以下、図1〜19を用いて、本発明の一実施例に係る運転支援装置について説明する。
図1は、電動パワーステアリング装置101の概略構成と本実施例に係る運転支援装置102の概略構成とを表した図である。図1は、便宜上、当業者には既知の構成部分について大幅に簡略化されて描かれているが、図1に示した操舵機構においては、ステアリングギア形式として当業者には既知のいわゆるラック&ピニオン方式が採用されているものとする。
ステアリングホイール(ステアリングハンドル、操舵ハンドル)103は、コラムシャフト(ステアリングシャフト)104及び図示しないラック&ピニオン形式のステアリングギアを通じて、ラック軸(ラックバー)105に接続されている。
ステアリングホイール103を通じて入力された運転者の回動操作は、コラムシャフト104及び図示しないステアリングギアを介してラック軸105に伝達され、ラック軸105を車両横方向に動かす。ラック軸105が車両横方向に動くと、それに応じて車輪106が左右に転舵される。
コラムシャフト104には、同軸上に、舵角センサ107と、トルクセンサ108とが設けられる。
舵角センサ107は、ステアリングホイール103の回転角を検出できる限り当業者には既知の任意の構成・構造のセンサでよく、例えば、ステアリングホイール103が一定角度回転する度にパルス信号が出力されるように構成されたセンサである。この場合、舵角センサ107から出力されるパルス信号数を計数することによって、ステアリングホイール103の操舵角が検出できる。
また、トルクセンサ108は、操舵時にステアリングホイール103に入力されたトルクの大きさを検出できる限り当業者には既知の任意の構成・構造のセンサでよく、例えば、コラムシャフト104をステアリングホイール103側の入力軸とステアリングギア側の出力軸とに分割しておき、これら入力軸と出力軸とがトーションバーを介して連結された構成を採り、当該トーションバーのねじれ量からステアリングホイール103に入力されたトルクの大きさを検出するセンサである。
舵角センサ107及びトルクセンサ108は、検出した舵角及び操舵トルクを後に詳述する主制御部109へ出力する。
コラムシャフト104には、更に、コラムシャフト104に固定的に取り付けられ、コラムシャフト104まわりに一体となって回転するホイールギア110が設けられる。ホイールギア110は、アシスト操舵トルクを発生させる電動機(モータ)111の出力軸111aに設けられたウォームギア112と噛合し、電動機111の回転駆動力がウォームギア112を通じて伝達されるように構成されている。これにより、電動機111から発生した回転駆動力(トルク)は、ウォームギア112及びホイールギア110を介してコラムシャフト104へ伝達され、コラムシャフト104を回転させる。
電動機111の作動は、主制御部109により制御される。主制御部109は、電動パワーステアリング装置101及び運転支援装置101全体を統括的に制御するコンピュータ制御装置であり、例えばECU(Electronic Control Unit;電子制御装置)、より具体的には既存のEPS・ECU、である。
主制御部109には、舵角センサ107から出力された舵角情報と、トルクセンサ108から出力された操舵トルク情報と、図示しない車速センサから出力された車速情報とが入力される。
ここで、主制御部109に供給される車速情報を検出する図示しない車速センサは、自車両の車速を検出できる限り当業者には既知の任意の構成・構造のセンサでよく、例えば、車輪の回転速度に対応した周期でパルス信号を出力するように構成されたセンサ(車輪速センサ)である。この場合、車輪速センサから出力されたパルス信号の周期又は周波数を計測することによって、車輪の回転速度、すなわち自車両の車速、が検出できる。
主制御部109内には、従来通り、その機能の一部として、例えば主制御部109上で動くプログラムの形式で、演算部109aと、通電制御部109bとが設けられる。
演算部109aは、操舵時に電動機111がコラムシャフト104にアシストトルクを発生させ、運転者に要求されるステアリング操作力が軽減されるように、発生させるアシストトルクの大きさ及びアシストトルクの方向を決定して、電動機111へ供給する目標電流値を演算する。
より具体的には、演算部109aは、主制御部109に入力された舵角情報、操舵トルク情報、及び車速情報を利用して、運転者に要求されるステアリング操作力が大きくなる(ハンドルが重くなる)低速時には操舵力を低減させると共に、運転者に要求されるステアリング操作力が小さくなる(ハンドルが軽くなる)高速時には運転者が適切な操舵反力(手応え)を感じるようにアシストトルクの大きさ及び方向を決定することによって、運転者が適切な操舵感(操舵フィーリング、ステアリングフィーリング)を得られるように目標電流値を演算する。
通電制御部109bは、演算部109aによって決定された目標電流値に基づいて実際に電動機111へ駆動用電流を供給することによって、所望のアシストトルクが実現されるように電動機111を通電制御する。
通電制御部109bにより実際に電動機111へ供給された実電流値は、通電制御部109bへフィードバック(FB)制御される。
また、本実施例において、主制御部109は、新規な機能として、例えば主制御部109上で動くプログラムの形式で、操舵経済運転度診断部109cを有する。操舵経済運転度診断部109cには、演算部109aから出力された目標電流値又は通電制御部109bから出力された実電流値のいずれかがEPS制御電流値として入力される。
操舵経済運転度診断部109cは、後に詳述するように、入力されたEPS制御電流値に基づいて、操舵操作についての経済運転度(省エネ度)を診断し、その診断結果に基づいて運転者により経済的な操舵操作を促すための情報(以下、「経済運転指南情報」と称す)を作成し、この経済運転指南情報を表示部113を通じて文字情報として運転者に表示すると共に、音声出力部114を通じて音声メッセージとして車室内に出力する。
