JP2002347643A - パワーステアリング装置 - Google Patents

パワーステアリング装置

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JP2002347643A
JP2002347643A JP2001156776A JP2001156776A JP2002347643A JP 2002347643 A JP2002347643 A JP 2002347643A JP 2001156776 A JP2001156776 A JP 2001156776A JP 2001156776 A JP2001156776 A JP 2001156776A JP 2002347643 A JP2002347643 A JP 2002347643A
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solenoid current
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steering
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JP2001156776A
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Masashi Takai
正史 高井
Tsunefumi Arita
恒文 有田
Naoto Shima
直人 島
Noboru Shimizu
昇 清水
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油温が変化した場合においても、アシスト力
のばらつきを防止することのできるパワーステアリング
装置を提供することである。 【解決手段】 油温を直接または間接的に検出する油温
センサ20を設ける一方、コントローラCは、油温が低
いとき可変オリフィスaの開度を相対的に大きくするよ
うにソレノイド励磁電流Iを制御し、油温が高いときに
可変オリフィスaの開度を相対的に小さくするようにソ
レノイド励磁電流Iを制御することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、パワーシリンダ
側に導く流量を制御する流量制御弁を備えたパワーステ
アリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図12に示した従来の装置は、流量制御
弁Vに、ポンプPを接続している。上記流量制御弁Vの
スプール1は、その一端を一方のパイロット室2に臨ま
せ、他端を他方のパイロット室3に臨ませている。上記
一方のパイロット室2は、ポンプポート4を介してポン
プPに常時連通している。また、他方のパイロット室3
にはスプリング5を介在させている。このようにした両
パイロット室2,3は、ソレノイドSOLの励磁電流I
に応じて開度を制御する可変オリフィスaを介して、た
がいに連通している。
【0003】すなわち、一方のパイロット室2は、流路
6→可変オリフィスa→流路7を経由してパワーシリン
ダ8を制御するステアリングバルブ9の流入側に連通し
ている。また、他方のパイロット室3は、流路10およ
び流路7を介してステアリングバルブ9の流入側に連通
している。したがって、上記両パイロット室2,3は、
可変オリフィスaを介して連通することになり、可変オ
リフィスaの上流側の圧力が一方のパイロット室2に作
用し、下流側の圧力が他方のパイロット室3に作用する
ことになる。
【0004】そして、スプール1は、一方のパイロット
室2の作用力と、他方のパイロット室3の作用力とがバ
ランスした位置を保つが、そのバランス位置において、
前記ポンプポート4とタンクポート11との開度が決め
られる。今、エンジン等からなるポンプ駆動源12が停
止していると、ポンプポート4に圧油が供給されない。
ポンプポート4に圧油が供給されなければ、両パイロッ
ト室2,3には圧力が発生しないので、スプール1はス
プリング5の作用で図示のノーマル位置を保つ。
【0005】上記の状態からポンプPが駆動して、ポン
プポート4に圧油が供給されると、可変オリフィスaに
流れができるので、そこに差圧が発生する。この差圧の
作用で、両パイロット室2,3に圧力差が発生し、この
圧力差に応じてスプール1がスプリング5に抗して移動
し、上記バランス位置を保つ。このようにスプール1が
スプリング5に抗して移動することによって、タンクポ
ート11の開度を大きくするが、このときのタンクポー
ト11の開度に応じて、ステアリングバルブ9側に導か
れる制御流量QPと、タンクTあるいはポンプPに還流
される戻り流量QTの分配比が決まる。言い換えれば、
タンクポート11の開度に応じて制御流量QPが決まる
ことになる。
【0006】上記のように制御流量QPが、スプール1
の移動位置で決まるタンクポート11の開度に応じて制
御されるということは、結局は、可変オリフィスaの開
度に応じて制御流量QPが決まることになる。なぜな
ら、スプール1の移動位置は、両パイロット室2,3の
圧力差で決まるとともに、この圧力差を決めているのが
可変オリフィスaの開度だからである。
【0007】したがって、車速や操舵状況に応じて、制
御流量QPを制御するためには、可変オリフィスaの開
度、すなわちソレノイドSOLの励磁電流を制御すれば
よいことになる。なぜなら、可変オリフィスaは、ソレ
ノイドSOLが非励磁状態のときにその開度を最少に保
ち、励磁電流を大きくしていくにしたがってその開度を
大きくするからである。
【0008】なお、前記ステアリングバルブ9は、図示
していないステアリングホィールの入力トルク(操舵ト
ルク)に応じて、パワーシリンダ8の圧力を制御するも
のである。例えば、操舵トルクが大きければ、パワーシ
リンダ8への供給量を大きくし、操舵トルクが小さけれ
ばそれに応じてパワーシリンダ8の圧力を小さくするよ
うにしている。この操舵トルクとステアリングバルブ9
の切り換え量は、図示していないトーションバーなどの
ねじれ反力によって決まることになる。
【0009】上記のように操舵トルクが大きいときに、
ステアリングバルブ9の切り換え量を大きくすれば、そ
の分、パワーシリンダ8によるアシスト力が大きくな
る。反対に、ステアリングバルブ9の切り換え量を小さ
くすれば、上記アシスト力は小さくなる。そして、ピス
トンの移動速度によって決まるパワーシリンダ8の必要
(要求)流量QMと、流量制御弁Vで決められる制御流
量QPとをなるべく等しくすれば、ポンプP側のエネル
ギー損失を低く抑えることができる。なぜなら、ポンプ
P側のエネルギー損失は、制御流量QPとパワーシリン
ダ8の要求流量QMとの差によって発生するからであ
る。
【0010】上記のように制御流量QPを、パワーシリ
ンダ8の要求流量QMにできるだけ近づけるために、可
変オリフィスaの開度を制御するのが、ソレノイドSO
Lに対するソレノイド電流指令値SIであり、このソレ
ノイド電流指令値SIを制御するのが、コントローラC
である。このコントローラCには、操舵角センサ16と
車速センサ17とを接続し、これら両センサの出力信号
に基づいて、ソレノイドSOLの励磁電流を制御するよ
うにしている。
【0011】なお、図中符号18はスプール1の先端に
形成したスリットで、スプール1が図示の位置にあると
きにも、このスリット18を介して一方のパイロット室
2が流路7に常時連通するようにしている。言い換える
と、スプール1が図示の状態にあって、流路6を閉じて
いるようなときにも、ポンプPの吐出油が、このスリッ
ト18を介して、ステアリングバルブ9側に供給される
ようにしている。
【0012】このように微少流量であるが、ステアリン
