JP2002114165A - パワーステアリング装置 - Google Patents

パワーステアリング装置

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JP2002114165A
JP2002114165A JP2000306794A JP2000306794A JP2002114165A JP 2002114165 A JP2002114165 A JP 2002114165A JP 2000306794 A JP2000306794 A JP 2000306794A JP 2000306794 A JP2000306794 A JP 2000306794A JP 2002114165 A JP2002114165 A JP 2002114165A
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直人 島
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教正 天野
Noboru Shimizu
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速走行時には省エネ効果を発揮して、しか
も低速走行時にはステアリングホィールを快適に操舵す
ることができる。 【解決手段】 操舵角θとソレノイド電流指令値I1
とは、その操舵角θと制御流量QPとの関係がリニアな
特性になる理論値を基にして決めている。また、操舵角
速度ωとソレノイド電流指令値I2との関係も、操舵角
速度ωと制御流量QPとがリニアな特性になる理論値を
基にして決めている。ただし、操舵角θおよび操舵角速
度ωが、ある設定値以上にならなければ、上記指令値I
1およびI2のいずれもゼロを出力するように、いわゆ
る不感帯を設けている。そして、この不感帯は、車速v
に応じて、その設定値を変更するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、パワーシリンダ
側に導く流量を制御する流量制御弁を備えたパワーステ
アリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この発明の出願人によって特願2000
−74618が出願されているが、これを図2,3に基
づいて説明する。まず、その構成を図2に基づいて説明
する。本体Bには、流量制御弁Vのスプール1とともに
ポンプPも一体的に組み込んでいる。上記スプール1
は、その一端を一方のパイロット室2に臨ませ、他端を
他方のパイロット室3に臨ませている。上記一方のパイ
ロット室2は、ポンプポート4を介してポンプPに常時
連通している。また、他方のパイロット室3にはスプリ
ング5を介在させている。このようにした両パイロット
室2,3は、ソレノイドSOLの励磁電流Iに応じて開
度を制御する可変オリフィスaを介して、互いに連通し
ている。
【0003】すなわち、一方のパイロット室2は、流路
6→可変オリフィスa→流路7を経由してパワーシリン
ダ8を制御するステアリングバルブ9の流入側に連通し
ている。また、他方のパイロット室3は、流路10およ
び流路7を介してステアリングバルブ9の流入側に連通
している。したがって、上記両パイロット室2,3は、
可変オリフィスaを介して連通することになり、可変オ
リフィスaの上流側の圧力が一方のパイロット室2に作
用し、下流側の圧力が他方のパイロット室3に作用する
ことになる。
【0004】そして、スプール1は、一方のパイロット
室2の作用力と、他方のパイロット室3の作用力とがバ
ランスした位置を保つが、そのバランス位置において、
前記ポンプポート4とタンクポート11との開度が決め
られる。今、エンジン等からなるポンプ駆動源12が停
止していると、ポンプポート4に圧油が供給されない。
ポンプポート4に圧油が供給されなければ、両パイロッ
ト室2,3には圧力が発生しないので、スプール1はス
プリング5の作用で図示のノーマル位置を保つ。
【0005】上記の状態からポンプPが駆動して、ポン
プポート4に圧油が供給されると、可変オリフィスaに
流れができるので、そこに圧力損失が発生する。この圧
力損失の作用で、両パイロット室2,3に圧力差が発生
