JP4090633B2 - Ptpシート製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブリスタ包装シート(以下、「PTPシート」という)において、各ポケット単位のシート小片に切り離したとき、そのシート小片の周囲にエッジが形成されるのを防止するように丸みを付けるためのPTPシート製造装置を含む技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、PTPシート28は、図8(a)に示すように、錠剤等が収容される複数のポケット部7を備えており、各ポケット部7単位のシート小片87に切り離すことができるように縦スリット84及び横スリット85が形成されている。また、PTPシート28の端部にはロットナンバー等の識別情報が刻印されたタグ部86が付設されている。
【0003】
ここで、上記シート小片87の4隅には、図8(b)に示すように、直角のエッジ91が形成されるが、PTPシート28を利用する者の便を考えたとき、このエッジ91はない方が好ましい。
【0004】
そこで、シート小片87にエッジ91を形成することなく、図7(b)に示すように、シート小片87の4隅に丸み88を付けたPTPシート28の製造が、かねてより考えられている。このような丸み88をもったPTPシート28を製作するための装置として、特開平9−85696号公報に開示された「PTPシートのチップ片打ち抜き装置」が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に記載の技術では、図7(a)の孔81,82部分に対応するチップ片の打抜きと、図7(a)の各スリット84,85の成形とを同時に行うという性質上、上記打抜きのためのパンチと上記スリット成形のための成形刃とを組み合わせた打ち抜き装置が必要となる。このような打ち抜き装置は、実際上、金型の問題等によって製造することが非常に困難であり、打ち抜き装置を製造できないでいるのが実状である。
【0006】
一方、上記チップ片の打抜きによる孔の成形とスリット成形とを別工程で行うことも考えられるが、この場合、孔成形位置とスリット成形位置との位置ずれが問題となる。
【0007】
例えば、図9(a)に示すように、孔81,82の成形位置と縦スリット84の成形位置とで位置ずれが生じたと仮定する。すると、これをシート小片87に切り離したとき、図9(b)及び図9(c)に示すように、丸み88が部分的に付くとしても、一部にエッジ92,93が形成されてしまい、シート小片87周囲のエッジをなくすという所期の目的を達成できなくなってしまう。なお、横スリット85が位置ずれをおこした場合も同様の問題が生じる。
【0008】
また、上記位置ずれをなくすように、PTPシート製造装置の立ち上げ時に各工程での各種製造設備の位置関係を精密に設定しておいても、PTPシートの熱膨張、熱収縮等による位置ずれは避けられない。そのため、常にシート小片の周囲にエッジのない丸み88を付けることは技術的に困難とされてきた。
【0009】
以上の理由から、図7に示したようなシート小片87の周囲に丸み88をもたせたPTPシート28は、かねてからの要望があるにもかかわらず、量産ベースとしては現実に実施することができなかった。
【0010】
本発明は、上記各事情に鑑みてなされたものであり、ポケット部単位に切り離されたシート小片の周囲にエッジのない丸みをもたせることのできるPTPシートを、量産ベースで製造することができるPTPシート製造装置を提供することを主たる目的の一つとしている。
【0011】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記目的を達成し得る特徴的手段について以下に説明する。また、各手段につき、特徴的な作用及び効果を必要に応じて記載する。
【0012】
手段1.複数のポケットを備えたPTPシートであって、前記各ポケット単位のシート小片に切離したとき該シート小片の隅部に丸みがあるPTPシートを、帯状のフィルムを移送しつつ該フィルムから打抜いて得るための、PTPシート製造装置において、前記PTPシートを前記シート小片に切離したとき該シート小片の隅部に丸みをもたせるべく、各シート小片の隅部に対応して打抜パンチにて前記フィルムからチップ片を打抜くことにより孔を形成するチップ片打抜手段と、前記PTPシートを前記シート小片に切離すための切離線を前記フィルムに形成する切離線成形手段と、前記フィルムの一部に位置合せ部を設ける位置合せ部成形手段とを備え、前記位置合せ成形手段によって成形された位置合せ部を利用して、前記チップ片打抜手段により形成される孔と、前記切離線成形手段により形成される切離線との位置合わせを行うようにしたことを特徴とするPTPシート製造装置。
【0013】
上記手段1によれば、PTPシートをシート小片に切離したとき該シート小片の隅部に丸みをもたせるべく、チップ片打抜手段によって、各シート小片の隅部に対応して打抜パンチにてフィルムからチップ片が打抜かれる。また、PTPシートをシート小片に切離すための切離線が、切離線成形手段によりフィルムに形成される。ここで、位置合せ部成形手段によってフィルムの一部には位置合せ部が設けられ、これを利用して前記チップ片打抜手段により形成される孔と、前記切離線成形手段により形成される切離線との位置合わせが行われる。従って、これらの位置ズレが解消され、シート小片に切り離した際に、隅部にエッジをなくして丸みをもたせることができる。
【0014】
