JP4906387B2 - 金属フィルム成形装置及びptpシートの製造装置 - Google Patents

金属フィルム成形装置及びptpシートの製造装置 Download PDF

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本発明は、帯状の金属フィルムに、被収容物を収容するためのポケット部を形成する技術に関する。
一般に、PTPシートは、複数のポケット部を有する包装用フィルムと、前記ポケット部に対して錠剤等の被収容物が収容された後、前記ポケット部を塞ぐようにして包装用フィルムに取着されるカバーフィルムとを有している。
ところで、ポケット部の遮光等を目的として、上記包装用フィルムに、アルミニウム合金等の金属フィルムを採用したものもある。このような金属フィルムに対しては、冷間加工によってポケット部を形成している。すなわち、金属フィルムのフランジ部分をクランプし、プラグを突出させることで金属フィルムを伸張させて前記ポケット部を形成している。この場合には、クランプしたフランジ部分に滑りが生じないように成形型の表面粗さをある程度高くしている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−178046号公報
しかしながら、従来技術では、上記金属フィルムの所定領域を均一な力でクランプすることが困難であり、金属フィルムのフランジ部分のクランプが十分であるとは言えない状況があった。その要因として、上記成形型における挟持面の平面度を向上させることが困難であること、また、平面度を向上させたとしてもクランプ力によって上記成形型に変形が生じること、さらにまた、金属フィルム自体の厚みにバラツキが存在すること等が挙げられる。
そして、フランジ部分が均一な力でクランプされないまま上記ポケット部の成形を行った場合、クランプの不十分な部位が上記プラグの突出に伴ってポケット部(被成形部)側へ引き込まれてしまうおそれがある。つまり、フランジ部分において、ある部位はポケット部側へ引き込まれ、別の部位は十分にクランプされる状況が生じ得る。その結果、フランジ部分に歪みが生じ、ポケット部形成後の金属フィルムに、カールを生じさせてしまうおそれがある。このような状況となると、その後の工程(例えば、上記カバーフィルムの取着工程等)に悪影響を及ぼすことにもなりかねない。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、金属フィルムを十分にクランプした状態でポケット部を成形することができる金属フィルム成形装置、及び、当該金属フィルム成形装置を具備するPTPシートの製造装置を提供することにある。
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.帯状の金属フィルムに対し、被収容物を収容するためのポケット部を形成する金属フィルム成形装置であって、
互いに接離方向へ相対移動可能に設けられた第1の型と第2の型を有し、当該両型を近接方向へ相対移動させることにより、前記各型の挟持面にて、前記金属フィルムのうち少なくとも前記ポケット部に対応する被成形部の周囲部分を挟持可能な挟持手段と、
該挟持手段により前記金属フィルムが挟持された状態で、前記被成形部をポケット成形型にて伸張させ、前記ポケット部を形成する伸張手段とを有し、
前記挟持手段における前記第1及び第2の型のうち少なくとも一方の挟持面は、可撓性を有すると共に面方向への伸張がほとんど生じない薄板状の薄板材で構成されており、前記薄板材の前記挟持面とは反対側に、弾性体からなる弾性材が積層されていることを特徴とする金属フィルム成形装置。
手段1では、挟持手段により金属フィルムのうち少なくともポケット部に対応する被成形部の周囲部分が挟持され、伸張手段により、金属フィルムが挟持された状態で、被成形部をポケット成形型にて伸張させて、ポケット部が形成される。
ここで挟持手段は、第1の型及び第2の型を近接方向へ相対移動させることにより、各型の挟持面にて金属フィルムを挟持する。相対移動とあるのは、一方の型だけを移動させる構成を含む趣旨である(以下の手段でも同様)。そして特に、手段1では、第1及び第2の型のうち少なくとも一方の挟持面は、薄板状の薄板材で構成されている。薄板材は、可撓性を有すると共に面方向への伸張がほとんど生じない部材である。また、薄板材の上記挟持面とは反対側に、弾性体からなる弾性材が積層されている。
