JP2006281849A - パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 コントローラCは、操舵角系電流指令値Iθあるいは操舵角速度系電流指令値Iωに基づいて、ソレノイド電流指令値Itを算出する。そして、コントローラC、スタンバイ流量を特定するためのスタンバイ用電流指令値Isを記憶する機能と、ソレノイド電流指令値Itにスタンバイ用電流指令値Isを加算する機能と、これら合計指令値(It+Is)に補正用電流指令値Irを乗算する機能とを備えている。
【選択図】 図1
Description
本体Bには、流量制御弁Vのスプール1とともにポンプPも一体的に組み込んでいる。
上記スプール1は、その一端を一方のパイロット室2に臨ませ、他端を他方のパイロット室3に臨ませている。上記一方のパイロット室2は、ポンプポート4を介してポンプPに常時連通している。また、他方のパイロット室3にはスプリング5を介在させている。このようにした両パイロット室2,3は、ソレノイドSOLの励磁電流Iに応じて開度を制御する可変オリフィスaを介して、たがいに連通している。
したがって、上記両パイロット室2,3は、可変オリフィスaを介して連通することになり、可変オリフィスaの上流側の圧力が一方のパイロット室に作用し、下流側の圧力が他方のパイロット室3に作用することになる。
今、エンジン等からなるポンプ駆動源12が停止していると、ポンプポート4に圧油が供給されない。ポンプポート4に圧油が供給されなければ、両パイロット室2,3には圧力が発生しないので、スプール1はスプリング5の作用で図示のノーマル位置を保つ。
このようにスプール1がスプリング5に抗して移動することによって、タンクポート11の開度を大きくするが、このときのタンクポート11の開度に応じて、ステアリングバルブ9側に導かれる制御流量QPと、タンクTあるいはポンプPに還流される戻り流量QTの分配比が決まる。言い換えれば、タンクポート11の開度に応じて制御流量QPが決まることになる。
なぜなら、可変オリフィスaは、ソレノイドSOLが非励磁状態のときにその開度を最少に保ち、励磁電流を大きくしていくにしたがってその開度を大きくするからである。
そして、操舵トルクによって決まるパワーシリンダ8の必要(要求)流量QMと、流量制御弁Vで決められる制御流量QPとを、いつも等しくすれば、ポンプP側のエネルギー損失を低く抑えることができる。なぜなら、ポンプP側のエネルギーロスは、制御流量QPとパワーシリンダ8の要求流量QMとの差によって発生するからである。
このコントローラCには、操舵角センサー16と車速センサー17とを接続し、これら両センサーの出力信号に基づいて、ソレノイドSOLの励磁電流Iを制御するようにしている。
このように微少流量であるが、ステアリングバルブ9側に圧油を供給するようにしたのは、装置全体の焼き付きの防止、キックバック等の外乱の防止、および応答性の確保を目的にしているからである。ただし、これらの目的は、後で説明するスタンバイ流量を確保することでも達成できるので、詳細な説明は後に譲ることにする。
そして、これら操舵角θに対する操舵角電流指令値I1、および操舵角速度ωに対する操舵角速度電流指令値I2は、テーブル値としてコントローラCにあらかじめ記憶させている。
つまり、第1車速関連電流指令値Io1は、1から0.6の範囲で制御する一方、第2車速関連電流指令値Io2は、1から0.8の範囲で制御するようにしている。したがって、低速域から最高速域でのゲインは、第1車速関連電流指令値Io1の方が、大きくなるようにしている。
このように、いずれか大きな方を採用するようにしたのは、次の理由からである。すなわち、高速走行時には、ステアリングを急操作することはまずないので、ステアリング操作した場合に、操舵角速度系電流指令値Iωが小さくて、操舵角系電流指令値Iθの方が大きくなるのが通常である。
