JP4905111B2 - 操舵アシスト装置 - Google Patents

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Description

本発明は、パワーステアリング装置に設けられる操舵アシスト装置に関する。
可逆式ポンプを使用してパワーシリンダ装置に流体圧を供給することで操舵アシストを行うパワーシリンダ装置としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。このパワーシリンダ装置では、可逆式ポンプが吐出する作動油の一部を油圧パワーシリンダの油圧回路外であるリザーバに排出する排出路及び排出弁を各シリンダ室にそれぞれ連通し、操舵後のハンドル保舵状態においては、モータが停止しない程度に排出弁を開放し、ポンプ吐出油をリザーバに排出する。これによってモータにかかる負荷が低減されて、モータの回転を維持可能となる。
特開2002−145088号公報
前記従来技術においては、ハンドル保舵状態では、低圧側のシリンダ室の圧を大気圧に近づけるために低圧側のシリンダ室の排出弁を開放してリザーバに連通しており、また、高圧側のシリンダ室の排出弁においても、モータが停止しない程度に流量を調整するため、リザーバに連通している。
このため、前記保舵の状態から、保舵方向と反対側にハンドルを切り返す場合、切り返す瞬間は、左右排出弁が共に開放されている状態であり、コントローラが操舵状態を認識し排出弁を閉じるまでは、その状態が継続される。従って、その排出弁が閉じるまでの間はハンドルを転舵しても、ポンプにより吐出される高圧側シリンダ室ヘの吐出油と、ポンプの吸い込みによる低圧側シリンダ室の吸い込み作動油の一部がリザーバに排出されてしまう。その結果、シリンダを作動させるための流量が不足してしまうことで、要求されるアシスト力を発生できないことから、ハンドル操舵力が急上昇するおそれがある。
前記現象は、据え切り時のようなラック負荷が高負荷の場合や、ポンプ回転数が低くて流量が不足しがちな場合に、より顕著に現れる傾向にある。
本発明は、前記のような点に着目してなされたもので、据え切り時にモータに掛かる負荷を低減出来ると共に、ハンドルの切り返し時でもハンドルの操舵力の急増を抑制することを課題としている。
前記課題を解決するために、本発明は、ピストンで2つのシリンダ室に区切られたパワーシリンダと、モータに駆動されて前記2つのシリンダ室に流体圧を供給可能な可逆式ポンプと、を備え、前記2つのシリンダ室に供給する流体圧によってハンドルの操舵をアシストする操舵アシスト装置において、
前記2つのシリンダ室の連通を制御する制御弁を介挿されたバイパス路を備え、据え切り状態と判断すると、モータの回転数が所定値以上になるように、バイパス路を2つのシリンダ室を連通する連通状態に制御すると共に電動モータの回転数が増大するように電動モータを制御する。
本発明によれば、据え切り時に、モータに掛かる負荷を低減出来ると共に、ポンプから吐出された流体がバイパス路を通じて、再びポンプに吸引されることで、パワーシリンダを駆動するための流量の減少が抑制される結果、ハンドルの切り返し時でもハンドル操舵力の急増を抑制することが可能となる。
(第1実施形態)
次に、本発明の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る操舵アシスト装置を有する電動パワーステアリング装置の概要構成図である。
(構成)
まずステアリング装置の構成について説明すると、ハンドル1にステアリングシャフト2が連結し、ハンドル1の操舵がステアリングシャフト2を介してラックアンドピニオン3に伝達されることで、操舵に応じてステアリングラック4が車幅方向の一方に変位し、もってタイロッド(不図示)を通じて左右の車輪(不図示)を転舵する構成となっている。
前記構成のステアリング装置に、操舵をアシストする操舵アシスト装置100が装備されている。その操舵アシスト装置100は、パワーシリンダ6、可逆式流体圧ポンプとしての油圧ポンプ7、その油圧ポンプ7を駆動するモータ8、ステアリングシャフト2に入力した操舵トルクTqを検出するトルクセンサ9、ハンドル1の操舵角を検出する操舵角センサ19,及びトルクセンサ9の検出した操舵トルクTqに基づき前記モータ8を制御するコントローラ10を備える。