グバルブ9側に圧油を供給するようにしたのは、キック
バック等の外乱の防止、および応答性の確保を目的にし
ているからである。なお、符号19は、コントローラC
とソレノイドSOLとの間に接続したソレノイドSOL
の駆動装置ある。また、符号13,14は絞りであり、
符号15はリリーフ弁である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の装置では、
油温の変化に対応できない。例えば、作動油は、油温が
低ければそれだけ粘度が高くなる。粘度が高ければ、可
変オリフィスaの開度が同じでも、単位時間当たりの通
過流量が少なくなってしまう。逆に、油温が高くなれ
ば、作動油の粘度が低くなり、通過流量は相対的に多く
なる。上記のように可変オリフィスaの開度が同じで
も、作動油の粘度によって、その通過流量が異なるとい
うことは、作動油の粘度によって、パワーステアリング
装置としてのアシスト力がばらついてしまうことを意味
する。つまり、従来の装置では、油温によってアシスト
力がばらつくといった問題があった。この発明の目的
は、油温が変化した際にも、アシスト力に影響を与える
ことのないパワーステアリング装置を提供することであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、パワーシ
リンダを制御するステアリングバルブと、このステアリ
ングバルブの上流側に設けた可変オリフィスと、この可
変オリフィスの開度を制御するソレノイドと、このソレ
ノイド励磁電流を制御するコントローラと、ポンプから
供給される流量を、上記可変オリフィスの開度に応じて
ステアリングバルブに導く制御流量とタンクまたはポン
プに環流させる戻り流量とに分配する流量制御弁と、作
動油の温度を直接的または間接的に検出する油温センサ
とを備え、上記コントローラに、ソレノイド励磁電流の
基礎となる基本ソレノイド電流指令値Idを出力する基
本制御部を設け、この基本制御部から出力される基本ソ
レノイド電流指令値Idを、上記油温センサからの油温
信号に基づくソレノイド電流指令値Itによって補正
し、油温が低いときに、可変オリフィスの開度を相対的
に大きくなるようソレノイド励磁電流を制御し、油温が
高いときに、可変オリフィスの開度を相対的に小さくな
るようソレノイド励磁電流を制御することを特徴とす
る。
【0015】第2の発明は、上記第1の発明において、
コントローラに操舵角θを検出する操舵角センサを接続
する一方、基本制御部は、上記操舵角θに応じたソレノ
イド電流指令値Iθおよび操舵角速度ωに応じたソレノ
イド電流指令値Iωとを演算または記憶するとともに、
これらソレノイド電流指令値Iθとソレノイド電流指令
値Iωとを加算し、この加算した値にさらにスタンバイ
ソレノイド電流指令値Isを加算して、この値を基本ソ
レノイド電流指令値として出力する構成にしたことを特
徴とする。
【0016】第3の発明は、上記第2の発明において、
基本制御部は、ソレノイド電流指令値Iθとソレノイド
電流指令値Iωとを加算した値に、車速に応じたソレノ
イド電流指令値Ivを乗算するとともに、この乗算値に
スタンバイ電流指令値Isを加算して、この値を基本ソ
レノイド電流指令値として出力する構成にしたことを特
徴とする。
【0017】第4の発明は、上記第1の発明において、
コントローラに操舵角θを検出する操舵角センサを接続
する一方、基本制御部は、操舵角θに応じたソレノイド
電流指令値Iθおよび操舵角速度ωに応じたソレノイド
電流指令値Iωとを演算または記憶するとともに、これ
らソレノイド電流指令値Iθとソレノイド電流指令値I
ωとの大小を判定し、その大きい方の値と車速に応じた
ソレノイド電流指令値Ivとを比較して、ソレノイド電
流指令値Ivを限界値とした上記大きい方の値にスタン
バイソレノイド電流指令値Isを加算して、この値を基
本ソレノイド電流指令値として出力する構成にしたこと
を特徴とする。
【0018】第5の発明は、上記第1の発明において、
コントローラに操舵角θを検出する操舵角センサを接続
する一方、基本制御部は、操舵角θに応じたソレノイド
電流指令値Iθおよび操舵角速度ωに応じたソレノイド
電流指令値Iωとを演算または記憶するとともに、車速
に応じた操舵角用ソレノイド電流指令値Iv1と上記ソ
レノイド電流指令値Iθとを乗算して乗算値I1とする
一方、上記ソレノイド電流指令値Iωと車速に応じた操
舵角速度用ソレノイド電流指令値Iv2とを比較して、
ソレノイド電流指令値Iv2を限界値としたソレノイド
電流指令値Iωを限界値I2とし、しかも、上記乗算値
I1と限界値I2との大小を判定し、大きい方の値にス
タンバイソレノイド電流指令値Isを加算して、この値
を基本ソレノイド電流指令値として出力する構成にした
ことを特徴とする。
【0019】第6の発明は、上記第1の発明において、
コントローラに操舵トルクRを検出する操舵トルクセン
サを接続する一方、基本制御部は、上記操舵トルクRに
応じたソレノイド電流指令値IRを演算または記憶する
とともに、このソレノイド電流指令値IRに、車速に応
じたソレノイド電流指令値Ivを乗算し、しかも、この
乗算値にスタンバイソレノイド電流指令値Isを加算し
た値を基本ソレノイド電流指令値として出力する構成に
したことを特徴とする。
【0020】第7の発明は、上記第1の発明において、
コントローラに操舵トルクRを検出する操舵トルクセン
サを接続する一方、基本制御部は、上記操舵トルクRに
応じたソレノイド電流指令値IRを演算または記憶する
とともに、このソレノイド電流指令値IRと車速に応じ
たソレノイド電流指令値Ivとを比較して、ソレノイド
電流指令値Ivを限界値としたソレノイド電流指令値I
Rにスタンバイソレノイド電流指令値Isを加算し、こ
の値を基本ソレノイド電流指令値として出力する構成に
したことを特徴とする。
【0021】第8の発明は、上記第1〜7の発明におい
て、コントローラに、操舵角θが設定角θ1を越えると
その値を減少するソレノイド電流指令値Iθeを演算ま
たは記憶させる一方、このソレノイド電流指令値Iθe
と油温補正後のソレノイド電流指令値とを比較して、油
温補正後のソレノイド電流指令値がソレノイド電流指令
値Iθeを越えると、ソレノイド電流指令値Iθeを採
用して、パワーシリンダのアシスト力を小さくする構成
にしたことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】図1に示した第1実施例は、コン
トローラCに油温センサ20を接続した点に特徴を有
し、その他の構成については図12に示した前記従来例
と同じである。したがって、以下では、コントローラC
について詳細に説明し、従来と同じ構成要素については
同じ符号を付してその説明を省略する。
【0023】上記コントローラCは、図2に示すよう
に、基本制御部Bを備えている。この基本制御部Bに
は、操舵角信号θ、操舵角速度信号ω、および車速信号
Vを入力するようにしている。上記操舵角信号θは、操
舵角センサ16によって検出した操舵角に基づいて算出
し、車速信号Vは、車速センサ17によって検出した車
速に基づいて算出している。また、操舵角速度信号ω
は、上記操舵角信号θを微分して算出したものである。
ただし、この操舵角速度信号ωは、操舵角速度センサを
別に設けて、この操舵角速度センサによって直接求めて
もよい。この操舵角速度信号ωの求め方については、後
で説明する他の実施例でも同様である。
【0024】上記基本制御部Bは、操舵角信号θ、操舵
角速度信号ωおよび車速信号Vを基準にして、ソレノイ
ドSOLの励磁電流の基礎となる基本ソレノイド電流指
令値Idを出力する。以下、この基本制御部Bの作用に
ついて説明する。操舵角信号θとソレノイド電流指令値
Iθとは、その操舵角信号θと制御流量QPとの関係が