し、この圧力差に応じてスプール1がスプリング5に抗
して移動し、上記バランス位置を保つ。このようにスプ
ール1がスプリング5に抗して移動することによって、
タンクポート11の開度を大きくするが、このときのタ
ンクポート11の開度に応じて、ステアリングバルブ9
側に導かれる制御流量QPと、タンクTあるいはポンプ
Pに還流される戻り流量QTの分配比が決まる。言い換
えれば、タンクポート11の開度に応じて制御流量QP
が決まることになる。
【0006】上記のように制御流量QPが、スプール1
の移動位置で決まるタンクポート11の開度に応じて制
御されるということは、結局は、可変オリフィスaの開
度に応じて制御流量QPが決まることになる。なぜな
ら、スプール1の移動位置は、両パイロット室2,3の
圧力差で決まるとともに、この圧力差を決めているのが
可変オリフィスaの開度だからである。
【0007】したがって、車速や操舵状況に応じて、制
御流量QPを制御するためには、可変オリフィスaの開
度、すなわちソレノイドSOLの励磁電流を制御すれば
よいことになる。なぜなら、可変オリフィスaは、ソレ
ノイドSOLが非励磁状態のときにその開度を最少に保
ち、励磁電流を大きくしていくにしたがってその開度を
大きくするからである。
【0008】なお、前記ステアリングバルブ9は、図示
していないステアリングホィールの入力トルク(操舵ト
ルク)に応じて、パワーシリンダ8への供給流量を制御
するものである。例えば、操舵トルクが大きければ、パ
ワーシリンダ8への供給量を大きくし、操舵トルクが小
さければそれに応じて供給流量も少なくするようにして
いる。この操舵トルクとステアリングバルブ9の切り換
え量は、図示していないトーションバーなどのねじれ反
力によって決まることになる。
【0009】上記のように操舵トルクが大きいときに、
ステアリングバルブ9の切り換え量を大きくすれば、そ
の分、パワーシリンダ8によるアシスト力が大きくな
る。反対に、ステアリングバルブ9の切り換え量を小さ
くすれば、上記アシスト力は小さくなる。そして、操舵
トルクによって決まるパワーシリンダ8の必要(要求)
流量QMと、流量制御弁Vで決められる制御流量QPと
を、いつも等しくすれば、ポンプP側のエネルギー損失
を低く抑えることができる。なぜなら、ポンプP側のエ
ネルギーロスは、制御流量QPとパワーシリンダ8の要
求量QMとの差によって発生するからである。
【0010】上記のように制御流量QPを、パワーシリ
ンダ8の要求量QMにできるだけ近づけるために、可変
オリフィスaの開度を制御するのが、ソレノイドSOL
に対する励磁電流であり、この励磁電流を制御するの
が、コントローラCである。このコントローラCには、
操舵角センサー16と車速センサー17とを接続し、こ
れら両センサーの出力信号に基づいて、ソレノイドSO
Lの励磁電流を制御するようにしている。
【0011】なお、図中符号18はスプール1の先端に
形成したスリットで、スプール1が図示の位置にあると
きにも、一方のパイロット室2が、このスリット18を
介して、流路7に常時連通するようにしている。言い換
えると、スプール1が図示の状態にあって、流路6を閉
じているようなときにも、ポンプPの吐出油が、このス
リット18を介して、ステアリングバルブ9側に供給さ
れるようにしている。このように微少流量であるが、ス
テアリングバルブ9側に圧油を供給するようにしたの
は、装置全体の焼き付きの防止、キックバック等の外乱
の防止、および応答性の確保を目的にしているからであ
る。ただし、これらの目的は、後で説明するスタンバイ
流量を確保することでも達成できるので、詳細な説明は
後に譲ることにする。また、符号19は、コントローラ
CとソレノイドSOLとの間に接続したドライバーであ
る。
【0012】上記コントローラCの制御システムは、図
3に示すとおりである。すなわち、コントローラCに
は、操舵角センサー16からの操舵角信号と車速センサ
ー17からの車速信号とが入力する。そして、コントロ
ーラCは、操舵角信号から操舵角θと操舵角速度ωとを
演算する。そして、これら操舵角θおよび操舵角速度ω
に基づいて、上記要求量QMを推定し、コントローラC
によって、ソレノイドSOLの励磁電流を制御するよう
にしている。その制御形態は、図3に示すとおりであ
