JP3548076B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、パワーシリンダ側に導く流量を制御する流量制御弁を備えたパワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のパワーステアリング装置に組み込まれた流量制御弁は、本体にスプールを組み込み、このスプールの一端を、ポンプポートに常時連通する一方のパイロット室に臨ませ、スプールの他端を、スプリングを介在させた他方のパイロット室に臨ませている。そして、上記一方のパイロット室の下流側に固定オリフィスを設け、この固定オリフィスを介してパワーシリンダを制御するステアリングバルブに圧油を導くようにしている。
【0003】
一方、上記オリフィスの上流側の圧力を上記一方のパイロット室のパイロット圧とし、下流側の圧力を上記他方のパイロット室のパイロット圧とし、両パイロット室の圧力バランスでスプールの移動位置を制御するようにしている。
このスプールの移動位置によって、ポンプの吐出量を上記ステアリングバルブ側に導く制御流量QPと、タンクまたはポンプに環流させる戻り流量QTとに分配する構成にしている。
そして、上記スプールは、固定オリフィス前後の差圧を一定に保って、パワーシリンダを制御するステアリングバルブ側には、常に、一定の制御流量QPが供給されるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにした従来の装置では、流量制御弁から常に一定の制御流量QPが、パワーシリンダを制御するステアリングバルブ側に供給されることになる。言い換えると、この制御流量QPは、車速や操舵状況に関わりなく、常に一定の制御流量QPを上記ステアリングバルブ側に供給し続けることになる。
しかしながら、車速や操舵状況に関わりなく、制御流量QPを特定すると、例えば、パワーシリンダが必要とする流量QMに対して、QP>QMとなったとき、その余剰流量を、上記ステアリングバルブを介してタンクに戻さなければならない。
【0005】
上記のように、余剰流量をステアリングバルブを介してタンクに戻すということは、それだけ回路の圧力損失を大きくしてしまう。言い換えると、ポンプはこの圧力損失分の駆動トルクを消費し続けなければならないことになる。そのために、ポンプの駆動トルクが大きくなればなるほど、多量のエネルギーを消費することになる。
【0006】
しかも、上記制御流量QPは、パワーシリンダの最大必要流量にあわせて設定しているので、ほとんどの場合、何らかの余剰流量をタンクに環流させているのが現状である。そのために、この従来の装置では、そのエネルギー損失が大きくなるという問題があった。
この発明の目的は、車両の走行条件や操舵状況に応じて、制御流量QPを制御することによって、エネルギー損失を最小限に抑えたパワーステアリング装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1〜第3の発明は、次の構成を前提にする。本体にスプールを組み込み、このスプールの一端を、ポンプポートに常時連通する一方のパイロット室に臨ませ、スプールの他端を、スプリングを介在させた他方のパイロット室に臨ませている。そして、上記一方のパイロット室の下流側にオリフィスを設け、このオリフィスを介してパワーシリンダを制御するステアリングバルブに圧油を導くようにしている。一方、上記オリフィスの上流側の圧力を上記一方のパイロット室のパイロット圧とし、下流側の圧力を上記他方のパイロット室のパイロット圧とし、両パイロット室の圧力バランスでスプールの移動位置を制御する。そして、スプールの移動位置に応じて、ポンプの吐出圧を上記ステアリングバルブ側に導く制御流量QPと、タンクまたはポンプに環流させる戻り流量QTとに分配する構成にしている。
【0008】
上記の装置を前提にしつつ、第1の発明は、次の点に特徴を有する。すなわち、上記オリフィスを、ソレノイドの励磁電流に応じて開度を制御する可変オリフィスとするとともに、この可変オリフィスのソレノイドの励磁電流を制御するコントローラを設けている。しかも、このコントローラには操舵トルクセンサーおよび車速センサーを接続し、コントローラはこの操舵トルクセンサーからの操舵トルク信号に応じたソレノイド電流指令値I1を演算または記憶するとともに、車速センサーからの車速信号に応じたソレノイド電流指令値I2を演算または記憶するようにしている。