リニアな特性になる理論値に基づいて決めている。ま
た、操舵角速度信号ωとソレノイド電流指令値Iωとの
関係も、操舵角速度信号ωと制御流量QPとがリニアな
特性になる理論値に基づいて決めている。
【0025】ただし、ソレノイド電流指令値Iθおよび
ソレノイド電流指令値Iωは、操舵角信号θおよび操舵
角速度信号ωが、ある設定値以上にならなければいずれ
もゼロを出力するようにしている。つまり、ステアリン
グホィールが中立あるいはその近傍にあるときには、上
記ソレノイド電流指令値IθもIωもゼロになるように
している。
【0026】また、上記ソレノイド電流指令値Iθ、I
ωは、テーブル値としてコントローラCにあらかじめ記
憶させておいてもよいし、操舵角信号θあるいは操舵角
速度信号ωを基にして、その都度コントローラCに演算
させるようにしてもよい。いずれにしてもソレノイド電
流指令値Iθとソレノイド電流指令値Iωとを決定した
ら、これら両者を加算する。
【0027】上記のようにして両ソレノイド電流指令値
Iθ、Iωを加算したら、この加算値(Iθ+Iω)
に、車速信号Vに基づいたソレノイド電流指令値Ivを
乗算する。この車速信号Vに基づいたソレノイド電流指
令値Ivは、車速が低速域では1を出力し、高速域では
ゼロを出力する。また、低速域と高速域との間の中速域
では、1からゼロまでの小数点以下の値を出力するよう
にしている。
【0028】したがって、上記加算値(Iθ+Iω)に
車速信号Vに基づいたソレノイド電流指令値Ivを乗算
すれば、低速域では(Iθ+Iω)がそのまま出力さ
れ、高速域では(Iθ+Iω)がゼロになる。また、中
速域では、速度が上がれば上がるほどそれに反比例した
値が出力されることになる。上記のようにして、(Iθ
+Iω)×Ivが決まったら、それにスタンバイソレノ
イド電流指令値Isを加算する。
【0029】このスタンバイソレノイド電流指令値Is
は、可変オリフィスaの開度を制御するソレノイドSO
Lに所定の電流が常に供給されるようにするためのもの
である。つまり、操舵角信号θ、操舵角速度信号ωおよ
び車速信号Vに基づいたソレノイド電流指令値が全てゼ
ロの場合でも、スタンバイソレノイド電流指令値Isに
よって可変オリフィスaが一定の開度を保ち、所定のス
タンバイ流量QSがステアリングバルブ9側に常に供給
されるようにしている。
【0030】このように一定のスタンバイ流量QSを確
保する理由は、以下の通りである。すなわち、タイヤに
キックバック等の外乱やセルフアライニングトルク等に
よる抗力が作用すると、それがパワーシリンダ8のロッ
ドに作用するが、このような場合であっても、スタンバ
イ流量QSを確保しておけば、タイヤがふらつくのを防
止できるからである。また、スタンバイ流量QSを確保
しておけば、それが全然ないときよりも、目的の制御流
量に短時間で達することができる分、応答性を向上させ
ることができるからである。
【0031】上記のようにして、スタンバイソレノイド
電流指令値Isを加算した値〔{(Iθ+Iω)×Iv}
+Is〕を、基本ソレノイド電流指令値Idとして基本
制御部Bから出力する。そして、この基本ソレノイド電
流指令値Idに、油温センサ20からの油温用のソレノ
イド電流指令値Itを係数として掛け合わせる。上記油
温用のソレノイド電流指令値Itは、作動油の温度tす
なわち油温に基づいて決まるものであり、テーブル値と
してコントローラCに予め記憶させている。そして、こ
の油温用のソレノイド電流指令値Itは、図示するよう
に、検出した油温が低いときに大きくなり、油温がある
一定以上の油温に達した段階で、油温が低い場合よりも
小さい値で一定になるようにしている。
【0032】上記のように油温を考慮したのは、前記し
た通り、油温に応じて可変オリフィスaを通過する流量
が異なるからである。すなわち、可変オリフィスaの開
度が同じでも、油温が低くなると、単位時間当たりの通
過流量が相対的に少なくなり、油温が高くなると、通過
流量が相対的に多くなる。この油温の違いによって生じ
る流量の変化を一定にするために、この実施例では、油
温センサ20に基づくソレノイド電流指令値Itによっ
て、可変オリフィスaの開度を制御するようにしてい
る。すなわち、油温が低く作動油の粘度が高い場合に
は、可変オリフィスaの開度が大きくなるよう指令値I
tを掛け合わせ、油温がある一定の温度以上になり、作
動油の粘度も一定になれば、可変オリフィスaが所定の
開度に戻るように指令値Itを掛け合わせる。このよう
にすれば、可変オリフィスaを通過してパワーシリンダ
8およびステアリングバルブ9側に供給される流量を、
油温の変化の影響を受けることなく、安定的に制御する
ことができる。
【0033】なお、上記油温センサ20は、作動油の温
度を直接検出するものでもよいし、エンジンルームの温
度や雰囲気温度などから作動油の温度を推定するもので
もよい。いずれにしても、実際に使用している作動油の
種類さえ特定されていれば、油温または推定した油温に
よって、そのときの作動油の粘度を特定できる。作動油
の粘度が特定されれば、それに対応した開度に可変オリ
フィスaを制御することにより、可変オリフィスaを通
過する流量を一定にすることができる。
【0034】上記油温用のソレノイド電流指令値Itに
基づいて補正した値〔{(Iθ+Iω)×Iv}+Is〕
×Itを、そのままソレノイド電流指令値Iとして駆動
機構19に出力してもよいが、この第1実施例では、ス
テアリングホィールを回しきったとき、すなわちロック
エンドで生じるショックを防止するために、さらに限界
値として用いるソレノイド電流指令値Iθeと比較し
て、Iθeを限界値としたソレノイド電流指令値Iの値
を駆動機構19に出力するようにしている。上記ソレノ
イド電流指令値Iθeは、ステアリングホィールの操舵
角に応じて決まるものである。すなわち、図2に示すよ
うに、操舵角信号θが最大角に至る手前に設定した設定
角θを越えない限り、ソレノイド電流指令値Iθeを
一定に保ち、操舵角θが設定角θを越えると、ソレノ
イド電流指令値Iθeを小さくなるようにしている。
【0035】例えば、ステアリングホィールを操作した
場合に、その操舵角信号θが設定角θより小さけれ
ば、ソレノイド電流指令値Iθeは一定に保たれてい
る。この一定のソレノイド電流指令値Iθeは、通常、
油温補正後の値〔{(Iθ+Iω)×Iv}+Is〕×I
tよりも大きくなるように設定している。そのため、油
温補正後の値の上限がカットされることはない。つま
り、ステアリングホィールの操作量が少ない場合には、
油温補正後の値〔{(Iθ+Iω)×Iv}+Is〕×I
tが、そのままソレノイド電流指令値Iとして駆動機構
19に出力される。
【0036】一方、ステアリングホィールを大きく操作
して、操舵角θが設定角θを越えると、ソレノイド電
流指令値Iθeが小さくなる。そして、この小さくなっ
たソレノイド電流指令値Iθeが、油温補正後の値より
も小さくなると、ソレノイド電流指令値Iθeより大き
い分がカットされる。したがって、この場合には、ソレ
ノイド電流指令値Iθeがソレノイド電流指令値Iとな
って駆動機構19に出力される。つまり、ステアリング
ホィールを操作したときに、ロックエンド付近と判断し
た場合には、ソレノイド電流指令値Iを小さくすること
によって、アシスト力を小さくする。このようにすれ
ば、ロックエンドで生じるショックを防止することがで
きる。なお、上記操舵角信号θとソレノイド電流指令値
Iθeとの関係は、テーブル値としてあらかじめコント
ローラCに記憶させておいてもよいし、その都度コント
ローラCに演算させるようにしてもよい。
【0037】次に、この第1実施例の作用を説明する。
走行中にステアリングホィールを操舵すると、そのとき
