JP3860997B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の運転状況や走行状況に基づいて、パワーシリンダに供給する流量を制御するパワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5、図6に、従来例のパワーステアリング装置を示す。
図5に示すように、油圧制御機構Yは、その流量制御弁Vのスプール1の一端を一方のパイロット室2に臨ませ、他端を他方のパイロット室3に臨ませている。
上記一方のパイロット室2は、ポンプポート4を介してポンプPに常時連通している。また、他方のパイロット室3にはスプリング5を介在させている。このようにした両パイロット室2,3は、可変オリフィスaを介して互いに連通している。この可変オリフィスaの開度は、弁体13の位置によって決まり、この弁体13の位置は、ソレノイドSOLの励磁電流Aによって制御するようにしている。つまり、ソレノイドSOLの励磁電流Aによって、可変オリフィスaの開度を制御するようにしている。
【0003】
上記一方のパイロット室2は、流路6→可変オリフィスa→流路7を経由してパワーシリンダ8を制御するステアリングバルブ9の流入側に連通している。また、他方のパイロット室3は、流路10および流路7を介してステアリングバルブ9の流入側に連通している。
したがって、上記両パイロット室2、3は、可変オリフィスaを介して連通することになり、可変オリフィスaの上流側の圧力が一方のパイロット室2に作用し、下流側の圧力が他方のパイロット室3に作用することになる。
【0004】
そして、スプール1は、一方のパイロット室2の作用力と、他方のパイロット室3の作用力およびスプリング5で発生する作用力の合計とがバランスした位置を保つが、そのバランス位置において、前記ポンプポート4とタンクポート11との開度が決められる。
上記のようにした流量制御弁Vは、エンジン等からなるポンプ駆動源12が停止していると、ポンプポート4に圧油が供給されない。ポンプポート4に圧油が供給されなければ、両パイロット室2、3には圧力が発生しないので、スプール1はスプリング5の作用で図示のノーマル位置を保つ。
【0005】
上記の状態からポンプ駆動源12が駆動して、ポンプPから吐出された圧油がポンプポート4に供給されると、可変オリフィスaに流れができるので、そこに差圧が発生する。この差圧の作用で、両パイロット室2、3に圧力差が発生し、この圧力差に応じてスプール1がスプリング5に抗して移動し、上記したようにバランスを保つ。
このようにスプール1がスプリング5に抗して移動することによって、タンクポート11の開度を大きくするが、このときのタンクポート11の開度に応じて、ステアリングバルブ9側に導かれる制御流量QPと、タンクTあるいはポンプPに還流される戻り流量QTの分配比が決まる。言い換えれば、タンクポート11の開度に応じて制御流量QPが決まることになる。
【0006】
上記のように制御流量QPが、スプール1の移動位置で決まるタンクポート11の開度に応じて制御されるということは、結局は、可変オリフィスaの開度に応じて制御流量QPが決まることになる。なぜなら、スプール1の移動位置は、両パイロット室2、3の圧力差で決まるとともに、この圧力差を決めているのが可変オリフィスaの開度だからである。
したがって、車速や操舵状況に応じて、制御流量QPを制御するためには、可変オリフィスaの開度を制御するソレノイドSOLの励磁電流を制御すればよい。
【0007】
一方、上記ステアリングバルブ9は、図示していないステアリングホィールの入力トルク(操舵トルク)に応じて、パワーシリンダ8への供給流量を制御するものである。例えば、操舵トルクが大きければ、ステアリングバルブ9の切り換え量も多くなり、流路7とパワーシリンダ8との連通開度が大きくなる。そのため、パワーシリンダ8に大流量が供給されてアシスト力も大きくなる。これに対して操舵トルクが小さければ、ステアリングバルブ9の切り換え量も少なくなり、流路7とパワーシリンダ8との連通開度が小さくなる。そのため、パワーシリンダ8に供給される流量も少なくなりアシスト力も小さくなる。
なお、上記操舵トルクとステアリングバルブ9の切り換え量との関係は、図示していないトーションバーなどのねじれ反力によって決めるようにしている。
【0008】