手段2.複数のポケットを備えたPTPシートであって、前記各ポケット単位のシート小片に切離したとき該シート小片の隅部に丸みがあるPTPシートを、帯状のフィルムを移送しつつ該フィルムから打抜いて得るための、PTPシート製造装置において、前記PTPシートを前記シート小片に切離したとき該シート小片の隅部に丸みをもたせるべく、各シート小片の隅部に対応して打抜パンチにて前記フィルムからチップ片を打抜くことにより孔を形成するチップ片打抜手段と、前記PTPシートを前記シート小片に切離すための切離線を前記フィルムに形成する切離線成形手段と、前記フィルムからPTPシート単位にその外縁を打抜くシート打抜手段と、前記フィルムの一部に位置合せ部を設ける位置合せ部成形手段とを備え、前記位置合せ成形手段によって成形された位置合せ部を利用して、前記チップ片打抜手段により形成される孔と、前記切離線成形手段により形成される切離線と、前記シート打抜手段によるPTPシートの外縁との位置合わせを行うようにしたことを特徴とするPTPシート製造装置。
【0015】
上記手段2によれば、PTPシートをシート小片に切離したとき該シート小片の隅部に丸みをもたせるべく、チップ片打抜手段によって、各シート小片の隅部に対応して打抜パンチにてフィルムからチップ片が打抜かれる。また、PTPシートをシート小片に切離すための切離線が、切離線成形手段によりフィルムに形成される。更に、シート打抜手段によって、前記フィルムからPTPシート単位にその外縁が打抜かれる。ここで、位置合せ部成形手段によってフィルムの一部には位置合せ部が設けられ、これを利用して前記チップ片打抜手段により形成される孔と、前記切離線成形手段により形成される切離線と、前記シート打抜手段により打抜かれるPTPシートの外縁との位置合わせが行われる。従って、これらの位置ズレが解消され、シート小片に切り離した際に、隅部にエッジをなくして丸みをもたせることができる。
【0016】
手段3.複数のポケットを備えたPTPシートであって、前記各ポケット単位のシート小片に切離したとき該シート小片の隅部に丸みがあるPTPシートを、帯状のフィルムを移送しつつ該フィルムから打抜いて得るための、PTPシート製造装置において、前記PTPシートを前記シート小片に切離したとき該シート小片の隅部に丸みをもたせるべく、各シート小片の隅部に対応して打抜パンチにて前記フィルムからチップ片を打抜くことにより孔を形成するチップ片打抜手段と、前記PTPシートを前記シート小片に切離すための切離線を前記フィルムに形成する切離線成形手段とを備え、前記チップ片打抜手段には、前記フィルムの一部に位置合せ部を設ける位置合せ部成形手段を設け、前記切離線成形手段には、前記位置合せ部成形手段によって成形された位置合せ部を利用して、前記チップ片打抜手段により形成される孔と、前記切離線成形手段により形成される切離線との位置合せを行う位置合せ手段を設けたことを特徴とするPTPシート製造装置。
【0017】
上記手段3によれば、PTPシートをシート小片に切離したとき該シート小片の隅部に丸みをもたせるべく、チップ片打抜手段によって、各シート小片の隅部に対応して打抜パンチにてフィルムからチップ片が打抜かれる。また、PTPシートをシート小片に切離すための切離線が、切離線成形手段によりフィルムに形成される。ここで、前記チップ片打抜手段には位置合せ部成形手段が備えられており、該位置合せ成形手段によってフィルムの一部には位置合せ部が成形される。一方、前記切離線成形手段には位置合せ手段が備えられており、該位置合せ手段によって、前記チップ片打抜手段により形成される孔と、前記切離線成形手段により形成される切離線との位置合わせが行われる。従って、これらの位置ズレが解消され、シート小片に切り離した際に、隅部にエッジをなくして丸みをもたせることができる。また、チップ片打抜時に同時に位置合せ部を成形することができるので、位置合せ部の成形による工程増を回避し得る。
【0018】
手段4.複数のポケットを備えたPTPシートであって、前記各ポケット単位のシート小片に切離したとき該シート小片の隅部に丸みがあるPTPシートを、帯状のフィルムを移送しつつ該フィルムから打抜いて得るための、PTPシート製造装置において、前記PTPシートを前記シート小片に切離したとき該シート小片の隅部に丸みをもたせるべく、各シート小片の隅部に対応して打抜パンチにて前記フィルムからチップ片を打抜くことにより孔を形成するチップ片打抜手段と、前記PTPシートを前記シート小片に切離すための切離線を前記フィルムに形成する切離線成形手段と、前記フィルムからPTPシート単位にその外縁を打抜くシート打抜手段とを備え、前記チップ片打抜手段には、前記フィルムの一部に位置合せ部を設ける位置合せ部成形手段を設け、前記切離線成形手段及び前記シート打抜手段には、前記位置合せ部成形手段によって成形された位置合せ部を利用して、前記チップ片打抜手段により形成される孔と、前記切離線成形手段により形成される切離線との位置合せ或いは前記シート打抜手段によるPTPシートの外縁との位置合せを行う位置合せ手段をそれぞれ設けたことを特徴とするPTPシート製造装置。
【0019】
上記手段4によれば、PTPシートをシート小片に切離したとき該シート小片の隅部に丸みをもたせるべく、チップ片打抜手段によって、各シート小片の隅部に対応して打抜パンチにてフィルムからチップ片が打抜かれる。また、PTPシートをシート小片に切離すための切離線が、切離線成形手段によりフィルムに形成される。更に、シート打抜手段によって、前記フィルムからPTPシート単位にその外縁が打抜かれる。ここで、前記チップ片打抜手段には位置合せ部成形手段が備えられており、該位置合せ成形手段によってフィルムの一部には位置合せ部が成形される。一方、前記切離線成形手段及び前記シート打抜手段には位置合せ手段が備えられており、該位置合せ手段によって、前記チップ片打抜手段により形成される孔と、前記切離線成形手段により形成される切離線或いは前記シート打抜手段により打抜かれるPTPシートの外縁との位置合わせが行われる。従って、これらの位置ズレが解消され、シート小片に切り離した際に、隅部にエッジをなくして丸みをもたせることができる。また、チップ片打抜時に同時に位置合せ部を成形することができるので、位置合せ部の成形による工程増を回避し得る。
