JP2006143059A - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 運転者に煩雑な操作を強いることなく、車両の走行状態に応じた最適なステアリング特性を実現することができるパワーステアリング装置を提供すること。
【解決手段】 走行状態判定部60は、車速V、車両加速度G、操舵角θs、操舵速度ωs、並びにエンジン状態量としてエンジン回転数及び水温に基づいて車両の走行状態を判定し、その判定結果を走行状態信号V_mdとして流量指令値演算部55に出力する。一方、流量指令値演算部55は、上記各走行モードに対応する複数のマップセット56(56a〜56e)を備える。そして、流量指令値演算部55は、入力された走行状態信号V_mdに基づいて、流量指令値Q*の演算に用いるマップセット56を切り替える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、パワーステアリング装置に関するものである。
従来、油圧ポンプと、その油圧に基づいて操舵系にアシスト力を付与するパワーシリンダとを備えた油圧式のパワーステアリング装置には、油圧ポンプに還流するフルード(圧油)の分配比率を変化させることによりパワーシリンダに供給する圧油の流量(供給流量)を変更可能な流量制御弁(流量制御装置)を備えたものがある。
例えば、特許文献1に記載のパワーステアリング装置は、車速、操舵角及び操舵速度に応じてその供給流量を変更することにより、車両状態に応じた必要十分な供給流量を確保するとともに(アシストモード)、アシスト要求の低い状態においては、その供給流量をアシストモードにおける流量よりも小とする(スタンバイモード)。そして、このような構成を採用することにより、車両状態に応じた最適なアシスト力を操舵系に付与して操舵フィーリングの向上を図るとともに、非アシスト時の圧力損失を抑えてエネルギー消費の低減を図ることができるようになる。
また、特許文献2に記載のパワーステアリング装置は、車速、操舵角及び操舵速度の各状態量について、該各状態量とソレノイド電流指令値とが関連付けられた特性の異なる複数のテーブルを備え、切替信号に応じてこれら各テーブルを選択可能とする。そして、このような構成を採用することにより、運転者の嗜好に応じた操舵フィーリングを実現することができる。
特開2001−163233号公報 特開2004−149092号公報
ところで、運転者の嗜好もさることながら、要求されるアシスト力は、市街地走行、高速走行等といった車両の走行状態に大きく依存する。そして、エネルギー消費の低減を目的とし、その最大化を図ろうとするならば、この走行状態の違いがエネルギー消費に及ぼす影響を無視することはできない。従って、上記のような供給流量の制御特性は、車両の走行状態に応じて変更することが望ましい。しかし、上記従来の構成では、手動によりその変更操作を行わなければならない。そのため、運転者に煩雑な操作を強いることとなり、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、運転者に煩雑な操作を強いることなく、車両の走行状態に応じた最適なステアリング特性を実現することができるパワーステアリング装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、油圧ポンプと、その油圧に基づいて操舵系にアシスト力を付与するパワーシリンダと、前記油圧ポンプに還流する圧油の分配比率を変化させることにより前記パワーシリンダに供給する圧油の流量を変更可能な流量制御装置と、前記流量制御装置を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記流量と車速とが関連付けられたマップに基づいて、前記流量を決定するパワーステアリング装置であって、前記制御手段は、特性の異なる複数の前記マップと、操舵角、操舵速度、車速、車両加速度、及びエンジン状態量の少なくとも一つに基づいて、車両の走行状態を判定する走行状態判定手段とを備え、前記判定された走行状態に基づいて前記決定に用いる前記マップを切り替えること、を要旨とする。
上記構成によれば、運転者に煩雑な操作を強いることなく、車両の走行状態に応じて流量制御特性を自動的に変更することが可能となり、その結果、走行状態に応じた最適なステアリング特性を実現することができるとともに、そのエネルギー消費を最小化することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、前記制御手段は、前記アシスト力を付与するための前記流量を確保するアシストモードと、前記流量を前記アシストモードにおける流量よりも小とするスタンバイモードとを有し、前記判定された走行状態に基づいて前記アシストモードと前記スタンバイモードとの間の切替条件を変更すること、を要旨とする。