る。図3における操舵角θとソレノイド電流指令値I1
とは、その操舵角θと制御流量QPとの関係がリニアな
特性になる理論値を基にして決めている。また、操舵角
速度ωとソレノイド電流指令値I2との関係も、操舵角
速度ωと制御流量QPとがリニアな特性になる理論値を
基にして決めている。
【0013】ただし、操舵角θおよび操舵角速度ωが、
ある設定値以上にならなければ、上記指令値I1および
I2のいずれもゼロを出力するように、いわゆる不感帯
を設けている。つまり、ステアリングホィールが中立あ
るいはその近傍にある時には、上記指令値I1もI2も
ゼロになるようにしている。これは、高速時でも安全に
ステアリング操作することができるようにするためであ
る。すなわち、高速道路のように直線を高速で走行して
いるとき、ステアリングホィールを操作すると同時に、
パワーシリンダにアシスト力が急に供給されるのは非常
に危険である。したがって、不感帯を設けて、パワーシ
リンダに徐々にアシスト力が付与されるようにしてい
る。また、上記不感帯の範囲は、高速時の安全性を考慮
して設定している。
【0014】そして、操舵角用電流指令値I3は、低速
域で1を出力し、最高速域で例えば0.6を出力するよう
にしている。また、操舵角速度用電流指令値I4は、低
速域で1を出力し、最高速域で例えば0.8を出力するよ
うにしている。つまり、操舵角用電流指令値I3は、1
から0.6の範囲で制御する一方、操舵角速度用電流指令
値I4は、1から0.8の範囲で制御するようにしてい
る。したがって、低速域から最高速域でのゲインは、操
舵角用電流指令値I3の方が、大きくなるようにしてい
る。
【0015】そして、上記操舵角θによるソレノイド電
流指令値I1には、車速Vに応じた操舵角用電流指令値
I3を掛け合わせる。したがって、車速Vが高速になれ
ばなるほど、その積算結果である出力値すなわち操舵角
系の電流指令値I5は小さくなる。しかも、操舵角用電
流指令値I3のゲインを、操舵角速度用電流指令値I4
のゲインよりも大きくしているので、高速になればなる
ほど、その減少率が大きくなる。
【0016】一方、操舵角速度ωによるソレノイド電流
指令値I2には、車速に応じた操舵角速度用電流指令値
I4を限界値として、操舵角速度系の電流指令値I6を
出力させるようにしている。この電流指令値I6も、車
速に応じて減少させるようにしているが、そのゲイン
を、操舵角速度用電流指令値I4のゲインよりも小さく
しているので、電流指令値I6の減少率は、電流指令値
I5の場合よりも小さい。
【0017】上記のように出力された操舵角系の電流指
令値I5と、操舵角速度系の電流指令値I6との大小を
比較し、その大きな方I5 あるいはI6を採用するよ
うにしている。このように、いずれか大きな方を採用す
るようにしたのは、次の理由からである。すなわち、高
速走行時には、ステアリングを急操作することはまずな
いので、操舵角速度系の電流指令値I6が小さくて、操
舵角系の電流指令値I5の方が大きくなるのが通常であ
る。
【0018】したがって、高速走行時には、ステアリン
グ操作の安全性・安定性を高めるために、操舵角を基準
にしながら、その操舵角系の電流指令値I5のゲインを
大きくしている。言い換えれば、走行速度が速くなれば
なるほど、制御流量QPを少なくする比率を高めて、エ
ネルギーロスをより少なくするようにしている。
【0019】一方、低速走行時には、ステアリングを急
操作することが多くなる。そのために、多くの場合に操
舵角速度の方が大きくなる。このように操舵角速度が大
きい場合には、応答性が重視される。したがって、低速
走行時には、ステアリング操作の操作性すなわち応答性
を高めるために、操舵角速度を基準にしながら、その操
舵角速度系の電流指令値I6のゲインを小さくしてい
る。言い換えれば、走行速度がある程度速くなっても、
ステアリングを急操作したときには、制御流量QPを十
分に確保して、応答性を優先させるようにしている。
【0020】ただし、車両の走行速度が一定でも、操舵
角系の電流指令値I5が大きくなったり、操舵角速度系
の電流指令値I6が大きくなったりする。例えば、ステ
アリングをある角度操舵して、その操舵角θの位置で、
ステアリングを止めて保舵している時には、操舵角速度
ωはゼロになってしまう。したがって、車速が同じで
