JP4832881B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

この発明は、パワーシリンダ側に導く流量を制御する流量制御弁を備えたパワーステアリング装置に関する。
図6および図7を用いて従来のパワーステアリング装置について説明する。
図6に示すポンプアッセンブリーPAは、流量制御弁Vのスプール1とともにポンプPを一体的に本体に組み込んだものである。
上記スプール1は、その一端を一方のパイロット室2に臨ませ、他端を他方のパイロット室3に臨ませている。上記一方のパイロット室2は、ポンプポート4を介してポンプPに常時連通している。また、他方のパイロット室3にはスプリング5を介在させている。このようにした両パイロット室2,3は、ソレノイドSOLの励磁電流に応じて開度を制御する可変オリフィスaを介して、たがいに連通している。
すなわち、一方のパイロット室2は、流路6→可変オリフィスa→流路7を経由してパワーシリンダ8を制御するステアリングバルブ9の流入側に連通している。また、他方のパイロット室3は、流路10および流路7を介してステアリングバルブ9の流入側に連通している。
したがって、上記両パイロット室2,3は、可変オリフィスaを介して連通することになり、可変オリフィスaの上流側の圧力が一方のパイロット室2に作用し、下流側の圧力が他方のパイロット室3に作用することになる。
そして、スプール1は、一方のパイロット室2の作用力と、他方のパイロット室3の作用力およびスプリング5の作用力とがバランスした位置を保つが、そのバランス位置においてタンクポート11の開度が決められる。
図6のノーマル位置から、ポンプPが駆動して、ポンプポート4に圧油が供給されると、可変オリフィスaに流れができるので、そこに差圧が発生する。この差圧の作用で、両パイロット室2,3に圧力差が発生し、この圧力差に応じてスプール1がスプリング5に抗して移動し、上記バランス位置を保つ。
このようにスプール1がスプリング5に抗して移動することによって、タンクポート11の開度を大きくするが、このときのタンクポート11の開度に応じて、ステアリングバルブ9側に導かれる制御流量QPと、タンクTあるいはポンプPに還流される戻り流量QTの分配比が決まる。言い換えれば、タンクポート11の開度に応じて制御流量QPが決まることになる。
上記のように制御流量QPが、スプール1の移動位置で決まるタンクポート11の開度に応じて制御されるということは、結局は、可変オリフィスaの開度に応じて制御流量QPが決まることになる。なぜなら、スプール1の移動位置は、両パイロット室2,3の圧力差で決まるとともに、この圧力差を決めているのが可変オリフィスaの開度だからである。
したがって、車速や操舵状況に応じて、制御流量QPを制御するためには、可変オリフィスaの開度、すなわちソレノイドSOLの励磁電流を制御すればよいことになる。
なぜなら、可変オリフィスaは、ソレノイドSOLが非励磁状態のときにその開度を最小に保ち、励磁電流を大きくしていくにしたがってその開度を大きくするからである。
なお、上記ステアリングバルブ9は、図示していないステアリングホィールの入力トルク(操舵トルク)に応じて、パワーシリンダ8への供給流量を制御するものである。例えば、操舵トルクが大きければ、パワーシリンダ8への供給流量を大きくし、操舵トルクが小さければそれに応じて供給流量も少なくするようにしている。この操舵トルクとステアリングバルブ9の切り換え量は、図示していないトーションバーなどのねじれ反力によって決まることになる。
上記のように操舵トルクが大きいときに、ステアリングバルブ9の切り換え量を大きくすれば、その分、パワーシリンダ8によるアシスト力が大きくなる。反対に、ステアリングバルブ9の切り換え量を小さくすれば、上記アシスト力は小さくなる。
そして、操舵トルクによって決まるパワーシリンダ8の必要(要求)流量QMと、流量制御弁Vで決められる制御流量QPとを、いつも等しくすれば、ポンプP側のエネルギー損失を低く抑えることができる。なぜなら、ポンプP側のエネルギーロスは、制御流量QPとパワーシリンダ8の必要流量QMとの差によって発生するからである。
上記のように制御流量QPを、パワーシリンダ8の必要流量QMにできるだけ近づけるために、可変オリフィスaの開度を制御するのが、ソレノイドSOLに対する励磁電流であり、この励磁電流を制御するのが、コントローラCである。
