JP4619152B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

この発明は、パワーシリンダ側に導く流量を制御する流量制御弁を備えたパワーステアリング装置に関する。
この種の装置として、特許文献1に記載されたものが従来から知られているが、この従来の装置を示したのが、図および図である。そこで、まず、図に基づいて、パワーステアリング装置全体の構成を説明する。
本体Bには、流量制御弁Vのスプール1とともにポンプPも一体的に組み込んでいる。
上記スプール1は、その一端を一方のパイロット室2に臨ませ、他端を他方のパイロット室3に臨ませている。上記一方のパイロット室2は、ポンプポート4を介してポンプPに常時連通している。また、他方のパイロット室3にはスプリング5を介在させている。このようにした両パイロット室2,3は、ソレノイドSOLの励磁電流Iに応じて開度を制御する可変オリフィスaを介して、たがいに連通している。
すなわち、一方のパイロット室2は、流路6→可変オリフィスa→流路7を経由してパワーシリンダ8を制御するステアリングバルブ9の流入側に連通している。また、他方のパイロット室3は、流路10および流路7を介してステアリングバルブ9の流入側に連通している。
したがって、上記両パイロット室2,3は、可変オリフィスaを介して連通することになり、可変オリフィスaの上流側の圧力が一方のパイロット室に作用し、下流側の圧力が他方のパイロット室3に作用することになる。
そして、スプール1は、一方のパイロット室2の作用力と、他方のパイロット室3の作用力とがバランスした位置を保つが、そのバランス位置において、前記ポンプポート4とタンクポート11との開度が決められる。
今、エンジン等からなるポンプ駆動源12が停止していると、ポンプポート4に圧油が供給されない。ポンプポート4に圧油が供給されなければ、両パイロット室2,3には圧力が発生しないので、スプール1はスプリング5の作用で図示のノーマル位置を保つ。
上記の状態からポンプPが駆動して、ポンプポート4に圧油が供給されると、可変オリフィスaに流れができるので、そこに圧力損失が発生する。この圧力損失の作用で、両パイロット室2,3に圧力差が発生し、この圧力差に応じてスプール1がスプリング5に抗して移動し、上記バランス位置を保つ。
このようにスプール1がスプリング5に抗して移動することによって、タンクポート11の開度を大きくするが、このときのタンクポート11の開度に応じて、ステアリングバルブ9側に導かれる制御流量QPと、タンクTあるいはポンプPに還流される戻り流量QTの分配比が決まる。言い換えれば、タンクポート11の開度に応じて制御流量QPが決まることになる。
上記のように制御流量QPが、スプール1の移動位置で決まるタンクポート11の開度に応じて制御されるということは、結局は、可変オリフィスaの開度に応じて制御流量QPが決まることになる。なぜなら、スプール1の移動位置は、両パイロット室2,3の圧力差で決まるとともに、この圧力差を決めているのが可変オリフィスaの開度だからである。
したがって、車速や操舵状況に応じて、制御流量QPを制御するためには、可変オリフィスaの開度、すなわちソレノイドSOLの励磁電流を制御すればよいことになる。
なぜなら、可変オリフィスaは、ソレノイドSOLが非励磁状態のときにその開度を最少に保ち、励磁電流を大きくしていくにしたがってその開度を大きくするからである。
なお、前記ステアリングバルブ9は、図示していないステアリングホィールの入力トルク(操舵トルク)に応じて、パワーシリンダ8への供給流量を制御するものである。例えば、操舵トルクが大きければ、パワーシリンダ8への供給量を大きくし、操舵トルクが小さければそれに応じて供給流量も少なくするようにしている。この操舵トルクとステアリングバルブ9の切り換え量は、図示していないトーションバーなどのねじれ反力によって決まることになる。
上記のように操舵トルクが大きいときに、ステアリングバルブ9の切り換え量を大きくすれば、その分、パワーシリンダ8によるアシスト力が大きくなる。反対に、ステアリングバルブ9の切り換え量を小さくすれば、上記アシスト力は小さくなる。