上記構成によれば、車両の走行状態に応じて、スタンバイモードからアシストモード、及びアシストモードからスタンバイモードへの移行のしやすさを最適化することができ、これにより、より一層のステアリング特性の最適化及びエネルギー消費の最小化を図ることができるようになる。
請求項3に記載の発明は、前記制御手段は、前記流量の増加時において、その立ち上がりを穏やかにするローパスフィルタを備え、前記判定された走行状態に基づいて前記ローパスフィルタの時定数を変更すること、を要旨とする。
上記構成によれば、車両の走行状態に応じて、スタンバイモードからアシストモードへの移行速度を最適化することができ、これにより、より一層のステアリング特性の最適化及びエネルギー消費の最小化を図ることができるようになる。
本発明によれば、運転者に煩雑な操作を強いることなく、車両の走行状態に応じた最適なステアリング特性を実現することが可能なパワーステアリング装置を提供することができる。
以下、本発明を油圧式パワーステアリング装置に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のパワーステアリング装置1の概略構成図である。同図に示すように、ステアリングホイール(ステアリング)2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック5に連結されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック5の往復直線運動に変換される。そして、このラック5の往復直線運動により操舵輪6の舵角、即ちタイヤ角が可変することにより、車両の進行方向が変更されるようになっている。
本実施形態のパワーステアリング装置1は、油圧ポンプ11と、その油圧に基づいて操舵系にアシスト力を付与するパワーシリンダ12とを備えた油圧式のパワーステアリング装置であり、油圧ポンプ11から圧送されたフルード(圧油)は、コントロールバルブ13を経由してラック5に設けられたパワーシリンダ12に導入される。そして、パワーシリンダ12に流入するフルードの圧力により、ラック5がその移動方向に押圧されることで、操舵系にアシスト力が付与されるようになっている。
尚、コントロールバルブ13は、ステアリングシャフト3が連結されるピニオン軸(図示略)に設けられており、同コントロールバルブ13は、操舵系への操舵トルクの印加に伴うトーションバー(図示略)の捻れに基づいて、パワーシリンダ12に対するフルードの導入方向及びその流量を制御する。そして、操舵系にアシスト力を付与しない非アシスト時には、フルードはパワーシリンダ12に流入することなく、コントロールバルブ13から油圧ポンプ11へと還流されるようになっている。
また、本実施形態のパワーステアリング装置1は、パワーシリンダ12に供給するフルード流量を変更可能な流量制御装置としての流量制御弁15と、同流量制御弁15の作動を制御する制御手段としてのECU16とを備えている。
図2に示すように、本実施形態では、油圧ポンプ11は、ポンプ本体21から吐出されたフルードをコントロールバルブ13に圧送するためのポンプポート22と、フルードをポンプ本体21に導入するためのリターンポート23とを備えており、流量制御弁15は、同油圧ポンプ11内に組み込まれている。そして、流量制御弁15は、ポンプポート22からリターンポート23に還流するフルードの分配比率を変化させることにより、同ポンプポート22から圧送されるフルード流量、即ちパワーシリンダ12に供給するフルード流量を変更する。
詳述すると、流量制御弁15は、ポンプポート22に設けられた可変オリフィス24と、可変オリフィス24の上流側においてポンプポート22と連通された第1圧力室25a及びその下流側においてポンプポート22と連通された第2圧力室25bと、これら両圧力室間の圧力差に応じて軸線方向(図中左右方向)に移動するスプール26とを備えている。
本実施形態では、スプール26は、第2圧力室25bに配設されたスプリング27により第1圧力室25a側に付勢されており、同スプール26は、可変オリフィス24の抵抗により第1圧力室25aの圧力が第2圧力室25bの圧力とスプリング27の弾性力との和よりも大となることで、その圧力差に応じた位置に移動する。