表示部113は、例えば液晶ディスプレイやヘッドアップディスプレイ(HUD)など任意の種類の車載ディスプレイ装置でよく、他の車載システム(例えば、ナビゲーションシステム、マルチメディアシステム、インストゥルメントパネルなど)のディスプレイ装置と兼用であってもよい。
音声出力部114は、車室内に設けられた任意のスピーカでよく、他の車載システム(例えば、ナビゲーションシステムや、オーディオビジュアルシステムなど)のスピーカと兼用であってもよい。
操舵経済運転度診断部109cは、所定のサンプリング周期で、入力されたEPS制御電流値を後に適宜読み出すことができるように記憶部115にバッファ保存させておく。記憶部115は、任意の記憶媒体でよい。
また、運転支援装置102には、ユーザが記憶部115に情報を書き込むのに利用することができるユーザ入力部116が備えられる。
次いで、本実施例において、操舵経済運転度診断部109cが、操舵操作に関してどのような診断を行い、どのような経済運転指南情報を運転者に提示するのかについて、図2〜19に示した具体的処理例を参照して説明する。
図2は、操舵経済運転度診断部109cが、経済運転指南情報として、刻々と変化し得る瞬間EPS制御電流値そのものを、表示部113に略リアルタイムで表示させる場合の一具体的処理例を示している。
この場合、操舵経済運転度診断部109cは、記憶部115にバッファされたEPS制御電流値を例えば所定のサンプリング周期で読み出し(S201)、この読み出した瞬間電流値を(例えばミリアンペア[mA]単位で)そのまま文字情報として表示部113に略リアルタイムで動的に表示させる(S202)。
これにより、操舵中、表示部113を通じて、刻々と変化し得る瞬間EPS制御電流値が運転者に対して提示されるため、運転者に、より経済的な操舵操作をして操舵操作に必要とされる制御電流値を低減しよう、という動機付け・意識付けを与えることができる。
図3は、操舵経済運転度診断部109cが、経済運転指南情報として、刻々と変化し得る瞬間EPS制御電流値から算出した瞬間電力消費量の値を、表示部113に略リアルタイムで表示させる場合の一具体的処理例を示している。
この場合、操舵経済運転度診断部109cは、記憶部115にバッファされたEPS制御電流値を例えば所定のサンプリング周期で読み出し(S301)、この読み出した瞬間電流値から、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば電動機111の体格により決定される)を利用して、瞬間電力消費量を算出し(S302)、この算出した瞬間電力消費量の値を(例えばワット[W]単位で)文字情報として表示部113に略リアルタイムで動的に表示させる(S303)。
これにより、操舵中、表示部113を通じて、刻々と変化し得る操舵操作により消費された瞬間電力量が運転者に対して提示されるため、運転者に、より経済的な操舵操作をして操舵操作により消費される電力量を抑えよう、という動機付け・意識付けを与えることができる。
図4は、操舵経済運転度診断部109cが、経済運転指南情報として、刻々と変化し得る瞬間EPS制御電流値を瞬間燃料消費量に換算した値を、表示部113に略リアルタイムで表示させる場合の一具体的処理例を示している。
この場合、操舵経済運転度診断部109cは、記憶部115にバッファされたEPS制御電流値を例えば所定のサンプリング周期で読み出し(S401)、この読み出した瞬間電流値から、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば電動機111の体格により決定される)を利用して、瞬間電力消費量を算出する(S402)。
さらに、操舵経済運転度診断部109cは、算出した瞬間電力消費量を、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば使用燃料のエネルギ密度により決定される)を利用して、瞬間燃料消費量へ換算し(S403)、得られた瞬間燃料消費量の値を(例えばリットル[l]単位で)文字情報として表示部113に略リアルタイムで動的に表示させる(S404)。
これにより、操舵中、表示部113を通じて、刻々と変化し得る操舵操作により消費された瞬間電力量を燃料消費に換算した場合の燃料消費量が運転者に対して提示されるため、運転者に、通常の走行燃費と同様の「消費される燃料量を減らしたい」という感覚で、より経済的な操舵操作をして操舵操作により消費される電力量を抑えよう、という動機付け・意識付けを与えることができる。
図5は、操舵経済運転度診断部109cが、経済運転指南情報として、刻々と変化し得る瞬間EPS制御電流値を瞬間消費燃料費(ガソリン代)に換算した値を、表示部113に略リアルタイムで表示させる場合の一具体的処理例を示している。
この場合、操舵経済運転度診断部109cは、記憶部115にバッファされたEPS制御電流値を例えば所定のサンプリング周期で読み出し(S501)、この読み出した瞬間電流値から、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば電動機111の体格により決定される)を利用して、瞬間電力消費量を算出する(S502)。
さらに、操舵経済運転度診断部109cは、算出した瞬間電力消費量を、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば使用燃料のエネルギ密度により決定される)を利用して、瞬間燃料消費量へ換算し(S503)、得られた瞬間燃料消費量を、更に、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば使用燃料の単価により決定される)を利用して、瞬間消費燃料費へ換算し(S504)、得られた瞬間消費燃料費の値(金額)を(例えば円単位で)文字情報として表示部113に略リアルタイムで動的に表示させる(S505)。
これにより、操舵中、表示部113を通じて、刻々と変化し得る操舵操作により消費された瞬間電力量を燃料消費に換算した場合の燃料代の金額が運転者に対して提示されるため、運転者に、より直感的に、より経済的な操舵操作をして操舵操作により消費される電力量を抑えよう、という動機付け・意識付けを与えることができる。