の操舵角信号θと操舵角速度信号ωとに基づいて、コン
トローラCがソレノイド電流指令値IθとIωとを特定
する。そして、これらソレノイド電流指令値Iθ,Iω
を加算するとともに、この加算した値(Iθ+Iω)
に、そのときの車速に応じたソレノイド電流指令値Iv
を乗算する。さらに、この乗算値(Iθ+Iω)×Iv
に、スタンバイソレノイド電流指令値Isを加算して、
この加算値{(Iθ+Iω)×Iv}+Isを基本ソレ
ノイド電流指令値Idとして基本制御部Bから出力す
る。
【0038】上記基本制御部Bから出力された基本ソレ
ノイド電流指令値Idに、油温信号tに基づいて決めら
れた油温用のソレノイド電流指令値Itを乗算する。つ
まり、基本ソレノイド電流指令値Idを、油温によって
補正する。例えば、冬場のエンジンスタート時のよう
に、油温が低くて作動油の粘度が高い場合には、可変オ
リフィスaに作動油が流れにくい状態になっている。こ
のような場合には、相対的に大きいソレノイド電流指令
値Itを掛け合わせて、ソレノイド電流指令値Iを大き
くする。すなわち、基本ソレノイド電流指令値Idより
も大きなソレノイド電流指令値Iを出力する。大きいソ
レノイド電流指令値Iを出力すれば、それに応じて可変
オリフィスaの開度も大きくなるので、作動油の粘度に
関係なく、安定的に流量を供給することができる。
【0039】一方、油温が上昇して作動油の粘度が低下
すると、その分、作動油が可変オリフィスaを流れ易く
なる。このような場合には、相対的に小さいソレノイド
電流指令値Itを掛け合わせて、ソレノイド電流指令値
Iを小さくする。すなわち、基本ソレノイド電流指令値
Idよりも小さいソレノイド電流指令値Iを出力する。
このように相対的に小さいソレノイド電流指令値Iを出
力すれば、それに応じて可変オリフィスaの開度も小さ
くなる。したがって、この場合にも、作動油の粘度に関
係なく、安定的に流量を供給することができる。
【0040】なお、作動油というのは、ある一定の温度
を超えると、その粘度がほぼ一定に保たれるという性質
がある。この実施例では、油温が低い場合に、油圧回路
内を通過する流量を増加させているので、エンジンスタ
ート時から短時間で作動油の粘度を一定にすることがで
きる。そして、作動油の粘度が一定になった場合には、
油温用のソレノイド電流指令値Itを相対的に小さく一
定に保つようにしている。具体的には、基本ソレノイド
電流指令値Idをそのまま出力するようにしている。以
上のように、この実施例によれば、油温に応じて可変オ
リフィスaの開度を最適な大きさに制御しているので、
油温に関係なく、常に安定的な流量をこの可変オリフィ
スaに通過させることができる。
【0041】上記のようにして油温を補正した後の値
は、ソレノイド電流指令値Iθeを上限限界値として比
較される。そして、油温補正後の値が、ソレノイド電流
指令値Iθeよりも小さければ、そのまま駆動機構19
に出力されるが、油温補正後の値が、上記ソレノイド電
流指令値Iθeよりも大きくなると、ロックエンド付近
にあると判断されて、ソレノイド電流指令値Iθeが駆
動機構19に出力される。このソレノイド電流指令値I
θeを限界値としたソレノイド電流指令値Iは、ソレノ
イド電流指令値Iθeで制御していない場合よりも小さ
くなる。したがって、ソレノイド電流指令値Iθeを限
界値としたソレノイド電流指令値Iが駆動機構19に出
力されると、ロックエンド付近では、パワーシリンダ8
のアシスト力が小さくなり、パワーシリンダ8のストロ
ークエンドで生じるショックを防止できる。
【0042】また、操舵角θが設定角θを越えた時点
でアシスト力が小さくなると、操舵力も重くなる。操舵
力が重くなれば、パワーシリンダ8がストロークエンド
付近であることを、ドライバーに認識させることができ
る。なお、ソレノイド電流指令値Iθeの特性は、図2
に示すように徐々に下げるようにしてもよいし、一気に
下げるようにしてもよい。ソレノイド電流指令値Iθe
を徐々に下げれば、操舵感を満足しつつ、ドライバーに
スロークエンドを予測させることができる。また、ソレ
ノイド電流指令値Iθeを一気に下げれば、ドライバー
にストロークエンドであることをより明確に伝えること
ができる。
【0043】一方、ステアリングホィールを中立位置近
傍に保っているときは、ソレノイド電流指令値Iθもソ
レノイド電流指令値Iωもゼロになる。しかし、この場
合にも、スタンバイソレノイド電流指令値Isだけは出
力されるので、スタンバイ流量は必ず確保される。した
がって、低速域での直進走行時であっても、キックバッ
ク等による外乱に対抗でき、また、操舵時の応答性も良
好に保つことができる。
【0044】なお、この第1実施例では、車速に応じた
ソレノイド電流指令値Ivを考慮して基本ソレノイド電
流指令値Idを決めているが、このソレノイド電流指令
値Ivは必須の要素ではない。その理由を以下に説明す
る。通常、高速走行中にステアリングホィールをロック
エンドまで切ることはなく、ステアリングホィールをロ
ックエンドまで切るのはほとんど低速域である。その関
係を示したのが図3,4である。これら図3,4に示す
ように、操舵角θおよび操舵角速度ωは、車速Vが上が
ると小さくなっていくことから、車速Vは、操舵角θお
よび操舵角速度ωと相関性があることがわかる。
【0045】したがって、この車速Vと、操舵角θおよ
び操舵角速度ωとの関係を利用して、ソレノイド電流指
令値Iθおよびソレノイド電流指令値Iωを特定すれ
ば、車速に基づくソレノイド電流指令値Ivを考慮しな
くても済む。そして、ソレノイド電流指令値Ivを用い
ない場合には、車速センサ17も省略できるので、その
分、コストダウンできる。ただし、この第1実施例のよ
うに、実際の車速Vに基づくソレノイド電流指令値Iv
を考慮して、基本ソレノイド電流指令値Idを決めた方
が、実際の走行により適した制御をすることができる。
【0046】また、この第1実施例では、操舵トルクを
考慮せずに要求流量QMを特定しているが、操舵トルク
に基づいて要求流量QMを制御した方が、より正確な制
御ができる。それにもかかわらず、この第1実施例で操
舵トルクを考慮していないのは、操舵トルクに基づいて
制御する場合には、現状のパワーステアリング装置を大
幅に変更しなければならず、それがコストアップにつな
がるからである。この第1実施例のように、操舵角θお
よび操舵角速度ωに基づいて、要求流量QMを推定する
方法を採用すれば、現状のパワーステアリング装置をほ
とんど変更しなくても済む。したがって、この第1実施
例によれば、操舵トルクを直接検出するシステムより
も、コストを安く抑えることができる。
【0047】図5に示した第2実施例は、基本制御部B
の構成のみを変更したものであり、その他の構成につい
ては上記第1実施例と全く同じである。この第2実施例
では、操舵角θに応じて決まるソレノイド電流指令値I
θを、制御流量QPが最大流量に達するまで曲線状に増
加するようにしている。また、操舵角速度ωに応じて決
まるソレノイド電流指令値Iωを、制御流量QPが最大
流量に達するまで曲線状に増加するようにしている。こ
のように曲線状に増加させる理由を以下に説明する。
【0048】ドライバーの操舵感覚を基にすれば、図6
に示すように、操舵角θと制御流量QPとの関係は、リ
ニアな特性を維持するのが理想的である。ところが、ソ
レノイド電流指令値Iθと、ソレノイドSOLによる可
変オリフィスaの開度で決まる制御流量QPとは、図7
に示すように、二乗特性に近いものになる。これは、可
変オリフィスaを構成するポペット等のストロークに対
する可変オリフィスaの開口面積の変化状態と、ソレノ
イドSOLの性能とが相乗的に作用した結果である。
【0049】前記第1実施例は、操舵角θによってソレ