前記パワーシリンダ6は、前記ステアリングラック4と同方向に軸を向けて配置されると共に、シリンダチューブ内を2つのシリンダ室6b、6cに区画するピストン6aがステアリングラック4に結合している。パワーシリンダ6の2つのシリンダ室6b、6cはそれぞれ第1及び第2の連通路11,12を介して油圧ポンプ7に接続されている。油圧ポンプ7は、例えばモータ8によって駆動される外接式の歯車ポンプで、正逆回転方向が変更されることで作動油の吐出方向が変更されて、第1若しくは第2の連通路11,12を介してシリンダ室6b、6cの一方に作動流体である作動油を供給する可逆式ポンプとなっている。
前記2つの連通路11,12間はバイパス路13で連通されることで、そのバイパス路13によって2つのシリンダ室6b、6cを連通可能となっている。
また、バイパス路13の途中には、バイパス路13の連通状態を制御する、電磁制御弁14が介挿されている。この電磁制御弁14の状態は、コントローラ10によって制御される。前記電磁制御弁14は、例えば図2のような構成になっている。すなわち、前記バイパス路13の一方のシリンダ室6b側に連通する第1ポート14A、バイパス路13の他方のシリンダ室6c側に連通する第2ポート14B、及びリザーバ16に対し逆止弁15を介して連通する第3ポート14Cの3つのポートを有し、電磁ソレノイドで駆動されるスプール17の位置によって、次に示す3つのモードのいずれかを取るようになっている。すなわち、第1のモードは、図2(a)のように、第2ポート14Bと第3ポート14Cを連通する状態であり、第2のモードは、図2(c)のように第1ポート14Aと第3ポート14Cを連通する状態であり、第3のモードは、図2(b)のように、第1ポート14Aと第2ポート14Bを連通した状態である。これによって、第1及び2のモードに制御することで、第1及び第2の連通路11,12の一方がリザーバ16に連通してバイパス路13は連通量ゼロ(遮断)の状態となり、第3のモードに制御することで、第1及び第2の連通路11,12がバイパス路13を通じて連通状態になる。なお、前記スプール17は、電磁ソレノイドが非作動の状態では、スプリングによって第3のモードの位置となるように設定されている。
ここで、前記第1及び第2の連通路11,12のバイパス路13の連通位置よりもポンプ7側には、それぞれ逆止弁18を介してリザーバ16が連通していて、リザーバ16からもポンプ7に油を吸い込み可能となっている。
前記コントローラ10は、図3に示すように、基本アシスト指令値演算部10A、加算部10B、モータ制御部10C、ハンドル切り返し判定部10D、操舵速度演算部10E、据え切り判定部10F、バルブ連通制御部10G、及びバルブ制御部10Hを備える。
基本アシスト指令値演算部10Aは、トルクセンサ9、操舵角センサ19、モータ角度センサ、車速センサからのセンサ情報を入力し、これらの入力情報に基づいて基本アシスト指令値Taを演算し、演算した基本アシスト指令値Ta(電流指令値)を、加算部10B及びバルブ連通制御部10Gに出力する。
加算部10Bでは、基本アシスト指令値Taに対し、バルブ連通制御部10Gからのリーク補正指令値Ta′を加算して補正してアシスト指令値を算出して、モータ制御部10Cに出力する。
モータ制御部10Cは、入力したアシスト指令値に基づきモータ電流指令値Trを算出して、そのモータ電流指令値Trとなるようにモータ8を駆動制御する。モータ8はポンプ7を駆動し、油圧をピストンで区切られた左右のシリンダ室6b、6cにかけることによって、目標とするアシスト力を発生する。
ハンドル切り返し判定部10Dは、操舵角センサ19から操舵角度θhを入力し、その操舵角度θhの符号が反転することでハンドル1の切り返しを検出し、ハンドル1の切り返しを検出するとハンドル切り返しフラグReを「1」に設定する。ハンドル切り返しフラグReは、「1」に設定された後、所定時間後に「0」に復帰する。
操舵速度演算部10Eは、操舵角度θhから操舵速度ωhを演算し、演算した操舵速度ωhをバルブ連通制御部10Gに出力する。
据え切り判定部10Fは、モータ位置θf、操舵トルクTq、車速Vに基づく据え切りの判定を行い、据え切りと判定すると、据え切りフラグStを「1」にする。ここで、一般的に車速0km/hでの操舵時(据え切り時)における車両のラック負荷に比較して、車速40km/hでの操舵時のラック負荷は約5分の1程度になる。このような特性から、車速40km/h時で必要なアシスト力は、据え切り時に比較し小さくなることから、操舵トルクTq及び、モータ8の回転数からラック負荷の概算を推定して、据え切りを判定している。