【0020】
手段5.上記手段1乃至手段4のいずれかにおいて、前記位置合せ部は前記フィルムに形成されるゲージ孔であるPTPシート製造装置。
【0021】
上記手段5によれば、位置合せ部をフィルムに形成されるゲージ孔とすることで、位置合せ部を凸状に形成する場合に比べ、位置合せ部の形成が容易になる。しかも、上記手段3又は手段4のように、チップ片打抜手段によるチップ片打抜時に同時に位置合せ部たるゲージ孔部分を一括して打ち抜けばよくなり、位置決め部を一層容易に形成することができる。
【0022】
手段6.上記手段5において、前記ゲージ孔は円形状をなしているPTPシート製造装置。
【0023】
上記手段6によれば、ゲージ孔を円形状とすることで、位置決め部の成形が一層容易になる。
【0024】
手段7.上記手段5又は手段6において、前記ゲージ孔への位置決めは、ゲージピンを前記ゲージ孔に差し込むことにより行うよう構成されたものであるPTPシート製造装置。
【0025】
上記手段7によれば、ゲージピンをゲージ孔に差し込むという非常に簡単な構成で位置決めを行うことができる。
【0026】
手段8.上記手段1乃至手段7のいずれかにおいて、前記位置合せ部は前記フィルムの幅方向両端にそれぞれ少なくとも1つづつ設けられるように構成されたものであるPTPシート製造装置。
【0027】
上記手段8によれば、フィルムの幅方向両端にそれぞれ1つ以上づつ位置合せ部を設けることで、位置合せ部同士を比較的離間した位置に配置することができるので、例えばフィルムの幅方向両端に1つづつ位置合せ部を設けるだけでも、高精度の位置決めが可能となる。
【0028】
手段9.上記手段1乃至手段8のいずれかにおいて、前記位置合せ部はPTPシートとして打ち抜かれる部分を除いた不要フィルム部に形成されるように構成されたものであるPTPシート製造装置。
【0029】
上記手段9によれば、最終的に得られるPTPシートに何ら位置合せ部を設ける必要がないことから、PTPシートに不要な領域を設ける必要がない。
【0030】
手段10.上記手段1乃至手段9のいずれかにおいて、前記位置合せ部を利用して位置合せした状態を保持しつつ、前記切離線成形手段による切離線の形成、或いはシート打抜手段によるPTPシートの外縁の打抜を行うようにしたPTPシート製造装置。
【0031】
上記手段10によれば、一旦位置合せを行ってその位置合せ状態を解除してから切離線の形成やPTPシートの外縁の打抜を行う場合には、位置合せ後に再度位置ズレが生じる可能性がある。しかし、ここでは、位置合せ状態を保持しながら各種加工を行っているので、位置ズレを一層確実になくすことができ、シート小片に切り離した際に、確実に隅部にエッジをなくして丸みをもたせることができる。
【0032】
手段11.上記手段1乃至手段10のいずれかにおいて、前記離線成形手段或いはシート打抜手段では、フィルム移送方向上流側又は下流側に、前記フィルムにテンションを付与しつつフィルムの位置を緩み側へ調節可能な調節部材を備え、前記位置決め部が位置決め手段と相対する位置よりも僅かに前記調整部材側にずれた位置で位置決め手段を前記位置決め部に対応させることにより、前記位置合せのためにフィルムを位置調節するようにしたPTPシート製造装置。
【0033】
上記手段11によれば、フィルムを緊張状態に保持しつつも、位置ズレを修正するためのフィルムの位置調節が可能となる。
【0034】
手段12.上記手段11において、調節部材をテンションロールによって構成したPTPシート製造装置。
【0035】
上記手段12によれば、フィルムを案内するテンションロールによって調節部材を構成することで、フィルム移送構成の複雑化を回避し得る。
【0036】
手段13.上記手段11又は手段12において、位置決め手段は位置決め部たるゲージ孔に挿入されるゲージピンであり、ゲージピンの先端側を先細りのテーパ部とするとともに基端側を一定径で且つ前記ゲージ孔と同径の胴部とし、テーパ部をゲージ孔に挿入することによりフィルムを位置調節していき、胴部をゲージ孔に嵌入した状態でフィルムの位置調節が完了するようにしたPTPシート製造装置。
【0037】
上記手段13によれば、位置ズレの修正を、ゲージピンにテーパ部と胴部とを設けるという簡易な構成によって、容易に行うことができる。勿論、この位置ズレの修正後に切離線等の各種加工が行われるようにする。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、一実施の形態について、図1乃至図7を参照しつつ説明する。
【0039】
まず、図2に基づいて、錠剤をPTPシートに自動的に包装するPTP包装機1の概略について説明する。
【0040】
帯状の包装用フィルム2は、最上流側においてロール状に巻回されている。包装用フィルム2はポリプロピレン,PVC等の比較的硬質の合成樹脂によって構成され、透明又は半透明(ここでは透明)を呈している。
【0041】
ロール状に巻回された包装用フィルム2の引出し端側は、ガイドロール3に案内されている。包装用フィルム2は、ガイドロール3の下流側において間欠送りロール4に掛装されている。間欠送りロール4は、間欠的に回転するモータに連結されているため、包装用フィルム2を間欠的に搬送する。ガイドロール3と間欠送りロール4との間における包装用フィルム2搬送経路に沿って、加熱装置5とポケット成形装置6とが順に並設されている。そして、加熱装置5によって包装用フィルム2が加熱されて該包装用フィルム2が比較的柔軟になった状態において、ポケット成形装置6によって包装用フィルム2にポケット部7が成形される。このポケット部7の成形は、間欠送りロール4による包装用フィルム2の搬送動作間のインターバルの際に行われる。
【0042】