また、流量制御弁15は、第1圧力室25aとリターンポート23とを連通可能な戻り流路28を有しており、戻り流路28は、スプール26が第2圧力室25b側に移動するほど、その第1圧力室25aへの開口面積、即ち流路断面積が大となるように設定されている。そして、流量制御弁15は、このスプール26の移動に基づいて、その移動位置に応じた流量のフルードをポンプポート22からリターンポート23に還流するようになっている。
一方、可変オリフィス24の駆動源であるソレノイド29は、ECU16と接続されており、同ECU16は、該ソレノイド29に印加する電圧を制御することにより、可変オリフィス24の開度(絞り量)を制御する。そして、この可変オリフィス24の開度に対応する位置にスプール26が移動し、ポンプ本体21に還流されるフルードの分配比率が変化することにより、油圧ポンプ11からコントロールバルブ13に圧送されるフルード流量が制御されるようになっている。
(流量可変制御)
次に、本実施形態のパワーステアリング装置における流量可変制御について説明する。
図1に示すように、本実施形態では、上記の流量制御弁15を制御するECU16には、操舵角センサ37及び車速センサ38が接続されている。そして、ECU16は、これら各センサにより検出される操舵角θs及び操舵速度ωs、並びに車速Vに基づいて、上記の流量可変制御を実行する。尚、この操舵速度ωsは、操舵角θsを時間で微分することにより算出される(以下同様)。
図3は、本実施形態のパワーステアリング装置の制御ブロック図である。同図に示すように、ECU16は、流量制御弁15(可変オリフィス24)のソレノイド29に印加する電圧を決定するマイコン51と、該マイコン51の出力する電圧制御信号に基づいてソレノイド29に駆動電圧を印加する駆動回路52とを備えている。そして、ECU16は、ソレノイド29に印加する電圧を制御することにより流量制御弁15の作動を制御、即ち流量可変制御を実行する。
図4に示すように、本実施形態のパワーステアリング装置1では、パワーシリンダ12に供給するフルード流量(供給流量Q)について、要求されるアシスト力を付与するために、車速に応じた十分な供給流量Qを確保する「アシストモード」と、このアシストモードにおける供給流量(アシスト流量Qa)よりも、供給流量Q(スタンバイ流量Qs)を小とする「スタンバイモード」との2つの流量制御モードが設定されている。
そして、アシスト要求の高い状態では、流量制御モードを「アシストモード」として、要求されるアシスト力を発生するための十分な供給流量Qを確保し、アシスト要求の低い状態では、「スタンバイモード」として、ポンプ本体21に還流されるフルードの分配比率を高めることにより、圧力損失を抑えてエネルギー消費の低減を図るようになっている。
図3に示すように、マイコン51は、スタンバイ/アシストモードの切替判定を行うスタンバイ/アシスト判定部54と、その判定結果(スタンバイ/アシスト判定値V_as)に基づいて供給流量Qの制御目標量である流量指令値Q*を演算する流量指令値演算部55とを備えている。
本実施形態では、スタンバイ/アシスト判定部54には、操舵角θs、操舵速度ωs及び車速Vが入力される。そして、スタンバイ/アシスト判定部54は、入力されたこれらの状態量に基づいて、スタンバイ/アシストモードの切替判定を実行する(スタンバイ/アシスト判定)。
具体的には、図5のフローチャートに示すように、スタンバイ/アシスト判定部54は、先ず、車速Vが0(Km/s)であるか否か、即ち車両が停止状態にあるか否かについて判定する(ステップ101)。そして、停止状態にあると判定した場合(V=0、ステップ101:YES)には、操舵速度ωsの絶対値が所定の閾値αより大きいか否かについて判定し(ステップ102)、停止状態ではないと判定した場合(|V|>0、ステップ101:NO)には、操舵角θsの絶対値が所定の閾値βより大きいか否かについて判定する(ステップ103)。
尚、本実施形態では、操舵速度ωsに関する閾値αは、「0[deg/s]」、操舵角θsに関する閾値βは、ステアリング中立近傍のタイヤ角の変化に車両進行方向が追従しない領域、即ち所謂「不感帯」に相当する値となっている。
そして、ステップ102において操舵速度ωsの絶対値が閾値αよりも大きいと判定した場合(|ωs|>α、ステップ102:YES)、又はステップ103において操舵角θsの絶対値が閾値βよりも大きいと判定した場合(|θs|>β、ステップ103:YES)には、「アシストON(スタンバイOFF)」と判定する(ステップ104)。