【0009】
そして、上記コントローラは、上記ソレノイド電流指令値I1に上記ソレノイド電流指令値I2を乗算し、その乗算値にスタンバイ用ソレノイド電流指令値I3を加算し、この加算結果の電流指令値を基に可変オリフィスのソレノイドの励磁電流を制御する構成にしている。
【0010】
第2の発明は、上記装置を前提とし、上記オリフィスを、ソレノイドの励磁電流に応じて開度を制御する可変オリフィスとするとともに、この可変オリフィスのソレノイドの励磁電流を制御するコントローラを設け、かつ、このコントローラには操舵トルクセンサーおよび車速センサーを接続し、コントローラはこの操舵トルクセンサーからの操舵トルク信号に応じたソレノイド電流指令値I1を演算または記憶するとともに、車速センサーからの車速信号に応じたソレノイド電流指令値I2を演算または記憶し、さらに、上記コントローラは、上記ソレノイド電流指令値I1に対して、車速信号によるソレノイド電流指令値I2を限界値とし、その限界値以内のソレノイド電流指令値をスタンバイ用ソレノイド電流指令値I3に加算し、この加算結果の電流指令値を基に可変オリフィスのソレノイドの励磁電流を制御する構成にした点に特徴を有する。
【0011】
第3の発明は、上記装置を前提とし、上記オリフィスを、ソレノイドの励磁電流に応じて開度を制御する可変オリフィスとするとともに、この可変オリフィスのソレノイドの励磁電流を制御するコントローラを設け、かつ、このコントローラには操舵トルクセンサーを接続し、コントローラは、操舵トルクセンサーからの操舵トルク信号に応じたソレノイド電流指令値I1を演算または記憶するとともに、ソレノイドの励磁電流と可変オリフィスの開度で決まる制御流量QPとの特性、および操舵トルクとソレノイド電流指令値I1との特性を基にして、操舵トルクとソレノイド電流指令値I1に応じた可変オリフィスの開度で決まる制御流量QPとがリニアな特性になるソレノイド電流値I1を決め、このソレノイド電流指令値I1にスタンバイ用ソレノイド電流指令値I3を加算し、この加算結果の電流指令値を基に可変オリフィスのソレノイドの励磁電流を制御する構成にした点に特徴を有する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本体Bには、流量制御弁Vのスプール1とともにポンプPも一体的に組み込んでいる。
上記スプール1は、その一端を一方のパイロット室2に臨ませ、他端を他方のパイロット室3に臨ませている。上記一方のパイロット室2は、ポンプポート4を介してポンプPに常時連通している。また、他方のパイロット室3にはスプリング5を介在させている。このようにした両パイロット室2,3は、ソレノイドSOLの励磁電流に応じて開度を制御する可変オリフィスaを介して、互いに連通している。
【0013】
すなわち、一方のパイロット室2は、流路6→可変オリフィスa→流路7を経由してパワーシリンダ8を制御するステアリングバルブ9の流入側に連通している。また、他方のパイロット室3は、流路10および流路7を介してステアリングバルブ9の流入側に連通している。
したがって、上記両パイロット2,3は、可変オリフィスaを介して連通することになり、可変オリフィスaの上流側の圧力が一方のパイロット室2に作用し、下流側の圧力が他方のパイロット室3に作用することになる。
【0014】
そして、スプール1は、一方のパイロット室2の作用力と、他方のパイロット室3の作用力およびスプリング5の作用力とがバランスした位置を保つが、そのバランス位置においてタンクポート11の開度が決められる。
今、エンジン等からなるポンプ駆動源12が停止していると、ポンプポート4に圧力が供給されない。ポンプポート4に圧力が供給されなければ、両パイロット室2,3には圧力が発生しないので、スプール1はスプリング5の作用で図示のノーマル位置を保つ。
【0015】
上記の状態からポンプPが駆動して、ポンプポート4に圧油が供給されると、可変オリフィスaに流れができるので、そこに差圧が発生する。この差圧の作用で、両パイロット室2,3に圧力差が発生し、この圧力差に応じてスプール1がスプリング5に抗して移動し、上記バランス位置を保つ。