図6は、操舵経済運転度診断部109cが、経済運転指南情報として、刻々と変化し得る瞬間EPS制御電流値から算出した瞬間電力消費量の値を一定期間積算した累積値を、所定のタイミングで、表示部113に表示させると共に、音声出力部114から音声出力させる場合の一具体的処理例を示している。
この場合、操舵経済運転度診断部109cは、記憶部115にバッファされたEPS制御電流値を例えば所定のサンプリング周期で読み出し(S601)、この読み出した瞬間電流値から、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば電動機111の体格により決定される)を利用して、瞬間電力消費量を算出し(S602)、この算出した瞬間電力消費量を(例えば記憶部115に)バッファし、積算していく(S603)。これを所定のタイミングが到来するまで繰り返す(S604の「NO」でS601へ戻る)。
所定のタイミングが到来すると(S604の「YES」)、操舵経済運転度診断部109cは、その時点までに瞬間電力消費量を積算して得られた累積電力消費量の値を(例えばワット[W]単位で)、表示部113に文字情報として表示させると共に、音声メッセージとして音声出力部114から出力させる(S605)。
これにより、所定のタイミングにおいて、表示部113及び音声出力部114を通じて、その時点までに操舵操作によって消費された累積電力量が運転者に対して提示されるため、運転者に、今後はより経済的な操舵操作をして操舵操作により消費される電力量を抑えよう、という動機付け・意識付けを与えることができる。
図7は、操舵経済運転度診断部109cが、経済運転指南情報として、刻々と変化し得る瞬間EPS制御電流値を瞬間燃料消費量に換算した値を一定期間積算した累積値を、所定のタイミングで、表示部113に表示させると共に、音声出力部114から音声出力させる場合の一具体的処理例を示している。
この場合、操舵経済運転度診断部109cは、記憶部115にバッファされたEPS制御電流値を例えば所定のサンプリング周期で読み出し(S701)、この読み出した瞬間電流値から、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば電動機111の体格により決定される)を利用して、瞬間電力消費量を算出する(S702)。
さらに、操舵経済運転度診断部109cは、算出した瞬間電力消費量を、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば使用燃料のエネルギ密度により決定される)を利用して、瞬間燃料消費量へ換算し(S703)、得られた瞬間燃料消費量の値を(例えば記憶部115に)バッファし、積算していく(S704)。これを所定のタイミングが到来するまで繰り返す(S705の「NO」でS701へ戻る)。
所定のタイミングが到来すると(S705の「YES」)、操舵経済運転度診断部109cは、その時点までに瞬間燃料消費量を積算して得られた累積燃料消費量の値を(例えばリットル[l]単位で)、表示部113に文字情報として表示させると共に、音声メッセージとして音声出力部114から出力させる(S706)。
これにより、所定のタイミングにおいて、表示部113及び音声出力部114を通じて、その時点までに操舵操作によって消費された累積燃料量が運転者に対して提示されるため、運転者に、通常の走行燃費と同様の「消費される燃料量を減らしたい」という感覚で、今後はより経済的な操舵操作をして操舵操作により消費される電力量を抑えよう、という動機付け・意識付けを与えることができる。
図8は、操舵経済運転度診断部109cが、経済運転指南情報として、刻々と変化し得る瞬間EPS制御電流値を瞬間消費燃料費(ガソリン代)に換算した値を一定期間積算した累積値を、所定のタイミングで、表示部113に表示させると共に、音声出力部114から音声出力させる場合の一具体的処理例を示している。
この場合、操舵経済運転度診断部109cは、記憶部115にバッファされたEPS制御電流値を例えば所定のサンプリング周期で読み出し(S801)、この読み出した瞬間電流値から、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば電動機111の体格により決定される)を利用して、瞬間電力消費量を算出する(S802)。
さらに、操舵経済運転度診断部109cは、算出した瞬間電力消費量を、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば使用燃料のエネルギ密度により決定される)を利用して、瞬間燃料消費量へ換算し(S803)、得られた瞬間燃料消費量を、更に、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば使用燃料の単価により決定される)を利用して、瞬間消費燃料費へ換算し(S804)、得られた瞬間消費燃料費の値(金額)を(例えば記憶部115に)バッファし、積算していく(S805)。これを所定のタイミングが到来するまで繰り返す(S806の「NO」でS801へ戻る)。
所定のタイミングが到来すると(S806の「YES」)、操舵経済運転度診断部109cは、その時点までに瞬間消費燃料費を積算して得られた累積消費燃料費の値(累積金額)を(例えば円単位で)、表示部113に文字情報として表示させると共に、音声メッセージとして音声出力部114から出力させる(S807)。
これにより、所定のタイミングにおいて、表示部113及び音声出力部114を通じて、その時点までに操舵操作によって消費された累積電力量を燃料消費に換算した場合の燃料代の金額が運転者に対して提示されるため、運転者に、より直感的に、今後はより経済的な操舵操作をして操舵操作により消費される電力量を抑えよう、という動機付け・意識付けを与えることができる。
図9は、操舵経済運転度診断部109cが、経済運転指南情報として、比較的経済的でない操舵操作と考えられる「据え切り」を運転者が一定期間内に行った回数を、所定のタイミングで、表示部113に表示させると共に、音声出力部114から音声出力させる場合の一具体的処理例を示している。