このような挟持面で金属フィルムを挟持した場合、種々の要因によって生じる金属フィルムの凹凸に対し、可撓性を有する薄板材が弾性材に追従して撓むため、金属フィルムに対して均一にクランプ力を作用させることができる。すなわち、金属フィルムの挟持領域におけるクランプ力のバラツキを抑制することができる。したがって、金属フィルムを十分にクランプした状態でポケット部を成形することができる。
また、クランプ力を均一にするという観点からは弾性材だけで挟持面を構成することも考えられるが、伸張手段によるポケットの形成に際し、弾性材が挟持方向に対して略垂直な方向へ弾性変形するおそれがある。すなわち、ポケット部の形成時に、被成形部側へ弾性材が引き込まれ、これに伴い金属フィルムも引き込まれてしまうおそれがある。この点、手段1によれば、薄板材に面方向への伸張がほとんど生じないため、上記弾性材の被成形部側への弾性変形が規制され、被成形部側へ弾性材が引き込まれることを抑制できる。
手段2.帯状の金属フィルムに対し、被収容物を収容するためのポケット部を形成する金属フィルム成形装置であって、
互いに接離方向へ相対移動可能に設けられた第1の型と第2の型を有し、当該両型を近接方向へ相対移動させることにより、前記各型の挟持面にて、前記金属フィルムのうち少なくとも前記ポケット部に対応する被成形部の周囲を挟持可能な挟持手段と、
該挟持手段により前記金属フィルムが挟持された状態で、前記被成形部をポケット成形型にて伸張させ、前記ポケット部を形成する伸張手段とを有し、
前記挟持手段における前記第1及び第2の型のうち少なくとも一方の挟持面は、薄板状の薄板材で構成され、前記薄板材の前記挟持面とは反対側に、弾性体からなる弾性材が積層されており、
前記薄板材は、前記金属フィルムを挟持した状態において、前記弾性材の弾性変形に追従する可撓性を有すると共に、前記金属フィルムの挟持方向に略垂直な方向への前記弾性材の弾性変形を規制可能であることを特徴とする金属フィルム成形装置。
手段2においても、手段1と同様の作用効果が奏される。
手段3.手段1又は2に記載の金属フィルム成形装置において、
前記薄板材のうち前記金属フィルムとの接触面は、粗面となっていることを特徴とする金属フィルム成形装置。
ここで「粗面」とあるのは、非鏡面という文言にも置換可能であるが、要するに、表面がざらついているという趣旨である。したがって例えば、エッチング、ブラスト等の粗面化処理を経ているものを例示することができる。
手段3によれば、薄板材の金属フィルムとの接触面が粗面となっているため、金属フィルムに対し均一にクランプ力が作用することと相俟って、挟持面(すなわち薄板材の接触面)における金属フィルムの滑りを抑制することができる。その結果、金属フィルムを確実にクランプした状態でポケット部を成形することができる。
手段4.手段1乃至3のいずれかに記載の金属フィルム成形装置において、
前記第1の型は、複数の孔を有すると共に、該孔に対し、前記ポケット成形型が出没可能に設けられており、前記第2の型は、前記孔に対応する凹部又は孔を有しており、
前記第1の型に前記薄板材及び前記弾性材が設けられており、少なくとも前記第2の型のうち前記凹部又は前記孔の開口周縁は、前記第1の型の挟持面よりも硬く構成されていることを特徴とする金属フィルム成形装置。
手段4では、第1の型に、上記ポケット成形型が出没可能に設けられている。この場合、ポケット成形型の突出により、金属フィルムの被成形部の外縁が、第2の型の凹部又は孔の開口周縁に押し付けられる。つまり、第2の型の凹部又は孔の開口周縁によって、ポケット部側面の金属フィルムからの立ち上がり部分が成形されるのである。したがって、第2の型の開口周縁を比較的硬く構成することで、ポケット部の立ち上がり部分を精度よく成形することができる。手段4によれば、第1の型に前記薄板材及び前記弾性材が設けられているため、金属フィルムに対して均一にクランプ力を作用させることができる。しかも、第2の型のうち凹部又は孔の開口周縁が第1の型の挟持面よりも硬く構成されているため、ポケット部の立ち上がり部分を比較的精度よく成形することができる。