一方、上記ステップ102において操舵速度ωsの絶対値が閾値α以下であると判定した場合(|ωs|≦α、ステップ102:NO)、又は上記ステップ103において操舵角θsの絶対値が閾値β以下であると判定した場合(|θs|≦β、ステップ103:NO)には、スタンバイ/アシスト判定部54は、「暫定フラグ」をセットする(ステップ105)。
次に、スタンバイ/アシスト判定部54は、暫定フラグが所定時間t以上継続してセットされているか否かについて判定する(ステップ106)。そして、所定時間t以上継続してセットされていると判定した場合(ステップ106:YES)には、「スタンバイON(アシストOFF)」と判定する(ステップ107)。尚、上記ステップ106において、暫定フラグは所定時間t以上継続してセットされていないと判定した場合(ステップ106:NO)には、上記ステップ104において「アシストON(スタンバイOFF)」と判定する。
そして、スタンバイ/アシスト判定部54は、上記ステップ101〜ステップ107の処理を繰り返すことにより、スタンバイ/アシスト判定を実行する。尚、本実施形態では、スタンバイ/アシスト判定部54は、「アシストON」と判定した場合には、スタンバイ/アシスト判定値V_asを「0」、「スタンバイON」と判定した場合には、スタンバイ/アシスト判定値V_asを「1」とする。
また、図3に示すように、流量指令値演算部55には、上記のスタンバイ/アシスト判定部54における判定結果であるスタンバイ/アシスト判定値V_as、車速V及び操舵速度ωsが入力される。そして、流量指令値演算部55は、車速V及び操舵速度ωsに基づいて、スタンバイ/アシストの各モードに対応する流量指令値Q*を演算する(流量指令値演算)。
詳述すると、流量指令値演算部55は、スタンバイモードに対応するスタンバイ流量マップ55aと、アシストモードに対応するアシスト流量マップ55bとにより構成されるマップセット56aを備えている。
スタンバイ流量マップ55aには、流量指令値Q*と車速Vとが関連付けられており、流量指令値演算部55は、スタンバイ/アシスト判定結果が「スタンバイON(V_as=1)」である場合には、このスタンバイ流量マップ55aを用いて、入力された車速Vに対応する流量指令値Q*を算出する。
尚、本実施形態では、このスタンバイ流量マップ55aにおいて、流量指令値Q*は、車速Vの値に関わらず所定のスタンバイ流量Qsとなるように設定されている。従って、図6に示すように、スタンバイモードにおいては、車速Vに関わらず、一定の流量指令値Q*(スタンバイ流量Qs)が算出されるようになっている。
一方、アシスト流量マップ55bは、流量指令値Q*と車速V及び操舵速度ωsとが関連付けられた3次元マップであり、流量指令値演算部55は、スタンバイ/アシスト判定結果が「アシストON(V_as=0)」である場合には、このアシスト流量マップ55bを用いて、入力された車速V及び操舵速度ωsに対応する流量指令値Q*を算出する。
具体的には、このアシスト流量マップ55bにおいて、流量指令値Q*は、車速Vが大となるに従って小となるように設定されている。また、流量指令値Q*は、操舵速度ωsが大となるに従って大となるように設定されている。従って、図6に示すように、アシストモードにおいては、車速Vが大となるほど小さな流量指令値Q*が算出されるとともに、操舵速度ωsが大となるほど大きな流量指令値Q*が算出されるようになっている。
また、本実施形態のマイコン51は、流量指令値Q*の変化を穏やかにするフィルタ演算部57を備えており、流量指令値演算部55により演算された流量指令値Q*は、このフィルタ演算部57に入力される。本実施形態では、フィルタ演算部57は、ローパスフィルタにより構成されており、同フィルタ演算部57は、流量指令値Q*の増加時には、その立ち上がりを鈍らせるべく、流量指令値Q*を補正する(流量指令値フィルタ演算)。
例えば、図7に示すように、流量制御モードがスタンバイモードからアシストモードに移行する場合、流量指令値Q*は、モード移行時を境としてスタンバイ流量Qsからアシスト流量Qaへと矩形波状に変化する。従って、フィルタ演算部57による補正を行うことなく、この流量指令値Q*に基づいて流量可変制御を実行すれば、アシスト力の急激な変化によって操舵フィーリングが悪化するおそれがある。
この点、本実施形態では、スタンバイモードからアシストモードへの移行時には、フィルタ演算部57にて流量指令値Q*を補正するため、補正後の流量指令値Q**は、モード移行後、スタンバイ流量Qsから急速に増加し、その後は滑らかにアシスト流量Qaまで増加する。その結果、迅速なアシスト力の立ち上がりを確保しつつ、アシスト力の急変による操舵フィーリングの悪化を防止することが可能となっている。