この場合、操舵経済運転度診断部109cは、最初にカウンタNを初期化(N=0)して(S901)から、据え切り操舵操作が行われたか否かを判定し(S902)、行われたと判定された場合(S902の「YES」)にはカウンタNを1つインクリメント(N=N+1)する(S903)。これを、所定タイミングが到来するまで、繰り返す(S904の「NO」でS902へ戻る)。
所定のタイミングが到来すると(S904の「YES」)、操舵経済運転度診断部109cは、その時点でのカウンタNの値をその時点までに行われた据え切りの回数として、表示部113に文字情報として表示させると共に、音声メッセージとして音声出力部114から出力させる(S905)。
これにより、所定のタイミングにおいて、表示部113及び音声出力部114を通じて、その時点までに行われた据え切りの回数が運転者に対して提示されるため、運転者に、今後は据え切りを控えよう、という動機付け・意識付けを与えることができる。
図10は、操舵経済運転度診断部109cが、経済運転指南情報として、運転者が一定期間内に行った据え切り操舵操作により消費された電力量を、所定のタイミングで、表示部113に表示させると共に、音声出力部114から音声出力させる場合の一具体的処理例を示している。
この場合、操舵経済運転度診断部109cは、まず、据え切り操舵操作が行われているか否かを判定する(S1001)。据え切りが行われていないと判定された場合(S1001の「NO」)、後続の3ステップ(S1002〜S1004)がスキップされる(S1005へ進む)。
他方、据え切りが行われていると判定された場合(S1001の「YES」)、操舵経済運転度診断部109cは、記憶部115にバッファされたその時点でのEPS制御電流値を読み出し(S1002)、この読み出した瞬間電流値から、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば電動機111の体格により決定される)を利用して、瞬間電力消費量を算出する(S1003)。
このようにして算出された瞬間電力消費量を、操舵経済運転度診断部109cは、(例えば記憶部115に)バッファし、積算していく(S1004)。このような据え切り中の瞬間電力消費量の積算は、所定のタイミングが到来するまで繰り返される(S1005の「NO」でS1001へ戻る)。
この所定のタイミングが到来すると(S1005の「YES」)、操舵経済運転度診断部109cは、その時点までに行われた据え切り操舵操作中の瞬間電力消費量を積算して得られた累積電力消費量の値を(例えばワット[W]単位で)、表示部113に文字情報として表示させると共に、音声メッセージとして音声出力部114から出力させる(S1006)。
これにより、所定のタイミングにおいて、表示部113及び音声出力部114を通じて、その時点までに据え切り操舵操作によって消費された累積電力量が運転者に対して提示されるため、運転者に、今後は据え切り操舵操作を減らして操舵操作により消費される電力量を抑えよう、という動機付け・意識付けを与えることができる。
図11は、操舵経済運転度診断部109cが、経済運転指南情報として、運転者が一定期間内に行った据え切り操舵操作により消費された電力量を燃料消費量に換算した値を、所定のタイミングで、表示部113に表示させると共に、音声出力部114から音声出力させる場合の一具体的処理例を示している。
この場合、操舵経済運転度診断部109cは、まず、据え切り操舵操作が行われているか否かを判定する(S1101)。据え切りが行われていないと判定された場合(S1101の「NO」)、後続の4ステップ(S1102〜S1105)がスキップされる(S1106へ進む)。
他方、据え切りが行われていると判定された場合(S1101の「YES」)、操舵経済運転度診断部109cは、記憶部115にバッファされたその時点でのEPS制御電流値を読み出し(S1102)、この読み出した瞬間電流値から、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば電動機111の体格により決定される)を利用して、瞬間電力消費量を算出する(S1103)。
さらに、操舵経済運転度診断部109cは、算出した瞬間電力消費量を、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば使用燃料のエネルギ密度により決定される)を利用して、瞬間燃料消費量へ換算する(S1104)。
このようにして得られた瞬間燃料消費量を、操舵経済運転度診断部109cは、(例えば記憶部115に)バッファし、積算していく(S1105)。このような据え切り中の瞬間燃料消費量の積算は、所定のタイミングが到来するまで繰り返される(S1106の「NO」でS1101へ戻る)。
この所定のタイミングが到来すると(S1106の「YES」)、操舵経済運転度診断部109cは、その時点までに行われた据え切り操舵操作中の瞬間燃料消費量を積算して得られた累積燃料消費量の値を(例えばリットル[l]単位で)、表示部113に文字情報として表示させると共に、音声メッセージとして音声出力部114から出力させる(S1107)。
これにより、所定のタイミングにおいて、表示部113及び音声出力部114を通じて、その時点までに据え切り操舵操作によって消費された累積燃料量が運転者に対して提示されるため、運転者に、通常の走行燃費と同様の「消費される燃料量を減らしたい」という感覚で、今後は据え切り操舵操作を減らして操舵操作により消費される電力量を抑えよう、という動機付け・意識付けを与えることができる。
図12は、操舵経済運転度診断部109cが、経済運転指南情報として、運転者が一定期間内に行った据え切り操舵操作により消費された電力量を消費燃料費(ガソリン代)に換算した値を、所定のタイミングで、表示部113に表示させると共に、音声出力部114から音声出力させる場合の一具体的処理例を示している。