ノイド電流指令値Iθを求め、このソレノイド電流指令
値Iθで制御流量QPを特定しているので、厳密にいう
と、操舵角θと制御流量QPとの関係がリニアな特性に
ならない。そこで、この第2実施例では、ソレノイド電
流指令値IθおよびIωを、制御流量QPが最大流量に
達するまで曲線状に増加させている。このようにする
と、操舵角θおよび操舵角速度ωが、制御流量QPに対
してリニアな関係になるので、操舵感覚と出力とを一致
させることができる。なお、上記曲線は、図6に示すリ
ニアな特性となるポイントを、実験によってプロットし
てもよいし、図6の直線と図7の曲線とを数式化し、演
算によって求めてもよい。
【0050】上記のようにしてソレノイド電流指令値I
θとソレノイド電流指令値Iωとを特定したら、いずれ
か大きい方のソレノイド電流指令値を選択する。大きい
方のソレノイド電流指令値を選択する理由を以下に説明
する。前記第1実施例では、ソレノイド電流指令値Iθ
とソレノイド電流指令値Iωとを加算していたが、これ
らソレノイド電流指令値IθとIωとを加算すると、図
8のグラフに示すように、変化率の大きいところに斜線
で示すような幅ができてしまう。このような幅ができる
と、同じx点でもソレノイド電流指令値がy1とy2の
範囲で異なったものになる。すなわち、ドライバーの操
舵感覚は同じなのに、出力されるソレノイド電流指令値
がばらつくことがあり、このような場合に、操舵感が多
少ラフになる可能性があった。
【0051】この第2実施例では、ソレノイド電流指令
値Iθまたはソレノイド電流指令値Iωのうち、いずれ
か大きい方のソレノイド電流指令値だけを選択して、上
記の幅を最小限に抑えるようにした。幅を最小限にすれ
ば、操舵感がラフになるおそれもない。また、ソレノイ
ド電流指令値Iθまたはソレノイド電流指令値Iωのう
ち、小さい方の値ではなく、大きい方の値を選択するよ
うにしたのは、応答性を確保するためである。すなわ
ち、ソレノイド電流指令値が大きい方が、制御流量QP
も多くなり、制御流量QPが多くなると、前記したよう
に応答性が向上するからである。
【0052】上記のようにして、大きい方のソレノイド
電流指令値を選択したら、そのソレノイド電流指令値
は、車速によって決まるソレノイド電流指令値Ivを上
限限界値として比較される。そして、選択した大きい方
の値がソレノイド電流指令値Ivより小さければ、その
まま選択したソレノイド電流指令値を出力する。また、
選択したソレノイド電流指令値が、ソレノイド電流指令
値Ivよりも大きい場合には、このソレノイド電流指令
値Ivを越えた分をカットする。つまり、この場合には
ソレノイド電流指令値Ivがソレノイド電流指令値とな
る。このようにソレノイド電流指令値Ivを考慮する理
由は次の通りである。すなわち、前記第1実施例では、
ソレノイド電流指令値Ivを(Iθ+Iω)に乗算して
いたが、このようにソレノイド電流指令値Ivを乗算す
ると、車速が高くなればなるほど(Iθ+Iω)×Iv
が実質的に小さくなる。(Iθ+Iω)×Ivが小さく
なると、この関係を示すグラフの傾きがそれだけ緩やか
になるので応答性が悪くなる。
【0053】この第2実施例では、車速によるソレノイ
ド電流指令値Ivを限界値として利用し、この限界値を
超えた分のソレノイド電流指令値をカットすることによ
って、応答性の悪化を防止している。なお、上記のよう
にソレノイド電流指令値をカットすると、その時点でソ
レノイド電流指令値の傾きが変化するが、この傾きの変
化はほんのわずかなので、操舵に違和感を与えることは
ない。
【0054】上記のようにして車速に基づく限界値を考
慮した後の値に、スタンバイソレノイド電流指令値Is
を加算する。そして、このソレノイド電流指令値を基本
ソレノイド電流指令値Idとして基本制御部Bから出力
するようにしている。このようにして基本制御部Bから
出力された基本ソレノイド電流指令値Idを、上記第1
実施例と同様に油温によって補正する。そして、ロック
エンド付近であるか否かを判断した後、その特定された
ソレノイド電流指令値Iが駆動機構19に出力されるこ
とになる。
【0055】この第2実施例によっても、基本制御部B
から出力された基本ソレノイド電流指令値Idを、油温
に基づいて補正しているので、作動油の温度が変化した
場合でも、可変オリフィスaの開度の調整によって、可
変オリフィスaを通過する流量を常時安定的に制御する
ことができる。したがって、油温の変化によるアシスト
力のばらつきを防止できる。また、この第2実施例によ
れば、ドライバーの操舵感により近い基本ソレノイド電
流指令値Idが出力されるので、ドライバーの操舵感を
より向上させることができる。
【0056】図9は、第3実施例を示したものである。
この第3実施例は、基本制御部Bにおいて、操舵角用ソ
レノイド電流指令値Iv1と操舵角速度用ソレノイド電
流指令値Iv2とを用いた点に特徴を有するものであ
る。基本的な構成については、上記第2実施例と同じな
ので、同じ構成要素についてはその説明を省略する。
【0057】図示するように、コントローラCは、車速
センサ17の出力信号に基づいて、操舵角用ソレノイド
電流指令値Iv1と操舵角速度用ソレノイド電流指令値
Iv2とを特定する。これら操舵角用ソレノイド電流指
令値Iv1および操舵角速度用ソレノイド電流指令値I
v2は、テーブル値としてコントローラCにあらかじめ
記憶させておいてもよいし、車速Vを基にして、その都
度コントローラCに演算させるようにしてもよい。ま
た、具体的な数値はあげないが、操舵角速度用ソレノイ
ド電流指令値Iv2より操舵角用ソレノイド電流指令値
Iv1の方が、低速域から最高車速域でのゲインが大き
くなるように設定している。すなわち、高速になればな
るほど、操舵角用ソレノイド電流指令値Iv1の方が、
操舵角速度用ソレノイド電流指令値Iv2よりも減少率
が大きくなるように設定している。
【0058】この第3実施例では、一例として、操舵角
用ソレノイド電流指令値Iv1が低速域で1を出力し、
最高速域で0.6を出力するようにしている。また、操舵
角速度用ソレノイド電流指令値Iv2は、低速域から車
速が上がるにしたがい、その値を小さく出力するように
している。そして、上記操舵角用ソレノイド電流指令値
Iv1を、ソレノイド電流指令値Iθに掛け合わせて、
乗算値I1を求める。この操舵角系の乗算値I1は、高
速になればなるほど小さくなる。
【0059】一方、操舵角速度ωによって特定されるソ
レノイド電流指令値Iωは、操舵角速度用ソレノイド電
流指令値Iv2を上限限界値として比較される。ソレノ
イド電流指令値Iωが、操舵角速度用ソレノイド電流指
令値Iv2を越えななければ、このソレノイド電流指令
値Iωが、そのまま操舵角系の限界値I2として出力さ
れる。ソレノイド電流指令値Iωが操舵角速度用ソレノ
イド電流指令値Iv2を越えると、その越えた分がカッ
トされる。
【0060】次に、上記操舵角系の乗算値I1と、操舵
角速度系の限界値I2との大小を比較し、その大きな方
の値I1またはI2を選択するようにしている。このよ
うに、いずれか大きな方の値を選択するのは、次の理由
からである。すなわち、高速走行時には、ステアリング
を急操作することはまずないので、操舵角速度系の限界
値I2が小さくて、操舵角系の乗算値I1の方が大きく
なるのが通常である。そのため、高速走行時には、ステ
アリング操作の安全性・安定性を高めるために、操舵角
を基準にしながら、その操舵角系の乗算値I1のゲイン
を大きくしている。言い換えれば、走行速度が速くなれ
ばなるほど、制御流量QPを少なくする比率を高めて、
エネルギーロスをより少なくするようにしている。
【0061】一方、低速走行時には、ステアリングを急
操作することが多くなるので、多くの場合に操舵角速度
の方が大きくなる。このように操舵角速度が大きい場合