その据え切り判定部10Fの処理を、図4を参照して説明する。
据え切り判定部は、所定のサンプリングタイム毎に作動して、まずステップS10にて、操舵トルクTq、モータ位置θf、車速Vを読み込み、続いて、ステップS20にて、モータ位置θfの微分を行ってモータ回転数ωθを算出してステップS30に移行する。
ステップS30では、モータ回転数ωθに基づき、例えば直近の6回分のモータ回転数からモータ回転数の移動平均ωmaを算出してステップS40に移行する。なお、移動平均値が求められるサンプル数(例えば、6)に達するまでは、現在のモータ回転数ωθを移動平均値とする。
ステップS40では、車速が極低速以下と判定できる速度(例:5km/h以下)か否かを判定し、極低速度以下と判定した場合には、ステップS50に移行し、そうでない場合にはステップS60に移行する。
ステップS60では、据え切りフラグStを「1」にして処理を終了する。ここで、本発明の据え切り時とは、車速がゼロ(車両停止)若しくは車両停止に近い極低速の車速状態においてハンドル1の操作が行われる場合を言う。
ステップS40において、車速センサの異常または通信異常等によって正確な車速が不明の場合、もしくは、極低速度よりも車速が大きいと判定されてステップS60に移行すると、ラック負荷から据え切り状態を推定する。
すなわち、ステップS60では、操舵トルクTqが据え切り状態のトルク(操舵トルクが3Nmより大きい)か否かを判定し、据え切り状態のトルクと判定した場合には、ステップS70に移行し、据え切り状態のトルクと判定しない場合には、ステップS80に移行する。
ステップS70では、モータ回転移動平均ωmaが所定の範囲内(例えば0<ωma≦1000rpm)であれば、ステップS50に移行し、モータ回転移動平均ωmaが前記範囲外と判定した場合には、ステップS80に移行する。
ステップS80では、据え切りフラグStを「0」に設定して処理を終了する。
ここで、前記ステップS60及びステップS70の処理においては、車両実験等から求めた、据え切り状態のトルク及び、モータ回転数の移動平均に対し閾値に設定し(例:操舵トルク3Nm、モータ回転数1000rpm以下)、操舵トルク値Tqが所定値以上で、モータ回転数の移動平均ωmaが所定範囲内にある場合は、ラック負荷が据え切り相当であると判断して、ステップS80にてフラグStを「1」に設定している。前記所定値は適用される車両により異なるので、例えば、車速が明確な状態での据え切り時のデータを随時処理記憶し、閾値としてもよい。
また、前記バルブ連通制御部10Gは、電磁制御弁14によるバルブ連通量Vstを演算するバルブ連通量演算部10Gbと、リークに応じたモータ回転数の増加量補正値を演算するリーク補正演算部10Gaと、からなる。
まず、バルブ連通量制御部の処理について、図5を参照しつつ説明する。
バルブ連通量制御部は、所定サンプリングタイム毎に作動して、まず、ステップS100にて、操舵トルクTq、操舵速度ωh、車速V、ハンドル切り返しフラグRe、前記据え切り判定フラグStを読み込み、ステップS110に移行する。
ステップS110では、操舵トルク微分値Tq′を演算してステップS120に移行する。
ステップS120では、車速が高い(例えば車速が40km/h以上)ことでラック負荷が低い状態か否かを判定し、車速が高いと判定した場合にはステップS200に移行し、そうでない場合にはステップS130に移行する。
ステップS130では、操舵速度ωhが高回転(例えば操舵速度200deg/s以上)と判定した場合には、トルク変動が出にくい状態と判定してステップS200に移行し、そうでない場合には、ステップS140に移行する。
ここで、前記ステップS120及びステップS130は、バイパス路13の連通が必要か否かを判定しており、上述のように所定車速以上となってラック負荷が低いと推定される場合やモータ8が所定回転数以上の駆動状態となってトルク変動が出にくい状態と判定した場合には、電磁制御弁14の連通が不要と判断し、電磁制御弁14が連通状態であれば徐々に連通量をゼロに漸減する処理を行うべく、後述のステップS200に移行する。