この場合、操舵経済運転度診断部109cは、まず、据え切り操舵操作が行われているか否かを判定する(S1201)。据え切りが行われていないと判定された場合(S1201の「NO」)、後続の5ステップ(S1202〜S1206)がスキップされる(S1206へ進む)。
他方、据え切りが行われていると判定された場合(S1201の「YES」)、操舵経済運転度診断部109cは、記憶部115にバッファされたその時点でのEPS制御電流値を読み出し(S1202)、この読み出した瞬間電流値から、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば電動機111の体格により決定される)を利用して、瞬間電力消費量を算出する(S1203)。
さらに、操舵経済運転度診断部109cは、算出した瞬間電力消費量を、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば使用燃料のエネルギ密度により決定される)を利用して、瞬間燃料消費量へ換算し(S1204)、得られた瞬間燃料消費量を、更に、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば使用燃料の単価により決定される)を利用して、瞬間消費燃料費へ換算する(S1205)。
このようにして得られた瞬間消費燃料費の値(金額)を、操舵経済運転度診断部109cは、(例えば記憶部115に)バッファし、積算していく(S1206)。このような据え切り中の瞬間消費燃料費の積算は、所定のタイミングが到来するまで繰り返される(S1207の「NO」でS1201へ戻る)。
この所定のタイミングが到来すると(S1207の「YES」)、操舵経済運転度診断部109cは、その時点までに行われた据え切り操舵操作中の瞬間消費燃料費を積算して得られた累積消費燃料費の値(累積金額)を(例えば円単位で)、表示部113に文字情報として表示させると共に、音声メッセージとして音声出力部114から出力させる(S1208)。
これにより、所定のタイミングにおいて、表示部113及び音声出力部114を通じて、その時点までに据え切り操舵操作によって消費された累積電力量を燃料消費に換算した場合の燃料代の金額が運転者に対して提示されるため、運転者に、より直感的に、今後は据え切り操舵操作を減らして操舵操作により消費される電力量を抑えよう、という動機付け・意識付けを与えることができる。
なお、図9〜12の各具体的処理例において、据え切り操舵操作が行われたか否かの判定(S902、S1001、S1101、及び、S1201)には、任意の手法及び判定基準を採用可能である。典型的には、例えば、車速ゼロで所定角度を超える舵角が検出されたときや、所定角度を超える舵角が所定時間維持されたときに、据え切りが行われたと判定することができる。
図13は、操舵経済運転度診断部109cが、経済運転指南情報として、比較的経済的でない操舵操作と考えられる必要以上に急激な操舵操作(以下、「急操舵」と呼ぶ)を運転者が一定期間内に行った回数を、所定のタイミングで、表示部113に表示させると共に、音声出力部114から音声出力させる場合の一具体的処理例を示している。
この場合、操舵経済運転度診断部109cは、最初にカウンタNを初期化(N=0)して(S1301)から、急操舵が行われたか否かを判定し(S1302)、行われたと判定された場合(S1302の「YES」)にはカウンタNを1つインクリメント(N=N+1)する(S1303)。これを、所定タイミングが到来するまで、繰り返す(S1304の「NO」でS1302へ戻る)。
所定のタイミングが到来すると(S1304の「YES」)、操舵経済運転度診断部109cは、その時点でのカウンタNの値をその時点までに行われた急操舵の回数として、表示部113に文字情報として表示させると共に、音声メッセージとして音声出力部114から出力させる(S1305)。
これにより、所定のタイミングにおいて、表示部113及び音声出力部114を通じて、その時点までに行われた急操舵の回数が運転者に対して提示されるため、運転者に、今後は急操舵を控えよう、という動機付け・意識付けを与えることができる。
図14は、操舵経済運転度診断部109cが、経済運転指南情報として、運転者が一定期間内に行った急操舵により消費された電力量を、所定のタイミングで、表示部113に表示させると共に、音声出力部114から音声出力させる場合の一具体的処理例を示している。
この場合、操舵経済運転度診断部109cは、まず、急操舵が行われているか否かを判定する(S1401)。行われていないと判定された場合(S1401の「NO」)、後続の3ステップ(S1402〜S1404)がスキップされる(S1405へ進む)。
他方、急操舵が行われていると判定された場合(S1401の「YES」)には、記憶部115にバッファされたその時点でのEPS制御電流値を読み出し(S1402)、この読み出した瞬間電流値から、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば電動機111の体格により決定される)を利用して、瞬間電力消費量を算出する(S1403)。
このようにして算出された瞬間電力消費量を、操舵経済運転度診断部109cは、(例えば記憶部115に)バッファし、積算していく(S1404)。このような急操舵中の瞬間電力消費量の積算は、所定のタイミングが到来するまで繰り返される(S1405の「NO」でS1401へ戻る)。
所定のタイミングが到来すると(S1405の「YES」)、操舵経済運転度診断部109cは、その時点までに行われた急操舵中の瞬間電力消費量を積算して得られた累積電力消費量の値を(例えばワット[W]単位で)、表示部113に文字情報として表示させると共に、音声メッセージとして音声出力部114から出力させる(S1406)。
これにより、所定のタイミングにおいて、表示部113及び音声出力部114を通じて、その時点までに急操舵によって消費された累積電力量が運転者に対して提示されるため、運転者に、今後は急操舵を減らして操舵操作により消費される電力量を抑えよう、という動機付け・意識付けを与えることができる。