も、最初、操舵角速度系の電流指令値I6が大きく、保
舵に入ってから操舵角系の電流指令値I5の方が大きく
なる。いずれにしても、電流指令値I5とI6の大きい
方の値を択一しているので、どのような走行条件でも、
いずれかの電流指令値が出力されることになる。
【0021】もし、上記のような保舵時に、電流指令値
I5とI6のいずれもが出力されなければ、制御流量Q
Pを確保できななくなる。制御流量QPを確保できなけ
れば、保舵時には、車両のセルフアライニングトルクに
よる抗力に負けて、パワーシリンダ8が動いてしまう。
このようにパワーシリンダ8がその位置を保てずに動い
てしまえば、それこそ保舵そのものが不可能になる。
【0022】しかし、上記のように、電流指令値I5と
I6のいずれかを用いるようにしているので、ステアリ
ング操作中に、両方ともゼロになることはない。言い換
えれば、保舵時であっても操舵角θが保たれているの
で、ソレノイド電流指令値I1を確保できる。したがっ
て、この電流指令値I1で保舵に必要なパワーを維持で
きることになる。
【0023】一方で、高速走行時でも、ステアリングを
急操作することがある。この時には、操舵角速度系の電
流指令値I6が大きくなるので、その電流指令値I6が
選択される。ただし、この電流指令値I6は、操舵角速
度用電流指令値I4の限界値の範囲内に制御された値に
なるので、安全性は十分に確保される。ただ、車両の高
速走行時における操舵角速度用電流指令値I4の限界最
小値は、操舵角用電流指令値I3の最小値よりもやや大
きくしている。つまり、この実施態様では、前記したよ
うに操舵角用電流指令値I3の最小値を0.6に設定し、
操舵角速度用電流指令値I4の限界最小値を0.8に設定
している。
【0024】したがって、高速走行時に、操舵角系の電
流指令値I5で制御される場合よりも、操舵角速度系の
電流指令値I6で制御される場合の方が、応答性がよく
なる。ただし、高速走行時に、あまり応答性をよくしす
ぎると、安全性が損なわれる危険がある。そこで、操舵
角速度用電流指令値I4の限界最小値を0.8に設定して
いるが、その根拠は、車両のヨーレートをもとにした安
全性を基準にしている。
【0025】つまり、車両のヨーレートは、だいたい車
速60km/h以下で走行しているとき、その収れん性がほ
とんど似たような特性になる。つまり、60km/h以下で
は、10km/h走行であろうと、40km/h走行であろう
と、その収れん性はほとんど変わらない。このようにヨ
ーレートの収れん性が安定している範囲を、安全性の限
界としてとらえ、操舵角速度用電流指令値I4の限界最
小値を0.8に設定したものである。
【0026】したがって、100km/hで走行中に、ステ
アリングを急操作し、操舵角速度系の電流指令値I6が
大きくなって、その電流指令値I6が選択されたとき、
60km/hで走行しているときと同じような安全性・安定
性で操舵できることになる。
【0027】また、上記のようにして選択された電流指
令値I5 あるいはI6には、スタンバイ用電流指令値
I7を加算する。このスタンバイ用電流指令I7は、常
に、所定の電流が可変オリフィスaのソレノイドSOL
に供給されるようにするためのものである。このように
スタンバイ用電流指令値I7が供給された可変オリフィ
スaは、操舵角θ、操舵角速度ωおよび車速を基にした
ソレノイド電流指令値が、たとえゼロだったとしても、
その開度を一定に保つとともに、一定のスタンバイ流量
を確保する。
【0028】ただし、省エネという観点からすると、パ
ワーシリンダ8およびステアリングバルブ9側の要求流
量QMがゼロなら、流量制御弁Vの制御流量QPもゼロ
にするのが理想的であるが、その理由は次のとおりであ
る。制御流量QPをゼロにするということは、ポンプP
の吐出量全量をタンクポート11からポンプPまたはタ
ンクTに還流させることを意味する。そして、タンクポ
ート11からポンプPまたはタンクTに還流する流路
は、本体B内にあって非常に短いので、その圧力損失が
ほとんどない。圧力損失がほとんどないので、ポンプP
の駆動トルクも最少に抑えられ、その分、省エネにつな
がることになる。このような意味から、要求流量QMが
ゼロのときに、制御流量QPもゼロにするのが、省エネ
という観点からは、絶対に有利になる。