手段5.手段1乃至4のいずれかに記載の金属フィルム成形装置において、
前記挟持手段は、前記被成形部の外縁にほぼ連続する周囲部分を挟持することを特徴とする金属フィルム成形装置。
手段5によれば、被成形部の外縁にほぼ連続する周囲部分が均一にクランプされることになり、比較的精度の高い張り出し成形が実現される。
手段6.手段1乃至4のいずれかに記載の金属フィルム成形装置において、
前記挟持手段は、前記被成形部の外縁から一定距離以上離間した周囲部分を挟持することを特徴とする金属フィルム成形装置。
手段6によれば、被成形部の外縁から一定距離以上離間した周囲部分が均一にクランプされることになり、比較的精度の高い深絞り成形が実現される。
手段7.手段1乃至6のいずれかに記載の金属フィルム成形装置において、
前記挟持手段は、前記第1及び第2の型を互いに接離方向へ相対移動させるためのカム機構を有していることを特徴とする金属フィルム成形装置。
手段7によれば、カム機構によって第1及び第2の型が相対移動させられるため、例えばシリンダ等を用いた構成と比較して、さほど複雑な構成によらずとも上記作用効果が奏される。
手段8.手段1乃至7のいずれかに記載の金属フィルム成形装置において、
前記薄板材は、厚さ0.05mm〜0.5mmの金属板からなることを特徴とする金属フィルム成形装置。
上記薄板材は、金属板で構成することが考えられる。そして、その場合、0.05mm〜0.5mmの厚さにすることが望ましい。暑さが0.05mmを下回ると面方向へ裂けてしまうおそれがあり、一方、0.5mmを上回ると十分な可撓性が得られないおそれがある。なお、上記薄板材は、金属板に限定されるものではない。すなわち、上記可撓性を有し面方向への伸張を生じない素材で構成すればよく、例えば比較的硬質の樹脂材料で薄板材を構成してもよい。
以上は、金属フィルム成形装置の発明として説明してきたが、PTPシートの製造装置の発明として実現することもできる。
手段9.手段1乃至8のいずれかに記載の金属フィルム成形装置を具備してなるPTPシートの製造装置。
手段9に記載のPTPシートの製造装置においても、上記各構成の金属フィルム成形装置と同様の効果が奏される。なお、PTPシートだけでなくポーションパック等の包装形態を含める意味で、「PTPシートの製造装置」とあるのを「ブリスターパックの製造装置」としてもよい。
以下、一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1(a)〜(c)に示すように、PTPシート1は、複数のポケット部2を表側に備えたアルミニウム製の金属フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして金属フィルム3の裏側に取着されたアルミニウム製のカバーフィルム4とを有している。金属フィルム3に形成された各ポケット部2には、錠剤5が1つずつ収容されている。本実施形態では、アルミニウム製のフィルム3,4を用いることで、光に対するバリヤ性を向上させている。PTPシート1は、上記金属フィルム3及びカバーフィルム4から形成された帯状のPTPフィルム6(図1(b)参照)が打抜かれることで、シート状に製造される。
次に、上記のように構成されてなるPTPシート1を製造するための「PTPシートの製造装置」としてのPTP包装機8の概略について説明する。
図2に示すように、帯状の金属フィルム3は、最上流側においてロール状に巻回されている。金属フィルム3は、上述したように、アルミニウム製であり、外部からの光を遮断可能となっており、上記バリヤ性を有している。
PTP包装機8においては、ロール状に巻回された金属フィルム3が、間欠的に移送されるようになっており、金属フィルム3移送経路に沿って、ポケット部形成装置14が配置されている。このポケット部形成装置14により、金属フィルム3に、上記ポケット部2が形成される。この意味で、本実施形態では、ポケット部形成装置14が「金属フィルム成形装置」を構成している。なお、ポケット部2の形成は、冷間加工で行われ、金属フィルム3の移送動作間のインターバルの際に行われる。