そして、操舵トルクによって決まるパワーシリンダ8の必要(要求)流量QMと、流量制御弁Vで決められる制御流量QPとを、いつも等しくすれば、ポンプP側のエネルギー損失を低く抑えることができる。なぜなら、ポンプP側のエネルギーロスは、制御流量QPとパワーシリンダ8の要求流量QMとの差によって発生するからである。
上記のように制御流量QPを、パワーシリンダ8の要求流量QMにできるだけ近づけるために、可変オリフィスaの開度を制御するのが、ソレノイドSOLに対する励磁電流であり、この励磁電流を制御するのが、コントローラCである。
このコントローラCには、操舵角センサー16と車速センサー17とを接続し、これら両センサーの出力信号に基づいて、ソレノイドSOLの励磁電流を制御するようにしている。
なお、図中符号18はスプール1の先端に形成したスリットで、スプール1が図示の位置にあるときにも、一方のパイロット室2が、このスリット18を介して、流路7に常時連通するようにしている。言い換えると、スプール1が図示の状態にあって、流路6を閉じているようなときにも、ポンプPの吐出油が、このスリット18を介して、ステアリングバルブ9側に供給されるようにしている。
このように微少流量であるが、ステアリングバルブ9側に圧油を供給するようにしたのは、装置全体の焼き付きの防止、キックバック等の外乱の防止、および応答性の確保を目的にしているからである。ただし、これらの目的は、後で説明するスタンバイ流量を確保することでも達成できるので、詳細な説明は後に譲ることにする。
また、符号19は、コントローラCとソレノイドSOLとの間に接続したドライバーである。
上記コントローラCの制御システムは、図に示すとおりである。すなわち、コントローラCには、操舵角センサー16からの操舵角信号と車速センサー17からの車速信号とが入力する。そして、コントローラCは、操舵角信号から操舵角θと操舵角速度ωとを演算する。そして、これら操舵角θおよび操舵角速度ωに基づいて、上記要求流量QMを推定するようにしている。
における操舵角θとソレノイド電流指令値I1とは、その操舵角θと制御流量QPとの関係がリニアな特性になる理論値を基にして決めている。また、操舵角速度ωとソレノイド電流指令値I2との関係も、操舵角速度ωと制御流量QPとがリニアな特性になる理論値を基にして決めている。
ただし、操舵角θおよび操舵角速度ωが、ある設定値以上にならなければ、上記指令値I1およびI2のいずれもゼロを出力するようにしている。つまり、ステアリングホィールが中立あるいはその近傍にある時には、上記指令値I1もI2もゼロになるようにしている。
そして、これら操舵角θに対するソレノイド電流指令値I1、および操舵角速度ωに対するソレノイド電流指令値I2は、テーブル値としてコントローラCにあらかじめ記憶させている。
また、コントローラCは、車速センサー17の出力信号に基づいて、操舵角用電流指令値I3と操舵角速度用電流指令値I4とを出力するようにしているが、これら操舵角用電流指令値I3および操舵角速度用電流指令値I4は、テーブル値としてコントローラCにあらかじめ記憶されている。
そして、操舵角用電流指令値I3は、低速域で1を出力し、最高速域で例えば0.6を出力するようにしている。また、操舵角速度用電流指令値I4は、低速域で1を出力し、最高速域で例えば0.8を出力するようにしている。
つまり、操舵角用電流指令値I3は、1から0.6の範囲で制御する一方、操舵角速度用電流指令値I4は、1から0.8の範囲で制御するようにしている。したがって、低速域から最高速域でのゲインは、操舵角用電流指令値I3の方が、大きくなるようにしている。
そして、上記操舵角θによるソレノイド電流指令値I1には、車速信号Vに応じた操舵角用電流指令値I3を掛け合わせる。したがって、車速信号Vが高速になればなるほど、その乗算結果である出力値すなわち操舵角系の電流指令値I5は小さくなる。しかも、操舵角用電流指令値I3のゲインを、操舵角速度用電流指令値I4のゲインよりも大きくしているので、高速になればなるほど、その減少率が大きくなる。
一方、操舵角速度ωによるソレノイド電流指令値I2には、車速に応じた操舵角速度用電流指令値I4を限界値として、操舵角速度系の電流指令値I6を出力させるようにしている。この電流指令値I6も、車速に応じて減少させるようにしているが、そのゲインを、操舵角用電流指令値I3のゲインよりも小さくしているので、電流指令値I6の減少率は、電流指令値I5の場合よりも小さい。