図15は、操舵経済運転度診断部109cが、経済運転指南情報として、運転者が一定期間内に行った急操舵により消費された電力量を燃料消費量に換算した値を、所定のタイミングで、表示部113に表示させると共に、音声出力部114から音声出力させる場合の一具体的処理例を示している。
この場合、操舵経済運転度診断部109cは、まず、急操舵が行われているか否かを判定する(S1501)。行われていないと判定された場合(S1501の「NO」)、後続の4ステップ(S1502〜S1505)がスキップされる(S1506へ進む)。
他方、急操舵が行われていると判定された場合(S1501の「YES」)、操舵経済運転度診断部109cは、記憶部115にバッファされたその時点でのEPS制御電流値を読み出し(S1502)、この読み出した瞬間電流値から、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば電動機111の体格により決定される)を利用して、瞬間電力消費量を算出する(S1503)。
さらに、操舵経済運転度診断部109cは、算出した瞬間電力消費量を、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば使用燃料のエネルギ密度により決定される)を利用して、瞬間燃料消費量へ換算する(S1504)。
このようにして得られた瞬間燃料消費量を、操舵経済運転度診断部109cは、(例えば記憶部115に)バッファし、積算していく(S1505)。このような急操舵中の瞬間燃料消費量の積算は、所定のタイミングが到来するまで繰り返される(S1506の「NO」でS1501へ戻る)。
所定のタイミングが到来すると(S1506の「YES」)、操舵経済運転度診断部109cは、その時点までに行われた急操舵中の瞬間燃料消費量を積算して得られた累積燃料消費量の値を(例えばリットル[l]単位で)、表示部113に文字情報として表示させると共に、音声メッセージとして音声出力部114から出力させる(S1507)。
これにより、所定のタイミングにおいて、表示部113及び音声出力部114を通じて、その時点までに急操舵によって消費された累積燃料量が運転者に対して提示されるため、運転者に、通常の走行燃費と同様の「消費される燃料量を減らしたい」という感覚で、今後は急操舵を減らして操舵操作により消費される電力量を抑えよう、という動機付け・意識付けを与えることができる。
図16は、操舵経済運転度診断部109cが、経済運転指南情報として、運転者が一定期間内に行った急操舵により消費された電力量を消費燃料費(ガソリン代)に換算した値を、所定のタイミングで、表示部113に表示させると共に、音声出力部114から音声出力させる場合の一具体的処理例を示している。
この場合、操舵経済運転度診断部109cは、まず、急操舵が行われているか否かを判定する(S1601)。行われていないと判定された場合(S1601の「NO」)、後続の5ステップ(S1602〜S1606)がスキップされる(S1606へ進む)。
他方、急操舵が行われていると判定された場合(S1601の「YES」)、操舵経済運転度診断部109cは、記憶部115にバッファされたその時点でのEPS制御電流値を読み出し(S1602)、この読み出した瞬間電流値から、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば電動機111の体格により決定される)を利用して、瞬間電力消費量を算出する(S1603)。
さらに、操舵経済運転度診断部109cは、算出した瞬間電力消費量を、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば使用燃料のエネルギ密度により決定される)を利用して、瞬間燃料消費量へ換算し(S1604)、得られた瞬間燃料消費量を、更に、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば使用燃料の単価により決定される)を利用して、瞬間消費燃料費へ換算する(S1605)。
このようにして得られた瞬間消費燃料費の値(金額)を、操舵経済運転度診断部109cは、(例えば記憶部115に)バッファし、積算していく(S1606)。このような急操舵中の瞬間消費燃料費の積算は、所定のタイミングが到来するまで繰り返される(S1607の「NO」でS1601へ戻る)。
所定のタイミングが到来すると(S1607の「YES」)、操舵経済運転度診断部109cは、その時点までに行われた急操舵中の瞬間消費燃料費を積算して得られた累積消費燃料費の値(累積金額)を(例えば円単位で)、表示部113に文字情報として表示させると共に、音声メッセージとして音声出力部114から出力させる(S1208)。
これにより、所定のタイミングにおいて、表示部113及び音声出力部114を通じて、その時点までに急操舵によって消費された累積電力量を燃料消費に換算した場合の燃料代の金額が運転者に対して提示されるため、運転者に、より直感的に、今後は急操舵を減らして操舵操作により消費される電力量を抑えよう、という動機付け・意識付けを与えることができる。
なお、図13〜16の各具体的処理例において、急操舵が行われたか否かの判定(S1302、S1401、S1501、及び、S1601)には、任意の手法及び判定基準を採用可能である。典型的には、例えば、舵角の時間変化率(すなわち角速度)が所定値(所定速度)を超える操舵操作が所定時間継続されたときに、急操舵が行われていると判定することができる。
図17は、操舵経済運転度診断部109cが、経済運転指南情報として、所定値を上回るEPS制御電流値により過剰に消費された電力量の過剰分を、所定のタイミングで、表示部113に表示させると共に、音声出力部114から音声出力させる場合の一具体的処理例を示している。
この場合、操舵経済運転度診断部109cは、記憶部115にバッファされたEPS制御電流値を例えば所定のサンプリング周期で読み出し(S1701)、この読み出した瞬間電流値が所定値を上回るか否かを判定する(S1702)。読み出した瞬間EPS制御電流値が所定値以下であると判定された場合(S1702の「NO」)、後続の2ステップ(S1703〜S1704)がスキップされる(S1705へ進む)。