ポケット部2が形成された金属フィルム3の移送経路に沿って、ポケット部2に錠剤5を自動的に充填する錠剤投入装置16、検査装置17、フィルム受けローラ18が配設されている。錠剤投入装置16は、所定間隔毎にシャッタを開くことで錠剤5を自由落下させるものであり、このシャッタ開放動作に伴って各ポケット部2に錠剤5が投入される。
検査装置17は、錠剤5が各ポケット部2に確実に充填されているか否か、また錠剤5の異常の有無、異物混入の有無等の検査を行うためのものである。該検査装置17は、ポケット部2の開口側からの検査を行う。なお、検査装置17によって不良品判定された場合、その不良品判定となったPTPシートは、図示しない不良シート排出機構によって別途排出される。
一方、帯状に形成されたカバーフィルム4は、最上流側においてロール状に巻回されている。ロール状に巻回されたカバーフィルム4の引出し端は、前記フィルム受けローラ18の方へと案内されている。フィルム受けローラ18には、加熱ローラ19が圧接可能となっており、両ローラ18,19間に金属フィルム3及びカバーフィルム4が送り込まれるようになっている。そして、金属フィルム3及びカバーフィルム4が、両ローラ18,19間を加熱圧接状態で通過することで、金属フィルム3の裏側にカバーフィルム4が貼着され、これにより、錠剤5が各ポケット部2に充填されたPTPフィルム6が製造される。
フィルム受けローラ18の下流ではPTPフィルム6移送経路に沿って、ミシン目成形装置22、刻印装置23及びシート打抜装置24が順に配設されている。ミシン目成形装置22は、PTPフィルム6の所定位置にミシン目を形成する機能を有する。刻印装置23はPTPフィルム6の所定位置にロットナンバー等の識別情報を示す刻印を付す機能を有する。シート打抜装置24は、PTPフィルム6をPTPシート1単位に打抜く機能を有する。
前記シート打抜装置24の下流側には、シート打抜装置24からの端材25を貯留するためのスクラップ用ホッパ26が設けられている。また、シート打抜装置24の下側には、打抜かれたPTPシート1を移送するためのコンベア28が設けられており、該PTPシート1は完成品用ホッパ29に移送されるようになっている。
なお、金属フィルム3やPTPフィルム6は、複数のローラを介して移送されるようになっている。これらローラのうち、ポケット部2の膨らみ側に面するローラ18,31,32,33,34,35(図2参照)は、表面に金属フィルム3やPTPフィルム6のポケット部2の形状に対応した凹部の形成されたポケット送りローラとなっている。前記フィルム受けローラ18を例にとると、金属フィルム3の移送方向における、フィルム受けローラ18の外周に対する凹部の形成間隔とPTPフィルム6に対するポケット部2の形成間隔とは、同等になっている。フィルム受けローラ18が、ポケット部2を凹部に収容しながら回転駆動されることで、ポケット部2が潰されること無く、金属フィルム3等の移送が行われる(他の送りローラ31〜35についても同様)。
PTP包装機8の概略は以上のとおりであるが、以下においては図3に基づき、ポケット部形成装置14の構成について、より具体的に説明する。
ポケット部形成装置14は、「第1の型」としての下型41及び「第2の型」としての上型42を備えている。固定状態にある支持台43上には、筒状の下型チャンバ44が固定されており、該下型チャンバ44上に前記下型41が固定されている。かかる下型41には、ポケット部2の位置に対応する位置に複数の孔45が形成されている。
支持台43には、複数の挿通孔が形成されており、該挿通孔にはベアリング機構を介して棒状のスライダ46が上下動可能に挿通されている。スライダ46は、カム機構50によって所定のストローク間を上下動可能となっている。スライダ46の上端には、プレート47が固定されているとともに、該プレート47上には、プラグ48が載置固定されている。該プラグ48は、前記孔45に挿通可能でかつ上方へ延びる押上部49を有している。該押上部49の先端形状は、前記ポケット部2の形状とほぼ同等となっている。そして、プラグ48の押上部49は、カム機構50の駆動によるスライダ46の上下動に対応して、所定のストローク間を上下動可能となっている。本実施形態では、プラグ48(押上部49)が「ポケット成形型」を構成し、プラグ48を上下動可能とするスライダ46、プレート47、及び、カム機構50が「伸張手段」を構成している。なお、本実施の形態では、プラグ48は着脱可能となっており、品種等に応じて適宜別のプラグに変更可能となっている。