間欠送りロール4から送り出された包装用フィルム2は、テンションロール8、ガイドロール9及び連続送りロール10の順に掛装されている。連続送りロール10は、一定回転するモータに連結されているため、包装用フィルム2を連続的に且つ一定速度で搬送する。テンションロール8は、包装用フィルム2を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、前記間欠送りロール4と連続送りロール10との搬送動作の相違による包装用フィルム2の撓みを防止して包装用フィルム2を常時緊張状態に保持する。
【0043】
ガイドロール9と連続送りロール10との間における包装用フィルム2移送経路に沿って、ポケット部7に錠剤等を自動的に充填する錠剤投入装置11が配設されている。錠剤投入装置11は、連続送りロール10による包装用フィルム2の搬送動作と同期して、所定間隔毎にシャッタを開くことで錠剤等を落下させるものであり、このシャッタ開放動作に伴って各ポケット部7に錠剤等が投入される。
【0044】
錠剤投入装置11と連続送りロール10との間における包装用フィルム2移送経路に沿って、錠剤等が各ポケット部7に確実に充填されているか否か、また錠剤等の異常の有無、異物混入の有無等の検査を行うための検査装置12が配設されている。この検査装置12はポケット部7の開口側からの検査を行うものである。
【0045】
帯状に形成された密封用フィルム13は、最上流側においてロール状に巻回されている。密封用フィルム13は、ここではアルミ製のものを使用している。ロール状に巻回された密封用フィルム13の引出し端は、ガイドロール14に案内されている。前記連続送りロール10にはシールロール15が圧接されており、両ロール10,15間に密封用フィルム13が送り込まれている。また、図示しないが両ロール10,15の近傍には加熱シール装置が設けられており、前記包装用フィルム2及び密封用フィルム13が、両ロール10,15間を圧接状態で通過した後に前記加熱シール装置を通過することで、包装用フィルム2に密封用フィルム13がシールされる。これにより、錠剤等が各ポケット部7に充填されたフィルムとしてのPTPフィルム16が製造される。
【0046】
連続送りロール10から送り出されたPTPフィルム16は、テンションロール17及び間欠送りロール18の順に掛装されている。間欠送りロール18は、間欠的に回転するモータに連結されているため、PTPフィルム16を間欠的に搬送する。テンションロール17は、PTPフィルム16を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、前記連続送りロール10と間欠送りロール18との搬送動作の相違によるPTPフィルム16の撓みを防止してPTPフィルム16を常時緊張状態に保持する。
【0047】
連続送りロール10とテンションロール17との間におけるPTPフィルム16移送経路に沿って、錠剤等の異常の有無、異物混入の有無等の検査を行うための検査装置19が配設されている。この検査装置19はポケット部7の突出面側からの検査を行うものである。従って、前記検査装置12による検査と相俟って、PTPフィルム16の表裏両面側からの検査を実行することができるようになっている。なお、各検査装置12,19によって不良品判定された場合、その不良品判定となったPTPシートは、図示しない不良シート排出機構によって別途排出される。
【0048】
テンションロール17と間欠送りロール18との位置関係によって、両ロール17,18間におけるPTPフィルム16移送経路は、上下方向に延びている。そして、この上下方向に延びる移送経路に沿って、チップ片打抜手段としてのパンチ穴打抜装置20が配設されている。パンチ穴打抜装置20は、PTPフィルム16の所定位置からチップ片を打抜く機能を有する。
【0049】
間欠送りロール18から送り出されたPTPフィルム16は、調節部材としてのテンションロール21及び間欠送りロール22の順に掛装されている。間欠送りロール22は、間欠的に回転するモータに連結されているため、PTPフィルム16を間欠的に搬送する。テンションロール21は、PTPフィルム16を弾性力によって緊張する側へ引っ張った状態とされており、特段の事情がない限り、前記間欠送りロール18,22間でのPTPフィルム16の撓みを防止する。
【0050】
間欠送りロール18とテンションロール21との間におけるPTPフィルム16移送経路に沿って、切離線成形手段としてのスリット成形装置23と刻印装置24とが順に配設されている。スリット成形装置23は、PTPフィルム16の所定位置に切離線としてのスリットを形成する機能を有する。刻印装置24はPTPフィルム16の所定位置に刻印を付す機能を有する。
【0051】
間欠送りロール22から送り出されたPTPフィルム16は、その下流側において調節部材としてのテンションロール25及び連続送りロール26の順に掛装されている。間欠送りロール22とテンションロール25との間におけるPTPフィルム16移送経路に沿って、シート打抜手段としてのシート打抜装置27が配設されている。シート打抜装置27は、PTPフィルム16をPTPシート28単位に打抜く機能を有する。
【0052】
シート打抜装置27によって打抜かれたPTPシート28は、取出しコンベア29によって搬送され、完成品用ホッパ30に一旦貯留される。
【0053】
前記連続送りロール26の下流側には、裁断装置31が配設されている。そして、シート打抜装置27による打抜き後に帯状に残った不要フィルム部32は、前記テンションロール25及び連続送りロール26に案内された後、裁断装置31に導かれる。なお、前記連続送りロール26は従動ロールが圧接されており、前記不要フィルム部32を挟持しながら搬送動作を行う。裁断装置31では、不要フィルム部32を所定寸法に裁断しスクラップ処理する機能を有する。このスクラップはスクラップ用ホッパ33に貯留された後、別途廃棄処理される。
【0054】