上記のように出力された操舵角系の電流指令値I5と、操舵角速度系の電流指令値I6との大小を比較し、その大きな電流指令値I5あるいはI6を採用するようにしている。
このように、いずれか大きな方を採用するようにしたのは、次の理由からである。すなわち、高速走行時には、ステアリングを急操作することはまずないので、ステアリング操作した場合に、操舵角速度系の電流指令値I6が小さくて、操舵角系の電流指令値I5の方が大きくなるのが通常である。
したがって、高速走行時には、操舵角を基準にしながら、大きい方の電流指令値I5を採用し、ステアリング操作の安全性・安定性を高めるようにしている。また、このようにすることによって、走行速度が速くなればなるほど、制御流量QPを少なくする比率が高まり、エネルギーロスもより少なくできる。
一方、低速走行時には、ステアリングを急操作することが多くなる。そのために、多くの場合に操舵角速度の方が大きくなる。このように操舵角速度が大きい場合には、応答性が重視される。
したがって、低速走行時には、操舵角速度を基準にしながら、その操舵角速度系の電流指令値I6を採用し、ステアリング操作の操作性すなわち応答性を高めるようにしている。このようにすることによって、走行速度がある程度速くなっても、ステアリングを急操作したときに、制御流量QPを十分に確保し、応答性を優先させることができる。
なお、車両の走行速度が一定でも、操舵角系の電流指令値I5が大きくなったり、操舵角速度系の電流指令値I6が大きくなったりすることがある。例えば、ステアリングをある角度操舵して、その操舵角θの位置で、ステアリングを保舵している時には、操舵角速度ωはゼロになってしまう。この場合には、車速が同じにもかかわらず、最初、操舵角速度系の電流指令値I6が大きく、保舵に入ってから操舵角系の電流指令値I5の方が大きくなる。
ただ、この従来の装置では、電流指令値I5とI6の大きい方の値を選択しているので、どのような走行条件でも、いずれかの電流指令値が出力されることになる。
もし、上記のような保舵時に、電流指令値I5とI6のいずれもが出力されなければ、制御流量QPを確保できなくなる。制御流量QPを確保できなければ、保舵時には、車両のセルフアライニングトルクによる抗力に負けて、パワーシリンダ8が動いてしまう。このようにパワーシリンダ8がその位置を保てずに動いてしまえば、それこそ保舵そのものが不可能になる。
しかし、上記のように、電流指令値I5とI6のいずれかを用いるようにしているので、ステアリング操作中に、両方ともゼロになることはない。言い換えれば、保舵時であっても操舵角θが保たれているので、ソレノイド電流指令値I1を確保できる。したがって、この電流指令値I1で保舵に必要なパワーを維持できることになる。
一方で、高速走行時でも、ステアリングを急操作することがある。この時には、操舵角速度系の電流指令値I6が大きくなるので、その電流指令値I6が選択される。ただし、この電流指令値I6は、操舵角速度用電流指令値I4の限界値の範囲内に制御された値になるので、安全性は十分に確保される。
また、上記のようにして選択された電流指令値I5あるいはI6には、スタンバイ用電流指令値I7を加算する。
このスタンバイ用電流指令I7は、常に、所定の電流が可変オリフィスaのソレノイドSOLに供給されるようにするためのものである。このようにスタンバイ用電流指令値I7が供給された可変オリフィスaは、操舵角θ、操舵角速度ωおよび車速を基にしたソレノイド電流指令値が、たとえゼロだったとしても、その開度を一定に保つとともに、一定のスタンバイ流量を確保する。
次に、上記従来装置の作用を説明する。
今、車両の走行中には、操舵角によるソレノイド電流指令値I1と操舵角用電流指令値I3との乗算値である操舵角系の電流指令値I5が出力される。これとともに、操舵角速度によるソレノイド電流指令値I2が、操舵角速度用電流指令値I4を限界値として、操舵角速度系の電流指令値I6が出力される。
そして、操舵角系の電流指令値I5と操舵角速度系の電流指令値I6との大小が判定されるとともに、その大きい方の指令値I5あるいはI6に、スタンバイ用電流指令値I7が加算され、そのときのソレノイド励磁電流Iが決められる。
このソレノイド励磁電流Iは、車両の高速走行時には、主に操舵角系の電流指令値I5が基準となり、車両の低速走行時には、主に操舵角速度系の電流指令値I6が基準となる。