一方、金属フィルム3の上方には、上板51が、カム機構54によって、上下動可能に設けられている。この上板51の下面にはプレート52が固定されており、該プレート52に前記上型42が固定されている。これにより、固定状態にある下型41に対し、上型42が接離可能となっており、上型42を近接方向へ移動させることにより、両型41,42が互いに近接方向へ相対移動することになる。そして、両型41,42の各挟持面にて、金属フィルム3が挟持される。したがって、下型41、上型42、上板51、プレート52、及び、カム機構54が「挟持手段」を構成している。かかる上型42にも、前記下型41と同様の孔53が形成されている。この孔53は、プラグ48の最大突出量よりも長く形成されている。換言すれば、プラグ48の押上部49の最大上死点が孔53よりも上に位置しないように設定されている。
以上のごとく構成されたポケット部形成装置14において、さらに、上記下型41の挟持面等の構成を説明する。
図4(a)に示すように、下型41の挟持面は、薄板材61で構成されている。薄板材61は、ステンレス製の金属薄板であり、可撓性を有すると共に、面方向への伸張をほとんど生じない部材となっている。薄板材61の厚さとしては、例えば0.05mm〜0.5mmの範囲内にあることが望ましい。厚さが0.05mmを下回ると面方向へ裂けてしまうおそれがあり、一方、0.5mmを上回ると十分な可撓性が得られないおそれがある。この薄板材61の金属フィルム3との接触面61a(すなわち下型41の挟持面、以下「挟持面61a」とも記述する)は、ショットブラストやエッチング処理等を経ることにより、梨地のごとくざらついた粗面となっている。また、薄板材61の下層には、弾性材62が積層されている。弾性材62は、エラストマで構成された弾性体であり、下型41の凹部41aに、一部を収容された状態で取着固定されている。上記薄板材61は、この弾性材62に接着剤等で固定されている。
そして、上述したように上型42を近接方向へ移動させることにより、このような下型41の挟持面61a及び当該挟持面61aに対応する上型42の挟持面42aで、金属フィルム3が挟持可能となっている。金属フィルム3の挟持領域は、図4(b)に示すように、金属フィルム3のうちポケット部2に対応する被成形部3aの外側部分(同図中に斜線を施した部分)となっている。
ここで、金属フィルム3に対するポケット部2の形成について具体的に説明する。
最初、プラグ48の押上部49は、図3に示すように、金属フィルム3の裏側(下側)の離れた位置に配置された状態にあって、かつ、固定状態にある下型41に対し、上型42が上方に離れて配置されている。次に、固定状態の下型41から離れている上型42が、カム機構54による上板51の移動に伴い、下方に向かって移動開始する。そして、固定状態にある下型41に対し、金属フィルム3が挟まれる格好で上型42が圧接し、金属フィルム3がクランプされる(図4(a)参照)。このとき、種々の要因によって生じる金属フィルム3の凹凸に対し、弾性材62が弾性変形し、可撓性を有する薄板材61が弾性材62に追従して撓む。これにより、金属フィルム3に対するクランプ力は均一なものなる。続いて、プラグ48が、カム機構50の駆動によるスライダ46の上方向への移動により、上方に向かって移動開始する。そして、金属フィルム3の裏側から表側に向かって、プラグ48の押上部49を突出させる(図5参照)。このとき、図5中に記号Bで示す引き込み方向の力が金属フィルム3に作用するが、金属フィルム3に対してクランプ力が均一に作用しているため、また、挟持面61aがざらついた粗面となっているため、挟持面61a,42aに対する金属フィルム3の滑りが生じない。また、薄板材61は、引き込み方向Bの力が作用しても面方向の伸張を生じないため、弾性材62の引き込み方向Bへの弾性変形を規制する。