このコントローラCには、操舵角センサー16と車速センサー17とを接続し、これら両センサーの出力信号に基づいて、ソレノイドSOLの励磁電流を制御するようにしている。
なお、図中符号18はスプール1の先端に形成したスリットで、スプール1が図示の位置にあるときにも、一方のパイロット室2が、このスリット18を介して、流路7に常時連通するようにしている。言い換えると、スプール1が図示の状態にあって、流路6を閉じているようなときにも、ポンプPの吐出油が、このスリット18を介して、ステアリングバルブ9側に供給されるようにしている。
このように微少流量であるが、ステアリングバルブ9側に圧油を供給するようにしたのは、装置全体の焼き付きの防止、キックバック等の外乱の防止、および応答性の確保を目的にしているからである。
また、符号19は、コントローラCとソレノイドSOLとの間に接続したドライバーである。符号12は動力源、符号13,14は流路10に設けたオリフィス、符号15はリリーフ弁である。
上記コントローラCの制御システムは、図7に示すとおりである。すなわち、コントローラCには、操舵角センサー16からの操舵角信号と車速センサー17からの車速信号とが入力される。そして、コントローラCは、操舵角信号から操舵角θと操舵角速度ωとを演算するとともに、これら操舵角θおよび操舵角速度ωを基にして、ソレノイド電流指令値Iを制御し、このソレノイド電流指令値IによってソレノイドSOLの励磁電流を制御している。
図7における操舵角θとソレノイド電流指令値I1とは、その操舵角θと制御流量QPとの関係がリニアな特性になる理論値を基にして決めている。また、操舵角速度ωとソレノイド電流指令値I2との関係も、操舵角速度ωと制御流量QPとがリニアな特性になる理論値を基にして決めている。
ただし、操舵角θおよび操舵角速度ωが、ある設定値以上にならなければ、上記指令値I1およびI2のいずれもゼロを出力するようにしている。つまり、ステアリングホィールが中立あるいはその近傍にある時には、上記指令値I1I2もゼロになるようにしている。
そして、これら操舵角θに対するソレノイド電流指令値I1、および操舵角速度ωに対するソレノイド電流指令値I2は、テーブル値としてコントローラCにあらかじめ記憶させてある。
また、コントローラCは、車速センサー17の出力信号に基づいて、操舵角用電流指令値I3と操舵角速度用電流指令値I4とを出力するようにしているが、これら操舵角用電流指令値I3および操舵角速度用電流指令値I4は、テーブル値としてコントローラCにあらかじめ記憶させてある。
そして、操舵角用電流指令値I3は、低速域で1を出力し、最高速域で例えば0.6を出力するようにしている。また、操舵角速度用電流指令値I4は、低速域で1を出力し、最高速域で例えば0.8を出力するようにしている。
そして、上記操舵角θによるソレノイド電流指令値I1には、車速Vに応じた操舵角用電流指令値I3を掛け合わせる。したがって、車速Vが高速になればなるほど、その乗算結果である出力値すなわち操舵角系の電流指令値I5は小さくなる。
一方、操舵角速度ωによるソレノイド電流指令値I2には、車速に応じた操舵角速度用電流指令値I4を限界値として、操舵角速度系の電流指令値I6を出力させるようにしている。
上記のように出力された操舵角系の電流指令値I5と、操舵角速度系の電流指令値I6との大小を比較し、その大きな方の電流指令値I5あるいは電流指令値I6を採用するようにしている。
また、上記のようにして選択された電流指令値I5あるいはI6には、スタンバイ用電流指令値I7を加算する。
このスタンバイ用電流指令値I7は、常に、所定の電流が可変オリフィスaのソレノイドSOLに供給されるようにするためのものである。このようにスタンバイ用電流指令値I7が供給された可変オリフィスaは、操舵角θ、操舵角速度ωおよび車速を基にしたソレノイド電流指令値が、たとえゼロだったとしても、その開度を一定に保つとともに、一定のスタンバイ流量QSを確保する。
上記の構成にしたパワーステアリング装置によれば、操舵角θ、操舵角速度ω、車速Vに基づいて、ソレノイド電流指令値Iを制御し、このソレノイド電流指令値IによってソレノイドSOLの励磁電流を制御している。