フィルタ演算部57により補正された補正後の流量指令値Q**は、電圧指令値演算部58に入力される。電圧指令値演算部58は、この流量指令値Q**に基づいて流量制御弁15のソレノイド29に印加する電圧指令値を演算し、同電圧指令値をPWM制御演算部59に出力する。そして、PWM制御演算部59は、入力された電圧指令値に基づいて電圧制御信号を生成(演算)して駆動回路52に出力し、その電圧制御信号に基づいてソレノイド29に駆動電圧が印加されることにより、流量制御弁15の作動、即ちパワーシリンダ12に供給するフルード流量が制御されるようになっている。
(走行状態に応じた流量可変制御の特性変更)
次に、本実施形態のパワーステアリング装置における走行状態に応じた流量可変制御の特性変更について説明する。
図3に示すように、本実施形態では、マイコン51は、各種センサにより検出される車両状態量に基づいて車両の走行状態(走行モード)を判定する走行状態判定手段としての走行状態判定部60を備えている。そして、この走行状態判定部60により判定された走行状態に基づいて上記流量可変制御の特性を変更する。
詳述すると、本実施形態では、走行状態判定部60には、車速V、車両加速度G、操舵角θs、操舵速度ωs、並びにエンジン状態量としてエンジン回転数及び水温が入力されるようになっており、走行状態判定部60は、これらの車両状態量に基づいて車両の走行状態を判定する。具体的には、「ノーマル」「市街地」「高速走行」「渋滞」「停車」の5つの走行モードの何れかを判定する。そして、走行状態判定部60は、その判定結果を走行状態判定値V_mdとして流量指令値演算部55に出力する。
本実施形態では、流量指令値演算部55は、上記各走行モードに対応する複数のマップセット56(56a〜56e)を備えている。尚、上述のスタンバイ流量マップ55a及びアシスト流量マップ55bとからなるマップセット56aは、ノーマルモードに対応するものである。そして、流量指令値演算部55は、入力された走行状態判定値V_mdに基づいて、流量指令値Q*の演算に用いるマップセット56を切り替える。
また、走行状態判定部60は、走行状態判定値V_mdをスタンバイ/アシスト判定部54及びフィルタ演算部57に出力する。そして、スタンバイ/アシスト判定部54は、走行状態判定値V_mdに基づいて、スタンバイ/アシストモードの切替条件(S/A切替条件)である操舵角θsの閾値β(アシスト検出角、図5参照ステップ103)を変更し、フィルタ演算部57は、スタンバイモードからアシストモードへの移行時におけるその時定数(流量復帰時定数)を変更する。
即ち、本実施形態のマイコン51は、車両状態量に基づき判定された車両の走行状態に応じて、流量指令値Q*の演算に用いるマップセット56、S/A切替条件、流量復帰時定数のうちの少なくとも何れか一つを変更する。そして、これにより流量可変制御の特性をその走行モードに応じたものに変更する。
次に、図8を参照し、本実施形態における上記各走行モードの判定条件、及びその制御態様について詳述する。
[市街地モード]
市街地モードは、車両が市街地を走行している状態にある場合の走行モードであり、走行状態判定部60は、検出される各車両状態量が以下の条件を満たす場合に、その走行状態が「市街地モード」にあると判定する。
− 低中速領域(例えば、20〜60Km/hまでの範囲)で車速Vが変化。
− 断続的に車速Vが「0」となる。
− 操舵角θsが所定値θ0(例えば90deg)以上となる頻度が高い。
− 車両加速度Gが所定値G0以上となる頻度が高い。
また、走行状態判定部60の出力する走行状態判定値V_mdが市街地モードを示すものである場合、流量指令値演算部55は、低速領域(例えば30Km/hまでの範囲)のアシスト流量Qaが高く設定されたマップセット56bを用いて流量指令値Q*を演算(決定)する。そして、スタンバイ/アシスト判定部54は、S/A切替条件である操舵角θsの閾値βを小(アシスト検出角縮小)とし、フィルタ演算部57は、流量復帰時定数を小とする。
即ち、市街地モードは、低速領域でのアシスト量を増加させるとともに、スタンバイモードからアシストモードへ移行しやすく且つその移行を速やかなものとすることで、操作性を重視したステアリング特性となるように設定されている。
[高速走行モード]
高速走行モードは、車両が高速走行状態にある場合の走行モードであり、走行状態判定部60は、検出される各車両状態量が以下の条件を満たす場合に、その走行状態が「高速走行モード」にあると判定する。
− 所定時間以上、車速Vが所定値V0(例えば、80Km/h)以上を継続。
− 操舵速度ωsが所定値ω1以下(例えば60deg/s)。