には、応答性が重視される。そのため、低速走行時に
は、ステアリング操作の操作性すなわち応答性を高める
ために、操舵角速度を基準にしながら、その操舵角速度
系の限界値I2のゲインを小さくしている。言い換えれ
ば、走行速度がある程度速くなっても、ステアリングを
急操作したときには、制御流量QPを十分に確保して、
応答性を優先させるようにしている。
【0062】ただし、車両の走行速度が一定でも、操舵
角系の乗算値I1が大きくなったり、操舵角速度系の限
界値I2が大きくなったりする。例えば、ステアリング
をある角度操舵して、その操舵角θの位置で、ステアリ
ングを止めて保舵しているときには、操舵角速度ωはゼ
ロになってしまう。したがって、車速が同じでも、最初
のうちは操舵角速度系の限界値I2が大きく、保舵には
いってから操舵角系の乗算値I1の方が大きくなる。い
ずれにしても、乗算値I1と限界値I2とのうち、いず
れか大きい方の値を択一しているので、どのような走行
条件でも、いずれかの指令値が出力されることになる。
【0063】もし、上記のような保舵時に、乗算値I1
と限界値I2のいずれもが出力されなければ、制御流量
QPを確保できなくなる。制御流量QPを確保できなけ
れば、車両のセルフアライニングトルクや外力に対する
保舵力が大きくなってしまう。しかし、上記のように、
乗算値I1と限界値I2とのいずれかを用いるようにし
ているので、ステアリング操作中に、両方ともゼロにな
ることはない。言い換えれば、保舵時であっても操舵角
θが保たれているので、ソレノイド電流指令値Iθを確
保できる。したがって、ソレノイド電流指令値Iθによ
って、保舵に必要なパワーを維持することができる。
【0064】一方で、高速走行時でも、ステアリングを
急操作することがある。このときには、操舵角速度系の
限界値I2が大きくなるので、その限界値I2が選択さ
れる。ただし、この限界値I2は、操舵角速度用ソレノ
イド電流指令値Iv2の範囲内の値になるので、安全性
は十分に確保される。ただ、車両の高速走行時における
操舵角速度用ソレノイド電流指令値Iv2の最小値は、
操舵角用ソレノイド電流指令値Iv1の最小値よりもや
や大きくなるように設定している。
【0065】したがって、高速走行時には、操舵角系の
乗算値I1で制御される場合よりも、操舵角速度系の限
界値I2で制御される場合の方が、応答性がよくなる。 ただし、高速走行時に、あまり応答性をよくしすぎると
安全性が損なわれる危険がある。そこで、車両のヨーレ
ートを基にした安全性を基準に最適値を設定している。
【0066】つまり、車両のヨーレートは、だいたい車
速60km/h以下で走行しているとき、その収れん性
がほとんど似たような特性になる。つまり、60km/
h以下では、10km/h走行であろうと、40km/h
走行であろうと、その収れん性はほとんど変わらない。
このようにヨーレートの収れん性が安定している範囲
を、安全性の限界としてとらえ、操舵角速度用ソレノイ
ド電流指令値Iv2の最小値を最適値に設定したもので
ある。
【0067】したがって、この第3実施例によれば、1
00km/hで走行中に、ステアリングを急操作し、操
舵角速度系の限界値I2が大きくなって、その限界値I
2が選択されたとき、60km/hで走行しているとき
と同じような高い安全性・安定性を確保した状態で操舵
できることになる。
【0068】上記のようにして選択された乗算値I1あ
るいは限界値I2に、スタンバイ用ソレノイド電流指令
値Isを加算して、基本制御部Bから出力信号として出
力する。このようにして基本制御部Bから出力された基
本ソレノイド電流指令値Idは、上記第1,2実施例と
同様に油温補正される。そして、ロックエンド付近であ
るか否かを判断された後、その特定されたソレノイド電
流指令値Iが駆動機構19に出力されることになる。
【0069】この第3実施例によっても、基本制御部B
から出力された基本ソレノイド電流指令値Idを、油温
に基づいて補正しているので、作動油の温度が変化した
場合でも、可変オリフィスaの開度の調整によって、可
変オリフィスaを通過する流量を常時安定的に制御する
ことができる。したがって、油温の変化によるアシスト
力のばらつきを防止できる。
【0070】図10に示した第4実施例は、操舵トルク
Rに基づいてソレノイド電流指令値IRを特定し、この
ソレノイド電流指令値IRに基づいて要求流量QMを特
定するものである。すなわち、図2に示した前記第1実
施例では、操舵角θに基づくソレノイド電流指令値Iθ
と操舵角速度ωに基づくソレノイド電流指令値Iωとの
加算値を利用して、要求流量QMを推定していたが、こ
の第4実施例では、実際の操舵トルクRを検出して、こ
の操舵トルクRから正確な要求流量QMを求める構成に
したものである。そのため、この第4実施例では、図1
に示したコントローラCに、図示してない操舵トルクセ
ンサを接続し、この操舵トルクセンサによって操舵トル
クRを検出するようにしている。なお、その他、基本制
御部Bの構成を変更した点以外については、上記第1実
施例と同じである。
【0071】図示するように、操舵トルクRに基づい
て、ソレノイド電流指令値IRを特定している。これら
操舵トルクRとソレノイド電流指令値IRとは、リニア
な特性になる理論値を基にして決めている。ただし、操
舵トルクRがある設定以上にならなければ、上記ソレノ
イド電流指令値IRは、ゼロを出力するようにしてい
る。つまり、ステアリングホィールが中立あるいはその
近傍にあるときには、上記ソレノイド電流指令値IRが
ゼロになるようにしている。また、操舵トルクRに対す
るソレノイド電流指令値IRは、テーブル値としてコン
トローラCにあらかじめ記憶させておいてもよいし、操
舵トルクを基にして、その都度コントローラCに演算さ
せるようにしてもよい。
【0072】上記ソレノイド電流指令値IRには、車速
信号に基づいたソレノイド電流指令値Ivを乗算する。
このソレノイド電流指令値Ivも、車速が低速域では1
を出力し、高速域ではゼロを出力する。また、中速域で
は1からゼロまでの小数点以下の値を出力する。したが
って、上記ソレノイド電流指令値IRに車速信号の基づ
いたソレノイド電流指令値Ivを乗算すれば、車速の低
速域ではIRがそのまま出力され、高速域ではIRがゼ
ロになる。また、中速域では速度が上がればそれに反比
例した値が出力されることになる。
【0073】上記のようにしてIR×Ivが決まった
ら、スタンバイソレノイド電流指令値Isを加算する。
そして、この加算した値(It×Iv)+Isを基本ソ
レノイド電流指令値Idとして基本制御部Bから出力さ
せる。このようにして基本制御部Bから出力された基本
ソレノイド電流指令値Idは、上記第1〜3実施例と同
様に油温補正される。そして、ロックエンド付近である
か否かを判断された後、その特定されたソレノイド電流
指令値Iが駆動機構19に出力されることになる。
【0074】この第4実施例によっても、基本制御部B
から出力された基本ソレノイド電流指令値Idを、油温
に基づいて補正しているので、作動油の温度が変化した
場合でも、可変オリフィスaの開度の調整によって、可
変オリフィスaを通過する流量を常時安定的に制御する
ことができる。したがって、油温の変化によるアシスト
力のばらつきを防止できる。また、この第4実施例によ
れば、実際の操舵トルクRに基づいて基本ソレノイド電
流指令値Idを特定しているので、操舵角θや操舵角速
度ωから実際の基本ソレノイド電流指令値Idを特定す
る場合よりも、要求流量QMを正確に制御することがで
きる。
【0075】図11に示した第5実施例も、操舵トルク
Rに基づいてソレノイド電流指令値IRを特定し、この
ソレノイド電流指令値IRに基づいて要求流量QMを特