なお、前記各送りロール4,10,18,22は、そのロール表面とポケット部7とが対向する位置関係となっているが、各送りロール4,10,18,22の表面には、ポケット部7が収容される凹部が形成されているため、ポケット部7が潰れてしまうことがない。また、ポケット部7が各送りロール4,10,18,22の各凹部に収容されながら送り動作が行われることで、間欠送り動作や連続送り動作が確実に行われる。
【0055】
PTP包装機1の概略は以上のとおりであるが、以下においては、パンチ穴打抜装置20、スリット成形装置23、刻印装置24及びシート打抜装置27について、より具体的に説明する。
【0056】
まず、パンチ穴打抜装置20について説明する。図2及び図3に示すように、パンチ穴打抜装置20は、固定型41と可動型42とを備えている。可動型42には駆動・伝達機構43(図2参照)が連結され、固定型41に近接した作業位置と、固定型41から離間した待機位置とに切換駆動される。駆動・伝達機構43はモータ,流体圧シリンダ,カム伝達機構等の適宜のものを使用することができる。なお、図3では便宜上見開き状に図示されているが、可動型42の作業位置と待機位置との間の切換は直線移動によって行われる。
【0057】
固定型41には、幅方向に5個でかつPTPフィルム16の移送方向(上下方向)に2列の計10個のパンチ穴44,45を1セットとして、2セット分のパンチ穴44,45が固定型41の表裏に貫通するように形成されている。即ち、パンチ穴44,45は計20個形成されている。2セット分のパンチ穴44,45を並設しているのは、PTPフィルム16の幅方向に2つのPTPシート28を一度に得るためである。
【0058】
パンチ穴44は、その平面形状が、4個の凹曲線を菱形状に配置した形状(星屑形状)になっている。パンチ穴45は、その平面形状が、前記星屑形状を1つの対角線によって半分とした形状(半星屑形状)になっている。
【0059】
これら2セット分のパンチ穴44,45群の外方には、平面形状が円形となるゲージ用パンチ穴46が一対設けられている。ゲージ用パンチ穴46は、PTPフィルム16の幅方向両端の不要フィルム部32に対応する位置に設けられている。ゲージ用パンチ穴46も前記固定型41の表裏に貫通するように形成されている。
【0060】
一方、可動型42には、同可動型42の作業位置への移動時に前記パンチ穴44に嵌入される打抜パンチ47が計18本突設されている。打抜パンチ47は前記パンチ穴44にぴったり嵌まる形状となっている。同様に、可動型42には、同可動型42の作業位置への移動時に前記パンチ穴45に嵌入される打抜パンチ48が計2本突設されており、各打抜パンチ48は前記パンチ穴45にぴったり嵌まる形状となっている。同様に、可動型42には、同可動型42の作業位置への移動時に前記ゲージ用パンチ穴46に嵌入されるゲージ用打抜パンチ49が計2本突設されており、各ゲージ用打抜パンチ49は前記ゲージ用パンチ穴46にぴったり嵌まる形状となっている。前記ゲージ用パンチ穴46及びゲージ用打抜パンチ49によって、位置合せ部成形手段が構成されている。
【0061】
前記各打抜パンチ47,48,49は、固定型41の厚さよりも長く形成されている。そして、可動型42が作業位置に配置された状態では、各打抜パンチ47,48,49が固定型41の裏面から更に突出するように構成されている。これにより、パンチ後の屑を固定型41の裏面側から排出することができる。また、パンチ打抜方向が横方向であることも相俟って、パンチ後の屑がPTPフィルム16側へ戻ってくるおそれがない。
【0062】
次に、スリット成形装置23について説明する。図2及び図4に示すように、スリット成形装置23は、固定型51と可動型52とを備えている。可動型52には駆動・伝達機構53(図2参照)が連結され、固定型51に近接した作業位置と、固定型51から離間した待機位置とに切換駆動される。駆動・伝達機構53はモータ,流体圧シリンダ,カム伝達機構等の適宜のものを使用することができる。なお、図4では便宜上見開き状に図示されているが、可動型52の作業位置と待機位置との間の切換は直線移動によって行われる。
【0063】
固定型51は、可動型52との対向面が平面状に形成されている。一方、可動型52には、PTPフィルム16の幅方向に延びる縦用スリッタ刃54が突設されている。また、可動型52には、縦用スリッタ刃54を挟んで対をなすとともに縦用スリッタ刃54と直交するように、横用スリッタ刃55が5対突設されている。以上の1本の縦用スリッタ刃54と10本の横用スリッタ刃55を1セットとして、2セット分が幅方向に並設されている。2セット分のスリッタ刃54,55を並設しているのは、前記パンチ穴打抜装置20と同様、PTPフィルム16の幅方向に2つのPTPシート28を一度に得るためである。
【0064】
可動型52には、これら2セット分のスリッタ刃54,55群の外方に、ゲージピン56が一対突設されている。ゲージピン56は、PTPフィルム16の幅方向両端の不要フィルム部32に対応する位置に設けられており、より詳しくは、前記パンチ穴打抜装置20のゲージ用打抜パンチ49と対応する位置に設けられている。ゲージピン56は円柱状の胴部56aとその先端側に形成された先細り形状のテーパ部56bとから構成されている。
【0065】
一方、固定型51には、可動型52の作業位置への移動時に前記ゲージピン56が嵌入されるゲージ穴57が形成されている。ゲージ穴57は前記ゲージピン56の胴部56aがぴったり嵌まる形状となっている。前記ゲージピン56及びゲージ穴57によって位置合せ手段が構成されている。
【0066】
また、可動型52の面からの各スリッタ刃54,55の突出量は均一であり、可動型52の作業位置への移動に伴って一度に全てのスリッタ刃54,55がPTPフィルム16の表面に食い込むようになっている。
【0067】