また、走行状態判定部60の出力する走行状態判定値V_mdが高速走行モードを示すものである場合、流量指令値演算部55は、アシスト流量Qaが低く設定されたマップセット56cを用いて流量指令値Q*を演算する。そして、スタンバイ/アシスト判定部54は、S/A切替条件である操舵角θsの閾値βを大(アシスト検出角拡大)とし、フィルタ演算部57は、流量復帰時定数を大とする。
即ち、高速走行モードは、アシスト量を減少させるとともに、スタンバイモードからアシストモードへ移行しにくく且つその移行を緩やかなものとすることで、ステアリング剛性感(手応え感)のある安定性を重視したステアリング特性となるように設定されている。
[渋滞モード]
渋滞モードは、渋滞走行に対応する走行モードであり、走行状態判定部60は、検出される各車両状態量が以下の条件を満たす場合に、その走行状態が「渋滞モード」にあると判定する。
− 極低速領域(例えば、20Km/hまでの範囲)で車速Vが変化。
− 断続的に車速Vが「0」となる。
− 所定値ω2以下(例えば60deg/s)の操舵速度ωsの頻度が高い。
そして、走行状態判定部60の出力する走行状態判定値V_mdが渋滞モードを示すものである場合、流量指令値演算部55は、スタンバイ流量Qsが低く設定されたマップセット56dを用いて流量指令値Q*を演算する。
即ち、渋滞走行中は、エンジン冷却効果が低下するため、油温が上昇しやすい状態にある。そのため、渋滞モードは、スタンバイ流量Qsを減少させることで、こうした油温上昇を極力抑制する設定となっている。
[停止モード]
停止モードは、車両がアイドル状態にある場合に対応する走行モードであり、走行状態判定部60は、検出される各車両状態量が以下の条件を満たす場合に、その走行状態が「停止モード」にあると判定する。
− 所定時間以上、車速V=0が継続。
− 所定時間以上、操舵速度ωs=0が継続。
− 所定時間以上、エンジン回転数が所定回転以下。
− 水温が所定値以上。
そして、走行状態判定部60の出力する走行状態判定値V_mdが渋滞モードを示すものである場合、流量指令値演算部55は、スタンバイ流量Qsが更に低く設定されたマップセット56eを用いて流量指令値Q*を演算する。即ち、停車モードは、操舵系へのアシスト付与を必要としないため、供給流量Qを最小化し、熱劣化部品を保護する設定となっている。
以上、本実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)走行状態判定部60は、車速V、車両加速度G、操舵角θs、操舵速度ωs、並びにエンジン状態量としてエンジン回転数及び水温に基づいて車両の走行状態を判定し、その判定結果を走行状態判定値V_mdとして流量指令値演算部55に出力する。一方、流量指令値演算部55は、上記各走行モードに対応する複数のマップセット56(56a〜56e)を備えている。そして、流量指令値演算部55は、入力された走行状態判定値V_mdに基づいて、流量指令値Q*の演算に用いるマップセット56を切り替える。
このような構成とすれば、運転者に煩雑な操作を強いることなく、車両の走行状態に応じて流量可変制御の特性を自動的に変更することが可能となり、その結果、走行状態に応じた最適なステアリング特性を実現することができるとともに、そのエネルギー消費を最小化することができるようになる。
(2)走行状態判定部60は、走行状態判定値V_mdをスタンバイ/アシスト判定部54に出力する。そして、スタンバイ/アシスト判定部54は、走行状態判定値V_mdに基づいて、スタンバイ/アシストモードの切替条件(S/A切替条件)である操舵角θsの閾値β(アシスト検出角、図5参照ステップ103)を変更する。
このような構成とすれば、車両の走行状態に応じて、スタンバイモードからアシストモード、及びアシストモードからスタンバイモードへの移行のしやすさを最適化することができ、これにより、より一層のステアリング特性の最適化及びエネルギー消費の最小化を図ることができるようになる。
(3)走行状態判定部60は、走行状態判定値V_mdをフィルタ演算部57に出力する。そして、フィルタ演算部57は、走行状態判定値V_mdに基づいて、スタンバイモードからアシストモードへの移行時におけるその時定数(流量復帰時定数)を変更する。