ただし、低速走行時であっても、その保舵時には、操舵角系の電流指令値I5を基準にソレノイドの励磁電流Iが決められる。
また、高速走行時であっても、ステアリングを急操作したときには、操舵角速度系の電流指令値I6を基準にソレノイドの励磁電流Iが決められる。
特開2001−260917号公報
上記のようにした従来の装置は、車速に応じて電流指令値を制御するようにしているが、車速センサーは、あくまでも車輪の回転速度を検出しているもので、コントローラが車輪の回転数から車速を演算する構成にしている。
したがって、車両の走行中に、例えば、急発進時に車輪がスピンすると、その回転数に応じてコントローラが演算する車速が上昇してしまう。言い換えると、実際の車速はほとんど上がっていない低速走行にもかかわらず、見かけ上の車速のみが上昇してしまう。
また、反対に、車輪がロックするような急ブレーキをかけたときには、今度は、その回転数に応じてコントローラが演算する車速が下降してしまう。言い換えると、実際の車速はほとんど下がっていない高速走行にもかかわらず、見かけ上の車速のみが下降してしまう。
そして、コントローラは、上記した見かけ上の車速によって、ソレノイド電流指令値を演算するので、例えば、上記のような急発進時には、当該装置に多少のパワー不足が生じる。そのために、ドライバーにはステアリングが一瞬引っかかるような違和感を持たせることがある。また、上記のような急ブレーキ時には、反対に、当該装置のパワーが多少オーバーぎみになる。そのために、ドライバーにはステアリングが一瞬抜けたような違和感を持たせることがある。
結局、上記従来の装置では、急発進時あるいは急ブレーキ時に、ドライバーに違和感を与えるという問題があった。
この発明の目的は、急発進時および急ブレーキ時にも、ドライバーに違和感を与えないパワーステアリング装置を提供することである。
この発明は、次の構成を前提にする。すなわち、本体にスプールを組み込み、このスプールの一端を、ポンプポートに常時連通する一方のパイロット室に臨ませ、スプールの他端を、スプリングを介在させた他方のパイロット室に臨ませ、上記一方のパイロット室の下流側にオリフィスを設け、このオリフィスを介してパワーシリンダを制御するステアリングバルブに圧油を導く一方、上記オリフィスの上流側の圧力を上記一方のパイロット室のパイロット圧とし、下流側の圧力を上記他方のパイロット室のパイロット圧とし、両パイロット室の圧力バランスでスプールの移動位置を制御するとともに、その移動位置に応じて、ポンプの吐出量を上記ステアリングバルブ側に導く制御流量QPと、タンクまたはポンプに還流させる戻り流量QTとに分配する構成にし、上記オリフィスは、ソレノイドの励磁電流Iに応じて開度を制御する可変オリフィスとするとともに、この可変オリフィスのソレノイドの励磁電流Iを制御するコントローラを設け、かつ、このコントローラには操舵角センサーを接続し、この操舵角センサーからの操舵角に応じた操舵角θと操舵角速度ωとを演算または記憶する一方、コントローラは、これら操舵角θに応じたソレノイド電流指令値I1および操舵角速度ωに応じたソレノイド電流指令値I2を記憶または演算するとともに、これら電流指令値I1およびI2を基にして可変オリフィスのソレノイドの励磁電流Iを制御する構成にしている
第1の発明は、上記の装置を前提にしつつ、上記コントローラは一定時間ごとに車速を検出する車速検出機能と、上記単位時間ごとに車速の変化量ΔVを演算する車速変化演算機能と、直前に演算した車速と現在の車速との変化量ΔVがあらかじめ設定した変化量ΔVf以上になったかどうかを判定する機能と、変化量ΔV≦設定変化量ΔVfのとき、通常運転時と判断して実測値を車速信号Vとして出力し、変化量ΔV>設定変化量ΔVfのとき、急発進あるいは急ブレーキ時と判断して直前の車速信号から上記ΔVfを差し引いた値を車速信号Vとして出力する車速信号出力機能と、この車速信号Vに基づいた上記電流指令値I3およびI4を演算する機能と、これら電流指令値I3および前記電流指令値I1、電流指令値I4および前記電流指令値I2を基にして、ソレノイドの励磁電流Iを演算する機能とを備えた点に特徴を有する。
の発明の装置によれば、急発進時および急ブレーキ時にも、ドライバーにステアリング操作上の違和感を与えることがなくなる。