そして、上記したように、ソレノイドSOLが非励磁状態のときに、可変オリフィスaの開度を最小に保ち、ソレノイドSOLの励磁電流が、車速や操舵状況に応じて大きくなれば、可変オリフィスaの開度が大きくなる。このように、可変オリフィスaの開度を制御することで、エネルギー損失を小さくし、しかも、走行状況に応じた制御流量QPを制御することができる。
特開2001−260917
上記従来のパワーステアリング装置によれば、ソレノイド電流指令値Iが演算されれば、理論上、走行状況に応じて最適な制御流量QPを制御できる。
しかし、ポンプPは、寸法精度のばらつき等、ポンプP単体ごとに多少異なった特性を有するとともに、ソレノイドSOLも個々に多少異なった特性を有するのが現状である。このように、個々の特性を有するポンプPと、ソレノイドSOLとが組み合わされて、ポンプアッセンブリーPAが構成されるため、ソレノイド電流指令値Iと制御流量QPとの対応関係であって、最終的なポンプ出力特性であるI−Q特性は、すべての実機において等しくなるとは限らず、実機ごとにばらつきが生じてしまう。
このように、走行状況に応じて最適な制御流量QPを制御すべく、ソレノイド電流指令値Iを制御しても、実際は、ポンプアッセンブリーPAが、実機ごとにI−Q特性を有しているため、制御流量QPを正確に制御することができず、制御流量QPにばらつきが生じてしまう。
そして、制御流量QPにばらつきが生じれば、走行状況に応じて最適な操舵フィーリングを実現することができなくなってしまうという問題があった。
この発明の目的は、ポンプアッセンブリーPAが個々のI−Q特性を有していても、確実に必要流量を制御するパワーステアリング装置を提供することである。
この発明は、本体にスプールを組み込み、このスプールの一端を、ポンプポートに常時連通する一方のパイロット室に臨ませ、スプールの他端を、スプリングを介在させた他方のパイロット室に臨ませ、上記一方のパイロット室の下流側にオリフィスを設け、このオリフィスを介してパワーシリンダを制御するステアリングバルブに圧油を導く一方、上記オリフィスの上流側の圧力を上記一方のパイロット室のパイロット圧とし、下流側の圧力を上記他方のパイロット室のパイロット圧とし、両パイロット室の圧力バランスでスプールの移動位置を制御するとともに、その移動位置に応じて、ポンプの吐出量を上記ステアリングバルブ側に導く制御流量QPと、タンクまたはポンプに還流させる戻り流量QTとに分配する構成にし、上記オリフィスは、ソレノイドの励磁電流に応じて開度を制御する可変オリフィスにするとともに、ソレノイドの励磁電流を制御するコントローラを設け、このコントローラには、車速や操舵角等の走行状況に応じた信号を出力する信号出力部を接続するとともに、この信号出力部から出力された信号に基づいて、可変オリフィスに供給する電流の理論値を演算する演算部を設け、この演算部で演算された理論値に基づいて、可変オリフィスを制御するパワーステアリング装置を前提とする。
そして、上記コントローラは、上記演算部で演算した理論値を修正する補正指令部を備え、この補正指令部には、上記演算部で演算した理論値である理論的電流指令値と理論的制御流量QP’との相対関係、及び制御流量QPと実機ごとに特定した修正電流指令値との相対関係に基づいて作成した修正テーブルを記憶するとともに、この補正指令部は、上記修正テーブルに基づいて、上記理論的電流指令値から修正電流指令値を特定し、この修正電流指令値に応じて可変オリフィスのソレノイドの励磁電流を制御する構成にした点に特徴を有する。
この発明によれば、容易に補正可能なソレノイド側に対して、補正制御をしているので、個々のポンプアッセンブリーPAが有するI−Q特性に起因する制御流量QPのばらつきが、実機ごとにほとんど生じることがない。
すなわち、ポンプPは、個々に寸法ばらつきを生じるが、このポンプPの寸法ばらつきは、実質上補正することができない。しかし、この発明によれば、理論的電流指令値から、実機ごとの特性に応じた修正電流指令値を特定し、この修正電流指令値によって、容易に補正可能である可変オリフィスのソレノイドを制御している。したがって、ポンプアッセンブリーPAの制御流量QPを理論的制御流量QP’に近づけることができる。
そして、制御流量QPを理論的制御流量QP’に近づけることができるので、走行状況に応じて最適な操舵フィーリングを実現することができる。
図1〜図5を用いて、この実施形態におけるパワーステアリング装置について説明する。