上記のように操舵トルクによって決まるパワーシリンダ8の必要(要求)流量QMと、流量制御弁Vによって決まる制御流量QPとを、なるべく等しくすれば、ポンプP側のエネルギー損失を低く抑えることができる。なぜなら、ポンプP側のエネルギー損失は、制御流量QPとパワーシリンダ8の要求流量QMとの差によって発生するからである。そして、制御流量QPを、パワーシリンダ8の要求流量QMにできるだけ近づけるために、可変オリフィスaの開度を制御するのがソレノイドSOLに対する励磁電流であり、この励磁電流を制御するのが、コントローラCである。
【0009】
上記コントローラCには、操舵角センサ16と車速センサ17を接続し、これら両センサの出力信号に基づいて、ソレノイドSOLの励磁電流を制御するようにしている。また、このコントローラCとソレノイドSOLとの間には、ソレノイドSOLの駆動装置19を接続している。
図6は、上記コントローラCの制御システムを示した図である。
コントローラCは、操舵角センサ16からの操舵角信号と車速センサ17からの車速信号とが入力されると、操舵角信号から操舵角θと操舵角速度ωとを演算して求める。
【0010】
操舵角θと操舵角速度ωとを求めたら、操舵角θからソレノイド電流指令値Iθを求める。このソレノイド電流指令値Iθは、操舵角θと制御流量QPとの関係がリニアな特性になる理論値を基にして決めている。また、操舵角速度ωからソレノイド電流指令値Iωを求める。このソレノイド電流指令値Iωも、操舵角速度ωと制御流量QPとの関係がリニアな特性になる理論値を基にして決めている。
【0011】
ただし、上記操舵角θおよび操舵角速度ωが、ある設定値以上にならなければ、上記指令値IθおよびIωのいずれもゼロを出力するようにしている。つまり、ステアリングホィールが中立あるいはその近傍にあるときには、上記ソレノイド電流指令値IθもIωもゼロになるようにしている。
なお、上記操舵角θによるソレノイド電流指令値Iθおよび操舵角速度ωによるソレノイド電流指令値Iωは、テーブル値としてコントローラCにあらかじめ記憶させておいてもよいし、操舵角θあるいは操舵角速度ωを基にして、その都度、コントローラCに演算させて求めるようにしてもよい。
【0012】
いずれにしても、操舵角θを基にしてソレノイド電流指令値Iθを決定し、操舵角速度ωを基にしてソレノイド電流指令値Iωを決定したら、これら両者を加算する。この加算値(Iθ+Iω)に、今度は車速信号に基づいたソレノイド電流指令値Ivを乗算する。
ここで、上記ソレノイド電流指令値Ivは、車速が低速域では1を出力し、高速域ではゼロを出力する。そして、低速域から高速域までの間の中速域では、1からゼロまでの小数点以下の値を出力する。
【0013】
そのため、上記加算値(Iθ+Iω)に、車速信号に基づいたソレノイド電流指令値Ivを乗算すれば、低速域では(Iθ+Iω)がそのまま出力され、高速域では(Iθ+Iω)がゼロになる。そして、中速域では速度が上がるにつれて、反比例した値が出力されることになる。
上記のようにして、(Iθ+Iω)×Ivが決まったら、それにスタンバイソレノイド電流指令値Isを加算する。つまり、{(Iθ+Iω)×Iv}+Is=I(ソレノイド電流指令値)として、コントローラCから出力させる。
なお、上記ソレノイド電流指令値Iθ、Iω、Ivは、電流値そのものではなく、特に単位を持たない電流指令値である。そのため、これらソレノイド電流指令値Iθ、Iω、Ivは、所定の特性になっている限り、そのレベルは問わない。
【0014】
上記スタンバイソレノイド電流指令値Isは、所定の電流が可変オリフィスaのソレノイドSOLに常に供給されるようにするためのものである。スタンバイソレノイド電流指令値Isが供給された可変オリフィスaは、操舵角θ、操舵角速度ωおよび車速vを基にしたソレノイド電流指令値Ivがゼロとしても、その開度を一定に保つ。そのため、一定のスタンバイ流量が、常にステアリングバルブ9に供給される。このようにスタンバイ流量QSを確保するようにしたのは、以下の理由からである。
【0015】
スタンバイ流量QSを供給し、装置にある程度の油を循環させると、冷却効果が発揮されて、それによって装置の焼き付きを防止できるからである。
また、タイヤにキックバック等の外乱や、セルフアライニングトルク等による抗力が作用すると、それがパワーシリンダ8のロッドに作用するが、このような場合であっても、スタンバイ流量を確保しておけば、タイヤのふらつきを防止できるからである。