定するものである。すなわち、図5に示した前記第2実
施例では、操舵角θに基づくソレノイド電流指令値Iθ
と操舵角速度ωに基づくソレノイド電流指令値Iωとを
大小判定して、大きい方の値を利用して要求流量QMを
推定していたが、この第5実施例では、前記した第4実
施例のように実際の操舵トルクRを検出して、この操舵
トルクRから正確な要求流量を求める構成にしたもので
ある。そのため、この第5実施例では、図1に示したコ
ントローラCに、操舵トルクRを検出する操舵トルクセ
ンサを接続している。なお、基本制御部Bの構成を変更
した点以外については、上記第2実施例と同じである。
【0076】図11に示すように、操舵トルクRに基づ
いてソレノイド電流指令値IRを特定しているが、実際
の状況により近づけるために、制御流量QPが最大流量
に達するまでソレノイド電流指令値IRを曲線状に増加
させている。このようにソレノイド電流指令値IRを曲
線状に増加させたのは、以下の通りである。すなわち、
ドライバーの操舵感覚を基にすれば、操舵トルクRと制
御流量QPとの関係は、リニアな特性を維持するのが理
想的である。ところが、ソレノイド電流指令値IRと、
可変オリフィスaの開度で決まる制御流量QPとは、実
際には二乗特性に近いものになる。これは、可変オリフ
ィスaを構成するポペット等のストロークに対する可変
オリフィスaの開口面積の変化状態と、ソレノイドの性
能とが相乗的に作用した結果である。
【0077】前記第4実施例は、操舵トルクRによって
ソレノイド電流指令値IRを求め、この電流指令値IR
で制御流量QPを特定しているので、厳密にいうと、操
舵トルクRと制御流量QPとの関係がリニアな特性にな
らない。そこで、この第5実施例では、ソレノイド電流
指令値IRを、制御流量QPが最大流量に達するまで曲
線状に増加させることによって、操舵トルクRを制御流
量QPに対してリニアな関係にしている。このようにす
れば、操舵感覚と出力とを一致させることができる。な
お、上記ソレノイド電流指令値IRの曲線は、実験によ
って求めてもよいし、演算によって求めてもよい。
【0078】上記のようにして特定したソレノイド電流
指令値IRと、車速に基づいて決まるソレノイド電流指
令値Ivとを比較して、ソレノイド電流指令値Ivの方
が大きければ、ソレノイド電流指令値IRを出力する。
逆に、ソレノイド電流指令値Ivがソレノイド電流指令
値IRよりも小さければ、このソレノイド電流指令値I
vが限界値となり、この限界値Ivを越えた分がカット
されて出力される。そして、上記出力された値に、スタ
ンバイソレノイド電流指令値Isが加算されて、それが
基本ソレノイド電流指令値Idとなって基本制御部Bか
ら出力される。
【0079】上記のようにして基本制御部Bから出力さ
れた基本ソレノイド電流指令値Idは、他の実施例と同
様に油温補正される。そして、ロックエンド付近である
か否かを判断された後、その特定されたソレノイド電流
指令値Iが、駆動機構19に出力されることになる。
【0080】この第5実施例によっても、基本制御部B
から出力された基本ソレノイド電流指令値Idを、油温
に基づいて補正しているので、作動油の温度が変化した
場合でも、可変オリフィスaの開度の調整によって、可
変オリフィスaを通過する流量を常時安定的に制御する
ことができる。したがって、油温の変化によるアシスト
力のばらつきを防止できる。また、この第5実施例で
は、実際の操舵トルクRに基づいて基本ソレノイド電流
指令値Idを特定しているので、操舵角θや操舵角速度
ωから基本ソレノイド電流指令値Idを特定する場合よ
りも、要求流量QMを正確に制御することができる。さ
らに、この第5実施例によれば、ドライバーの操舵感に
より近い基本ソレノイド電流指令値Idが出力されるの
で、ドライバーの操舵感をより向上させることができ
る。
【0081】なお、上記第1〜5実施例では、車速Vに
応じたソレノイド電流指令値Iv,Iv1,Iv2を、
車速の低速から高速までの範囲で1〜0としたが、何も
この値に限定する必要はない。すなわち、高速でソレノ
イド電流指令値Ivの出力をゼロにするようにしていれ
ば、そのレベルは問わない。なぜなら、ソレノイド電流
指令値Iθ、Iω、Iv、Iθe等は、電流値そのもの
ではなく、特に単位を持たない指令値であるからであ
る。
【0082】
【発明の効果】第1〜8の発明によれば、可変オリフィ
スの開度を制御する基本ソレノイド電流指令値を、油温
に基づくソレノイド電流指令値Itによって補正してい
るので、油温の変化によって作動油の粘度が変化したと
しても、可変オリフィスを通過する流量を常時安定的に
制御することができる。したがって、油温の変化による
アシスト力のばらつきを防止できる。
【0083】第2の発明によれば、第1の発明に対し
て、基本制御部において、操舵トルクを用いずに、操舵
角と操舵角速度とから基本ソレノイド電流指令値を特定
しているので、操舵トルクを用いる装置に比べて、コス
トダウンすることができる。また、実際の車速を用いず
に、基本ソレノイド電流指令値を特定しているので、車
速センサを必要とする装置に比べて、コストダウンする
ことができる。
【0084】第3の発明によれば、第2の発明に対し
て、基本制御部において、実際の車速を考慮して基本ソ
レノイド電流指令値を特定しているので、実際の走行状
態により近い制御ができる。
【0085】第4の発明によれば、第1の発明に対し
て、基本制御部において、操舵角によるソレノイド電流
指令値Iθと操舵角速度によるソレノイド電流指令値I
ωとを比較し、いずれか大きい方のソレノイド電流指令
値に基づいて基本ソレノイド電流指令値を特定している
ので、操舵感がラフになることを防止できる。また、ソ
レノイド電流指令値Iθとソレノイド電流指令値Iωと
のうち、大きい方のソレノイド電流指令値を採用してい
るので、応答性を維持することもできる。
【0086】第5の発明によれば、第1の発明に対し
て、基本制御部が、操舵角系のソレノイド電流指令値と
操舵角速度系のソレノイド電流指令値とを比較して、い
ずれか大きい方のソレノイド電流指令値に基づいて基本
ソレノイド電流指令値を特定している。このようにすれ
ば、高速走行時には、操舵角を基準にしてソレノイドの
励磁電流を決めることになるので、操舵の安全性を確保
することができる。また、低速走行時には、操舵角速度
を基準にしてソレノイドの励磁電流を決めることになる
ので、操舵の応答性を確保できる。
【0087】第6,7の発明によれば、第1の発明に対
して、基本制御部が、実際の操舵トルクに基づいて、基
本ソレノイド電流指令値を特定しているので、実際の操
舵状況により近い制御をすることができる。
【0088】第8の発明によれば、第1〜第7の発明に
対して、パワーシリンダがストロークエンドに達する前
に、アシスト力を小さくすることによって、ストローク
エンドで生じる衝撃を小さくすることができる。また、
アシスト力を小さくすることによって、ストロークエン
ド付近であることをドライバーに認識させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の油圧回路図である。
【図2】第1実施例のコントローラの制御系を示す説明
図である。
【図3】操舵角θと車速Vとの関係を示すグラフであ
る。
【図4】操舵角速度ωと車速Vとの関係を示すグラフで
ある。
【図5】第2実施例のコントローラの制御系を示す説明
図である。
【図6】操舵角θと要求流量QPとの関係を示すグラフ
である。
【図7】操舵角θに基づくソレノイド電流指令値Iθと
要求流量QPとの関係を示すグラフである。
【図8】操舵角θと操舵角速度ωとを加算した値と、ソ
レノイド電流指令値Iθとソレノイド電流指令値Iωと
を加算した値との関係を示すグラフである。
【図9】第3実施例のコントローラの制御系を示す説明