なお、この実施形態のパワーステアリング装置は、コントローラCにおける制御システムに最大の特徴を有するものであり、他の構成については、従来のパワーステアリング装置と同様である。したがって、ここでは、コントローラCにおける制御システムを中心に説明するとともに、従来のパワーステアリング装置と同様の構成要素については、同様の符号を付して説明する。
この実施形態におけるコントローラCの制御システムは、図1に示すとおりであるが、このコントローラCは、ソレノイドSOLに供給する励磁電流を制御することで、可変オリフィスaの開度を制御するものである。
コントローラCには、従来のパワーステアリング装置と同様、操舵角センサー16及び車速センサー17を接続しているが、これら両センサー16,17が、この発明における、信号出力部20を構成している。なお、この実施形態における信号出力部20は、操舵角センサー16と、車速センサー17とからなるが、信号出力部20を構成するのは、これらに限られるものではなく、制御流量QPを制御するために有効なものを構成要素に加えてもよい。
コントローラCは、演算部21と補正指令部22とを備え、上記演算部21に、上記操舵角センサー16からの操舵角信号と車速センサー17からの車速信号とが入力される。そして、演算部21は、操舵角信号から操舵角θと操舵角速度ωとを演算するとともに、これら操舵角θおよび操舵角速度ωを基にして、理論的電流指令値TIを出力する。
図1における操舵角θと理論的な操舵角電流指令値T1とは、その操舵角θと制御流量QPとの関係がリニアな特性になる理論値を基にして決めている。また、操舵角速度ωと理論的な操舵角速度電流指令値T2との関係も、操舵角速度ωと制御流量QPとがリニアな特性になる理論値を基にして決めている。
ただし、操舵角θおよび操舵角速度ωが、ある設定値以上にならなければ、上記指令値T1およびT2のいずれもゼロを出力するようにしている。つまり、ステアリングホィールが中立あるいはその近傍にある時には、上記指令値T1もT2もゼロになるようにしている。
そして、これら操舵角θに対する理論的な操舵角電流指令値T1、および操舵角速度ωに対する理論的な操舵角速度電流指令値T2は、テーブル値として演算部21にあらかじめ記憶させてある。
また、演算部21は、車速センサー17の出力信号に基づいて、操舵角用電流指令値T3と操舵角速度用電流指令値T4とを出力するようにしているが、これら操舵角用電流指令値T3および操舵角速度用電流指令値T4は、テーブル値として演算部21にあらかじめ記憶させてある。
そして、操舵角用電流指令値T3は、低速域で1を出力し、最高速域で例えば0.6を出力するようにしている。また、操舵角速度用電流指令値T4は、低速域で1を出力し、最高速域で例えば0.8を出力するようにしている。
そして、上記操舵角θによる理論的な操舵角電流指令値T1には、車速Vに応じた操舵角用電流指令値T3を掛け合わせる。したがって、車速Vが高速になればなるほど、その乗算結果である出力値すなわち操舵角系の電流指令値T5は小さくなる。
一方、操舵角速度ωによる理論的な操舵角速度電流指令値T2には、車速に応じた操舵角速度用電流指令値T4を限界値として、操舵角速度系の電流指令値T6を出力させるようにしている。
上記のように出力された操舵角系の電流指令値T5と、操舵角速度系の電流指令値T6との大小を比較し、その大きな方の電流指令値T5あるいはT6を採用するようにしている。
また、上記のようにして選択された電流指令値T5あるいはT6には、スタンバイ用電流指令値T7を加算する。
このスタンバイ用電流指令値T7は、常に、所定の電流が可変オリフィスaのソレノイドSOLに供給されるようにするためのものである。このようにスタンバイ用電流指令値T7が供給された可変オリフィスaは、操舵角θ、操舵角速度ωおよび車速を基にした理論的な電流指令値が、たとえゼロだったとしても、その開度を一定に保つとともに、一定のスタンバイ流量QSを確保する。
なお、この実施形態における演算部21に予め記憶しておくテーブル値や演算方法等は、一実施形態に過ぎないものである。