一方、ゲージピン56は各スリッタ刃54,55よりも突出量が大きくなるように設定されている。より詳しくは、各スリッタ刃54,55の先端位置が、ゲージピン56の胴部56aの位置と対応する。従って、各スリッタ刃54,55がPTPフィルム16の表面に食い込む前に、ゲージピン56のテーパ部56bがゲージ穴57に案内され、ゲージピン56の胴部56aがゲージ穴57にぴったり収まった状態となる。
【0068】
次に、刻印装置24について説明する。図2に示すように、刻印装置24は、固定型61と可動型62とを備えている。可動型62には駆動・伝達機構63が連結され、固定型61に近接した刻印位置と、固定型61から離間した待機位置とに直線的に往復移動される。駆動・伝達機構63はモータ,流体圧シリンダ,カム伝達機構等の適宜のものを使用することができる。可動型62には、PTPフィルム16の所定位置に、ロットナンバー等の識別情報を印刷等で刻印する刻印部が備えられている。なお、刻印装置24には、前記ゲージピン56等は備えられていない。
【0069】
次に、シート打抜装置27について説明する。図2及び図6に示すように、シート打抜装置27は、固定型71と可動型72とを備えている。可動型72には駆動・伝達機構73(図2参照)が連結され、固定型71に近接した作業位置と、固定型71から離間した待機位置とに切換駆動される。駆動・伝達機構73はモータ,流体圧シリンダ,カム伝達機構等の適宜のものを使用することができる。なお、図6では便宜上見開き状に図示されているが、可動型72の作業位置と待機位置との間の切換は直線移動によって行われる。
【0070】
可動型72には、一対の打抜刃74が幅方向に並んだ状態で突設されている。各打抜刃74はPTPシート28の外形に沿った枠状に形成されている。一方、固定型71には、前記打抜刃74と対応して一対の打抜孔74が貫通形成されている。
【0071】
可動型72には、前記一対の打抜刃74の外方に、ゲージピン76が一対突設されている。ゲージピン76は、PTPフィルム16の幅方向両端の不要フィルム部32に対応する位置に設けられており、より詳しくは、前記パンチ穴打抜装置20のゲージ用打抜パンチ49と対応する位置に設けられている。ゲージピン76は円柱状の胴部76aとその先端側に形成された先細り形状のテーパ部76bとから構成されている。
【0072】
一方、固定型71には、可動型72の作業位置への移動時に前記ゲージピン76が嵌入されるゲージ穴77が形成されている。ゲージ穴77は前記ゲージピン56の胴部56aがぴったり嵌まる形状となっている。前記ゲージピン76及びゲージ穴77によって位置合せ手段が構成されている。
【0073】
また、可動型72の面からの各打抜刃74の突出量は均一であり、可動型72の作業位置への移動に伴って一度に全ての打抜刃74によってPTPフィルム16をPTPシート28単位に打抜くようになっている。
【0074】
一方、ゲージピン76は各打抜刃74よりも突出量が大きくなるように設定されている。より詳しくは、各打抜刃74の先端位置が、ゲージピン76の胴部76aの位置と対応する。従って、各打抜刃74がPTPフィルム16の表面に当接する前に、ゲージピン76のテーパ部76bがゲージ穴77に案内され、ゲージピン76の胴部76aがゲージ穴77にぴったり収まった状態となる。
【0075】
さて、以上のように構成されたPTP包装機1によって図7(a)に示したPTPシート28を製造する手順について、特に、錠剤等がポケット部7に投入されてPTPフィルム16が構成された後の主要な工程を中心として説明する。
【0076】
PTPフィルム16は、まずパンチ穴打抜工程を経る。パンチ穴打抜工程では、パンチ穴打抜装置20が使用される。即ち、パンチ穴打抜装置20の可動型42が待機位置から作業位置へと移動するのに伴って、固定型41の各パンチ穴44,45に、対応する各打抜パンチ47,48が嵌入される。これにより、各打抜パンチ47,48の形状に合ったチップ片が打抜かれ、図1に示すように、PTPフィルム16には、孔形状が4個の凹曲線を菱形状に配置した形状(星屑形状)となる孔81が2セット分の計18個形成されるとともに、孔形状が前記星屑形状を1つの対角線によって半分にした形状(半星屑形状)となる孔82が2セット分の計2個形成される。
【0077】
同様に、固定型41の各ゲージ用パンチ穴46に、対応する各ゲージ用打抜パンチ49が嵌入される。これにより、図1に示すように、PTPフィルム16には、該PTPフィルム16の幅方向両端に位置する不要フィルム部32に、孔形状が円形となる位置合せ部としてのゲージ孔83が一対形成される。
【0078】
パンチ穴打抜工程が終了すると、スリット成形工程へ移行する。スリット成形工程では、スリット成形装置23が使用される。即ち、スリット成形装置23の可動型52が待機位置から作業位置へと移動するのに伴って、まず最初に、ゲージピン56がゲージ穴57に挿入される。ゲージピン56はゲージ穴57に挿入されるのに先立って、パンチ穴打抜工程で形成されたPTPフィルム16のゲージ孔83に挿通される。
【0079】
ここで、スリット成形作業は、間欠送りロール18,22による間欠送りのインターバル(一旦停止)中に行われるが、この一旦停止時では、図5に示すように、PTPフィルム16のゲージ孔83が、固定型51のゲージ穴57より若干行き過ぎた位置となるように、ゲージ孔83の一旦停止位置とゲージ穴57との位置関係が予め設定されている。このゲージ孔83とゲージ穴57との位置ズレは、ゲージピン56のゲージ穴57への差し込み時に、テーパ部56bの先端がゲージ孔83に挿入され得る位置となるような設定である。
【0080】
従って、ゲージピン56のゲージ穴57への差し込み時には、まずテーパ部56bがPTPフィルム16のゲージ孔83に挿入される。そして、ゲージピン56が作業位置側へ更に移動することで、図5(b)に示すように、ゲージ孔83にゲージピン56の胴部56aが嵌入されるように、PTPフィルム16が上流側へ若干押し戻される。