図である。
【図10】第4実施例のコントローラの制御系を示す説
明図である。
【図11】第5実施例のコントローラの制御系を示す説
明図である。
【図12】従来の油圧回路図である。
【符号の説明】 I ソレノイド電流指令値I Iθ 操舵角θによるソレノイド電流指令値 Iω 操舵角速度ωによるソレノイド電流指令値 IR 操舵トルクRによるソレノイド電流指令値 It 油温tによるソレノイド電流指令値 Is スタンバイソレノイド電流指令値 Iv 車速によるソレノイド電流指令値 Iv1 操舵角用ソレノイド電流指令値 Iv2 操舵角速度用ソレノイド電流指令値 Id 基本ソレノイド電流指令値 I1 乗算値 I2 限界値 QP 制御流量 QT 戻り流量 QM 必要流量(要求流量) QS スタンバイ流量 V 流量制御弁 SOL ソレノイド P ポンプ T タンク B 基本制御部 a 可変オリフィス 8 パワーシリンダ 9 ステアリングバルブ C コントローラ 16 操舵角センサ 17 車速センサ 20 油温センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 117:00 B62D 117:00 (72)発明者 島 直人 東京都港区浜松町2−4−1 世界貿易セ ンタービル カヤバ工業株式会社内 (72)発明者 清水 昇 東京都港区浜松町2−4−1 世界貿易セ ンタービル カヤバ工業株式会社内 Fターム(参考) 3D032 CC02 DA03 DA09 DA23 DA53 DD01 EA01 EC02 3D033 EB09

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パワーシリンダを制御するステアリング
    バルブと、このステアリングバルブの上流側に設けた可
    変オリフィスと、この可変オリフィスの開度を制御する
    ソレノイドと、このソレノイド励磁電流を制御するコン
    トローラと、ポンプから供給される流量を、上記可変オ
    リフィスの開度に応じてステアリングバルブに導く制御
    流量とタンクまたはポンプに環流させる戻り流量とに分
    配する流量制御弁と、作動油の温度を直接的または間接
    的に検出する油温センサとを備え、上記コントローラ
    に、ソレノイド励磁電流の基礎となる基本ソレノイド電
    流指令値Idを出力する基本制御部を設け、この基本制
    御部から出力される基本ソレノイド電流指令値Idを、
    上記油温センサからの油温信号に基づくソレノイド電流
    指令値Itによって補正し、油温が低いときに、可変オ
    リフィスの開度を相対的に大きくなるようソレノイド励
    磁電流を制御し、油温が高いときに、可変オリフィスの
    開度を相対的に小さくなるようソレノイド励磁電流を制
    御することを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】 コントローラに操舵角θを検出する操舵
    角センサを接続する一方、基本制御部は、上記操舵角θ
    に応じたソレノイド電流指令値Iθおよび操舵角速度ω
    に応じたソレノイド電流指令値Iωとを演算または記憶
    するとともに、これらソレノイド電流指令値Iθとソレ
    ノイド電流指令値Iωとを加算し、この加算した値にさ
    らにスタンバイソレノイド電流指令値Isを加算して、
    この値を基本ソレノイド電流指令値として出力する構成
    にしたことを特徴とする請求項1記載のパワーステアリ
    ング装置。
  3. 【請求項3】 基本制御部は、ソレノイド電流指令値I
    θとソレノイド電流指令値Iωとを加算した値に、車速
    に応じたソレノイド電流指令値Ivを乗算するととも
    に、この乗算値にスタンバイ電流指令値Isを加算し
    て、この値を基本ソレノイド電流指令値として出力する
    構成にしたことを特徴とする請求項2記載のパワーステ
    アリング装置。
  4. 【請求項4】 コントローラに操舵角θを検出する操舵
    角センサを接続する一方、基本制御部は、操舵角θに応
    じたソレノイド電流指令値Iθおよび操舵角速度ωに応
    じたソレノイド電流指令値Iωとを演算または記憶する
    とともに、これらソレノイド電流指令値Iθとソレノイ
    ド電流指令値Iωとの大小を判定し、その大きい方の値
    と車速に応じたソレノイド電流指令値Ivとを比較し
    て、ソレノイド電流指令値Ivを限界値とした上記大き
    い方の値にスタンバイソレノイド電流指令値Isを加算
    して、この値を基本ソレノイド電流指令値として出力す
    る構成にしたことを特徴とする請求項1記載のパワース
    テアリング装置。
  5. 【請求項5】 コントローラに操舵角θを検出する操舵
    角センサを接続する一方、基本制御部は、操舵角θに応
    じたソレノイド電流指令値Iθおよび操舵角速度ωに応
    じたソレノイド電流指令値Iωとを演算または記憶する
    とともに、車速に応じた操舵角用ソレノイド電流指令値
    Iv1と上記ソレノイド電流指令値Iθとを乗算して乗
    算値I1とする一方、上記ソレノイド電流指令値Iωと
    車速に応じた操舵角速度用ソレノイド電流指令値Iv2
    とを比較して、ソレノイド電流指令値Iv2を限界値と
    したソレノイド電流指令値Iωを限界値I2とし、しか
    も、上記乗算値I1と限界値I2との大小を判定し、大
    きい方の値にスタンバイソレノイド電流指令値Isを加
    算して、この値を基本ソレノイド電流指令値として出力
    する構成にしたことを特徴とする請求項1記載のパワー
    ステアリング装置。
  6. 【請求項6】 コントローラに操舵トルクRを検出する
    操舵トルクセンサを接続する一方、基本制御部は、上記
    操舵トルクRに応じたソレノイド電流指令値IRを演算
    または記憶するとともに、このソレノイド電流指令値I
    Rに、車速に応じたソレノイド電流指令値Ivを乗算
    し、しかも、この乗算値にスタンバイソレノイド電流指
    令値Isを加算した値を基本ソレノイド電流指令値とし
    て出力する構成にしたことを特徴とする請求項1記載の
    パワーステアリング装置。
  7. 【請求項7】 コントローラに操舵トルクRを検出する
    操舵トルクセンサを接続する一方、基本制御部は、上記
    操舵トルクRに応じたソレノイド電流指令値IRを演算
    または記憶するとともに、このソレノイド電流指令値I
    Rと車速に応じたソレノイド電流指令値Ivとを比較し
    て、ソレノイド電流指令値Ivを限界値としたソレノイ
    ド電流指令値IRにスタンバイソレノイド電流指令値I
    sを加算し、この値を基本ソレノイド電流指令値として
    出力する構成にしたことを特徴とする請求項1記載のパ
    ワーステアリング装置。
  8. 【請求項8】 コントローラに、操舵角θが設定角θ1
    を越えるとその値を減少するソレノイド電流指令値Iθ
    eを演算または記憶させる一方、このソレノイド電流指
    令値Iθeと油温補正後のソレノイド電流指令値とを比
    較して、油温補正後のソレノイド電流指令値がソレノイ
    ド電流指令値Iθeを越えると、ソレノイド電流指令値
    Iθeを採用して、パワーシリンダのアシスト力を小さ
    くする構成にしたことを特徴とする請求項1〜7のいず
    れか1に記載のパワーステアリング装置。
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