さらに、スタンバイ流量を確保しておけば、それが全然ないときよりも、目的の制御流量に到達する時間が短くてすむ。そして、この時間差が応答性になるので、スタンバイ流量を確保した方が、応答性を向上させることができるからである。
【0016】
なお、図5に示すように、スプール1の先端には、スリット18を形成している。このスリット18は、スプール1の先端がスプリング5の弾性力によって押し付けられている場合でも、一方のパイロット室2と流路6とを連通させるものである。このようにすれば、スリット18を介して微少流量がステアリングバルブ9側に常に供給されるので、この微少流量によっても、装置の焼き付きやキックバック等の外乱を防止でき、また、応答性も確保することができる。
【0017】
次に、この従来例の作用を説明する。
例えば、車速が低速域にある状態において、操舵すると、コントローラCが、そのときの操舵角θと操舵角速度ωによって、ソレノイド電流指令値IθとIωとを決める。そして、これら指令値を加算するとともに、この加算値(Iθ+Iω)に車速に応じたソレノイド電流指令値Iv=1を乗算する。その乗算値である(Iθ+Iω)に、スタンバイ流量を確保するためのソレノイド電流指令値Isをさらに加算する。そのため、低速域では、ソレノイド電流指令値Iが、I=Iθ+Iω+Isとなる。そして、このソレノイド電流指令値Iに応じた開度をオリフィスaが保ち、それによって必要な流量が制御流量QPとしてステアリングバルブ9側に供給されることになる。
【0018】
また、このように車速が低速域にある状態において、直進走行のようにハンドルを操舵しない場合には、操舵角θおよび操舵角速度ωが0となる。このように操舵角θおよび操舵角速度ωが0になると、ソレノイド電流指令値IがI=Isとなり、それによってオリフィスaの開度が小さくなる。このようにオリフィスaの開度が小さくなると、制御流量QPがスタンバイ流量になる。制御流量QPをスタンバイ流量にすれば、ポンプPを駆動するトルクも小さくなるので、それによって消費エネルギーも小さくなる。つまり、低速域であっても、操舵していない場合には、コントローラCが省エネ状態と判断して、ステアリングバルブ9に供給する制御流量QPを少なくすることで、省エネ効果が発揮されるようにしている。
【0019】
一方、車速が高速域にあるときには、車速によるソレノイド電流指令値Ivがゼロになる。このように電流指令値Ivがゼロになれば、ソレノイド電流指令値Iが(Iθ+Iω)×Iv=0となるため、制御流量QPがスタンバイ流量QSに等しくなる。したがって、ポンプPを駆動するトルクも小さくなり、それによってエネルギーのロスを防止する。
【0020】
また、車速が中速域にあるときには、その車速に応じてソレノイド電流指令値Ivが小さくなっていくので、それにともなって制御流量QPも小さくなる。そのため、車速の上昇に応じてパワーアシスト力も徐々に小さくなっていく。つまり、高速域に近づくにつれて、操舵時に必要とされるパワーアシスト力も小さくなるため、車速に反比例して制御流量QPを徐々に減らすことで、エネルギーロスを防止するようにしている。
以上のように、従来の装置は、流量制御弁Vのオリフィスaの開度をコントローラCによって制御することにより、エネルギーロスを防止して、省エネ効果が発揮されるようにしている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の装置では、コントローラCが所定の省エネ状態に該当すると判断したときに、油圧制御機構Yからステアリングバルブ9に供給される流量を減らすことにより、エネルギーロスを防止するようにしている。
ところが、省エネ状態になっていても、そのことがドライバーにはわからないため、そのドライバーの運転の癖によって、省エネ機能が十分に発揮されないことがあった。例えば、ドライバーに、ハンドルを絶えず動かす癖がある場合には、省エネ機能があまり発揮されない。そのため、車両に省エネ機構が付いているにもかかわらず、エネルギーロスを効果的に低減できないという問題があった。