このような構成とすれば、車両の走行状態に応じて、スタンバイモードからアシストモードへの移行速度を最適化することができ、これにより、より一層のステアリング特性の最適化及びエネルギー消費の最小化を図ることができるようになる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、流量制御弁15は、同油圧ポンプ11内に組み込まれ、ポンプポート22からリターンポート23に還流するフルードの分配比率を変化させることにより、同ポンプポート22から圧送されるフルード流量、即ちパワーシリンダ12に供給するフルード流量を変更することとした。しかし、これに限らず、流量制御弁15は、油圧ポンプ11以外の場所に設けてもよい。尚、流量制御弁15の構成は、図2に示すものに限らないことはいうまでもない。
・本実施形態では、走行状態判定部60は、車速V、車両加速度G、操舵角θs、操舵速度ωs、並びにエンジン状態量としてエンジン回転数及び水温に基づいて車両の走行状態を判定することとしたが、これらの車両状態量のうちの少なくとも一つに基づいて走行状態を判定する構成としてもよい。
・本実施形態では、アシスト流量マップ55bは、流量指令値Q*と車速V及び操舵速度ωsとが関連付けられた3次元マップとしたが、少なくとも流量指令値Q*と車速Vとが関連付けられたものであればよい。
・本実施形態では、スタンバイ/アシストモードの切替条件として操舵角θsの閾値β(アシスト検出角、図5参照ステップ103)を変更することとしたが、これに限らず、操舵速度ωsの閾値α(図5参照ステップ102)を変更する構成としてもよい。
次に、以上の実施形態から把握することのできる請求項以外の技術的思想を記載する。
(イ)請求項2に記載のパワーステアリング装置において、前記制御手段は、前記操舵角が所定値を超えるか否かを判定することにより、前記アシストモードと前記スタンバイモードとの切替を行うものであって、前記判定された走行状態に基づいて前記所定値を変更すること、を特徴とするパワーステアリング装置。
パワーステアリング装置の概略構成図。 油圧ポンプ及び流量制御弁の概略構成図。 パワーステアリング装置の制御ブロック図。 スタンバイ/アシストモードの説明図。 スタンバイ/アシスト判定の処理手順を示すフローチャート。 流量指令値演算の説明図。 流量指令値フィルタ演算の説明図。 各走行モードの判定条件及びその制御態様を示す説明図。
符号の説明
1…パワーステアリング装置、11…油圧ポンプ、12…パワーシリンダ、15…流量制御弁、16…ECU、29…ソレノイド、37…操舵角センサ、38…車速センサ、51…マイコン、52…駆動回路、54…スタンバイ/アシスト判定部、55…流量指令値演算部、55a…スタンバイ流量マップ、55b…アシスト流量マップ、56(56a〜56e)…マップセット、57…フィルタ演算部、60…走行状態判定部、V…車速、G…車両加速度、θs…操舵角、ωs…操舵速度、α,β…閾値、Q…供給流量、Qa…アシスト流量、Qs…スタンバイ流量、Q*,Q**…流量指令値、V_as…スタンバイ/アシスト判定値、V_md…走行状態判定値。

Claims (3)

  1. 油圧ポンプと、その油圧に基づいて操舵系にアシスト力を付与するパワーシリンダと、前記油圧ポンプに還流する圧油の分配比率を変化させることにより前記パワーシリンダに供給する圧油の流量を変更可能な流量制御装置と、前記流量制御装置を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記流量と車速とが関連付けられたマップに基づいて、前記流量を決定するパワーステアリング装置であって、
    前記制御手段は、特性の異なる複数の前記マップと、
    操舵角、操舵速度、車速、車両加速度、及びエンジン状態量の少なくとも一つに基づいて、車両の走行状態を判定する走行状態判定手段とを備え、
    前記判定された走行状態に基づいて前記決定に用いる前記マップを切り替えること、
    を特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
    前記制御手段は、前記アシスト力を付与するための前記流量を確保するアシストモードと、前記流量を前記アシストモードにおける流量よりも小とするスタンバイモードとを有し、
    前記判定された走行状態に基づいて前記アシストモードと前記スタンバイモードとの間の切替条件を変更すること、を特徴とするパワーステアリング装置。
  3. 請求項1又は請求項2のうちの何れか一項に記載のパワーステアリング装置において、
    前記制御手段は、前記流量の増加時において、その立ち上がりを穏やかにするローパスフィルタを備え、前記判定された走行状態に基づいて前記ローパスフィルタの時定数を変更すること、を特徴とするパワーステアリング装置。
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