また、ステップ140では、徐減フラグDeを「0」に設定してステップS150、S160,及びS170の処理を実行した後にステップS180に移行する。
ステップS150では、0.5を最大として、操舵トルク微分値Tq′が大きいほど大きくなる、操舵トルク微分ゲインTgを算出する。操舵トルク微分ゲインTgは、切り返し時の瞬間など、操舵トルク微分値Tq′が大きくなる場合に連通量が大きくなるように、ゲインを設定する。
ステップS160では、0.5を最大値として、操舵速度ωhが高くなるほど小さくなる操舵速度ゲインωgを算出する。操舵速度ゲインωgは、モータ8のコギングトルク等によるモータ8の軸負荷変動によるトルク変動が、操舵速度ωhが低い場合は、大きく、一方、操舵速度ωhが高くなるにつれトルク変動が小さくなるという本システムの特性から、操舵速度ωhが低い場合は連通量を上げ、高くなるにつれ連通量を下げる設定を行う。
ステップS170では、操舵状態に応じて、ラック負荷が大きいほど大きくなる操舵状態ゲインSgを算出する。具体的には、据え切り時か否かと、切り返し時か否かに基づき操舵状態ゲインSgを算出する。この操舵状態ゲインは、据え切り時と判定するほど大きな値に設定されると共に、切り込み時よりも切り返し時の方が大きくなるように設定される。操舵状態ゲインSgは、据え切り時とそうでないとき、また切り返し時と切り込み時で必要なアシスト量及びトルク変動幅が異なることから、それぞれRe、Stのフラグの組み合わせでゲインSgを設定する。特に据え切り時でハンドル切り返しの場合は、変動が大きい事から連通量を高く設定する。
ステップS180では、前記操舵トルク微分ゲインTg、操舵速度ゲインωg、操舵状態ゲインSgの基づき、下記式によってバルブ連通量Vstを演算して、ステップS190に移行する。
Vst=100×Tg×ωg×Sg
ステップS190では、バルブ連通量Vstをバルブ制御部10Hに出力して処理を終了する。
一方、連通不要、つまり通常走行状態での通常転舵時と判定されてステップS200に移行すると、徐減中か、すなわち徐減フラグDeが「1」か否かを判定する。徐減フラグDeが「1」の場合には、ステップS240に移行し、徐減フラグDeが「0」で徐減開始と判定した場合にはステップS210に移行する。
ステップS210では、現在のバルブ連通量、つまり徐減開始時のバルブ連通量をMVstに記憶してステップS220に移行する。
ステップS220では、下記式に基づきバルブ連通量Vstを小さくしてステップS230に移行する。なお、Vstが負値の場合にはゼロとする。
Vst = Vst −(MVst/10)
ステップS230では、徐減フラグDeに「1」を設定してステップS190に移行する。
ステップS240では、下記式に基づきバルブ連通量Vstを小さくしてステップS190に移行する。なお、Vstが負値の場合にはゼロとする。
Vst = Vst −(MVst/10)
次に、リーク補正演算部10Gaの処理について説明する。
ここで、リーク補正演算部10Gaでは、リーク補正として、電磁制御弁14の連通による作動油のバイパス路13を通じたリーク(高圧側から低圧側への作動油の移動)が原因のアシスト力低下を防止するための、通常のアシスト指令に加える補正アシスト指令を求める。すなわち、本リーク補正によるトルク補正は、電磁制御弁14がバイパス路13を連通させた状態に制御されることによるリークがあっても、操舵力を連通していない状態の操舵力に保つために設定するものである。一般的にバイパス路13の連通量が増えると、リーク量は2次的に増加することから、後述のように、本実施例における補正ゲインRgもバルブ連通量Vstの関係から設定している。
その処理について図6を参照しつつ説明すると、所定サンプリング時間単位に作動して、まずステップS300にてバルブ連通量Vst、基本アシスト指令値Ta、を読み込んで、ステップS310に移行する。
ステップS310では、バルブ連通量Vstに基づき、0.25を最大値として、該バルブ連通量が大きいほど大きくなるようにして、リーク量補正ゲインRgを演算してステップS320に移行する。
ステップS320では、下記式に基づきリークによるアシストのトルク低下を補償するリーク補正指令値Ta′を演算し、加算部10Bに出力して処理を終了する。
Ta′ = Ta×Rg