このように、スプール1がスプリング5に抗して移動することによって、タンクポート11の開度を大きくするが、このときのタンクポート11の開度に応じて、ステアリングバルブ9側に導かれる制御流量QPと、タンクTあるいはポンプPに環流される戻り流量QTの分配比が決まる。言い換えれば、タンクポート11の開度に応じて制御流量QPが決まることになる。
【0016】
上記のように制御流量QPが、スプール1の移動位置で決まるタンクポート11の開度に応じて制御されるということは、結局は、可変オリフィスaの開度に応じて制御流量QPが決まることになる。なぜなら、スプール1の移動位置は、両パイロット室2,3の圧力差で決まるとともに、この圧力差を決めているのが可変オリフィスaの開度だからである。
【0017】
したがって、車速や操舵状況に応じて、制御流量QPを制御するためには、可変オリフィスaの開度、すなわちソレノイドSOLの励磁電流を制御すれば良いことになる。
なぜなら、可変オリフィスaは、ソレノイドSOLが非励磁状態のときにその開度を最小に保ち、励磁電流を大きくしていくにしたがってその開度を大きくするからである。
【0018】
なお、前記ステアリングバルブ9は、図示していないステアリングホィールの操舵トルクに応じて、パワーシリンダ8への供給量を制御するものである。例えば、操舵トルクが大きければ、パワーシリンダ8への供給量を大きくし、操舵トルクが小さければそれに応じて供給流量も少なくするようにしている。この操舵トルクとステアリングバルブ9との切り換え量は、図示していないトーションバーなどのねじれ反力によって決まることになる。
【0019】
上記のように、操舵トルクが大きいときに、ステアリングバルブ9の切り換え量を大きくすれば、その分、パワーシリンダ8によるアシスト力が大きくなる。反対に、ステアリングバルブ9の切り換え量を小さくすれば、上記アシスト力は小さくなる。
そして、操舵トルクによって決まるパワーシリンダ8の必要(要求)流量QMと、流量制御弁Vで決められる制御流量QPとを、なるべく等しくすれば、ポンプP側のエネルギー損失を低く抑えることができる。なぜなら、ポンプP側のエネルギーロスは、制御流量QPとパワーシリンダ8の必要流量QMとの差によって発生するからである。
【0020】
上記のように、制御流量QPをパワーシリンダ8の必要流量QMにできるだけ近づけるために、可変オリフィスaの開度を制御するのが、ソレノイドSOLに対する励磁電流であり、この励磁電流を制御するのが、コントローラCである。
このコントローラCには、操舵トルクセンサー16と車速センサー17とを接続し、これら両センサーの出力信号に基づいて、ソレノイドSOLの励磁電流を制御するようにしている。
【0021】
なお、図中符号18はスプール1の先端に形成したスリットで、スプール1が図示の位置にあるときにも、一方のパイロット室2が、このスリット18を介して、流路7に常時連通するようにしている。言い換えると、スプール1が図示の状態にあって、流路6を閉じているようなときにも、ポンプPの吐出圧が、このスリット18を介して、ステアリングバルブ9側に供給されるようにしている。
【0022】
このように微少流量であるが、ステアリングバルブ9側に圧油を供給するようにしたのは、装置全体の焼き付きの防止、キックバック等の外乱の防止、および応答性の確保を目的にしているからである。ただし、これらの目的は、後で説明するスタンバイ流量QSを確保することでも達成できるので、詳細な説明は後に譲ることにする。
また、符号19は、コントローラCとソレノイドSOLとの間に接続したドライバーである。符号13,14は流路10に設けたオリフィス、符号15はリリーフ弁である。
【0023】
上記コントローラCの制御システムは、図2に示すとおりである。すなわち、コントローラCには、操舵トルクセンサー16からの操舵トルク信号と、車速センサー17からの車速信号とが入力する。
そして、上記操舵トルクに基づいて、上記必要流量QMを特定するようにしている。
【0024】
ここで、操舵トルクとソレノイド電流指令値I1とは、その操舵トルクと制御流量QPとの関係がリニアな特性になる理論値を基にして決めている。