図1および図2は第1実施形態を示したものであるが、この第1実施形態において、その全体構造は、図に示した従来の装置全く同様である。したがって、図に示した全体構造に関する詳細な説明を省略するとともに、以下の説明において、図に関する説明およびそこに用いた符号等をすべて援用する。
また、この第1実施形態は、図1からも明らかなように、電流指令値I3およびI4を演算するための車速信号Vの特定の仕方が従来と異なるところで、その他は、すべて従来と同様である。ただし、以下には、従来と重複する部分も含めて図1の各構成要素を詳しく説明する。
この第1実施形態におけるコントローラCの制御システムは、図1に示すとおりである。すなわち、コントローラCには、操舵角センサー16からの操舵角信号と車速センサー17からの車速信号とが入力する。そして、コントローラCは、操舵角信号から操舵角θと操舵角速度ωとを演算する。そして、これら操舵角θおよび操舵角速度ωに基づいて、上記要求流量QMを推定するようにしている。
図1における操舵角θとソレノイド電流指令値I1とは、その操舵角θと制御流量QPとの関係がリニアな特性になる理論値を基にして決めている。また、操舵角速度ωとソレノイド電流指令値I2との関係も、操舵角速度ωと制御流量QPとがリニアな特性になる理論値を基にして決めている。
ただし、操舵角θおよび操舵角速度ωが、ある設定値以上にならなければ、上記指令値I1およびI2のいずれもゼロを出力するようにしている。つまり、ステアリングホィールが中立あるいはその近傍にある時には、上記指令値I1もI2もゼロになるようにしている。
そして、これら操舵角θに対するソレノイド電流指令値I1、および操舵角速度ωに対するソレノイド電流指令値I2は、テーブル値としてコントローラCにあらかじめ記憶させている。ただし、この発明においては、上記電流指令値I1およびI2を、コントローラCがその都度演算するようにしてもよい。
また、コントローラCは、車速センサー17の出力信号に基づいて、操舵角用電流指令値I3と操舵角速度用電流指令値I4とを出力するようにしているが、これら操舵角用電流指令値I3および操舵角速度用電流指令値I4は、テーブル値としてコントローラCにあらかじめ記憶されている。
そして、操舵角用電流指令値I3は、低速域で1を出力し、最高速域で例えば0.6を出力するようにしている。また、操舵角速度用電流指令値I4は、低速域で1を出力し、最高速域で例えば0.8を出力するようにしている。
つまり、操舵角用電流指令値I3は、1から0.6の範囲で制御する一方、操舵角速度用電流指令値I4は、1から0.8の範囲で制御するようにしている。したがって、低速域から最高速域でのゲインは、操舵角用電流指令値I3の方が、大きくなるようにしている。
そして、上記操舵角θによるソレノイド電流指令値I1には、車速信号Vに応じた操舵角用電流指令値I3を掛け合わせる。したがって、車速信号Vが高速になればなるほど、その乗算結果である出力値すなわち操舵角系の電流指令値I5は小さくなる。しかも、操舵角用電流指令値I3のゲインを、操舵角速度用電流指令値I4のゲインよりも大きくしているので、高速になればなるほど、その減少率が大きくなる。
一方、操舵角速度ωによるソレノイド電流指令値I2には、車速に応じた操舵角速度用電流指令値I4を限界値として、操舵角速度系の電流指令値I6を出力させるようにしている。この電流指令値I6も、車速に応じて減少させるようにしているが、そのゲインを、操舵角用電流指令値I3のゲインよりも小さくしているので、電流指令値I6の減少率は、電流指令値I5の場合よりも小さい。
そして、上記のように電流指令値I3およびI4を特定するための車速信号Vを特定するロジックを次に説明するが、この第1の実施形態において、車速信号Vを特定するロジックが、従来と相違する点である。
車速センサー17は、従来と同様に車輪の回転数を検出し、その検出結果をコントローラCに常時入力する。コントローラCは、車速センサー17から入力した車輪の回転数を基にして車速を演算するが、その演算は、決められた時間ごとに演算を繰り返す。また、コントローラCは、その演算結果である車速信号Vを、直前の車速信号V0と対比するとともに、その変化量ΔVと、あらかじめ設定した変化量ΔVfとの絶対値の大小を判定する。