上記のように、演算部21が出力した理論的電流指令値TIを、ソレノイドSOLの励磁電流として、可変オリフィスaの開度を制御した場合、理論上、図2のような理論的電流指令値TIと理論的制御流量QP’との関係が成り立つ。ここでは、理論的電流指令値TIに対する理論的制御流量QP’の相関関係が分かりやすいように、理論的制御流量QP’の数値を整数で示している。図2によれば、例えば、理論的電流指令値TIが0.5アンペア出力された場合、理論的制御流量QP’は5Lに制御されることを意味するものであり、この理論的制御流量QP’は、要求流量QMと等しいものである。
また、図2におけるαは、いわゆる実使用域を表すものであり、実際のパワーステアリング装置において、理論的電流指令値TIが演算される範囲を示すものである。すなわち、演算部21においては、スタンバイ用電流指令値T7が加算されるため、理論的電流指令値TIは、少なくとも0.2アンペアと演算される。また、この実施形態のパワーステアリング装置において、例えば、要求流量QMが、11L以上になることもないため、理論的電流指令値TIが、1.0アンペアを超えて演算されることもない。この実施形態においては、0.2〜1.0アンペアが実使用域αとなるが、このように、理論的電流指令値TIには、実使用域αが存在するとともに、理論的電流指令値TIが、実使用域αを外れて演算されることはない。
一方、既に述べたように、ポンプアッセンブリーPAは、実機ごとに特性を有しているため、理論的電流指令値TIをソレノイドSOLの励磁電流として供給しても、制御流量QPは、理論的制御流量QP’と一致せずに、実機ごとにばらつきを生じる。
このソレノイドSOLの励磁電流と、実機ごとに測定した実際の制御流量QPとの関係を示したのが図3である。この図3は、例えば、実機X,Y,ZのソレノイドSOLに対する励磁電流を変更した場合の、各制御流量QPを実測したものである。例えば、各ソレノイドSOLに対して、0.6アンペアの励磁電流を供給した場合、実機Xでは7L、実機Yでは5L、実機Zでは6Lの制御流量QPが制御されることを意味している。
このように、ソレノイドSOLの励磁電流と、実際の制御流量QPとの関係、すなわちI−Q特性は、実機ごとに特有のものであるが、このI−Q特性は、ポンプアッセンブリーPAを出荷する際の試験によって把握することができる。言い換えれば、出荷時に、図3に示す表を実機ごとに保有していることとなる。
いま、図4に示すように、実機Xにおいて、信号出力部20からの信号を受けた演算部21が、所定の規則にしたがって、理論的電流指令値TIを0.6アンペアと演算したとする。このとき、理論的制御流量QP’は、6Lとなるが、この数値は要求流量QMに等しいため、実機Xにおける制御流量QPも6Lとなることが望ましい。
しかし、実機Xにおいて、制御流量QPを6Lに制御するためには、ソレノイドSOLの励磁電流0.5アンペアを供給しなければならない。同様にして、理論的電流指令値TIを0.7アンペアと演算した場合には、理論的制御流量QP’は7Lとなり、実機Xにおいて制御流量QPを7Lに制御するためには、ソレノイドSOLの励磁電流0.6アンペアを供給しなければならない。なお、このとき、実機Xが、制御流量7Lを制御するために出力する電流、すなわち、実機Xにおいて、理論的制御流量QP’と同量の制御流量QPを制御するために供給すべき電流を、修正電流指令値SIという。
このように、理論的制御流量QP’(実際の制御流量QP)に基づいて、理論的電流指令値TIと修正電流指令値SIとを対応付けて示したのが図5である。
そして、図5に示すテーブルが、この実施形態でいう修正テーブル23であり、この修正テーブル23が、コントローラCに設けた補正指令部22に記憶されている。
いま、図1に示すように、コントローラCの演算部21が、信号出力部20から出力された信号を受け取り、予め定められた規則にしたがって、理論的電流指令値TIを演算、算出するとともに、この算出した理論的電流指令値TIを、補正指令部22に送信する。理論的電流指令値TIを受け取った補正指令部22は、記憶している修正テーブル23に基づいて、理論的電流指令値TIを、修正電流指令値SIに修正する。例えば、図5のように、理論的電流指令値TIが0.4アンペアであれば、修正電流指令値SI=0.3を、理論的電流指令値TIが0.7アンペアであれば、修正電流指令値SI=0.6を出力する。
このように、補正指令部22は、実機ごとに、予め記憶している修正テーブル23に基づいて、演算部21で演算、算出した理論的電流指令値TIを、修正電流指令値SIに修正して出力する。
そして、補正指令部23で出力された修正電流指令値SIに応じて、可変オリフィスaのソレノイドSOLが制御される。