バルブ制御部10Hは、バルブ連通量Vstに基づき、前記電磁制御弁14を通じて、バイパス路13の連通量及び連通方向を制御する。すなわち、徐減フラグDeが「0」で有れば、電磁制御弁14を第3のモードに制御し、第1ポート若しくは第2ポートの開度を調整することでバイパス路13の連通量(開度)を制御する。一方、徐減フラグDeが「1」で有れば、低圧側のシリンダ室6b、6c側がリザーバ16に連通する方向にスプールを移動、つまりポンプ7の吐出方向に応じて第1若しくは第2のモードの一方となるように制御する。
ここで、基本アシスト指令値演算部10A、加算部10B、モータ制御部10C、及びリーク補正演算部10Gaがモータ制御手段を構成し、加算部10B、及びリーク補正演算部10Gが駆動力補正手段を構成する。バルブ連通量演算部10Gb及びバルブ制御部10Hが弁制御手段を構成する。据え切り判定部10Fが据え切り検出手段を構成する。操舵速度演算部10Eが操舵速度検出手段を構成する。
(作用効果)
(1)車両停止時若しくは車両停止時に近い極低速状態でハンドル1が操作されて据え切りと判定され、ハンドル1の操舵速度ωhが所定速度以下の低い操舵速度と判定されると、電磁制御弁14は第3のモードとなってバイパス路13を通じて左右のシリンダ室6b、6cが連通状態となる。
このとき、前記連通によるアシスト低下を補償するために、モータ8の駆動力を増大、すなわちモータ8の回転数を増大することで、バイパス路13で左右のシリンダ室6b、6cを連通してもアシスト力の低下を抑えることが出来る。
また転舵した状態で保舵されても、高圧側の作動油の一部はバイパス路13を通じて低圧側に移動し、ポンプ7から吐出された作動油の一部がリザーバ16に排出されることなく、再びポンプ7に吸われることで、油圧回路内の流量の減少が抑制される。また、ポンプ7から吐出される作動油の一部が低圧側に流れることで、モータ8にかかる負荷が低減されて、モータ8の回転数が所定以下であっても、ポンプ7の駆動フリクションや脈動によって停止する回転速度までモータ回転速度が低下することが防止されて、モータ8の回転数を所定値以上に維持出来るようになる。特に、バイパス路13を通じたリーク分だけモータ8の駆動が増大補正されて回転数も増大するように補正されているので、前記作用がより確実に発揮される。このように、保舵時のトルク変動も抑制することが可能となる。
さらに、前記のような保舵状態からハンドル1の切り返しの転舵がなされて、シリンダ室6b、6cの高圧側と低圧側が切り替わっても、上述のように、ポンプ7から吐出された作動油がリザーバ16に排出されることなく、再びポンプ7に吸われることで、回路内の流量の減少が抑制されている。このように、ハンドル1の切り返し時でも操舵力の急増加を抑制する事ができる。
図7にそのときの装置状態とタイムチャート例を示す。
第1及び第2の連通路11,12はバイパス路13で連通状態であるので、圧変動は、第1及び第2の連通路11,12間の作動油の移動によって吸収されて、トルク変動は小さく抑えられる。
また、第1及び第2の連通路11,12はバイパス路13で連通状態であるので、モータ回転数の上昇と共にスムーズにシリンダ室内の油圧が上昇し易くなる。
(2)また、前記電磁制御弁14による連通量(開度)を操舵状況に併せて調整することで、急激な油圧変動を抑制することが出来る。
特に、据え切り時において、転舵状況に合わせた連通量で流量を調整する事により、操舵力の変動及び、過不足の発生を抑制することが出来る。
図8に、そのタイムチャート例を示す。
この例では、据え切り時の切り返し時に連通量を増大することで、急激な油圧変動の発生を低減している。
更に、図8のように、ポンプ7を駆動する電動モータ8の駆動力(回転数)を、操舵状況及び、バイパス路の連通量に基づき、増加量を調整しているので、適切なアシスト力を過不足なく発生させることができ、不要に操舵力が増減する事を防止することができる。
(3)また、据え切りか否かの判定として、車速が所定値以下もしくは、操舵トルクTqが所定値以上かつモータ回転数の移動平均が所定の範囲内と判断された場合に、据え切り状態と判定しているので、車速センサ異常、通信異常等で、車速が不明確な場合でも、車両の据え切り状態を判定することができる。
センサ異常発生時のタイムチャート例を図9に示す。
車速センサの信号が異常となっても、操舵トルクTqが所定値以上かつモータ回転数の移動平均を参照することで、車速に頼らずに据え切り状態を推定可能となる。