他方、瞬間EPS制御電流値が所定値を上回っていると判定された場合(S1702の「YES」)、操舵経済運転度診断部109cは、読み出した瞬間EPS制御電流値のうち所定値を超える過剰分から、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば電動機111の体格により決定される)を利用して、当該過剰分による瞬間電力消費量を算出する(S1703)。
このようにして算出された瞬間電力消費量を、操舵経済運転度診断部109cは、(例えば記憶部115に)バッファし、積算していく(S1704)。このような瞬間電力消費量の過剰分の積算は、所定のタイミングが到来するまで繰り返される(S1705の「NO」でS1701へ戻る)。
所定のタイミングが到来すると(S1705の「YES」)、操舵経済運転度診断部109cは、その時点までに発生した所定値を上回るEPS制御電流値の過剰分による瞬間電力消費量を積算して得られた累積過剰電力消費量の値を(例えばワット[W]単位で)、表示部113に文字情報として表示させると共に、音声メッセージとして音声出力部114から出力させる(S1706)。
これにより、所定のタイミングにおいて、表示部113及び音声出力部114を通じて、その時点までに所定値を上回るEPS制御電流値によって過剰に消費された分の累積電力量が運転者に対して提示されるため、運転者に、今後はより経済的な操舵操作をして操舵操作により消費される電力量を抑えよう、という動機付け・意識付けを与えることができる。
図18は、操舵経済運転度診断部109cが、経済運転指南情報として、所定値を上回るEPS制御電流値により過剰に消費された電力量の過剰分を燃料消費量に換算した値を、所定のタイミングで、表示部113に表示させると共に、音声出力部114から音声出力させる場合の一具体的処理例を示している。
この場合、操舵経済運転度診断部109cは、まず、記憶部115にバッファされたEPS制御電流値を例えば所定のサンプリング周期で読み出し(S1801)、この読み出した瞬間電流値が所定値を上回るか否かを判定する(S1802)。読み出したEPS制御電流値が所定値以下であると判定された場合(S1802の「NO」)、後続の3ステップ(S1803〜S1805)がスキップされる(S1806へ進む)。
他方、瞬間EPS制御電流値が所定値を上回っていると判定された場合(S1802の「YES」)、操舵経済運転度診断部109cは、読み出した瞬間EPS制御電流値のうち所定値を超える過剰分から、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば電動機111の体格により決定される)を利用して、当該過剰分による瞬間電力消費量を算出する(S1803)。
このようにして算出された瞬間電力消費量を、操舵経済運転度診断部109cは、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば使用燃料のエネルギ密度により決定される)を利用して、瞬間燃料消費量へ換算し(S1804)、得られた瞬間燃料消費量の値を(例えば記憶部115に)バッファし、積算していく(S1805)。このような瞬間燃料消費量の過剰分の積算は、所定のタイミングが到来するまで繰り返される(S1806の「NO」でS1801へ戻る)。
所定のタイミングが到来すると(S1806の「YES」)、操舵経済運転度診断部109cは、その時点までに発生した所定値を上回るEPS制御電流値の過剰分による瞬間燃料消費量を積算して得られた累積過剰燃料消費量の値を(例えばリットル[l]単位で)、表示部113に文字情報として表示させると共に、音声メッセージとして音声出力部114から出力させる(S1807)。
これにより、所定のタイミングにおいて、表示部113及び音声出力部114を通じて、その時点までに所定値を上回るEPS制御電流値によって過剰に消費された分の累積燃料量が運転者に対して提示されるため、運転者に、今後はより経済的な操舵操作をして操舵操作により消費される電力量を抑えよう、という動機付け・意識付けを与えることができる。
図19は、操舵経済運転度診断部109cが、経済運転指南情報として、所定値を上回るEPS制御電流値により過剰に消費された電力量の過剰分を消費燃料費(ガソリン代)に換算した値を、所定のタイミングで、表示部113に表示させると共に、音声出力部114から音声出力させる場合の一具体的処理例を示している。
この場合、操舵経済運転度診断部109cは、まず、記憶部115にバッファされたEPS制御電流値を例えば所定のサンプリング周期で読み出し(S1901)、この読み出した瞬間電流値が所定値を上回るか否かを判定する(S1902)。読み出したEPS制御電流値が所定値以下であると判定された場合(S1902の「NO」)、後続の4ステップ(S1903〜S1906)がスキップされる(S1907へ進む)。
他方、瞬間EPS制御電流値が所定値を上回っていると判定された場合(S1902の「YES」)、操舵経済運転度診断部109cは、読み出した瞬間EPS制御電流値のうち所定値を超える過剰分から、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば電動機111の体格により決定される)を利用して、当該過剰分による瞬間電力消費量を算出する(S1903)。
さらに、操舵経済運転度診断部109cは、算出した瞬間電力消費量を、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば使用燃料のエネルギ密度により決定される)を利用して、瞬間燃料消費量へ換算し(S1904)、得られた瞬間燃料消費量を、更に、記憶部115に予め記憶された換算係数(例えば使用燃料の単価により決定される)を利用して、瞬間消費燃料費へ換算する(S1905)。
