる。本発明においては、40μm以上のミストを分離する。なお、粒径が10μm以下のミストまで分離除去しようとするとミスト分離器自体へのスケール付着の危険がある。
【0011】
したがって、本発明においては、捕集限界ミスト粒径(理論計算上100%捕集可能なミスト最小粒径)が40μmの重力分離式、遠心力分離式または衝突分離式ミスト分離器を用いてミストの分離除去を行うのが好ましい。なお、衝突分離式ミスト分離器の場合には、分離器自体の付着物詰まりを考慮して、できるだけ構造の簡単なものを選ぶのがよい。上記ミスト分離器の設置場所は特に制限はなく、捕集塔直後の配管、残ガスを希釈ガスとして気相酸化反応器にリサイクルする配管(例えば、この配管に設けれられたブロワー、熱交換器などの前)、あるいは残ガスを排ガスとして処理するための、例えば燃焼装置への配管などに設置することができる。また、1箇所に設置しても、あるいは複数箇所に設置してもよい。
【0012】
【発明の効果】
本発明により捕集塔からの残ガス中の40μm以上のミストを分離除去することにより、捕集塔以降の配管、機器などにおけるスケールの付着を効果的に防止することができる。これにより、アクリル酸製造装置を長期にわたり安定して稼動させることができる。
【0013】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
実施例1
捕集塔から排ガス燃焼装置にいたる配管中に捕集限界ミスト粒径が40μmである衝突分離式ミスト分離器を設け、次のようにしてスケール付着テストを行った。
【0014】
すなわち、プロピレンを酸化触媒の存在下に気相酸化して得られたアクリル酸含有ガスを捕集塔に下記の条件下に導入して液捕集を行った。そして、捕集塔頂部からの残ガス全量をミスト分離器に通して燃焼装置に移送した。
<運転条件>
反応ガス
導入量:400Nm3/h
組成:アクリル酸5.8容量%、水15.5容量%、窒素73.6容量%、酸素2容量%、その他(酢酸など)
塔頂圧力:10kPa(G)
塔頂温度:62.5℃
捕集液
液:水(重合防止剤としてハイドロキノン100ppm含有)
供給量:50L(リットル)/h
6ヶ月間ほぼ圧力損失の上昇はなかった。また、6ヶ月後にミスト分離器の下流の配管、機器を開放点検したところスケールの付着は殆ど認められなかった。
実施例2
実施例1において、ミスト分離器として捕集限界ミスト粒径が800μmである重力分離式ミスト分離器を用いた以外は、実施例1と同様にしてスケール付着テストを行った。
【0015】
数十Pa程度の圧力損失の上昇があったが、6ヶ月間運転をすることができた。しかし、6ヶ月後にミスト分離器の下流の配管、機器を開放点検したところ一部にスケールの付着が認められた。
比較例1
実施例1において、ミスト分離器を設けなかった以外は、実施例1と同様にスケール付着テストを行った。
運転開始後から圧力損失の上昇がみられ、約1ヶ月で運転の停止を余儀なくされた。配管、機器を開放点検したところスケールが多量に付着していた。
Claims (2)
- プロピレンを接触気相酸化してアクリル酸を製造する方法において、この接触気相酸化により得られるアクリル酸含有ガスを捕集塔に導入して液捕集した後の残ガスから40μm以上のミストを分離除去することを特徴とするスケール付着防止方法。
- 捕集限界ミスト粒径が40μmの重力分離式、遠心力分離式または衝突分離式ミスト分離器を用いてミストを分離除去する請求項1記載の方法。
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