ただし、操舵トルクが、ある設定以上にならなければ、上記指令値I1はゼロを出力するようにしている。つまり、ステアリングホィールが中立あるいはその近傍にあるときには、上記指令値I1がゼロになるようにしている。
そして、この操舵トルクに対するソレノイド電流指令値I1は、テーブル値としてコントローラCにあらかじめ記憶させておいてもよいし、操舵トルクを基にして、その都度、コントローラCに演算させるようにしてもよい。
【0025】
いずれにしても、操舵トルクを基にしてソレノイド電流指令値I1を決定し、この値に車速信号に基づいたソレノイド電流指令値I2を乗算する。
ただし、上記車速信号に基づいたソレノイド電流指令値I2は、車速が低速域では1を出力し、高速域ではゼロを出力するとともに、その間の中速域では、1からゼロまでの小数点以下の値を出力する。
【0026】
したがって、上記ソレノイド電流指令値I1に車速信号に基づいたソレノイド電流指令値I2を乗算すれば、車速の低速域ではI1がそのまま出力されるし、高速域ではI1がゼロになる。また、中速域では速度が上がればそれに反比例した値が出力されることになる。
上記のようにI1×I2が求まったら、さらにそれにスタンバイ用ソレノイド電流指令値I3を加算する。つまり(I1×I2)+I3=I(ソレノイド電流指令値)として、コントローラCから出力させる。
【0027】
上記スタンバイ用ソレノイド電流指令値I3は、常に、所定の電流が可変オリフィスaのソレノイドSOLに供給されるようにするためのものである。このようにスタンバイ用ソレノイド電流指令値I3が供給された可変オリフィスaは、操舵トルクおよび車速を基にしたソレノイド電流指令値I1,I2が、たとえゼロだったとしても、その開度を一定に保つとともに、一定のスタンバイ流量QSを確保する。
【0028】
ただし、省エネという観点からすると、パワーシリンダ8およびステアリングバルブ9側の必要流量QMがゼロなら、流量制御弁Vの制御流量QPもゼロにするのが理想的であるが、その理由は次の通りである。
制御流量QPをゼロにするということは、ポンプPの吐出量全量をタンクポート11からポンプPまたはタンクTに環流させることを意味する。そして、タンクポート11からポンプPまたはタンクTに環流する流路は本体B内にあって、非常に短いので、その圧力損失がほとんどない。圧力損失がほとんどないので、ポンプPの駆動トルクも最小に抑えられ、その分、省エネにつながることになる。
このような意味から、必要流量QMがゼロのときに、制御流量QPもゼロにするのが省エネという観点からは、絶対に有利になる。
【0029】
それにもかかわらず、必要流量QMがゼロでもスタンバイ流量QSを確保したのは、次の3つの理由からである。
▲1▼装置の焼き付き防止
ある程度の油を装置に環流させておいた方が、その油による冷却効果が期待できるが、スタンバイ流量QSはこの冷却機能を果たすことになる。
▲2▼キックバック等の外乱やセルフアライニングトルクに対抗
タイヤに外乱やセルフアライニングトルク等による効力が作用すると、それがパワーシリンダ8のロッドに作用する。もし、スタンバイ流量QSを確保しておかなければ、この外乱やセルフアライニングトルクによる抗力で、タイヤがふらついてしまう。しかし、スタンバイ流量QSを確保しておけば、たとえ上記抗力が作用したとしても、タイヤがふらついたりしない。すなわち、上記パワーシリンダ8のロッドには、ステアリングバルブ9を切り換えるためのピニオン等がかみ合っているので、上記抗力が作用すると、ステアリングバルブも切り換わって、その抗力に対抗する方向にスタンバイ流量QSを供給することになる。したがって、スタンバイ流量QSを確保しておけば、上記キックバックによる外乱や、セルフアライニングトルクに対抗できることになる。
【0030】
▲3▼応答性の確保
例えば、図3に示すように、スタンバイ流量QSを確保しておけば、それが全然ないときよりも、目的の制御流量QPに到達する時間が短くて済む。この時間差が応答性になるので、結局、スタンバイ流量QSを確保した方が、応答性を向上させることができる。
【0031】
次に、この実施態様の作用を説明する。
例えば、車速が低速域にある状態で操舵すれば、そのときの操舵トルクによって、ソレノイド電流指令値I1が決まる。そして、この指令値I1に車速に応じたソレノイド電流指令値I2=1を乗算する。その乗算値であるI1にスタンバイ流量QSを確保するためのスタンバイ用ソレノイド電流指令値I3をさらに加算する。