この発明の目的は、省エネ効果を十分に発揮させて、エネルギーロスを効果的に低減できるパワーステアリング装置を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、パワーシリンダと、このパワーシリンダへ供給する流量を制御するステアリングバルブと、このステアリングバルブに供給する流量を制御する油圧制御機構と、操舵角および操舵角速度などの運転状況や、車速などの走行状況に応じて上記油圧制御機構を制御するコントローラとを備え、上記コントローラは、運転状況や走行状況に基づいて、設定した省エネ状態に該当すると判断したときに、油圧制御機構からパワーシリンダに供給される流量を少なくするパワーステアリング装置において、上記油圧制御機構には、ステアリングバルブに供給する流量を制御する可変オリフィスと、この可変オリフィスの開度を調節する弁体と、この弁体の位置を検出する位置センサーとを設ける一方、上記コントローラには、伝達機構を接続し、この伝達機構は、上記弁体が所定の位置に移動したときに、省エネ状態である旨を表示したり、音を鳴らしたりすることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1〜図4に示す実施形態は、コントローラCに伝達機構20を接続した点に特徴を有し、その他の構成、すなわちパワーシリンダ8や油圧制御機構Yの構成については、前記従来と同じである。したがって、以下では、伝達機構20を中心に説明し、従来と同じ構成要素については同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0025】
図1に示すように、コントローラCに接続した伝達機構20は、省エネ状態のときに、その旨をドライバーに知らせるものである。
この伝達機構20は、図3に示すように、車両のコントロールパネル25に設けたランプ22によって構成している。そして、このランプ22を、省エネ状態のときにのみ、点灯させるようにしている。
【0026】
一方、上記コントローラCには、図2に示すように、判定機構21を接続している。この判定機構21は、ソレノイド電流指令値Iに基づいて、省エネ状態か否かを判断するものであり、具体的には、ソレノイド電流指令値Iが所定の値よりも小さい場合に、省エネ状態と判断するようにしている。例えば、低速域で走行しているときに、ステアリングホィールを中立位置近傍に保っている場合には、ソレノイド電流指令値Iが小さくなる。このようにソレノイド電流指令値Iが所定の値よりも小さくなったときに、判定機構21が省エネ状態であると判断する。そして、所定の信号を伝達機構20に出力する。
【0027】
上記のように判定機構21から所定の信号が出力されると、伝達機構20であるランプ22が点灯する。このようにランプ22が点灯することによって、ドライバーに省エネ状態であることを認識させる。
このようにして、省エネ状態であることをランプ22の点灯によってその都度ドライバーに認識させていると、どのような運転状況において省エネ機能が発揮されるのか、ということをドライバーも理解してくる。省エネ機能が発揮される運転状態を理解してくると、このドライバーは、省エネ機能が発揮されるように意識して運転することができる。言い換えれば、省エネ機能が十分に発揮されるような運転を、ドライバーにさせることができる。そして、ドライバーに省エネ機能が十分に発揮させるような運転をさせることによって、エネルギーロスを効果的に低減させることができる。
【0028】
上記実施形態では、ソレノイド電流指令値Iに基づいて、判定機構21が省エネ状態であるか否かを判断するようにしているが、可変オリフィスaの開度を調節する弁体13の位置に基づいて、省エネ状態であるか否かを判断するようにしてもよい。すなわち、上記制御流量QPというのは、オリフィスaの開度に応じて決まるので、このオリフィスaの開度を決める弁体13の位置が分かれば、省エネ状態であるか否かを判断することができる。具体的には、弁体13の位置を検出する位置センサーを設けて、この位置センサーによって検出した弁体13の位置信号に基づいて、コントローラCが省エネ状態か否かを判断する。そして、コントローラCが、省エネ状態と判断した場合には、伝達機構20であるランプ22が点灯し、それによって省エネ状態であることをドライバーに認識させる。
【0029】
また、上記実施形態では、伝達機構20としてランプ22を用いたが、この伝達機構20は、図4に示すようなメータ23であってもよい。このメータ23は、ソレノイド電流指令値Iの大きさや、弁体13の移動量に比例してその針24が動くようにしたものであり、例えば、ソレノイド電流指令値Iが最大となった場合や、弁体13の移動量が最大となった場合、すなわちオリフィスaの開度が最大となった場合に、その針24が最大に振れるように設定している。