なお、この実施形態における実使用域αは、理論的電流指令値TI=0.2〜1.0アンペアであるため、本来的には、0.2〜1.0アンペアを外れて、ソレノイドSOLの励磁電流が供給されることはない。しかし、実機ごとのI―Q特性に応じて理論的電流指令値TIを、修正電流指令値SIに修正して出力しているため、この実施形態においては、実使用域αを外れたソレノイドSOLの励磁電流が供給されることとなる。
この実施形態のパワーステアリング装置によれば、容易に補正可能なソレノイドSOL側に対して、補正制御をしているので、個々のポンプアッセンブリーPAが有するI−Q特性に起因した、制御流量QPのばらつきをほとんど生じることがない。
すなわち、ポンプPは、個々に寸法ばらつきを生じるが、このポンプPの寸法ばらつきは、実質上補正することができない。しかし、この発明によれば、理論的電流指令値TIから、実機ごとの特性に応じた修正電流指令値SIを特定し、この修正電流指令値SIによって、容易に補正可能である可変オリフィスのソレノイドSOLを制御している。したがって、ポンプアッセンブリーPAの制御流量QPを理論的制御流量QP’に近づけることができる。
そして、制御流量QPを理論的制御流量QP’に近づけることができるので、走行状況に応じて最適な操舵フィーリングを実現することができる。
この実施形態のパワーステアリング装置におけるコントローラCの制御システムを示す図である。 理論的電流指令値TIと理論的制御流量QP’との関係を示す表である。 ソレノイドSOLの励磁電流と、実機ごとに測定した実際の制御流量QPとの関係を示した表である。 理論的電流指令値TIを修正電流指令値SIに変換するフローを示す図である。 この実施形態における修正テーブルを示す表である。 従来及びこの実施形態におけるパワーステアリング装置の構造を示す図である。 従来のパワーステアリング装置におけるコントローラCの制御システムを示す図である。
符号の説明
1 スプール
2 パイロット室
3 パイロット室
4 ポンプポート
5 スプリング
8 パワーシリンダ
9 ステアリングバルブ
20 信号出力部
21 演算部
22 補正指令部
23 修正テーブル
C コントローラ
P ポンプ
a 可変オリフィス
TI 理論的電流指令値
SI 修正電流指令値
QP 制御流量
QP’ 理論的制御流量
SOL ソレノイド

Claims (1)

  1. 本体にスプールを組み込み、このスプールの一端を、ポンプポートに常時連通する一方のパイロット室に臨ませ、スプールの他端を、スプリングを介在させた他方のパイロット室に臨ませ、上記一方のパイロット室の下流側にオリフィスを設け、このオリフィスを介してパワーシリンダを制御するステアリングバルブに圧油を導く一方、上記オリフィスの上流側の圧力を上記一方のパイロット室のパイロット圧とし、下流側の圧力を上記他方のパイロット室のパイロット圧とし、両パイロット室の圧力バランスでスプールの移動位置を制御するとともに、その移動位置に応じて、ポンプの吐出量を上記ステアリングバルブ側に導く制御流量QPと、タンクまたはポンプに還流させる戻り流量QTとに分配する構成にし上記オリフィスは、ソレノイドの励磁電流に応じて開度を制御する可変オリフィスにするとともに、ソレノイドの励磁電流を制御するコントローラを設け、このコントローラには、車速や操舵角等の走行状況に応じた信号を出力する信号出力部を接続するとともに、この信号出力部から出力された信号に基づいて、可変オリフィスに供給する電流の理論値を演算する演算部を設け、この演算部で演算された理論値に基づいて、可変オリフィスを制御するパワーステアリング装置において、上記コントローラは、上記演算部で演算した理論値を修正する補正指令部を備え、この補正指令部には、上記演算部で演算した理論値である理論的電流指令値と理論的制御流量QP’との相対関係、及び制御流量QPと実機ごとに特定した修正電流指令値との相対関係に基づいて作成した修正テーブルを記憶するとともに、この補正指令部は、上記修正テーブルに基づいて、上記理論的電流指令値から修正電流指令値を特定し、この修正電流指令値に応じて可変オリフィスのソレノイドの励磁電流を制御する構成にしたパワーステアリング装置。
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