【0081】
このPTPフィルム16の押し戻し動作があっても、下流側ではテンションロール21の若干の移動があるのみで下流側のPTPフィルム16は緊張状態に保持される。一方、上流側はPTPフィルム16に若干撓みが生じるが、PTP包装機1の全体からみて無視できる程度の撓みに過ぎない。
【0082】
このように、ゲージ穴57とゲージ孔83との位置関係を予めずらしておいたのは、PTPフィルム16を下流側へ引っ張ることは前記間欠送りロール18の存在により不可能である一方で、上流側にテンションロール21が存在することで、PTPフィルム16の熱膨張、熱収縮等にかかわらず、上流側へPTPフィルム16を移動させることができるためである。即ち、予めゲージ穴57とゲージ孔83との位置を整合させておくと、もしPTPフィルム16が熱収縮したときには、その位置ずれを解消することができなくなるのを防止するためである。
【0083】
このようにしてゲージピン56の胴部56aによってゲージ孔83及びゲージ穴57の位置が整合された状態で、更に可動型52が作業位置側へ移動することにより、各スリッタ刃54,55がPTPフィルム16に当接される。その結果、図1に示すように、PTPフィルム16には、切離線としての縦スリット84及び横スリット85がそれぞれ形成される。前記ゲージピン56、ゲージ穴57、ゲージ孔83が同一位置に配置されるように位置合わせが直前に行われていることで、各スリット84,85は各孔81,82の鋭角部分と完全に整合したものとなる。
【0084】
スリット成形工程が終了すると、刻印工程へ移行する。この刻印工程では、刻印装置24が使用される。即ち、刻印装置24の可動型62が待機位置から作業位置へと移動するのに伴って、図7のタグ部86に対応する位置にロットナンバー等の識別情報が刻印される。なお、この刻印工程では単に刻印を付すのみであって、前記スリット成形工程においてみられるような微細な位置決めは不要であるため、特にゲージピン56等による正確な位置は用いていない。
【0085】
刻印工程が終了すると、シート打抜工程へ移行する。シート打抜工程では、シート打抜装置27が使用される。即ち、シート打抜装置27の可動型72が待機位置から作業位置へと移動するのに伴って、まず最初に、ゲージピン76がゲージ穴77に挿入される。ゲージピン76はゲージ穴77に挿入されるのに先立って、パンチ穴打抜工程で形成されたPTPフィルム16のゲージ孔83に挿通される。
【0086】
ここで、シート打抜作業は、間欠送りロール22による間欠送りのインターバル(一旦停止)中に行われるが、この一旦停止時では、前記スリット成形工程の際と同様に、PTPフィルム16のゲージ孔83が、固定型71のゲージ穴77より若干行き過ぎた位置となるように、ゲージ孔83の一旦停止位置とゲージ穴77との位置関係が予め設定されている。このゲージ孔83とゲージ穴77との位置ズレは、ゲージピン76のゲージ穴77への差し込み時に、テーパ部76bの先端がゲージ孔83に挿入され得る位置となるような設定である。
【0087】
従って、ゲージピン76のゲージ穴77への差し込み時には、まずテーパ部76bがPTPフィルム16のゲージ孔83に挿入される。そして、ゲージピン76が作業位置側へ更に移動することで、ゲージ孔83にゲージピン76の胴部76aが嵌入されるように、PTPフィルム16が上流側へ若干押し戻される。
【0088】
このPTPフィルム16の押し戻し動作があっても、下流側ではテンションロール25の若干の移動があるのみで下流側のPTPフィルム16は緊張状態に保持される。一方、上流側はPTPフィルム16に若干撓みが生じるが、PTP包装機1の全体からみて無視できる程度の撓みに過ぎない。
【0089】
このように、ゲージ穴77とゲージ孔83との位置関係を予めずらしておいたのは、スリット成形工程においてゲージ穴57とゲージ孔83との位置関係を予めずらしておいたのと同様の理由からである。
【0090】
このようにしてゲージピン76の胴部76aによってゲージ孔83及びゲージ穴77の位置が整合された状態で、更に可動型72が作業位置側へ移動することにより、各打抜刃74がPTPフィルム16を打抜く。その結果、図7に示すようなPTPシート28がPTPフィルム16から分離される。前記ゲージピン76、ゲージ穴77、ゲージ孔83が同一位置に配置されるように位置合わせが直前に行われていることで、各PTPシート28の周囲が、前記各孔81,82の鋭角部分と完全に整合したものとなる。
【0091】
以上のようにして、図7(a)に示したとおりのPTPシート28を得ることができる。このPTPシート28は、各スリット84,85部分でポケット部7単位のシート小片87に切り離すと、図7(b)に示したとおり4隅が丸み88をもった滑らかな円弧となる。
【0092】
このようなシート小片87の4隅が丸み88をもつPTPシート28は、パンチ穴打抜工程においてゲージ孔83を打抜形成しておき、これを基準として後工程であるスリット成形工程及びシート打抜工程を経るようにしたことによって、量産ベースでの製造が可能となる。
【0093】
なお、上記スリット成形工程において各スリット84,85を成形するのに代えて、ミシン目を成形するようにしてもよい。これは、各スリッタ刃54,55に代えて、ミシン刃を使用するとともに、固定型51側にミシン刃が食い込む凹溝を形成することで容易に変更可能である。
【0094】
また、PTPシート28をPTPフィルム16の幅方向に2枚同時に製造するのに代え、3枚以上製造するようにしてもよく、また1枚づつ製造するようにしてもよい。
【0095】
また、PTPシート28を1枚につき、幅方向に5個で移送方向に2列とした計10個のシート小片87が備えられるものとしたが、幅方向の個数、移送方向の列数は任意に設定すればよい。
【0096】