【0029】それにもかかわらず、要求流量QMがゼロ
でもスタンバイ流量QSを確保したのは、次の3つの理
由からである。 装置の焼き付き防止 ある程度の油を装置に循環させておいた方が、その油に
よる冷却効果が期待できるが、スタンバイ流量はこの冷
却機能を果たすことになる。
【0030】キックバック等の外乱やセルフアライニン
グトルクに対抗 タイヤに外乱やセルフアライニングトルク等による抗力
が作用すると、それがパワーシリンダ8のロッドに作用
する。もし、スタンバイ流量を確保しておかなければ、
この外乱やセルフアライニングトルクによる抗力で、タ
イヤがふらついてしまう。しかし、スタンバイ流量を確
保しておけば、たとえ上記抗力が作用したとしても、タ
イヤがふらついたりしない。すなわち、上記パワーシリ
ンダ8のロッドには、ステアリングバルブ9を切り換え
るためのピニオン等がかみ合っているので、上記抗力が
作用すると、ステアリングバルブも切り換わって、その
抗力に対抗する方向にスタンバイ流量を供給することに
なる。したがって、スタンバイ流量を確保しておけば、
上記キックバックによる外乱や、セルフアライニングト
ルクに対抗できることになる。
【0031】応答性の確保 例えば、スタンバイ流量QSを確保しておけば、それが
全然ないときよりも、目的の制御流量QPに到達する時
間が短くてすむ。この時間差が応答性になるので、結
局、スタンバイ流量QSを確保した方が、応答性を向上
させることができる。
【0032】次に、この従来例の作用を説明する。車両
の走行中には、操舵角によるソレノイド電流指令値I1
と操舵角用電流指令値I3との積算値である操舵角系の
電流指令値I5が出力される。これとともに、操舵角速
度によるソレノイド電流指令値I2が、速舵角速度用電
流指令値I4を限界値として、操舵角速度系の電流指令
値I6が出力される。
【0033】そして、操舵角系の電流指令値I5と操舵
角速度系の電流指令値I6との大小が判定されるととも
に、その大きい方の指令値I5あるいはI6に、スタン
バイ用電流指令値I7が加算され、そのときのソレノイ
ド励磁電流Iが決められる。このソレノイド励磁電流I
は、車両の高速走行時には、主に操舵角系の電流指令値
I5が基準となり、車両の低速走行時には、主に操舵角
速度系の電流指令値I6が基準となる。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなパワース
テアリング装置において、より一層の省エネを図ろうと
したとき、不感帯の設定値を大きくすることが考えられ
る。すなわち、ステアリング操作されてから、ソレノイ
ド電流指令値I1が出力されるまでの、この指令値I1
がゼロの時間を長くする。この長くした分だけ、省エネ
が可能になる。しかし、この電流指令値がゼロの時間を
長くして、不感帯の設定値を大きくすると、特に低速走
行時において、不感帯からこれを抜けたときの操舵感に
違和感を覚えるという問題が生じる。
【0035】すなわち、ステアリングホィールを操作し
ても、その操舵角が不感帯にあるときには、アシスト力
が発揮されていないのでステアリングホィールが重い。
そして、不感帯を抜けるとアシスト力が発揮されるの
で、ステアリングホィールが軽くなる。このようにステ
アリングホィールが重くなったり、軽くなったりする
と、ドライバーは操舵中に、ステアリングホィールが引
っかかるような違和感を覚える。しかし、このステアリ
ング操作時の違和感を解消しようとして、不感帯の設定
値を小さくすると、高速走行時に危険である。なぜな
ら、不感帯の設定値が小さいと、わずかにステアリング
操作しただけでもアシスト力が付与されるので、車体が
急旋回してしまうからである。このように、従来の流量
制御装置では、不感帯の設定値を固定値にしていたの
で、この設定値を大きくすれば低速時に、小さくすれば
高速時に、それぞれ問題が生じていた。
【0036】この発明の目的は、高速走行時には省エネ
効果を発揮して、しかも低速走行時にはステアリングホ
ィールを快適に操舵することができるパワーステアリン
グ装置を提供することである。
【0037】
【課題を解決するための手段】この発明は、本体にスプ
ールを組み込み、このスプールの一端を、ポンプポート
に常時連通する他方のパイロット室に臨ませ、スプール