したがって、低速走行時には、操舵角速度を基準にしながら、その操舵角速度系電流指令値Iωを採用し、ステアリング操作の操作性すなわち応答性を高めるようにしている。このようにすることによって、走行速度がある程度速くなっても、ステアリングを急操作したときに、制御流量QPを十分に確保し、応答性を優先させることができる。
ただ、この従来の装置では、電流指令値IθとIωの大きい方の値を選択してソレノイド電流指令値Itとしているので、どのような走行条件でも、上記ソレノイド電流指令値Itが出力されることになる。
このスタンバイ用電流指令Isは、常に、所定の電流が可変オリフィスaのソレノイドSOLに供給されるようにするためのものである。このようにスタンバイ用電流指令値Isが供給された可変オリフィスaは、上記ソレノイド電流指令値Itが、たとえゼロであったとしても、その開度を一定に保つとともに、一定のスタンバイ流量を確保する。
今、車両の走行中には、操舵角による操舵角電流指令値I1と第1車速関連電流指令値Io1との乗算値である操舵角系電流指令値Iθが出力される。これとともに、操舵角速度による操舵角速度電流指令値I2が、第2車速関連電流指令値Io2を限界値として、操舵角速度系電流指令値Iωが出力される。
このソレノイドの励磁電流Iは、車両の高速走行時には、主に操舵角系電流指令値Iθが基準となり、車両の低速走行時には、主に操舵角速度系電流指令値Iωが基準となる。
また、高速走行時であっても、ステアリングを急操作したときには、操舵角速度系電流指令値Iωを基準にソレノイドの励磁電流Iが決められる。
第4の発明は、上記コントローラが、補正用電流指令値Irを第1補正用電流指令値Ir1と第2電流指令値Ir3とに分けて記憶する機能と、上記ソレノイド電流指令値Itに第1補正用電流指令値Ir1を乗算したソレノイド電流指令値(It×Ir1)を演算する機能と、上記スタンバイ用電流指令値Isに第2補正用電流指令値Ir2を乗算してソレノイド電流指令値(Ir2×Is)を演算する機能と、これらソレノイド電流指令値(It×Ir1)と(Ir2×Is)とを加算する機能とを備えた点に特徴を有する。
そして、これら操舵角θに対する操舵角電流指令値I1、および操舵角速度ωに対する操舵角速度電流指令値I2は、テーブル値としてコントローラCにあらかじめ記憶させている。ただし、この発明においては、上記電流指令値I1およびI2を、コントローラCがその都度演算するようにしてもよい。
つまり、第1車速関連電流指令値Io1は、1から0.6の範囲で制御する一方、第2車速関連電流指令値Io2は、1から0.8の範囲で制御するようにしている。したがって、低速域から最高速域でのゲインは、第1車速関連電流指令値Io1の方が、大きくなるようにしている。
このスタンバイ用電流指令Isは、常に、所定の電流が可変オリフィスaのソレノイドSOLに供給されるようにするためのものである。このようにスタンバイ用電流指令値Isが供給された可変オリフィスaは、操舵角θ、操舵角速度ωおよび第1,2車速関連電流指令値Io1,Io2が、たとえゼロだったとしても、その開度を一定に保つとともに、一定のスタンバイ流量を確保する。
上記したように操舵角系電流指令値Iθと操舵角速度系電流指令値Iωとの大小が判定されて、ソレノイド電流指令値Itが算出されると、このソレノイド電流指令値Itに、スタンバイ用電流指令値Isが加算される。この加算された電流指令値It+Isに、補正用電流指令値Irが乗算されて、その結果がソレノイドの励磁電流Iとして出力される。このようにして演算された励磁電流Iは、車両の高速走行時には、主に操舵角系電流指令値Iθが基準となり、車両の低速走行時には、主に操舵角速度系電流指令値Iωが基準となる。
I1 操舵角電流指令値
I2 操舵角速度電流指令値