また、ゲージ孔83を、パンチ穴打抜工程において各孔81,82と同時に打抜くようにしたが、パンチ穴打抜工程よりも前工程においてゲージ孔83を打ち抜くようにしてもよい。この場合、パンチ穴打抜工程においても、後工程であるスリット成形工程やシート打抜工程の場合と同様、ゲージピンを用いて該ゲージピンとゲージ孔83との位置関係を整合させた状態で各孔81,82を打ち抜けばよい。
【0097】
また、位置決め用のゲージ孔83をPTPフィルム16の幅方向両端に一対設けたが、位置決めのためにはゲージ孔83が少なくとも1つあればよい。ただし、一対設けた方が位置決め精度を確保する上で好ましい。勿論、ゲージ孔83を3つ以上利用してもよい。
【0098】
更に、位置決め用のゲージ孔83に代えて、PTPフィルム16の幅方向端部に、例えば半円状等のゲージ切欠を形成してもよい。また、ゲージ用突起を設けてもよいが、この場合、上記実施の形態のものよりもPTPシート28の製造が困難となる。
【0099】
更に又、位置決め用のゲージ孔83は円形状でなくてもよく、例えば多角形状にする等の変更は可能であるが、円形状である方がゲージ用打抜パンチ49等の製造設備の製作が容易になるばかりか、テーパ部56b、76bに案内され易いため位置決めも確実且つ容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態に係るPTPシートの製造過程を示し、PTPフィルムの変化を説明するための一部省略平面図である。
【図2】 PTP包装機の全体構成を示す概略図である。
【図3】 パンチ穴打抜装置の斜視図である。
【図4】 スリット成形装置の斜視図である。
【図5】 スリット成形装置のゲージピン周辺構成に係り、(a)はゲージピン差し込み前の状態を示す一部断面図、(b)はゲージピン差し込み後の状態を示す一部断面図である。
【図6】 シート打抜装置の斜視図である。
【図7】 シート小片の4隅に丸みをもたせたPTPシートを示し、(a)はPTPシートの平面図、(b)はシート小片の平面図である。
【図8】 従来のPTPシートを示し、(a)はPTPシートの平面図、(b)はシート小片の平面図である。
【図9】 シート小片の4隅に丸みをもたせたPTPシートの失敗例を示し、(a)はPTPシートの平面図、(b)及び(c)はシート小片の平面図である。
【符号の説明】
1…PTP包装機、7…ポケットとしてのポケット部、16…フィルムとしてのPTPフィルム、20…チップ片打抜手段としてのパンチ穴打抜装置、21,25…調節部材としてのテンションロール、23…切離線成形手段としてのスリット成形装置、27…シート打抜手段としてのシート打抜装置、28…PTPシート、32…不要フィルム部、46,49…位置合せ部成形手段としてのゲージ用パンチ穴及びゲージ用打抜パンチ、56,57,76,77…位置合せ手段としてのゲージピン及びゲージ穴、81,82…孔、83…位置合せ部としてのゲージ孔、84,85…切離線としての縦スリット及び横スリット、87…シート小片、88…丸み。
Claims (7)
- 複数のポケットを備えたPTPシートであって、前記各ポケット単位のシート小片に切離したとき該シート小片の隅部に丸みがあるPTPシートを、帯状のフィルムを移送しつつ該フィルムから打抜いて得るための、PTPシート製造装置において、
前記PTPシートを前記シート小片に切離したとき該シート小片の隅部に丸みをもたせるべく、各シート小片の隅部に対応して打抜パンチにて前記フィルムからチップ片を打抜くことにより孔を形成するチップ片打抜手段と、
前記PTPシートを前記シート小片に切離すための切離線を、前記チップ片打抜手段を経た前記フィルムに形成する切離線成形手段と、
前記切離線成形手段を経た前記フィルムからPTPシート単位にその外縁を打抜くシート打抜手段と
を備え、
前記チップ片打抜手段は、少なくともPTPシートの外周部のうち、隣り合うPTPシートに対応する部分においては前記孔として4個の凹曲線を菱形状に配置した星屑形状の孔を形成するものであり、また、
前記チップ片打抜手段には、前記フィルムの一部に位置合せ部を設ける位置合せ部成形手段を設け、
前記切離線成形手段及び前記シート打抜手段には、前記位置合せ部成形手段によって成形された位置合せ部を利用して、前記チップ片打抜手段により形成される孔と、前記切離線成形手段により形成される切離線との位置合せ或いは前記シート打抜手段によるPTPシートの外縁との位置合せを行う位置合せ手段をそれぞれ設けたことを特徴とするPTPシート製造装置。 - 前記位置合せ部は前記フィルムに形成されるゲージ孔である請求項1に記載のPTPシート製造装置。
- 前記ゲージ孔は円形状をなしている請求項2に記載のPTPシート製造装置。
- 前記ゲージ孔への位置決めは、ゲージピンを前記ゲージ孔に差し込むことにより行うよう構成されたものである請求項2又は請求項3に記載のPTPシート製造装置。
- 前記位置合せ部は前記フィルムの幅方向両端にそれぞれ少なくとも1つづつ設けられるように構成されたものである請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のPTPシート製造装置。
- 前記位置合せ部はPTPシートとして打ち抜かれる部分を除いた不要フィルム部に形成されるように構成されたものである請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のPTPシート製造装置。
- 前記位置合せ部を利用して位置合せした状態を保持しつつ、前記切離線成形手段による切離線の形成、或いはシート打抜手段によるPTPシートの外縁の打抜を行うようにした請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のPTPシート製造装置。
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