なお、上記設定変化量ΔVfは、コントローラCにあらかじめ記憶させておくもので、この実施形態では、その設定変化量ΔVfを、例えば、(20km/h)/sに設定している。この設定変化量ΔVfである(20km/h)/sは、単位時間当たりの車速の変化量を特定するゲインを意味する。
そして、コントローラCは、図2に示すように、上記演算結果である変化量ΔVと、上記設定変化量ΔVfとの絶対値の大小が、ΔV≦ΔVfと判定すると、急発進あるいは急ブレーキ等が発生していない通常運転と判断し、現在の検出値Vkを車速信号Vとしてそのまま出力するとともに、この車速信号Vに基づいて、電流指令値I3およびI4を演算する。
一方、コントローラCは、ΔVΔVfと判定すれば、急発進あるいは急ブレーキ等があったものと判定する。このように急発進あるいは急ブレーキ等があったと判定したときには、コントローラCは、単位時間当たりのゲイン{(20km/h)/s}×Δtを演算するとともに、直前の車速信号V0からΔVfである{(20km/h)/s}×Δtを差し引いた値の絶対値を車速信号Vとして出力する。
上記のようにして演算された車速信号Vに基づいて、コントローラCは、上記電流指令値I3およびI4を演算するが、前記したように上記操舵角θによるソレノイド電流指令値I1には、車速信号Vに応じた操舵角用電流指令値I3を掛け合わせて電流指令値I5を出力し、操舵角速度ωによるソレノイド電流指令値I2には、車速に応じた操舵角速度用電流指令値I4を限界値として、操舵角速度系の電流指令値I6を出力する。
上記のように出力された操舵角系の電流指令値I5と、操舵角速度系の電流指令値I6との大小を比較し、その大きな電流指令値I5あるいはI6を採用するようにしている。このように、いずれか大きな方を採用するようにしているが、その理由は前記したとおりである。
また、上記のようにして選択された電流指令値I5あるいはI6には、スタンバイ用電流指令値I7を加算する。
このスタンバイ用電流指令I7は、常に、所定の電流が可変オリフィスaのソレノイドSOLに供給されるようにするためのものである。このようにスタンバイ用電流指令値I7が供給された可変オリフィスaは、操舵角θ、操舵角速度ωおよび車速を基にしたソレノイド電流指令値が、たとえゼロだったとしても、その開度を一定に保つとともに、一定のスタンバイ流量を確保する。
次に、上記第1実施形態の作用を説明する。
今、車両の走行中に、コントローラCは、車速センサー17から入力した車輪の回転数を基にして車速を演算する。また、コントローラCは、その演算結果である車速信号Vを、直前の車速信号V0と対比するとともに、その変化量ΔVと、あらかじめ設定した変化量ΔVfとの絶対値の大小を判定する。
そして、コントローラCが、上記演算結果である変化量ΔVと、上記設定変化量ΔVfとの絶対値の大小が、ΔV≦ΔVfと判定すれば、急発進あるいは急ブレーキ等が発生していない通常運転と判定し、現在の演算値である車速信号Vをそのまま出力するとともに、この車速信号Vに基づいて、電流指令値I3およびI4を演算する。
一方、コントローラCがΔV>ΔVfと判定すれば、急発進あるいは急ブレーキ等があったものと判定し、直前の車速信号V0からΔVfである{(20km/h)/s}×Δtを差し引いた値を車速信号Vとして出力する。そして、コントローラCは、上記車速信号Vに応じて電流指令値I3およびI4を演算する。また、コントローラCは、操舵角によるソレノイド電流指令値I1と操舵角用電流指令値I3との乗算値である操舵角系の電流指令値I5を出力するとともに、操舵角速度によるソレノイド電流指令値I2が、速舵角速度用電流指令値I4を限界値とした操舵角速度系の電流指令値I6を出力する。
そして、操舵角系の電流指令値I5と操舵角速度系の電流指令値I6との大小が判定されるとともに、その大きい方の指令値I5あるいはI6に、スタンバイ用電流指令値I7が加算され、そのときのソレノイド励磁電流Iが決められる。
このソレノイド励磁電流Iは、車両の高速走行時には、主に操舵角系の電流指令値I5が基準となり、車両の低速走行時には、主に操舵角速度系の電流指令値I6が基準となる。
ただし、低速走行時であっても、その保舵時には、操舵角系の電流指令値I5を基準にソレノイドの励磁電流Iが決められる。
また、高速走行時であっても、ステアリングを急操作したときには、操舵角速度系の電流指令値I6を基準にソレノイドの励磁電流Iが決められる。