これは、据え切り時は、操舵トルクTqが所定以上の値を取るものであり、また、経験上、据え切り時はモータ回転数の移動平均値は所定範囲内に収まっていることに基づくものである。
(4)さらに上述のようにバイパス路13を連通状態とした後に、車速が所定車速以上となってラック負荷が小さくなったと推定したり、ハンドル1の操舵速度が所定操舵角速度以上となってモータ8の回転数が高回転域の回転数となったりした場合には、バイパス路13の連通を閉じることで、トルク変動抑制の制御が不要な状況では、制御の継続を停止することが出来る。
図10にそのときのタイムチャート例を示す。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、前記各実施形態と同様な部品などについては同一の符号を付して説明する。
(構成)
本実施形態の基本構成は、図11に示すように、前記第1実施形態と同様であるが、次の点で構成が異なる。
すなわち、バイパス路13に設ける電磁制御弁14を、連通状態又は遮断状態に切換える電磁開閉弁32とする。
また、前記バイパス路13とは別に第1及び第2の連通路11,12を接続する第2のバイパス路30を備え、そのバイパス路30に対してリザーバ16に連通させるための方向制御弁31を設けた。すなわち、左右のシリンダ室6b、6cを連通させるためのバイパス路13及び弁32と、低圧側のシリンダ室6b、6cをリザーバ16に連通するバイパス路30及び弁31とを別体に構成している。
図12に方向制御弁31の概要構成を示す。この方向制御弁31は、低圧側のシリンダ室6b、6cとリザーバ16が逆止弁(不図示)を介して連通させるもので、電磁弁であっても良いし、圧をパイロットとしてスプールが作動するように構成しても良い。図11では電磁弁の場合を例示している。
さらに、バルブ制御部10Hからの指令によって、電磁開閉弁32をPWM制御などによって連通状態と遮断状態の時間を制御することで、バイパス路13の連通量を制御するものである。例えば図13のようにデューティ比を変更することで、バイパス路13の連通量(連通率)を変更することが可能である。
その他の構成は、前記第1実施形態と同様である。
(作用効果)
(1)本実施形態の基本的な作用効果は、前記第1実施形態と同様である。
(2)ただし、バイパス路13の連通量の制御を、電磁開閉弁32の開閉の繰り返しで行うので、流量を制御するため、高価なスライディングバルブの替わりに安価な開閉弁を使用することが出来る。
(3)ここで、本実施形態では、据え切り時であって操舵速度が所定速度以下であって、バイパス路13で左右のシリンダ室6b、6cが連通した状態とときにも、低圧側のシリンダ室6b、6cを第2のバイパス路13を通じてリザーバ16に連通している。
この場合、低圧側がリザーバ16に連通しており、切り返しによって方向制御弁31が切り替わるまでの間、ポンプ7吐出側のシリンダがリザーバ16に連通した状態となってその分の圧抜けが考えられるが、高圧側の作動油がバイパス路13を通じて低圧側に流れ込んでいるので、切り返しによって吐出側と吸い込み側が切り替わっても、アシスト力の低下を小さく抑えることが出来る。
本発明に基づく第1実施形態に係る装置構成の概要図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る電磁制御弁を説明する図である。 本発明に基づく第1実施形態に係るコントローラの構成を説明する図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る据え切り判定部の処理を説明する図である。 本発明に基づく第1実施形態に係るバルブ連通量演算部の処理を説明する図である。 本発明に基づく第1実施形態に係るリーク補正演算部の処理を説明する図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る作用効果を説明する図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る作用効果を説明する図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る作用効果を説明する図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る作用効果を説明する図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る装置構成の概要図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る方向制御弁を説明する図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る電磁開閉弁の制御例を示す図である。