すなわち、低速域では、ソレノイド電流指令値Iが、I=I1+I3ということになる。
【0032】
また、上記のように低速域で走行中でも、直進走行時などでステアリングホィールを中立位置近傍に保っているときには、操舵トルクによるソレノイド電流指令値I1は、ゼロになってしまう。しかし、この場合にも、スタンバイ用ソレノイド電流指令値I3だけは出力されるので、スタンバイ流量QSは必ず確保されることになる。
したがって、低速域での直進走行時であっても、装置の冷却効果を期待できるとともに、キックバック等による外乱にも対抗できる。しかも、スタンバイ流量QSを確保しているので、応答性も良好に保つことができる。
また、このスタンバイ流量QSの効能は、低速域、中速域および高速域での走行中にも全て同じように当てはまる。
【0033】
車速が高速域にあるときには、車速によるソレノイド電流指令値I2がゼロになる。この電流指令値I2がゼロになれば、I1×I2=0となるので、制御流量QPは、スタンバイ流量QSだけとなり、パワーアシスト力もほとんどなくなる。
そして、中速域での走行中には、その速度に応じて、車速によるソレノイド電流指令値I2が小さくなっていくので、それに伴って制御流量QPも少なくなる。したがって、パワーアシスト力もその分小さくなっていく。
【0034】
なお、通常の走行では、高速走行中にステアリングホィールを大きく切ることはない。ステアリングホィールを大きく切るのは、ほとんど低速域である。その関係を示したのが、図4である。これらの図からも明らかなように、車速が高くなるにしたがって、操舵トルクの範囲が、中立を中心に狭くなっていく。したがって、車速と、操舵トルクの範囲とは相関性があるといえる。このことから車速センサーの代わりに操舵角を代用することが可能になる。
ただし、車速センサー17によってソレノイド電流指令値I2を考慮した方が、実際の走行により適した制御が可能になる。
【0035】
図5に示した第2の実施態様は、操舵トルクによるソレノイド電流指令値I1を実際の状況により近づけたことに特徴を有し、これが第1の実施態様との相違点である。第1の実施態様との相違点は、次のことを考慮している。
ドライバーの操舵感覚を基にすれば、図6に示すように、操舵トルクとそれによって特定される制御流量QPとは、リニアな特性を維持するのが理想的である。
ところが、ソレノイド電流指令値IとソレノイドSOLによる可変オリフィスaの開度で決まる制御流量QPとは、図7に示すように、二乗特性に近いものになる。これは可変オリフィスaを構成するポペット等とか、ソレノイドの性能とが相乗的に作用した結果である。
【0036】
しかし、第1および第2の実施態様も、操舵トルクによってソレノイド電流指令値1を求め、この指令値I1で制御流量QPを特定しようとしているので、そのままだと、操舵トルクと制御流量QPとがリニアな関係にならない。
そこで、この第2の実施態様では、操舵トルクによるソレノイド電流指令値I1を図5に示すように、制御流量QPが最大流量に達するまでを曲線状にしたものである。
【0037】
ただし、この曲線を得るのに、例えば、操舵トルクと制御流量QPとが、図6に示すリニアな特性になるポイントを、実験によってプロットしてもよいし、図7の曲線と図6の曲線とを数式化し、図6の値を図7の値で除算して求めてもよい。
このようにした第2の実施態様によれば、操舵トルクと制御流量QPとがリニアな関係になるので、操舵感覚と出力とを一致させることができる。
【0038】
また、この第2の実施態様では、車速によるソレノイド電流指令値I2をリミッターとして利用した点も、第1の実施態様とは相違する。つまり、第1の実施態様では、この指令値I2を指令値I1に乗算していた。しかし、指令値I2を乗算してしまうと、車速が高くなればなるほど、実質的に計数が小さくなる。計数が小さくなれば、グラフの傾きがそれだけ緩やかになる。傾きが緩やかになれば、応答性が悪くなる。
そこで、この第2の実施態様では、上記のように車速によるソレノイド電流指令値I2をリミッターとして利用し、ソレノイド電流指令値Iの傾きを一定に保つようにしたものである。
【0039】
ただ、上記傾きの変化は、実際には、ほんのわずかなので、それを無視してもそれほど大きな影響を及ぼさない。