の他端を、スプリングを介在させた一方のパイロット室
に臨ませ、上記一方のパイロット室の下流側にオリフィ
スを設け、このオリフィスを介してパワーシリンダを制
御するステアリングバルブに圧油を導く一方、上記オリ
フィスの上流側の圧力を上記一方のパイロット室のパイ
ロット圧とし、下流側の圧力を上記他方のパイロット室
のパイロット圧とし、両パイロット室の圧力バランスで
スプールの移動位置を制御するとともに、その移動位置
に応じて、ポンプの吐出量を上記ステアリングバルブ側
に導く制御流量QPと、タンクまたはポンプに還流させ
る戻り流量QTとに分配するとともに、上記オリフィス
は、ソレノイドの励磁電流Iに応じて開度を制御する可
変オリフィスとするとともに、この可変オリフィスのソ
レノイドの励磁電流Iを制御するコントローラを設け、
かつ、このコントローラには舵角センサーを接続し、こ
の舵角センサーからの操舵角に応じた操舵角θと操舵角
速度ωとを演算または記憶する一方、コントローラはこ
れら操舵角θに応じたソレノイド電流指令値I1および
操舵角速度ωに応じたソレノイド電流指令値I2を記憶
または演算するとともに、これらソレノイド電流指令値
I1とI2とを加算し、この加算した値に、さらにスタ
ンバイ用のソレノイド電流指令値I4を加算し、これら
合計指令値を基に可変オリフィスのソレノイドの励磁電
流Iを制御して、かつ、操舵角θが設定値以下のときに
は、ソレノイド電流指令値I1の出力をゼロにする不感
帯を設ける構成にしたパワーステアリング装置におい
て、上記コントローラは、車速に応じて、上記不感帯の
設定値を変更する構成にしたことを特徴とする。
【0038】
【発明の実施の形態】図1に示したのは、この発明の一
実施形態であり、車速に応じてソレノイド電流指令値I
1の不感帯設定値を調節することを特徴とする。この特
徴以外については、従来例と同様である。従来例と同様
の構成要素については、従来例と同じ符合を用いて説明
する。
【0039】この一実施態様において、コントローラC
には、操舵角センサー16からの操舵角信号と車速セン
サー17からの車速信号とが入力する。そして、コント
ローラCは、操舵角信号から操舵角θと操舵角速度ωと
を演算する。さらに、コントローラCは、上記車速信号
と操舵角θによって、不感帯の設定値を演算する。そし
て、車速が遅いとき、ソレノイド電流指令値I1の不感
帯を小さく設定し、車速が早いとき、上記不感帯を大き
く設定するようにしている。
【0040】すなわち、図1に示したように、車速が低
速のV1であるとき、不感帯を設定値A1に設定する。
この設定値A1というのは、操舵角がθ1に達したとき
ソレノイド電流指令値I1のゼロ設定を解除するもので
ある。また、操舵角θ1とは、非常に小さい角度であ
り、中立位置からわずかにステアリング操作をしたとき
である。したがって、車速が遅いときには、ステアリン
グ操作をしたらすぐにアシスト力が付与されるようにし
ている。
【0041】また、車速が高速のV2であるとき、不感
帯を不感帯設定値A2に設定する。この不感帯設定値A
2というのは、操舵角がθ2に達したときソレノイド電
流指令値I1のゼロ設定を解除するものである。上記操
舵角θ2とは、比較的大きな角度であり、中立位置から
大きくステアリング操作をしないと、操舵角θ2には達
しないようにしている。したがって、車速が早いときに
は、急にアシスト力が付与されることがなく、十分にそ
の安全性を保つことができる。また、上記ソレノイド電
流指令値I1を与える操舵角θの値は、車速に応じてリ
ニアに切り換わるようにしている。
【0042】また、ソレノイド電流指令値I1によっ
て、操舵角用電流指令値I3との積算値である操舵角系
の電流指令値I5が出力されること、従来と同様であ
る。さらに、操舵角速度によるソレノイド電流指令値I
2が、速舵角速度用電流指令値I4を限界値として、操
舵角速度系の電流指令値I6が出力される。そして、操
舵角系の電流指令値I5と操舵角速度系の電流指令値I
6との大小が判定されるとともに、その大きい方の指令
値I5あるいはI6に、スタンバイ用電流指令値I7が
加算され、そのときのソレノイド励磁電流Iが決められ
る。そして、このソレノイド励磁電流Iをコントローラ
Cで制御している。
【0043】上記のような実施形態において、車速に応