符号の説明
1 ハンドル
2 ステアリングシャフト
4 ステアリングラック
6 パワーシリンダ
6a ピストン
6b、6c シリンダ室
7 可逆式ポンプ
8 モータ
9 トルクセンサ
10 コントローラ
10A 基本アシスト指令値演算部
10B 加算部
10C モータ制御部
10D ハンドル切り返し判定部
10E 操舵速度演算部
10F 据え切り判定部
10G バルブ連通制御部
10Ga リーク補正演算部
10Gb バルブ連通量演算部
10H バルブ制御部
13 バイパス路
14 電磁制御弁
16 リザーバ
19 操舵角センサ
30 バイパス路
31 方向制御弁
32 電磁開閉弁
100 操舵アシスト装置
Ta 基本アシスト指令値
Ta′リーク補正指令値
Tq 操舵トルク
Tr モータ電流指令値
Vst バルブ連通量
θh 操舵角度
ωh 操舵速度
ωθ モータ回転数
ωma モータ回転移動平均

Claims (6)

  1. ピストンで2つのシリンダ室に区切られたパワーシリンダと、前記2つのシリンダ室に流体圧を供給可能な可逆式ポンプと、その可逆式ポンプを駆動する電動モータと、車両のハンドルに入力される操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、前記操舵トルクに基づき前記電動モータの駆動を制御するモータ制御手段と、を備え、前記2つのシリンダ室に供給する流体圧によってハンドルの操舵をアシストする操舵アシスト装置において、
    前記2つのシリンダ室を連通すると共に油路を介してリザーバに連通するバイパス路と、そのバイパス路の連通を調整し前記バイパス路で2つのシリンダ室を連通している状態ではバイパス路からリザーバへの前記油路を閉じる制御弁と、前記制御弁を介してバイパス路の連通を調整する弁制御手段と、車両の据え切り状態を検出する据え切り検出手段と、を備え、
    前記据え切り検出手段で据え切り状態と判断すると、前記電動モータのモータ回転数が所定値以上になるように、前記弁制御手段は、バイパス路を2つのシリンダ室を連通する連通状態に制御し、前記モータ制御手段は、電動モータの駆動力が増大するように駆動力を補正することを特徴とする操舵アシスト装置。
  2. 前記弁制御手段は、前記ハンドルの操舵状態に応じて、シリンダ室の流体圧変動が小さくなる方向に、前記バイパス路の連通量を変化することを特徴とする請求項1に記載した操舵アシスト装置。
  3. 前記制御弁は、連通状態又は遮断状態に切換える開閉弁であり、前記弁制御手段は、その開閉弁の連通状態と遮断状態の時間を制御することで前記バイパス路の連通量を調整することを特徴とする請求項1または請求項2に記載した操舵アシスト装置。
  4. 前記モータ制御手段は、操舵状態およびバイパス路の連通量に基づき、前記増大補正する駆動力の補正量を変更することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した操舵アシスト装置。
  5. 前記据え切り検出手段は、車速が所定値以下、または、前記操舵トルクが所定値以上で且つモータ回転数が所定の範囲内と判断された場合に、据え切り状態と判定することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載した操舵アシスト装置。
  6. ハンドルの操舵速度を検出する操舵速度検出手段を備え、
    前記弁制御手段は、車速が所定値以上、若しくはハンドルの操舵速度が所定操舵速度以上と判定すると、バイパス路の連通量をゼロにすることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載した操舵アシスト装置。
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