Io1 第1車速関連電流指令値
Io2 第2車速関連電流指令値
Iθ 操舵角系電流指令値
Iω 操舵角速度系電流指令値
It ソレノイド電流指令値
QP 制御流量
QT 戻り流量
QM 必要流量(要求流量)
QS スタンバイ流量
B 本体
1 スプール
2 一方のパイロット室
3 他方のパイロット室
4 ポンプポート
P ポンプ
SOL ソレノイド
a 可変オリフィス
8 パワーシリンダ
9 ステアリングバルブ
C コントローラ
16 操舵角センサー
17 車速センサー
T タンク
Claims (4)
- 本体にスプールを組み込み、このスプールの一端を、ポンプポートに常時連通する一方のパイロット室に臨ませ、スプールの他端を、スプリングを介在させた他方のパイロット室に臨ませ、上記一方のパイロット室の下流側にオリフィスを設け、このオリフィスを介してパワーシリンダを制御するステアリングバルブに圧油を導く一方、上記オリフィスの上流側の圧力を上記一方のパイロット室のパイロット圧とし、下流側の圧力を上記他方のパイロット室のパイロット圧とし、両パイロット室の圧力バランスでスプールの移動位置を制御するとともに、その移動位置に応じて、ポンプの吐出量を上記ステアリングバルブ側に導く制御流量QPと、タンクまたはポンプに還流させる戻り流量QTとに分配する構成にし、上記オリフィスは、ソレノイドの励磁電流Iに応じて開度を制御する可変オリフィスとするとともに、この可変オリフィスのソレノイドの励磁電流Iを制御するコントローラを設け、かつ、このコントローラには操舵角センサーおよび車速センサーを接続し、上記操舵角センサーからの操舵角に応じた操舵角θと操舵角速度ωとを演算または記憶する一方、コントローラは、これら操舵角θに応じた操舵角電流指令値I1、操舵角速度ωに応じた操舵角速度電流指令値I2および車速センサーからの車速関連電流指令値Ioを記憶または演算し、これら操舵角に応じた電系流指令値I1、操舵角速度に応じた電流指令値I2および車速関連電流指令値Ioを基にしてソレノイド電流指令値Itを演算するとともに、このソレノイド電流指令値Itに基づいて可変オリフィスのソレノイドの励磁電流Iを制御する構成にしたパワーステアリング装置において、上記コントローラは、エンジンもしくはエンジンに連係した機器の回転数を検出する機能と、この回転数に応じてゲインを変化させる補正用電流指令値Irを記憶する機能と、この補正用電流指令値Irをソレノイドの励磁電流Iの演算に反映させる機能とを備えたパワーステアリング装置。
- 上記コントローラは、スタンバイ流量を特定するためのスタンバイ用電流指令値Isを記憶する機能と、上記ソレノイド電流指令値Itにスタンバイ用電流指令値Isを加算する機能と、これら合計指令値(It+Is)に補正用電流指令値Irを乗算する機能とを備えた請求項1記載のパワーステアリング装置。
- 上記コントローラは、上記ソレノイド電流指令値Itに補正用電流指令値Irを乗算したソレノイド電流指令値(It×Ir)を演算する機能と、このソレノイド電流指令値(It×Ir)にスタンバイ用電流指令値Isを加算する機能とを備えた請求項1記載のパワーステアリング装置。
- 上記コントローラは、補正用電流指令値Irを第1補正用電流指令値Ir1と第2補正電流指令値Ir3とに分けて記憶する機能と、上記ソレノイド電流指令値Itに第1補正用電流指令値Ir1を乗算したソレノイド電流指令値(It×Ir1)を演算する機能と、上記スタンバイ用電流指令値Isに第2補正用電流指令値Ir2を乗算してソレノイド電流指令値(Ir2×Is)を演算する機能と、これらソレノイド電流指令値(It×Ir1)と(Ir2×Is)とを加算する機能とを備えた請求項1記載のパワーステアリング装置。
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