じて不感帯の設定値を調節することができる。すなわ
ち、低速で走行しているときには、ステアリングをわず
かに切ったときにも、アシスト力が付与される。したが
って、ステアリングが重い状態から軽い状態に切り換わ
るときの、違和感がなくなる。しかも、高速で走行して
いるときには、ステアリングをある程度切らなければア
シスト力が付与されない。したがって、このアシスト力
が付与されるまでの不感帯の分だけ省エネが可能とな
る。
【0044】
【発明の効果】この発明によれば、車速に応じて不感帯
の設定値を調節することができるので、低速時における
ステアリング操作の違和感をドライバーに与えることな
く、高速時には、省エネを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明のコントローラCの制御システムを示
した図である。
【図2】従来のパワーステアリング装置の全体図であ
る。
【図3】従来のコントローラCの制御システムを示した
図である。
【符号の説明】
A 不感帯設定値 I ソレノイド電流指令値 I1 操舵角θによるソレノイド電流指令値 I2 操舵角速度ωによるソレノイド電流指令値 I4 操舵角速度電流指令値 QP 制御流量 QT 戻り流量 QS スタンバイ流量 B 本体 1 スプール 2 一方のパイロット室 3 他方のパイロット室 4 ポンプポート P ポンプ SOL ソレノイド a 可変オリフィス 8 パワーシリンダ 9 ステアリングバルブ C コントローラー 16 操舵角センサー 17 車速センサー T タンク
フロントページの続き (72)発明者 清水 昇 東京都港区浜松町2−4−1 世界貿易セ ンタービルカヤバ工業株式会社内 Fターム(参考) 3D032 CC08 CC49 DA03 DA09 DA23 DB11 DC22 DE10 EB11 EC05 GG01 3D033 EB09

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体にスプールを組み込み、このスプー
    ルの一端を、ポンプポートに常時連通する一方のパイロ
    ット室に臨ませ、スプールの他端を、スプリングを介在
    させた他方のパイロット室に臨ませ、上記一方のパイロ
    ット室の下流側にオリフィスを設け、このオリフィスを
    介してパワーシリンダを制御するステアリングバルブに
    圧油を導く一方、上記オリフィスの上流側の圧力を上記
    一方のパイロット室のパイロット圧とし、下流側の圧力
    を上記他方のパイロット室のパイロット圧とし、両パイ
    ロット室の圧力バランスでスプールの移動位置を制御す
    るとともに、その移動位置に応じて、ポンプの吐出量を
    上記ステアリングバルブ側に導く制御流量QPと、タン
    クまたはポンプに還流させる戻り流量QTとに分配する
    とともに、上記オリフィスは、ソレノイドの励磁電流I
    に応じて開度を制御する可変オリフィスとするととも
    に、この可変オリフィスのソレノイドの励磁電流Iを制
    御するコントローラを設け、かつ、このコントローラに
    は舵角センサーを接続し、この舵角センサーからの信号
    に応じた操舵角θと操舵角速度ωとを演算または記憶す
    る一方、コントローラはこれら操舵角θに応じたソレノ
    イド電流指令値I1および操舵角速度ωに応じたソレノ
    イド電流指令値I2を記憶または演算するとともに、こ
    れらソレノイド電流指令値I1とI2とを加算し、この
    加算した値に、さらにスタンバイ用のソレノイド電流指
    令値I4を加算し、これら合計指令値を基に可変オリフ
    ィスのソレノイドの励磁電流Iを制御して、かつ、操舵
    角θが設定値以下のときには、ソレノイド電流指令値I
    1の出力をゼロにする不感帯を設ける構成にしたパワー
    ステアリング装置において、上記コントローラは、車速
    に応じて、上記不感帯の設定値を変更する構成にしたパ
    ワーステアリング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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