このようにして得られた瞬間消費燃料費の値(金額)を、操舵経済運転度診断部109cは、(例えば記憶部115に)バッファし、積算していく(S1906)。このような瞬間消費燃料費の過剰分の積算は、所定のタイミングが到来するまで繰り返される(S1907の「NO」でS1901へ戻る)。
所定のタイミングが到来すると(S1907の「YES」)、操舵経済運転度診断部109cは、その時点までに発生した所定値を上回るEPS制御電流値の過剰分による瞬間消費燃料費を積算して得られた累積過剰消費燃料費の値(累積金額)を(例えば円単位で)、表示部113に文字情報として表示させると共に、音声メッセージとして音声出力部114から出力させる(S1908)。
これにより、所定のタイミングにおいて、表示部113及び音声出力部114を通じて、その時点までに所定値を上回るEPS制御電流値によって過剰に消費された分の累積消費燃料費が運転者に対して提示されるため、運転者に、より直感的に、今後はより経済的な操舵操作をして操舵操作により消費される電力量を抑えよう、という動機付け・意識付けを与えることができる。
以上、図2〜19を参照して、本実施例に係る運転支援装置102の操舵経済運転度診断部109cによる操舵経済運転度診断及び提示処理について具体的処理例を18例挙げて説明した。
なお、図6〜19に示した具体的処理例では、所定のタイミングにおいて、経済運転指南情報が運転者に提示されるものとしたが、ここで「所定のタイミング」とは、例えばIGオフである。その場合、例えばIGオフ直後の所定期間(例えば数十秒間)、表示部113及び音声出力部114を通じて、今回の1トリップ(IGオンからIGオフまで)の間の積算値が経済運転指南情報として運転者に提示される。変形例として、次回のIGオン直後の所定期間に、前回の1トリップでの操舵操作に基づく経済運転指南情報が運転者に提示されるようにしてもよい。
あるいは、上記「所定のタイミング」は、予め設定された一単位の(ひとまとまりの)経済運転指南情報が作成された時点であってもよい。ここで、予め設定された一単位の経済運転指南情報が作成された時点とは、例えば、i)例えばIGオンなどの所定の開始地点から自車両が予め設定された所定距離を走行した時点、又は、ii)例えばIGオンなどの所定の開始時点から予め設定された所定時間が経過した時点、などである。
あるいは、上記「所定のタイミング」は、運転者が経済運転指南情報の提示を要求したときであってもよい。運転者による経済運転指南情報の提示要求は、例えば、車室内の中で運転者の手の届く範囲にプッシュ式スイッチ又はタッチパネル式ボタン等を設け、運転者がこれを操作することによって行われるものとする。
また、図3〜8、10〜12、及び14〜19に示した具体的処理例において、記憶部115に予め記憶させておく各種換算係数は、ユーザが、ユーザ入力部116を通じて、使用している燃料の種類や走行環境などに応じた適切な値を記憶させておくことが望ましい。
このように、本実施例によれば、運転者により実際に行われた操舵操作によって電動式パワーステアリング装置において消費された電力量に基づいて、運転者により経済的な操舵操作を促すための情報が提示されるため、車両の横方向運動についても運転者により経済的な運転操作(操舵操作)を促すことができる。
なお、上記一実施例においては、一例として、図2〜5に示した経済運転指南情報が略リアルタイムで運転者に提示される具体的処理例では、情報提示が運転者にとって過度に頻繁で煩わしいものとならないようにする点を重視して表示部113による視覚的提示のみが行われるものとし、図6〜19に示した経済運転指南情報が所定のタイミングで運転者に提示される具体的処理例では、提示された情報が確実に運転者に伝達されるようにする点を重視して表示部113による視覚的提示及び音声出力部114による聴覚的提示の双方が行われるものとしたが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。
当業者には明らかなように、本発明において、経済運転指南情報の視覚的提示(表示)と聴覚的提示(音声出力)とは、提示される経済運転指南情報の種類や内容に拘わらず、ア)いずれか任意の一方のみが実施されてもよく、或いは、イ)双方が実施されてもよく、更には、ウ)いずれか任意の一方のみの実施と双方の実施とが適宜組み合わされて実施されてもよい。
また、上記一実施例においては、図6〜19に示した具体的処理例において、運転者に電力消費量、燃料消費量、消費燃料費、又は、所定操舵操作発生回数などの各種積算値が提示されるものとしたが、本発明はこのような態様に限られず、I)当該積算値を積算期間中の走行距離で除算した単位走行距離あたりの平均値に換算して運転者に提示してもよく、或いは、II)バッファされた瞬間値を積算せずにヒストグラムなどの時系列データとして運転者に対して表示してもよい。
また、上記一実施例においては、特に図1において、電動式パワーステアリング装置の一例として、操舵トルクに対するアシストトルクをモータがコラムシャフト上に発生させるいわゆるコラムシャフトアシスト型のパワーステアリング装置を例に挙げて説明したが、当業者には容易に明らかなように、本発明は、操舵トルクに対するアシストトルクを発生するモータがラック軸上に設けられたいわゆるラック同軸型のパワーステアリング装置に対しても全く同じ原理で適用可能である。
更に付記するならば、エンジンに代わって電動モータで油圧ポンプを駆動するタイプの電動パワーステアリング装置(Electro−Hydraulic Power Steering;EHPS)にも適用可能である。
さらに、上記一実施例においては、搭載車両がガソリンエンジン車であることを前提としたが、当業者には明らかなように、本発明は、使用される燃料の種類や動力源の種類を問わないため、ガソリン以外の液体燃料を用いるエンジン車、気体燃料を用いるエンジン車、電気モータとエンジンとを併用するハイブリッド車、電気自動車、及び、燃料電池車、にも適用可能である。
更に付記するならば、上記一実施例に係る運転支援装置のように記憶部に記憶保持された換算係数を書き換え可能なユーザ入力部を備えていると、複数の液体燃料を使用可能なエンジン車においても使用中の燃料に応じた情報提示が可能となる。