以上詳述したように本実施形態によれば、金属フィルム3が挟持された状態において、種々の要因によって生じる金属フィルム3の凹凸に対し、弾性材62が弾性変形し、可撓性を有する薄板材61が弾性材62に追従して撓む。これにより、金属フィルム3に対する挟持面61a,42aからのクランプ力は均一なものなる。また、挟持面61aがざらついた粗面となっていることと相俟って、挟持面61a,42aにおける金属フィルム3の滑りを抑制することができ、金属フィルム3を確実にクランプした状態でポケット部2を成形することができる。
しかも、薄板材61には引き込み方向Bの力が作用しても面方向の伸張が生じないため、弾性材62の引き込み方向Bへの弾性変形が規制される(図5参照)。これにより、成形されるポケット部2(被成形部3a)側へ、弾性材62が引き込まれることが抑制できる。
また、本実施形態では、図4(b)に示したように、被成形部3aの外縁にほぼ連続する外側部分(同図中に斜線を施した部分)が均一に挟持されるため、比較的精度の高い張り出し成形が可能となる。
ところで、図5に示すように、押上部49を突出させることで、被成形部3aの外縁が上型42の孔53の開口周縁に圧接して、ポケット部2側面の立ち上がり部分(記号Cで示した部分)が成形される。本実施形態では、下型41に対して上記薄板材61及び上記弾性材62による構成が採用されており、上型42には、金属製の型をそのまま採用している。これにより、上記金属フィルム3に対するクランプ力を均一なものにすることができると共に、孔58の開口周縁は挟持面61aと比較して硬いものとなっているため、上記ポケット部2の立ち上がり部分Cを比較的精度よく成形することができる。
さらにまた、本実施形態では、カム機構54によって、固定状態にある下型41に対し上型42が接離可能となっており、上型42を近接方向へ移動させることにより、両型41,42が互いに近接方向へ相対移動することになる。これにより、例えばシリンダ等を用いた構成と比較して、さほど複雑な構成によらずとも上記作用効果が奏される。
なお、一実施形態について説明してきたが、本発明は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施可能である。
(a)上記実施形態では、図4(b)に示したように、被成形部3aの外縁にほぼ連続する外側部分(同図中に斜線を施した部分)を、「周囲部分」として挟持する構成であった。
これに対して、図6(a)に示すように、被成形部3aの外縁にほぼ連続する環状部分(同図中に斜線を施した部分)を「周囲部分」として挟持する構成としてもよい。あるいは、被成形部3aの外縁に連続する環状部分や当該環状部分を含めた外側部分を「周囲部分」として挟持する構成としてもよい。いずれの構成によっても、比較的精度の高い張り出し成形が可能となる。
また、図6(b)に示すように、被成形部3aの外縁から一定距離d以上離間した外側部分(同図中に斜線を施して示した部分)を「周囲部分」として挟持する構成としてもよい。このようにすれば、記号Dで示す部分が被成形部3a側に引き込まれることになり、比較的精度の高い深絞り成形が可能となる。
(b)上記実施形態ではステンレス製の薄板材61を採用していたが、これに限定されるものではなく、可撓性を有すると共に、面方向への伸張をほとんど生じない素材を採用すればよい。例えば、比較的硬質の樹脂材料を用いることが考えられる。
(c)上記実施の形態ではプラグ48が着脱自在となっているが、プラグの押上部49のみが着脱自在となっていてもよい。また、プラグ48が着脱不能となっていてもよい。
(d)上記実施の形態では、カム機構54により上型42を上下動させるよう構成されており、構成が比較的簡単になっていた。これに対し、シリンダ等の他のアクチュエータを用いても差し支えない。
(e)上記実施形態では被収容物として錠剤5を対象としていたが、錠剤5以外の例えば電池素子等の包装に適用することも可能である。すなわち、ポーションパック等を含むブリスターパックに適用することも可能である。