上記のようにした第1実施形態によれば、急発進あるいは急ブレーキ時に、単位時間当たりの車速信号のゲインの調整ができる。すなわち、急発進時にはそのゲインを小さくし、急ブレーキ時には、そのゲインを大きくする。したがって、急発進時においてステアリング操作が引っかかるような操舵感がなくなり、違和感のないステアリング操作が可能になる。また、急ブレーキ時には、ステアリング操作が抜けてしまうような操舵感がなくなり、違和感のないステアリング操作が可能になる。
また、上記第実施形態の制御系では、操舵角に応じた電流指令値I1および操舵角速度に応じた電流指令値I2を基にし、電流指令値I5、I6、I7を演算するとともに、それら電流指令値を基にして最終的なソレノイドの励磁電流Iを演算するようにしている。しかし、この発明においては、操舵角に基づいた電流指令値I1および操舵角速度に基づいた電流指令値I2と、車速に応じた電流指令値I3およびI4とを基にして、最終的なソレノイドの励磁電流Iを演算する限り、その演算過程はどのようなものであってもよい。
第1実施形態におけるコントローラの制御系を示す説明図である。 第1実施形態の演算フローである。 従来のパワーステアリング装置のコントローラの制御系を示す説明図である。 従来のパワーステアリング装置の全体構造を示す説明図である。
符号の説明
I ソレノイド電流指令値
I1 操舵角θによるソレノイド電流指令値
I2 操舵角速度ωによるソレノイド電流指令値
I3 操舵角用電流指令値
I4 操舵角速度電流指令値
QP 制御流量
QT 戻り流量
QM 必要流量(要求流量)
QS スタンバイ流量
B 本体
1 スプール
2 一方のパイロット室
3 他方のパイロット室
4 ポンプポート
P ポンプ
SOL ソレノイド
a 可変オリフィス
8 パワーシリンダ
9 ステアリングバルブ
C コントローラ
16 操舵角センサー
17 車速センサー
T タンク

Claims (1)

  1. 本体にスプールを組み込み、このスプールの一端を、ポンプポートに常時連通する一方のパイロット室に臨ませ、スプールの他端を、スプリングを介在させた他方のパイロット室に臨ませ、上記一方のパイロット室の下流側にオリフィスを設け、このオリフィスを介してパワーシリンダを制御するステアリングバルブに圧油を導く一方、上記オリフィスの上流側の圧力を上記一方のパイロット室のパイロット圧とし、下流側の圧力を上記他方のパイロット室のパイロット圧とし、両パイロット室の圧力バランスでスプールの移動位置を制御するとともに、その移動位置に応じて、ポンプの吐出量を上記ステアリングバルブ側に導く制御流量QPと、タンクまたはポンプに還流させる戻り流量QTとに分配する構成にし、上記オリフィスは、ソレノイドの励磁電流Iに応じて開度を制御する可変オリフィスとするとともに、この可変オリフィスのソレノイドの励磁電流Iを制御するコントローラを設け、かつ、このコントローラには操舵角センサーを接続し、この操舵角センサーからの操舵角に応じた操舵角θと操舵角速度ωとを演算または記憶する一方、コントローラは、これら操舵角θに応じたソレノイド電流指令値I1および操舵角速度ωに応じたソレノイド電流指令値I2を記憶または演算し、これら電流指令値I1およびI2を基にして可変オリフィスのソレノイドの励磁電流Iを制御する構成にしたパワーステアリング装置において、上記コントローラは、一定時間ごとに車速を検出する車速検出機能と、上記単位時間ごとに車速の変化量ΔVを演算する車速変化演算機能と、直前に演算した車速と現在の車速との変化量ΔVがあらかじめ設定した変化量ΔVf以上になったかどうかを判定する機能と、変化量ΔV≦設定変化量ΔVfのとき、通常運転時と判断して実測値を車速信号Vとして出力し、変化量ΔV>設定変化量ΔVfのとき、急発進あるいは急ブレーキ時と判断して直前の車速信号から上記ΔVfを差し引いた値を車速信号Vとして出力する車速信号出力機能と、この車速信号Vに基づいた上記電流指令値I3およびI4を演算する機能と、これら電流指令値I3および前記電流指令値I1、電流指令値I4および前記電流指令値I2を基にして、ソレノイドの励磁電流Iを演算する機能とを備えたパワーステアリング装置。
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