なお、この第2の実施態様においても、スタンバイ流量QSを確保するようにした点は、第1の実施態様と全く同様である。
【0040】
【発明の効果】
第1〜第3の発明の装置によれば、操舵トルクを検出することによって、制御流量QPを制御することができる。したがって、上記制御流量QPを適正に確保して、省エネ制御ができる。
また、ステアリングホィールを止めた保舵時には、操舵トルクによって制御流量QPを適正に確保し、セルフアライニングトルクに対抗させることができる。
さらに、直進走行のように操舵トルクによるソレノイド電流指令値I1がゼロであっても、スタンバイ流量を確保できる。したがって、装置の焼き付きを防止できるし、キックバック等の外乱にも対応することができる。そのうえ、良好な応答性をも確保することができる。
【0041】
いずれにしても、ステアリングホィールを切っている操舵時、ステアリングホィールを止めている保舵時、あるいは直進走行のいずれの場合にも、制御流量QPを適正に確保し、ポンプPを駆動するためのトルクを必要以上大きくならないようにして、的確な省エネ制御を実現できる。
そして、第1の発明によれば、速度感応タイプにしているので、車速に応じた省エネ制御が可能になる。
【0042】
なお、パワーステアリング装置において、出力側からの操舵反力を制御したり、ステアリングバルブの感度を制御したりするために、操舵トルクあるいは車速等の信号を利用することは、従来から行われている。しかし、この発明のように、制御流量QPを制御して、省エネをテーマにしたもので、操舵トルクあるいは車速等の信号を利用したものは従来にはない。
しかも、この発明のように、操舵トルクを直接検出することによって、他のセンサーや、演算手段を必要とせず、より正確な値が得られる。
この発明は、省エネをテーマにして、操舵トルクあるいは車速等の信号を利用した点に最大の特徴を有する。
【0043】
の発明の装置によれば、車速感応タイプではあるが、車速によるソレノイド電流指令値I2を、リミッターとして利用しているので、応答性をより良好に保つことができる。
の発明の装置によれば、操舵トルクに対する制御流量QPの特性をよりリニアにすることができるので、操舵フィーリングを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施態様の油圧回路図である。
【図2】第1の実施態様のコントローラの制御系を示す説明図である。
【図3】スタンバイ流量と応答性の関係を示したグラフである。
【図4】操舵トルクと車速との相関性を示したグラフである。
【図5】第2の実施態様のコントローラの制御系を示す説明図である。
【図6】操舵トルクと制御流量との関係を示すグラフである。
【図7】ソレノイド電流指令値と制御流量との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
I ソレノイド電流指令値
I1 操舵トルクによるソレノイド電流指令値
I2 車速によるソレノイド電流指令値
I3 スタンバイ流量を確保するためのソレノイド電流指令値
QP 制御流量
QT 戻り流量
QM 要求(必要)流量
QS スタンバイ流量
B 本体
P ポンプポート
a 可変オリフィス
SOL ソレノイド
C コントローラ
T タンク 1 スプール
2 一方のパイロット室
3 他方のパイロット室
4 ポンプポート
5 スプリング
8 パワーシリンダ
9 ステアリングバルブ
16 操舵トルクセンサー
17 車速センサー

Claims (3)

  1. 本体にスプールを組み込み、このスプールの一端を、ポンプポートに常時連通する一方のパイロット室に臨ませ、スプールの他端を、スプリングを介在させた他方のパイロット室に臨ませ、上記一方のパイロット室の下流側にオリフィスを設け、このオリフィスを介してパワーシリンダを制御するステアリングバルブに圧油を導く一方、上記オリフィスの上流側の圧力を上記一方のパイロット室のパイロット圧とし、下流側の圧力を上記他方のパイロット室のパイロット圧とし、両パイロット室の圧力バランスでスプールの移動位置を制御するとともに、その移動位置に応じて、ポンプの吐出量を上記ステアリングバルブ側に導く制御流量QPと、タンクまたはポンプに環流させる戻り流量QTとに分配する