(a)はPTPシートを示す斜視図であり、(b)はPTPフィルムを示す斜視図であり、(c)は、PTPシートの部分拡大断面図である。 PTP包装機の概略構成を説明するための模式図である。 ポケット部形成装置を説明するための断面図である。 (a)はポケット部形成装置の挟持面の構成を説明する説明図であり、(b)は、金属フィルムの挟持領域を示す説明図である。 ポケット部形成装置における作用を説明するための断面図である。 別実施形態における金属フィルムの挟持領域を示す説明図である。
符号の説明
1…PTPシート、2…ポケット部、3…金属フィルム、5…錠剤、8…PTP包装機、14…ポケット部形成装置、41…下型、41a…凹部、42…上型、42a…挟持面、43…支持台、44…下型チャンバ、45…孔、46…スライダ、47…プレート、48…プラグ、49…押上部、50…カム機構、51…上板、52…プレート、53…孔、54…カム機構、61…薄板材、61a…接触面(挟持面)、62…弾性材。

Claims (6)

  1. 帯状の金属フィルムに対し、被収容物を収容するためのポケット部を形成する金属フィルム成形装置であって、
    互いに接離方向へ相対移動可能に設けられた第1の型と第2の型を有し、当該両型を近接方向へ相対移動させることにより、前記各型の挟持面にて、前記金属フィルムのうち少なくとも前記ポケット部に対応する被成形部の周囲部分を挟持可能な挟持手段と、
    該挟持手段により前記金属フィルムが挟持された状態で、前記被成形部をポケット成形型にて伸張させ、前記ポケット部を形成する伸張手段とを有し、
    前記挟持手段における前記第1及び第2の型のうち少なくとも一方の挟持面は、可撓性を有すると共に面方向への伸張がほとんど生じない薄板状の薄板材で構成されており、前記薄板材の前記挟持面とは反対側に、弾性体からなる弾性材が積層されており、
    前記薄板材は、厚さ0.05mm〜0.5mmの金属板からなることを特徴とする金属フィルム成形装置。
  2. 帯状の金属フィルムに対し、被収容物を収容するためのポケット部を形成する金属フィルム成形装置であって、
    互いに接離方向へ相対移動可能に設けられた第1の型と第2の型を有し、当該両型を近接方向へ相対移動させることにより、前記各型の挟持面にて、前記金属フィルムのうち少なくとも前記ポケット部に対応する被成形部の周囲を挟持可能な挟持手段と、
    該挟持手段により前記金属フィルムが挟持された状態で、前記被成形部をポケット成形型にて伸張させ、前記ポケット部を形成する伸張手段とを有し、
    前記挟持手段における前記第1及び第2の型のうち少なくとも一方の挟持面は、薄板状の薄板材で構成され、前記薄板材の前記挟持面とは反対側に、弾性体からなる弾性材が積層されており、
    前記薄板材は、前記金属フィルムを挟持した状態において、前記弾性材の弾性変形に追従する可撓性を有すると共に、前記金属フィルムの挟持方向に略垂直な方向への前記弾性材の弾性変形を規制可能であり、
    前記薄板材は、厚さ0.05mm〜0.5mmの金属板からなることを特徴とする金属フィルム成形装置。
  3. 請求項1又は2に記載の金属フィルム成形装置において、
    前記薄板材のうち前記金属フィルムとの接触面は、粗面となっていることを特徴とする金属フィルム成形装置。
  4. 請求項1乃至のいずれかに記載の金属フィルム成形装置において、
    前記第1の型は、複数の孔を有すると共に、該孔に対し、前記ポケット成形型が出没可能に設けられており、前記第2の型は、前記孔に対応する凹部又は孔を有しており、
    前記第1の型に前記薄板材及び前記弾性材が設けられており、少なくとも前記第2の型のうち前記凹部又は前記孔の開口周縁は、前記第1の型の挟持面よりも硬く構成されていることを特徴とする金属フィルム成形装置。
  5. 請求項1乃至のいずれかに記載の金属フィルム成形装置において、
    前記挟持手段は、前記第1及び第2の型を互いに接離方向へ相対移動させるためのカム機構を有していることを特徴とする金属フィルム成形装置。
  6. 請求項1乃至のいずれかに記載の金属フィルム成形装置を具備してなるPTPシートの製造装置。
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