このようにメータ23によって、省エネ状態を段階的に表示すれば、ドライバーに、より具体的に省エネ状態を認識させることができる。
【0030】
なお、省エネ状態を段階的に表示するために、上記メータ23に代えて、複数のランプを設けて、これら複数のランプを、ソレノイド電流指令値Iや弁体13の移動量に比例した数だけ点灯するようにしてもよい。
また、円グラフや棒グラフによって、省エネ状態を段階的に表示するようにしてもよい。さらに、ディスプレイに省エネ状態の度合いを、数字によって表示するようにしてもよい。例えば、省エネ状態の度合いが最大のときを「10」として、省エネ状態の度合いが小さくなるにつれて、数字を段階的に減らすようにすればよい。
【0031】
一方、伝達機構20としてスピーカーを用いてもよい。すなわち、このスピーカーによって省エネ状態のときに、音を鳴らすようにしてもよい。また、音声で省エネ状態である旨をドライバーに知らせるようにしてもいい。いずれにしても、上記伝達機構20は、ドライバーに省エネ状態であることを認識させるものであれば、どのような手段でもよい。
【0032】
上記実施形態では、省エネ状態のときに、伝達機構20によってその旨をドライバーに認識させているが、この機能によって、本システムが正常に作動しているか否かも判断することができる。すなわち、省エネ状態に該当していることが明らかであるにもかかわらず、伝達機構20が省エネ状態を表示していないときには、システムが故障しているおそれがある。また、伝達機構20が、省エネ状態を常に表示している場合には、システムに異常があるおそれがある。
前記従来例では、このシステムの故障や異常を判定することができなかった。仮に、システムの故障や異常を判定する装置を取り付けた場合には、それによって装置全体のコストが高くなるという不都合があった。
【0033】
これに対して上記実施形態によれば、省エネ状態に該当していることが明らかであるにもかかわらず、伝達機構20が省エネ状態を表示していないときには、システムが故障していると判断できる。また、伝達機構20が、省エネ状態を常に表示している場合には、システムに異常があると判断できる。つまり、この実施形態によれば、コストアップをせずに、システムの故障や異常も判断することができる。
【0034】
【発明の効果】
この発明によれば、省エネ状態のときに、伝達機構がその旨をドライバーに認識させることができるので、ドライバーに省エネ機能が十分に発揮されるような運転をさせることが可能になる。そして、ドライバーが省エネ機能を意識した運転をすることによって、エネルギーロスを効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の全体図である。
【図2】コントローラCの制御系を示す説明図である。
【図3】伝達機構20のランプ22を示す図である。
【図4】伝達機構20のメータ23を示す図である。
【図5】従来例の全体図である。
【図6】従来例のコントローラCの制御系を示す説明図である。
【符号の説明】
8 パワーシリンダ
9 ステアリングバルブ
Y 油圧制御機構
C コントローラ
20 伝達機構

Claims (1)

  1. パワーシリンダと、このパワーシリンダへ供給する流量を制御するステアリングバルブと、このステアリングバルブに供給する流量を制御する油圧制御機構と、操舵角および操舵角速度などの運転状況や、車速などの走行状況に応じて上記油圧制御機構を制御するコントローラとを備え、上記コントローラは、運転状況や走行状況に基づいて、設定した省エネ状態に該当すると判断したときに、油圧制御機構からパワーシリンダに供給される流量を少なくするパワーステアリング装置において、上記油圧制御機構には、ステアリングバルブに供給する流量を制御する可変オリフィスと、この可変オリフィスの開度を調節する弁体と、この弁体の位置を検出する位置センサーとを設ける一方、上記コントローラには、伝達機構を接続し、この伝達機構は、上記弁体が所定の位置に移動したときに、省エネ状態である旨を表示したり、音を鳴らしたりすることを特徴とするパワーステアリング装置
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