構成にしたパワーステアリング装置において、上記オリフィス、ソレノイドの励磁電流に応じて開度を制御する可変オリフィスとするとともに、この可変オリフィスのソレノイドの励磁電流を制御するコントローラを設け、かつ、このコントローラには操舵トルクセンサーおよび車速センサーを接続し、コントローラはこの操舵トルクセンサーからの操舵トルク信号に応じたソレノイド電流指令値I1を演算または記憶するとともに、車速センサーからの車速信号に応じたソレノイド電流指令値I2を演算または記憶し、さらに、上記コントローラは、上記ソレノイド電流指令値I1に上記ソレノイド電流指令値I2を乗算し、その乗算値にスタンバイ用ソレノイド電流指令値I3を加算し、この加算結果の電流指令値を基に可変オリフィスのソレノイドの励磁電流を制御する構成にしたパワーステアリング装置。
  2. 本体にスプールを組み込み、このスプールの一端を、ポンプポートに常時連通する一方のパイロット室に臨ませ、スプールの他端を、スプリングを介在させた他方のパイロット室に臨ませ、上記一方のパイロット室の下流側にオリフィスを設け、このオリフィスを介してパワーシリンダを制御するステアリングバルブに圧油を導く一方、上記オリフィスの上流側の圧力を上記一方のパイロット室のパイロット圧とし、下流側の圧力を上記他方のパイロット室のパイロット圧とし、両パイロット室の圧力バランスでスプールの移動位置を制御するとともに、その移動位置に応じて、ポンプの吐出量を上記ステアリングバルブ側に導く制御流量QPと、タンクまたはポンプに環流させる戻り流量QTとに分配する構成にしたパワーステアリング装置において、上記オリフィスを、ソレノイドの励磁電流に応じて開度を制御する可変オリフィスとするとともに、この可変オリフィスのソレノイドの励磁電流を制御するコントローラを設け、かつ、このコントローラには操舵トルクセンサーおよび車速センサーを接続し、コントローラはこの操舵トルクセンサーからの操舵トルク信号に応じたソレノイド電流指令値I1を演算または記憶するとともに、車速センサーからの車速信号に応じたソレノイド電流指令値I2を演算または記憶し、さらに、上記コントローラは、上記ソレノイド電流指令値I1に対して、車速信号によるソレノイド電流指令値I2を限界値とし、その限界値以内のソレノイド電流指令値をスタンバイ用ソレノイド電流指令値I3に加算し、この加算結果の電流指令値を基に可変オリフィスのソレノイドの励磁電流を制御する構成にしたパワーステアリング装置。
  3. 本体にスプールを組み込み、このスプールの一端を、ポンプポートに常時連通する一方のパイロット室に臨ませ、スプールの他端を、スプリングを介在させた他方のパイロット室に臨ませ、上記一方のパイロット室の下流側にオリフィスを設け、このオリフィスを介してパワーシリンダを制御するステアリングバルブに圧油を導く一方、上記オリフィスの上流側の圧力を上記一方のパイロット室のパイロット圧とし、下流側の圧力を上記他方のパイロット室のパイロット圧とし、両パイロット室の圧力バランスでスプールの移動位置を制御するとともに、その移動位置に応じて、ポンプの吐出量を上記ステアリングバルブ側に導く制御流量QPと、タンクまたはポンプに環流させる戻り流量QTとに分配する構成にしたパワーステアリング装置において、上記オリフィスを、ソレノイドの励磁電流に応じて開度を制御する可変オリフィスとするとともに、この可変オリフィスのソレノイドの励磁電流を制御するコントローラを設け、かつ、このコントローラには操舵トルクセンサーを接続し、コントローラは、上記操舵トルクセンサーからの操舵トルク信号に応じたソレノイド電流指令値I1を演算または記憶するとともに、ソレノイド の励磁電流と可変オリフィスの開度で決まる制御流量QPとの特性、および操舵トルクとソレノイド電流指令値I1との特性を基にして、操舵トルクとソレノイド電流指令値I1に応じた可変オリフィスの開度で決まる制御流量QPとがリニアな特性になるソレノイド電流指令値I1を決め、このソレノイド電流指令値I1にスタンバイ用ソレノイド電流指令値I3を加算し、この加算結果の電流指令値を基に可変オリフィスのソレノイドの励磁電流を制御する構成にしたパワーステアリング装置。
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